(第1実施例)
図面を参照して第1実施例を説明する。図1は本実施例に係る燃焼装置の制御ユニット10を示す回路図である。図1に示す制御ユニット10は、マイコン12、電源14、トランジスタ16〜22、AND回路24、26、OR回路28、タイマ回路30、炎検出回路32、34、電磁弁36、38、を備える。2個の電磁弁36、38は、それぞれ、2個のバーナ(図示省略)の燃料供給路(図示省略)に備えられており、ユーザの開弁操作又は閉弁操作によって開閉される。電源14から電力が供給されている状態では、電磁弁36、38は、ユーザの開弁操作によって開弁されると、その開弁状態を保持する。電源14から電力が供給されない状態では、電磁弁36、38は閉弁する。
上記の各構成要素のうち、電磁弁36への電力供給の制御に用いられる構成要素は、マイコン12、電源14、トランジスタ16、18、AND回路24、OR回路28、タイマ回路30、炎検出回路32、電磁弁36である。一方、電磁弁38への電力供給の制御に用いられる構成要素は、マイコン12、電源14、トランジスタ20、22、AND回路26、OR回路28、タイマ回路30、炎検出回路34、電磁弁38である。電磁弁36のための構成要素の動作と、電磁弁38のための構成要素の動作とはほぼ同様である。
マイコン12は、ユーザによって実行される開弁操作又は閉弁操作に従って、電磁弁36、38の開閉を制御する。マイコン12は、ハイレベル信号(ハイレベル電位)又はローレベル信号(ローレベル電位)を出力することにより、電磁弁36(38)の開閉を指示する。本実施例では、マイコン12は、電磁弁36(38)を閉じる場合にハイ信号を出力し、電磁弁36(38)を開く場合にロー信号を出力する。マイコン12が出力した信号は、トランジスタ16、20に供給される。電源14は、トランジスタ16〜22と、電磁弁36、38に電力を供給するための電源である。
トランジスタ16、18は、電源14から電磁弁36に電力を供給するための電力供給経路上に設けられている。トランジスタ16、18、電磁弁36は、電源14側から接地電位側に向かって、トランジスタ16、トランジスタ18、電磁弁36の順で配置されている。同様に、トランジスタ20、22は、電源14から電磁弁38に電力を供給するための電力供給経路上に設けられている。トランジスタ20、22、電磁弁38は、電源14側から接地電位側に向かって、トランジスタ20、トランジスタ22、電磁弁38の順で配置されている。トランジスタ16〜22は、以下に説明する通り、いずれも電磁弁36、38への電力供給を許容する状態と禁止する状態の間で切り換わる。図1の例では、トランジスタ16〜22はいずれもNOT回路として構成される。
トランジスタ16は、マイコン12から出力されるハイ信号又はロー信号に従って、オン状態とオフ状態の間で切り換わる。具体的には、例えば、トランジスタ16は、マイコン12からハイ信号が入力されると、オフ状態となる。その場合、トランジスタ16は、ロー信号を出力し、電磁弁36への電力供給を禁止する。その場合、電源14から電磁弁36に電力が供給されないため、電磁弁36は閉弁状態となる。一方、トランジスタ16は、マイコン12からロー信号が供給されると、オン状態となる。その場合、トランジスタ16は、ハイ信号を出力し、電磁弁36への電力供給を許容する。トランジスタ16が出力した信号はAND回路24に供給される。なお、トランジスタ20も、トランジスタ16と同様に動作する。トランジスタ20が出力した信号はAND回路26に供給される。
炎検知回路32は、バーナの点火を検知する回路である。炎検知回路32には、炎検知用の熱電対32aが接続されている。炎検知回路32がバーナの点火を検知した場合、炎検知回路32はロー信号を出力する。一方、炎検知回路32がバーナの非点火を検知した場合、炎検知回路32はハイ信号を出力する。炎検知回路32が出力した信号は、AND回路24に供給される。なお、炎検知回路34も、炎検知回路32と同様に動作する。炎検知回路34にも熱電対34aが接続されている。炎検知回路34が出力した信号は、AND回路26に供給される。
AND回路24には、トランジスタ16から出力された信号と、炎検知回路32から出力された信号が並列に入力されている。トランジスタ16から出力された信号と、炎検知回路32から出力された信号の両方がハイ信号である場合、AND回路24はハイ信号を出力する。トランジスタ16から出力された信号と、炎検知回路32から出力された信号のうち少なくとも一方がロー信号である場合、AND回路24はロー信号を出力する。なお、AND回路26も、AND回路24と同様に動作する。即ち、AND回路26は、トランジスタ20から出力された信号と、炎検知回路34から出力された信号とに従って、ハイ信号又はロー信号を出力する。AND回路24、26が出力した信号は、いずれもOR回路28に供給される。
OR回路28には、AND回路24から出力された信号とAND回路26から出力された信号が並列に入力されている。AND回路24、26から出力された信号のうち少なくとも一方がハイ信号である場合、OR回路28はハイ信号を出力する。一方、AND回路24、26から出力された信号が両方ともロー信号である場合、OR回路28はロー信号を出力する。OR回路28が出力した信号は、タイマ回路30に供給される。
タイマ回路30は、OR回路28から出力される信号に従って、マイコン12とは別個に電磁弁36、38の開閉を指示するための信号(ハイ信号又はロー信号)を出力する。具体的には、図1の表に示すように、タイマ回路30は、トランジスタ16と炎検出回路32の出力がともにハイ信号となる場合(OR回路28がハイ信号を出力する場合)に、まずロー信号を出力して、計時を開始する。OR回路28から出力される信号がハイ信号となる場合の例としては、マイコン12が開指示を行い、かつ、炎検出回路32が非点火を検知する場合がある。OR回路28から出力される信号がハイ信号となる状態が維持されたまま所定時間が経過する場合、タイマ回路30は、出力する信号をロー信号からハイ信号に切り換える。一般に、OR回路28から出力される信号がハイ信号となる状態が所定時間継続する場合は、制御ユニット10に何らかの故障(例えば、マイコン12が開指示を行う状態で故障する等)が発生している。一方、タイマ回路30は、OR回路28から出力される信号がロー信号である場合は、ロー信号を出力する。この場合、タイマ回路30は計時を行わず、ロー信号を継続して出力する。タイマ回路30が出力した信号は、トランジスタ18、22に入力される。
トランジスタ18は、タイマ回路30から出力される信号に従って、オン状態とオフ状態の間で切り換わる。具体的には、タイマ回路30からハイ信号が供給されると、トランジスタ18はオフ状態となる。その場合、トランジスタ18は、電磁弁36への電力供給を禁止する。その場合、仮に、トランジスタ16が電磁弁36への電力供給を許容する状態であっても、電磁弁36には電力が供給されず、電磁弁36は閉弁状態となる。一方、タイマ回路30からロー信号が供給されると、トランジスタ18はオン状態となる。その場合、トランジスタ18は、電磁弁36への電力供給を許容する。トランジスタ16、18がともに電磁弁36への電力供給を許容する状態である場合、電源14から電磁弁36に電力が供給され、電磁弁36は開弁状態を保持することができる。
図2は、図1の制御ユニット10中の(a)〜(e)の各部における信号の状態を示すタイムチャートである。図2は、炎検出回路32が非点火を示すハイ信号を出力している(図2の(c)参照)にも関わらず、マイコン12が電磁弁36の開指示に対応するロー信号の出力を継続する(図2の(a)参照)場合において、図1の制御ユニット中の(a)〜(e)の各部における信号の状態を示すタイムチャートである。
図2のA時点において、ユーザが電磁弁36を開くための開弁操作を行うと、マイコン12は、電磁弁36を開くためのロー信号を出力する(図2の(a)参照)。マイコン12から出力されたロー信号に従って、トランジスタ16はオン状態となり、電磁弁36への電力供給を許容する状態となる。このとき、トランジスタ16は、ハイ信号を出力する(図2の(b)参照)。図2の例では、炎検出回路32が非点火を検出するため、炎検出回路32はハイ信号を出力する(図2の(c)参照)。トランジスタ16が出力したハイ信号と、炎検出回路32が出力したハイ信号は、AND回路24に供給される。この場合、AND回路24はハイ信号を出力する。AND回路24から出力されたハイ信号は、OR回路28に供給される。この場合、AND回路26から供給される信号の種類に関わらず、OR回路28はハイ信号を出力する。OR回路28から出力されたハイ信号は、タイマ回路30に供給される。タイマ回路30は、OR回路28から供給される信号がハイ信号となると、まずロー信号を出力して(図1の表、図2の(d)参照)、計時を開始する。タイマ回路30から供給されるロー信号に従って、トランジスタ18はオン状態となり、電磁弁36への電力供給を許容する状態となる。トランジスタ18は、ハイ信号を出力する(図2の(e)参照)。この結果、電磁弁36に電力が供給され、電磁弁36は開弁した状態を保持する。
OR回路28がハイ信号を出力する状態が維持されたままA時点からB時点までの所定時間(図2の「タイマ時間」)が経過すると、タイマ回路30は出力信号をロー信号からハイ信号に切り換える(図2の(d)参照)。B時点において、タイマ回路30から供給されるハイ信号に従って、トランジスタ18はオフ状態となり、電磁弁36への電力供給を禁止する。このとき、トランジスタ18はロー信号を出力する(図2の(e)参照)。この結果、電磁弁36に電力が供給されなくなり、電磁弁36は閉弁する。
本実施例の制御ユニット10においては、上述の通り、トランジスタ16、18は、電磁弁36に電力を供給するための電力供給経路上に設けられており、電源14側から接地電位側に向かって、トランジスタ16、トランジスタ18、電磁弁36の順で配置されている。また、本実施例では、トランジスタ18から出力された信号がタイマ回路30に供給されることはない。従って、B時点で電磁弁36が閉弁した後、タイマ回路30の出力信号がロー信号からハイ信号に切り換わった後も、タイマ回路30にはハイ信号が継続して供給される。その結果、タイマ回路30はハイ信号を継続して出力する。従って、所定時間(タイマ時間)の経過によって電磁弁36が閉弁された後に、トランジスタ16のオン状態(電磁弁36への電力供給を許容する状態)が継続される場合であっても、トランジスタ18がオフ状態(電磁弁36への電力供給を禁止する状態)からオン状態(電磁弁36への電力供給を許容する状態)に戻ることがない。従って、仮にユーザがその後に開弁操作を行って電磁弁36が開弁したとしても、電磁弁36には電力が供給されないので、電磁弁36が開弁状態で保持されることはない。
また、本実施例の制御ユニット10は、タイマ回路30の出力がロー信号からハイ信号に切り換わって電磁弁36を閉弁した場合に、それによってOR回路28の出力が変化してしまうことがない。従って、タイマ回路30にヒステリシス回路(図9参照)を設けずに済む。ヒステリシス回路を省略することにより、制御ユニット10の部品点数を少なくすることができる。
以上、本実施例の燃焼装置について説明した。上記の実施例の構成と本発明の構成との対応関係を記載しておく。炎検知回路32、34が「検知回路」の一例である。トランジスタ16、20が「第1トランジスタ」の一例である。トランジスタ18、22が「前記電磁弁と前記第1トランジスタの間に設けられており、・・・第2トランジスタ」の一例である。図2のタイマ時間が「所定時間」の一例である。
(第2実施例)
図3、図4を参照して、第2実施例について第1実施例と異なる点を中心に説明する。図3は本実施例に係る燃焼装置の制御ユニット110を示す回路図である。図3に示す制御ユニット110は、上記の第1実施例の制御ユニット10と同様に、マイコン112、電源114、トランジスタ116〜122、AND回路124、126、OR回路128、タイマ回路130、炎検出回路132、134、電磁弁136、138を備える。図3の制御ユニット110の各構成要素112〜138は、図1の制御ユニット10の各構成要素12〜38と同様である。
本実施例では、マイコン112は、電磁弁136(138)を開く場合にハイ信号を出力し、電磁弁136(138)を閉じる場合にロー信号を出力する。本実施例では、トランジスタ116、118、電磁弁136は、電源114側から接地電位側に向かって、電磁弁136、トランジスタ118、トランジスタ116の順で配置されている。同様に、トランジスタ120、122、電磁弁138は、電源114側から接地電位側に向かって、電磁弁138、トランジスタ122、トランジスタ120の順で配置されている。トランジスタ116は、オン状態の場合、即ち、マイコン112から供給されるハイ信号に従ってロー信号を出力する場合、電磁弁136への電力供給を許容する。一方、トランジスタ116は、オフ状態の場合、即ち、マイコン112から供給されるロー信号に従ってハイ信号を出力する場合、電磁弁136への電力供給を禁止する。トランジスタ120も同様に動作する。また、本実施例では、トランジスタ116とAND回路124の間にNOT回路125が備えられている。従って、トランジスタ116が出力した信号は、NOT回路125によって反転されてAND回路24に供給される。同様に、トランジスタ120とAND回路126の間にもNOT回路127が備えられている。トランジスタ120が出力した信号は、NOT回路127によって反転されてAND回路126に供給される。
タイマ回路130は、図3の表に示すように、OR回路128から出力される信号がハイ信号となる場合(トランジスタ116がロー信号を出力し、かつ、炎検出回路132がハイ信号を出力する場合)に、ハイ信号を出力し、計時を開始する。その後、OR回路128からハイ信号が出力される状態が維持されたまま所定時間が経過する場合、タイマ回路130は、出力する信号をハイ信号からロー信号に切り換える。一方、タイマ回路130は、OR回路128から出力される信号がロー信号である場合は、ハイ信号を出力する。この場合、タイマ回路130は計時を行わず、ハイ信号を継続して出力する。
トランジスタ118は、タイマ回路130から出力される信号に従って、オン状態とオフ状態の間で切り換わる。具体的には、タイマ回路130からハイ信号が供給されると、トランジスタ118はオン状態となる(ロー信号を出力する)。その場合、トランジスタ118は、電磁弁136への電力供給を許容する。一方、タイマ回路130からロー信号が供給されると、トランジスタ118はオフ状態となる(ハイ信号を出力する)。その場合、トランジスタ118は、電磁弁136への電力供給を禁止する。その場合、仮に、トランジスタ116が電磁弁136への電力供給を許容する状態であっても、電磁弁136には電力が供給されず、電磁弁136は閉弁状態となる。トランジスタ116、118がともに電磁弁136への電力供給を許容する状態である場合、電源114から電磁弁136に電力が供給され、電磁弁136は開弁状態を保持することができる。トランジスタ122も、トランジスタ118と同様に動作する。
図4は、図3の制御ユニット110中の(a)〜(e)の各部における信号の状態を示すタイムチャートである。図4は、炎検出回路132が非点火を示すハイ信号を出力しているにも関わらず、マイコン112が電磁弁136の開指示に対応するハイ信号の出力を継続する場合において、図3の制御ユニット110中の(a)〜(e)の各部における信号の状態を示すタイムチャートである。
図4のA時点において、ユーザが電磁弁136を開くための開弁操作を行うと、マイコン112は、電磁弁136を開くためのハイ信号を出力する(図4の(a)参照)。マイコン112から出力されたハイ信号に従って、トランジスタ116はオン状態となり、電磁弁136への電力供給を許容する状態となる。その結果、トランジスタ116は、ロー信号を出力する(図4の(b)参照)。図4の例では、炎検出回路132が非点火を検出するため、炎検出回路132はハイ信号を出力する(図4の(c)参照)。トランジスタ116が出力したロー信号は、NOT回路125で反転されてハイ信号となる。NOT回路125が出力したハイ信号と、炎検出回路132が出力したハイ信号は、AND回路124に供給される。この場合、AND回路124はハイ信号を出力する。AND回路124から出力されたハイ信号は、OR回路128に供給される。この場合、AND回路126から供給される信号の種類に関わらず、OR回路128はハイ信号を出力する。OR回路128から出力されたハイ信号は、タイマ回路130に供給される。タイマ回路130は、OR回路128から供給される信号がハイ信号となると、まずハイ信号を出力して(図3の表、図4の(d)参照)、計時を開始する。タイマ回路130から供給されるハイ信号に従って、トランジスタ118はオン状態となり、電磁弁136への電力供給を許容する状態となる。トランジスタ118は、ロー信号を出力する(図4の(e)参照)。この結果、電磁弁136に電力が供給され、電磁弁136は開弁した状態を保持する。
OR回路128がハイ信号を出力する状態が維持されたままA時点からB時点までの所定時間(図4の「タイマ時間」)が経過すると、タイマ回路130は出力信号をハイ信号からロー信号に切り換える(図4の(d)参照)。B時点において、タイマ回路130から供給されるロー信号に従って、トランジスタ118はオフ状態となり、電磁弁136への電力供給を禁止する。このとき、トランジスタ118はハイ信号を出力する(図4の(e)参照)。この結果、電磁弁136に電力が供給されなくなり、電磁弁136は閉弁する。
本実施例では、上述の通り、トランジスタ116、118は、電磁弁136に電力を供給するための電力供給経路上に設けられており、電源114側から接地電位側に向かって、電磁弁136、トランジスタ118、トランジスタ116の順で配置されている。また、本実施例でも、トランジスタ118から出力された信号がタイマ回路130に供給されることはない。従って、B時点で電磁弁136が閉弁した後、タイマ回路130の出力信号がハイ信号からロー信号に切り換わった後も、タイマ回路130にはハイ信号が継続して供給される。その結果、タイマ回路130はロー信号を継続して出力する。そのため、上記のタイマ時間の経過によって電磁弁136が閉弁された後に、トランジスタ116のオン状態(電磁弁136への電力供給を許容する状態)が継続される場合であっても、トランジスタ118がオフ状態からオン状態に戻ることがない。従って、仮にユーザがその後に開弁操作を行って電磁弁136が開弁したとしても、電磁弁136には電力が供給されないので、電磁弁136が開弁状態で保持されることはない。
また、本実施例の制御ユニット110も、タイマ回路130の出力がハイ信号からロー信号に切り換わって電磁弁136を閉弁した場合に、それによってOR回路128の出力が変化してしまうことがない。従って、タイマ回路130にヒステリシス回路(図9参照)を設けずに済む。ヒステリシス回路を省略することにより、制御ユニット110の部品点数を少なくすることができる。
以上、本実施例の燃焼装置について説明した。上記の実施例の構成と本発明の構成との対応関係を記載しておく。炎検知回路132、134が「検知回路」の一例である。トランジスタ116、120が「第1トランジスタ」の一例である。トランジスタ118、122が「前記電磁弁と前記第1トランジスタの間に設けられており、・・・第2トランジスタ」の一例である。図4のタイマ時間が「所定時間」の一例である。
(第1参考例)
図5、図6を参照して、第1参考例について第1実施例と異なる点を中心に説明する。図5は本参考例に係る燃焼装置の制御ユニット210を示す回路図である。図5に示す制御ユニット210は、上記の第1実施例の制御ユニット10と同様に、マイコン212、電源214、トランジスタ216〜222、AND回路224、226、OR回路228、タイマ回路230、炎検出回路232、234、電磁弁236、238を備える。図5の制御ユニット210の各構成要素212〜238は、図1の制御ユニット10の各構成要素12〜38と同様である。
本参考例では、マイコン212は、電磁弁236(238)を開く場合にハイ信号を出力し、電磁弁236(238)を閉じる場合にロー信号を出力する。本参考例では、トランジスタ216、218、電磁弁236は、電源214側から接地電位側に向かって、トランジスタ218、電磁弁236、トランジスタ216の順で配置されている。即ち、電磁弁236は、電源側のトランジスタ218と接地電位側のトランジスタ216の間に配置されている。同様に、電磁弁238は、電源側のトランジスタ222と接地電位側のトランジスタ220の間に配置されている。トランジスタ216は、オン状態の場合、即ち、マイコン212から供給されるハイ信号に従ってロー信号を出力する場合、電磁弁236への電力供給を許容する。一方、トランジスタ216は、オフ状態の場合、即ち、マイコン212から供給されるロー信号に従ってハイ信号を出力する場合、電磁弁236への電力供給を禁止する。トランジスタ220も同様に動作する。また、本参考例では、トランジスタ216とAND回路224の間にNOT回路225が備えられている。従って、トランジスタ216が出力した信号は、NOT回路225によって反転されてAND回路224に供給される。同様に、トランジスタ220とAND回路226の間にもNOT回路227が備えられている。トランジスタ220が出力した信号は、NOT回路227によって反転されてAND回路226に供給される。
タイマ回路230は、図5の表に示すように、OR回路228から出力される信号がハイ信号となる場合(トランジスタ216がロー信号を出力し、かつ、炎検出回路232がハイ信号を出力する場合)に、ロー信号を出力し、計時を開始する。その後、OR回路228からハイ信号が出力される状態が維持されたまま所定時間が経過する場合、タイマ回路230は、出力する信号をロー信号からハイ信号に切り換える。一方、タイマ回路230は、OR回路228から出力される信号がロー信号である場合は、ロー信号を出力する。この場合、タイマ回路230は計時を行わず、ロー信号を継続して出力する。
トランジスタ218は、タイマ回路230から出力される信号に従って、オン状態とオフ状態の間で切り換わる。具体的には、タイマ回路230からハイ信号が供給されると、トランジスタ218はオフ状態となる(ロー信号を出力する)。その場合、トランジスタ218は、電磁弁236への電力供給を禁止する。その場合、仮に、トランジスタ216が電磁弁236への電力供給を許容する状態であっても、電磁弁236には電力が供給されず、電磁弁236は閉弁状態となる。一方、タイマ回路230からロー信号が供給されると、トランジスタ218はオン状態となる(ハイ信号を出力する)。その場合、トランジスタ218は、電磁弁236への電力供給を許容する。トランジスタ216、218がともに電磁弁236への電力供給を許容する状態である場合、電源214から電磁弁236に電力が供給され、電磁弁236は開弁状態を保持することができる。トランジスタ222も、トランジスタ218と同様に動作する。
図6は、図5の制御ユニット210中の(a)〜(e)の各部における信号の状態を示すタイムチャートである。図6は、炎検出回路232が非点火を示すハイ信号を出力しているにも関わらず、マイコン212が電磁弁236の開指示に対応するハイ信号の出力を継続する場合において、図5の制御ユニット210中の(a)〜(e)の各部における信号の状態を示すタイムチャートである。
図6のA時点において、ユーザが電磁弁236を開くための開弁操作を行うと、マイコン212は、電磁弁236を開くためのハイ信号を出力する(図6の(a)参照)。マイコン212から出力されたハイ信号に従って、トランジスタ216はオン状態となり、電磁弁236への電力供給を許容する状態となる。その結果、トランジスタ216は、ロー信号を出力する(図6の(b)参照)。図6の例では、炎検出回路232が非点火を検出するため、炎検出回路232はハイ信号を出力する(図6の(c)参照)。トランジスタ216が出力したロー信号は、NOT回路225で反転されてハイ信号となる。NOT回路225が出力したハイ信号と、炎検出回路232が出力したハイ信号は、AND回路224に供給される。この場合、AND回路224はハイ信号を出力する。AND回路224から出力されたハイ信号は、OR回路228に供給される。この場合、AND回路226から供給される信号の種類に関わらず、OR回路228はハイ信号を出力する。OR回路228から出力されたハイ信号は、タイマ回路230に供給される。タイマ回路230は、OR回路228から供給される信号がハイ信号となると、まずロー信号を出力して(図5の表、図6の(d)参照)、計時を開始する。タイマ回路230から供給されるロー信号に従って、トランジスタ218はオン状態となり、電磁弁236への電力供給を許容する状態となる。トランジスタ218は、ハイ信号を出力する(図6の(e)参照)。この結果、電磁弁236を挟む2個のトランジスタ216、218の間に電位差が生じ、電磁弁236に電力が供給される。従って、電磁弁236は開弁した状態を保持する。
OR回路228がハイ信号を出力する状態が維持されたままA時点からB時点までの所定時間(図6の「タイマ時間」)が経過すると、タイマ回路230は出力信号をロー信号からハイ信号に切り換える(図6の(d)参照)。B時点において、タイマ回路230から供給されるハイ信号に従って、トランジスタ218はオフ状態となり、電磁弁236への電力供給を禁止する。このとき、トランジスタ218はロー信号を出力する(図6の(e)参照)。この結果、電磁弁236を挟む2個のトランジスタ216、218の間に電位差が生じなくなり、電磁弁236に電力が供給されなくなる。従って、電磁弁236は閉弁する。
本参考例では、上述の通り、トランジスタ216、218は、電磁弁236に電力を供給するための電力供給経路上に設けられており、電磁弁236は、電源側のトランジスタ218と接地電位側のトランジスタ216の間に配置されている。また、本参考例でも、トランジスタ218から出力された信号がタイマ回路230に供給されることはない。従って、B時点で電磁弁236が閉弁した後、タイマ回路230の出力信号がロー信号からハイ信号に切り換わった後も、タイマ回路230にはハイ信号が継続して供給される。その結果、タイマ回路230はハイ信号を継続して出力する。そのため、タイマ時間の経過によって電磁弁236が閉弁された後に、トランジスタ216のオン状態(電磁弁236への電力供給を許容する状態)が継続される場合であっても、トランジスタ218がオフ状態(電磁弁236への電力供給を禁止する状態)からオン状態(電磁弁236への電力供給を許容する状態)に戻ることがない。従って、仮にユーザがその後に開弁操作を行って電磁弁236が開弁したとしても、電磁弁236には電力が供給されないので、電磁弁236が開弁状態で保持されることはない。
また、本参考例の制御ユニット210も、タイマ回路230の出力がロー信号からハイ信号に切り換わって電磁弁236を閉弁した場合に、それによってOR回路228の出力が変化してしまうことがない。従って、タイマ回路230にヒステリシス回路(図9参照)を設けずに済むため、制御ユニット210の部品点数が少なく済む。
以上、本参考例の燃焼装置について説明した。上記の参考例の構成と本発明の構成との対応関係を記載しておく。炎検知回路232、234が「検知回路」の一例である。トランジスタ216、220が「第1トランジスタ」の一例である。トランジスタ218、222が「前記電磁弁に電力を供給する経路上に、前記電磁弁を挟んで前記第1トランジスタの反対側に設けられており、・・・第2トランジスタ」の一例である。図6のタイマ時間が「所定時間」の一例である。
(第2参考例)
図7、図8を参照して、第2参考例について第1実施例と異なる点を中心に説明する。図7は本参考例に係る燃焼装置の制御ユニット310を示す回路図である。図7に示す制御ユニット310は、上記の第1実施例の制御ユニット10と同様に、マイコン312、電源314、トランジスタ316〜322、AND回路324、326、OR回路328、タイマ回路330、炎検出回路332、334、電磁弁336、338を備える。図7の制御ユニット310の各構成要素312〜338は、図1の制御ユニット10の各構成要素12〜38と同様である。
本参考例では、マイコン312は、電磁弁336(338)を開く場合にロー信号を出力し、電磁弁336(338)を閉じる場合にハイ信号を出力する。本参考例では、トランジスタ316、318、電磁弁336は、電源314側から接地電位側に向かって、トランジスタ316、電磁弁336、トランジスタ318の順で配置されている。即ち、電磁弁336は、電源側のトランジスタ316と接地電位側のトランジスタ318の間に配置されている。同様に、電磁弁338は、電源側のトランジスタ320と接地電位側のトランジスタ322の間に配置されている。トランジスタ316は、オン状態の場合、即ち、マイコン312から供給されるロー信号に従ってハイ信号を出力する場合、電磁弁336への電力供給を許容する。一方、トランジスタ316は、オフ状態の場合、即ち、マイコン312から供給されるハイ信号に従ってロー信号を出力する場合、電磁弁336への電力供給を禁止する。トランジスタ320も同様に動作する。トランジスタ316が出力した信号は、AND回路324に供給される。また、トランジスタ320が出力した信号は、AND回路326に供給される。
タイマ回路330は、図7の表に示すように、OR回路328から出力される信号がハイ信号となる場合(例えば、マイコン312が開指示を行い、かつ、炎検出回路332が非点火を検知する場合)に、ハイ信号を出力し、計時を開始する。その後、OR回路328からハイ信号が出力される状態が維持されたまま所定時間が経過する場合、タイマ回路330は、出力する信号をハイ信号からロー信号に切り換える。一方、タイマ回路330は、OR回路328から出力される信号がロー信号である場合は、ハイ信号を出力する。この場合、タイマ回路330は計時を行わず、ハイ信号を継続して出力する。
トランジスタ318は、タイマ回路330から出力される信号に従って、オン状態とオフ状態の間で切り換わる。具体的には、タイマ回路330からロー信号が供給されると、トランジスタ318はオフ状態となる(ハイ信号を出力する)。その場合、トランジスタ318は、電磁弁336への電力供給を禁止する。その場合、仮に、トランジスタ316が電磁弁336への電力供給を許容する状態であっても、電磁弁336には電力が供給されず、電磁弁336は閉弁状態となる。一方、タイマ回路330からハイ信号が供給されると、トランジスタ318はオン状態となる(ロー信号を出力する)。その場合、トランジスタ318は、電磁弁336への電力供給を許容する。トランジスタ316、318がともに電磁弁336への電力供給を許容する状態である場合、電源314から電磁弁336に電力が供給され、電磁弁336は開弁状態を保持することができる。トランジスタ322も、トランジスタ318と同様に動作する。
図8は、図7の制御ユニット310中の(a)〜(e)の各部における信号の状態を示すタイムチャートである。図8は、炎検出回路332が非点火を示すハイ信号を出力しているにも関わらず、マイコン312が電磁弁336の開指示に対応するロー信号の出力を継続する場合において、図7の制御ユニット310中の(a)〜(e)の各部における信号の状態を示すタイムチャートである。
図8のA時点において、ユーザが電磁弁336を開くための開弁操作を行うと、マイコン312は、電磁弁336を開くためのロー信号を出力する(図8の(a)参照)。マイコン312から出力されたロー信号に従って、トランジスタ316はオン状態となり、電磁弁336への電力供給を許容する状態となる。その結果、トランジスタ316は、ハイ信号を出力する(図8の(b)参照)。図8の例では、炎検出回路332が非点火を検出するため、炎検出回路332はハイ信号を出力する(図8の(c)参照)。トランジスタ316が出力したハイ信号と、炎検出回路332が出力したハイ信号は、AND回路324に供給される。この場合、AND回路324はハイ信号を出力する。AND回路324から出力されたハイ信号は、OR回路328に供給される。この場合、AND回路326から供給される信号の種類に関わらず、OR回路328はハイ信号を出力する。OR回路328から出力されたハイ信号は、タイマ回路330に供給される。タイマ回路330は、OR回路328から供給される信号がハイ信号となると、まずハイ信号を出力して(図8の(d)参照)、計時を開始する。タイマ回路330から供給されるハイ信号に従って、トランジスタ318はオン状態となり、電磁弁336への電力供給を許容する状態となる。トランジスタ318は、ロー信号を出力する(図8の(e)参照)。この結果、電磁弁336を挟む2個のトランジスタ316、318の間に電位差が生じ、電磁弁336に電力が供給される。従って、電磁弁336は開弁した状態を保持する。
OR回路328がハイ信号を出力する状態が維持されたままA時点からB時点までの所定時間(図8の「タイマ時間」)が経過すると、タイマ回路330は出力信号をハイ信号からロー信号に切り換える(図8の(d)参照)。B時点において、タイマ回路330から供給されるロー信号に従って、トランジスタ318はオフ状態となり、電磁弁336への電力供給を禁止する。このとき、トランジスタ318はハイ信号を出力する(図8の(e)参照)。この結果、電磁弁336を挟む2個のトランジスタ316、318の間に電位差が生じなくなり、電磁弁336に電力が供給されなくなる。従って、電磁弁336は閉弁する。
本参考例では、上述の通り、トランジスタ316、318は、電磁弁336に電力を供給するための電力供給経路上に設けられており、電磁弁336は、電源側のトランジスタ316と接地電位側のトランジスタ318の間に配置されている。また、本参考例でも、トランジスタ318から出力された信号がタイマ回路330に供給されることはない。従って、B時点で電磁弁336が閉弁した後、タイマ回路330の出力信号がハイ信号からロー信号に切り換わった後も、タイマ回路330にはハイ信号が継続して供給される。その結果、タイマ回路330はロー信号を継続して出力する。そのため、タイマ時間の経過によって電磁弁336が閉弁された後に、トランジスタ316のオン状態(電磁弁336への電力供給を許容する状態)が継続される場合であっても、トランジスタ318がオフ状態(電磁弁336への電力供給を禁止する状態)からオン状態(電磁弁336への電力供給を許容する状態)に戻ることがない。従って、仮にユーザがその後に開弁操作を行って電磁弁336が開弁したとしても、電磁弁336には電力が供給されないので、電磁弁336が開弁状態で保持されることはない。
また、本参考例の制御ユニット310も、タイマ回路330の出力がハイ信号からロー信号に切り換わって電磁弁336を閉弁した場合に、それによってOR回路328の出力が変化してしまうことがない。従って、タイマ回路330にヒステリシス回路(図9参照)を設けずに済むため、制御ユニット310の部品点数が少なく済む。
以上、本参考例の燃焼装置について説明した。上記の参考例の構成と本発明の構成との対応関係を記載しておく。炎検知回路332、334が「検知回路」の一例である。トランジスタ316、320が「第1トランジスタ」の一例である。トランジスタ318、322が「前記電磁弁に電力を供給する経路上に、前記電磁弁を挟んで前記第1トランジスタの反対側に設けられており、・・・第2トランジスタ」の一例である。図8のタイマ時間が「所定時間」の一例である。
(変形例)
上記の各実施例及び参考例の変形例を以下に列挙する。
(1)上記の第1、第2実施例、及び、第1、第2参考例では、図2、図4、図6、図8に示すように、マイコン12、112、212、312が故障し、開指示を継続して出力する場合を例として説明した。しかしながら、マイコン12、112、212、312が正常であるが、トランジスタ16、116、216、316が、マイコン12、112、212、312の開指示に対応する状態で故障してしまう場合も、上述の処理が実行される。
(2)上記の第1、第2実施例、及び、第1、第2参考例では、バーナを2個備える燃焼装置に用いられる制御ユニットを例として説明した。しかしながら、燃焼装置がバーナを1個のみ備えるものであってもよい。その場合、例えば、図1の制御ユニット10の各構成要素のうち、トランジスタ20、22、AND回路26、OR回路28を省略する。また、同様に、燃焼装置がバーナを3個以上備えるものであってもよい。
(3)炎検知回路32、132、232、332は、上記の説明とは逆に、点火を検知する場合にハイ信号、非点火を検知する場合にロー信号を出力するものであってもよい。なお、その場合、制御ユニット10の他の構成要素は、炎検知回路32等から出力される信号に適合するように組み合わせる必要がある。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。