JP5493548B2 - 支承用ゴム組成物 - Google Patents
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Description
[3] 加硫剤0.1〜3質量部と加硫促進剤0.1〜5質量部とをさらに含有する、前記[1]または[2]に記載のゴム支承用ゴム組成物。
[4] 前記加硫剤が、硫黄、有機含硫黄化合物および有機過酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である、前記[3]に記載のゴム支承用ゴム組成物。
[5] 前記加硫促進剤が、後記式(2)で表される化合物である、前記[3]または[4]に記載のゴム支承用ゴム組成物。
本発明は、天然ゴム100質量部または天然ゴムとイソプレンゴムとの混合物100質量部、シリカ5〜30質量部、特定の繰返し単位を有する数平均分子量200〜100000のポリシロキサン化合物0.5〜5質量部を含有するゴム支承用ゴム組成物である。
なお、以下の本発明のゴム組成物の説明において、「ジエン系ゴム」とは「天然ゴム、または天然ゴムとイソプレンゴムとの混合物」をいうものとする。
天然ゴムは特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
イソプレンゴムも特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
天然ゴムとイソプレンゴムとの混合物(本発明のゴム組成物の説明においては「ジエン系ゴム」という。)中の天然ゴムの割合は、特に制限されないが、支承用ゴム組成物の加工性、グリーン強度および加硫物性の観点から、ジエン系ゴム中の50質量%以上であるのが好ましく、70質量%以上であるのがより好ましい。
シリカについて説明する。
本発明の支承用ゴム組成物に用いられるシリカは、特に制限されない。例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、けいそう土が挙げられる。
シリカは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリシロキサン化合物について説明する。
本発明の支承用ゴム組成物に用いられるポリシロキサン化合物は、式(1)の繰返し単位を有する。
前記ポリアルキルハイドロジェンシロキサンとしては、以下に示したものが例示できる。
前記カルボン酸としては酢酸、プロピオン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸等を例示することができる。
前記触媒としては、塩化白金酸、白金−エーテル錯体、白金−オレフィン錯体、PdCl2(PPh3)2、RhCl2(PPh3)2、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛、または酸、塩基触媒が使用できる。
本発明の組成物に用いられるカーボンブラックは、特に限定されない。
前記カーボンブラックの含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して30〜70質量部である。含有量がこの範囲であると、前記カーボンブラックの効果を十分発揮でき、分散性も良好である結果、得られる組成物が本発明の効果を発揮できる。これらの特性により優れる点から、前記カーボンブラックの含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して35〜60質量部が好ましく、40〜55質量部がより好ましい。
加硫剤について以下に説明する。
本発明のゴム支承用ゴム組成物に用いられる加硫剤は、特に制限されない。例えば、硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド(DPTT)等の有機含硫黄化合物;ジクミルペルオキシド等の有機過酸化物;キノンジオキシム等が挙げられる。
加硫剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
加硫促進剤について以下に説明する。
本発明のゴム支承用ゴム組成物に用いられる加硫促進剤は、特に制限されない。例えば、スルフェンアミド系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤が挙げられる。
本発明のゴム支承用ゴム組成物は、所望により、または必要に応じて、天然ゴム、イソプレンゴム、シリカ、ポリシロキサン化合物、カーボンブラック、加硫剤および加硫促進剤以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、添加剤を含有することができる。
含有してもよい加硫促進助剤の含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。加硫促進助剤の含有量がこの範囲であれば、加硫が十分に進行し、高物性(例えば、モジュラス、破断伸びに優れた)材料が得られる理由から好ましい。
含有してもよい加硫遅延剤の含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましい。加硫遅延剤の含有量がこの範囲であれば、加硫を阻害することなく、スコーチを安定させることができる理由から好ましい。
もよい。
含有してもよい着色剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましい。着色剤の含有量がこの範囲であれば、物性(例えば、モジュラス、破断伸び等)を損なうことなく着色できる理由から好ましい。
含有してもよい老化防止剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましい。老化防止剤の含有量がこの範囲であれば、老化防止効果を十分に得られる理由から好ましい。
含有してもよい充填剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、20〜100質量部であることが好ましい。充填剤の含有量がこの範囲であれば、十分な物性(例えば、モジュラス、破断伸び等)が得られる理由から好ましい。
含有してもよい軟化剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜150質量部であることが好ましい。軟化剤の含有量がこの範囲であれば、混合、圧延等の加工性が優れる理由から好ましい。
含有してもよい可塑剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜150質量部であることが好ましい。可塑剤の含有量がこの範囲であれば、混合、圧延等の加工性が優れる理由から好ましい。
含有してもよい活性剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましい。活性剤の含有量がこの範囲であれば、加硫が十分に進行する理由から好ましい。
含有してもよい粘着付与剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましい。粘着付与剤の含有量がこの範囲であれば、加工性を損なうことなく、十分な粘着性が得られる理由から好ましい。
含有してもよい滑剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましい。滑剤の含有量がこの範囲であれば、十分な流動性が得られる理由から好ましい。
本発明のゴム支承は、本発明のゴム支承用ゴム組成物からなるゴム層と、硬質層とを交互に積層した積層構造を有するものである。
図1は、本発明のゴム支承の一例を表す模式的な断面図である。
図1において、10はゴム支承である。ゴム支承10は、フランジ11、12、軟質層13および硬質層14の積層体である。ゴム支承10の上下面には金属製のフランジ11、12が配設される。フランジ11、12の間には、軟質層13と硬質層14とが交互に複数積層されている。軟質層13は、本発明の支承用ゴム組成物を加硫成形することにより構成することができる。また、積層体の外周は軟質層13と同様のゴム組成物からなる被覆層15により被覆されている。
また、ゴム支承10に用いられる硬質層14は、軟質層13より硬度の高い層であれば特に限定されない。その材料としては、例えば、金属、セラミック、プラスチックが挙げられる。鋼板を用いることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明のゴム支承は、その用途について特に限定されない。例えば、各種の免震、除震、防震等の振動エネルギーの吸収装置(例えば、道路橋の支承や、橋梁、ビルの基礎免震、戸建免震用途等)に用いることができる。
以下、(1)圧延工程、(2)積層体形成工程、および(3)加硫接着工程について詳細に説明する。
圧延工程とは、本発明の支承用ゴム組成物を未加硫の状態でシート状に圧延する工程であり、これによりゴムシートが得られる。
圧延により得られるシートは、圧延ロールを使用した場合には、一般的に、長さ50〜70m×幅60〜100cm×厚さ0.2〜0.5cm程度のものとなるため、ゴム支承に用いるゴムシートとするには、得られたシートを所定の厚み(例えば、2.5cm)となるようにシートを重ねることができる。なお、圧延により得られるシートが、ゴム支承に用いるゴムシートの厚みを有するものであれば、シートを重ねる必要はない。
また、圧延工程後に、必要に応じて、後述する積層体形成工程に用いるのに適したゴムシートの形状とするために、ゴムシートの長さまたは幅を適宜細断する工程があってもよい。
積層体形成工程とは、圧延工程により得られたゴムシートと硬質層とを積層する工程であり、これにより積層体が形成される。ここで、硬質層は、上述したものと同様である。
加硫接着工程とは、積層体形成工程により形成された積層体を加硫することにより接着させる工程である。120〜190℃で加硫させることが好ましく、135〜150℃で加硫させることがより好ましい。これにより積層体を形成するゴムシートと硬質層とが加硫接着したゴム支承が製造される。
具体的には、例えば縦×横×高さが100cm×100cm×35cmのゴム支承は、135℃の温度で10時間加硫することにより製造することができる。
1.支承用ゴム組成物の調製
第1表に示す組成成分(質量部)で、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、シリカ、ポリシロキサン化合物、カーボンブラック(CB)、クレー、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、アロマオイル、硫黄および加硫促進剤を配合して未加硫のゴム組成物を調製した。
・NR:天然ゴム RSS3号
・IR:イソプレンゴム NIPOL IR2200(日本ゼオン社製)
・シリカ:トクシールGU(トクヤマ社製)[10℃、20%RHの条件下で5日間乾燥したものを使用]
・ポリシロキサン:ポリシロキサン化合物 KI−90E(東レ・ダウコーニング社製)
・CB:カーボンブラック シヨウブラック S118(キャボットジャパン社製)
・クレー:Tクレー(日本タルク社製)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:サントフレックス6PPD(フレキシス社製)
・ワックス:サンタイトR(精工化学社製)
・アロマオイル:エキストラクト4号(昭和シェル石油社製)
・硫黄:油処理硫黄(軽井沢精錬所製)
・加硫促進剤:2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール(ノクセラー64、大内新興化学工業社製)
(1)ムーニースコーチ
第1表の各ゴム組成物について、JIS K 6300−1:2001に記載の方法に準拠して、L型ローターを用い、測定温度125℃の測定条件で、ローターのシャフトにかかるトルクを測定し、ムーニー単位で記録した(この値がムーニー粘度である)。
この条件で、各組成物について、最低ムーニー粘度(Vm)およびムーニースコーチタイム(ML5up)を得た。結果を第1表に示す。
i)最低ムーニー粘度(Vm)
ムーニー粘度−時間曲線を作り、この曲線における最低値を、最低ムーニー粘度(Vm)とした。
最低ムーニー粘度は、90ムーニー単位以下が好ましい。
ii)ムーニースコーチタイム(ML5up)
最低ムーニー粘度よりムーニー粘度が5ムーニー単位だけ上昇するまでに経過した時間(分)を測定した。
ムーニースコーチタイム(ML5up)は15分以上が好ましい。
(2)ブランク引張試験
第1表の各ゴム組成物について、JIS K 6251:2004に記載の方法に準拠して、破断伸び(EB、単位:%)、200%モジュラス(M200)、および300%モジュラス(M300)を測定した。加硫条件は、加硫温度150℃、加硫時間15分とした。
M200およびM300(単位:MPa)の測定は、より詳細には、JIS K 6251:2004に記載の方法に準拠して、各実施例の乾燥シリカ含有組成物と加湿シリカ含有組成物とを加硫温度150℃、加硫時間15分の条件で加硫し、得られた加硫ゴムを厚さ2mmのダンベル状試験片(ダンベル状3号形)に切り出し、得られたダンベル状試験片のM200またはM300を測定することにより行われた。
(1)支承用ゴム組成物の調製
第1表の各ゴム組成物に含有されるシリカ(乾燥シリカ)を加湿シリカに代え、実施例1〜3および比較例1の組成物を調製した。
各組成物中の乾燥シリカおよび加湿シリカの配合量を第2表に示す。
本発明においては、同じ組成物中に含有されるシリカとして乾燥したものまたは加湿したものを使用することにより、同一のゴム支承用ゴム組成物の夏期および冬期の環境下におけるモジュラスの変動を模擬的に試験している。乾燥シリカを含有する場合は冬期の環境の湿度(湿度が低い)を想定し、加湿シリカを含有する場合は夏期の環境の湿度(湿度が高い)を想定している。
乾燥シリカは、前記のとおり、10℃、20%RHの条件下で5日間乾燥したものを使用した。
加湿シリカは、トクシールGU(トクヤマ社製)を30℃、80%RHの条件下に2日間置くことにより加湿したものを使用した。
なお、本明細書においては、乾燥シリカを使用した実施例/比較例をその実施例/比較例の「冬モデル」、加湿シリカを使用した実施例/比較例をその実施例/比較例の「夏モデル」という場合がある。
実施例1〜3および比較例1の冬モデルおよび夏モデルのそれぞれについて、M200およびM300を、JIS K 6251:2004に記載の方法に準拠して測定した。
次に、各実施例/比較例について、
(M200S−M200W)/M200W×100
または
(M300S−M300W)/M300W×100
の式によって200%モジュラスまたは300%モジュラスの冬モデルを基準とする変化率(%)を算出し、その絶対値によって、季節による物性変動の評価を行った。すなわち、モジュラス変化率の絶対値が、5%以下である場合には「◎」、10%以下である場合には「○」、10%を超える場合には「×」と評価した。ただし、前記の式において、M200S、M200W、M300S、M300Wは、それぞれ、各実施例/比較例の夏モデルの200%モジュラス、冬モデルの200%モジュラス、夏モデルの300%モジュラス、冬モデルの300%モジュラスである。
11、12 フランジ
13 軟質層
14 硬質層
15 被覆層
Claims (6)
- 天然ゴム100質量部または天然ゴムとイソプレンゴムとの混合物100質量部、シリカ5〜30質量部、式(1)の繰返し単位を有する数平均分子量200〜100000のポリシロキサン化合物0.5〜5質量部を含有し、シランカップリング剤を含有しない、ゴム支承用ゴム組成物。
(式中、R1は独立にメチル基、エチル基またはフェニル基を示し、R2は独立に水素、メチル基、エチル基、スチレン残基、ジビニルベンゼン残基、リモネン残基、ブタジエン残基又はイソプレン残基を示し、R3は独立にアルキル基を示し、mは0または1以上の整数であり、nは1以上の整数である。) - カーボンブラック30〜70質量部をさらに含有する、請求項1に記載のゴム支承用ゴム組成物。
- 加硫剤0.1〜3質量部と加硫促進剤0.1〜5質量部とをさらに含有する、請求項1または2に記載のゴム支承用ゴム組成物。
- 前記加硫剤が、硫黄、有機含硫黄化合物および有機過酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である、請求項3に記載のゴム支承用ゴム組成物。
- 前記加硫促進剤が、式(2)で表される化合物である、請求項3または4に記載のゴム支承用ゴム組成物。
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜6の分岐していてもよい鎖状脂肪族炭化水素基または炭素原子数3〜6の分岐していてもよい環状脂肪族炭化水素基を表す。) - 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム支承用ゴム組成物からなるゴム層と、硬質層とを交互に積層した積層構造を有するゴム支承。
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