JP5488028B2 - 車外警報制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の存在や、車両の進行方向および車速のような走行状態を、車外周辺の人に警報するための装置に関するもので、特に警報出力の大きさを制御する車外警報制御装置に関するものである。
運転音や走行音が静かな車両(内燃機関搭載車を含む)、特に電動機のみで電気走行する(EV走行する)電気自動車や、電動機のみで走行する電気走行モード(EVモード)を持つハイブリッド車両などの電動車両にあっては、
運転音や走行音の静かさ故に、車両の存在や、車両の進行方向(前進または後退)および車速のような走行状態を、車外周辺の人に警報しなければならない場合がある。
またかかる警報に際し、その適切な出力(警報音の場合は音量、警報光の場合は照度)は、車両周辺の環境によって大きく異なり、周囲が静かな深夜とか住宅街にあっては警報しない方がよい場合が多く、その反面、繁華街とか工場地帯のような騒々しい場所では車外周辺の人が、騒々しい場所であっても警報を確実に感じ得て車両の存在や、進行方向および車速を認知することができるよう、警報出力を最大にする方がよい。
かかる要求に鑑み従来、例えば特許文献1に記載のような車外警報制御装置が提案された。
この提案技術は、車載メモリーに格納されている地図情報や、暦情報や、時刻情報などに基づいて、警報音の出力を制御するというものである。
この技術によれば、車載メモリー内の地図情報、暦情報、時刻情報などから、自車の現在の通過地点が警報の必要な場所か否かを判定し、警報の要否に応じて警報を発したり、警報しなくすることができ、
警報が必要なのに発生しないという問題や、不要な警報で周辺の人に迷惑をかけるという問題を、一応は回避することができる。
特開2005−219716号公報
しかし上記した従来の車外警報制御装置は、自車位置周辺の人数に大きな影響を及ぼす各種行事(コンサート、野球やサッカーなどの球技、運動会、学校の夏休みや冬休み、道路工事、お祭りなど)に係わるイベント情報を考慮した警報制御でないため、以下のような問題を生ずる。
つまり、上記のような行事が行われないため自車位置周辺に殆ど人が居ない場合でも、上記の地図情報や、暦情報や、時刻情報などから判定した結果が警報の必要な場所であると判定すると、殆ど人が居ないにもかかわらず無用な警報を発してしまうなど、適切な警報制御が行われ得ないという問題を生ずる。
本発明は、走行地点に係わる地域情報として上記各種行事のイベント情報を用い、かかる行事の有無を警報出力の制御因子となすことで、上記のような問題を生ずることのないようにした車外警報制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による車外警報制御装置は、以下のごとくにこれを構成する。
先ず、本発明の要旨構成の基礎前提となる車外警報制御装置を説明するに、これは、
車両の存在や走行状態に係わる警報を車外へ発すると共に、該警報の出力を、自車位置近辺の走行時における地域情報を基に制御するようにしたものである。
本発明は、かかる車外警報制御装置において、
自車位置近辺の人数に影響を及ぼす行事の有無を上記地域情報として用い、かかる行事の有無を判定するイベント判定手段を具え、
該手段により判定した上記行事の有無によって上記警報の出力制御を行うよう構成した点に特徴づけられる。
このような本発明の警報音発生装置によれば、
自車位置近辺の人数に影響を及ぼす行事の有無を警報出力の制御因子としたため、
上記の行事が行われないため自車位置周辺に殆ど人が居ないにもかかわらず無用な警報を発してしまうなど、適切な警報制御が行われ得ないという問題を回避することができる。
本発明の一実施例になる車外警報制御装置を構成する車両側の制御システムおよび車外サーバー側の制御システムを示す概略系統図である。 図1における車外サーバ側のイベント情報データベースを作成するための制御プログラムを示すフローチャートである。 図1における車両側の可変データベース領域に対し定期イベント情報の書き替えを行うときの定期イベント情報書き替え手順説明図である。 図1における車両側の可変データベース領域に対し不定期イベント情報の書き替えを行うときの不定期イベント情報書き替え手順説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<実施例の構成>
図1は、本発明の一実施例になる車外警報制御装置を示し、特にその車両側および車外サーバー側の制御システム図である。
先ず車両側の制御システムを説明するに、本実施例においては、車外周辺の人に向けて車両の存在や走行状態に係わる警報を発するためのスピーカ1を車両側に具える。
なお、車外周辺の人に警報を発するための媒体は、警報音を発するスピーカ1に代え、警報光を発するランプや発行ダイオードなどの光源を用いてもよいし、これらスピーカ1および光源以外のものでもよいのは言うまでもない。
また本実施例の車外警報制御装置を用いる車両は、電動モータのみを動力源とし、このモータにより電気走行する(EV走行する)電気自動車とする。
しかし本発明の車外警報制御装置は、電気自動車のみにその適用を限られるものでなく、電動モータおよびエンジンを動力源とし、電動モータのみで走行する電気走行モード(EVモード)と、電動モータおよびエンジンからの動力で走行するハイブリッドモード(HEVモード)とを持つハイブリッド車両や、エンジンのみを動力源とするエンジン搭載車にも同様に適用可能であるのは言うまでもない。
スピーカ1は警報制御部2により適宜作動させて、車外周辺の人に車両の存在や走行状態を知らせるための警報音を発するよう作動制御する。
かかる制御のため警報制御部2は、警報発生制御器2aと、増幅器2bと、警報出力制御器2cとで構成する。
警報発生制御器2aは、警報発生制御信号群3を基に、警報を発すべき車両状態か否かを判定し、警報を発すべき車両状態であるとき警報信号を出力するものとする。
増幅器2bは、警報発生制御器2aから出力された警報信号を増幅してスピーカ1の駆動に供し、この駆動によりスピーカ1は、車外周辺の人に車両の存在や走行状態を知らせるための警報音を発する。
警報発生制御信号群3としては、
運転者が駐停車および走行方向を指令するために行うシフト(レンジセレクト)操作に応動して、選択レンジが駐車(P)レンジ、後退(R)レンジ、中立(N)レンジ、前進(D)レンジの何れであるのかを検知するレンジセンサからの信号や、
車速を検出する車速センサからの信号や、
ブレーキペダルの踏み込んだ制動状態でONとなり、ブレーキペダルを釈放した被制動状態でOFFとなるブレーキスイッチからの信号や、
車載動力源ユニットを駆動可能な状態にするイグニッションスイッチからのON,OFF信号などがある。
警報発生制御器2aは、これら警報発生制御信号群3を基に、例えば以下のごとくに適宜警報信号を出力する。
先ず警報発生制御器2aは、車速を基に停車状態か否かを、またイグニッションスイッチがONにされた走行可能状態であるか否かをチェックし、停車状態で且つ走行可能状態である間に、
ブレーキスイッチがOFFの状態(ブレーキ非作動状態)で、Dレンジへのレンジ切り替え操作が有ったとき、または、
Dレンジが選択されている状態で、ブレーキスイッチがONからOFFに切り替わった(ブレーキペダルを踏み込んだ制動状態からブレーキペダルを釈放した非制動状態へ切り替わった)とき、或いは、
Dレンジへのレンジ切り替え操作と同時に、ブレーキペダルを踏み込んだ制動状態からブレーキペダルを釈放した非制動状態への切り替えが行われた(ブレーキスイッチがONからOFFへ切り替わった)とき、
つまり前発進準備操作が完了したとき、警報発生制御器2aは、スピーカ1から前進警報音が発せられるような警報信号を増幅器2bに出力する。
警報発生制御器2aは前進走行中、スピーカ1から前進警報音が発せ続けられるよう引き続き警報信号を増幅器2bに出力するが、車速が例えば30km/h以上である間は郊外走行のため前進警報音が不要であるから、警報信号を出力しない。
車速が、30km/hよりもヒステリシス分だけ低い25km/h未満に低下したとき、警報発生制御器2aは、スピーカ1から前進警報音が再び発せられるよう警報信号を増幅器2bに出力し始める。
警報発生制御器2aは、車両後退時の警報を例えば以下のごとくに行う。
つまり停車状態で且つ走行可能状態である間に、Rレンジへのレンジ切り替え操作が有ったとき、つまり運転者が後退走行の指令を発したとき直ちに、従ってブレーキペダル釈放操作なしでも、警報発生制御器2aは、スピーカ1から後退警報音が発せられるような警報信号を増幅器2bに出力し、この警報信号をRレンジである限り出力し続ける。
警報出力制御器2cは、車両状態信号群(車速や、ワイパースイッチON,OFF信号)4、および地域情報取得部5からの地域情報を基に、上記前進警報音用の警報信号および後退警報音用の警報信号を出力制御して、前進警報音および後退警報音を音量増大させたり、音量低下させたり、消音させるものである。
車両状態信号群4に応じた警報出力制御器2cによる警報信号の出力制御を、車両状態信号4がワイパースイッチON,OFF信号である場合につき、以下に例示する。
降雨によって車両の周囲雑音が増加した環境下でも車外周辺の人に警報が伝わるよう、ワイパースイッチがONにされた降雨時に警報出力制御器2cは、前進警報音および後退警報音の音量を増加させるべく対応する警報信号の出力を増大させる。
なお、フロントウィンドウ潤滑剤を塗布した車両の場合、運転者が降雨でもワイパーを作動させないことがあり、また、降雨時以外にフロントウィンドウの洗浄目的でワイパーを連続動作させることがあることから、
これらの場合のために警報出力制御器2cは、ワイパースイッチON,OFF信号の他に、雨滴感知センサからの信号や、天気予報や、周辺車両のワイパー作動信号から降雨判定を行って、前進警報音および後退警報音の増音の要否を判定し、この判定結果に基づき対応する警報信号の出力制御を行うようにしてもよい。
地域情報取得部5は、GPSなどの自車位置検出手段5aおよび地域情報判定手段5bにより構成し、警報出力制御器2cを介して以下のごとくに前進警報音用の警報信号および後退警報音用の警報信号を出力制御する。
つまり地域情報判定手段5bは、手段5aで検出した自車位置を読み込み、車載データベース領域6における固定データベース領域6aおよび可変データベース領域6b内に格納されたイベント情報のうち、自車位置近辺で行われ、自車位置近辺の人出に大きな影響を及ぼす行事のイベント情報(行事の有無)を基に、
この行事が開催される場合は警報出力制御器2cへ、前記した警報発生制御器2aからの警報信号をそのままの出力で、または出力増大して発するよう(スピーカ1から警報音を大きさ不変のまま、または増音させて発するよう)指令し、
上記の行事が開催されない場合は警報出力制御器2cへ、前記した警報発生制御器2aからの警報信号を出力低下させて発するよう、または警報発生制御器2aからの警報信号を出力しないよう(スピーカ1から警報音を小さくして発するよう、または消音するよう)指令する。
従って地域情報判定手段5bは、本発明におけるイベント情報判定手段に相当する。
なお固定データベース領域6aには、実行日時が変更されることのない固定行事のイベント情報を地域情報として格納しておき、また可変データベース領域6bには、実行日時が変更される可能性のある可変行事のイベント情報を地域情報として格納しておく。
ここで、固定データベース領域6aに格納する固定行事のイベント情報としては、選挙とか、政治的な集会などがあり、
可変データベース領域6bに格納する可変行事のイベント情報としては、開催関係者の都合によって開催日時が変更されることのあるコンサート、天候によって実行日時が変更される運動会などの学校行事とか、野球やサッカーなどの球技とか、道路工事とか、お祭りや、年度ごと及び地域ごとに異なる学校の夏休みや冬休み、そして集団風邪など突発的な事象により発生する臨時休校や臨時登校などがある。
可変データベース領域6bに格納する可変行事のイベント情報は、可変データ書き替え手段7が後述のごとく、通信手段8により車外サーバー側の制御システムから入手したデータを基に自動書き替えするものとする。
以上は車両側の制御システムであるが、次いで車外サーバー側の制御システムを詳述する。
車外サーバー側の制御システムは、許可された人がアクセスして書き替え可能なイベント書き替え領域11を有し、このイベント書き替え領域11内には、定期的な行事に係わるイベント情報を書き替えるための定期イベント書き替え領域11aと、定期的でない行事に係わるイベント情報を書き替えるための不定期イベント書き替え領域11bとを設定する。
定期イベント書き替え領域11aで書き替える定期的な行事(定期イベント情報)の代表的なものとしては、学校の夏休みや冬休み、運動会などの学校行事がある。
ところで学校の長期休暇は、学校や地域毎に異なっている。
例えば豪雪地帯や厳寒地を除いて夏休みは大抵の場合、8月31日までであるが、或る地域の一部公立小学校では、8月31日よりも数日早く授業が開始される。
このような地域の一部公立小学校を通過するような走行を行う場合、8月31日よりも数日早い始業日から警報音を発するようにする必要がある。
また運動会などの学校行事は通常、父兄の参加を考慮して休日や祝日に行われることが多い。
休日や祝日は静粛性を保つ意味合いで警報音を発生させないのが良いが、学校行事が開催される日は、休日や祝日であっても、児童の通学時における安全を図るため、警報音を発生させるようにする必要がある。
そして、学校行事が休日や祝日に行われた場合、平日を代休にすることが多く、この代休日は児童が通学していないから静粛性を確保するため、平日であっても警報音を鳴らさない方が好ましい。
上記のような実情から、定期的な行事(定期イベント情報)といえども適宜に書き替える必要があり、かかる定期的な行事(定期イベント情報)の書き替えを定期イベント書き替え領域11aにおいて、例えば数ヶ月単位で実行するものとする。
不定期イベント書き替え領域11bで書き替える不定期行事(不定期イベント情報)としては、インフルエンザの流行による臨時休校などの突発的事象とか、大規模ホールでのコンサートとか、球場で開催される野球およびサッカーがある。
臨時休校などの突発的事象発生時は、児童が通学しないため静粛性を確保する意味合いにおいて警報音を発生させない方がよい。
またコンサートや、野球や、サッカーは、毎年定期的に開催されるわけではないし、直前に開催が決定されることもあり、開催日は、最寄りの公共交通機関から多数の観客が来場するため、普段は警報音を発生させない場所でも、警報音を発するようにする必要がある。
上記のような実情から、不定期行事(不定期イベント情報)は、その開催が決定されたり、変更される都度、適宜に書き替える必要があり、かかる不定期行事(不定期イベント情報)の書き替えを不定期イベント書き替え領域11bにおいて行う。
なお、車外サーバー側における定期イベント書き替え領域11aおよび不定期イベント書き替え領域11b内のイベント情報の書き替えは、サーバーの管理者や、イベント関係者や、警察など外部機関の関係者が直接的に、若しくはインターネットを介しアクセスして随時行うものとする。
車外サーバー側の制御システムはその他に、イベント情報データベース12および通信手段13を具える。
イベント情報データベース12は、定期イベント書き替え領域11aおよび不定期イベント書き替え領域11b内の書き替えられたイベント情報を蓄積しておくもので、
通信手段13は、車両側の通信手段8との間で、双方向通信を行い得るものとする。
<イベント情報データベースの作成>
イベント情報データベース12の作成に当たっては、これを図2に示す制御プログラムに沿って実行する。
ステップS11では、定期イベント書き替え領域11aの定期イベント情報に係わるデータの更新を行う。
ステップS12では、かかる更新済の定期イベント情報に係わるデータを、イベント情報データベース12内に保存する。
ステップS13では、不定期イベント書き替え領域11bの不定期イベント情報に係わるデータの更新を行う。
ステップS11〜ステップS13の実行後、ステップS14において不定期イベント情報の発生場所と、定期イベント情報の発生場所とが同じか否かをチェックする。
同じであれば、つまり同じ位置に関し不定期イベント書き替え領域11bへのイベント情報の書き替えと、定期イベント書き替え領域11aへのイベント情報の書き替えとが行われた場合、
不定期イベント書き替え領域11bの優先度を、定期イベント書き替え領域11aの優先度よりも上位とすべく、ステップS15において、不定期イベント書き替え領域11bのイベント情報でイベント情報データベース12内の対応する地域に関したイベント情報(ステップS12で保存された定期イベント情報)を上書きする。
ステップS14で不定期イベント情報の発生場所と、定期イベント情報の発生場所とが異なると判定した場合は、ステップS16において、不定期イベント書き替え領域11bのイベント情報をイベント情報データベース12内に新規登録し、ステップS12でイベント情報データベース12内に保存し定期イベント情報はそのまま残す。
<可変データベース領域に対する定期イベント情報の書き替え>
定期イベント書き替え領域11aでの定期イベント情報の書き替えに伴う可変データベース領域6bの書き替えは、図3に基づき以下のごとく自動的に行う。
先ず車両側のステップS21において定期イベント情報の更新タイミングであるか否かをチェックし、未だ更新タイミングでない間は、制御をそのまま終了して待機する。
ステップS21で定期イベント情報の更新タイミングになったと判定するとき、車両側のステップS22において、可変データ書き替え手段7から定期イベント情報データの更新要求信号を発生させる。
次の車両側ステップS23においては、通信手段8から定期イベント情報データの更新要求信号を送信する。
車外サーバー側のステップS24においては、通信手段8から送信された定期イベント情報データの更新要求信号を通信手段13により受信する。
次に車外サーバー側のステップS25においては、通信手段13がイベント情報データベース12から最新の定期イベント情報データを読み取る。
次に車外サーバー側のステップS26においては、通信手段13がイベント情報データベース12から読み取った最新の定期イベント情報データを送信する。
次いで車両側のステップS27において、車両側通信手段8が上記サーバー側通信手段13からの最新の定期イベント情報データを、無線交信により受信する。
次に車両側のステップS28において、可変データ書き替え手段7が、車両側通信手段8で受信した最新の定期イベント情報データを読み取る。
その後ステップS29において、可変データ書き替え手段7が、可変データベース領域6bに上記最新の定期イベント情報データを保存して、可変データベース領域6b内の定期イベント情報を書き替える。
なお、かかる可変データベース領域6b内における定期イベント情報の書き替えは、自車位置から目的地までの経路上における地点の定期イベント情報に対してのみ行うようにするのがよい。
以後は車両側の地域情報判定手段5bが、可変データベース領域6b内における上記最新の定期イベント情報に基づき前記した警報出力制御を行って、
自車位置近辺の人出に大きな影響を及ぼす定期行事が開催される場合は警報出力制御器2cへ、警報発生制御器2aからの警報信号をそのままの出力で、または出力増大して発するよう(スピーカ1から警報音を大きさ不変のまま、または増音させて発するよう)指令し、
上記の定期行事が開催されない場合は警報出力制御器2cへ、警報発生制御器2aからの警報信号を出力低下させて発するよう、または警報発生制御器2aからの警報信号を出力しないよう(スピーカ1から警報音を小さくして発するよう、または消音するよう)指令する。
<可変データベース領域に対する不定期イベント情報の書き替え>
不定期イベント書き替え領域11bでの不定期イベント情報の書き替えに伴う可変データベース領域6bの書き替えは、図4に基づき以下のごとく自動的に行う。
先ず車両側のステップS31において、地域情報判定手段5bが手段5aからの自車位置情報を取得して通信手段8へ送り、
次のステップS32において、通信手段8がこの自車位置情報を送信する。
車外サーバー側のステップS33においては、通信手段8から送信された自車位置情報を通信手段13により受信する。
次に車外サーバー側のステップS34において通信手段13は、イベント情報データベース12内に、自車位置近辺および走行経路上に係わる不定期イベント情報が有るか否かをチェックし、無ければ制御をそのまま終了して可変データベース領域6bの書き替えを行わない。
ステップS34で通信手段13が、イベント情報データベース12内における、自車位置近辺および走行経路上に関した不定期イベント情報の存在を確認すると、
車外サーバー側のステップS35において、通信手段13はイベント情報データベース12から最新の不定期イベント情報データを読み取る。
次の車外サーバー側ステップS36において、通信手段13から当該読み取った最新の不定期イベント情報データを送信する。
次いで車両側のステップS37において、車両側通信手段8が上記サーバー側通信手段13からの最新の不定期イベント情報データを、無線交信により受信する。
次に車両側のステップS38において、可変データ書き替え手段7が、車両側通信手段8で受信した最新の不定期イベント情報データを読み取る。
その後ステップS39において、可変データ書き替え手段7が、可変データベース領域6bに上記最新の不定期イベント情報データを保存して、可変データベース領域6b内の不定期イベント情報を書き替える。
なお、かかる可変データベース領域6b内における不定期イベント情報の書き替えは、ステップS34での判別結果から明らかなように、自車位置から目的地までの経路上における地点の不定期イベント情報に対してのみ行われることとなる。
以後は車両側の地域情報判定手段5bが、可変データベース領域6b内における上記最新の不定期イベント情報に基づき前記した警報出力制御を行って、
自車位置近辺の人出に大きな影響を及ぼす不定期行事が開催される場合は警報出力制御器2cへ、警報発生制御器2aからの警報信号をそのままの出力で、または出力増大して発するよう(スピーカ1から警報音を大きさ不変のまま、または増音させて発するよう)指令し、
上記の不定期行事が開催されない場合は警報出力制御器2cへ、警報発生制御器2aからの警報信号を出力低下させて発するよう、または警報発生制御器2aからの警報信号を出力しないよう(スピーカ1から警報音を小さくして発するよう、または消音するよう)指令する。
<実施例の作用効果>
上記した実施例になる車外警報制御装置にあっては、
警報発生制御器2aによる制御下でスピーカ1から、車両の存在や走行状態に係わる警報音を発するに際し、警報音を増減(消音を含む)すべく以下のごとくに警報を出力制御するため、
つまり、車載データベース領域6(固定データベース領域6aおよび可変データベース領域6b)内のイベント情報(自車位置近辺の人出に影響を及ぼす定期行事および不定期行事の有無)に応じて上記の警報出力制御を行うため、
上記の行事が行われるため自車位置周辺に大勢の人が居るにもかかわらず警報音が発せられないとか、上記の行事が行われないため自車位置周辺に殆ど人が居ないにもかかわらず無用な警報が発せられてしまうなど、適切な警報制御が行われ得ないという問題を回避することができる。
また、車載データベース領域6に可変データベース領域6bを設定し、この領域6b内のイベント情報(自車位置近辺の人出に影響を及ぼす定期行事および不定期行事の有無)を、車外サーバー(イベント情報データベース12および通信手段12)との無線交信により逐一書き替えるようにしたため、
可変データベース領域6b内のイベント情報が、車両走行中に常時自動的に最新のものに書き替えられ、これに基づき上記の警報出力制御が行われることとなり、上記の作用効果を、行事日程の変更があった場合でも確実に達成することができる。
更に上記車外サーバーが、許可された人がアクセスして書き替え可能なイベント書き替え領域11と、該領域内の書き替えイベント情報を蓄積しておくイベント情報データベース12とを有し、
車両側における可変データベース領域6内のイベント情報が、当該イベント情報データベース12内のイベント情報を基に自動的に書き替えられるようにしたため、
可変データベース領域6内のイベント情報が常に最新のものに更新されていることとなって、常に上記の作用効果を享受することができる。
また、車外サーバー側のイベント書き替え領域11として、定期的な行事に係わるイベント情報を書き替えるための定期イベント書き替え領域11aと、定期的でない行事に係わるイベント情報を書き替えるための不定期イベント書き替え領域11bとを設定し、
図2につき前述したごとく、不定期イベント書き替え領域11bの優先度を、定期イベント書き替え領域11aの優先度よりも上位として、同じ位置に関し不定期イベント書き替え領域11bへのイベント情報の書き替えと、定期イベント書き替え領域11aへのイベント情報の書き替えとが行われた場合、定期イベント書き替え領域11aのイベント情報に代え不定期イベント書き替え領域11bのイベント情報で、イベント情報データベース12内のイベント情報を上書きするため、
突発的にイベント情報が発生した場合も、領域11bにおいて、対応する不定期イベント情報の書き替えを行うだけの最小限の作業で、この突発的に発生したイベント情報に対応する警報出力制御を行うことができ、操作性を損うことなく上記の作用効果を達成することができる。
更に、車両側の可変データベース領域6b内におけるイベント情報の書き替えを、自車位置から目的地までの経路上における地点のイベント情報に対して行うことにしたため、
可変データベース領域6b内におけるイベント情報の書き替えを自車に係わるもののみとなり、車載側メモリの容量を小さくし得て、コスト的にも大いに有利である。
<その他の実施例>
なお、昨今の高級車はカメラを搭載して、カメラ情報から車線追従走行などをも行い得るようにしたものがある。
車外サーバーは、通信手段13を経由して無線交信により、当該車両の車載カメラからの情報を入手し得るようになすと共に、このカメラ情報をイベント情報データベース12内に保存して現在前記の行事が実際に行われているか否かの不定期イベント情報を取得するようになすことができる。
このカメラ情報から得られたイベント情報データベース12内の不定期イベント情報は、図4につき前述したと同様にして他車が可変データベース6b内に格納し、前記した警報出力制御に資する。
かようにする場合、カメラ搭載車の通過地点におけるカメラ情報が他の全車にも不定期イベント情報として配信され、全車が当該生の不定期イベント情報を用いて警報出力制御され得ることとなり、有利である。
なお、カメラ搭載車のカメラ情報は、この車両が警報出力制御の必要な地点、つまり前記行事の開催地点を通過する時のカメラ情報のみを用いるのが、車外サーバーの演算処理量を少なくして演算負荷を減ずる意味合いにおいて好ましい。
ところで図示例においては、警報出力制御器2cが車両状態信号群4と、地域情報判定手段5bからの(車載データベース6内の)イベント情報とに基づいて警報出力制御を行うようにしたが、その他に暦情報および時刻情報に基づいて警報出力制御を行うようにしてもよいのは言うまでもない。
1 スピーカ
2 警報制御部
2a 警報発生制御器
2b 増幅器
2c 警報出力制御器
3 警報発生制御信号群
4 車両状態信号群
5 地域情報取得部
5a 自車位置検出手段
5b 地域情報判定手段(イベント判定手段)
6 車載データベース領域
6a 固定データベース領域
6b 可変データベース領域
7 可変データ書き替え手段
8 通信手段
11 イベント書き替え領域
11a 定期イベント書き替え領域
11b 不定期イベント書き替え領域
12 イベント情報データベース
13 通信手段

Claims (8)

  1. 車両の存在や走行状態に係わる警報を車外へ発すると共に、該警報の出力を、自車位置近辺の走行時における地域情報を基に制御するようにした車外警報制御装置において、
    前記自車位置近辺の人数に影響を及ぼす行事の有無を前記地域情報として用い、かかる行事の有無を判定するイベント判定手段を具え、
    該手段により判定した前記行事の有無によって前記警報の出力制御を行うよう構成したことを特徴とする車外警報制御装置。
  2. 前記地域情報が車載データベース領域に書き込まれたものである、請求項1に記載された車外警報制御装置において、
    前記車載データベース領域に可変データベース領域を設定し、
    前記イベント判定手段は、該可変データベース領域内の自動的に書き替えられるイベント情報を基に前記行事の有無を判定するものであることを特徴とする車外警報制御装置。
  3. 請求項2に記載された車外警報制御装置において、
    前記可変データベース領域内のイベント情報は、車外サーバーとの無線交信により自動的に書き替えられるものであることを特徴とする車外警報制御装置。
  4. 請求項3に記載された車外警報制御装置において、
    前記車外サーバーは、許可された人がアクセスして書き替え可能なイベント書き替え領域と、該領域内の書き替えイベント情報を蓄積しておくイベント情報データベースとを有し、
    前記可変データベース領域内のイベント情報は、該イベント情報データベースのイベント情報を基に自動的に書き替えられるものであることを特徴とする車外警報制御装置。
  5. 請求項4に記載された車外警報制御装置において、
    前記イベント書き替え領域として、定期的な行事に係わるイベント情報を書き替えるための定期イベント書き替え領域と、定期的でない行事に係わるイベント情報を書き替えるための不定期イベント書き替え領域とを設定し、
    不定期イベント書き替え領域の優先度を、定期イベント書き替え領域の優先度よりも上位として、同じ位置に関し不定期イベント書き替え領域へのイベント情報の書き替えと、定期イベント書き替え領域へのイベント情報の書き替えとが行われた場合、定期イベント書き替え領域のイベント情報に代え不定期イベント書き替え領域のイベント情報で前記イベント情報データベース内のイベント情報を上書きするよう構成したものであることを特徴とする車外警報制御装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載された車外警報制御装置において、
    前記可変データベース領域内におけるイベント情報の書き替えは、自車位置から目的地までの経路上における地点のイベント情報に対して行うものであることを特徴とする車外警報制御装置。
  7. 請求項5または6に記載された車外警報制御装置において、
    前記車外サーバーは、カメラ搭載車両からのカメラ情報を入手して、該カメラ搭載車両の通過地点におけるカメラ情報から、前記行事が行われているか否かを判定し、この判定結果に基づいて前記不定期イベント書き替え領域へのイベント情報の書き替えを行うものであることを特徴とする車外警報制御装置。
  8. 請求項7に記載された車外警報制御装置において、
    前記カメラ搭載車両の通過地点におけるカメラ情報は、前記警報出力制御が必要な地点におけるカメラ情報のみを用いるよう構成したことを特徴とする車外警報制御装置。
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