JP5492450B2 - 外科用器具のためのナイフ／発射ロッド接続 - Google Patents

Description

（背景）
（技術分野）
本開示は、開いた位置と閉じた位置との間を動かすことが可能な顎部を有する外科用器具に関し、より具体的には、ナイフバーを有する外科用器具に関する。

（関連技術の背景）
組織が、最初に、向かい合う顎部構造の間で把持されるか、またはクランプ留めされ、次いで、外科用ファスナによって接合される外科用デバイスが当該分野で周知である。一部の器具においては、ファスナによって接合された組織を切断するためにナイフが提供される。ファスナは、典型的には、外科用ステープルの形式であるが、２つの部品のポリマー製ファスナもまた利用され得る。

この目的のための器具は、それぞれが組織を捕捉するか、またはクランプ留めするために用いられる２つの細長い部材を含み得る。典型的には、これらの部材の一方が、少なくとも２つの横方向の列に配列された複数のステープルを収容するステープルカートリッジを保持する一方で、もう一方の部材が、ステープルがステープルカートリッジから駆動されたときにステープル脚を形成する表面を規定するアンビルを有する。ステープリング動作は、ステープルカートリッジを通って長手方向に移動するカムバーによって実行され、そのとき、カムバーは、ステープルカートリッジからステープルを逐次的に排出するために、ステープルプッシャに作用する。

（概要）
本開示は、フレームと、細長い部分と、発射ロッドと、エンドエフェクタとを含む外科用器具に関する。細長い部分は、フレームから遠位に延び、長手方向軸を規定する。発射ロッドは、少なくとも部分的に細長い部分と共に配置され、かつ該細長い部分に対して近位に、そして遠位に平行移動する。エンドエフェクタは、ナイフを含み、細長い部分の遠位部分に配置される。発射ロッドの遠位の動きは、発射ロッドの遠位部分を、ナイフと連結させる。発射ロッドの近位方向の動きは、連結されたナイフを第一の所定の位置まで近位に動かす。ナイフは、発射ロッドが第二の所定の位置まで近位に平行移動されたときに、発射ロッドから連結解除される。

本開示はまた、フレームと、細長い部分と、発射ロッドと、コネクタと、エンドエフェクタとを含む外科用器具に関する。細長い部分はフレームから遠位に延び、長手方向軸を規定する。発射ロッドは、少なくとも部分的に細長い部分の内部に配置され、かつ細長い部分に対して平行移動可能である。コネクタは、発射ロッドの遠位部分に隣接して配置される。エンドエフェクタは、細長い部分の遠位端に配列される。エンドエフェクタは、第一の顎部材と第二の顎部材とを含む。顎部材は、開いた位置と接近した位置との間で、互いに対して移動可能である。エンドエフェクタは、ナイフを有する第一の顎部材カートリッジを含む。コネクタは、ナイフと係合可能である。コネクタは、顎部材の接近の際にナイフと連結するように構成される。

例えば、本発明は以下の項目を提供する。
（項目１）
外科用器具であって、
フレームと、
該フレームから遠位に延び、かつ長手方向軸を規定する細長い部分と、
該細長い部分内に少なくとも部分的に配置され、かつ該細長い部分に対して平行移動可能な発射ロッドと、
該発射ロッドの遠位部分に隣接して配置されるコネクタと、
該細長い部分の遠位端に配置されるエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、第一の顎部材と、第二の顎部材とを含み、該顎部材は、開いた位置と接近した位置との間で互いに対して移動可能であり、該第一の顎部材はナイフを有するカートリッジである、エンドエフェクタと
を備え、該コネクタは、該ナイフと係合可能であり、該コネクタは、該顎部材の接近の際にナイフと連結するように構成されている、外科用器具。
（項目２）
上記コネクタは、上記顎部材がそれらの開いた位置に向けて動かされるとき、上記細長い部分に対して旋回するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
（項目３）
上記コネクタは、実質的にＪ形状である、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
（項目４）
上記発射ロッドの遠位方向の平行移動は、上記ナイフの遠位方向の平行移動を引き起こす、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
（項目５）
上記フレームと機械的に協働するように配置された可動ハンドルをさらに備え、該可動ハンドルの少なくとも部分的な作動が上記発射ロッドの平行移動をもたらす、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。

本明細書に開示される外科用ステープリング装置の様々な実施形態が図面を参照して本明細書において開示される。
図１は、本開示の実施形態に従う、外科用器具の側面図を示す。 図２は、開いた位置におけるクランプハンドルを示す、図１の外科用器具のフレームの部分断面図を示す。 図３は、接近した位置におけるクランプハンドルを示す、図２のフレームの部分断面図を示す。 図４は、フレームの一部分が省略された、図２のフレームの部分断面図を示す。 図５は、本開示の一実施形態に従う、開いた位置における顎部材を示す、図１の外科用器具の遠位部分を示す。 図６は、図５に示された外科用器具の遠位部分の一部の拡大図を示す。 図７は、本開示の一実施形態に従う、接近した位置における顎部材を示す、図１の外科用器具の遠位部分を示す。 図８は、図７に示された外科用器具の遠位部分の一部の拡大図を示す。 図９は、本開示の一実施形態に従う、連結されていない位置におけるナイフの接続を示す、本開示の外科用器具の一実施形態の遠位部分の拡大された断面図を示す。 図１０は、連結された位置における、図９のナイフの接続を示す。 図１１は、本開示の一実施形態に従う、連結されていない位置におけるナイフの接続の断面図を示す。 図１２は、連結された位置における、図１１のナイフの接続を示す。 図１３は、本開示の一実施形態に従う、連結されていない位置におけるナイフの接続の断面図を示す。 図１４は、連結された位置における、図１３のナイフの接続を示す。 図１５は、本開示の一実施形態に従う、連結されていない位置におけるナイフの接続の上部断面図を示す。 図１６は、連結された位置における、図１５のナイフの接続を示す。 図１７は、図１６のナイフの接続の側面図を示す。 図１８は、本開示の一実施形態に従う、カートリッジアセンブリの分解図を示す。 図１９は、図１８のカートリッジアセンブリの部分断面図を示す。

（実施形態の詳細な説明）
本明細書に開示された外科用器具の実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、図面において、類似の番号は、いくつかの図面の各々における同一の要素または対応する要素を指定する。当該分野で一般的であるように、用語「近位」は、ユーザまたはオペレータ（例えば、外科医または内科医）により近い部分または構成要素をいい、一方で用語「遠位」は、ユーザから離れて遠い部分または構成要素をいう。

図１を参照すると、本開示の外科用器具１００の実施形態が示される。本実施形態の外科用器具１００は、フレーム１１０と、クランプハンドル１２０と、発射ハンドル１３０と、細長い部分１４０と、エンドエフェクタ１５０とを含む。細長い部分１４０は、外科用器具１００の長手方向軸「Ｘ−Ｘ」を規定する。フレーム１１０は、手に保持されるために便利な全体のサイズおよび形状である。クランプハンドル１２０および発射ハンドル１３０は、共に、開いた位置と閉じる位置との間の作動のために、フレーム１１０に旋回可能に据え付けられる。

フレームと、クランプハンドルと、発射ハンドルとを含む、本開示の様々な局面の例は、共有に係る米国特許第５，３１８，２２１号に開示され、この特許の開示は、その全体が本明細書において参照により援用される。エンドエフェクタ１５０の作動を含む、本開示の特定の局面は、共有に係る、Ｍｉｌｌｉｍａｎらに対する米国特許第６，９５３，１３９号に開示され、この特許の全内容は、本明細書において参照により援用される。

さらに詳細に以下に議論されるように、エンドエフェクタ１５０は、２つの顎部材、すなわち、アンビル１６０とカートリッジアセンブリ１７０とを含む。アンビル１６０とカートリッジアセンブリ１７０とは、細長い部分１４０の遠位部分から延びる。アンビル１６０とカートリッジアセンブリ１７０とのうちの少なくとも１つが、互いに対して旋回によって移動可能である。アンビル１６０は、その上にステープル形成凹部（示される実施形態には明示的には示されない）を有する組織接触表面を含む。カートリッジアセンブリ１７０は、その中に複数の外科用ファスナ（示される実施形態には明示的には示されない）を含み、これらの複数の外科用ファスナは、組織を通って、アンビル１６０に排出可能である。

交換可能なステープルカートリッジ（または装填ユニット）は、図１の外科用器具１００と共に使用され得る。交換可能なステープルカートリッジは、少なくとも２つの横方向の列に配列された複数のステープルを収容し得、カートリッジアセンブリ１７０のカートリッジチャネル２１０に据え付け可能であり得る。外科用ステープリング器具と共に使用するための装填ユニットの例は、共有に係る、Ｂｏｌａｎｏｓらに対する米国特許第５，７５２，６４４号に開示され、この特許の全内容は、本明細書において参照により援用される。

駆動アセンブリ３００の一部が図２〜図４に示される。この実施形態の駆動アセンブリ３００は、駆動梁３１０を含む。クランプハンドル１２０の少なくとも部分的な作動は、アンビル１６０とカートリッジアセンブリ１７０とを互いに対して接近させるために、駆動梁３１０を長手方向に平行移動するように構成される。発射ハンドル１３０の少なくとも部分的な作動は、カートリッジアセンブリ１７０から外科用ファスナ（例えば、ステープル）を排出するために、そして／または組織を切断するために、発射ロッド３２０（さらに詳細に以下で議論される）を長手方向に平行移動するように構成されている。発射ロッド３２０は、細長い部分１４０に配列され、かつ以下に議論されるようにナイフ４００に接続される。発射ロッド３２０は、駆動梁３１０と並んで、または駆動梁３１０と同心円状に配列される。

組織をクランプ留めするために、クランプハンドル１２０は、フレーム１１０に向かって、下方向に（図２の矢印「Ａ」の方向に）旋回される。クランプハンドル１２０は、ハンドルリンク１２２に接続され、その結果、クランプハンドル１２０が閉じるように旋回されるとき、駆動梁３１０が長手方向に動く。この遠位の長手方向の動きは、駆動梁３１０の一部（例えば、Ｉ形状梁または作動部分３３０）を、アンビル１６０およびカートリッジアセンブリ１７０のうちの少なくとも一方を他方に向けて押す、エンドエフェクタ１５０のカム表面１５２と接触させる。クランプハンドル１２０および駆動梁３１０のさらなる詳細は、共有に係るＧｒｅｅｎらに対する米国特許第５，３１８，２２１号に開示され、この開示の全内容が本明細書により、本明細書において参照により援用される。

外科医がファスナを据え付け、組織を切断する準備が出来たときに、発射ハンドル１３０が作動され、このことが発射ロッドを長手方向に（例えば、遠位に）平行移動させる。作動そりは、発射ロッド３２０の遠位端の遠位に位置し得、その結果、発射ロッド３２０の遠位の長手方向の動きが、作動そりを遠位方向に前進させる。作動後、発射ハンドル１３０が解放され、そして本来の位置に戻る。発射ファスナおよび発射ハンドル１３０の引き込みのさらなる詳細は、以前に参照により援用された、Ｇｒｅｅｎらに対する米国特許第５，３１８，２２１号に開示される。

図２〜図４を続けて参照して、クランプハンドル１２０およびフレーム１１０の内部部品のさらなる詳細が、本開示の一実施形態に従って示される。ここで、ハンドルリンク１２２（例えば、モノリシックに形成されたリンク）の近位部分１２４は、クランプハンドル１２０（例えば、クランプハンドル１２０の近位部分）と旋回可能に係合され、ハンドルリンク１２２の遠位部分１２６は、駆動梁３１０の近位部分３１２と旋回可能に係合される。付勢部材１８０が示され（図４参照）、付勢部材１８０は、駆動梁３１０を近位に付勢するように構成されている（このことが顎部材を開いた位置に付勢する）。付勢部材１８０の近位部分は、（例えば、ピン１８２を介して）フレーム１１０と機械的な協働状態に配置され、付勢部材１８０の遠位部分は、駆動梁３１０の近位部分３１２と機械的な協働状態にある（図４参照）。認識され得るように、クランプハンドル１２０の少なくとも部分的な作動（すなわち矢印「Ａ」の方向における動き）は、ハンドルリンク１２２の遠位部分１２６を遠位に押し、このことが、駆動梁３１０を、付勢部材１８０の付勢力に抵抗して遠位に平行移動させる。上記のように、駆動梁３１０の遠位の平行移動は、顎部材の接近を引き起こし、顎部材の間の組織をクランプ留めする。

図２および図３を具体的に参照して、本実施形態の外科用器具１００は、フレーム１１０およびクランプハンドル１２０の少なくとも１つと機械的な協働状態に配置されているラッチ構造１９０を含む。例えば、ラッチ構造１９０は、クランプハンドル１２０上に配置される第一の部分１９２と、フレーム１１０上に配置される第二の部分１９４とを含み得、その結果、クランプハンドル１２０の作動（例えば、フルの作動）が、第一の部分１９２を第二の部分１９４と係合させ、クランプハンドル１２０を閉じた位置において取り外し可能に維持する。さらに、解放機構１９６は、外科用器具１００の一部分（例えば、クランプハンドル１２０）に配置され得、その結果、解放機構１９６に圧力を加えること（例えば、上向きの圧力）は、クランプハンドル１２０をその閉じた位置から解放させる。すなわち、解放機構１９６の作動は、ラッチ機構１９０の複数の部分１９２、１９４を互いから係合解除させるか、またはラッチ解除させる。

想定される実施形態において、付勢部材１８０は、顎部材が、それらの間の組織が所定の厚さを超えるとき、顎部材が接近した位置に達することを防ぐように構成されているバネ定数を含むバネである。組織が「非常に厚い」場合の例は、顎部材間の組織の厚さが、その中および／またはそこを通るファスナの適切な配置を実質的に防ぐ。

開示される実施形態において、クランプハンドル１２０の作動はまた、ユーザに接触性のフィードバックを提供するように構成される。例えば、クランプハンドル１２０の作動に応答して、ユーザが受ける抵抗は、顎部材間でクランプ留めされる組織の厚さに比例し得る。従って、ユーザは、クランプハンドル１２０がその間の組織の周りの顎部材を接近させるために作動されるときに、（抵抗の形態で）フィードバックを提供される。このフィードバックは、クランプ留めされる組織の厚さに直接的にまたは間接的に比例し得る。この力の量は、顎部材間に位置する「非常に厚い」組織によって提供される抵抗を克服するためには十分ではないので、ユーザが「非常に厚い」組織をクランプ留めすることを実質的に防ぐことがさらに想定される。

作動していない位置または開いた位置において、具体的に図２を参照して、クランプハンドル１２０（ハンドルリンク１２２と様々な旋回点とを含む）は、長手方向軸から比較的に低い高さを有するように構成される。このような比較的に小さい距離は、外科用器具１００全体に、小さいプロフィールを提供し、これは、器具がよりかさばらず、結果として扱いやすいので、一般的に望ましい特徴である。さらに、例えば、ユーザがステープルを発射するために可動ハンドル１３０を作動するために使用する手と同じ手の親指で、ユーザがこの「小さなプロフィール」のクランプハンドル１２０を作動し得ることが想定される。従って、クランプハンドル１２０は、外科用器具１００の片手操作を容易にするように、構成され、かつ寸法が合わせられる。

ここで図５〜図８を参照して、顎部材を接近させることに関する本開示の実施形態が示される。この実施形態において、エンドエフェクタ１５０は、一対のカム表面１５２ａおよび１５２ｂを含む。図５および図６は、開いた（すなわち作動していない）位置の顎部材を示す。ここで、駆動梁３１０の作動部材３３０（例えば、Ｉ形状梁の上部水平部分）は、第一の近位位置にある。以上で論じたように、クランプハンドル１２０の接近は、駆動梁の作動部分３３０を遠位に平行移動させる。駆動梁３１０の遠位の平行移動の際に、作動部分３３０は遠位のカム表面１５２ａと接触し、このことが顎部材の接近を引き起こす（例えば、カートリッジアセンブリ１７０が静止アンビル１６０に向けて動く）。図７および図８は、クランプハンドル１２０の少なくとも部分的な作動の結果（すなわち、遠位位置の作動部分３３０および接近した位置における顎部材）を示す。

いったん顎部材が接近すると、例えば、ユーザは、発射ロッドを前進させ、かつカートリッジアセンブリ１７０からステープルを発射するために、発射ハンドル１３０を少なくとも部分的に作動し得る。発射ハンドルは、望ましくは、その初期位置に向けて付勢され、その結果、発射後、発射ロッドと作動部分３３０とは引き込まれる。ステープルの発射前、ユーザは、クランプハンドル１２０を（例えば、図３の矢印「Ｂ」の実質的な方向に）上昇させ得、駆動梁３１０を引き込み、そして作動部分３３０を近位に動かし、そして近位のカム表面１５２ｂと接触させる。駆動梁３１０の作動部分３３０が、近位のカム表面１５２ｂと接触する場合、顎部材は互いに対して開く（例えば、カートリッジアセンブリ１７０がアンビル１６０から離れるように動く）。示されるように、遠位のカム表面１５２ａと近位のカム表面１５２ｂとは、互いに隣接し得、その結果Ｖ様の形状を形成する。

示される実施形態において、可動顎部材（例えば、カートリッジアセンブリ１７０）はまた、その近位部分に配置されるリップ１５４を含む。リップ１５４は、カム表面１５２ｂより上に上げられ、かつ駆動梁３１０の作動部分３３０が極端に近位に平行移動されることを防ぐために役立つ。

さらに、可動顎部材は、遠位のカム表面１５２ａ（図６参照）に隣接し、かつその遠位にある実質的に平坦な表面１５６（すなわち、顎部材が接近しているとき長手方向軸と実質的に平行）を有するように示される。この構成において、駆動梁３１０の作動部分３３０は、遠位のカム表面１５２ａと接触した後（そして、顎部材が少なくとも部分的に接触した後）に、遠位に平行移動し続け得、表面１５６を係合し得る。作動部分３３０と表面１５６との間の係合が、顎部材を接近した位置に維持することに役立ち得ることが想定される。

さらに、本明細書には明示的に示していないが、本開示の外科用器具１００はクランプハンドルを含まないことが想定される。このような実施形態において、発射ハンドル１３０の部分的な作動は、顎部材を接近させるために使用され得、そして、例えば、発射ハンドル１３０の、さらなるより完全な作動は、ステープルを発射する。これらの実施形態において、発射ハンドルは、駆動梁に取り付けられた歯状のラックと係合するように付勢された爪を有する。発射ハンドルの複数の作動は、駆動梁を前進させるために用いられる。駆動梁の初期の前進は、顎部材を閉じる。発射ハンドルの継続した作動によって、作動部分３３０は、遠位に平行移動し続け、ステープルを発射する。カートリッジアセンブリおよびアンビルは、作動部分３３０が、顎部材の遠位部分に向けて進むことを可能にするスロットを含む。Ｍｉｌｌｉｍａｎらに対する米国特許第６，９５３，１３９号に開示されたハンドルアセンブリが使用され得、この特許の全内容は本明細書により、本明細書において参照により援用される。この実施形態において、作動部分３３０は、ナイフ部材に接続され、このナイフ部材はステープルを発射するためにそり６５０を押す。

ここで、図９〜図１７を参照して、様々なナイフ／発射ロッド接続に関する、本開示の実施形態が示される。これらの実施形態において、発射ロッド３２０の一部分および／またはナイフ４００の一部分の構造は、発射ロッド３２０と使い捨てナイフ４００との間の接続を可能にし、従って、新しいナイフ４００が、外科用器具１００の各発射のために使用されることを可能にする。

特に、図９および図１０を参照すると、ナイフ／発射ロッド接続の第一の実施形態が示される。具体的には、図９は、装填ユニットまたは交換可能なカートリッジがカートリッジアセンブリに挿入され、かつ発射ロッド３２０ａおよびナイフ４００ａが接続されていない、第一の近位位置における発射ロッド３２０ａを示す。図１０は、発射ロッド３２０ａおよびナイフ４００ａが接続されている、第二の遠位位置における発射ロッド３２０ａを示す。この実施形態の発射ロッド３２０ａおよびナイフ４００ａは、エンドエフェクタ１５０が外科用器具１００の細長い部分１４０と係合されるとき、発射ロッド３２０ａの遠位の動きが、その遠位端３２２ａをナイフ４００ａと連結させるように構成される。さらに、発射ロッド３２０ａの近位の動きが、ナイフ４００ａ（発射ロッド３２０ａに連結されている）を近位に動かす。さらに、発射ロッド３２０ａおよびナイフ４００ａは、発射ロッド３２０ａが所定の位置まで近位に平行移動されるとき、互いに連結されないようになるように構成される（例えば、発射ハンドル１３０が図１の矢印「Ｃ」の方向に実質的に完全に引き込まれる場合に対応する）。

連結されていない位置（すなわち、ナイフ４００ａの表面４０１ａと発射ロッド３２０ａの遠位端３２２ａの表面３２３ａとの間に十分な距離がある（図９参照））において、例えば、ユーザは、カートリッジアセンブリ１６０を交換することによって、ナイフ４００ａを新しいナイフと交換し得る。示されている実施形態は、接近した位置における顎部材を示しているが、顎部材が開いた位置にあるときに、ユーザがナイフ４００ａを取り外したり、そして／または交換したりし得ることが想定される。

発射ロッド３２０ａとナイフ４００ａとの間の相互作用のさらなる詳細が、図９および図１０を続けて参照して、本明細書に記載される。発射ロッド３２０ａが遠位に前進するとき、細長い部分１４０上に配置された少なくとも一つの突起１４２（例えば、一対の突起、半径方向に配置された突起など）は、発射ロッド３２０ａの少なくとも一部分を、長手方向軸を横断するように（例えば、図１０の矢印「Ｄ」の方向に）動かすように構成される。例えば、突起１４２は、発射ロッド３２０ａのランプ３２４ａに接触し得る。図９および図１０に関して認識され得るように、遠位の動きと横断する動きとの組み合わせは、発射ロッド３２０ａの遠位端３２２ａ（例えば、Ｊ形状）を、ナイフ４００ａの近位部分４０２ａ（例えば、Ｊ形状）と係合（例えば、連結）させる。対応するように、発射ロッド３２０ａが近位に平行移動するとき、少なくとも一つの突起１４２は、発射ロッド３２０ａの少なくとも一部分を、長手方向軸を横断するように（例えば、図９の矢印「Ｅ」の方向に）動かすように構成される。例えば、突起１４３は、発射ロッド３２０ａ上に形成されたランプ３２６ａと接触し得る。従って、近位の動きと横断する動きとの組み合わせは、発射ロッド３２０ａの遠位端３２２ａを、ナイフ４００ａの近位部分４０２ａと係合解除（例えば、連結解除）させる。

特に、図１１および図１２を参照して、ナイフ／発射ロッド接続の第二の実施形態が示される。具体的には、図１１は、ナイフ４００ｂが、発射ロッド３２０ｂの遠位に、かつ隣接して配置されたコネクタ３６０と、係合されていないか、または連結されていない、開いた位置における顎部材を示す。図１２は、ナイフ４００ｂが、コネクタ３６０と係合されているか、または連結されている、接近した位置における顎部材を示す。顎部材が開いた位置にあるとき、コネクタ３６０およびナイフ４００ｂが連結解除され（図１１）、その結果、カートリッジ（ナイフ４００ｂを含む）が取り外されることを可能にするように、コネクタ３６０およびナイフ４００ｂが構成される。顎部材が接近した位置にあるとき（図１２）、アンビル顎部材の表面はナイフ４００ｂに接触し、コネクタ３６０およびナイフ４００ｂが連結されるようにナイフ４００ｂを回転させ、その結果、発射ロッド３２０（および従ってコネクタ３６０）の近位および遠位の平行移動は、それぞれナイフ４００ｂの近位および遠位の平行移動をもたらす。図１２を参照することにより認識され得るように、顎部材が接近しているとき、カートリッジは、外科用器具１００から取り外され得ない。

図１１および図１２に示される実施形態において、コネクタ３６０は、ナイフ４００ｂのフック状部分を係合するように構成されているフック状部分を含む。コネクタ３６０は、実質的にＪ形状を有するように示されているが、任意の適切な形状が、ナイフ４００ｂおよびコネクタ３６０に対して用いられ得る。

コネクタ３６０が、発射ロッド３２０の遠位端に対して可動（例えば、旋回可能、スイベル可能など）であることが想定される。例えば、顎部材がそれらの開いた位置に向けて動かされるとき、ナイフ４００ｂの近位部分４０２ｂは、コネクタ３６０の上部部分３６２と接触し得、上部部分３６２を遠位に旋回／スイベルして、その結果、ナイフ４００ｂが外科用器具１００から取り外されるために十分な空間（またはさらなる空間）を生成する。同様に、顎部材が接近しているとき、コネクタ３６０の上部部分３６２は、近位に旋回／スイベルし得、その結果、コネクタ３６０をナイフ４００ｂと連結（さらに連結）して、その結果、ナイフ４００ｂが外科用器具１００から取り外されることを不可能にする。さらに、フランジ３７０が示され、このフランジ３７０は、その位置においてコネクタ３６０を維持することに役立ち、そして／またはコネクタ３６０の上部部分３６２が近位に動くことに役立つように構成され得る。

ナイフ／発射ロッド接続の別の実施形態が図１３および図１４に示されている。具体的には、図１３は、発射ロッド３２０ｃおよびナイフ４００ｃが連結されていない第一の近位位置における発射ロッド３２０ｃを示す。図１４は、発射ロッド３２０ｃおよびナイフ４００ｃが連結されている第二の遠位位置における発射ロッド３２０ｃを示す。エンドエフェクタ１５０が外科用器具１００の細長い部分１４０と係合されているときに、その遠位部分３２２ｃをナイフ４００と連結させるように、この実施形態の発射ロッド３２０ｃおよびナイフ４００ｃは構成される。

より具体的には、このナイフ／発射ロッド接続の実施形態は、ナイフ４００ｃとの機械的な協働状態に配置されるバネ要素５００（例えば、板バネ）を含む。バネ要素５００の近位部分５０２（例えば、実質的にＪ形状）は、ナイフの軸Ｋ−Ｋに向けて付勢される。ここで、発射ロッド３２０ｃの遠位の動きは、バネ要素５００の近位部分５０２を外側に（すなわち、ナイフの軸Ｋ−Ｋから離れるように）押す。発射ロッド３２０は、バネ要素５００を受けるアパーチャ３２１を含む。従って、バネ要素５００の近位部分５０２は、発射ロッド３２０ｃと一時的に固定される。従って、発射ロッド３２０ｃの継続した遠位方向の平行移動は、ナイフ４００ｃの遠位方向の平行移動を引き起こす。さらに、発射ロッド３２０ｃの近位方向の平行移動は、発射ロッド３２０ｃがバネ要素５００から係合解除される所定の場所（例えば、発射ハンドル１３０が図１の矢印「Ｃ」の方向に実質的に完全に引き込まれる場合に対応する）に達するまで、ナイフ４００ｃの遠位方向の平行移動を引き起こす。望ましくは、アパーチャ３２１およびバネ要素５００（または複数のバネ要素）の形状は、バネ要素５００が、デバイスからカートリッジを取り外す際に外側に付勢され、発射ロッド３２０をナイフ４００から接続解除するような形状である。

特に、図１５〜図１７を参照すると、ナイフ／発射ロッド接続の第四の実施形態が示される。具体的には、図１５は、発射ロッド３２０ｄおよびナイフ４００ｄが連結されていない第一の近位位置における発射ロッド３２０ｄを示す。図１６は、発射ロッド３２０ｄおよびナイフ４００ｄが連結されている第二の遠位位置における発射ロッド３２０ｄを示す。図１７は図１６の側面図である。エンドエフェクタ１５０が外科用器具１００の細長い部分１４０と係合されるとき、その遠位３２２ｄをナイフ４００ｄと連結させるように、この実施形態の発射ロッド３２０ｄおよびナイフ４００ｄは構成される。さらに、発射ロッド３２０ｄの近位の動きは、ナイフ４００ｄ（発射ロッド３２０ｄに連結されている）を近位に動かす。さらに、発射ロッド３２０ｄが、所定の位置（例えば、発射ハンドル１３０が図１の矢印「Ｃ」の方向に実質的に完全に引き込まれる場合に対応する）まで近位に平行移動しているときに互いに対して連結されていないようになるように、発射ロッド３２０ｄおよびナイフ４００ｄは構成されている。遠位端３２２ｄおよびナイフ４００ｄのレセプタクル４０２ｄは、遠位端３２２ｄが、デバイスからカートリッジを取り外す際に外側に付勢され、ナイフ４００の発射ロッド３２０を接続解除するような形状である。

連結されていない位置（図１５）において、ユーザは、例えば、カートリッジアセンブリ１６０を交換することによって、ナイフ４００ｄを新しいナイフと交換し得る。エンドエフェクタおよび発射ロッド３２０ｄの構成は、顎部材が開いた位置および／または接近した位置にあるとき、カートリッジを取り外し、そして／または交換することを可能にすることが想定される。

発射ロッド３２０ｄとナイフ４００ｄとの間の相互作用のさらなる詳細が、図１５および図１６を続けて参照して、本明細書において記載される。接続は、遠位端３２２ｄがレセプタクル４０２ｄに弾性的に締まる（ｓｎａｐ）ときに、形成され得る。あるいは、発射ロッド３２０ｄが遠位に前進するとき、細長い部分１４０上に配置されたスロープ１４２ｄは、長手方向軸を横断するように（図１６の矢印「Ｆ」の方向に）、ナイフ４００ｄ内のレセプタクル４０２ｄに向けて、発射ロッド３２０ｄの遠位端３２２ｄを動かすように構成される。さらに、またはあるいは、細長い部分上のスロープは、遠位端３２２ｄをナイフとの係合から離れるように力ずくで外す（ｐｒｙ）ように構成され得、かつ配列され得る。図１５および図１６に関して認識され得るように、遠位の動きと横断する動きとの組み合わせは、発射ロッド３２０ｄの遠位端３２２ｄをナイフ４００ｄのレセプタクル４０２ｄと係合させるために用いられ得る。近位の動きと横断する動きとの組み合わせは、発射ロッド３２０ｄの遠位端３２２ｄをナイフ４００ｄのレセプタクル４０２ｄと係合解除させるために用いられ得る。類似の配列が、図１３および図１４に示されるナイフと発射ロッドとの間の接続のために用いられ得る。

さらに、発射ロッド３２０ｄの遠位端３２２ｄがナイフ４００ｄから離れるように、すなわち、図１５の矢印「Ｇ」の実質的な方向に付勢されることが想定される。それゆえ、遠位端３２２ｄがスロープ１４２ｄの近位にあるように発射ロッド３２０ｄが近位に平行移動されるとき、遠位端３２２ｄは、ナイフ４００ｄのレセプタクル４０２ｄの外に動く。従って、この動きの組み合わせは、発射ロッド３２０ｄおよびナイフ４００ｄを連結解除する。

図１８〜図１９を参照すると、本開示はまた、外科用ステープリング器具１００と共に使用するカートリッジアセンブリ６００に関する。カートリッジアセンブリ６００は、ユーザが、すでに発射された使い捨てのカートリッジを発射することを防ぐように構成される。より具体的には、カートリッジが発射された後で、カートリッジアセンブリ６００は、そのナイフ６４０を締め出し、かつカートリッジの再利用を防ぐように構成されている。

カートリッジアセンブリ６００の組み立て図が図１８に示される。示されるように、カートリッジアセンブリ６００は、チャネル６１０と、カバー６２０と、ステープルカートリッジ６３０と、ナイフ６４０とを含む。カバー６２０は、チャネル６１０との機械的な係合（例えば、スナップ嵌め接続）のために構成される。ステープルカートリッジ６３０は、カバー６２０との機械的な係合のために構成され、ナイフ６４０は、カバー６２０およびカートリッジに対して平行移動するように構成されている。図１８はまた、そり６５０を示し、そり６５０は（ステープルカートリッジ６３０からステープルを排出するために）カバー６２０に対する平行移動のために構成される。

示されているように、チャネル６１０は、カバー６２０のブロッキング部材６２２（例えば、可撓性のフィンガ）との係合のために、その上に突起６１２を含む。チャネル６１０とカバー６２０との間の係合の際に、突起６１２は、ブロッキング部材６２２を、ブロッキング部材６２２がカバー６２０の表面６２４を規定する平面と実質的に平行である第一の位置から、ブロッキング部材６２２の少なくとも一部（例えば、近位部分６２６）が表面６２４の平面から間隔が空けられた第二の位置まで動かす。その第二の位置において、ブロッキング部材６２２は、ナイフ６４０がステープルを発射するために配置され、その後所定の位置を通過するように近位に平行移動した（図１９参照）後にナイフ６４０の遠位方向の平行移動を実質的に防ぐように構成される。カートリッジアセンブリ６００が、ブロッキング部材６２２がその第二の位置にあるとき、ブロッキング部材６２２を通過するナイフ６４０の近位方向の平行移動を可能にするように構成されることが想定される。例えば、ブロッキング部材６２２は、弾性部材として形成され得る。ナイフの初期位置において、ブロッキング部材６２２は、ナイフによって押し下げられる。ナイフが前進して、ステープルを発射するためにそりを遠位に押した後、ナイフは、図１９に示される位置まで引き込められる。ブロッキング部材６２２は、弾性的に持ち上げられ、ナイフ上の表面を係合する。認識され得るように、カートリッジアセンブリ６００は、本明細書に記載される外科用ステープリング器具１００の様々な実施形態と共に使用され得る。

様々な修正が、本明細書の精神および範囲から逸脱することなしに、本明細書に開示された本開示の様々な実施形態に対してなされ得ることが理解される。例えば、本開示の外科用ステープリング器具は、全ての機能を行う（例えば、顎部材を接近させる、ステープルを発射する、組織を切断する、顎部材を開く）単一の可動ハンドルを含み得る。単一の可動ハンドルは、部分的に作動され得、第一の機能を行い、そして続く作動が第二の機能を行うことが想定される。第一の完全な作動が第一の機能を行い、そして第二のフルの作動が第二の機能を行うこともまた想定される。

さらに、開示される外科用ステープリング器具は、いかなる可動ハンドルも含まないことがあり、むしろ、外科用ステープリング器具は、ハンドルまたはクランプの作動以外による手段によって動力が与えられ得る（例えば、バッテリ、電気など）。動力付きの外科用ステープルの例は、共有に係る米国特許出願第１１／７８６，９３４号（名称「Ｐｏｗｅｒｅｄ Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ」）に開示され、この特許出願の全内容は、本明細書により、本明細書において参照により援用される。さらに、本開示の外科用器具はまた、関節能力を有し得、これはエンドエフェクタを、エンドエフェクタの軸が細長い部分の軸に平行である第一の位置と、エンドエフェクタの軸が細長い部分の軸に対してある角度にある第二の位置との間を動かし得る。関節能力のあるエンドエフェクタの外科用ステープリング器具の例は、共有に係る米国特許出願第１１／５４４，２０３号（名称「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ ｗｉｔｈ Ａｒｔｉｃｕｌａｔｉｎｇ Ｔｏｏｌ Ａｓｓｅｍｂｌｙ」）に開示され、この特許出願の全内容は、本明細書により、本明細書において参照により援用される。それゆえ、上記の記載は、本開示を限定するものとして解釈されるべきではなく、単に本開示の様々な実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本開示の範囲および精神内の他の修正を想定する。

（要約）
フレームと、細長い部分と、発射ロッドと、エンドエフェクタとを含む外科用器具が開示される。細長い部分は、フレームから遠位に延び、長手方向軸を規定する。発射ロッドは、少なくとも部分的に細長い部分と共に配置され、細長い部分に対して近位に、そして遠位に平行移動可能である。エンドエフェクタは、ナイフを含み、細長い部分の遠位部分に配置される。発射ロッドの遠位方向の動きは、発射ロッドの遠位端を、ナイフと連結させる。発射ロッドの近位方向の動きは、連結されたナイフを、第一の所定の位置まで近位に動かす。ナイフは、発射ロッドが、第二の所定の位置まで近位に平行移動したときに、発射ロッドから連結解除される。

１００ 外科用器具、外科用ステープリング器具
１１０ フレーム
１２０ クランプハンドル
１３０ 発射ハンドル
１４０ 細長い部分
１５０ エンドエフェクタ
１６０ アンビル
１７０ カートリッジアセンブリ

Claims (5)

1. 外科用器具であって、
   フレームと、
   該フレームから遠位に延び、かつ長手方向軸を規定する細長い部分と、
   該細長い部分内に少なくとも部分的に配置され、かつ該細長い部分に対して平行移動可能な発射ロッドと、
   該発射ロッドの遠位部分に隣接して配置されるコネクタと、
   該細長い部分の遠位端に配置されるエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、第一の顎部材と、第二の顎部材とを含み、該顎部材は、開いた位置と接近した位置との間で互いに対して移動可能であり、該第一の顎部材はナイフを有するカートリッジである、エンドエフェクタと
   を備え、該コネクタは、該ナイフと係合可能であり、該顎部材の接近は、該コネクタと該ナイフとの間の自動的な連結を引き起こすように構成されている、外科用器具。
2. 前記コネクタは、前記顎部材がそれらの開いた位置に向けて動かされるとき、前記細長い部分に対して旋回するように構成されている、請求項１に記載の外科用器具。
3. 前記コネクタは、実質的にＪ形状である、請求項１に記載の外科用器具。
4. 前記発射ロッドの遠位方向の平行移動は、前記ナイフの遠位方向の平行移動を引き起こす、請求項１に記載の外科用器具。
5. 前記フレームと機械的に協働するように配置された可動ハンドルをさらに備え、該可動ハンドルの少なくとも部分的な作動が前記発射ロッドの平行移動をもたらす、請求項１に記載の外科用器具。

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