JP5490111B2 - 包装用フォイルをサテン光沢処理しエンボス加工するデバイス - Google Patents

Description

本発明は、各々が請求項１の前文に記載の個別の歯からなる目立てを備える少なくとも２つのエンボス加工ローラを備える包装用フォイルをサテン光沢処理しエンボス加工するデバイスに関する。

このような包装用フォイルをサテン光沢処理しエンボス加工するデバイスは、国際公開ＷＯ０２／０７６７１６Ａ１号によって本発明の出願人には周知である。上記特許に開示されるいくつかの例示的実施形態、例えば図６〜図９によれば、エンボス加工デバイスは、３つのエンボス加工ローラを備え、そのうちの２つのローラは規則的に配置された歯からなる目立てを備え、第３のローラは長手方向又は横方向のリブのいずれかを有する。その反射が観察者の位置によって変化する記号を作成するための個別の歯の変更は、米国特許第７，０３６，３４７号明細書によって本発明の出願人には周知である。

個別の歯の配置及び形状は、様々な特許及び特許出願、例えば、米国特許第６，１７６，８１９号明細書、国際公開ＷＯ００／６９６２２号、及び欧州特許出願公開第１９２５４４３号明細書で本発明の出願人に開示されている。個別の歯の目的は、本質的に、そのために意図された包装用フォイルの金属化された又はその他の表面上に「サテン光沢処理」という用語で知られるある外観を生成することにある。歯をなくすことで、元の表面はこれらの場所に保存され、ロゴやその他の同様の記号を作成することができる。さらに、エンボス加工工程に含まれる個別の歯を変更することで、パッケージの内容の識別に役立つ記号を作成することができる。

請求項１の前文に記載の上述のすべての周知の歯の形状は、それらがピラミッド型であり、実質的に四角い基部を有するという点と、隣接する歯の間の開き角が軸方向と径方向の両方で同じ値を有するという点で共通している。

上記参照文献で、サテン光沢処理包装用フォイルはその美的外観を改善するだけでなく、包装用フォイルの紙部の繊維を破壊していわゆる記憶効果を低減又は回避し、全体としての折り曲げ特性を改善するように包装用フォイルの紙部を処理するために役に立つことがさらに開示されている。包装用フォイルという用語は、金属被覆、金属化、印刷、又はその他の方法で表面処理され、光を反射する紙を含む。「記憶効果」という用語は、包装用フォイルのその後の処理を阻害する紙繊維の作用による折れ曲がりのバックスプリング効果を意味する。金属層を連続して低減する傾向が絶え間なくあり、又は完全に省略する傾向があるため、包装用フォイルの紙の機械的挙動は、以降の工程、すなわち、タバコ、食品、又は医薬品の包装にとってますます重要になっている。

可能な改良点の１つは、個別の歯の間の距離を低減することである。歯の小型化はすでに達成されていることを考慮すると、その距離を０．３ｍｍ未満に低減することは、歯は一般に第２のエンボス加工ローラを駆動する役割も果たすので、歯を小型化し過ぎると、特に歯が摩耗するか又は包装用フォイルの厚さが大きい場合に滑る恐れがあるという事実によって制約を受ける。

国際公開ＷＯ０２／０７６７１６Ａ１号 米国特許第７，０３６，３４７号明細書 米国特許第６，１７６，８１９号明細書 国際公開ＷＯ００／６９６２２号 欧州特許出願第１９２５４４３号明細書

この従来技術の背景に基づき、本発明の目的は、包装用フォイルの紙部へのより良い効果、それ故、より良い折り曲げ挙動が達成されるような方法で、本明細書の導入部で記載した種類のデバイスを改善することである。

この目的は、請求項１のデバイスによって達成される。

提案される解決策は、以下の様々な利点を提供する。
１．歯の間の距離が低減したため、エンボス加工された紙は、チュービング及びカーリングに関する極めて良好な挙動を示す。
２．この目立てを用いて追加の同期化手段なしに駆動装置と協働できるが、特定の用途では追加の同期化手段を排除しない。
３．エンボス加工工程後、長手方向の包装用フォイルの変更は最小限であるため、以降の折り曲げ動作では障害がほとんど発生せず、包装された材料、例えば、タバコの包装は損傷しない。このことは、３本ローラシステムに特に当てはまる。
４．侵入深度が高まると必要な圧力が低減するため、包装用フォイルに加えられる面圧は、標準のピラミッド型と比較して約２５％低減することができる。
５．径方向の圧力が増大するため、紙の繊維ははるかに壊れやすくなり、それにより折り曲げ特性が向上する。
６．強制的に同期化されない従来技術のエンボス加工ローラは、結合媒体としてフォイル上を転がりながら離れ、第１の駆動ローラがフォイルを駆動し、次いで第２のエンボス加工ローラがフォイルによって駆動される。その結果、以降の処理に影響するわずかな滑りが引き起こされることがある。本発明の目立てを用いて、２つのエンボス加工ローラは、紙を介在させるか又は介在させずに歯車方式で協働し、そのため自己同期後に実質的に堅固に結合する。
７．本発明のエンボス加工ローラは、例えば総重量が５から１２０ＧＳＭのフォイルなどの極めて広い範囲の包装用フォイルに適している。
８．歯の高さは、軸方向の方がより小さいという事実によって、ロゴのある位置、すなわち、歯が存在しない位置の刻印ローラの沈下は低減する、すなわち、縁部領域での過剰なエンボス加工は生じない。

本発明の第１の例示的実施形態のデバイスの一部の斜視図である。 エンボス加工ローラの表面の拡大図である。 エンボス加工ローラの表面の拡大図である。 エンボス加工ローラの表面の拡大図である。 エンボス加工ローラの歯の形状及び配置を更に拡大した概略斜視図である。 図２の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った断面図である。 図２の線ＩＶ−ＩＶに沿った断面図である。 歯の形状及び配置の変形形態の概略拡大斜視図である。 図５の線ＶＩ−ＶＩに沿った断面図である。 図５の線ＶＩＩ−ＶＩＩに沿った断面図である。 歯の形状及び配置の別の変形形態の概略拡大斜視図である。 図８の線ＩＸ−ＩＸに沿った断面図である。 図８の線Ｘ−Ｘに沿った断面図である。 図１に記載の第１の例示的実施形態に類似した本発明の第２の例示的実施形態を示す図である。 図２に記載の第１の例示的実施形態に類似した本発明の第２の例示的実施形態を示す図である。 図３に記載の第１の例示的実施形態に類似した本発明の第２の例示的実施形態を示す図である。 図４に記載の第１の例示的実施形態に類似した本発明の第２の例示的実施形態を示す図である。 図５に記載の第１の例示的実施形態に類似した本発明の第２の例示的実施形態を示す図である。 図６に記載の第１の例示的実施形態に類似した本発明の第２の例示的実施形態を示す図である。 図７に記載の第１の例示的実施形態に類似した本発明の第２の例示的実施形態を示す図である。 図８に記載の第１の例示的実施形態に類似した本発明の第２の例示的実施形態を示す図である。 図９に記載の第１の例示的実施形態に類似した本発明の第２の例示的実施形態を示す図である。 図１０に記載の第１の例示的実施形態に類似した本発明の第２の例示的実施形態を示す図である。

図１は、デバイスが３つのエンボス加工ローラを備える例のエンボス加工ローラの可能な構成の１つを示す。第１のエンボス加工ローラ１は、個別の歯３からなる目立て２を備えた被駆動ローラである。この例では、エンボス加工ローラ１は、該第１のエンボス加工ローラ１によって駆動され、外部駆動手段を有さない第２のエンボス加工ローラ４と協働する。この第２のエンボス加工ローラは、第１のエンボス加工ローラ１と同じ歯３を有する同じ目立て２を有する。

第２のエンボス加工ローラ４は、第３のエンボス加工ローラ５と協働する。該第３のエンボス加工ローラ５は、個別の歯ではなく、角錐台状の歯３の間に係合するように歯の形状に従って外向きにテーパを付けられて平坦化されたリング６を有するリングの代わりに、長手方向のリブを使用してもよい。

図１Ａ及び図１Ｂに、エンボス加工ローラ１及び４の目立て２が規則的な基本格子の形に配置された個別の歯３から構成されている状態の概略が示されている。さらに、上に引用した従来技術を参照すると、第２のエンボス加工ローラ４の軸は、駆動エンボス加工ローラ１に弾性的に押し付けられているだけでなく、第２のエンボス加工ローラの歯が第１のエンボス加工ローラの歯の間に自己同期方式で係合できるように残りの２つの座標面内に移動可能に配置されていることがわかる。それによって、２つのエンボス加工ローラは、紙を介在させるか又は介在させずに歯車方式で協働し、そのため自己同期後に実質的に堅固に結合する。

図１に示す構成では、２つのエンボス加工ローラは自己同期しているので、第２のエンボス加工ローラには別の駆動装置も同期化手段も必要ない。リングを備える第３のエンボス加工ローラは、一般に包装用フォイルによって駆動される。しかしながら、特定のアプリケーションでは、電子部品、歯付きベルト、又は歯車などのそれ自体が周知の同期化手段を使用することも可能である。

従来技術に対する発明の重要な差異の１つは、歯の形状及び配置である。後者は、ピラミッド型であり、実質的に四角形又は矩形の基部を有し、第１の例示的実施形態の歯の側面は、エンボス加工ローラの縦軸にそれぞれ平行及び垂直である。さらに従来技術から周知のように、歯の先端は平坦化されている。

図３及び図４に示すように、歯の側面の開き角は、径方向と軸方向とで異なる。径方向すなわち、断面ＩＩＩ−ＩＩＩに沿って、又は駆動方向において、歯３１及び３２の２つの隣接する歯の側面３１ＦＲと３２ＦＲとの間の開き角αは、歯３２及び３３の２つの軸方向に整列した隣接する歯の側面３２ＦＡと３３ＦＡとの間の開き角βよりも小さい。

理論上の歯の先端ＺＳから歯底ＺＧ１までを測定した理論上の歯の高さＸは、理論上の歯の先端ＺＳから歯底ＺＧ２までを測定した歯の高さＹよりも大きく、これらの理論上の歯の先端ＺＳは、すべての歯の回転軸から等距離に位置し、歯の側面の交点にある。上記のように、これらは、製作許容差及び摩耗を考慮しない理論値である。この例では、実際の歯の高さＸ’及びＹ’も示され、差Ｘ’−Ｙ’は、理論上の歯の高さの場合と同じである。

駆動方向で歯の最大高さＸが得られるので、駆動エンボス加工ローラとそれに続く第２のエンボス加工ローラの間の力の伝達は十分に有効である。軸方向では、平面ＩＶ−ＩＶに沿って駆動力を伝達する必要がなく、したがって、この方向では歯の高さが小さくても十分である。

こうして、歯の間の最小距離を低減することができ、その結果、包装用フォイルの紙のエンボス加工はより美しくなりその処理は改善される。導入部で記載した従来技術のエンボス加工ローラの場合、最小距離すなわちピッチは、０．５ｍｍまでの歯の高さに対して約０．３ｍｍである。本発明による歯の構成によって、最小距離を０．０５ｍｍまで低減することができる。

これに基づいて、駆動力を十分に保持したままで歯の基部を矩形に設計することが可能である。したがって、図５〜図７によれば、それぞれ歯７又は歯７１〜７４の径方向の基部の長さＬ１は軸方向の長さＬ２よりも小さく、又は図８〜図１０によれば、それぞれ歯８又は歯８１〜８４の径方向の基部の長さＬ３は軸方向の長さＬ４よりも大きい。ここで、長さの差だけがここでは重要なために、それぞれの長さは概略のみを示していることに留意されたい。

歯の側面及び基部は、厳密に直線的又は矩形状に配置しなくてもよく、円形又は湾曲していてもよいという点で別の変形形態も可能である。

開き角αは４０°〜９０°の範囲内に含まれていてもよく、角度βは６０°〜１２０°の範囲内に含まれていてもよく、αは常にβよりも小さい。歯の高さの差、すなわち、Ｘ−Ｙは、０．０２〜０．４３ｍｍの範囲内に含まれていてもよい。

さらに、図２から理解できるように、図１の構成では、一方のエンボス加工ローラの各々の歯が、他方のエンボス加工ローラの４つの歯の間に係合する。しかしながら、これは、本発明を実施するために必要であるというわけではない。一方のローラの各々の歯が、他方のローラ内のそれに対応する凹部に係合する構成を提供してもよい。

図１１〜図２０に、四角形又は矩形の基部を有する歯がローラ軸に平行にも垂直にも配置されず、ローラ軸に対して角度δを形成する本発明の第２の例示的実施形態が示されている。この例示的実施形態では、角度δは４５°に等しい。角度δは０°より大きく８９°以下、好ましくは３５°〜６０°の範囲内に含まれていてもよい。

３つのローラ１１及び１４は各々、個別の歯１３からなる目立て１２を備え、ローラ１５は連続するか又は不連続のリング１６を備える。個別の歯１３及びリング１６は、歯３及びリング６と同じタイプであるが、ローラ軸に対して角度δを形成する。

図１２に示す歯１３１、１３２、１３３、及び１３４は四角形の基部を有し、ローラの回転軸ＲＡに対して４５°の角度を形成する。開き角α及びβと理論上及び実際の歯の高さＸ、Ｘ’及びＹ、Ｙ’は、第１の例示的実施形態と同様に定義される。

図１５〜図１７に、長手方向の長さＬ１が駆動方向の長さＬ２よりも小さい矩形の歯１７、１７１〜１７４が示されている。図１８〜図２０に、長手方向の長さＬ３が駆動方向の長さＬ４よりも大きく、開き角α及びβの定義がやはり上記例示的実施形態と同じである矩形の歯１８、１８１〜１８４が示されている。

本発明による目立てによって達成される個別の歯の間の距離の低減の結果、それぞれ包装用フォイル又は包装用フォイルの紙部の処理が改善されるだけでなく、包装用フォイルのサテン光沢処理された表面の外観が改善される。さらに、引用した従来技術に開示されるように、駆動エンボス加工ローラ上の意図したロゴの位置にある対応する歯を完全に無くすことで、又は対応する個別の歯の高さ、形状又は表面を修正して対応する個別の歯を修正することで、作成された記号又は画像などが視角に応じて異なった反射を生成するいわゆるシャドウエンボス加工を生成するために、あるいは、従来技術から周知のように、裸眼では一般に区別不可能な認証フィーチャを生成するために、歯の表面又は平坦化された歯の先端上にマイクロ又はナノ構造を作成することでさらなる光学的効果を達成することができる。

さらに、最近、金属化された表面ではなく、この場合もまた歯をなくすことで高コントラストのロゴが達成されるように、サテン光沢処理工程によって修正される別処理の光反射表面を有するフォイルが使用されている。

図面による例示的実施形態として、３つのエンボス加工ローラを有するデバイスについて図示し説明した。歯の配置とその設計の発明の観点から優れた特徴は、２つのエンボス加工ローラを有するエンボス加工デバイスにも、また当然ながら４つ以上のエンボス加工ローラを有するエンボス加工デバイスにも適用可能である。

Claims (12)

1. 包装用フォイルをサテン光沢処理しエンボス加工するデバイスであって、各々が個別の歯からなる目立てを備える少なくとも２つのエンボス加工ローラを備え、ピラミッド型の歯が実質的に矩形の基部を有し、実質的に周方向に整列した隣接する歯の側面（３１ＦＲ，３２ＦＲ；１３１ＦＲ，１３２ＦＲ）の間の開き角（α）が実質的に軸方向に整列した隣接する歯の側面（３２ＦＡ，３３ＦＡ；１３２ＦＡ，１３３ＦＡ）の間の開き角（β）よりも小さく、歯の先端（ＺＳ）から、周方向に隣接する歯の間の歯底（ＺＧ１）までを測定した歯の高さ（Ｘ）が、歯の先端（ＺＳ）から、軸方向に隣接する歯の間の歯底（ＺＧ２）までを測定した歯の高さ（Ｙ）よりも大きいことを特徴とするデバイス。
2. 前記歯（３，７，８）の側部が、前記エンボス加工ローラの縦軸に対してそれぞれ実質的に平行又は垂直に整列することを特徴とする、請求項１記載のデバイス。
3. 前記歯（１３，１７，１８）の側部が、それぞれ前記エンボス加工ローラの縦軸（ＲＡ）に対して０°を超え８９°以下の角度（δ）を形成する、又は縦軸（ＲＡ）に垂直であることを特徴とする、請求項１記載のデバイス。
4. 前記より小さい開き角（α）が４０°〜９０°の範囲内に含まれ、前記より大きい開き角（β）が６０°〜１２０°の範囲内に含まれ、αが常にβよりも小さいことを特徴とする、請求項１から３のいずれか１項記載のデバイス。
5. ０．５ｍｍまでの歯の高さ（Ｘ）に対して、前記歯の高さの差（Ｘ−Ｙ）が、０．０２〜０．４３ｍｍの範囲内に含まれることを特徴とする、請求項１から４のいずれか１項記載のデバイス。
6. 前記エンボス加工ローラ（１又は４）の一方の各々の歯（３）が、前記他方のエンボス加工ローラ（４又は１）の４つの歯（３）の間に位置することを特徴とする、請求項１から５のいずれか１項記載のデバイス。
7. 前記個別の歯（３１〜３４；１３１〜１３４）の基部が、四角形であることを特徴とする、請求項１から６のいずれか１項記載のデバイス。
8. 前記個別の歯（７１〜７４；８１〜８１；１７１〜１７４；１８１〜１８４）の基部が、矩形（Ｌ１，Ｌ２；Ｌ３，Ｌ４）であることを特徴とする、請求項１から６のいずれか１項記載のデバイス。
9. 個別の歯がない表面構造を有する第３のエンボス加工ローラ（５，１５）を特徴とする、請求項１から８のいずれか１項記載のデバイス。
10. 前記第３のエンボス加工ローラ（５，１６）の表面構造が、連続的又は不連続的に配置されたリング（６，１６）、又は前記第３のエンボス加工ローラ（５，１６）の長手方向に連続的又は不連続的に配置された長手方向リブを備えることを特徴とする、請求項９記載のデバイス。
11. 前記第２のエンボス加工ローラ（４）が、前記軸の長手方向及び／又は接触圧の方向及び／又はエンボス加工される材料の移動方向の偏位が可能であるように軸支されることを特徴とする、請求項１から１０のいずれか１項記載のデバイス。
12. 外観が視角によって変化するエンボス加工された記号を生成するために、前記２つのエンボス加工ローラ（１，４；１１，１４）の一方の個別の歯の高さ又は形状が変更されることを特徴とする、請求項１から１１のいずれか１項記載のデバイス。

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