JP5487928B2 - 高輝度発光体 - Google Patents

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Description

本発明は、高輝度発光体に関し、さらに詳しくは、室内照明用光源、カラー液晶ディスプレイなどの画像表示装置用バックライト、信号機、白色LED用蛍光体等に用いることが可能な高輝度発光体に関する。
省資源、省エネルギーの観点から高輝度な発光体(又は、蛍光体)の開発が求められており、無機材料又は有機材料からなる各種発光体の開発が盛んである。様々な粒子径及び形状の発光体が開発されているが、パッキング性や分散性(凝集抑制)を考慮すると、球状で、かつ単分散性の高い発光体の開発が望まれている。このような発光体及びその製造方法については、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、無機材料からなる蛍光体原料を焼成し、焼成物を軟質化し、さらに軟質化された焼成物を粉砕するする蛍光体の製造方法が開示されている。
同文献には、
(1)焼成物を軟質化すると、蛍光体粒子を必要以上に破損させることなく、焼成物の粉砕を行うことができる点、
(2)このような方法により真球状に近い蛍光体粒子が得られ、発光ピーク強度が向上する点、
が記載されている。
また、非特許文献1には、
(1)直径2〜4μmのメソポーラスシリカ(MS)粒子の細孔内にポリ−3−ヒドロキシブチレート(PHB)を導入し、
(2)レイヤー・バイ・レイヤー法を用いて、PHB担持MS粒子の表面をポリ(アリルアミンハイドロクロライド)(PAH)/ポリ(ナトリウム4−スチレンスルホネート)(PSS)層でコートし、
(3)PAH/PSS層でコートされたPHB担持MS粒子からMS粒子を溶解させてPAH/PSSコートPHBレプリカとし、
(4)PAH/PSSコートPHBレプリカの細孔にユーロピウムβ−ジケトン(EuC)を導入する、
ことにより得られる蛍光ポリエステル粒子が開示されている。
また、非特許文献2には、
(1)テトラエチルオルトシリケート(TEOS)のエタノール溶液に、アンモニア水及びトリス(1,10−フェナントロリン)ルテニウム(II)クロライド水溶液を含むたエタノール溶液を攪拌しながら加え、
(2)遠心分離により蛍光ナノ粒子を回収する、
ことにより得られる単分散蛍光シリカナノ粒子が開示されている。
さらに、非特許文献3には、
(1)TEOS、エタノール、イオン交換水、HCl及びP123を混合して溶液とし、
(2)この溶液にEuCl2・6H2O、TbCl3・6H2O、及び、1,10−フェナントロリンを加え、透明になるまで攪拌して前駆体溶液とし、
(3)N2を用いて、前駆体溶液のミストを400℃に加熱された管状炉内に設置されたガラス管内に導入する
ことにより得られる多機能メソポーラス球状シリカが開示されている。
特開2009−173905号公報
Chem.Mater. 2009, 21, 4310-4315 Langmuir 2005, 21, 4277-4280 Adv.Funct.Mater. 2008, 18, 2956-2962
無機蛍光体は、耐久性が高いという利点がある。しかしながら、無機蛍光体は、一般的には固相反応法により製造される。そのため、無機蛍光体の製造には粉砕工程を伴うことが多く、製造工程が煩雑である。
また、粉砕工程を伴う製造方法では、
(1)球状の蛍光体を大量に製造するのは困難である、
(2)粉砕によって蛍光体粒子の表面が損傷し、発光特性が低下する、
(3)真球に近い粒子の合成が難しく、粒子の単分散性も低い、
などの問題がある。
一方、有機系の発光材料は、低分子系と高分子系に分類することができる。低分子系発光材料としては、アントラセン類、ベンゼン類、ビフェニル類等の芳香族蛍光色素や各種錯体が知られている。また、高分子系発光材料としては、ポリフェニレンビニレン類、ポリフルオレン類などの共役高分子が代表的である。
有機系の発光材料は、耐久性は低いが汎用性が高いという特徴がある。また、有機系の発光材料は、非常に高い輝度を持つものが多い。このような有機系の発光材料は、一般に、高分子材料や無機材料などの支持体中に分散させた状態で使用される。
しかしながら、輝度を上げるために有機系の発光材料の濃度を増加させると、凝集などに起因する分子間の相互作用により、逆に輝度が低下する(濃度消光)という問題がある。そのため、有機系の発光材料は本質的には高い輝度を持つものであっても、これを用いた発光体は、十分な発光輝度、発光効率が得られない場合が多い。また、有機系の発光材料は、安定性に乏しいため、長期間に渡って安定な発光特性を維持するのが困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、発光材料の濃度が低濃度であっても高い発光輝度が得られる高輝度発光体を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、長期間に渡って安定な発光特性を維持することが可能な高輝度発光体を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、パッキング性や分散性に優れた高輝度発光体を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る高輝度発光体は、
メソ細孔を有するメソポーラスシリカと、
前記メソ細孔内に導入されたアルキル4級アンモニウム塩と、
前記メソ細孔内に導入されたフェノール基を有する有機色素と
を備えていることを要旨とする。
前記メソポーラスシリカは、球状であり、単分散度が10%以下であるものが好ましい。
メソポーラスシリカのメソ細孔内にアルキル4級アンモニウム塩と、フェノール基を有する有機色素を共存させると、発光強度が著しく増強される。これは、
(1)メソ細孔内にアルキル4級アンモニウム塩を導入することによって、メソ細孔内が疎水雰囲気、かつ、高pHとなり、有機色素の発光強度が増強されるため、及び、
(2)アルキル4級アンモニウム塩が有機色素の凝集(濃度消光)を抑制するため、
と考えられる。
また、有機色素は、疎水雰囲気を持つメソ細孔内に保持さるため、バルク状態よりも安定性が向上する。さらに、メソポーラスシリカが球状単分散である場合には、高輝度発光体のパッキング性及び分散性も向上する。
実施例1及び比較例1〜4で得られた発光体粒子の発光スペクトル(実施例1のみ検出感度1/10で測定)である。 実施例5及び実施例6で得られた発光体粒子の発光スペクトル(520nm励起。検出感度は図1の1/10。)である。 実施例6で得られた発光体粒子を含むエポキシ樹脂混合膜を460nmの波長で励起したときの色度点変化を示す図である。 実施例6で得られた発光体粒子を含むエポキシ樹脂混合膜又はフルオレセイン色素のみを含むエポキシ樹脂混合膜の色素量と量子収率との関係を示す図である。 実施例6で得られた発光体粒子を含むエポキシ樹脂混合膜(粒子濃度20wt%)又はフルオレセイン色素のみを含むエポキシ樹脂混合膜の耐久性評価の結果を示す図である。 実施例6で得られた発光体粒子を含むエポキシ樹脂混合膜(左図)及びYAG・Ceを含むエポキシ樹脂混合膜(右図)の光学顕微鏡写真である。 実施例6で得られた発光体粒子を含むエポキシ樹脂を石英基板上に4回スピンコートした積層膜のSEM写真(図7(a):低倍率、図7(b):高倍率)である。 図8(a)は、YAG・Ceを含む積層膜の発光スペクトル(測定箇所:4箇所)である。図8(b)は、実施例7で得られた積層膜の発光スペクトル(測定箇所:3箇所)である。 図9(a)及び図9(b)は、それぞれ、実施例8及び実施例9で得られた積層膜の発光スペクトル(測定箇所:3箇所)である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 高輝度発光体]
本発明に係る高輝度発光体は、メソポーラスシリカと、アルキル4級アンモニウム塩と、有機色素とを備えている。
[1.1. メソポーラスシリカ]
[1.1.1 組成]
メソポーラスシリカは、シリカのみからなるものでも良く、あるいは、シリカを主成分とし、シリカ以外の金属元素Mの酸化物を含んでいても良い。金属元素Mは、特に限定されるものではないが、2価以上の金属アルコキシドを製造可能なものが好ましい。金属元素Mが2価以上の金属アルコキシドを製造可能なものである場合、金属元素Mの酸化物を含む球状粒子を容易に製造することができる。このような金属元素Mとしては、具体的には、Al、Ti、Mg、Zrなどがある。
メソポーラスシリカ中のシリカの含有量は、50wt%以上が好ましく、さらに好ましくは、80wt%以上である。
メソポーラスシリカは、Si−O−Si結合(又は、M1−O−M1結合、Si−O−M1結合)のみを含むものでも良く、あるいは、Si(又は、M1)に結合している有機基を備えていても良い。「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
特に、メソ細孔の内壁面にアミノ基を有するシラン化合物を結合させると、発光強度をさらに増大させることができる。
ここで、アミノ基を有するシラン化合物としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]−アミノプロピルトリエトキシシラン、(2−アミノエチル)アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
メソポーラスシリカが有機基を含む場合、その含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な含有量を選択する。
例えば、メソ細孔の内壁面にアミノ基を有するシラン化合物が結合している場合、一般に、アミノ基の含有量が多くなるほど、発光強度が増強される。これは、アミノ基によってメソ細孔内が高pH環境になるためと考えられる。このような効果を得るためには、アミノ基の含有量は、0.1mol%以上が好ましい。アミノ基の含有量は、さらに好ましくは、1.0mol%以上である。
一方、アミノ基の含有量が過剰になると、メソ細孔の形成が困難になる、メソ細孔径が小さくなり、蛍光粒子導入量が減少する、球状粒子形成時の単分散性が低下する、などの不具合が生じる。従って、アミノ基の含有量は、50.0mol%以下が好ましい。アミノ基の含有量は、さらに好ましくは、20.0mol%以下である。
ここで、「アミノ基の含有量(mol%)」とは、メソポーラスシリカに含まれるSi(及び、M1)原子の総モル数(n1)に対するアミノ基のモル数(n2)の割合(=n2×100/n1(%))をいう。
[1.1.2 形状]
メソポーラスシリカの形状は、特に限定されるものではない。しかしながら、発光体のパッキング性や分散性を向上させるためには、メソポーラスシリカは、球状で、かつ単分散の粒子が好ましい。単分散球状メソポーラスシリカは、中実粒子であっても良く、あるいは中空粒子であっても良い。
「球状」とは、同一条件下で製造された複数個(好ましくは、20個以上)の粒子を顕微鏡観察した場合において、各粒子の真球度の平均値が、13%以下であることをいう。また、「真球度」とは、各粒子の外形の真円からのずれの程度を表す指標であって、粒子の表面に接する最小の外接円の半径(r)に対する、外接円と粒子表面の各点との半径方向の距離の最大値(Δrmax)の割合(=Δrmax×100/r(%))で表される値をいう。後述する方法を用いると、真球度が7%以下、あるいは、3%以下である球状メソポーラスシリカが得られる。
本発明において、「単分散」とは、(1)式で表される単分散度(CV値)が10%以下であることをいう。
単分散度=(粒子径の標準偏差)×100/(粒子径の平均値) ・・・(1)
後述する方法を用いると、単分散度が5%以下である単分散球状メソポーラスシリカが得られる。
ここで、球状粒子の「平均粒径」及び「標準偏差」とは、同一条件下で製造された複数個(好ましくは、20個以上)の粒子の直径を顕微鏡観察下において計測し、計測された直径から算出される平均値及び標準偏差をいう。
[1.1.3 メソ細孔]
メソポーラスシリカは、メソ細孔を持つ。後述する方法を用いてメソポーラスシリカを製造する場合において、界面活性剤の種類、添加量などを最適化すると、メソ細孔を規則配列させることができる。
また、メソ細孔の大きさは、界面活性剤の分子長を最適化することにより制御(1〜50nmまで)することができる。
メソポーラスシリカは、メソ細孔を有するため、比表面積が極めて大きい。後述する方法を用いると、BET比表面積が800m2/g以上、あるいは、1000m2/g以上であるメソポーラスシリカが得られる。
後述する有機色素は、メソポーラスシリカのメソ細孔内に導入される。メソポーラスシリカが中空粒子である場合、有機色素は、少なくともメソ細孔内に導入されていれば良い。
[1.1.4 平均粒子径]
メソポーラスシリカの平均粒子径は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。後述する方法を用いると、平均粒子径が0.1〜1.5μmであるメソポーラスシリカが得られる。
ここで、球状粒子の「平均粒径」とは、上述したように、同一条件下で製造された複数個(好ましくは、20個以上)の粒子の直径を顕微鏡観察下において計測し、計測された直径から算出される平均値をいう。非球状粒子の「平均粒径」とは、レーザー回折法により測定される粒子径の平均値をいう。
[1.2. アルキル4級アンモニウム塩]
本発明に係る高輝度発光体において、メソポーラスシリカのメソ細孔内には、アルキル4級アンモニウム塩が導入されている。アルキル4級アンモニウム塩は、メソポーラスシリカを製造する際に、メソ細孔を形成するための鋳型として用いられる界面活性剤である。一般に、メソポーラスシリカは、界面活性剤を用いてメソ細孔を形成した後、界面活性剤を除去した状態で使用されるが、本発明においてはアルキル4級アンモニウム塩がメソ細孔内に充填された状態のまま使用される。
アルキル4級アンモニウム塩とは、次の(a)式で表されるものをいう。
CH3−(CH2)n−N+(R1)(R2)(R3)X- ・・・(a)
(a)式中、R1、R2、R3は、それぞれ、炭素数が1〜3のアルキル基を表す。R1、R2、及び、R3は、互いに同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。アルキル4級アンモニウム塩同士の凝集(ミセルの形成)を容易化するためには、R1、R2、及び、R3は、すべて同一であることが好ましい。さらに、R1、R2、及び、R3の少なくとも1つは、メチル基が好ましく、すべてがメチル基であることが好ましい。
(a)式中、Xはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子の種類は特に限定されないが、入手の容易さからXは、Cl又はBrが好ましい。
(a)式中、nは7〜21の整数を表す。一般に、nが小さくなるほど、メソ孔の中心細孔径が小さい球状のメソ多孔体が得られる。一方、nが大きくなるほど、中心細孔径は大きくなるが、nが大きくなりすぎると、アルキル4級アンモニウム塩の疎水性相互作用が過剰となる。その結果、層状の化合物が生成し、球状のメソ多孔体が得られない。nは、好ましくは、9〜17、さらに好ましくは、13〜17である。
(a)式で表されるものの中でも、アルキルトリメチルアンモニウムハライドが好ましい。アルキルトリメチルアンモニウムハライドとしては、例えば、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムハライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムハライド、ノニルトリメチルアンモニウムハライド、デシルトリメチルアンモニウムハライド、ウンデシルトリメチルアンモニウムハライド、ドデシルトリメチルアンモニウムハライド等がある。
これらの中でも、特に、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド又はアルキルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
[1.3. 有機色素]
本発明に係る高輝度発光体において、メソポーラスシリカのメソ細孔内には、アルキル4級アンモニウム塩に加えて、さらに有機色素が導入されている。
「有機色素」とは、有機化合物からなる発光体であって、二重結合と単結合が交互に並んだ化学構造(共役二重結合)を有するものをいう。この共役二重結合中をπ電子が移動することで生じるエネルギー遷移により見られる発色が、有機色素の発色である。物質に光を照射すると励起状態となるが、熱運動などが少ない分子の場合には、基底状態に降りる際に吸収したエネルギーを光として放出する。この光が、有機色素の蛍光の起源となっている。
本発明において、有機色素としては、フェノール基を有するものを用いる。メソ細孔内において、フェノール基を有する有機色素とアルキル4級アンモニウム塩とを共存させると、発光強度が著しく増強される。
フェノール基を有する有機色素としては、例えば、9−フェニルキサンテン骨格を有する化合物(フルオレセイン、エオシンY、エオシンB、ローズベンガル、ローダミンB、フロキシン、ピロガロール、ウラニン、アシッドレッド等)が挙げられる。
これらの中でも、(a)式で表されるフルオレセイン類は、メソ細孔内に導入する有機色素として好適である。また、フルオレセイン類の中でも、(b)式で表されるものが特に好適である。
Figure 0005487928
Figure 0005487928
一般に、濃度消光により発光低下が生じる量までは、メソ細孔内に導入される有機色素の量(吸着量)が多くなるほど、発光強度が増強される。本発明においては、メソ細孔内に有機色素とアルキル4級アンモニウム塩とを共存させているので、有機色素の吸着量が相対的に少量であっても、発光強度が著しく増強される。高い発光強度を得るためには、メソポーラスシリカ100mg当たりの有機色素の吸着量は、0.001mg/100mg以上が好ましい。有機色素の吸着量は、さらに好ましくは、0.01mg/100g以上である。
一方、メソ細孔内に導入されるアルキル4級アンモニウムは、有機色素の発光強度を増強させる作用だけでなく、有機色素の凝集(すなわち、濃度消光)を抑制する作用もあると考えられている。しかしながら、有機色素の吸着量が過剰になると、やはり濃度消光が起こりうる。従って、有機色素の吸着量は、10mg/100mg以下が好ましい。有機色素の吸着量は、さらに好ましくは、5mg/100mg以下である。
[2. 高輝度発光体の製造方法]
本発明に係る高輝度発光体の製造方法は、メソポーラスシリカ作製工程と、有機色素吸着工程とを備えている。
[2.1 メソポーラスシリカ作製工程]
メソポーラスシリカ作製工程は、メソ細孔内に界面活性剤が充填されたメソポーラスシリカ(前駆体粒子)を作製する工程である。
前駆体粒子は、シリカ原料と、界面活性剤とを含む原料を溶媒中で混合することにより得られる。この時、溶液組成を最適化すると、単分散球状の前駆体粒子が得られる。
中空のメソポーラスシリカは、前駆体粒子を作製する際に、溶液中に空洞形成用粒子を添加することにより得られる。
[2.1.1 シリカ原料]
シリカ原料には、
(1) テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン(シラン化合物)、
(2) トリメトキシシラノール、トリエトキシシラノール、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリエトキシ−3−グリシドキシプロピルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン(シラン化合物)、
(3) ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン等のジアルコキシシラン(シラン化合物)、
(4) メタケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)、オルトケイ酸ナトリウム(Na4SiO4)、二ケイ酸ナトリウム(Na2Si25)、四ケイ酸ナトリウム(Na2Si49)、水ガラス(Na2O・nSiO2、n=2〜4)等のケイ酸ナトリウム、
(5) カネマイト(NaHSi25・3H2O)、二ケイ酸ナトリウム結晶(α、β、γ、δ−Na2Si25)、マカタイト(Na2Si49)、アイアライト(Na2Si817・xH2O)、マガディアイト(Na2Si1417・xH2O)、ケニヤイト(Na2Si2041・xH2O)等の層状シリケート、
(6) Ultrasil(Ultrasil社)、Cab−O−Sil(Cabot社)、HiSil(Pittsburgh Plate Glass社)等の沈降性シリカ、コロイダルシリカ、Aerosil(Degussa−Huls社)等のフュームドシリカ、
などを用いることができる。
また、シリカ原料には、ヒドロキシアルコキシシランも用いることができる。ヒドロキシアルコキシシランとは、アルコキシシランのアルコキシ基の炭素原子にヒドロキシ基(−OH)がついたものをいう。ヒドロキシアルコキシシランとしては、ヒドロキシアルコキシ基を4個有するテトラキス(ヒドロキシアルコキシ)シラン、ヒドロキシアルコキシ基を3個有するトリス(ヒドロキシアルコキシ)シランを用いることができる。
ヒドロキシアルコキシ基の種類及びヒドロキシ基の数は特に制限されないが、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基、2−ヒドロキシプロポキシ基、2,3−ジヒドロキシプロキシ基等のように、ヒドロキシアルコキシ基中の炭素原子の数が比較的少ないもの(炭素数が1〜3程度のもの)が反応性の点から有利である。
テトラキス(ヒドロキシアルコキシ)シランとしては、テトラキス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、テトラキス(3−ヒドロキシプロポキシ)シラン、テトラキス(2−ヒドロキシプロキシ)シラン、テトラキス(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)シラン、などがある。
トリス(ヒドロキシアルコキシ)シランとしては、メチルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、エチルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、フェニルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、3−メルカプトプロピルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、3−アミノプロピルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、3−クロロプロピルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、などがある。
これらのヒドロキシアルコキシシランは、アルコキシシランとエチレングリコールやグリセリンなどの多価アルコールとを反応させることにより合成することができる(例えば、Doris Brandhuber et al., Chem.Mater. 2005, 17, 4262参照)。
これらの中でも、テトラアルコキシシラン及びテトラキス(ヒドロキシアルコキシ)シランは、加水分解により生ずるシラノール結合の数が多くなり、強固な骨格を形成することができるので、シリカ原料として好適である。
なお、これらのシリカ原料は、単独で用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。但し、2種以上のシリカ原料を用いると、前駆体粒子の製造時の反応条件が複雑化する場合がある。このような場合には、シリカ原料は、単独で使用するのが好ましい。
また、前駆体粒子がシリカ以外の金属元素Mの酸化物を含む場合には、シリカ原料に加えて金属元素M1を含む原料を用いる。
金属元素Mを含む原料には、
(1) アルミニウムブトキシド(Al(OC49)3)、アルミニウムエトキシド(Al(OC25)3)、アルミニウムイソプロポキシド(Al(OC37)3)等のAlを含むアルコキシド類、及び、アルミン酸ナトリウム、塩化アルミニウム等の塩類、
(2) チタンイソプロポキシド(Ti(Oi−C37)4)、チタンブトキシド(Ti(OC49)4)、チタンエトキシド(Ti(OC25)4)等のTiを含むアルコキシド、
(3) マグネシウムメトキシド(Mg(OCH3)2)、マグネシウムエトキシド(Mg(OC25)2)等のMgを含むアルコキシド、
(4) ジルコニウムイソプロポキシド(Zr(Oi−C37)4)、ジルコニウムブトキシド(Zr(OC49)4)、ジルコニウムエトキシド(Zr(OC25)4)等のZrを含むアルコキシド、
などを用いることができる。
さらに、Si(又はM1)原子に有機基が結合しているメソポーラスシリカを合成する場合には、有機基を備えた原料を用いる。
例えば、メソ細孔の内壁面にアミノ基を有する有機基を結合させる場合、原料には、アミノ基を有するシラン化合物を用いる。アミノ基を有するシラン化合物の詳細については、上述した通りであるので説明を省略する。
[2.1.2 界面活性剤]
界面活性剤は、粒子内にメソ細孔を形成するための鋳型となる。本発明において、界面活性剤には、アルキル4級アンモニウム塩を用いる。アルキル4級アンモニウム塩の詳細については、上述した通りであるので説明を省略する。
シリカ粒子を合成する場合において、1種類のアルキル4級アンモニウム塩を用いても良く、あるいは、2種以上を用いても良い。しかしながら、アルキル4級アンモニウム塩は、シリカ粒子内にメソ孔を形成するためのテンプレートとなるので、その種類は、メソ孔の形状に大きな影響を与える。より均一なメソ孔を有するシリカ粒子を合成するためには、1種類のアルキル4級アンモニウム塩を用いるのが好ましい。
[2.1.3 空洞形成用粒子]
空洞形成用粒子は、空洞を形成するための鋳型となるものであり、必要に応じて添加される。空洞形成用粒子は、その周囲にシリカを主成分とするシェルを形成することができ、かつ、シェル形成後に容易に除去できるものであれば良い。また、単分散球状の中空粒子を得るためには、空洞形成用粒子もまた単分散球状である必要がある。
空洞形成用粒子としては、例えば、
(1)焼成による分解又は有機溶媒による除去が可能なポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、メラミンホルムアルデヒドなどの高分子コロイド粒子、
(2)塩酸などの酸によって除去可能な炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの塩基性化合物粒子、
などがある。
空洞形成用粒子として高分子コロイド粒子を用いる場合、粒子表面に、シリカ原料の重縮合を促進する機能を有する塩基性の官能基(例えば、アミノ基)を備えたものを用いる。粒子表面にこのような官能基がない場合、粒子表面以外の領域においてシリカが単独で重縮合し、副生成物が得られる。これに対し、表面がこのような官能基で修飾された高分子コロイド粒子を用いると、粒子表面において優先的にシリカ原料の重縮合が進行してシェルとなり、副生成物の生成を抑制することができる。
[2.1.4 溶媒]
溶媒には、水、アルコールなどの有機溶媒、水と有機溶媒の混合溶媒などを用いる。
アルコールは、
(1)メタノール、エタノール、プロパノール等の1価のアルコール、
(2)エチレングリコール等の2価のアルコール、
(3)グリセリン等の3価のアルコール、
のいずれでも良い。
水と有機溶媒の混合溶媒を用いる場合、混合溶媒中の有機溶媒の含有量は、目的に応じて任意に選択することができる。一般に、溶媒中に適量の有機溶媒を添加すると、粒径や粒度分布の制御が容易化する。
[2.1.5 配合比]
一般に、シリカ原料、並びに、必要に応じて添加される金属元素M1を含む原料及び有機基を備えた原料(以下、単に「シリカ源」という)の濃度が低すぎると、シリカ粒子を高収率で得ることができない。また、粒径及び粒度分布の制御が困難となり、粒径の均一性が低下する。従って、シリカ源の濃度は、0.005mol/L以上が好ましい。シリカ源の濃度は、さらに好ましくは、0.008mol/L以上である。
一方、シリカ源の濃度が高すぎると、メソ孔を形成するためのテンプレートとして機能する界面活性剤が相対的に不足し、規則配列したメソ孔が得られない。従って、シリカ源の濃度は、0.03mol/L以下が好ましい。シリカ源の濃度は、さらに好ましくは、0.015mol/L以下である。
一般に、界面活性剤の濃度が低すぎると、メソ孔を形成するためのテンプレートが不足し、規則配列したメソ孔が得られない。従って、界面活性剤の濃度は、0.003mol/L以上が好ましい。界面活性剤の濃度は、さらに好ましくは、0.01mol/L以上である。
一方、界面活性剤の濃度が高すぎると、シリカ粒子を高収率で得ることができない。従って、界面活性剤の濃度は、0.03mol/L以下が好ましい。界面活性剤の濃度は、さらに好ましくは、0.02mol/L以下である。
[2.1.6 反応条件]
シリカ原料として、アルコキシシラン、ヒドロキシアルコキシシラン等のシラン化合物を用いる場合には、これをそのまま出発原料として用いる。
一方、シリカ原料としてシラン化合物以外の化合物を用いる場合には、予め、水(又は、必要に応じてアルコールが添加されたアルコール水溶液)にシリカ原料を加えて、水酸化ナトリウム等の塩基性物質を加える。塩基性物質の添加量は、シリカ原料中のケイ素原子と等モル程度の量とするのが好ましい。シラン化合物以外のシリカ原料を含む溶液に塩基性物質を加えると、シリカ原料中に既に形成されているSi−(O−Si)4結合の一部が切断され、均一な溶液が得られる。溶液中に含まれる塩基性物質の量は、粒子の収量や気孔率に影響を及ぼすので、均一な溶液が得られた後、溶液に希薄酸溶液を加え、溶液中に存在する過剰の塩基性物質を中和させる。希薄酸溶液の添加量は、シリカ原料中のケイ素原子に対して1/2〜3/4倍モルに相当する量が好ましい。
所定量の界面活性剤を含む溶媒中に、シリカ源を加え、加水分解及び重縮合を行う。これにより、界面活性剤がテンプレートとして機能し、シリカ及び界面活性剤を含む前駆体粒子が得られる。また、溶媒中に空洞形成用粒子が含まれる場合には、空洞形成用粒子の表面にシリカ及び界面活性剤を含むシェルが形成された前駆体粒子が得られる。
反応条件は、シリカ原料の種類、前駆体粒子の粒径等に応じて、最適な条件を選択する。一般に、反応温度は、−20〜100℃が好ましい。反応温度は、さらに好ましくは、0〜80℃、さらに好ましくは、10〜40℃である。
[2.2 有機色素吸着工程]
有機色素吸着工程は、メソ細孔内に界面活性剤が充填されたメソポーラスシリカ(前駆体粒子)のメソ細孔内に有機色素を吸着させる工程である。
メソ細孔内への有機色素の導入方法には、種々の方法があり、有機色素の種類に応じて最適な方法を選択することができる。
通常、メソ細孔内に有機色素を導入する場合、有機色素を溶媒に溶解させ、溶液に前駆体粒子を添加することにより吸着させることが多い。この際、(1)最適な溶媒の選択、(2)有機色素の修飾、(3)メソ細孔の修飾、などの方法により、効率よくメソ細孔内に物質を導入することができる場合がある。
例えば、メソポーラスシリカ多孔体の細孔に吸着させる場合、(a)式で表されるフルオレセイン類を溶解させる溶媒には、THF、酢酸エチル、ベンゼンとエタノールの混合溶媒などを用いるのが好ましい。これは、色素の溶解度が高い溶媒を用いた場合には、細孔への導入が困難になるため、溶解性を落とした溶媒で溶解させることが必要であるためである。
有機色素を吸着させた後、乾燥させると、本発明に係る高輝度発光体が得られる。得られた高輝度発光体は、一般に、樹脂などの支持体中に分散させた状態で使用される。高輝度発光体が単分散球状である場合には、支持体中において高輝度発光体を規則配列させることもできる。
[3. 高輝度発光体及びその製造方法の作用]
有機色素は、一般に、周囲の環境を受けやすい。程度の差はあるが、有機色素の発光特性は、疎水雰囲気で向上する傾向にある。また、フェノール基を有する有機色素は、発光特性の高いものが多い。特に、(a)式で表されるフルオレセイン類は、現在使われている色素の中でも最も明るい。このフェノール基を有する有機色素は、高pH領域において蛍光が増大することが指摘されている。これは、高pHでは、分子内に存在するフェノール基のプロトンが解離して、電子系が伸びるためと考えられる。
メソポーラスシリカのメソ細孔内にアルキル4級アンモニウム塩と、フェノール基を有する有機色素を共存させると、発光強度が著しく増強される。これは、以下の理由によると考えられる。
すなわち、界面活性剤のないメソポーラスシリカのメソ細孔内は、OH基があるため、どちらかといえば親水的である。一方、メソ細孔内にアルキル4級アンモニウム塩がある場合、細孔内は、高pH、かつ、疎水的になる。その結果、有機色素の濃度が低い場合であっても、有機色素の発光強度が増強されると考えられる。
また、メソ細孔内にアルキル4級アンモニウム塩が存在することによって、メソ細孔内に導入された有機色素の凝集も抑制される。その結果、有機色素を高濃度に導入した場合であっても、濃度消光が抑制されると考えられる。
また、有機色素は、メソ細孔内に保持さるため、バルク状態よりも安定性が向上する。さらに、メソ細孔内には、アルキル4級アンモニウム塩が存在し、疎水的環境を提供するため、有機色素の安定性がさらに向上する。
また、ホストのメソポーラスシリカは、粒径を任意にコントロールできるので、用途に応じた粒径を持つ粒子の提供が可能である。また、粒径に加えて形状や単分散度もコントロールできるので、粒径の異なる単分散球状粒子の提供も可能である。その結果、光学特性の異なる高輝度発光体を提供することができる。
例えば、散乱を低下したい場合には、粒径を小さく(100〜200nm程度)すれば良い。一方、後方への散乱のみを低下し、可視光の波長範囲の内、短波長散乱を増強するためには(Mie散乱)、粒子径を0.5〜1μm程度に調整すれば良い。粒径による散乱の制御と輝度の調整は全く別にコントロールできるため、散乱を自在にコントロール可能であり、発光体として幅広い用途への使用が期待される。
さらに、メソポーラスシリカが球状単分散である場合には、高輝度発光体のパッキング性及び分散性が向上する。そのため、高輝度発光体を支持体中に分散させたときには、場所によらず輝度を均一化させることができる。
(実施例1〜9、比較例1〜4)
[1. 試料の作製]
[1.1. メソポーラスシリカ(ホスト)の合成]
[1.1.1. ホスト1]
16TMACl(セチルトリメチルアンモニウムクロリド):7.04gを室温下、水:958.3g、メタノール:400g、エタノール:240gの混合溶液に溶解させた。1規定の水酸化ナトリウム:1.71gを加えてさらに攪拌を続けた。これにテトラキス(3−ヒドロキシプロポキシ)シラン:3.6mLを添加したところ、数分内に溶液が白色化して粒子が生成した。翌日に、ろ過、洗浄を繰り返し、乾燥させることにより、球状メソポーラスシリカ(ホスト1)を得た。
得られたホスト1をSEMで観察したところ、粒子径250nmの非常に単分散性の高い球状粒子であることがわかった。
[1.1.2. ホスト2]
16TMACl(セチルトリメチルアンモニウムクロリド):35.2gを室温下、水:4312g、メタノール:3580gの混合溶媒に溶解させた。1規定の水酸化ナトリウム:8.55gを加えてさらに攪拌を続けた。予め混合したTMOS(テトラメチルオルトシリケート):25gと3−アミノプロピルメトキシシラン:5g(メソポーラスシリカ骨格中のSi原子の10mol%相当)を添加したところ、数分内に溶液が白色化して粒子が生成した。翌日に、ろ過、洗浄を繰り返し、乾燥させることにより、球状メソポーラスシリカ(ホスト2)を得た。
得られたホスト2をSEMで観察したところ、粒子径220nmの非常に単分散性の高い球状粒子であることがわかった。
[1.1.3. ホスト3]
16TMACl:3.52gを室温下、水:534.9g、エタノール:264gの混合溶液に溶解させた。1規定の水酸化ナトリウム:1.14gを加えてさらに攪拌を続けた。これにテトラキス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン:2mLを添加したところ、数分内に溶液が白色化して粒子が生成した。翌日に、ろ過、洗浄を繰り返し、乾燥させることにより、球状メソポーラスシリカ(ホスト3)を得た。
得られたホスト3をSEMで観察したところ、粒子径180nmの非常に単分散性の高い球状粒子であることがわかった。
[1.1.4. ホスト4]
16TMACl:3.52gを室温下、水:479.4g、メタノール:80g、エタノール:240gの混合溶液に溶解させた。1規定の水酸化ナトリウム:0.57gを加えてさらに攪拌を続けた。これにテトラキス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン:2mLを添加したところ、数分内に溶液が白色化して粒子が生成した。翌日に、ろ過、洗浄を繰り返し、乾燥させることにより、球状メソポーラスシリカ(ホスト4)を得た。
得られたホスト4をSEMで観察したところ、粒子径320nmの非常に単分散性の高い球状粒子であることがわかった。
[1.1.5. ホスト5]
16TMACl:35.2gを室温下、水:3726g、メタノール:4210gの混合溶液に溶解させた。1規定の水酸化ナトリウム:34.2gを加えてさらに攪拌を続けた。これにTMOS:26.4gを添加したところ、数分内に溶液が白色化して粒子が生成した。翌日に、ろ過、洗浄を繰り返し、乾燥させることにより、球状メソポーラスシリカ(ホスト5)を得た。
得られたホスト5をSEMで観察したところ、粒子径810nmの非常に単分散性の高い球状粒子であることがわかった。
[1.2. 有機色素の吸着]
[1.2.1. 実施例1]
フルオレセイン548(2'、7'−ジクロロ−3'、6'−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H)、9'−[9H]キサンテン]−3−オン)をTHFに溶解させ(4mM)、色素溶液とした。40mgのホスト1に色素溶液800μLを加えて、一晩攪拌した。遠心分離によって上澄みを除去し、THFで洗浄してメソ細孔外の色素を除去した。色素を吸着させたホスト1を室温で乾燥させることで実施例1の発光体粒子を得た。
[1.2.2. 実施例2〜6]
フロオレセイン548をエタノールに溶解させ(2、4、6、8、10mM)、色素溶液とした。40mgのホスト2に色素溶液800μLを加えて、一晩攪拌した。遠心分離によって上澄みを除去し、エタノールで洗浄してメソ細孔外の色素を除去した。色素を吸着させたホスト2を室温で乾燥させることで、実施例2〜6の発光体粒子を得た。
[1.2.3. 実施例7〜9]
フロオレセイン548をエタノールに溶解させ(6mM)、色素溶液とした。40mgのホスト3(実施例7)、ホスト4(実施例8)又はホスト5(実施例9)に色素溶液800μLを加えて、一晩攪拌した。遠心分離によって上澄みを除去し、エタノールで洗浄して細孔外のメソ色素を除去した。色素を吸着させたホスト3を室温で乾燥させることで、実施例7〜9の発光体粒子を得た。
[1.2.4. 比較例1]
ホスト1を500℃で焼成し、界面活性剤が除去された多孔体粒子を得た。10mgのフルオレセイン548を2.5mLのエタノールに溶解させ(10mM)、色素溶液とした。色素溶液に多孔体粒子100mgを分散させた。エバポレータでゆっくりと溶媒を蒸発させることで、多孔体のメソ細孔内に色素を担持させた(比較例1)
[1.2.5. 比較例2]
ホスト1を500℃で焼成し、界面活性剤が除去された多孔体粒子を得た。フルオレセイン548をベンゼン/エタノール混合溶媒(8/2)に溶解させ(4mM)、色素溶液とした。40mgの多孔体粒子に色素溶液800μLを加えて、一晩攪拌した。遠心分離により上澄みを除去し、混合溶媒で洗浄してメソ細孔外の色素を除去した。色素を吸着させた多孔体粒子を室温で乾燥させることで、比較例2の発光体粒子を得た。
[1.2.6. 比較例3]
ホスト2を塩酸/エタノール溶媒に分散させ、60℃で3時間攪拌を行うことで界面活性剤を抽出し、アミノ基含有多孔体粒子を得た。フルオレセイン548をTHFに溶解させ(4mM)、色素溶液とした。40mgのアミノ基含有多孔体粒子に色素溶液800μLを加えて、一晩攪拌した。遠心分離によって上澄みを除去し、THFで洗浄したメソ細孔外の色素を除去した。色素を吸着させたアミノ基含有多孔体粒子を室温で乾燥することで、比較例3の発光体粒子を得た。
[1.2.7. 比較例4]
ホスト2を塩酸/エタノール溶媒に分散させ、60℃で3時間攪拌を行うことで界面活性剤を抽出し、アミノ基含有多孔体粒子を得た。フルオレセイン548を酢酸エチルに溶解させ(4mM)、色素溶液とした。40mgのアミノ基含有多孔体粒子に色素溶液800μLを加えて、一晩攪拌した。遠心分離によって上澄みを除去し、酢酸エチルで洗浄したメソ細孔外の色素を除去した。色素を吸着させたアミノ基含有多孔体粒子を室温で乾燥することで、比較例4の発光体粒子を得た。
[2. 試験方法及び結果(1):発光強度]
[2.1. 発光強度の試験方法]
サンプル厚がほぼ同一となるように石英製のセル内に発光体粒子を充填し、圧粉した。得られたサンプルを用いて、発光スペクトルを測定した。発光スペクトルの測定には、日本分光(株)製の分光蛍光光度計(FP−6500ST)を用いた。励起光源には、タングステンランプを用いた。
[2.2. 結果]
[2.2.1. 実施例1及び比較例1〜4]
図1に、実施例1及び比較例1〜4で得られた発光体粒子の発光スペクトルを示す。但し、実施例1のみ、検出感度を1/10に下げて測定した。また、表1に、フルオレセイン548のメソ細孔への吸着量(メソポーラスシリカ100mg当たりの色素吸着量(mg/100mg))と、図1のピーク波長における発光強度を示す。但し、表1中、実施例1については、発光強度を10倍して表示した。
Figure 0005487928
発光体の輝度を上げるためには、メソ細孔内に導入する発光物質量を増加する方法が一般的である。しかしながら、フルオレセインは、シリカのメソ細孔への導入が難しい。色素の溶解性を下げた混合溶媒(ベンゼン/エタノール)を用いても、吸着量は、0.29mg/100mgであった(比較例2)。
エバポレータにより強制的にメソ細孔に色素を導入した場合(比較例1)、吸着量は増加したが、濃度消光の影響でほとんど発光しなかった。シリカ骨格にアミノ基を導入することでフルオレセインの吸着特性は向上するが(比較例3、4)、逆に発光特性は、比較例2より低かった。
一方、実施例1では、他の粒子を凌駕する発光特性を示した。フルオレセイン導入量は低いが、発光体粒子の輝度が非常に高いことがわかった。
[2.2.2. 実施例2〜6]
表2に、実施例2〜6で得られた発光体粒子のフルオレセイン吸着量(mg/100mg)を示す。また、図2に、実施例2〜6で得られた発光体粒子の発光スペクトルを示す。なお、500nmで励起しても発光特性は大きく変化しなかったので、図2には520nm励起の結果を示した。また、図1で用いた検出感度(比較例と同じ検出感度)では発光ピークがすべて振り切れてしまい測定できなかったので、検出感度を図1の1/10(実施例1と同じ検出感度)に落として測定した。
Figure 0005487928
フルオレセイン濃度の高い実施例5、6では、かろうじてピークが検出されたが、実施例2〜4は、発光ピークが振り切れてしまい、非常に高輝度な発光体であることがわかった。比較例2と実施例6とを比べると、実施例6のフルオレセイン吸着量は、比較例2の10倍であるが、実施例6の発光スペクトル強度は、比較例2の10倍以上であった。つまり、界面活性剤が共存することで濃度消光が生じにくく、発光強度も著しく増強されることがわかった。
実施例2〜6の発光体粒子の蛍光励起スペクトルを測定したところ、いずれの発光体粒子も400nm以上で強い吸収ピークを示した。400〜500nmの波長域の光を良く吸収するため、この範囲で励起する用途に最適であることがわかった。粉末状態で量子収率を測定したところ、実施例4の発光体粒子は0.72と非常に大きな値を示した。
[3. 試験方法及び結果(2):白色LED用蛍光体としての特性評価]
半導体材料からなる発光素子(以下、「LEDチップ」とも言う)は、小型で電力効率が良く、鮮やかに発色し、消費電力が低い、という優れた特徴を有するため、各種光源への応用が期待されている。特に、白色光を出す発光装置が開発され、注目が集まっている。具体的には、白色光を発するために、LEDチップ表面に蛍光体を含む波長変換層を設けた発光装置が提案されている。
例えば、nGaN系材料を使った青色LEDチップ上に、(Y、Gd)3(Al、Ga)512の組成式で表されるYAG系蛍光体を含む波長変換層を形成した発光装置では、LEDチップから青色光が放出され、波長変換層で青色光の一部が黄色光に変化する。そのため、青色と黄色の光が混色し、白色を呈する。
本発明に係る発光体は、青色LEDの発光領域である波長440〜480nmの光を十分に吸収可能であり、かつ輝度の高い黄色蛍光体であるため、以下、白色LED用材料としての特性評価を行った。
[3.1. 試験方法]
[3.1.1. 量子収率]
実施例6で得られた発光体粒子をエポキシ樹脂に混合し(0.5〜10wt%)、1時間攪拌して分散液とした。分散液15μLをマイクロピペットで秤量し、石英基板上に塗布した。さらに、石英基板を100℃に加熱し、石英基板上の分散液を固化させ、エポキシ樹脂混合膜を得た。得られたエポキシ樹脂混合膜に励起光を照射し、量子収率を測定した。
[3.1.2. 色度座標値]
本発明に係る発光体を白色LEDに応用する際には、励起光と発光体からの発光とを混合し、取り出し光を白色にすることが必要である。本発明では、白色LED用材料としての特性を、量子収率測定時に得られる発光色の色度座標値にて評価した。
ここで、「色度座標値」とは、国際照明委員会(CommissionInternationaledl' Eclairage(CIE) )が1931年に定義したスペクトル三刺激純値に基づくXY座標値をいう。
[3.2. 結果]
表3に、460nmの波長で励起したエポキシ樹脂混合膜の量子収率を示す。エポキシ樹脂中のメソポーラスシリカ(MMSS)量(及び、これに伴う色素量)の増加に伴い、量子収率が向上した。色度点は、色度図上の青色領域から白色領域に変化し、10wt%のサンプルで白色領域に達した。
Figure 0005487928
そこで、さらにMMSS(色素)量を増加させ、色度図上での変化を確認した。MMSS含有量は、10〜40wt%とした。図3に、実施例6の粒子を含むエポキシ樹脂混合膜を460nmの波長で励起して測定した色度点変化を示す。なお、図3中、MMSS含有量は、左から10、15、20、25、30、40である。
青色の波長を持つ光で励起した時に、発光体からの発光色の色度座標値が図3の円枠(白色光を示す)に位置することにより、その発光により照射された物体は、反射光が太陽光(昼光)により照らされた物体色に近いスペクトルを有することを示す。
図3から明らかなように、本発明に係る発光体を含むエポキシ樹脂混合膜は、発光色がいずれも白色枠内に収まるため、白色LED用材料としての特性を備えていることがわかる。その座標を数値で表すと、(X、Y)=(0.23、0.22)、(0.26、0.24)、(0.30、0.27)、(0.29、0.25)、(0.34、0.27)、(0.36、0.32)である。
図4に、エポキシ樹脂混合膜(粒子濃度10wt%以上)中の色素量と量子収率との関係を示す。なお、図4には、フルオレセインのみをエポキシ樹脂に混合した膜の結果も併記した。また、図4中、色素量とは、エポキシ樹脂混合膜100g当たりの色素量(g/100gサンプル)を言う。
実施例6の発光体粒子を用いたエポキシ樹脂混合膜では、色素量が0.05g/1000g(発光体粒子濃度40wt%に相当)でも全く量子収率は変化せず、成膜後も濃度消光は生じていない。
一方、色素をそのまま製膜した場合、色素量が0.03g/100g(発光体粒子濃度に換算して20wt%に相当)以上で量子収率は低下した。色素量が0.055g/100g(発光体粒子濃度に換算して40wt%)である膜の量子収率は、色素量0.015g/100g(発光体粒子濃度に換算して10wt%)である膜の1/2程度まで悪化した。
[4. 試験方法及び結果(3):耐久性評価]
[4.1. 試験方法]
上記の要領で、実施例6で得られた発光体粒子を含むエポキシ樹脂混合膜(粒子濃度20wt%)を作製した。このエポキシ樹脂混合膜に光を照射し、耐久性評価を行った。パワーメーターで照射強度を調整し、450nmの波長の光を所定時間照射し、蛍光スペクトル測定を行った。蛍光スペクトルの強度変化から劣化率(=I×100/I0。I0は、発光強度の初期値、Iは光照射後の発光強度。)を算出した。
なお、測定は、膜の厚みによる誤差を考慮して、1つの測定点に対して5回の測定を繰り返し、5回の測定値の平均値を用いた。
[4.2. 結果]
図5に、実施例6で得られた発光体粒子を含むエポキシ樹脂混合膜(粒子濃度20wt%)の耐久性評価の結果を示す。なお、図5には、色素のみを含むエポキシ樹脂混合膜(色素量0.03g/100g)の結果も併せて示した。
図5より、色素のみでは光照射により発光が大きく低下していき、色素の光劣化が進むことがわかる。一方、実施例6の粒子を用いた場合には、ほとんど光劣化が進行せず、耐久性が向上していることがわかる。
[5. 試験方法及び結果(4):無機蛍光体YAG・Ceとの比較]
[5.1 試験方法]
市販のYAG・Ce(数μm〜数十μm)を乳鉢→ボールミルで粉砕し、試験に用いた(比較例5)。実施例6で得られた発光体粒子及び粉砕後のYAG・Ce粉末を用いて、蛍光スペクトルを測定した。
[5.2. 結果]
460nm励起の場合、両者の蛍光スペクトル強度は、ほぼ等しかった。一方、最大励起波長で励起した場合(YAG・Ce:460nm、実施例6:500nm)、実施例6の粒子の発光強度は、YAG・Ceの2倍以上と非常に高輝度であった。
[6. 試験方法及び結果(5):膜の均質性]
[6.1 試験方法]
実施例6〜9で得られた発光体粒子をエポキシ樹脂に10wt%の割合で混合し、1時間攪拌して分散液とした。得られた分散液を石英基板上にスピンコート(200〜1000rpm)した。スピンコートは、基板一面に均質膜が形成されるまで数回繰り返し、積層膜を作製した。
また、[5.]で作製したYAG・Ce粉砕粉についても同様にして、スピンコートを複数回繰り返して積層膜を作製した。
得られた積層膜について、顕微鏡観察及び発光スペクトルの測定を行った。
[6.2. 結果]
実施例6で得られた発光体粒子は、単分散球状で粒子分散性に優れているため、スピンコートにより均一な積層膜を容易に形成することができた。
図6左図に、4回スピンコートを繰り返した積層膜の顕微鏡写真を示す。図6より、膜全面に渡って鮮やかな黄色を呈し、膜の均質性が高いことが示唆される。また、図7に、この積層膜のSEM写真(図7(a):低倍率、図7(b):高倍率)を示す。図7より、粒子がほぼ最密充填に近い配列構造を示し、容易に緻密でパッキング性に優れた均質膜が得られることがわかる。
一方、YAG・Ce粉砕粉を用いた積層膜の場合、実施例6の発光体粒子をエポキシ樹脂中に10wt%濃度で混合したときの色素量と同じになるようにYAG・Ce量を調整しても、YAG・Ce積層膜は、ほとんど発光しなかった。
よって、実施例6の発光体粒子量=YAG・Ce量の条件で分散液を調製して、スピンコートにより製膜した。図6右図に、スピンコートを2回繰り返した積層膜の光学顕微鏡写真を示す。2回積層しただけでも膜は非常に不均一であり、さらに積層すると、不均質性が助長された。
図8(a)に、YAG・Ce積層膜の発光スペクトルを示す。また、図8(b)、図9(a)及び図9(b)に、実施例7〜9で得られた発光体粒子を含む積層膜の発光スペクトルを示す。図8及び図9には、測定場所を変えて測定した結果(YAG・Ce:4箇所、実施例7〜9:3箇所)が示されている。
YAG・Ce積層膜は、場所によるバラツキが非常に大きく、膜の均一性が低かった。一方、実施例7〜9の積層膜は、ホストの粒径には無関係に非常に均質性の高い積層膜が得られることがわかった。
以上の結果から、実施例7〜9で得られた発光体粒子を用いると、単分散球状という特性を反映して、樹脂などに混合しても非常に分散性が高く、均質膜が得られることがわかった。すなわち、実施例7〜9で得られた発光体粒子を用いると、輝度の均一性の高い発光層を容易に作製できることがわかった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る高輝度発光体は、室内照明用光源、カラー液晶ディスプレイなどの画像表示装置用バックライト、信号機、白色LED用蛍光体等に用いることができる。

Claims (5)

  1. メソ細孔を有するメソポーラスシリカ(蛍光又は燐光を示す有機分子を含む有機ケイ素化合物の重合体を除く)と、
    前記メソ細孔内に導入されたアルキル4級アンモニウム塩と、
    前記メソ細孔内に導入されたフェノール基を有する有機色素と
    を備えた高輝度発光体。
  2. 前記メソポーラスシリカは、アミノ基を有するシラン化合物が前記メソ細孔の内壁面に結合している請求項1に記載の高輝度発光体。
  3. 前記メソポーラスシリカは、球状であり、(1)式から求められる単分散度が10%以下である請求項1又は2に記載の高輝度発光体。
    単分散度=(粒子径の標準偏差)×100/(粒子径の平均値) ・・・(1)
  4. 前記メソポーラスシリカは、平均粒子径が0.1〜1.5μmである請求項1から3までのいずれかに記載の高輝度発光体。
  5. 前記有機色素は、次の(a)式で表されるフルオレセイン類である請求項1から4までのいずれかに記載の高輝度発光体。
    Figure 0005487928
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