JP5492780B2 - 男性失禁人のためのプロテクター - Google Patents

Description

本願発明は、男性失禁人のためのプロテクターに関し、内側液体透過可能ケーシングシート及び外側液体不透過ケーシングシートの間に囲まれる吸収体を含み且つ股端部及び股端部に対向する前端部を有し、前記前端部は前記股端部よりも幅広であり、プロテクターの横側は前部から股部にかけて先細り、その結果プロテクターは三角形の形状を有しており、プロテクターはまた下着に取り付けるために外側液体不透過ケーシングシートに取り付けられる手段を含んでいる。

上述の種類のプロテクターは、特許文献１及び特許文献２により知られている。特許文献１は、本願発明と同じ問題に関係しており、すなわち着用者の下着にプロテクターのしっかりとした取付けを確実にする一方同時に手頃な価格で取り付け手段を提供することである。特許文献１では、しっかりとした取り付けが外側ケーシングシート上に提供された粘着性の２つのストリングにより得られ、１つはプロテクターの前部にある横断的に延在する粘着性のストリングであり、もう１つはプロテクターの後部にある長手方向に延在する粘着性のストリングである。そのようなプロテクターの下着への取り付けは通常安全でしっかりとしている。しかしながら、幾つかの状況下では、例えば、足を組んで座ったり、または、着用者の体にプロテクターを完全に正しく着用していないような場合など着用者の不適切な動作による使用中に、下着への取り付けが一部またはさらには全部が緩む危険がある。

国際公開第２００７／０６１３４１号パンフレット 独国実用新案第２９８２１８４９号明細書

本願発明の目的は、使用者の動作に関連した問題を除去するかまたはかなり減少する改善された取り付け手段を有し、使用者へのそのプロテクターの着用を容易にする、導入段落で言及されている種類のプロテクターを提供することである。

この目的は、男性失禁人のためのプロテクターにより達成され、このプロテクターは、内側液体透過可能ケーシングシート及び外側液体不透過ケーシングシートの間に囲まれる吸収体を含み且つ股端部及び股端部に対向する前端部を有し、前記前端部は前記股端部よりも幅広であり、プロテクターの横側は前部から股部にかけて先細り、その結果プロテクターは三角形の形状を有しており、プロテクターはまた下着に取り付けるために外側液体不透過ケーシングシートに取り付けられる手段を含んでおり、前記取り付け手段が、少なくとも各先細る横側に沿って延在する取り付け手段のストリングを含むことにより特徴付けられる。取り付け手段をプロテクターの傾いた横側に沿って配置することにより、横領域の全部または一部が折り畳まれた状態で着用者にプロテクターが着用される危険が排除されるか、少なくとも大幅に減少する。さらに、着用者の動作によりプロテクターの横領域の縁部が折り畳まれる危険についても本質的に排除される。着用者は、下着に取り付け手段を取り付けることを可能にするために、プロテクターの横部の可能な折り畳みまたは同種のものを折上げなければならないので、そのようなプロテクターの正しい着用がまた容易になる。

上で使用されている「三角形形状」という用語には、先端が切り取られた三角形の形状も含まれ、同様に丸みを帯びた縁及び僅かに曲がった横部を備えた三角形形状も含まれる。

好ましい実施形態によれば前記取り付け手段のストリングは、股部分端部に、その端部縁から、５０ｍｍよりも少なく、好ましくは３０ｍｍよりも少なく、最も好ましくは２０ｍｍよりも少なく延在している。それにより、ストリングはその領域に延在し、プロテクターは、着用者の動作による最も広い範囲まで及ぶことが確実になる。好ましくは、前記取り付け手段のストリングの股端部が、股部で互いに出会って、それによりＶ−形状を実現する。前記取り付け手段のストリングは、プロテクターの横側の６０−９０％、好ましくは７０−９０％、そしてより好ましくは８５−９０％に沿って好ましく延在すべきである。

第２の好ましい実施形態において、更なる取り付け手段が前端部に配置され、プロテクターの横側に沿って延在するストリングの各端部の間に配置される。

前記取り付け手段は、粘着性のストリングとすることができ、連続的または不連続とすることができ、使用する前には取り付け手段は除去可能な材料により保護されている。

前記取り付け手段は、変形として、フック材料のストリップとすることができる。

本発明は、ここに図面を参照して記載される。

本発明の第１の好ましい実施形態による男性失禁人のためのプロテクターの概略平面図を示し、プロテクターの外側、すなわち見る者に対して使用の際に着用者から遠い側と、除去される外側ケーシングシートの部分とを示す図である。 本発明の第２の好ましい実施形態によるプロテクターを示す図１と類似する図である。

図１は、男性失禁人のためのプロテクターを概略的に示す。このプロテクターは、内側液体透過可能ケーシングシート３及び外側液体不透過ケーシングシート２の間に囲まれている吸収コア１を含む。ケーシングシートは、吸収体１の外側でそれらの全周辺の周りに延在しており、例えば糊又は溶接シームのような、適した手段により、吸収体の外側に延在する部分で互いに固定されている。１以上の弾性糸又は弾性バンドのような、弾性部材４，５は、吸収体の各横側の外側に沿って延在し、外に伸びた状態で１つのケーシングシート又は両方のケーシングシートに固定されている。好ましくは、弾性部材４，５はケーシングシート２，３の間に位置し、それらの両方に好ましい方法、例えば糊付け又は熱溶接で、それらの両方に固定される。

内側ケーシングシート、外側ケーシングシート、吸収体及び弾性体部材は、本願出願と同じ出願人を有する特許文献１より知られるものと同じ構成部品とすることができ、前記公報はさらなる詳細のために参照される。

例として、内側ケーシングシートは、スパンボンド不織布とすることができ、外側ケーシングシートは微孔性プラスチックフィルムとすることができ、吸収コアはセルロース繊維、いわゆるフラフ、及び超吸収粒子の混合とすることができる。

しかしながら、失禁プロテクター、おむつ、衛生ナプキンのための、内側ケーシングシート（トップシート）として使用される全ての材料及び材料の組み合わせ（積層）と外側ケーシングシート（バッキングシート）として使用される全ての材料及び材料の組み合わせ（積層）は、本願発明によるプロテクターで使用することができる。さらに、失禁プロテクター、おむつ、衛生ナプキンのための吸収体に使用するための既知の全ての材料とそれらの組み合わせは、本願発明によるプロテクターで使用することができる。

図１のプロテクターは、平面状態、すなわち、伸びた状態の弾性部材で示されている。弾性部材が弛緩することができる場合には、それらの弛緩により吸収体は弓形状に歪む。

プロテクターの前端部分６、すなわち、図１に示されているプロテクターの上側端部は、股端部分７、すなわち、図１に示されているプロテクターの下側端部よりも幅広であり、プロテクターの横側は、前部分から股部分に先細っており、その結果プロテクターは三角形状を有している。プロテクターの長手方向は、前及び股端部分の中間点の間の仮想線であり、横断方向は長手方向に垂直な方向である。プロテクターの横側は、長手及び横断方向の両方に対して、このように傾いている。使用の際に、着用者にプロテクターを着用した後に、プロテクターの股端部分は、使用者の脚の間に位置し、使用者の陰茎及び陰嚢の後ろに達する。

本願発明によれば、粘着性のストリング８，９は、外側ケーシングシート２に、吸収体１の各横側部分に沿って、取り付けられている。これらの粘着性のストリング８，９は本質的にプロテクターの横側の長手及び横断方向と同じ傾きを有しており、このようにプロテクターの前端部分縁からそれらの股端部分縁への方向で互いに向かって集束する。「ストリング」とは、その幅の少なくとも２倍の長さを有する長い部材であることを意味する。

粘着性のストリング８，９のそのような位置により、吸収体の横側部分が対向する横側に向けて折り畳まれる危険は、除去されているか少なくとも大幅に減少されている。前記部分のそのような折り畳みは、例えば座っている場合に足を組むような、使用中の着用者の特定の動作により、起こりうる。もしプロテクターの横側部分が下着に対して自由に動けば、着用者が足の位置をずらした後にそのような折込みがまだ残っている危険がある。下着に横側部分を取り付けることができないプロテクターにおいては、使用者が注意深くなければプロテクターの着用中に折込みが作られる危険がある。本願発明によるプロテクターでは、そのような可能な折り畳みは、下着にプロテクターを取り付けるために、伸ばさなければならない。本願発明によれば、この点でプロテクターの正しい着用はそれにより容易になり確実になる。

外側ケーシングシートは、空気及び蒸気が透過可能であれば、それが望ましいのであるが、本願発明による粘着性のストリングの位置は、追加の利点、すなわちその粘着剤が、プロテクターの中間部分で空気及び蒸気の透過性を損なうことがないことを有しており、この特性は非常に必要とされている。

本願発明による粘着性のストリングの配置による別の利点は、プロテクターが取り付けられる外側ケーシングシート及び下着が伸長する能力は、プロテクターの中間部分にある接着剤の硬化層による影響を受けないことである。特にそれがいわゆる超吸収剤（高吸収ポリマー）を高いパーセントで含んでいるときに、吸収体の材料の膨張により、そのようなケーシングシートと下着の伸長が、起こることがある。ほとんどの液体は、吸収体の中間部分で放出されるので、膨張はそこで最大になる。

着用者の動作による力は、プロテクターの股端部分で最大になるので、粘着性のストリング８，９はこの部分に延在することが重要である。好ましくは、図１で見られるように、粘着性のストリング８，９の下側端と股端部分の縁の間の距離は、５０ｍｍを超えず、好ましくは３０ｍｍを超えず、最も好ましくは２０ｍｍを超えるべきではない。

折込みがプロテクターの使用中に発生することが無いことを確実にするために、吸収体のそれぞれの横縁と関連する粘着性のストリング８，９の近接する横縁との間の距離は、好ましくは３０ｍｍより短く、最も好ましくは２０ｍｍより短い。

折込みの危険をさらに排除し、着用者の下着にプロテクターのしっかりとした取り付けを確実にするために、粘着性のストリング８，９は好ましくはプロテクターの前端部分にも延在している。粘着性のストリング８，９は、プロテクターの横側の長さの６０−９０％、好ましくは７０−９０％、そしてさらに好ましくは８５−９０％に沿って延在する。

ストリング８，９の接着剤は、好ましくはＰＳＡ（圧力感知接着剤）、例えばアクリレートベースの接着剤またはホットメルト接着剤であるべきである。しかしながら、失禁プロテクターまたは衛生ナプキンを下着に取り付けるために使用される全ての種類の接着剤を本願発明で用いることができる。接着剤の表面重量は、使用される接着剤の種類に応じて変わるが、好ましくは１５−４０ｇ／ｍ^２の間にすべきである。もし、表面重量が高すぎた場合は、プロテクターは下着に強力に接着されて、そこから解放することが困難になる。

各粘着性のストリング８，９は、使用される前に、除去層１０，１１、例えばシリコンコートペーパーの片またはポリエチレンフィルム片により、ほこり及び汚れに対して保護される。

図２においてプロテクターの第２実施形態が図１の図と類似した図で示されている。第２実施形態によるプロテクターは、多くの側面で、第１実施形態によるプロテクターと類似し、図１で示される第１実施形態によるプロテクターの対応する構成部品と類似する図２で示されるプロテクターにおいて構成部品は、主符号の追加を伴って同じ参照符号が与えられる。

第２実施形態によるプロテクターは、第１実施形態によるプロテクターとは、除去層１３により覆われる粘着性の第３ストリング１２が外側ケーシングシート２’に固定されている点で異なる。この粘着性の第３ストリングは横断伸長部を有し、プロテクターの前部分に配置されている。示された実施形態において、粘着性のストリング１２は、ストリング８’、９’の前端部の間に渡り、ストリングのパターンはそれにより三角形の形状を実現する。第２実施形態において横ストリング８’、９’の股端部は互いに出会い、その結果これらの２つのストリングは一緒に、Ｖという文字に対応する形状を有する。それにより、粘着性の３つのストリング８’、９’、１２は一緒に三角形を形成する。全ての他の点において、第１及び第２実施形態によるプロテクターは同じである。

横断する粘着性のストリング１２を追加することにより第２実施形態のプロテクターは著しくしっかりと使用者の下着に取り付けられる。横断する粘着性のストリング１２は、プロテクターの前部分に配置され、尿が殆ど確実にそこに排出されるプロテクターの中間部分は、粘着性のストリングにより悪影響が与えられることはなく、粘着性層はこの領域において空気及び蒸気透過性を減少させることはない。

粘着性のストリングは、横側の粘着性ストリング８’、９’の前端の間に配置される必要はないが、もちろん示された例よりも前端部分６’の縁に近く配置されることができ、そして、たとえこれが好ましくないとしても、プロテクターの股部分７’の近くに配置されることができる。横側粘着性ストリングの間に横方向に配置される粘着部はストリングである必要はないが、非常に限定された横断及び長手方向拡張部を有することができ、例えば矩形、正方形、円形等の任意の形状にすることができる。

示された実施形態はもちろん本発明の範囲から離れることなしに修正することができる。例えば、第１実施形態の粘着性の横ストリングは、プロテクターの股端部分にあるそれらの端部が互いに接触するように配置することができる。下着にプロテクターを取り付けるための粘着性のストリングではない他の取り付け手段、例えば、フックが通常の下着の材料のループに取り付けることができる能力を有するような、フック材料のストリップ、を使用することができる。粘着性ストリングの全てまたは幾つかが連続的または不連続とすることができ、例えば第２実施形態の横ストリングを連続的とすることができる一方、横断するストリングを、伸長性及び空気及び蒸気透過性をより少ない範囲に影響をもたらすために不連続とすることができる。不連続性は「破線」を形成するストリングまたはストリングを形成する接着剤のスポットのパターンからなることができる。本発明はそこで、同封された特許請求の範囲の内容によってのみ限定されるものとする。

１，１’ 吸収コア
２，２’ 外側液体不透過ケーシングシート
３，３’ 内側液体透過可能ケーシングシート
４，４’ 弾性部材
５，５’ 弾性部材
６，６’ 前端部分
７，７’ 股端部分
８，８’ 粘着性のストリング
９，９’ 粘着性のストリング
１０，１０’ 除去層
１１，１１’ 除去層
１２ 粘着性の第３ストリング
１３ 除去層

Claims (10)

1. 男性失禁人のためのプロテクターであって、
   内側液体透過可能ケーシングシート（３；３’）及び外側液体不透過ケーシングシート（２；２’）の間に囲まれる吸収体（１；１’）を含み且つ股端部（７；７’）及び股端部に対向する前端部（６；６’）を有し、
   前記前端部は前記股端部よりも幅広であり、
   前記プロテクターの横側は前部から股部にかけて先細り、その結果前記プロテクターは三角形の形状を有しており、前記プロテクターはまた下着に取り付けるために外側液体不透過ケーシングシートに取り付けられる手段を含んでおり、
   前記手段が、少なくとも各先細る横側に沿って延在する取り付け手段（８，９；８’，９’）のストリングを含み、
   該取り付け手段（８，９；８’，９’）の各ストリングが、プロテクターの横側の７０−９０％に沿って延在すると共に、前記取り付け手段（８，９；８’，９’）のストリングは、股部分（７；７’）端部に延在し、その端部縁から、５０ｍｍよりも少なく延在し、
   吸収体のそれぞれの横側縁と、結合される粘着性のストリング（８，９；８’，９’）の近接する横側縁との間の距離は、３０ｍｍよりも少なくされており、
   前記プロテクターは、吸収体（１；１’）の各横側の外側に沿って延在すると共に外に伸びた状態で１つのケーシングシート（２；３，２’；３’）又は両方のケーシングシート（２，３；２’，３’）に固定された、弾性部材（４，５；４’，５’）を含み、
   該弾性部材（４，５；４’，５’）が弛緩することができる場合には、それらの弛緩により吸収体（１；１’）は弓形状に変形する、
   ことを特徴とする男性失禁人のためのプロテクター。
2. 吸収体のそれぞれの横側縁と、結合される粘着性のストリング（８，９；８’，９’）の近接する横側縁との間の距離は、２０ｍｍよりも少ないことを特徴とする請求項１に記載のプロテクター。
3. 前記取り付け手段（８'，９'）のストリングの股端部が、股部（７'）で互いに出会って、それによりＶ−形状を実現することを特徴とする請求項１または２に記載のプロテクター。
4. 前記取り付け手段（８，９；８’，９’）のストリングは、プロテクターの横側の８５−９０％に沿って延在することを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載のプロテクター。
5. 更なる取り付け手段（１２）が前端部に配置され、プロテクターの横側に沿って延在するストリング（８，９；８'，９'）の各端部の間に配置されることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載のプロテクター。
6. 前記取り付け手段（８，９；８'，９'，１２）が粘着性のストリングであることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載のプロテクター。
7. 前記粘着性のストリング（８，９；８'，９'，１２）が連続的であることを特徴とする請求項６に記載のプロテクター。
8. 前記粘着性のストリング（８，９；８'，９'，１２）が不連続的であることを特徴とする請求項６に記載のプロテクター。
9. 使用する前の前記粘着性のストリング（８，９；８'，９'，１２）が、除去可能な材料（１０，１１；１０'，１１'，１３）の部品により保護されていることを特徴とする請求項６〜８のいずれか１項に記載のプロテクター。
10. 前記取り付け手段が、フック材料のストリップであることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載のプロテクター。

Images