JP5492664B2 - 切断処理装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、不要となった爆弾等や各種火工品を含む爆発性物品、またその他可燃性液体や気体を内包した熱交換器などの解体作業に危険を伴う物品の切断処理を行う装置に関するものである。
現在、危険物を内包した様々な物品の解体作業にウォータージェットが利用されている。例えば、以前は海洋投棄されていた不発弾、不要爆弾等の爆発性物品は、現在、法律改正に伴って海洋投棄が禁止されているため、廃棄処理するには地上で解体して火薬類等の発火物を除去し処分する必要がある。そこで、このような爆発性物品を処理するための装置として、ウォータージェットにより処理対象物を切断するものが開発されている。
ウォータージェットによる切断装置は、高圧で噴射した水を使用するものであるため、爆発性物品内の火薬類などの発火物を取り扱うにあたり、火花が散る刃物を利用した切断装置に比べると危険が少ないという利点がある。
このようなウォータージェットを利用した切断装置は、処理対象物を固定して噴射ノズルを移動させながら切断を行ったり、あるいは噴射ノズルを固定して処理対象物を回転させるなど、処理対象物と噴射ノズルとを相対移動させながら切断処理を行っている(例えば、特許文献1,2,3参照。)。
特開2004−3741号公報 特開2003−90700号公報 特開2002−48499号公報
しかしながら、通常、爆弾等の爆発性物品は円筒形状であることが多く、確実で効率的な切断は、ウォータージェットを全周に亘って噴射する方法が最も望ましい。従って、切断装置としては、噴射ノズルを固定して処理対象物を回転させながら切断を行うものと、処理対象物を固定して噴射ノズルを被処理物周りに旋回させながら切断を行う構成のものとなる。
前者としては、例えば処理対象物を円筒状の固定治具内に固定し、この固定治具を回転させることによって処理対象物をその長手方向の中心軸周りに回転させながら、位置固定された噴射ノズルからウォータージェットを噴射して切断を行うものがある。
後者としては、例えば、噴射ノズルをリング状のガイドに沿って移動可能に設置し、リング中央に固定された処理対象物に対して、噴射ノズルをガイドに沿って旋回させながらジェットを噴射させて切断を行うものが考えられる。
しかし、処理対象物を治具ごと回転させる場合には、処理対象物の治具への取り付けは非常に強固でなければならず、また取り付けの際にはノズルと処理対象物との干渉を避けるためにノズルと処理対象物の表面との間に常に間隔を確保しつつ芯合わせして位置調整する必要があるが、処理対象物は大重量であることも多く、処理対象物の設置は多くの手間や時間がかかり、作業者への負担が大きくなってしまう。しかも、固定治具は、処理対象物の直径や長さに応じて多くの種類を用意しておく必要があり、その保管、管理だけでも多大なコストが生じるという問題もあった。
一方、固定された処理対象物周りに噴射ノズルを旋回させる場合には、ノズル旋回用のガイドを処理対象物の固定状態に合わせて切断位置に設置する必要があるため、その芯合わせ等の調整を手作業で行うなど、多くの手間と時間がかかってしまう。また、処理対象物には、不発弾などの長期間に亘って土中に埋没され、発錆及び土圧による断面変形が生じているものがある。しかし、噴射ノズルの旋回軌跡はガイドによって規制されるため、変形に対応できず、ウォータージェットによる切断を全周に亘って均一で効率的に行うことができないだけでなく、場合によってはノズル先端の処理対象物表面への衝突、破損という危険もあった。
さらに、いずれの方式においても、実際の切断工程では、ウォータージェットは処理対象物の中心軸に向けて噴射し、その切断面は処理対象物を横断する垂直面となるため、処理対象物切断後の火薬等の内部薬剤をウォータージェットで洗い流す作業では、その垂直な切断面に向けて切断用のウォータージェットとは異なる角度で噴射を行わなければならないため、切断工程とは別の工程として手持ちのウォータージェットガン等で洗い流すなどの煩雑な作業で行っている。

また、爆弾類以外にも、熱交換器や反応槽等の可燃性液体や気体等の発火危険物を内包する各種物品を解体する際に、上記のようなウォータージェットによる切断装置の使用が考えられるが、これらの物品も外形状が円筒状に限らないため、同様に均一で効率的な切断が困難であったり、対象物表面へのノズルの衝突、破損という問題があった。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来よりも処理対象物と切断用ノズルの位置決め作業が簡便であると共に、処理対象物の外形状に対応して常に安全で均一且つ効率的なジェット噴射による切断が可能となり、爆発性物品等の発火危険物質を内包する様々な物品の解体に対して、処理工程全体をより確実で効率的に行えるに切断処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る切断処理装置は、
処理対象物の切断処理を行う装置であって、
床面上の予め定められた高さ位置に、その中心軸が水平方向に沿って設置されたリング状部材と、
該リング状部材の中心軸方向と平行に延びる処理対象物載置面をリング状部材の下端より上方位置に備えた支持台と、
前記リング状部材に固定され、切断用の高圧流体を処理対象物の中心軸に向けて噴射するための切断用ノズルを備えたノズルユニットと、
前記リング状部材を、前記ノズルユニットを伴ってその中心軸周りに自転させることによって前記切断用ノズルを前記支持台の載置面上に固定された処理対象物周りに旋回させるリング回転機構と、
前記切断用ノズルへ高圧流体を供給して噴射させる供給機構と、
前記供給機構と前記リング回転機構とを駆動制御してリング状部材の自転と切断用ノズルからの高圧流体の噴射を連動制御する制御装置と、を備え、
前記ノズルユニットは、切断用ノズルを旋回軌跡の円周の接線方向に沿った経路上で任意の位置に移動させる第1ノズル移動機構と、該第1ノズル移動機構で位置決めされた地点にて切断用ノズルを該接線方向に対して直交する方向に沿った経路上で任意の位置に移動させる第2ノズル移動機構と、切断用ノズルの旋回に伴って処理対象物周りを旋回して該処理対象物の外形状を計測する計測装置とを備え、
前記制御装置は、予め計測用旋回時に前記計測装置で計測した処理対象物の外形状の計測結果を蓄積し、切断用旋回時に、前記計測結果に基づいて前記第1と第2のノズル移動機構を駆動制御して常に前記切断用ノズルの噴射軸線が処理対象物の中心軸線と交叉すると共に処理対象物の外表面との距離が一定に維持される位置に調整することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明に係る切断処理装置は、請求項1に記載の切断処理装置において、
前記ノズルユニットは、切断用ノズルと第2ノズル移動機構を第1ノズル移動機構と共に前記リング状部材の中心軸方向に平行な経路上で移動させる第3ノズル移動機構を備え、前記制御装置は、この第3ノズル移動機構も駆動制御することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明に係る切断処理装置は、請求項1又は2に記載の切断処理装置において、
前記リング状部材は、前記切断用ノズルとリング状部材の中心軸を挟んで対向する位置でアブレシブジェットを受け止めるキャッチャー部材が延設されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明に係る切断処理装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の切断処理装置において、
前記ノズルユニットは、洗浄用ウォータージェットを切断用ノズルの噴射軸方向と直交する方向に噴射する洗浄用ノズルを更に備えていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明に係る切断処理装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の切断処理装置において、
前記第2ノズル移動機構は、電動機と、切断用ノズルに連結していると共にノズルユニットに設けられたナット部に形成された雌ネジ部に螺合して該ナット部に対して相対移動する送りねじと、前記電動機の回転運動を該送りねじに伝達する伝達部とを備え、これら電動機と伝達部とが密閉ボックス内に収納されており、前記送りねじは該密閉ボックスの気密性を維持して該ボックスから摺動可能に突出していることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明に係る切断処理装置は、請求項5に記載の切断処理装置において、
前記ノズルユニットは前記ナット部の雌ネジ部内へ水を導入する手段を備えていることを特徴とするものである。
本発明の切断処理装置は、床面上にその中心軸周りに自転可能に設置されたリング状部材に、前記中心軸に向けてアブレシブジェットを噴射する切断用ノズルを備えたノズルユニットが固定され、リング状部材の自転によりノズルユニットが処理対象物周りに旋回するのに伴って処理対象物の全周に亘ってアブレシブジェットが噴射され切断されるものであり、切断用ノズルをノズルユニットの旋回軌跡の円周の接線方向に沿ったY経路上で任意の位置に移動させる第1ノズル移動機構と、該第1ノズル移動機構で位置決めされた地点にて切断用ノズルを該接線方向に対して直交する方向に沿ったZ経路上で任意の位置に移動させる第2ノズル移動機構と、切断用ノズルの旋回に伴って処理対象物周りを旋回してその外形状を計測する計測装置とを備えたものであるため、予め計測用旋回時に計測装置で計測した処理対象物の外形状の計測結果に基づいて切断旋回時に切断用ノズルのY経路上での移動とZ経路上での移動とを調整して常に切断用ノズルの噴射軸線が処理対象物の中心軸と交叉する状態とすると共に処理対象物の外表面との距離が一定に維持されるようにすることができるので、処理対象物の中心軸がリング状部材の中心軸と一致していなくても、また処理対象物の外形状が変形していたり円筒状以外の特殊な形状であっても、ノズル先端が処理対象物表面に衝突することもなく、常に安全で均一且つ効率的な切断が簡便に行えるという効果がある。
さらに、本発明においては、ノズルユニットに切断用ノズルの噴射軸線と直交する方向に洗浄用ウォータージェットを噴射する洗浄用ノズルを備えたものであるため、切断完了後の処理対象物の内部薬剤の洗い流し作業を、切断工程に続いてほぼ自動的に簡便に行うことができるため、処理工程全体がより効率的になる。
本発明の一実施例による爆発性物品の処理装置の概略正面図である。 図1の処理装置の概略側面図である。 図1の処理装置のノズルユニット部分の概略側面図である。 図3のノズルユニット部分のB−B切断端面を上方から見た概略平面図である。 図1のノズルユニット部分の概略正面図である。
本発明による切断処理装置は、床面上の予め定められた高さ位置にその中心軸が水平方向に沿って設置されたリング状部材に固定されたノズルユニットに切断用ノズルを備え、切断用の高圧流体を支持台の載置面上に載置固定された処理対象物に向けて噴射するものであり、リング回転機構によってリング状部材をノズルユニットを伴ってリング状部材の中心軸周りに自転させることによって、リング状部材の中心軸と平行に延びる支持台の載置面上に載置固定された処理対象物周りに切断用ノズルを旋回させるものである。
従って、切断用ノズルへ高圧流体を供給して噴射させる供給機構とリング回転機構とを制御装置によって駆動制御してリング状部材の自転と高圧流体の噴射を連動制御すれば、処理対象物の全周に亘って高圧流体を噴射することができ、簡便に処理対象物をその長尺軸方向と直交する方向に切断することができる。
しかも、本発明においては、ノズルユニットに、切断用ノズルを旋回軌跡の円周の接線方向に沿った経路上で任意の位置に移動させる第1ノズル移動機構と、該第1ノズル移動機構で位置決めされた地点にて切断用ノズルを該接線方向に対して直交する方向に沿った経路上で任意の位置に移動させる第2ノズル移動機構と、切断用ノズルの旋回に伴って処理対象物周りを旋回して該処理対象物の外形状を計測する計測装置とを備え、制御装置が、予め計測用旋回時に計測装置で計測した処理対象物の外形状の計測結果を蓄積し、切断用旋回時にその計測結果に基づいて第1と第2のノズル移動機構を駆動制御して切断用ノズルの噴射軸線が常に処理対象物の中心軸と交叉し且つ処理対象物の外表面との距離が一定に維持される位置に調整するものである。
このため、支持台の載置面上に固定された処理対象物の中心軸(長尺方向)とリング状部材の中心軸とが一致していなくても、また、処理対象物の外形状が変形して真円でなくても、さらに円筒形状でなく特殊な形状をもつものであっても、その外形状に対応して切断用ノズルから噴射される高圧流体においては、処理対象物表面に対して常に処理対象物の中心軸に指向する一定の衝突角度と一定の衝突距離を全周に亘って維持することができるので、処理対象物の載置固定時に芯合わせ等の手間がかかって作業者への負担が大きい工程を必要とせずに、またノズル先端が処理対象物表面に衝突することもなく、常に安全で均一且つ効率的な切断が行える。
また、処理対象物が比較的大口径または厚肉のもので、一度の旋回切断工程で切断が完了しない場合は、単に順方向に続いて逆方向の旋回切断を繰り返せばよいため、支持台の載置面上に固定可能でリング状部材の内径に収まる外径であれば、種々の大きさの爆発性物品が切断処理できる。
なお、本発明における切断用高圧流体は、ウォータージェットの単独使用に限らず、対象物に応じて研磨材を含ませてアブレシブジェットとする場合もある。この場合、切断用ノズルで高圧水と研磨材を合流させる供給機構として、高圧水の供給・停止と研磨材の供給・停止とをそれぞれ個別に制御でき、高圧水のみを供給するモードと高圧水と研磨材の両方を同時に供給するモードとを選択的に切り替えられる構成とすればよい。
また、処理対象物が比較的小口径で、その長軸を横断する方向への高圧流体の連続噴射で充分切断できるものの場合、全周からの噴射は必要ない。この場合、本発明においては、ノズルユニットに設けられた第1ノズル移動機構のみの駆動で、簡便に処理対象物を切断することができる。即ち、ノズルユニットが旋回軌跡の頂上高さに位置するリング状部材自転開始前の初期状態にて、その接線方向、即ち水平方向に沿った経路上で切断用ノズルを移動させながら高圧流体を噴射させるだけで、リング状部材を旋回させることなく切断用ノズルを処理対象物の長軸に直交する方向に横断する切断工程を簡便に実施することができる。
なお、処理対象物が爆弾である場合、その中心軸方向上の切断位置は、内部の信管を避ける、又狙う必要から厳密に位置決めする必要がある。通常、予めX線により切断位置を計測・マーキングし、切断工程では、切断用ノズルの噴射位置をそのマークを狙うよう設定する。この切断位置の位置合わせは、処理対象物を支持台の載置面上に載置固定する際に、前記マークが切断用ノズルの噴射軸線上に来るように載置すれば問題ない。しかし、載置後に微調整が望ましい若干の位置ズレが生じていることも考えられるため、切断用ノズルと処理対象物とを中心軸方向に沿って相対移動させる位置調整手段が必要である。
このような位置調整手段としては、支持台側を移動させる構成と切断用ノズルを移動させる構成との両方が可能である。但し、移動量が微量であっても、移動物がより軽量で構成が簡便である方が望ましいことから、切断用ノズル側を移動して位置調整できる構成とする。具体的には、切断用ノズルを第1および第2のノズル移動機構と共に、リング状部材の中心軸方向に沿った経路上で移動させる第3のノズル移動機構をさらに備えて、制御装置でこの第3ノズル移動機構も駆動制御する構成が簡便である。またこの第3ノズル移動機構と他のノズル移動機構を組み合わせれば、処理対象物の任意の領域にて表面部分を所望の形状に切り抜き加工することもできる。
また、旋回工程中に、処理対象物の切断がほぼ完了すると、切断用ノズルからのアブレシブジェットは処理対象物を貫通してその先まで噴射され、装置周囲へ飛散してしまう。これを防ぐため、リング状部材に、切断用ノズルとリング状部材の中心軸を挟んで対向する位置でアブレシブジェットを受け止めるキャッチャ部材を延設しておくことが望ましい。
なお、リング状部材から処理対象物設置側へ突出する構造部をノズルユニットと、これに対向するキャッチャー部材のみとすることによって、この両者を互いに水平方向で対向する位置にくるようにリング状部材を回転駆動するだけで、支持台上方は何ら遮るもののない開放空間が形成されるため、大型の処理対象物の載置の際にクレーン等の吊り下げ設備を使用した作業も容易に行える。
また、ノズルユニットに、洗浄用高圧水を切断用ノズルの噴射軸方向と直交する方向に噴射する洗浄用ノズルを更に備えておけば、切断工程に続いて、切断後の処理対象物の切断面に向けてウォータージェットを噴射し、火薬等の内部薬剤を洗い流すことができ、切断から内部洗浄までの処理工程を連続して効率的に行うことができる。
なお、第1〜第3ノズル移動機構の具体的構成としては、それぞれ切断用ノズル側部分の所定経路上の移動を制御できる構成であれば種々の方式が採用できるが、より簡便な構成でありながらも精度良い駆動制御が可能なものが望まれる。
例えば、駆動源として電動機による送りねじ機構が挙げられる。この場合、最も切断用ノズルを直接的に移動させるための第2ノズル移動機構として、切断用ノズルに連結している送りねじと、電動機と、該電動機の回転運動を送りねじに伝達する伝達部とから簡便に構成できる。送りねじは、ノズルユニットに設けられているナット部に形成されている雌ネジ部に螺合し、電動機の回転運動による軸回転でナット部に対して相対移動できる。従って、この移動方向を所定の経路に沿ったものとし、ナット部自体はこの経路上の移動に関しては規制されるものとすれば良い。伝達部としては、例えば電動機の回転軸に連結されたタイミングプーリと送りねじの切断用ノズルと反対側の端部に取り付けられたタイミングプーリとをタイミングベルトで連動させる構成が簡便である。このような送りねじ機構によれば、送りねじの直線移動量を電動機の回転数を制御することによって容易に任意の送りねじの直線移動量を精度良く調整できる。
このような第2ノズル移動機構に対して、第1ノズル移動機構は、前記ナット部自体をノズルユニットに設けられた別の送りねじに対して別の雌ネジ部を介して相対移動する構成とすれば、切断用ノズルを第2ノズル移動機構と共にその経路上を移動させることができる。このとき、前記別の送りねじはその軸方向が第1ノズル移動機構において設定された経路方向に沿い、該送りねじ自体はその経路上の移動が規制されているものとすれば、該別の送りねじが別の電動機の回転運動の伝達によって軸回転することで前記ナット部が切断用ノズルと第2ノズル移動機構とを伴って所定経路上を移動する。
従って、第1ノズル移動機構において、前記ナット部を、ノズルユニットの旋回軌道の円周の接線方向に沿った経路上で移動させる別の送りねじに対してノズルユニット内で位置決めし、第2ノズル移動機構において、前記ナット部に対する送りねじの移動を該接線方向と直交する方向に沿った経路上とすれば良い。この時、切断用ノズルは、その噴射軸線が常に前記直交方向に沿うものとする。この場合、第3ノズル移動機構は、前記別の送りねじを該送りねじを軸回転させるための電動機及び伝達部と共にリング状部材の中心軸方向に沿って移動させる構成であれば良い。
また、第2ノズル移動機構は、最も切断用ノズルに近い駆動系であるため、駆動系への研磨材の浸入を防ぐため、これら電動機と伝達部とを密閉ボックス内に収納することが望ましい。このとき、送りねじは、該密閉ボックスの気密性を維持して該ボックスから回転可能に突出させる。
なお、切断用高圧流体としてアブレシブジェットを噴射する場合、前記ナット部では、送りねじに螺合する雄ネジ部との間に研磨材が浸入すると、雌ネジ部内に摩耗が生じ、良好な送りねじ移動が維持できなくなる恐れがある。そこで、雌ネジ部内へ水を導入する手段を備えておけば、導入される水の流れにより研磨材の浸入を防ぐことができる。
一方、駆動系が収容される密閉ボックスに関しては、特に火薬類取締法によって火薬類と直接触れることが許されない電動機のための隔壁として機能する。さらに密閉ボックスには、研磨材や湿気の浸入も回避できるように、空気圧によってこれらの浸入を防ぐ手段を講じることが望ましい。これには、密閉ボックスへエア供給源からのエアを導入するエアパージ手段を設けることが最も簡便である。
もちろん、前記第2ノズル移動機構だけでなく、第1ノズル移動機構や第3ノズル移動機構に関しても同様に、それぞれ駆動系を密閉ボックス内に収容し、研磨材の浸入を防ぐ構成とすることが望ましい。
また、処理対象物の被切断位置における外形状を計測するための計測装置としては、切断用ノズルの旋回に伴って計測部分が処理対象物周りを旋回しながらその外形状に関する情報を検出できるものであれば様々なものが使用可能であるが、できるだけ構成が簡便で安価でありながら高精度の計測ができるものが望ましい。
例えば、エアシリンダを利用した動作端検出センサが挙げられる。これは、エアシリンダのピストン駆動に連動して切断用ノズルの噴射軸線と平行方向に伸びるロッド先端に検出スイッチを搭載したものであり、エアシリンダにエアを送ってロッドを伸ばし、検出スイッチが処理対象物表面を検出した時点でのストローク位置が座標として計測、記憶されるものである。検出センサを処理対象物周りに旋回させながら処理対象物全周に亘ってこの検出を行えば、その検出結果に基づいて、処理対象物の外形状が計測できる。
なお、計測装置のロッドは、切断用ノズルとは位置ズレがあるため、ノズルユニットに対する処理対象物表面上の計測位置と切断用ノズルの噴射軸線との交叉位置とが異なるため、この計測時の位置ズレ分は第1ノズル移動機構における経路上での位置調整で解消することができる。
また、計測装置としては、上記の動作端検出センサによる方式に限定されるものではなく、例えば、エアシリンダのエア圧を利用した高精度接触式変位センサなど、種々のものが採用可能である。この接触式変位センサは、先端部に検出ピンを備えたスピンドルの後端部をバネ機構を介してエアシリンダのピストンに連結したものであり、エアシリンダにエアを送って所定のエア圧をバネ機構を介してスピンドルにかけて検出ピンを処理対象物表面に押し当てた状態として、センサを処理対象物周りに旋回させていけば、外形状の凹凸に応じてスピンドルがバネ機構の付勢力に抗して押し戻されたり延びたりするので、このスピンドルの変位量が全周に亘って検出されるものである。
従って、制御装置は、以上のような計測装置によって得られた検出結果に基づいて処理対象物の外形状を求め、その計測された外形状に応じて処理対象物の全周に亘って、切断用ノズルの噴射軸線が処理対象物の中心軸と交叉する位置で該処理対象物表面と切断用ノズルとの距離を一定に維持するために切断用ノズルを移動させるべき各経路上の方向と距離を求め、この求められた結果に対応する第1と第2のノズル移動機構の駆動制御量を設定する。
即ち、切断時には、旋回軌跡に沿ってこの設定を実行していけば、第1ノズル移動機構における切断用ノズルの移動調整によって処理対象物の中心軸とリング状部材の中心軸との偏芯に対応させ、常に切断用ノズルの噴射軸線が処理対象物の中心軸と交叉する状態を維持させると同時に、第2のノズル移動機構における切断用ノズルの移動調整によって処理対象物の表面変形に対応させ、常に切処理対象物表面に対する切断用ノズルからの噴射距離を一定に維持させることができる。
第1ノズル移動機構における処理対象物の偏芯への対応は、計測装置による外形状の測定時に同時に得られる偏芯量に基づいて行うことができる。具体的には、外形状測定の中で、通常は載置固定された処理対象物の芯ズレは水平方向で少ないことから、まず処理対象物に対する垂直方向の上下位置での計測を行い、その結果から上下方向での中心位置が決定でき、次にこの上下方向での中心位置に向かう水平方向における左右位置での計測を行えば、その結果から左右方向の中心位置が決定できる。
従って、これらの計測結果に基づいて処理対象物の中心位置からリング状部材の中心位置に対する偏芯量とその偏芯方向が得られる。そこで、切断用ノズルの第1ノズル移動機構におけるその噴射軸線がリング状部材の中心軸と交叉するY経路上の基準位置から、該噴射軸線が処理対象物の中心軸と交叉するための前記Y経路上の位置へと移動させるのに必要なシフト量を、予め計測した偏芯量から計算して設定することができる。
以上のように、本発明によれば、処理対象物とガイド機構であるリング状部材の中心軸との芯合わせを行わなくても、また処理対象物の表面形状が変形していても、常に切断用ノズルは処理対象物の中心軸に向けて一定の噴射距離で高圧流体を噴射させることができるため、どのような処理対象物に対しても簡便な設置作業の後、安定して均一なジェット切断が行える。
なお、本発明における計測装置は、上記の接触式センサを用いたものに限定されるものではなく、非接触式のものなど様々なものが採用可能であり、処理対象物に内包されている発火物、火薬類への影響がなければ、レーザや光を用いたセンサ等も利用できる。
また、センサ類や、各種端子類にも湿気への対応が望まれる。また、センサ類のケーブルや電線等は、火薬類との接触を避けなければならないため、全て保護管で覆われる。そこで、エアパージ機構として保護管内へ空気圧を導入できる構成とするのが好ましい。
通常、爆発性物品等の危険物を処理対象物とする切断処理装置においては、切断のための主要部分は耐爆室内に設置され、ノズルユニットへの高圧水および研磨材の供給は、基本的には耐爆室外の供給源から加圧して送られる構成となる。しかし、研磨材に関しては、耐爆室内のノズルユニット近傍、例えばリング状ユニットを自転可能に軸支する本体部等にサブタンクを設け、予めこのサブタンク内に研磨材を供給しておき、切断工程中は該サブタンクから切断用ノズルへ研磨材を供給する工程が望ましい。これによって、研磨材の供給開始及び停止を迅速に行うことができる。
ただし、このサブタンクには、湿気浸入防止のために、タンク自体にエアパージが可能な構造とすることが望まれる。例えば、サブタンク内の研磨材をノズルユニットへ圧送するためのエアの一部をタンク内へ送る構成が簡便である。
本発明の一実施例による切断処理装置として、その主要部を図1〜3の概略構成図に示す。図1は、本処理装置の正面図であり、図2は側面図である。図3は本処理装置のノズルユニット部分の構成を示す側面図であり、図4は図3のノズルユニット部のB−B切断端面を上方から見た概略平面図である。図5は該ノズルユニット部分の概略正面図である。なお、ノズルユニット部分の構成図では、各密閉ボックス内を透過状態で示した。
本実施例による切断処理装置は、爆弾等の爆発性物品を安全に切断し、内部の薬剤を洗い流すものであり、その主要部は耐爆室内に構成される。主要部の基本構造は、耐爆室内の床面100上に固定された本体支柱1と、該本体支柱1にその中心軸3が水平方向に沿った状態で該中心軸3を回転中心として自転可能に軸支されたリング状部材2と、このリング状部材2に固定されたノズルユニット10と、前記中心軸3と平行に伸びる処理対象物200を載置固定するための載置面を備えた支持台5とから構成される。
本実施例においては、リング状部材2の回転機構として、ローラチェーンを利用した機構を採用した。即ち、リング状部材2に全周に亘ってアタッチメントを介してローラチェーンを固定し、該ローラチェーンに噛み合うスプロケットを回転駆動することによってリング状部材2をその中心軸周りに自転させる。スプロケットはサーボモータにより回転させられるため、該サーボモータの駆動制御によりスプロケットを介してリング状部材2の自転を任意の回転速度及び回転方向に制御できる。また、リング状部材2を必要な角度だけ回転させたい場合、所望の回転角度ずつの自転も制御できる。
ノズルユニット10は、リング状部材2から切断領域側へ向かって中心軸3と平行に突き出た延設部8を介してリング状部材2に固定されている。具体的には、延設部8に対してリング状部材の中心軸方向に平行なX経路上で移動可能に装着された本体ボックス28と、本体ボックス28に対して、リング状部材2の自転に伴う旋回軌跡の円周の接線方向に沿ったY経路上で移動可能に装着されたナット部20と、このナット部20に対して前記接線方向と直交する方向に沿ったZ経路上で移動可能に装着されたノズル側ボックス18とを備えている。
ノズル側ボックス18には、切断用ノズル11と洗浄用ノズル12が備えられており、耐爆室外の供給源から加圧供給されてくる高圧水と研磨材が切断用ノズル11へ導入され、洗浄用ノズル12へは高圧水のみが導入される。
切断用ノズル11は、研磨材を含む高圧水を切断用のアブレシブジェットとして噴射するものであり、ノズル側ボックス18を伴ったナット部20が前記経路Y上の予め定められた基準位置にあるときに、その噴射軸線がリング状部材2の中心軸3と交叉する。従って、前記回転機構によってリング状部材2が自転すると、これに伴ってノズルユニット10も中心軸3周りに旋回するが、この旋回の間中ナット部20の基準位置が維持されれば、切断用ノズル11から噴射されるアブレシブジェットは常にリング状部材2の中心軸3に向かって噴射されることとなる。
従って、支持台5上に処理対象物200を載置固定した状態で、リング状部材2を自転させてノズルユニット10を処理対象物周りに旋回させながら切断用ノズル11からアブレシブジェットを噴射させれば、処理対象物を外周から切断することができる。
また、前記Y経路上のナット部20の位置を基準位置から必要分だけ全周に亘って移動調整しながらアブレシブジェットを噴射させることによって、リング状部材2の中心軸3から予め定められた偏心位置にその噴射軸線が常に指向するように設定することができる。従って、実際の処理対象物200の中心軸がリング状部材2の中心軸3と一致していなくても、両者の位置合わせをすることなく、処理対象物200の中心軸に向けたアブレシブジェットの噴射切断を実施することができる。
なお、支持台5は、処理対象物200への全周に亘るアブレシブジェットの噴射を妨げることのない構成とする必要がある。本実施例では、長尺状の処理対象物を中心軸3に沿って載置できるように、中心軸3と平行な平均台状のものから支持台5を構成し、この平均台の切断用ノズル11の旋回軌跡Aと交わる領域に不連続部を設けたものとした。また処理対象物200は、切断用ノズル11の旋回軌跡より内側に位置させる必要があるため、支持台5の載置面上に固定される処理対象物200の下端がリング状部材2の内周下端より上方に位置する状態で処理対象物200を支持する高さ設定とする。
さらに、リング状部材2には、ノズルユニット10と中心軸3を挟んだ対向位置に切断用ノズル11から噴射されるアブレシブジェットを受け止めるためのキャッチャー4をアーム4aを介して設置した。このキャッチャー4によって、アブレシブジェットが切断された処理対象物200を貫通しても周囲に飛び散るのを防ぐことができる。なお、アーム4aは装置の非可動時にリング状部材2の外周側へ折って傾けることができる。この状態において、リング状部材2の特にアーム4aの根元周辺領域のメンテナンスを容易に行うことができる。
本実施例では、リング状部材2から切断処理空間側へ突出するのはこのアーム4a及びキャッチャー4と延設部8及びノズルユニット10のみであり、キャッチャー4とノズルユニット10とは連動して旋回するものであるため、これらが互いに水平方向で対向する位置に旋回移動させると、支持台5の上方空間は何ら妨げるものが存在しない開放空間となる。従って、この開放空間形成状態とすれば、比較的大型の処理対象物200をクレーン等の設備を用いて支持台5上に載置固定する作業も簡便に行うことができる。
なお、本実施例においては、各ノズル移動機構にサーボモータの回転力を利用した送りねじ機構を採用した。まず、第2ノズル移動機構は、密閉状態のノズル側ボックス18内に収容されている第1サーボモータ13の回転軸にタイミングプーリ14を取り付けると共に、ノズル側ボックス18から気密状態で突出している第1送りねじ17のボックス内の端部にもタイミングプーリ15を連結し、両プーリ(14,15)同士をタイミングベルト16で連動させるものである。
第1送りねじ17は、ナット部20内に垂直方向に貫通形成された第1雌ネジ部21に螺合しており、第1サーボモータ13の回転力がタイミングプーリ(14,15)及びタイミングベルト16を介して第1送りねじ17に伝達されると、該第1送りねじ17は軸回転し第1雌ネジ部21内でナット部20に対してノズル側ボックス18を伴って相対移動し、その結果切断用ノズル11が前記Z経路上を移動する。従って、第1サーボモータ13の回転量と回転方向を駆動制御することによって、切断用ノズル11の中心軸3に対する距離を任意に設定でき、所望のアブレシブジェット噴射距離を得ることができる。
またナット部20には、第1雌ネジ部21と直交方向に貫通形成された第2雌ネジ部22が形成されており、該第2雌ネジ部22には、本体ボックス28から突出された第2送りねじ27が螺合している。この第2送りねじ27は、ボックス内端部に連結されたタイミングプーリ25が、本体ボックス28内に収容されている第2サーボモータ23の回転軸に取り付けられたタイミングプーリ24とタイミングベルト26によって連動されている。
従って、第2サーボモータ23の回転力がこれらタイミングプーリ(24,25)及びタイミングベルト26を介して伝達されて第2送りねじ27が軸回転すると、ナット部20がノズル側ボックス18を伴って第2送りねじ27に沿って移動する。この移動は、ノズルユニット10の旋回軌跡の円周の接線方向に沿ったY経路上での移動となる。即ち、本実施例において、第2サーボモータ23と第2送りねじ27と回転力伝達系(24,25,26)及び第2雌ネジ部22により第1ノズル移動機構が構成されており、この第1ノズル移動機構が切断用ノズル11を前記第2ノズル移動機構と共にY経路上を移動させるものである。
また、この第1ノズル移動機構のみの駆動によって、ノズルユニット10が旋回軌跡の頂上高さに位置する初期状態での移動において、処理対象物200に対してリング状部材2の中心軸3と直交する水平方向に沿った横断方向での切断を行うこともできる。よって、処理対象物200が小口径であって横断噴射により充分切断可能なものに対しても、無駄な全周からのアブレシブジェット噴射をすることなく効率よく対応することができる。
また、本体ボックス28内には、別の第3サーボモータ33が収容されていると共に第3送りねじ37が突設され、該第3送りねじ37が延設部8に設けられたナット部30の雌ネジ部に螺合している。この第3サーボモータ33の回転軸に取り付けられたタイミングプーリ34と第3送りねじ37のボックス内端部に連結されたタイミングプーリ35とがタイミングベルト36で連動されている。
従って、第3サーボモータ33の回転力がこれらタイミングプーリ(34,35)とタイミングベルト36を介して伝達されると、第3送りねじ37は軸回転して延設部8のナット部30に対して本体ボックス28と共にX経路に沿って移動し、この移動に伴ってナット部20及びノズル側ボックス18もX経路上を移動し、切断用ノズル11もX方向に移動する。即ち、本実施例において、第3サーボモータ33と第3送りねじ37と回転力伝達系(34,35,36)及びナット部30の雌ネジ部とで第3ノズル移動機構が構成されており、この第3ノズル移動機構は、切断用ノズル11を第2ノズル移動機構と前記第1ノズル移動機構と共にX経路上を移動させるものである。
このような第3ノズル移動機構により、第3サーボモータ33の回転数および回転方向を駆動制御すれば、切断用ノズル11のX方向における噴射位置を任意に変更し、処理対象物200に対する切断位置を微調整することができる。また、この第3ノズル移動機構を第1ノズル移動機構と組み合わせれば、処理対象物の任意の領域で所望の形状に表面部分を切り抜き加工することもできる。
上記第1、第2、第3の各ノズル移動機構においては、サーボモータ及び伝達系が収容される各ボックス(18,28)は密閉ボックスであり、研磨材や湿気がボックス内へ浸入するのを防ぐために外部からエアが導入される構造を有している。さらに、各ナット部(20、30)には雌ネジ部への研磨材の浸入を防ぐために、雌ネジ部内へ水が導入される構造を有している。
以上の主要構成に関して、各サーボモータやリング状部材2の回転機構、高圧水及び研磨材の供給、噴射を全てコンピュータ等の制御装置によって互いに連動させながら駆動制御することによって、切断用ノズル11の位置調整からノズルユニット10を処理対象物200周りに旋回させながらアブレシブジェットを噴射する切断工程を遠隔操作で自動的な連続工程として安全に行うことができる。また、処理対象物200の外皮が厚く、一度の旋回で切断が完了しない場合は、リング状部材の回転機構を逆向きに駆動制御して逆旋回での切断を連続して行えばよい。
なお、本実施例の切断処理装置では、切断旋回の前の計測用旋回時に予め処理対象物200の切断位置における外形状を計測するための計測装置として、エアシリンダと検出スイッチからなる動作端検出センサを備えている。センサ本体40が、ノズル側ボックス18の切断用ノズル11に近接した位置に装備され、先端に対象物に接触する検出スイッチ41を有するロッド42が切断用ノズル11の噴射軸線と平行な方向に伸びるものである。
センサ本体40にはエアシリンダ43が装着されており、該エアシリンダ43のピストン駆動に連動して切断用ノズルの噴射軸線と平行方向に伸びるロッド42の先端に検出スイッチ41が搭載されている。よって、エアシリンダ43にエアを送り、ロッド42を伸ばして検出スイッチ41を処理対象物200の表面に接触させれば、検出スイッチ41が処理対象物表面を検出した時点でのロッド42のストローク位置が座標として計測される。このような処理対象物表面の座標位置検出をリング状部材2の自転に伴うノズル側ボックス18の旋回と共にセンサ本体40を処理対象物200周りに旋回させながら行えば、処理対象物200の全周に亘る表面座標位置が計測され、その結果に基づいて、処理対象物200の外形状が決定される。
従って、制御装置は、計測された外形状に応じて、常に切断用ノズル11の噴射軸線が処理対象物200の中心軸と交叉するようなY経路上でのシフト量を求めてこのシフト量に対応する第1ノズル移動機構の第2サーボモータ23の駆動制御量を設定すると共に、処理対象物200の全周に亘る該処理対象物表面と切断用ノズル11との距離を一定に維持するために切断用ノズル11をZ経路上で移動させるべき距離を求め、この距離に対応する第2ノズル移動機構の第1サーボモータ13の駆動制御量を設定する。切断時には、旋回軌跡に沿ってこの両設定を実行していけば、処理対象物表面への切断用ノズル11からのアブレシブジェットの噴射を常に処理対象物200の中心軸に指向させると共にその噴射距離を全周に亘って一定に維持できるため、安全で、均一且つ効率的なアブレシブジェットによる切断が行える。
但し、切断用ノズル11がZ経路上を移動するということは、中心軸3からの切断用ノズル11の距離が変化するということである。この時、リング状部材2を一定速度で自転させると、切断用ノズル11自体の旋回速度は中心軸3からの距離が遠くなるほど速くなるというように変化が生じる。このようなノズルの旋回速度の変化によって切断速度に変化が生じるため、切断残りが発生したり、切り過ぎが生じることもある。そこで、制御装置は、一定の切断速度を維持するため、切断用ノズル11の旋回速度を一定にするようにリング状部材2の自転速度を制御する速度制御も行うものとする。
即ち、制御装置によるセンサ本体40を含む前記駆動系の制御によって、切断前の処理対象物200の外形状計測工程からその計測結果に対応した切断工程まで、一連の工程として自動的に進めることができる。安全上、制御装置によるこれらの駆動制御を全て耐爆室外から行う構成とするのが望ましいが、耐爆室内で実際に目視で確認しながら行うのが望ましい操作、例えば切断用ノズル11の位置調整など、部分的な工程の駆動制御を処理装置に備えた制御盤7で行う構成とすれば良い。
また、本実施例では、外部の研磨材供給源から直接切断用ノズル11へ研磨材を供給するのではなく、本体支柱1に研磨材のサブタンク6を設置し、切断工程中はこのサブタンク6から切断用ノズル11へ研磨材を供給する構成とした。このサブタンク6の設置により、切断用ノズル11への研磨材供給の開始および停止を迅速に行うことができる。
なお、サブタンク6から切断用ノズル11への研磨材の供給はエアによる圧送で行われるが、圧送用エアの一部を用いてサブタンク6内に湿気の浸入を防ぐための乾燥エアが導入される構造とした。
また本実施例においては、切断用ノズル11に隣接して洗浄用ウォータージェットを噴射する洗浄用ノズル12をノズル側ボックス18に装備している。この洗浄用ノズル12は、その噴射軸方向が切断用ノズル11の噴射軸方向と直交し、先の切断工程完了後に露呈する処理対象物200の切断面に向けてウォータージェットを噴射するものである。
従って、切断工程完了後に、処理対象物200の片方部分を移動させておけば、ノズル移動機構および第3の移動機構の各サーボモータ(13,33)を駆動制御して洗浄用ノズル12の噴射口が残った片方の処理対象物の切断面に対面する位置まで移動調整した後、適度な角度範囲での旋回またはY経路上の移動を制御しながらウォータージェットを噴射させれば、内部薬剤を洗い流すことができる。このように、本実施例の処理装置によれば、面倒な手作業を最低限に抑え、切断工程から洗浄工程まで、ほぼ自動的に連続して行うことができる。
なお、本実施例の切断処理装置においては、耐爆室内のセンサ類のケーブルや、サーボモータ等の電気系統の電線は全て保護管で覆い、湿気浸入防止のためのエアが導入される構造とした。
以上の実施例においては、爆弾等の爆発性物品に対する場合を示したが、本発明による切断処理装置は、これに限定されるものではなく、軸合わせが困難であったり外形状が歪なものなど様々な物品の効率的な解体処理に有効である。但し、危険物の切断処理を安全に行えることから、特に、各種可燃性物質や火薬類等の危険な発火薬剤を内包する物品の解体の使用に最適である。
1:本体支柱
2:リング状部材
3:中心軸
4:キャッチャー
4a:アーム
5:支持台
6:サブタンク
7:制御盤
8:延設部
10:ノズルユニット
11:切断用ノズル
12:洗浄用ノズル
13:第1サーボモータ
14,15,24,25,34,35:タイミングプーリ
16,26,36:タイミングベルト
17:第1送りねじ
18:ノズル側ボックス
20,30:ナット部
21,22:雌ネジ部
23:第2サーボモータ
27:第2送りねじ
28:本体ボックス
33:第3サーボモータ
37:第3送りねじ
40:センサ本体
41:検出スイッチ
42:ロッド
43:エアシリンダ
100:耐爆室床面
200:処理対象物

Claims (6)

  1. 処理対象物の切断処理を行う装置であって、
    床面上の予め定められた高さ位置に、その中心軸が水平方向に沿って設置されたリング状部材と、
    該リング状部材の中心軸方向と平行に延びる処理対象物載置面をリング状部材の下端より上方位置に備えた支持台と、
    前記リング状部材に固定され、切断用の高圧流体を処理対象物の中心軸に向けて噴射するための切断用ノズルを備えたノズルユニットと、
    前記リング状部材を、前記ノズルユニットを伴ってその中心軸周りに自転させることによって前記切断用ノズルを前記支持台の載置面上に固定された処理対象物周りに旋回させるリング回転機構と、
    前記切断用ノズルへ高圧流体を供給して噴射させる供給機構と、
    前記供給機構と前記リング回転機構とを駆動制御してリング状部材の自転と切断用ノズルからの高圧流体の噴射を連動制御する制御装置と、を備え、
    前記ノズルユニットは、切断用ノズルを旋回軌跡の円周の接線方向に沿った経路上で任意の位置に移動させる第1ノズル移動機構と、該第1ノズル移動機構で位置決めされた地点にて切断用ノズルを該接線方向に対して直交する方向に沿った経路上で任意の位置に移動させる第2ノズル移動機構と、切断用ノズルの旋回に伴って処理対象物周りを旋回して該処理対象物の外形状を計測する計測装置とを備え、
    前記制御装置は、予め計測用旋回時に前記計測装置で計測した処理対象物の外形状の計測結果を蓄積し、切断用旋回時に、前記計測結果に基づいて前記第1と第2のノズル移動機構を駆動制御して常に前記切断用ノズルの噴射軸線が処理対象物の中心軸線と交叉すると共に処理対象物の外表面との距離が一定に維持される位置に調整することを特徴とする切断処理装置。
  2. 前記ノズルユニットは、切断用ノズルと第2ノズル移動機構を第1ノズル移動機構と共に前記リング状部材の中心軸方向に平行な経路上で移動させる第3ノズル移動機構を備え、前記制御装置は、この第3ノズル移動機構も駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の切断処理装置。
  3. 前記リング状部材は、前記切断用ノズルとリング状部材の中心軸を挟んで対向する位置でアブレシブジェットを受け止めるキャッチャー部材が延設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切断処理装置。
  4. 前記ノズルユニットは、洗浄用の高圧水を切断用ノズルの噴射軸方向と直交する方向に噴射する洗浄用ノズルを更に備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の切断処理装置。
  5. 前記第2ノズル移動機構は、電動機と、切断用ノズルに連結していると共にノズルユニットに設けられたナット部に形成された雌ネジ部に螺合して該ナット部に対して相対移動する送りねじと、前記電動機の回転運動を該送りねじに伝達する伝達部とを備え、これら電動機と伝達部とが密閉ボックス内に収納されており、前記送りねじは該密閉ボックスの気密性を維持して該ボックスから回転可能に突出していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の切断処理装置。
  6. 前記ノズルユニットは、前記ナット部の雌ネジ部内へ水を導入する手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の切断処理装置。
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