JP5492732B2 - 電子安全エレベータ - Google Patents

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本発明は、エレベータの安全システムに関し、特に、機械式の安全装置を電子式にしてより高機能化した電子安全エレベータに好適である。
エレベータにおける安全装置として、乗りかごが通常の運行範囲を超過したことを検出するファイナルリミットスイッチ,乗りかごの速度超過を検出して乗りかごを非常停止させる巻上機の駆動モータへの通電遮断装置,巻上機ブレーキ,非常止め装置が使用され、通電遮断装置,巻上機ブレーキではスイッチとリレー,コンタクタ、非常止め装置ではガバナ,ガバナロープ,把持装置といった機械部品,電気部品の組合せで行われている。
また、機械式の安全装置を電子化し、各センサからの検出信号に基づいて異常を検出し、エレベータを安全な状態に移行させるための指令信号をCPUで演算して複数の停止装置(通電遮断装置,巻上機ブレーキ,非常止め装置)へ出力する安全装置(安全コントローラ)が用いられている。
さらに、安全コントローラ自体の高信頼化,異常検出のため、CPU(演算装置)を2重化し、互いの演算処理結果を比較し、安全コントローラの健全性を確認して信頼性を向上すること、演算結果が互いに異なっていればエレベータを安全状態へ移行すること、過速度や位置異常などが検出されると異常の内容に応じて安全状態、かごを急停止、最寄り階に停止、することが知られ、例えば、特許文献1に記載されている。
さらに、安全コントローラを二つのマイクロプロセッサ(演算装置)で構成し、確認された状態に不一致がある場合、その重大度によって停止を含む減速モードにエレベータを移行することが知られ、例えば特許文献2に記載されている。
国際公開第WO2006/033153号パンフレット(段落0055,0056) 特表2002−538061号公報(段落0033)
上記従来技術においては、演算装置内の比較結果を処理する過程以降、例えば演算装置の停止出力を出力する部分や、各停止装置(駆動モータへの通電遮断装置,巻上機ブレーキ,非常止め装置)にて停止出力を受けているリレー等に障害が発生すると、作動しない恐れがある。
また、演算装置が不一致となった場合、どの停止装置を作動させるべきかが一律に決定され、状態によっては適切な停止装置とならないことがある。
つまり、安全状態、かごを急停止、最寄り階に停止などへの移行において、乗りかごを安全に停止させるのに必要な制動力となることが要求され、異常に応じて選択されるべき移行状態に対して適切な停止装置となる必要がある。例えば、非常止め装置が作動すると、制動力が大きいために乗員に負担が掛かり、乗員の閉じ込めも発生し、レールの摩耗や復旧工数の増大をもたらす。したがって、非常止め装置の作動は必要十分なものに限定すべきである。また、巻上機ブレーキしか動作させないとすると、制動力が不足することがある。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、エレベータの安全システムとして信頼性を向上し、異常状態に応じた必要な制動力を得ると共に、不必要に停止レベル(例えば、停止のための制動力の強さを示し、最寄階停止,通電遮断装置,巻上機ブレーキ,非常止め装置の順に高くなる)の高い停止出力を出力せず、すなわち不必要に制動力の高い停止装置を作動させないで乗員や設備,復旧への負の影響を小さくすることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、各センサからの検出信号に基づいて異常を検出し、エレベータを安全な状態に移行させる指令信号を複数の停止装置へ出力する安全コントローラを有する電子安全エレベータにおいて、前記安全コントローラは、前記検出信号に基づいて前記停止装置を作動させる停止出力の候補値となる内部停止信号を演算する演算部と、前記内部停止信号に基づいて前記停止出力を決定する出力調整部と、を備えたCPUを複数有し、それぞれの前記出力調整部は、一方の前記内部停止信号と、他方の前記出力調整部で決定された前記停止出力と、を調停して複数の前記停止装置へ出力し、前記内部停止信号および前記停止出力に対して異常内容に応じて数値化された停止レベルを設定し、前記出力調整部は、最も大きい停止レベルを前記CPUの停止レベルとして前記調停を行い、該調停された停止レベルに対応した前記停止出力を前記停止装置へ出力するものである。
安全コントローラとして、複数のCPUを有し、一方の内部停止信号と、他方の停止出力と、を調停して複数の停止装置へ出力するので、エレベータの安全システムとして信頼性を向上できると共に、異常状態に応じた必要な制動力を得て不必要な作動を防ぐことができ、乗員や設備への影響を小さくし、復旧を容易とすることができる。
本発明による一実施の形態の全体構成を示す側面図。 一実施の形態による信号結線を示すブロック図。 一実施の形態による安全コントローラのブロック図。 一実施の形態による終端階強制減速機能の速度上限曲線を示すグラフ。 一実施の形態による停止レベル算出テーブルを示す図。 一実施の形態による停止レベル調整テーブルを示す図。 一実施の形態による停止出力決定テーブルを示す図。 一実施の形態による安全コントローラの処理を示すフローチャート。
図1は、エレベータの全体構成を示し、乗りかご1は、モータ2がカウンターウェイト11の繋がれた主ロープ10を駆動することにより、昇降路内を移動する。モータ2は遮断回路6を介して交流電源7に接続されたインバータ5により駆動される。遮断回路6が作動すると、モータ2の駆動力が消失する。巻上機ブレーキ3はモータ2の駆動を抑制し、乗りかご1に対する制動力を発する。巻上機ブレーキ3は常時作動であり、通電されると作動が解除される。
ガバナロープ12は、乗りかご1の移動に伴い牽引され、ガバナ13を回転させる。ガバナ13は把持装置14とロータリーエンコーダ21を備えており、把持装置14は作動するとガバナロープ12を把持し、そのとき乗りかご1が移動中であれば非常止め装置15がレール16を挟むことにより乗りかごを急停止させる。ロータリーエンコーダ21はガバナ13と共に回転してパルス信号を発生する。パルス信号の変化量を積算して乗りかご1の位置,変化量の時間平均を演算して乗りかご1の速度を求める。
昇降路の下端にはバッファ17が設置されており、乗りかご1がブレーキ3や非常止め装置15の制動力で完全に停止できない場合でも、乗りかご1を受け止め衝撃を吸収する。
昇降路の下端付近と上端付近にはファイナルリミットスイッチ22,23が備わっている。これらスイッチは、常時はオン状態であるが、乗りかご1が各スイッチよりそれぞれ下方,上方に侵入するとオフ状態となり、乗りかご1の位置が通常の運転範囲を超えて位置超過したことを検出する。
昇降路付近の制御盤内には、制御コントローラ30と安全コントローラ40が設けられ、制御コントローラ30はインバータ5を制御して乗りかご1を運行させ、安全コントローラ40はロータリーエンコーダ21,ファイナルリミットスイッチ22,23を入力として乗りかご1の速度超過や位置超過などの事象を検出し、巻上機ブレーキ3,遮断回路6,把持装置14を介した非常止め装置15により乗りかごを制動する。
図2は、図1のエレベータの信号結線図を示している。制御コントローラ30は、インバータ制御信号31を出力し、インバータ5を制御している。安全コントローラ40は、CPU50とCPU60を備える。CPU50,60は、中央演算装置と、ROM,RAM,デジタル入出力やエンコーダ入力,通信インタフェースなどの周辺回路を備え、それぞれが内部バスで接続されているマイクロコンピュータである。
CPU50,60は、ロータリーエンコーダ21からはエンコーダ信号41,ファイナルリミットスイッチ22,23からはスイッチ信号42,43が入力される。また、CPU50は、最寄階停止信号51がAND回路70へ、遮断信号52が遮断回路6へ、ブレーキ作動信号53が巻上機ブレーキ3へ通電するブレーキ駆動回路4へ、非常止め作動信号54が把持装置14へ出力され、各信号はCPU60へも出力されている。
同様に、CPU60の出力信号は、最寄階停止信号61がAND回路70に、遮断信号62が遮断回路6のコンタクタに、ブレーキ作動信号63がブレーキ駆動回路4に、非常止め作動信号64が把持装置14に接続されている。これら4つの出力信号はCPU50にも入力されている。また、上記の8つの出力信号は、乗りかご1の停止装置を作動させるための停止出力とされている。
最寄階停止信号51,61は、制御コントローラ30に対して乗りかご1を現在位置から最も近い階床にて停止(最寄階停止)させる要求の有無を示す信号であり、例えば、オンが要求なし、オフが要求ありを意味する。したがって、最寄階停止信号51,61のいずれかがオフになれば、制御コントローラ30は乗りかご1を最寄階に停止させる。
遮断信号52,62は、遮断回路6内にて2つのコンタクタにそれぞれ接続され、例えばオンのときコンタクタは接続、オフのときコンタクタは切断となる。2つのコンタクタは直列接続さているため、遮断信号52,62のいずれかがオフになれば、遮断回路6は交流電源7とインバータ5の間の通電を遮断する。同様に、ブレーキ作動信号53,63は、ブレーキ駆動回路4内にて2つのコンタクタにそれぞれ接続し、オンのときコンタクタは接続、オフのときコンタクタは切断となる。2つのコンタクタは直列接続さているため、ブレーキ作動信号53,63のいずれかがオフになれば、ブレーキ駆動回路4は巻上機ブレーキ3への通電を遮断する。
非常止め作動信号54,64は、把持装置14を作動させるソレノイドに接続され、両方の信号がオンのとき把持装置14は非作動であり、どちらか一方の信号がオフになると非常止め装置15が作動する。
CPU50,60は、通信により入力値,中間演算値,生存信号などを相互に交換している。入力値はスイッチ信号42,43の値であり、中間演算値はエンコーダ信号41から算出される乗りかご1の位置と速度である。生存信号は、例えば送信ごとに0から1ずつ増加し255から0に戻る1バイトの整数を用いる。
CPU50とCPU60との演算結果が不一致となる原因は、センサ(ロータリーエンコーダ21,ファイナルリミットスイッチ22,23)から各CPUに入力される部分の固着、各CPU内でのソフトエラーによる演算値の変化、各CPUの停止出力の固着や停止出力を伝達するケーブルの断線,天絡,地絡などである。また、センサが2重化され各CPUに1センサずつ入力されている場合、いずれか一方のセンサ故障、センサからCPUまでの信号経路の断線,天絡,地絡が原因となる。
図3は、図2のCPU50,60が備える機能のブロック図を示す。CPU50は入力部71,演算部72,出力調整部74,診断部73,CPU60は入力部81,演算部82,診断部83,出力調整部84が設けられる。これらの機能を実現するプログラムはROMに格納され、中央演算装置にて実行されることで、各種の安全機能、例えば終端階強制減速機能が実現される。
入力部71,81は、センサからの信号を取り込む機能であり、入力信号41〜43を取得し各停止装置の作動を要求するオン,オフ信号として処理する。エンコーダ信号41は乗りかご1の速度と位置を示す整数に換算され、スイッチ信号42,43はオンが1、オフが0に置き換えられる。また、スイッチ信号42,43の検出時にエンコーダ信号41から計算される位置を予め設定された初期値にリセットする。
演算部72,82はそれぞれ、入力部71,81で取り込まれた入力信号41〜43に基づいて、複数の停止装置へ出力する停止出力52〜54,62〜64の候補値である内部停止信号52′〜54′,62′〜64′を演算する。内部停止信号52′〜54′,62′〜64′はデフォルトでオン(出力なし、停止装置は作動しない)であり、その計算例として次に2つのケースを示す。
[ケース1]
演算部72,82は、スイッチ信号42,43のいずれか1つでもオフであるとき、それぞれ内部停止信号52′〜53′,62′〜63′をオフ(出力あり、停止装置は作動する)にする。つまり、停止装置として巻上機ブレーキ3と遮断回路6の作動を要求する。
[ケース2]
終端階強制減速機能のための計算例。図4は、乗りかご1の昇降路内における位置を横軸に、速度を縦軸に取ったグラフであり、第1速度上限カーブ91と第2速度上限カーブはテーブル化され、演算部72,82が記憶保持している。演算部72,82は、乗りかご1の位置に応じた第1速度上限を第1速度上限カーブ91から求め、乗りかご1の速度が第1速度上限を超過している場合、それぞれ内部停止信号52′〜53′,62′〜63′をオフにする。すなわち、停止装置として巻上機ブレーキ3と遮断回路6の作動を要求する。さらに演算部72,82は、乗りかご1の位置に応じた第2速度上限を第2速度上限カーブ92から求め、乗りかご1の速度が第2速度上限を超過している場合、それぞれ内部停止信号54′,64′をオフにする。すなわち、停止装置として把持装置14を介した非常止め装置15の作動を指令する。
診断部73,83は自己診断を行う。自己診断では、入力部71と演算部72、入力部81と演算部82と、のデータに基づいて行う。例えば、中間演算値(速度,位置)が所定の範囲内であれば正常、所定の範囲を逸脱していれば異常とする。また、ROMの各領域のチェックサム値を計算し、予め計算され別領域に保存されているチェックサム値と比較し、一致すれば正常、一致しなければ異常とする。
また、診断部73,83の間で送受信している入力値,中間演算値(速度,位置),生存信号に基づいて、診断部73はCPU60の、診断部83はCPU50の状態を診断、つまり相互診断する。例えば、他方のCPUから受信した入力値と中間値を、自己CPUの値と比較し、一致すれば正常、一致しなければどちらのCPUかの異常とする。また相手CPUからの生存信号である整数値を前回受信値と比較し更新されていれば正常、更新されていなければ相手CPUの異常とする。
診断部73,83は、自己診断と相互診断の結果を基に出力信号51,61の候補値である内部停止信号51′,61′を演算する。自己診断と相互診断のどちらか1つにでも異常があれば、内部停止信号51′,61′をオフにする。すなわち、最寄階停止を要求する。内部停止信号51′,61′はデフォルトでオンである。
出力調整部74は、演算部72,診断部73からの内部停止信号51′〜54′と、出力調整部84からの停止出力61〜64に基づいて、停止出力51〜54を決定する。同様に出力調整部84は、演算部82,診断部83からの内部停止信号61′〜64′と、出力調整部74からの停止出力51〜54に基づいて、停止出力61〜64のそれぞれの値を決定する。
出力調整部74,84における決定方法を図5〜図7を参照して説明する。
停止出力51〜54,61〜64および内部停止信号51′〜54′,61′〜64′に対して異常内容に応じて数値化された停止レベルを設定し、図5はそれぞれの設定値を示す停止レベル算出テーブルである。停止レベルは、例えば、停止のための制動力の強さ、あるいは緊急度(異常の重大度)を順に数値化したものであり、通電遮断装置,巻上機ブレーキ,非常止め装置の順に大きな値としている。
出力調整部74は、内部停止信号51′〜54′に対する停止レベル算出テーブル101と、停止出力61〜64に対する停止レベル算出テーブル111を記憶している。同様に出力調整部84は、内部停止信号61′〜64′に対する停止レベル算出テーブル102と、停止出力51〜54に対する停止レベル算出テーブル112を保持している。
出力調整部74は、停止レベル算出テーブル101を参照して内部停止信号51′〜54′の中でオフである信号の停止レベルを求め、最も大きな値をCPU50が要求する停止レベルとして演算する。また、停止レベル算出テーブル111から停止出力61〜64の中でオフである信号の停止レベルを求め、最も大きな値をCPU60が要求する停止レベルとして算出する。
同様に、出力調整部84は、停止レベル算出テーブル102,112を参照してCPU50とCPU60それぞれが要求する停止レベルを演算する。例えば、停止出力51〜53がオフ、停止出力54がオンならば、CPU50が要求する停止レベルは2となる。内部停止信号61′がオフ、内部停止信号62′〜64′がオンならば、CPU60が要求する停止レベルは1となる。
出力調整部74,84は相互に停止出力を取り込んでいるので、算出された停止レベルを調停(調整)する。
図6は、出力調整部74,84で調停された停止レベルをさらに調整する停止レベル調整テーブル120を示し、CPU50(一方のCPU(1))とCPU60(他方のCPU(2))の要求する停止レベルに基づいて停止レベル調整テーブル120を参照して、両停止レベルのうち大きい方の値を自身(一方のCPU(1))が出力する停止レベルとする。例えば、CPU50(一方のCPU(1))が要求する停止レベルが2、CPU60(他方のCPU(2))が要求する停止レベルが1であれば、出力調整部74は自身が出力する停止レベルを2とする。同様に、出力調整部84は、CPU60(一方のCPU(1))が停止レベル1、CPU50(他方のCPU(2))が停止レベル2で、自身が出力する停止レベルを2と調整する。
出力調整部74は自身が出力する停止レベルから停止出力51〜54を、出力調整部84は停止出力61〜64の値を決定する。
図7は、各出力調整部74,84で調停された停止レベルから停止出力として決定する停止出力決定テーブルを示し、出力調整部74は停止出力51〜54に対する停止出力決定テーブル131を、出力調整部84は停止出力61〜64に対する停止出力決定テーブル132を記憶している。例えば、自身が出力する停止レベルが2であれば、停止出力51〜53,61〜63はオフ、停止出力54,64はオンとなる。
上記の処理例では、CPU60は自身が出力する停止レベルを1から2に上げており、停止出力62,63はオンからオフに変更されるので、このタイミングでログを残す。つまり、出力調整部74,84は、停止出力の値を変更したときにログを記録して残す。このログにより、保守作業において停止装置が作動した原因や過程を追跡することが可能になる。ログ内容の一例として、停止出力の変更前の値,変更後の値,停止出力に対応する内部停止信号(例:停止出力51に対する内部停止信号51′)の値、自CPU内で出力ありとしている内部停止信号のうち最も高い停止レベル、上記の「自身が出力する停止レベル」を一組にしたものとする。そして、ログの形式は電子ファイルであり、各CPUの外部から通信により取得することができる。
図8は、図3の機能ブロック図で実行される処理をフローで示している。
ステップS11では、入力部71,81がセンサからの信号を取り込み、速度や位置の中間演算値を計算する。次にステップS12では、演算部72,82がそれぞれ内部停止信号52′〜54′,62′〜64′の値を算出する。次にステップS13では、出力調整部74,84がそれぞれ停止出力51〜54,61〜64の値を算出し、各停止出力を更新する。次にステップS14では、診断部73,83がそれぞれ自己診断および相互診断を実施し、内部停止信号51′,61′を演算する。次にステップS15では、診断部73,83の診断結果を受け、出力調整部74,84がそれぞれ停止出力51〜54,61〜64の値を再度算出し、各停止出力を更新する。
図8の一連の処理を実施するタイミングは、CPU50,60のタイマを利用し周期的(例:10ms毎)とすれば確実性が増し、入力部71,81が入力信号の変化を検出することによる割込み発生時とすれば、処理効率が高まる。
以上により、CPU50とCPU60の間で演算不一致が発生した場合でも、CPU50,60はそれぞれが停止出力51〜54,61〜64を比較し、どちらかのCPUが出力ありとしている停止出力と停止レベルが同じ、又は低い停止出力は、各CPUにて出力なしから出力ありに変更される。これにより、CPU50とCPU60とで停止出力が2重になっている構成を活用し、冗長化により信頼性が向上する。
また、エレベータの安全を確保するのに異常状態に応じて適切で必要な乗りかご1の制動力が得ることができると、共に、不必要に停止レベルが高く、制動力の大きい停止出力を出力しないため、急停止による乗員への負担やレールの摩耗,乗員の閉じ込め,エレベータを復旧させる工数の増大等を防ぐことができる。さらに、CPU50とCPU60の間で演算不一致が発生したときに停止する動作、各停止装置のうちどれを作動するか否かを一律に規定するものより、柔軟に決定できるので、異常状態に応じたより適切な対応が可能となり、負の影響を小さくすることができる。
また、CPU50,60に通常モードと保守モードの2つの動作モードを設け、外部から通信やスイッチにより動作モードを変更できるようにし、保守モードのときには出力調整部74,84は停止レベルの調停を行わない、すなわち、内部停止信号51′〜54′,61′〜64′をそのまま停止出力51〜54,61〜64とするようにすれば、CPU50,60が単体で入力に応じた正しい出力を行っているかを確認することができる。
さらに、巻上機ブレーキ3と非常止め装置15を同時に作動させると制動力が強くなりすぎる場合には、非常止め装置15は作動させ、巻上機ブレーキ3は作動させないようにすることもできる。例えば、停止出力決定テーブル131,132にて、停止レベルが3の場合には、停止出力53,63をオンに設定する。これにより、出力調整部74,84が調停して求めた停止レベルより低い停止レベルの停止装置(巻上機ブレーキ3)の作動を無効とすることに相当する。したがって、停止出力決定テーブルにより、CPU間の演算結果不一致時における停止装置の作動有無を、より柔軟で必要な制動力に応じて設定することが可能となる。
診断部73,83はそれぞれ内部停止信号51′,61′を1つずつ出力するだけとしたが、異常の内容(深刻さ,重大度)に応じ、停止レベルの異なる複数の内部停止信号を出力すればより柔軟な対応ができる。例えば、相互診断にて相手CPUの生存信号を確認できない場合には停止レベル1の内部停止信号を、中間演算値(位置,速度)が不一致の場合には停止レベル2の内部停止信号を出力し、各内部停止信号の停止レベルは、停止レベル算出テーブル101,102に設定すると良い。
以上説明したように、演算装置はCPU50,60の2つとしたが、3つ以上の場合にも同様であり、より信頼性を向上できる。また、演算装置として論理回路ICとすれば高速で処理する点で望ましく、マルチコアの(1つの半導体チップに複数の中央演算装置を有する)マイクロコンピュータとすればコンパクト化等で良い。
1 乗りかご
2 モータ
3 巻上機ブレーキ
4 ブレーキ駆動回路
6 遮断回路
7 交流電源
10 主ロープ
11 カウンターウェイト
14 把持装置
15 非常止め装置
21 ロータリーエンコーダ
22,23 ファイナルリミットスイッチ
30 制御コントローラ
31 インバータ制御信号
32 最寄階停止信号
40 安全コントローラ
41〜43 入力信号(41 エンコーダ信号、42,43 スイッチ信号)
50 CPU(1)
60 CPU(2)
51〜54,61〜64 停止出力(51,61 最寄階停止信号、52,62 遮断信号、53,63 ブレーキ作動信号、54,64 非常止め作動信号)
51′〜54′,61′〜64′ 内部停止信号
71,81 入力部
72,82 演算部
73,83 診断部
74,84 出力調整部
101,102,111,112 停止レベル算出テーブル
120 停止レベル調整テーブル
131,132 停止出力決定テーブル

Claims (7)

  1. 各センサからの検出信号に基づいて異常を検出し、エレベータを安全な状態に移行させる指令信号を複数の停止装置へ出力する安全コントローラを有する電子安全エレベータにおいて、
    前記安全コントローラは、前記検出信号に基づいて前記停止装置を作動させる停止出力の候補値となる内部停止信号を演算する演算部と、前記内部停止信号に基づいて前記停止出力を決定する出力調整部と、を備えたCPUを複数有し、
    それぞれの前記出力調整部は、一方の前記内部停止信号と、他方の前記出力調整部で決定された前記停止出力と、を調停して複数の前記停止装置へ出力し、前記内部停止信号および前記停止出力に対して異常内容に応じて数値化された停止レベルを設定し、前記出力調整部は、最も大きい停止レベルを前記CPUの停止レベルとして前記調停を行い、該調停された停止レベルに対応した前記停止出力を前記停止装置へ出力することを特徴とする電子安全エレベータ。
  2. 各センサからの検出信号に基づいて異常を検出し、エレベータを安全な状態に移行させる指令信号を複数の停止装置へ出力する安全コントローラを有する電子安全エレベータにおいて、
    前記安全コントローラは、前記検出信号に基づいて前記停止装置を作動させる停止出力の候補値となる内部停止信号を演算する演算部と、前記内部停止信号に基づいて前記停止出力を決定する出力調整部と、を備えたCPUを複数有し、
    それぞれの前記出力調整部は、一方の前記内部停止信号と、他方の前記出力調整部で決定された前記停止出力と、を調停して複数の前記停止装置へ出力し、前記内部停止信号および前記停止出力に対して停止のための制動力の強さが順に数値化された停止レベルを設定し、前記出力調整部は、最も大きい停止レベルを前記CPUの停止レベルとして前記調停を行い、該調停された停止レベルに対応した前記停止出力を複数の前記停止装置へ出力することを特徴とする電子安全エレベータ。
  3. 請求項1に記載の電子安全エレベータにおいて、各前記CPUで調停された停止レベルをさらに調整するものであり、一方の前記CPUと他方の前記CPUの停止レベルのうち大きい方を新たな停止レベルとする停止レベル調整テーブルを備え、該停止レベル調整テーブルを参照して一方の前記CPUと他方の前記CPUとの停止レベルから一方の前記CPUの停止レベルとして調整し、各前記CPUは調整された停止レベルから前記停止出力を決定することを特徴とする電子安全エレベータ。
  4. 請求項3に記載の電子安全エレベータにおいて、前記停止レベルから前記停止出力として前記停止装置のオンオフを決定する停止出力決定テーブル、を備え、前記停止出力決定テーブルを参照して各前記CPUは調整された停止レベルから前記停止出力を決定することを特徴とする電子安全エレベータ。
  5. 請求項1に記載の電子安全エレベータにおいて、各前記CPUは、前記演算部のデータに基づいて異常判定を行う診断部を備え、該診断部は、他方との間で入力値,中間演算値,生存信号を送受信し、他方から受信した前記入力値と前記中間演算値を、自己の値と比較し、一致すれば正常、一致しなければどちらのCPUかの異常とする相互診断、他方からの前記生存信号である整数値を前回受信値と比較し更新されていれば正常、更新されていなければ他方の異常とすることを特徴とする電子安全エレベータ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の電子安全エレベータにおいて、複数の前記CPUは1つの半導体チップに複数の中央演算装置を有するマルチコアのマイクロコンピュータとされたことを特徴とする電子安全エレベータ。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載の電子安全エレベータにおいて、前記出力調整部は、前記停止出力の調停を行わず、前記内部停止信号を停止出力とする保守モードを備えたことを特徴とする電子安全エレベータ。
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