JP5488717B2 - 遠心圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は遠心圧縮機に関する。
従来、インペラとスクロールとの間に設けられ、インペラで増速された流体を減速加圧するディフューザ翼(ベーン)をディフューザ流路に設けた遠心圧縮機が知られている。このような遠心圧縮機の改良として、ディフューザ流路を構成するハブ側壁面とシュラウド側壁面の双方にベーンを設け、シュラウド側壁面に設けられるベーンを、インペラの回転軸と同軸に回動させる提案がある(特許文献1)。この提案は、遠心圧縮機の効率を向上させるため、ハブ側壁面に設けられたベーンとシュラウド側壁面に設けられたベーンの相対的な位置関係を変更させる。
特開2008−111368号公報
ところで、前記特許文献1の提案において、シュラウド側壁面に設けられるベーンをインペラの回転軸と同軸に回動させるためには、各部にクリアランスを設けることが必要となる。各部に適切なクリアランスを設けることは、ベーンの回動時のフリクションを低減し、スムーズな動作を実現するためにも必要とされる。例えば、シュラウド側壁面に設けられるベーンとハブ側壁面との間には、クリアランスが設けられる。同様にハブ側壁面に設けられるベーンとシュラウド側壁面との間にもクリアランスが設けられる。
しかしながら、前記特許文献1の提案では、クリアランスが設けられる位置が、ハブ側壁面やシュラウド側壁面の近傍となる。すなわち、クリアランスが設けられる位置がディフューザ流路中の流体の速度が比較的低いところとなる。このため、これらのクリアランスが形成された部分にデポジットが堆積し易くなる。クリアランスが形成された部分にデポジットが堆積すると、ディフューザ翼の動作に影響が及ぶと考えられる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、デポジットの堆積を抑制することにより、遠心圧縮機のベーンの円滑な動作を確保することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の遠心圧縮機は、コンプレッサのハウジング内で回転するインペラから吐出される流体の運動エネルギを圧力に変換するディフューザ流路を有する遠心圧縮機であって、前記ディフューザ流路を形成するシュラウド側壁部と、前記シュラウド側壁部と対向し、前記シュラウド側壁部と共に前記ディフューザ流路を形成するハブ側壁部と、前記シュラウド側壁部に設けられ、前記ハブ側壁部側に向かって前記ディフューザ流路に突出する第1案内羽根と、前記第1案内羽根に対向する位置の前記ハブ側壁部に設けられ、前記第1案内羽根側に向かって前記ディフューザ流路に突出する第2案内羽根と、前記第1案内羽根と前記第2案内羽根との相対的な位置を変更可能な可変手段と、を備え、前記第1案内羽根の端面と前記第2案内羽根の端面とが、互いに前記ディフューザ流路で対向し、前記可変手段が、前記第1案内羽根および前記第2案内羽根の少なくとも一方を前記インペラの周方向に回動させる回動手段であって、前記コンプレッサ内を流れる流体の圧力に応じて前記第1案内羽根と前記第2案内羽根との相対的な位置を変更することを特徴とする。
上記の構成により、第1案内羽根のベーン端と第2案内羽根のベーン端とのクリアランスの位置がディフューザ流路の中央近傍(ディフューザ流路の幅径の半分近傍)となる。すなわち、クリアランスが設けられる位置(ベーン端の位置)がディフューザ流路中の流体の速度が比較的高いところとなる。よって、クリアランス部分(ベーン端部)へのデポジットの堆積を抑制することができる。
また、上記の構成により、第1案内羽根と第2案内羽根との相対的な位置を変更することで、第1案内羽根のベーン端と第2案内羽根のベーン端とのクリアランスの大きさを変更することができる。よって、より効果的にベーン端部へのデポジットの堆積を抑制することができる。
更に、上記の構成により、第1案内羽根と第2案内羽根のベーン端部へのデポジットの堆積を抑制しつつ、案内羽根を回動させる際にクリアランス部分のデポジットをせん断力によって掻き落とすことができる。よって、より効果的にベーン端部へのデポジットの堆積を抑制することができる。
また、本発明の遠心圧縮機は、前記第1案内羽根および前記第2案内羽根が、それぞれ前記ディフューザ流路への突出量が異なる部分を有し、前記第1案内羽根の最大突出量と前記第2案内羽根の最大突出量との和が前記ディフューザ流路の幅径以上であり、かつ前記第1案内羽根の端面と前記第2案内羽根の端面とが互いに咬合する形状である構成であってもよい。
上記の構成により、第1案内羽根の端面と第2案内羽根の端面とを咬合させることができる。これによって、ベーン端部へのデポジットの堆積を抑制することができる。また、クリアランス部からの空気の漏れを低減でき、コンプレッサ効率を向上させることができる。
本明細書に開示された遠心圧縮機によれば、デポジットの堆積を抑制し、遠心圧縮機のベーンの円滑な動作を確保することができる。
図1は、実施例1のコンプレッサの概略図である。 図2は、ディフューザ部の要部断面図である。 図3は、スライド式ベーン機構の分解構成図である。 図4は、スライド式ベーン機構の断面模式図である。図4(a)は第2ベーンがディフューザ流路に突出した状態を、図4(b)は第2ベーンがスリットに引き込まれた状態を示している。 図5(a)は比較例のコンプレッサが低負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図であり、図5(b)は実施例のコンプレッサが低負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図である。 図6(a)は実施例1のコンプレッサが低負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図であり、図6(b)は実施例1のコンプレッサが高負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図である。 図7は、ハブ側の流速の分布と、シュラウド側の流速の分布を比較して示すグラフである。 図8は、ベーンの突出状態の違いによる、コンプレッサの圧縮効率及び過給空気量の違いを示すグラフである。 図9は、実施例2のディフューザ部の要部断面図である。 図10は、実施例2の回転式ベーン機構の概略図である。 図11(a)は比較例のコンプレッサのベーンの回転移動を模式的に示す説明図であり、図11(b)は実施例のコンプレッサの第2ベーンの回転移動を模式的に示す説明図である。 図12は、実施例2の第1ベーンおよび第2ベーンの他の構成例を示している。 図13(a)は実施例2のコンプレッサが低負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図であり、図13(b)は実施例2のコンプレッサが高負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図である。 図14は、実施例3のディフューザ部の要部断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は実施例1のコンプレッサ(遠心式圧縮機)11の概略図である。コンプレッサハウジング12はコンプレッサ11の筐体をなしている。コンプレッサハウジング12はインペラ収容部12aを備えている。インペラ収容部12aにはインペラ13が収容されている。インペラ13はシャフト14により回転駆動される。シャフト14は例えばタービンと連結できる。すなわち、コンプレッサ11は例えばターボ過給機に用いることができる。
コンプレッサハウジング12内には、吸入口12bから流体が吸入される。吸入された流体はインペラ13に向かって流通し、インペラ13の回転により外側に向けて送り出される。インペラ13の外側にはスクロール部15が設けられている。インペラ13により外側に向けて送り出された流体は、スクロール部15を介して例えばエンジンの吸気マニホルド等に供給される。インペラ13とスクロール部15との間には、ディフューザ流路を有するディフューザ部16が設けられている。ディフューザ部16はインペラ13の周囲に隣接して設けられている。ディフューザ部16は、インペラ13が送り出す流体の運動エネルギを圧力に変換する。
ディフューザ部16の詳細については、図2を用いて説明する。図2は、ディフューザ部16の要部断面図である。図2では、第1ベーン52および第2ベーン53の幅方向に沿った断面を示している。ディフューザ部16は、ハブ側壁部プレート51と、第1ベーン52と、ディフューザプレート54と一体の第2ベーン53と、カムリング55と、駆動ロッド56と、スプリング57とを備えている。
図2に示すように、コンプレッサ11は固定式の第1ベーン52と可動式の第2ベーン53を備えている。第1ベーン52はシュラウド側壁部17に設けられた案内羽根であって、ディフューザ流路に対して環状の列をなすようにして複数設けられている。第1ベーン52は、その羽根部分の長手方向をインペラ13のシャフト14の方向に対して所定の角度をつけて配置される。この場合、第1ベーン52はシュラウド側壁部17との固定部分にピボット軸を設けることで、その羽根部分の角度を変更可能な構成であってもよい。また、第1ベーン52は、その羽根部分の端面がディフューザ流路の幅径の略中央まで突出している。
なお、第1ベーン52は、本発明の第1案内羽根の一構成例である。
第2ベーン53はハブ側壁部プレート51側に設けられた案内羽根であって、それぞれ第1ベーン52と対向する位置に(第1ベーン52毎に)設けられている。第2ベーン53は、ハブ側壁部プレート51のスリット51aを通じてディフューザ流路に出没可能な構成である。第2ベーン53は、その端面が第1ベーン52の端面と対向するように、羽根部分の長手方向をインペラ13のシャフト14の方向に対して所定の角度をつけて配置される。この場合、第2ベーン53はピボット機構等を採用することによって羽根部分の角度を変更可能な構成であってもよい。
なお、第2ベーン53は、本発明の第2案内羽根の一構成例である。
第2ベーン53は、スライド式ベーン機構50に組み込まれている。スライド式ベーン機構50は、インペラ13の背後側からコンプレッサハウジング12に組み付けられている。スライド式ベーン機構50は第2ベーン53を可動にする。スライド式ベーン機構50について、図3および4を用いて説明する。
図3は、スライド式ベーン機構50の分解構成図である。図4は、スライド式ベーン機構50の断面模式図である。図4では、コンプレッサハウジング12とともにスライド式ベーン機構50を示している。そして、図4(a)は第2ベーン53がディフューザ流路に突出した状態を、図4(b)は第2ベーン53が後述するスリット51aに引き込まれた状態を示している。
スライド式ベーン機構50は、図3に図示された側を表面側として、表面側をコンプレッサ11側に合わせた向きでコンプレッサハウジング12に組み付けられる。スライド式ベーン機構50は第2ベーン53のほか、ハブ側壁部プレート51と、ディフューザプレート54と、カムリング55と、駆動ロッド56と、スプリング57と、収容部58とを備えている。
ハブ側壁部プレート51は、コンプレッサハウジング12のシュラウド側壁部17とともにディフューザ流路を形成する流路壁部である。ハブ側壁部プレート51はスリット51aを有している。スリット51aは、第2ベーン53と相似形状に貫通した孔である。スリット51aは、第1ベーン52と対向する位置に第2ベーン53毎に複数設けられており、第2ベーン53がディフューザ流路へ出没することを可能にする。
なお、スリット51aは、本発明の第2貫通孔の一構成例である。
ハブ側壁部プレート51の背後には、ディフューザプレート54が設けられている。ディフューザプレート54は環状の部材であり、ディフューザプレート54には第2ベーン53が設けられている。第2ベーン53は、ディフューザプレート54の表面側に環状の列をなすようにして複数設けられている。本実施例では、これら複数の第2ベーン53がディフューザプレート54に一体形成されている構成であるが、ピボット機構等を採用することによって第2ベーン53の羽根部分の角度を変更可能な構成であってもよい。ディフューザプレート54はコンプレッサ11の軸方向に沿って移動可能に設けられている。ディフューザプレート54はコンプレッサ11の軸方向に沿って移動することで、第2ベーン53をディフューザ流路に出没させる。
ディフューザプレート54の背後には、カムリング55が設けられている。カムリング55は円筒状の部材であり、コンプレッサ11(インペラ13)の軸周りに回転可能に設けられる。カムリング55は突き出し部55aと、引き込み部55bと、接続部55cとを備えている。これら突き出し部55a、引き込み部55bおよび接続部55cは、カムリング55の表面側に設けられている。
突き出し部55aは周方向に沿って均等に複数(本実施例では3つ)設けられている。複数の突き出し部55aは、カムリング55背後側の円形端部を底部として、底部から互いに同様の高さで平らに形成されている。引き込み部55bは隣り合う突き出し部55aの間に設けられている。複数の引き込み部55bも底部から互いに同様の高さで平らに形成されている。突き出し部55aは引き込み部55bよりも表面側に突出している。
突き出し部55aそれぞれは、隣り合う引き込み部55bのうち、同方向に位置する引き込み部55bそれぞれとの間で、接続部55cによって接続されている。接続部55cは、引き込み部55bから突き出し部55aに向かって斜めに立ち上がるようにして傾斜している。接続部55cはこれら突き出し部55a、引き込み部55bと滑らかな接合カーブを有して接合されている。これら突き出し部55a、引き込み部55bおよび接続部55cは、カムCMを構成している。
カムCMはカム係合部54aと係合する。カム係合部54aはディフューザプレート54にカムCM毎に設けられている。カム係合部54aは、ディフューザプレート54の外周からブロック状に突起するように設けられている。径方向に沿ったカム係合部54aの位置は、カムCMと係合可能な位置に設定されている。周方向に沿ったカム係合部54aの幅は、周方向に沿った引き込み部55bの幅よりも小さく設定されている。
上記のカム機構はカムリング55の回転方向に応じて次のように作動する。すなわち、カムリング55が矢印Cc方向に回転した場合、カム機構は第2ベーン53をディフューザ流路に突出させるように作動する。また矢印Ocの方向に回転した場合、カム機構は第2ベーン53をスリット51aに埋没させる(引き込む)ように作動する。カム機構はこのようにして第2ベーン53をディフューザ流路に出没させる。
駆動ロッド56は、カムリング55に設けられている。駆動ロッド56は図示しないアクチュエータと接続されており、外部からのカムリング55の駆動を可能にする。したがって、カムリング55は、駆動ロッド56を介した駆動入力によって回転駆動する。
スプリング57は金属製の弾性部材であって、ハブ側壁部プレート51とディフューザプレート54との間に設けられている。スプリング57はディフューザプレート54をカムリング55側に付勢する。そしてこれにより、ディフューザプレート54の不要な動きを規制する。スプリング57は次のようにして設けることができる。すなわち、ディフューザプレート54の表面側にスプリング57を収納可能な収納部54bを周方向に沿って均等に複数(例えば3つ)設ける。そして、各収納部54bにスプリング57を設ける。収納部54bは有底円筒状の形状に形成することができる。この場合、スプリング57は金属製の弾性部材に限られずに、ディフューザプレート54をカムリング55側に付勢可能な他の構成であってもよい。
収容部58はコンプレッサハウジング12およびハブ側壁部プレート51によって形成される中空の部屋である。収容部58は、第2ベーン53全体を収容可能な程度の充分な空間を有しており、カム機構の作動に応じてスリット51aに埋没される(引き込まれる)第2ベーン53を収容する。
上記のスライド式ベーン機構50によって、第2ベーン53はその端面がディフューザ流路の幅径の略中央であって、対向する第1ベーン52の端面と接触しない位置まで突出される。すなわち、第2ベーン53は対向する第1ベーン52の端面と所定のクリアランスを有する位置まで突出される。これによって、第1ベーン52と第2ベーン53とをディフューザ流路に突出させて、コンプレッサ11の圧縮効率を高めることができる。更に、第1ベーン52と第2ベーン53とのクリアランスが設けられる位置をディフューザ流路の中央近傍(ディフューザ流路の幅径の半分近傍)にすることができる。
また、上記のスライド式ベーン機構50によって、第2ベーン53はスリット51aに埋没される(引き込まれる)。これによって、第1ベーン52と第2ベーン53とのクリアランスを大きくして、第1ベーン52および第2ベーン53と空気との衝突損失を低減することができる。また、第2ベーン53が引き込まれた側のディフューザ流路の壁面はベーンレスとなり、明確なスロートが形成されない状態となる。
図5(a)は比較例のコンプレッサが低負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図であり、図5(b)は実施例のコンプレッサ11が低負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図である。一般的に、ある通路を流体が流通する場合、流通する流体と通路壁との間に抵抗が発生する。そのため、通路の中央部側を流通する流体の速度が比較的高くなり、通路壁側に近づくにつれて流体の速度が低くなる。つまり、コンプレッサのディフューザ流路の中央近傍(ディフューザ流路の幅径の半分近傍)よりも壁側の方が流体(空気)の速度が低くなる。そのため、ベーン端をディフューザ流路の壁側に設ける(図5(a)のA)と、ベーン端部にデポジットが堆積し易くなる。
ここで、本実施例のコンプレッサ11は、第1ベーン52と第2ベーン53とのベーン端を、空気の速度が比較的高いディフューザ流路の中央近傍(ディフューザ流路の幅径の半分近傍)にすることができる(図5(b)のB)。よって、ベーン端部へのデポジットの堆積を抑制することができることから、遠心圧縮機のベーンの円滑な動作を確保することができる。
この場合、第1ベーン52の端面と第2ベーン53の端面とが咬合(嵌合)する形状として、スライド式ベーン機構50によって第2ベーン53の端面が対向する第1ベーン52の端面と当接する位置まで突出される構成であってもよい。この構成によれば、第2ベーン53の突出時に第1ベーン52と第2ベーン53とのクリアランスを消失させることができることから、ベーン端部へのデポジットの堆積を抑制することができる。また、クリアランス部からの空気の漏れを低減でき、コンプレッサ効率を向上させることができる。
つづいて、実施例のスライド式ベーン機構50の作動制御について説明する。図6(a)は実施例1のコンプレッサ11が低負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図であり、図6(b)は実施例1のコンプレッサ11が高負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図である。スライド式ベーン機構50の作動制御は、例えば外部に設けられたECU(Electronic Control Unit)によってアクチュエータを制御することで実行する。コンプレッサ11の運転領域が比較的低負荷にある、すなわちコンプレッサ11内を流れる空気量が所定値未満の場合、アクチュエータによってカムリング55を図4の矢印Cc方向に回転させる。これによって、第2ベーン53をディフューザ流路に突出させて(図6(a)参照)、コンプレッサ11の低負荷領域における圧縮効率を高めることができる。ここで、空気量の所定値とは、第2ベーン53をディフューザ流路に埋没させた場合の圧縮効率よりも突出させた場合の圧縮効率が高くなる空気量のしきい値であって、予め台上試験等で求めた任意の圧力値を適用することができる。また、コンプレッサ11内を流れる空気量は、圧力センサやエアフロメータ等を設けて直接的に検出してもよいし、インペラ13の回転数等から間接的に検出してもよい。
一方、コンプレッサ11の運転領域が比較的高負荷にある、すなわちコンプレッサ11内を流れる空気量が所定値以上の場合は、アクチュエータによってカムリング55を図4の矢印Ocの方向に回転させる。これによって、第2ベーン53をスリット51aに埋没させて(引き込んで)(図6(b)参照)、第1ベーン52および第2ベーン53と空気との衝突損失を低減させる。すなわち、コンプレッサ11の高負荷領域における安定した作動を達成することができる。更に、第2ベーン53をディフューザ流路に出没させることで、第1ベーン52と第2ベーン53のクリアランス(ベーン端)を流体の速度が比較的高いディフューザ流路中央近傍にすることができる。よって、ベーン端部へのデポジットの堆積を抑制することができる。
なお、スライド式ベーン機構50は、本発明の出没手段(可変手段)の一構成例である。
図7は、ハブ側の流速の分布と、シュラウド側の流速の分布を比較して示すグラフである。コンプレッサ11のディフューザ流路においては、シュラウド側壁部17の近傍を流れる空気の速度(図7(b)参照)よりも、ハブ側壁部プレート51近傍を流れる空気の速度(図7(a)参照)の方が比較的高い。そのため、コンプレッサ11の高負荷領域においてハブ側に設けられた第2ベーンを埋没させる(引き込む)ことにより、各ベーンと空気との衝突損失をより低減させることができる。
図8は、ベーンの突出状態の違いによる、コンプレッサの圧縮効率及び過給空気量の違いを示すグラフである。図8が示すように、ベーンをディフューザ流路の幅径いっぱいに突出させた場合(ベーン全出)は、過給空気流量が増大するほどコンプレッサの圧縮効率が低下する。一方、ベーンをディフューザ流路に突出させない場合(ベーン無)と、ディフューザ流路の幅径の半分まで突出させた場合(ベーン半出)とでは、過給空気流量に係わらずほぼ同じコンプレッサの圧縮効率が得られる。そのため、ベーンをディフューザ流路のシュラウド側とハブ側とに設ける場合、いずれか一方のベーンを出没可能とすることで、両方のベーンを出没可能とした場合とほぼ同じ圧縮効率を得ることができる。よって、シュラウド側壁部17に設けた第1ベーン52を固定し、ハブ側に設けた第2ベーンを出没可能とすることで、コンプレッサ11の全負荷領域において高い圧縮効率を得ることができる。
以上のように、本実施例のコンプレッサは、ディフューザ流路のシュラウド側に設けられた第1ベーンの端面と、ハブ側に設けられた第2ベーンの端面とが、互いにディフューザ流路の中央近傍で対向する構成によって、ディフューザ流路中の流体の速度が比較的高い位置にベーン端部を設けることができる。よって、ベーン端部へのデポジットの堆積を抑制することができることから、遠心圧縮機のベーンの円滑な動作を確保することができる。
また、本実施例のコンプレッサは、ハブ側壁部プレートのスリットを通じて第2ベーンをディフューザ流路に出没可能な構成とすることにより、第1ベーンと第2ベーンとのクリアランスの大きさを変更することができる。よって、より効果的にベーン端部へのデポジットの堆積を抑制することができる。更に、コンプレッサ負荷に応じて第2ベーンをディフューザ流路に出没させることにより、コンプレッサの全負荷領域において高い圧縮効率を得ることができる。
つづいて、本発明の実施例2について説明する。実施例2のコンプレッサ111は、複数の第2ベーン153を有するディフューザプレート154がインペラ13の回転軸と同軸に回動可能な構成である回転式ベーン機構150をハブ側に有する点で実施例1と相違する。
図9は、実施例2のディフューザ部116の要部断面図である。図9では、第2ベーン153の幅方向に沿った断面を示している。本実施例の回転式ベーン機構150は、複数の第2ベーン153を有するディフューザプレート154がインペラ13の回転軸と同軸に回転移動(回動)可能である点を除いて、実施例1のスライド式ベーン機構50と同様の構成である。なお、実施例1と同様の構成については、図面中同じ番号を付している。
図10は、実施例2の回転式ベーン機構150の概略図である。図10(a)は正面図を示しており、図10(b)は斜視図を示している。回転式ベーン機構150は、ラックギア部154aおよびガイドレール部154cを有するディフューザプレート154と、ディフューザプレート154と一体の第2ベーン153と、ピニオンギア154bとを備えている。
第2ベーン153はハブ側のディフューザプレート154に設けられた案内羽根であって、それぞれ第1ベーン52と対向する位置に(第1ベーン52毎に)設けられている。第2ベーン153は、ディフューザプレート154の回転駆動に伴ってインペラ13の回転軸と同軸に回動可能な構成である。第2ベーン153は、その端面が第1ベーン52の端面と対向するように、羽根部分の長手方向をインペラ13のシャフト14の方向に対して所定の角度をつけて配置される。この場合、第2ベーン153はピボット機構等を採用することによって羽根部分の角度を変更可能な構成であってもよい。また、第2ベーン153は、その羽根部分の端面がディフューザ流路の幅径の略中央まで突出している。すなわち第2ベーン153は、対向する第1ベーン52の端面と所定のクリアランスを有する位置までディフューザ流路に突出している。
なお、第2ベーン153は、本発明の第2案内羽根の一構成例である。
ディフューザプレート154は、ディフューザ部116のハブ側に設けられた環状の部材であって、コンプレッサハウジング12のシュラウド側壁部17とともにディフューザ流路を形成する流路壁部となる。ディフューザプレート154には第2ベーン153が設けられている。第2ベーン153は、ディフューザプレート154の表面側に環状の列をなすようにして複数設けられている。本実施例では、これら複数の第2ベーン153がディフューザプレート154に一体形成されている構成であるが、ピボット機構等を採用することによって第2ベーン153の羽根部分の角度を変更可能な構成であってもよい。ディフューザプレート154はインペラ13の回転軸と同軸に回動可能に設けられている。ディフューザプレート154は、インペラ13の回転軸と同軸に回転移動することで第1ベーン52と第2ベーン153との相対的な位置を変更させる。
また、ディフューザプレート154は、インペラ13と対向する側の端面(上端面)にラックギア部154aを有している。ラックギア部154aは、図示しないアクチュエータに連結したピニオンギア154bと噛合している。更に、ディフューザプレート154は、インペラ13側の端面にガイドレール部154cを有している。
上記の回動機構はピニオンギア154bの回転に応じて次のように作動する。アクチュエータがピニオンギア154bを回転させると、その回転力がラックギア部154aを通じてディフューザプレート154に伝達し、ガイドレール部154cに沿ってディフューザプレート154が回転移動する。ディフューザプレート154をインペラ13の回転軸と同軸に所定の角度θ分だけ回転移動させると、ディフューザプレート154に設けられた第2ベーン153も角度θ分だけ回転方向の位相が変化する。これによって、第1ベーン52と第2ベーン153との相対的な位置が変更される。
上記の回転式ベーン機構150によって、第2ベーン153はその端面が第1ベーン52の端面と対向する位置まで回転移動する。これによって、第1ベーン52と第2ベーン153とをディフューザ流路内で対向させて、コンプレッサ111の圧縮効率を高めることができる。更に、第1ベーン52および第2ベーン153は、それぞれディフューザ流路の幅径の略中央まで突出している。そのため、第1ベーン52と第2ベーン153のベーン端がディフューザ流路の中央近傍(ディフューザ流路の幅径の半分近傍)になることから、ベーン端へのデポジットの堆積を抑制することができる。
また、上記の回転式ベーン機構150によって、第2ベーン153はその端面が第1ベーン52の端面と対向しない位置まで回転移動する。これによって、各ベーンの反対側の空間がベーンレスとなるため、気流はその空間を流れることができ、スロート面積拡大と同様の効果がある。そのため、コンプレッサ111内を流れる空気量が所定値以上の領域のコンプレッサ効率を維持することができる。
更に、上記の回転式ベーン機構150によって第2ベーン153を回転移動させる際に、クリアランス部分のデポジットをせん断力によって掻き落とすことができる。図11(a)は比較例のコンプレッサのベーンの回転移動を模式的に示す説明図であり、図11(b)は実施例のコンプレッサ111の第2ベーン153の回転移動を模式的に示す説明図である。ベーンまわりのクリアランスをディフューザ流路の壁側に設けると、クリアランス部分に生じたデポジットがベーンの間に掻き集められてしまう(図11(a)参照)ために、ベーンの円滑な動作を確保することが困難になる。
一方、本実施例のコンプレッサ111は、第1ベーン52と第2ベーン153とを対向させたときに生じるクリアランスの位置がディフューザ流路の中央近傍(ディフューザ流路の幅径の半分近傍)になる。そのため、第2ベーン153を回転移動させることで、第1ベーン52と第2ベーン153とのクリアランス部分に生じたデポジットを掻き落とすことができる(図11(b)参照)。よって、クリアランス部分へのデポジットの堆積をより効果的に抑制することができることから、遠心圧縮機のベーンの円滑な動作を確保することができる。
この場合、回転式ベーン機構150によって第2ベーン153の端面が第1ベーン52の端面と対向する位置に回転移動された時に、ベーンの互いの端面が咬合する構成であってもよい。図12は、実施例2の第1ベーン52および第2ベーン153の他の構成例を示している。第1ベーン52の端面は、対向する第2ベーン153が回転移動する方向に向かって傾斜した形状を有している。また、第2ベーン153の端面は、対向する第1ベーン52の端面と咬合(嵌合)する形状を有している。第1ベーン52の最大突出部の突出量と第2ベーン153の最大突出部の突出量との和(HV1+HV2)は、ディフューザ流路の幅径(Hdf)よりも大きい構成となっている。この構成によると、回転式ベーン機構150によって第2ベーン153の端面が第1ベーン52の端面と対向する位置に回転移動されることで、第1ベーン52の端面と第2ベーン153の端面とが咬合する。そのため、ベーン間のクリアランスを消失させることができることから、ベーン端面間のクリアランスからの空気漏れによる損失が無くなり、それによってコンプレッサ効率が向上する。
つづいて、実施例2の回転式ベーン機構150の作動制御について説明する。図13(a)は実施例2のコンプレッサ111が低負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図であり、図13(b)は実施例2のコンプレッサ111が高負荷領域にあるときのベーンの配置を模式的に示す説明図である。回転式ベーン機構150の作動制御は、実施例1と同様に例えば外部に設けられたECU(Electronic Control Unit)によってアクチュエータを制御することで実行する。コンプレッサ111の運転領域が比較的低負荷にある、すなわちコンプレッサ111内を流れる空気量が所定値未満の場合、第2ベーン153を第1ベーン52と対向させる位置まで回転移動させるようアクチュエータに指令する(図13(a)参照)。これによって、第1ベーン52と第2ベーン153とをディフューザ流路内で対向させて、コンプレッサ111の低負荷領域における圧縮効率を高めることができる。ここで、空気量の所定値、および空気量の検出手法については前述したために、その詳細な説明は省略する。
一方、コンプレッサ111の運転領域が比較的高負荷にある、すなわちコンプレッサ111内を流れる空気量が所定値以上の場合は、第2ベーン153を隣り合う第1ベーン52との略中間の位置まで回転移動させるようアクチュエータに指令する(図13(b)参照)。これによって、第1ベーン52と第2ベーン153との相対的な位置を変更して、第1ベーン52および第2ベーン153と空気との衝突損失を低減させる。すなわち、コンプレッサ111の高負荷領域における安定した作動を達成することができる。更に、第1ベーン52と第2ベーン153のベーン端が、流体の速度が比較的高いディフューザ流路中央近傍に存在するために、ベーン端部へのデポジットの堆積を抑制することができる。
なお、回転式ベーン機構150は、本発明の回動手段(可変手段)の一構成例である。
以上のように、本実施例のコンプレッサは、第2ベーンを有するディフューザプレートをインペラの回転軸と同軸に回転可能な回転式ベーン機構を備えることで、第1ベーンと第2ベーンとの相対的な位置を変更することができる。すなわち、第1ベーンと第2ベーンとのクリアランスの大きさを変更することができ、第1ベーンと第2ベーンのベーン端が流体の速度が比較的高いディフューザ流路中央近傍に位置するため、各ベーン端部のデポジットをせん断力によって掻き落とすことができる。よって、クリアランス部分へのデポジットの堆積をより適切に抑制することができる。
なお、本実施例のコンプレッサ111ではハブ側に回転式ベーン機構150を備える構成としたが、シュラウド側に回転式ベーン機構150を備える構成であってもよい。これによるとコンプレッサ111のレイアウト性を向上させることができる。
つづいて、本発明の実施例3について説明する。実施例3のコンプレッサ211は、複数の第1ベーン252を有するディフューザプレート254がコンプレッサ211の軸方向に沿って移動可能な構成であるスライド式ベーン機構250をシュラウド側に有する点で実施例1と相違する。
図14は、実施例3のディフューザ部216の要部断面図である。図14では、第1ベーン252の幅方向に沿った断面を示している。ディフューザ部216は、スリット217aが設けられたシュラウド側壁部プレート217と、第2ベーン253が設けられたハブ側壁部251とを備えている。また、ディフューザ部216は、スリット217aを通じて第1ベーン252をディフューザ流路に出没可能なスライド式ベーン機構250を備えている。なお、実施例1と同様の構成については、図面中同じ番号を付している。
スライド式ベーン機構250は、インペラ13の前面側からコンプレッサハウジング12に組み付けられている。スライド式ベーン機構250は、ディフューザプレート254と一体の第1ベーン252と、延出部254aを有するディフューザプレート254と、両端部がそれぞれ延出部254aおよびピストン256と連結したピストンロッド255と、油圧シリンダ257と、収容部258とを備えている。
図14に示すように、コンプレッサ211は可動式の第1ベーン252と固定式の第2ベーン253を備えている。第2ベーン253はハブ側壁部251に設けられた案内羽根であって、ディフューザ流路に対して環状の列をなすようにして複数設けられている。また、第2ベーン253は、その羽根部分の端面がディフューザ流路の幅径の略中央まで突出している。第2ベーン253の他の構成については実施例1および2と同様であるため、その記載を省略する。
なお、第2ベーン253は、本発明の第2案内羽根の一構成例である。
第1ベーン252はシュラウド側のディフューザプレート254に設けられた案内羽根であって、それぞれ第2ベーン253と対向する位置に(第2ベーン253毎に)設けられている。第1ベーン252は、シュラウド側壁部プレート217のスリット217aを通じてディフューザ流路に出没可能な構成である。第1ベーン252の他の構成については実施例1および2と同様であるため、その記載を省略する。
なお、第1ベーン252は、本発明の第1案内羽根の一構成例である。
シュラウド側壁部プレート217は、コンプレッサハウジング12のハブ側壁部251とともにディフューザ流路を形成する流路壁部である。シュラウド側壁部プレート217はスリット217aを有している。スリット217aは、第1ベーン252と相似形状に貫通した孔である。スリット217aは、第2ベーン253と対向する位置に第1ベーン252毎に複数設けられており、第1ベーン252がディフューザ流路へ出没することを可能にする。
なお、スリット217aは、本発明の第1貫通孔の一構成例である。
シュラウド側壁部プレート217の背後には、ディフューザプレート254が設けられている。ディフューザプレート254は環状の部材であり、ディフューザプレート254には第1ベーン252が設けられている。第1ベーン252は、ディフューザプレート254の表面側に環状の列をなすようにして複数設けられている。本実施例では、これら複数の第1ベーン252がディフューザプレート254に一体形成されている構成であるが、羽根部分の角度を変更可能な構成であってもよい。ディフューザプレート254はコンプレッサ211の軸方向に沿って移動可能に設けられている。ディフューザプレート254はコンプレッサ211の軸方向に沿って移動することで、第1ベーン252をディフューザ流路に出没させる。
ディフューザプレート254は、ディフューザ流路と反対側の背後に延出部254a備えている。延出部254aは、その端部でピストンロッド255と連結している。ピストンロッド255の他端部は、油圧シリンダ257に摺動自在に収納されたピストン256が連結している。油圧シリンダ257は主にシリンダボディ257a、油圧導入口257b、スプリング257cから構成される。
上記の油圧機構は油圧の供給に応じて次のように作動する。すなわち、油圧導入口257bからスプリング257cの付勢力を超える油圧が供給された場合、ピストン256は油圧によってシリンダボディ257a内部をディフューザ流路側に移動する。ピストン256がディフューザ流路側に移動すると、ピストンロッド255および延出部254aを通じて連結したディフューザプレート254もディフューザ流路側に移動する。そのため、ディフューザプレート254に設けられた第1ベーン252がスリット217aから突出する。一方、油圧導入口257bから供給される油圧がスプリング257cの付勢力未満の場合は、ピストン256はスプリング257cの付勢力によってシリンダボディ257a内部をディフューザ流路と反対側に移動する。ピストン256がディフューザ流路と反対側に移動すると、ピストンロッド255、延出部254aおよびディフューザプレート254と連結した第1ベーン252がスリット217aに埋没する(引き込まれる)。油圧機構はこのようにして第1ベーン252をディフューザ流路に出没させる。
収容部258はコンプレッサハウジング12およびシュラウド側壁部プレート217によって形成される中空の部屋である。収容部258は、第1ベーン252全体を収容可能な程度の充分な空間を有しており、油圧シリンダ257の作動に応じてスリット217aに埋没される(引き込まれる)第1ベーン252を収容する。
上記のスライド式ベーン機構250によって、第1ベーン252はその端面がディフューザ流路の幅径の略中央であって、対向する第2ベーン253の端面と接触しない位置まで突出される。すなわち、第1ベーン252は対向する第2ベーン253の端面と所定のクリアランスを有する位置まで突出される。これによって、第1ベーン252と第2ベーン253とをディフューザ流路に突出させて、コンプレッサ211の圧縮効率を高めることができる。更に、第1ベーン252と第2ベーン253とのクリアランスが設けられる位置をディフューザ流路の中央近傍(ディフューザ流路の幅径の半分近傍)にすることができる。
また、上記のスライド式ベーン機構250によって、第1ベーン252はスリット217aに埋没される(引き込まれる)。これによって、第1ベーン252と第2ベーン253とのクリアランスを大きくして、第1ベーン252および第2ベーン253と空気との衝突損失を低減することができる。また、第1ベーン252が引き込まれた側のディフューザ流路の壁面はベーンレスとなり、明確なスロートが形成されない状態となる。
この場合、実施例1と同様に、第1ベーン252の端面と第2ベーン253の端面とが咬合(嵌合)する形状として、スライド式ベーン機構250によって第1ベーン252の端面が対向する第2ベーン253の端面と当接する位置まで突出される構成であってもよい。また、上記のスライド式ベーン機構250の作動制御については実施例1と同様であるため、その記載を省略する。
なお、スライド式ベーン機構250は、本発明の出没手段(可変手段)の一構成例である。
以上のように、本実施例のコンプレッサは、シュラウド側壁部プレートのスリットを通じて第1ベーンをディフューザ流路に出没可能な構成とすることにより、第1ベーンが埋没しようとするとき、第2ベーンとのクリアランスが流体の速度が比較的高いディフューザ流路中央近傍にできる。よって、より効果的にクリアランス部分へのデポジットの堆積を抑制することができる。更に、コンプレッサ負荷に応じて第1ベーンをディフューザ流路に出没させることにより、コンプレッサの全負荷領域において高い圧縮効率を得ることができる。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、回転式ベーン機構による回動の回転軸はインペラ13の回転軸と同軸に限られず、インペラ13の回転軸から偏心して回動させてもよい。
また、ディフューザ流路において第1ベーンと第2ベーンとが対向する位置はディフューザ流路の中央近傍に限られず、ディフューザ流路のシュラウド側またはハブ側にシフトしてもよい。
11,111,211 コンプレッサ
16,116,216 ディフューザ部
50,150,250 ベーン機構
51a,217a スリット
52,252 第1ベーン
53,153,253 第2ベーン
54,154,254 ディフューザプレート

Claims (2)

  1. コンプレッサのハウジング内で回転するインペラから吐出される流体の運動エネルギを圧力に変換するディフューザ流路を有する遠心圧縮機であって、
    前記ディフューザ流路を形成するシュラウド側壁部と、
    前記シュラウド側壁部と対向し、前記シュラウド側壁部と共に前記ディフューザ流路を形成するハブ側壁部と、
    前記シュラウド側壁部に設けられ、前記ハブ側壁部側に向かって前記ディフューザ流路に突出する第1案内羽根と、
    前記第1案内羽根に対向する位置の前記ハブ側壁部に設けられ、前記第1案内羽根側に向かって前記ディフューザ流路に突出する第2案内羽根と、
    前記第1案内羽根と前記第2案内羽根との相対的な位置を変更可能な可変手段と、を備え、
    前記第1案内羽根の端面と前記第2案内羽根の端面とが、互いに前記ディフューザ流路で対向し、
    前記可変手段は、前記第1案内羽根および前記第2案内羽根の少なくとも一方を前記インペラの周方向に回動させる回動手段であって、前記コンプレッサ内を流れる流体の圧力に応じて前記第1案内羽根と前記第2案内羽根との相対的な位置を変更することを特徴とする遠心圧縮機。
  2. 前記第1案内羽根および前記第2案内羽根は、それぞれ前記ディフューザ流路への突出量が異なる部分を有し、
    前記第1案内羽根の最大突出量と前記第2案内羽根の最大突出量との和は前記ディフューザ流路の幅径以上であり、かつ前記第1案内羽根の端面と前記第2案内羽根の端面とが互いに咬合する形状であることを特徴とする請求項1記載の遠心圧縮機。
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