JP5493714B2 - クラスリン結合性ペプチド誘導体 - Google Patents
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Description
タンデム質量分析計(nano LC−ESI−Q−TOF MS/MS)で分析した結果、このペプチドは細胞内物質輸送に関わるクラスリンと結合することが判明した。
〔1.1 サブトラクション〕
正常細胞株に結合するファージを吸着させるため、以下のようにしてサブトラクションを行った。ファージ吸着細胞として、正常ヒト胆管上皮細胞株であるMMNK−1細胞を用いた。5%の二酸化炭素含有加湿大気下、37℃で、6穴細胞培養プレートを用いて、10%のウシ胎児血清(FBS)、100unit/mlのペニシリン、100mg/mlのストレプトマイシンが含有されているダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;インビトロジェン株式会社製)中で、MMNK−1細胞を、コンフルエントになるまで培養した後、このプレートを4℃で30分静置し、培養MMNK−1細胞を得た。この培地を吸引し、ウシ血清アルブミン(BSA;シグマアルドリッチジャパン株式会社製)を1%含有するPBS(大日本住友製薬株式会社製)でこのMMNK−1細胞を2回洗浄した。1%BSA含有DMEMを1穴につき1ml、このプレートに加え、4℃で30分間、このプレートを毎分50回で振盪させ、このMMNK−1細胞を培養した。この細胞に、1穴につき2×1011プラーク形成単位(plaque-forming unit;pfu)にPBSで希釈したファージライブラリーのファージの100μlを加えた。このプレートを、マイクロインキュベーターで4℃、60分間振盪させ、その後、MMNK−1未結合ファージが含有された上清を回収し、次のバイオパンニング工程に用いた。
ヒト胆管癌細胞のみに結合するファージを得るため、以下のようにしてバイオパンニングを行った。バイオパンニングに用いた細胞は、ヒト胆管癌細胞株のRBE細胞である。RBE細胞の培地は、10%のウシ胎児血清(FBS)、100unit/mlのペニシリン、100mg/mlのストレプトマイシンが含有されているRPMI−1640培地(インビトロジェン株式会社製)である。この培地を用いたこと以外は、前記のサブトラクションの工程で培養MMNK−1細胞を得たのと同様にして、6穴細胞培養プレート中に、培養RBE細胞を得た。その6穴細胞培養プレートに、前記のサブトラクションの工程で回収したMMNK−1未結合ファージ含有上清の1mlを加え、マイクロインキュベーターで4℃、60分間このプレートを振盪させた後、その培地をRBE未結合ファージごと除去した。このファージが結合したRBE細胞を洗浄するため、1%BSA含有PBSをこのプレートに加え、除去する操作を4回繰返した。氷上にこのプレートを置き、この細胞とファージとの非特異的相互作用を解離させるため、0.2Mのグリシン塩酸塩水溶液(pH2.2)を1穴あたり1mlずつ加え、5分間プレートを静置した。1Mのトリスヒドロキシメチルアミノメタン(トリス:Tris)塩酸塩(pH9.1)を1穴あたり150μlずつ加え、プレート中の内容液を中和した。このプレートの内容液を吸引し、1%BSA含有PBSを1穴あたり1mlずつ加え、このファージ結合細胞を洗浄した。1%トリス−エチレンジアミン四酢酸(Tris−EDTA)を1穴あたり1mlずつ加え、マイクロインキュベーターで4℃、60分間このプレートを振盪させ、RBE細胞を溶解させスクレーパーで剥がして攪拌した後、RBE細胞結合性の遊離ファージを1%Tris−EDTAごと回収した。
滅菌済みの三角フラスコに、大腸菌の増殖や培養に用いられるLB培地20mlを加え、その後大腸菌株ER2738を白金スパーテルでかきとって加え、37℃で1.5〜2時間振盪培養した。その早期対数増殖期の大腸菌株ER2738含有LB培地に、前記のバイオパンニングの工程で得たRBE細胞結合性の遊離ファージを含む1%Tris−EDTA液の100μlを加え、37℃、5時間、150rpmで攪拌して増幅させた。その後、それを滅菌済みであるコニカルチューブに移して、10000rpm、4℃で10分間このコニカルチューブを遠心した。このコニカルチューブ内の上清を別なコニカルチューブに移し、再度同じ条件でこのコニカルチューブを遠心した。このコニカルチューブ内の上清の15mlを別なコニカルチューブに移し、2.5mlのポリエチレングリコール/塩化ナトリウムを加えた。4℃で一晩このコニカルチューブを静置した後、このコニカルチューブの内容液を別なコニカルチューブに移し、10000rpm、4℃で15分間このコニカルチューブを遠心した。上清を除去し、10000rpm、4℃で5分間このペレットのみのコニカルチューブを再遠心した。ピペットを用いて、遠心したこのコニカルチューブ内のペレット状RBE細胞結合性ファージ以外の水分を除去した。1mlのトリス緩衝生理食塩水液(TBS)をこのコニカルチューブに加え、RBE細胞結合性ファージを懸濁して、13000rpm、4℃で5分間このコニカルチューブを遠心した。上清の1000μlを別なマイクロチューブに移し、そのチューブにポリエチレングリコール/塩化ナトリウムの170μlを加えた。このマイクロチューブを氷上で60分静置して、13000rpm、4℃で5分間遠心した。上清を除去し、13000rpm、4℃で1分間このマイクロチューブを再遠心した。ピペットを用いて、このマイクロチューブ内のペレット状RBE細胞結合性ファージ以外の水分を除去し、PBSを1ml加え、RBE細胞結合性ファージを懸濁したPBS液を得た。
ファージ数を、プラークインフェクションアッセイにて、以下のようにして測定した。コニカルチューブにLB培地の10mlを加え、その後大腸菌株ER2738を白金スパーテルでかきとって加え、37℃で2時間振盪培養した。この大腸菌含有LB培地の185μlを、前記のRBE細胞結合性のファージの増幅の工程で得たRBE細胞結合性ファージを懸濁したPBS液の10μlに加え、その混合液を5分間静置した。予め温めて溶かしておいたアガローストップの40mlを、別なコニカルチューブに移し、アガローストップが冷えてきたら、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X−gal;和光純薬工業株式会製)含有液の濃度0.05g/mLの480μlと、イソプロピル−β−チオガラクトピラノシド(IPTG;和光純薬工業株式会社製)含有液の濃度0.2383g/mLの120μlとを加え、それを、予め温めておいた別なコニカルチューブに3〜4mlずつ取り分けた。このコニカルチューブに、前記の大腸菌含有LB培地とRBE細胞結合性ファージ懸濁PBS液との混合液を加え、攪拌した。これらを、ファージが感染した大腸菌のみを増殖させる培地であるテトラサイクリン含有LBプレートに撒き、このプレートを裏返して一晩、37℃で培養した。このプレートにできたプラークを数えた。1個のプラークは1個のファージ粒子に由来するため、プラーク数をファージ数と見做した。その結果を図1中に、第1回のデータとして示す。
前記のRBE細胞結合性のファージの増幅の工程で得たファージを更に精製して、正常細胞株であるMMNK−1細胞に結合するファージを取り除くため、その増幅したファージを、前記のサブトラクションの工程と同様にして、MMNK−1細胞に結合したファージを除去し、MMNK−1細胞に結合しないファージを回収するというサブトラクション操作と、前記のバイオパンニングの工程と同様にして、RBE細胞結合性のファージを回収するというバイオパンニング操作と、前記RBE細胞結合性のファージの増幅の工程と同様にして、そのファージを増幅する操作との繰返し工程を、計3回繰返した。
次に、同一の遺伝子を持つファージクローンを調製した。
先ずコニカルチューブにLB培地の10mlを加え、その後大腸菌株ER2738を白金スパーテルでかきとって加え、37℃で一晩振盪培養させて大腸菌含有LB培地を作製した。LB培地の49.5mlが入っているコニカルチューブに、大腸菌含有LB培地の0.5mlを加え、攪拌した。これの2mlずつを別なコニカルチューブ40本に夫々移した。ファージクローンの調製に供するため、前記の調製例1中のバイオパンニングとファージ増幅との繰返し工程での第3回におけるファージ数の測定をした残余のテトラサイクリン含有LBプレート中から任意に40個のプラークを選択し、他のプラークと混ざらないようにピペットで取り出した。それらプラークの夫々を、各々このコニカルチューブに加え、大腸菌とこのファージとを5時間振盪培養させた。これの1mlをマイクロチューブ2本に分注し、1本はファージクローン保存用に、もう1本はDNAの調製用に保存した。室温下、13000rpmで1分間、ファージクローン保存用のマイクロチューブを遠心した。上清の500μlを別なマイクロチューブに移し、500μlのグリセリン(和光純薬工業株式会社製)を加え撹拌した。その操作を繰返し、40種のファージ毎に、ファージクローン含有溶液を調製し、癌細胞株への結合・集積能力の評価に用いるため、複数のマイクロチューブで保存した。
次に、調製例2で得た40種のファージクローンの中で、最もヒト胆管癌細胞に結合するクローンを特定し、そのファージクローンを用いたヒト癌細胞株への集積能力について、以下のようにして調べた。
RBE細胞に対するファージクローンの結合能力を確認するために、調製例2で得た40種のファージクローンについて、RBE細胞を用いた酵素結合免疫吸着検定法(enzyme-linked immunosorbent assay;ELISA)で試験を行った。5%の二酸化炭素含有加湿大気下、37℃で、96穴プレートに1穴あたり1×104個に希釈したRBE細胞を、10%FBS含有RPMI−1640培地で24時間培養した。このRBE細胞を1%BSA含有PBSの100μlで洗浄し、無血清RPMI−1640培地の100μl中で、37℃で1時間培養した。4%のパラホルムアルデヒドを含むPBSの100μlをこのプレートに添加し、20分間パラホルムアルデヒド中のRBE細胞を固定した。0.05%のTween20(関東化学株式会社製;Tweenは登録商標)を含有するPBS(PBST−05)で固定後のRBE細胞を5分間、3回ゆっくり洗浄し、ブロッキングバッファー(3%BSA含有PBST−05)の100μlをこのプレートに添加し、37℃で1時間、ブロッキングバッファー中のRBE細胞をブロッキングした。調製例2で得た40種のファージクローン含有溶液を用い、調製例1中の1.3及び1.4の手順に従って、ファージクローンを含む溶液を調製した。その溶液を、それの中のファージの数が1穴あたり1×1010pfuとなるように希釈してブロッキングしたRBE細胞に添加し、37℃で1時間、このファージとブロッキングしたRBE細胞とを結合させた。PBST−05で3回ファージが結合したRBE細胞を洗浄して、RBE細胞未結合ファージを除去した。一次抗体として、ブロッキングバッファーで1200倍に希釈したウサギ由来抗M13ファージ抗体であるB7786(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)を1穴あたり100μlずつこのプレートに添加し、室温で60分間静置し、RBE細胞に結合したファージとこの一次抗体とを結合させた。PBST−05で一次抗体が結合したRBE細胞を3回洗浄して後、二次抗体として、ブロッキングバッファーで8000倍に希釈したペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG抗体であるA0545(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)を1穴あたり100μlずつこのプレートに添加し、室温で60分間静置し、RBE細胞に結合した一次抗体と二次抗体とを結合させた。0.05%のTween20含有PBSで3回この二次抗体が結合したRBE細胞を洗浄した後、ペルオキシダーゼの発色基質として、3,3’,5’,5−テトラメチルベンジジン(TMB) Liqid Substrate System(シグマアルドリッチジャパン株式会社の製品名)を1穴あたり100μlずつこのプレートに添加し、室温で20分間ペルオキシダーゼとTMBとを反応させた。ペルオキシダーゼとTMBとの反応停止液として、0.5Mの硫酸を1穴あたり100μlずつこのプレートに添加し、490nmの吸光度をマイクロプレートリーダーのSpectra Max Plus384(日本モレキュラーデバイス株式会社の製品名)で測定した。40種類のファージクローンについて同様に測定を繰返した結果から、その中で最もRBE細胞に結合するファージクローンの1種に、絞り込んだ。
ヒト癌細胞株への1種に絞り込まれたファージクローンの集積について、以下のようにして調べた。5%の二酸化炭素含有加湿大気下、37℃で6穴細胞培養プレートにRPMI−1640培地でRBE細胞を培養した。このRBE細胞がコンフルエントになったら、氷上に30分間このプレートを静置した。この培地を捨て、1%BSA含有PBSの1mlでこのRBE細胞を2回手短に洗浄した。1%BSA含有RPMI−1640培地の1mlを、1%BSA含有PBSで洗浄したRBE細胞に添加し、このプレートを氷上に置き、30分間、毎分50回で振盪培養させた。調製例2で得た内の当該1種類のファージクローン含有上清を、ファージ数が1mlあたり5×1010pfuとなるように希釈して、振盪培養させたRBE細胞に添加し、4℃で60分間、このプレートをマイクロインキュベーターに入れて振盪させ、ファージをRBE細胞に結合させた。RBE細胞未結合ファージを含む培地を捨て、1%BSA含有PBSの1mlで、得られたファージ結合RBE細胞を4回洗浄した。このプレートを氷上に置き、1穴あたり0.2Mのグリシン塩酸塩水溶液(pH2.2)の1mlをこのファージ結合RBE細胞に添加して、5分間このプレートを静置して、結合相互作用の非特異的解離をさせた後、1穴あたり1Mのトリス塩酸塩(pH9.1)を150μlずつ加え、このプレート中の溶液を中和した。1%BSA含有PBSでこのファージ集積RBE細胞を洗浄し、剥がして、RBE細胞に集積したファージクローンを得た。このRBE細胞に集積したファージクローンと大腸菌とを、X−galとIPTGとを含む寒天培地プレートで、37℃で1晩増殖させた。この大腸菌から溶出したこのファージを多段階希釈し、プラークインフェクションアッセイにてこのファージクローンの集積数を求めた。この寒天培地プレート上のプラークを15時間後に数えた。RBE細胞の他に、胆管癌細胞株のHuH−28をMEM Earle’s(インビトロジェン株式会社製)で、同じくTFK−1をRPMI−1640培地で、同じくIHGGKをRPMI−1640で、肝癌細胞株のHep3BをDMEMで、胃癌細胞株のAZ521をDMEMで、大腸癌細胞株のDLD−1をRPMI−1640で、MMNK−1をDMEMで夫々培養して、同様にしてファージクローンの集積数を求めた。
調製例2で得たDNA調製用の溶液から、以下のようにして、DNAを調製した。この溶液の1000μlが入っているマイクロチューブを13000rpmで1分間遠心した。上清500μlを新しいマイクロチューブへ移し、ポリエチレングリコール/塩化ナトリウムの200μlを加え、室温で10分間このマイクロチューブを静置した。室温下、13000rpmで10分間このマイクロチューブを遠心した後、上清を捨て、室温下、13000rpmで1分間このマイクロチューブを再遠心した。このマイクロチューブから、直ぐに上清を完全に除去し、ヨウ素緩衝液(Iodine buffer)の100μlをこのマイクロチューブに加え、沈殿物を完全に溶かした後、100%エタノールの250μlをこのマイクロチューブに加え、攪拌した。10分間このマイクロチューブを静置した後、室温下、13000rpmで10分間このマイクロチューブを遠心した。上清を除去し、70%エタノールの250μlをこのマイクロチューブに加え、室温下、13000rpmで1分間このマイクロチューブを遠心した。上清を完全に除去し、このマイクロチューブを恒温器にて60℃で乾燥させた後、Tris−EDTA(TE)bufferの30μlをこのマイクロチューブに加え、絞り込まれたファージクローンのDNAを調製した。
このファージクローンのDNAと、BigDye Terminator v3.1/1.1 Cycle Sequencing Kit(アプライドバイオシステムズ株式会社の製品名;BigDyeは登録商標)と、−96プライマーとを用いて、そのキットの標準手順に従い、絞り込まれたファージクローンのシークエンス用のDNAを調製した。このシークエンス用のDNAを、ABI PRISM sequencer 3100 Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムズ株式会社の製品名;PRISMは登録商標)を用いて解析した。
〔5.1 RBE細胞に結合するアミノ酸配列のみからなるペプチド誘導体の同定〕
前記のDNAのシークエンスの結果をもとに、Thr−Pro−Val−Leu−Glu−Thr−Pro−Lys−Leu−Leu−Leu−Trpの12アミノ酸配列(1文字表記;TPVLETPKLLLW)からなるペプチド誘導体であると同定した。このアミノ酸配列のペプチド誘導体は、極めて強く、RBE細胞に結合するというものである。
12アミノ酸配列(TPVLETPKLLLW)のみからなるペプチド誘導体を、
シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社のAbacus SynthesizerやHighThrough-put Synthesizer(同社製)により、合成した。
合成例1で得たペプチド誘導体をビオチンで標識したビオチン標識化ペプチド誘導体を、シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社による通常のビオチン標識化方法で合成した。
合成例1で得たペプチド誘導体を、NHS-Fluoresceinで標識したNHS-Fluorescein蛍光標識化ペプチド誘導体を、シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社による通常の蛍光標識化で合成した。
RBE細胞に結合しないHis−Ala−Lys−Ser−Pro−Glu−His−Thr−Thr−Phe−His−Glyの12アミノ酸配列(一文字表記;HAKSPEHTTFHG)のみからなるペプチド誘導体を、シグマ
アルドリッチ ジャパン株式会社によるペプチドシンセサイザーで、合成例1と同様な手法により、合成した。
比較合成例1で得たペプチド誘導体を合成例2と同様にして、ビオチンで標識することにより、ビオチン標識化ペプチド誘導体を、合成した。
比較合成例1で得たペプチド誘導体を合成例3と同様にして、NHS-Fluoresceinで標識することにより、NHS-Fluorescein蛍光標識化ペプチド誘導体を、合成した。
ペプチド誘導体への結合性物質の同定のために、合成例2のビオチン標識ペプチド誘導体を用いて、以下のようにしてPull downを行った。
〔6.1 ペプチド誘導体と結合する物質の特定〕
組成が0.25%又は1%のNonidet P−40、142.5mMの塩化カリウム、5mMの塩化マグネシウム・6水和物、10mMでpH7.6の4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルフォン酸(HEPES)、0.2mMのフェニルメチルスルフォニルフルオリド(PMSF)、1mMのEDTA、プロテアーゼインヒビターのComplete,Mini,EDTA−free(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社の製品名)の1T/mLからなる細胞溶解液の1mlを用いて、プレート中のRBE細胞を溶解した。残っているRBE細胞の残骸を、コロニー操作用具のラバーポリスマンでプレート表面から完全に除去した後、溶解液をこのプレートから回収したRBE細胞溶解物を、マイクロチューブに移し、氷上でインキュベートして、超音波破砕して、13000rpmで15分間このマイクロチューブを遠心して、このRBE細胞溶解物を清澄した。合成例1のビオチン標識化ペプチド誘導体の20μlで抱合されたストレプトアビジン−アガロース(インビトロジェン株式会社製)の40μlで、遠心して得られた上清をPull downし、4℃で1時間インキュベートした。インキュベートの後、ストレプトアビジンとビオチンとの結合複合体を、前記の細胞溶解液で4回洗浄し、1分間遠心して上清を捨てた。Pull downされたタンパク質を9%のドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)にて、電気泳動した。クマシーブリリアントブルーでゲルを染色し、190kDa付近に現れたタンパク質のバンド部分をゲルから切り出し、このゲル中のタンパク質をトリプシンで消化した。質量分析計のnano LC−ESI−Q−TOF MS/MSを用いて、トリプシンで消化したタンパク質を解析し、タンパク質特定ソフトのMASCOTアルゴリズム(マトリックスサイエンス株式会社の製品;MASCOTは登録商標)を用いて、タンパク質データベースのNCBInrでタンデムマススペクトルを検索し、トリプシンで消化したタンパク質と一致するタンパク質を特定した。その結果、この190kDaのヒトタンパク質は、クラスリン重鎖であった。このことから、合成例1のペプチド誘導体は、クラスリン結合性であることが分かった。
合成例1のビオチン標識化ペプチド誘導体の量を20μmol、4μmol、2μmol、0.4μmol、0.2μmolにして、上記と同様の方法でRBE細胞内のタンパク質を電気泳動して、ゲルを染色した。その結果、このビオチン標識化ペプチド誘導体の量が少ない場合、78kDa付近にバンドが現れた。この部分をゲルから切除して、nano LC−ESI−Q−TOF MS/MS、及びMASCOTを用いて、このゲル中のタンパク質を解析した結果、このタンパク質は分子シャペロンであるGRP78であった。
5%の二酸化炭素含有加湿大気下、37℃で、8穴チャンバースライドにRPMI−1640培地でRBE細胞を培養した。チャンバースライド内で80%程度コンフルエントになったらこの培地を捨て、1%BSA含有PBSで2回このRBE細胞を洗浄した。1%BSA含有RPMI−1640培地をこのチャンバースライドに加え、30分、37℃でこのRBE細胞を培養した。合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化クラスリン結合性ペプチド誘導体1000μMを、このRBE細胞に添加し、このチャンバースライドを遮光して、37℃、2時間このRBE細胞を培養した。1%BSA含有RPMI−1640培地を吸引し、1%BSA含有PBSで、FITC蛍光標識化クラスリン結合性ペプチド誘導体が結合したRBE細胞を3回洗浄した。1:1のメタノール/アセトン溶液の400μlを、このチャンバースライドに加え、−20℃で3分間、このRBE細胞を固定した後、このメタノール/アセトン溶液を吸引し、固定したRBE細胞を10分間乾燥させた。このチャンバースライドのチャンバーを外し、スライドガラスだけにして、乾燥させたRBE細胞への非特異的結合を防ぐため、10%ヤギ血清100μlを乾燥させたRBE細胞に添加して、湿潤条件下で20分間、室温でRBE細胞をブロッキングした。対比染色をするため、4’,6−ジアミノ−2−フェニルインドール(DAPI;インビトロジェン株式会社製)を100μlずつブロッキングしたRBE細胞に添加し、ブロッキングしたRBE細胞を室温で1〜3分間、DAPI染色した。DAPI染色したRBE細胞を3分間、3回PBSで洗浄し、蛍光退色防止剤であるSlow Fade Antifade Kit(インビトロジェン株式会社の製品名)の100μlを洗浄したRBE細胞に添加し、10分間静置した。蛍光退色防止剤で処理したRBE細胞を水性の封入剤であるAqua Poly/Mount(ポリサイエンス社の製品名)で包埋し、蛍光顕微鏡Biozero BZ−8000(株式会社キーエンスの製品名)で観察した。
実施例1中のRBE細胞をMMNK−1細胞に、RPMI−1640培地をDMEMに変更した以外は実施例1と同様の方法で、MMNK−1細胞を蛍光顕微鏡で観察した。
実施例1中の合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化クラスリン結合性ペプチド誘導体を、本発明を適用外の比較合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化ペプチド誘導体に変更した以外は実施例1と同様の方法で、RBE細胞を蛍光顕微鏡で観察した。
実施例1中の合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化クラスリン結合性ペプチド誘導体を、本発明を適用外の比較合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化ペプチド誘導体に、RBE細胞をMMNK−1細胞に、またRPMI−1640培地をDMEMに、夫々変更した以外は実施例1と同様の方法で、MMNK−1細胞を蛍光顕微鏡で観察した。
胆管癌患者の病巣及び転移可能性のある胆管・肝臓等の周辺組織を郭清する外科手術により得られたヒト癌肝臓組織を検体として用いた。この検体は18人の患者から得られたもので、13人の患者は肝内胆管癌であり、5人の患者は肝外胆管癌であった。患者の平均年齢は64.7歳(55〜71歳)で、10人は男性であり、8人は女性であった。
実施例2中で用いたヒト癌肝臓組織を、転移可能性があったが癌組織が見付からなかったヒト正常肝臓組織に変更した以外は実施例2と同様の方法で、ヒト正常胆管組織を顕微鏡で観察した。
実施例2中で用いた合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化ペプチド誘導体を、比較合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化ペプチド誘導体に変更した以外は実施例2と同様の方法で、ヒト癌肝臓組織を顕微鏡で観察した。
実施例2中で用いたヒト癌肝臓組織をヒト正常胆管組織に、合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化ペプチド誘導体を、比較合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化ペプチド誘導体に変更した以外は実施例2と同様の方法で、ヒト正常肝臓組織を顕微鏡で観察した。
5%の二酸化炭素大気下、37℃で、96穴プレートに1穴あたり5×103個となるように希釈したRBE細胞を、10%FBS含有RPMI−1640培地で培養した。合成例1のクラスリン結合性ペプチド誘導体の1000μMをこのRBE細胞に添加して、24時間、このRBE細胞を培養した。生細胞がテトラゾリウム塩を発色物質のホルマザンへ変換することができる性質を利用して、生細胞数を比色定量できるCellTiter96 AQueous One Solution reagent(プロメガ株式会社の製品名;CellTiter96は登録商標)の20μlを含む無血清RPMI−1640培地の120μlに培地を交換して、このペプチド誘導体添加後のRBE細胞を37℃で2時間培養した。この培地を新しい96穴プレートに100μlずつ移し替え、マイクロプレートオートリーダー(日本モレキュラーデバイス株式会社製)を用いて、吸光度490nmで培地中のホルマザンを測定し、このRBE細胞の分裂促進性を評価した。
実施例3中の合成例1のクラスリン結合性ペプチド誘導体の添加濃度を、100μMに変更した以外は実施例3と同様の方法で、RBE細胞の分裂促進性を評価した。
実施例3中の合成例1のクラスリン結合性ペプチド誘導体を、比較合成例1のペプチド誘導体に変更した以外は、実施例3と同様の方法でRBE細胞の分裂促進性を評価した。
実施例3中の合成例1のクラスリン結合性ペプチド誘導体を、比較合成例1のペプチド誘導体に変更してその添加濃度を100μMにした以外は、実施例3と同様の方法でRBE細胞の分裂促進性を評価した。
実施例3中の合成例1のクラスリン結合性ペプチド誘導体を添加しないこと以外は、実施例3と同様の方法でRBE細胞の分裂促進性を評価した。
5%の二酸化炭素含有加湿大気下、37℃で8穴チャンバースライドに1穴あたり80%コンフルエントになるように、24時間RBE細胞を培養した。トランスフェクション試薬のProfect−2(TARGETING SYSTEMS社の製品名)の1μlと、合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化クラスリン結合性ペプチド誘導体の1.3μgとを、無血清RPMI−1640培地の20μlに混合させて混合物を調製した。この混合物を室温に20分間静置してこのペプチド誘導体とトランスフェクション試薬との複合体を形成させて、無血清RPMI−1640培地の200μlで希釈した。希釈した混合物をこのRBE細胞の培地中に添加して、37℃で2時間、このRBE細胞を培養した。RPMI−1640培地で2回、トランスフェクションしたRBE細胞を洗浄した後、無血清RPMI−1640培地をこのチャンバースライドに加え、RBE細胞を、蛍光顕微鏡のBiozero BZ−8000で観察した。
実施例4中のトランスフェクション試薬を用いないこと以外は、実施例4と同様の方法でRBE細胞を蛍光顕微鏡で観察した。
実施例4中で、合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化クラスリン結合性ペプチド誘導体を、比較合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化ペプチド誘導体に変更した以外は、実施例4と同様の方法でRBE細胞を蛍光顕微鏡で観察した。
実施例4中のトランスフェクション試薬を用いないこと、及び合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化クラスリン結合性ペプチド誘導体を、比較合成例3のNHS-Fluorescein蛍光標識化ペプチド誘導体に変更した以外は、実施例4と同様の方法でRBE細胞を蛍光顕微鏡で観察した。
細胞が死滅して溶解したときに放出されるラクトースデヒドロゲナーゼ(LDH)を測定できるキットであるCytoTox96 Non−Radioactive Cytotoxicity Assay(プロメガ株式会社の製品名;CytoTox96は登録商標)を用いて、5−FU添加後のRBE細胞における細胞毒性を評価した。5%の二酸化炭素含有加湿大気下、37℃で96穴プレートに1穴あたり6×103個に希釈して、10%FBS含有RPMI−1640培地でRBE細胞を培養した。トランスフェクション試薬のProfect Protein Delivery System(TARGETING SYSTEMS社の製品名)の0.5μlを用いて、合成例1のクラスリン結合性ペプチド誘導体の0.65μgをこのRBE細胞にトランスフェクションした。5−FUの10mg/ml、1mg/mlを夫々100μlずつ、トランスフェクション後のRBE細胞に添加した。36時間後、5−FU添加後の培地を回収して、その50μlを新しい96穴プレートに移し、このキットのSubstrate MixをこのキットのAssay Bufferで溶解したものの50μlを、夫々5−FU添加後の培地に加えた。室温で30分間、新しいプレートを静置し、マイクロプレートオートリーダーで490nmの吸光度を測定した。
実施例5中の合成例1のクラスリン結合性ペプチド誘導体を、比較合成例1のペプチド誘導体に変更した以外は、実施例5と同様の方法で、細胞毒性を評価した。
実施例5中の合成例1のクラスリン結合性ペプチド誘導体を、使用しないこと以外は、実施例5と同様の方法で、細胞毒性を評価した。
調製例3中の3.1の手順で選んだ最もRBE細胞に結合するファージクローンを、調製例1中の1.3及び1.4の手順に従って調製して、本発明を適用するペプチド組込みファージを作製した。
アミノ酸配列がコードされていないファージであるインサートレスファージを、本発明を適用外のファージとした。
5%の二酸化炭素含有加湿大気下、37℃で8穴チャンバースライドにRPMI−1640培地でRBE細胞を培養した。このRBE細胞が80%程度コンフルエントになったら、1%BSA含有PBSでこのRBE細胞を2回洗浄した。1%BSA含有RPMI−1640培地をこのチャンバースライドに加えた後、作製例1のクラスリン結合性のペプチド組込みファージの数を1×1010pfuとなるように希釈して、洗浄後のRBE細胞に加え、1時間4℃で洗浄後のRBE細胞を培養した。このチャンバースライド中の内容液を吸引し、1%BSA含有PBSで2回、このファージが結合したRBE細胞を洗浄して、固定液として1:1のメタノール/アセトン溶液の400μ1を洗浄後のRBE細胞に添加し、−20℃で3分間、洗浄後のRBE細胞を固定した。この固定液を吸引し、固定したRBE細胞を10分間乾燥させた。このチャンバースライドのチャンバーをはずし、スライドガラスだけにして、ブロッキング剤として10%ヤギ血清の100μlを乾燥させたRBE細胞に添加して、湿潤条件下で20分間、室温で10%ヤギ血清添加RBE細胞をブロッキングした。一次抗体として、PBSで希釈した2%ヤギ血清を用いて、600倍に希釈したウサギ由来坑M13ファージ抗体の100μlを、ブロッキング処理後のRBE細胞に添加し、1時間室温でブロッキング処理後のRBE細胞と一次抗体とを結合させた。一次抗体が結合したRBE細胞をPBSで3分間、3回洗浄した後、二次抗体として、2%ヤギ血清で100倍に希釈した標識ヤギ由来抗ウサギIgG抗体の100μlを、洗浄したRBE細胞に添加し、遮光して1時間室温で一次抗体と二次抗体とを結合させた。二次抗体が結合したRBE細胞をPBSで3分間、3回洗浄した後、DAPIの100μlを洗浄したRBE細胞に添加し、1〜3分間室温でDAPI添加RBE細胞を染色した。DAPI染色後のRBE細胞をPBSで3分間、3回洗浄して、蛍光退色防止剤の100μlを洗浄したRBE細胞に添加し、10分間静置した。水性封入剤で蛍光退色防止処理後のRBE細胞を包埋して、水性封入剤で封入したRBE細胞を、蛍光顕微鏡のBiozero BZ−8000で観察した。
実施例6中の作製例1のクラスリン結合性のペプチド組込みファージを、比較作製例1のインサートレスファージに変更した以外は実施例6と同じ方法でRBE細胞を観察した。
ヒト胆管癌組織を、凍結組織切片作製用包埋剤のOCTコンパウンド(サクラファインテックジャパン株式会社の製品名)で冷凍保存した後、凍結切片作製装置のクライオスタットで薄切して、切片を作製した。この切片をスライドガラスに載せ、適量の1%BSA含有TBSで5分間、2回洗浄した。作製例1のペプチド組込みファージの数を2×109pfuとなるように希釈して、1%BSA含有TBSで洗浄した切片に添加し、1時間室温でこの組織とこのファージとを結合させた。このファージが結合した切片を適量の1%BSA含有TBSで3回洗浄した後に、無水エタノールで5分固定した。この切片の内因性ペルオキシダーゼをブロッキングするため、3%過酸化水素水をこの切片に添加し、室温下、10分間3%過酸化水素水中で切片を静置した。ブロッキング後の切片を適量の1%BSA含有TBSで5分間、3回洗浄し、一次抗体として、600倍に希釈したウサギ由来坑M13ファージ抗体の100μlを洗浄した切片に添加し、1時間室温で切片に結合したファージと一次抗体とを結合させた。一次抗体が結合した切片を適量の1%BSA含有TBSで5分間、3回洗浄し、二次抗体として、Envision+System Labelled Polymer−HRP anti−Rabbit(ダコ・ジャパン株式会社の製品名)の120μlを、1%BSA含有TBSで洗浄した。一次抗体結合切片に添加し、1時間室温で切片に結合した一次抗体と二次抗体とを結合させた。二次抗体が結合した切片を適量の1%BSA含有TBSで5分間、3回洗浄し、Trisの6.05g/Lと、塩酸の37.5ml/L(共に和光純薬工業株式会社製)と、超純水1LとからなるTris working solutionの125mlと、3,3’−ジアミノベンジジン四塩酸塩(DAB;株式会社同仁化学研究所製)の1gと、エチレングリコールモノメチルエーテルの50mlと、アジ化ナトリウムの1gとからなるDAB溶液の1.25mlと、30%過酸化水素水の6.5μlとからなるペルオキシダーゼ発色基質を調製して、1%BSA含有TBSで洗浄した二次抗体結合切片に添加した。水で2分間、発色基質で処理した切片を洗浄した後、ヘマトキシリン液を洗浄した切片に添加して、1分間ヘマトキシリン液中の切片の細胞の核を染色した。ヘマトキシリン染色後の切片を流水中で2分間洗浄した後、流水中で洗浄した切片をTBSで10秒間洗浄して、TBS洗浄した切片を発色させた。発色した切片を流水中で5分間洗浄し、アルコールで脱水した。アルコールで脱水した切片を透徹し、封入して、光学顕微鏡で観察した。
実施例7中のペプチド組込みファージを比較作製例1のインサートレスファージに変更した以外は、実施例7と同じ方法でヒト胆管癌組織切片を観察した。
Claims (7)
- Thr−Pro−Val−Leu−Glu−Thr−Pro−Lys−Leu−Leu−Leu−Trpのアミノ酸配列を含むことを特徴とするクラスリン結合性ペプチド誘導体。
- 前記アミノ酸配列のみからなることを特徴とする請求項1に記載のクラスリン結合性ペプチド誘導体。
- 前記アミノ酸配列に、ビオチン含有化合物、及び/又は蛍光色素が結合されている標識化クラスリン結合性ペプチド誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のクラスリン結合性ペプチド誘導体。
- Thr−Pro−Val−Leu−Glu−Thr−Pro−Lys−Leu−Leu−Leu−Trpのアミノ酸配列を含むクラスリン結合性ペプチド誘導体が、ファージのコートタンパク質の末端に、化学的結合によって延長されていることを特徴とするペプチド組込みファージ。
- Thr−Pro−Val−Leu−Glu−Thr−Pro−Lys−Leu−Leu−Leu−Trpのアミノ酸配列を含むクラスリン結合性ペプチド誘導体、又はそれがファージのコートタンパク質の末端に化学的結合によって延長されているペプチド組込みファージが、含有されていることを特徴とする薬物輸送材料。
- 前記クラスリン結合性ペプチド誘導体又は前記ペプチド組込みファージが、コロイド粒子、造影材料及び/又は磁性粒子に、含有、結合又は共存され、その表面に前記クラスリン結合性ペプチド誘導体が露出していることを特徴とする請求項5に記載の薬物輸送材料。
- 前記コロイド粒子、造影材料及び/又は磁性粒子が、癌治療剤、又は癌診断剤を含んでいることを特徴とする請求項6に記載の薬物輸送材料。
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