JP5492575B2 - 油圧作動油組成物 - Google Patents
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Description
これらの油圧機械や油圧設備などは、技術の発展に伴い、年々その性能や効率を高めることが要請されているため、益々高圧、高温など苛酷な条件で使用される。したがって、油圧システムに用いられる油圧作動油は、その苛酷な条件に耐え得るものでなければならない。
油圧作動油に要求される性能は、通常、適正粘度、高粘度指数、良好なせん断安定性、潤滑性、酸化安定性、さび止め性、消泡性、水分離性、低温流動性、パッキンシール・塗料等の材料適合性などである。
中でも益々高圧下で使用されるため、さらに優れた潤滑性、特に耐スコーリング性等の耐摩耗性が重要となってきた。このような状況を反映して、近年、ISOの油圧作動油の規格に、耐摩耗性などの潤滑性を規定する「FZGスコーリング試験」が採用された(ISO−14635)。
また、益々高温下で使用されるため、スラッジの発生を抑制する耐熱性が重要となった。
ところが従来の非亜鉛系の油圧作動油は、一般に潤滑性向上剤(耐スコーリング性向上剤)として、酸性リン酸エステル又はそのアミン塩や活性硫黄化合物などが用いられることが多かった(例えば、特許文献1参照)。
しかし、これらを配合した場合、高圧下ではスラッジが多量に発生し、その結果、バルブロックを発生させたり、油圧ポンプの摩耗を発生させる要因となることがあった。
さらに、上記、酸性リン酸エステルは、油圧作動油に存在又は混入した水分のpHを低下させるため、パッキンシール・塗料等の材料として油圧装置などに用いられるウレタンゴムやウレタン樹脂などを劣化させ、シール性を損なうことがあった。
したがって、非亜鉛系の油圧作動油であって、耐スコーリング性などの耐摩耗性に優れるとともに、スラッジの発生を抑制し、ウレタンゴムなどのパッキンシール材の劣化を防止する油圧作動油の出現が求められている。
〔1〕基油と、
(A)下記の一般式(I)
で表されるリン化合物を組成物全量基準で、リン量として150〜3000質量ppm、
(B)分子中にジチオ(−S−S−)結合を有する硫黄化合物を組成物全量基準で、硫黄量として0.02〜0.5質量%、
(C)金属スルフォネートを組成物全量基準で0.05〜0.5質量%、及び
(D)過塩基性金属サリチレート及び/又は過塩基性金属フィネートを組成物全量基準で0.01〜0.5質量%
を含むことを特徴とする油圧作動油組成物、
〔2〕(A)成分のリン化合物が、酸価1mgKOH/g以下のものである前記〔1〕に記載の油圧作動油組成物、
〔3〕前記(B)成分の硫黄化合物中におけるトリチオ(−S−S−S−)結合以上のポリチオ結合を有する硫黄化合物の含有量が、前記ジチオ(−S−S−)結合の硫黄化合物との合計量基準で1質量%以下である前記〔1〕又は〔2〕に記載の油圧作動油組成物、
〔4〕前記(B)成分の硫黄化合物が、JIS K 2513に規定する銅板腐食試験(測定条件:100℃、3時間)で2以下のものである前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の油圧作動油組成物、
〔5〕前記(C)成分の金属スルフォネートが、中性Caスルフォネートである前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の油圧作動油組成物、
〔6〕前記(D)成分が、塩基価160mgKOH/g以上の過塩基性金属サリチレート及び/又は過塩基性金属フィネートである前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の油圧作動油組成物、
〔7〕非亜鉛系の油圧作動油である前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の油圧作動油組成物、
を提供するものである。
以下、各成分について説明する。
本発明の油圧作動油組成物に用いられる基油としては、一般に油圧作動油の基油として用いられているものであればよく特に制限はないが、40℃における動粘度が10〜1000mm2/sのものが好適である。40℃における動粘度が10mm2/s以上であれば蒸発損失が少なく、1000mm2/s以下であれば粘性抵抗による動力損失が大きくなりすぎることはない。より好ましくは40℃における動粘度は、10〜460mm2/sの範囲のものである。
当該基油の粘度指数は80以上のものが好ましい。粘度指数が80以上であれば、温度の変化による粘度変化が小さく、高温における必要な粘度を保つ。この粘度指数は、100以上がより好ましく、120以上がさらに好ましい。また、当該基油の飽和分は、90%以上のものが好ましい。飽和分が90%以上であれば油圧作動油組成物の酸化安定性を向上する。飽和分は、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上である。また、当該基油の硫黄分は、0.03質量%以下が好ましい。基油の硫黄分が0.03質量%以下であれば、油圧作動油組成物の酸化安定性を向上する。
なお、前記硫黄分は、JIS K 2541に準拠して測定した値であり、飽和分は、ASTM D 2007に準拠して測定した値である。
さらに、当該基油の流動点は、−10℃以下が好ましい。流動点が−10℃以下であれば、油圧作動油組成物は低温においても十分な流動性を有する。流動点は、より好ましくは−15℃以下、さらに好ましく−20℃以下、特に好ましくは−25℃以下である。
グループIIは、粘度指数80〜120を有し、硫黄分0.03%以下および飽和分90%以上の基油、グループIIIは、粘度指数120以上、硫黄分0.03%以下および飽和分90%以上の基油、グループIVには、ポリアルファオレフィン(PAO)が含まれる。
また、合成油としては、例えば、ポリα−オレフィン(PAO),α−オレフィンコポリマー,ポリブテン,アルキルベンゼン,ポリオールエステル,二塩基酸エステル,ポリオキシアルキレングリコール,ポリオキシアルキレングリコールエステル,ポリオキシアルキレングリコールエーテル,ヒンダードエステル,シリコーンオイルなどが挙げられる。さらには、スラックワックスやGTL WAXの異性化物などが挙げられる。
中でも、水素化精製鉱油、水素化分解鉱油、スラックワックスやGTL WAXの異性化物(ワックス異性化鉱油)、及びポリα−オレフィンが好適である。
本発明においては、基油として、上記鉱油を一種用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。また、上記合成油を一種用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。さらには、鉱油一種以上と合成油一種以上とを組み合わせて用いてもよい。
本発明において(A)成分として用いられるリン化合物としては、下記の一般式(I)
すなわち、トリアリールフォスフェート又はトリアリールチオフォスフェートである。
前記一般式(I)におけるR1は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。
また、一般式(I)の3つのR1は、それぞれ同じでも異なってもよい。
前記炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基が挙げられる。
前記一般式(I)で表されるリン化合物は、酸価が1mgKOH/g以下のものが好ましい。酸価が1mgKOH/g以下であれば、油圧作動油組成物は耐熱性が良好でありスラッジの発生を抑制することができる。酸価は、より好ましくは0.5mgKOH/g以下、さらに好ましくは0.1mgKOH/g以下である。
なお、酸価は、JIS K 2501によって測定した値である。
前記一般式(I)で表されるリン化合物としては、トリフェニルフォスフェート、トリクレシルフォスフェート、トリフェニルチオフォスフェート、トリクレシルチオフォスフェートが挙げられる。
本発明においては、(B)成分として、分子中にジチオ(−S−S−)結合を有する硫黄化合物を用いる。
このようなジチオ(−S−S−)結合を有する硫黄化合物を含有すれば、油圧作動油組成物の耐スコーリング性などの耐摩耗性を高めることができる。
前記(b−1)のビス(アルキルジチオ)チアジアゾールとしては、下記の一般式(II)
前記一般式(II)における、R2、R3は、炭素数1〜30の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。R2,R3は、同一であっても異なってもよい。
前記R2,R3は、炭素数6〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であることがより好ましい。
このようなチアジアゾールの具体例としては、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブタンジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(t−オクチルジチオ)1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−ドデシルジチオ)1,3,4−チアジアゾールが挙げられる。
これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
R4OOC−CH2−S−S−CH2−COOR5 ・・・(III)
で表される硫黄化合物を用いることができる。
このようなジアルキルグリコレートの具体例としては、ジエチルジチオグリコレート、ジn−ブチルジチオグリコレート、ジ−iso−ブチルジチオグリコレート,ジn−オクチルジチオグリコレート、ジ−iso−オクチルジチオグリコレート,ジ(2−エチルヘキシル)ジチオグリコレート、ジデシルジチオグリコレート、ジウンデシルジチオグリコレート、ジテトラデシルジチオグリコレート、ジオクタデシルジチオグリコレートなどが挙げられる。
これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
R6−S−S−R7 ・・・(IV)
で表される硫黄化合物を用いることができる。
前記一般式(IV)におけるR6、R7は、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を示す。R6、R7は、同一であっても異なってもよい。
前記炭素数2〜20のヒドロカルビル基としては、炭素数2〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基あるいはアリールアルキル基が好ましく、例えば、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,各種ドデシル基,シクロヘキシル基,シクロオクチル基,フェニル基,ナフチル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基,フェネチル基などを挙げることができる。
前記一般式(IV)で表されるジヒドロカルビルジチオの具体例としては、例えば、ジ−tert−ブチルジサルファイド、ジオクチルジサルファイド、ジ−tert−ノニルジサルファイド、ジドデシルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジフェニルジサルファイド、ジシクロヘキシルジサルファイドなどを挙げることができる。
前記一般式(v)におけるR8〜R11は、炭素数2〜20の炭化水素を表す。それらは同一であっても異なってもよい。
R8〜R11で表される炭素数2〜20のアルキル基は、直鎖状でも、分枝鎖状であってもよく、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基を挙げることができる。
前記一般式(v)で表されるテトラアルキルチウラムジスルフィドの具体例としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドが挙げられる。
前記(B)成分の硫黄化合物の含有量は、油圧作動油組成物全量基準で、 硫黄含有量として0.02〜0.5質量%の範囲で配合する。この硫黄含有量が0.02質量%未満では、目的とする摩耗防止効果が得られないことがあり、一方0.5質量を超えても配合に見合った効果が得られないことがある。より好ましい硫黄含有量は、0.03〜0.2質量%である。
本発明では、(C)成分として金属スルフォネートを用いる。
当該金属スルフォネートとしては、特に制限はないが、通常石油スルホン酸やアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸などの合成スルホン酸の金属塩を用いる。
前記金属スルフォネートの好ましい金属としては、Na、Kなどのアルカリ金属、Ca、Ba、Mg,などのアルカリ土類金属が挙げられる。また、金属スルフォネートは中性、塩基性、過塩基性を問わず使用できる。
本発明においては、これらの中でも、中性のアルカリ土類金属スルフォネートが好ましく、特に、中性Caスルフォネートが好ましい。
(C)成分の金属スルフォネートは、油圧作動油組成物のさび止め性能を高めるとともに、油圧作動油に存在又は混入した水分のpHの低下を抑制することによって、ウレタンゴムなどのパッキンシール材の劣化を抑制する効果を有する。
なお、油圧作動油に存在又は混入した水分のpHは、油圧作動油と水を混合し静置して得られた抽出水についてpHを測定すればよい。
本発明においては、(C)成分の金属スルフォネートを油圧作動油組成物全量基準で、0.05〜0.5質量%配合する。金属スルフォネートの含有量が0.05質量%未満では、充分な効果が得られないことがあり、金属スルフォネートの含有量が0.5質量%を超えて配合しても配合に見合った効果が得られないことがある。より好ましい金属スルフォネートの含有量は0.1〜 0.4質量%である。
本発明においては、(D)成分として過塩基性金属サリチレート及び/又は過塩基性金属フィネートを用いる。
過塩基性金属サリチレート及び過塩基性金属フィネートアルキル基は、塩基価(JIS K2501過塩素酸法)が160mgKOH/g以上のものが好ましい。塩基価が160mgKOH/g以上であれば、油圧作動油組成物の耐熱性を高めてスラッジの発生を抑制するとともに、さび止め性を高め、さらに抽出水pHを高めることによって、ウレタンゴムなどのパッキンシール材の劣化を抑制する効果を有する。より好ましい過塩基性金属サリチレート及び過塩基性金属フィネートアルキル基の塩基価は200mgKOH/g以上である。一方、過塩基性金属サリチレート及び過塩基性金属フィネートアルキル基の塩基価の上限は、特に制限はないが、基油に対する溶解性及び入手の容易性の観点から、600mgKOH/g以下が好ましい。より好ましい塩基価の上限は500mgKOH/g以下である。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル3−(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのモノフェノール系化合物、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)などのジフェノール系化合物が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、モノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系化合物、4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジペンチルジフェニルアミン、4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン、4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系化合物、テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン、テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系化合物、α−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ブチルフェニル−α−ナフチルアミン、ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのナフチルアミン系化合物が挙げられる。
本発明においては、この酸化防止剤の含有量は、組成物全量基準で、通常0.05〜2.0質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン水素化共重合体など)などが挙げられる。
流動点降下剤としては、重量平均分子量が5万〜15万程度のポリメタクリレートなどを用いることができる。流動点降下剤の配合量は組成物全量基準で、通常0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜2質量%である。
消泡剤としては、高分子シリコーン系消泡剤、ポリアクリレート系消泡剤を用いることができる。消泡剤の配合量は、組成物全量基準で、通常0.0001〜0.5質量%程度含有させることが好ましく、0.0005〜0.3質量%含有させることがより好ましい。
なお、性能の評価は以下に示す方法で行った。
(1)耐熱性(酸化試験後のスラッジ量)
JIS K 2514−1996に準じる内燃機関用潤滑油酸化安定度試験(ISOT)により、発生したスラッジ量をミリポアフィルターで捕集してその量(mg/100mL)を測定した。
試験条件
試験温度;150℃、試験時間;168時間
(2)FZG耐スコーリング試験
FZGギヤ試験機を用い、DIN 51354−2に準拠し、規定に沿って段階的に荷重を上 げ、スコーリングが発生した荷重のステージで表示した。
JIS K2510(B法、人工海水法)に準拠して、測定した。
(4)ウレタンゴム浸漬試験
供試油300mlとイオン交換水30mlをガラスビーカーに採取し、ウレタンゴム(NOK製U−801)のJIS3号ダンベルを浸漬し、攪拌しながら80℃で、72時間の浸漬試験を行った。浸漬後のウレタンゴムダンベルの引張強度を測定し、浸漬試験前のウレタンゴムからの引張強度の変化率(%)を求めた。
(5)抽出水pH
供試油とイオン交換水を質量比1:1で混合し、静置後水分のpHを測定した(JIS Z 8802)。
第1表の通り、基油に各添加剤を配合し実施例及び比較例の油圧作動油組成物を調製し、それぞれの性能を評価した。結果を第1表に示す。
1)基油:API分類グループIIに該当する水素化精製鉱油、40℃動粘度45.5mm2/s,粘度指数105、飽和分99%、硫黄分5質量ppm、
2)リン化合物1:トリクレシルフォスフェート、酸価0.01mgKOH/g
3)リン化合物2:トリフェニルチオフォスフェート、酸価0.01mgKOH/g
4)リン化合物3:トリ2−エチルヘキシルフォスフェート、酸価0.01mgKOH/g
5)リン化合物4:酸性リン酸メチルエステルドデシルアミン塩、酸価260mgKOH/g
6)リン化合物5:モノ(ジ)デシルアシッドフォスフェートトリオクチルアミン塩、酸価0.56mgKOH/g
7)硫黄化合物1:ジブチルジチオグリコレート、ポリチオ結合の含有量0.1質量%以下、銅板腐食試験2(2A)
8)硫黄化合物2:2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブタンジチオ)1,3,4−タジアゾール、ポリチオ結合の含有量0.1質量%、銅板腐食試験1(1A)
9)硫黄化合物3:メチレンビスジブチルジチオカーバメイト、銅板腐食試験2(2A)
10)硫黄化合物4:硫化ブテン、硫黄分43質量%、銅板腐食試験2(2C)
11)中性Caスルフォネート:OLOA 246B,塩基価(過塩素酸法)20.5mgKOH/g
12)過塩基価Caサリシレート:インフィニアムM7121,塩基価(過塩素酸法)225mgKOH/g
13)フェノール系酸化防止剤:IRGANOX−L107
14)アミン系酸化防止剤:IRGANOX−L57
15)金属不活性化剤:N−ジアルキルアミノベンゾトリアゾール
16)アルケニルコハク酸エステル:ルブリゾールLZ859(アルケニルコハク酸多価アルコールエステル)
17)消泡剤:ルブリゾール882D
一方、比較例1〜9は、いずれも本発明における規定要件のいずれかが外れており、したがって、性能が実施例のものに比べて劣る。
例えば、本発明で規定するリン化合物以外のリン化合物を用いると、FZG耐スコーリング性が低下したり(比較例3)、耐熱性やウレタンゴム浸漬試験における性能が低下する(比較例4)。また、(D)成分の過塩基価Caサリシレートを含有しない比較例1,2,5及び9は、耐熱性やウレタンゴム浸漬試験の性能が著しく低下する。
Claims (9)
- 基油と、
(A)下記の一般式(I)
で表されるリン化合物を組成物全量基準で、リン量として150〜3000質量ppm、
(B)分子中にジチオ(−S−S−)結合を有する硫黄化合物を組成物全量基準で、硫黄量として0.02〜0.5質量%、
(C)金属スルフォネートを組成物全量基準で0.05〜0.5質量%、及び
(D)過塩基性金属サリチレート及び/又は過塩基性金属フィネートを組成物全量基準で0.01〜0.5質量%
含むことを特徴とする油圧作動油組成物であって、
前記(C)成分の金属スルフォネートが、中性のアルカリ土類金属スルフォネートである、油圧作動油組成物。 - 前記(A)成分のリン化合物が、酸価1mgKOH/g以下のものである請求項1に記載の油圧作動油組成物。
- 前記(B)成分の硫黄化合物中におけるトリチオ(−S−S−S−)結合以上のポリチオ結合を有する硫黄化合物の含有量が、前記ジチオ(−S−S−)結合を有する硫黄化合物との合計量基準で1質量%以下である請求項1又は2に記載の油圧作動油組成物。
- 前記(B)成分の硫黄化合物が、JIS K 2513に規定する銅板腐食試験(測定条件:100℃、3時間)で2以下のものである請求項1〜3のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
- 前記(C)成分の金属スルフォネートが、中性Caスルフォネートである請求項1〜4のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
- 前記(D)成分が、塩基価160mgKOH/g以上の過塩基性金属サリチレート及び/又は過塩基性金属フィネートである請求項1〜5のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
- 非亜鉛系の油圧作動油である請求項1〜6のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
- 前記(D)成分が、塩基価225mgKOH/g以上の過塩基性金属サリチレート及び/又は過塩基性金属フィネートである、請求項1〜7のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
- 前記油圧作動油組成物の抽出水のpHが7以上である、請求項1〜8のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
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