JP2011063482A - 金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカ - Google Patents

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Abstract

【課題】粒子内部にAuナノ粒子を導入することが容易であり、しかも、粒子表面にAuナノ粒子が析出するおそれの少ない金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカを提供すること。
【解決手段】以下の構成を備えた金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカ。(1)前記金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカは、コアと、前記コアを被覆する少なくとも1層のシェルとを備えたコアシェル型単分散球状メソポーラスシリカと、前記コアのメソ細孔内に担持されたAuナノ粒子とを備えている。(2)前記コアは、メソ細孔の内壁面にメルカプトアルキル基が結合している単分散球状メソポーラスシリカからなる。(3)前記シェルの少なくとも1層は、メソ細孔の内壁面に有機官能基が結合しているメソポーラスシリカからなる。
【選択図】図6

Description

本発明は、金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカに関し、さらに詳しくは、コアのメソ細孔内にAuナノ粒子を安定して担持させることができ、Auナノ粒子のメソ細孔外での析出を抑制することが可能な金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカに関する。
界面活性剤を鋳型に用いてテトラエトキシシラン、テトラメトキシシランなどのテトラアルコキシシランを縮重合させると、規則的に配列したメソ細孔を有するシリカ(いわゆる、「メソポーラスシリカ」)が得られる。また、合成条件を最適化すると、単分散球状メソポーラスシリカや、単分散メソポーラスシリカからなるコアの表面にメソポーラスシリカからなるシェルが被覆されたコアシェル型粒子が得られる。
このようなメソポーラスシリカは、規則的に配列したメソ細孔を有しており、しかも、合成条件によってメソ細孔の大きさをある程度制御できるという特徴がある。そのため、メソ細孔内に種々の物質を担持させることができる。また、担持させた物質とメソポーラスシリカとの相互作用により、新たな機能が発現する可能性があると考えられている。そのため、この種の材料に関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、
(1)セチルトリメチルアンモニウムクロライド及び水酸化ナトリウムを溶解させた溶液に、テトラメチルオルトシリケート(TMOS)及び3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTMS)をモル比で1:xとなるように加えて8時間攪拌し、混合物を1晩熟成し、析出物をろ過・洗浄し、析出物から界面活性剤を抽出することにより得られるチオール修飾ナノポーラス球状シリカ(SH(x)−SS)、及び、
(2)SH(x)−SSをHAuCl4溶液に加えて室温で30分間攪拌し、固体試料をろ過・洗浄し、処理後のSH(x)−SSを5%H2−N2気流中において773Kで2時間アニールし、引き続き20%O2−N2気流中において773Kで2時間アニールすることにより得られるAuナノ粒子内包球状粒子、
が開示されている。
同文献には、
(a)希薄溶液中でTMOSとMPTMSとを共縮重合させることにより、単分散性の高いSH(x)−SSが得られ、しかもxの値によらず単分散球状形状が保持される点、
(b)チオール基を持たない単分散球状メソポーラスシリカ(MMSS)をホストに用いても細孔内にAuナノ粒子を内包させることはできないが、SH(x)−SSをホストに用いると、細孔内にAuナノ粒子を導入することができる点、及び、
(c)Auナノ粒子内包球状粒子において、大半のAu粒子はシリカ粒子の内部にあるが、一部のAu粒子は表面にある点、
が記載されている。
また、特許文献1には、
(1)ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド及び水酸化ナトリウムを溶解させた溶液に、TMOS及びMPTMSを添加し、溶液内にコア粒子を析出させ、
(2)コア粒子が析出した溶液内に、さらにTMOSを追添加し、コア粒子の周囲にシェルを析出させ、界面活性剤を抽出することによりコアシェル型球状シリカ系メソ多孔体を作製し、
(3)コアシェル型球状シリカ系メソ多孔体の分散液に塩化白金酸を加えて攪拌し、吸引ろ過によって粒子を得、得られた粒子をpH2.4の水で洗浄し、真空乾燥させる、
ことにより得られるAu粒子内包コアシェル型粒子が開示されている。
同文献には、このような方法により、球状粒子の内側にのみ、Auが導入される点が記載されている。
さらに、特許文献2には、
(1)ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド及び水酸化ナトリウムを含む塩基性溶液に、TEOS及びMPTMSを加えてコア粒子を析出させ、
(2)コア粒子が析出した溶液内に、さらにTMOS及びフェニルトリメトキシシラン(PhTMS)を添加し、コア粒子の外側にシェル層を形成し、
(3)得られた多孔体前駆体粒子から界面活性剤を抽出することにより、コア粒子が3−メルカプトアルキル基で修飾され、シェル層がフェニル基で修飾されたコアシェル型シリカ系メソ多孔体とし、
(4)コアシェル型シリカ系多孔体を過酸化水素で処理し、メルカプト基をスルホン酸基に変換する、
ことにより得られるコアシェル型球状シリカ系メソ多孔体が開示されている。
同文献には、このような方法により、階層状に異なる有機基で修飾されたメソ細孔を有し、同一粒子内における細孔の部位によって異なる性質を発揮させることが可能なコアシェル型球状シリカ系粒子が得られる点が記載されている。
特開2006−347849号公報 特開2008−127405号公報
T.Nakamura et al., J.Mater.Chem., 2007, 17, 3726-3732
金属ナノ粒子において、プラズモン(自由電荷の集団振動)は、表面に局在する。金コロイドなどの貴金属ナノ粒子は、この表面プラズモンと光の電場とが相互作用を起こし、特定の波長の光を吸収することが知られている。このような現象は、表面プラズモン共鳴と呼ばれている。
メソポーラスシリカのメソ細孔内にこのようなAuナノ粒子を担持させると、表面プラズモン共鳴を観測できる。また、Auナノ粒子の周囲に、ある種の発光色素を存在させると、発光増強(プラズモン増強)が起きることが知られている。
このような金粒子内包メソポーラスシリカを光学的な用途に用いるためには、Auナノ粒子は、メソ細孔内に担持されているのが好ましいと考えられる。しかしながら、非特許文献1に記載されているように、SH(x)−SSのメソ細孔内にAuCl4 -イオンを吸着させ、これをAuナノ粒子に還元する方法では、Auナノ粒子の一部がメソポーラスシリカの表面に析出するという問題があった。この点は、特許文献1に記載されているコアシェル型粒子をホストに用いた場合も同様である。
本発明が解決しようとする課題は、粒子内部にAuナノ粒子を導入することが容易であり、しかも、粒子表面にAuナノ粒子が析出するおそれの少ない金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカは、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカは、
コアと、前記コアを被覆する少なくとも1層のシェルとを備えたコアシェル型単分散球状メソポーラスシリカと、
前記コアのメソ細孔内に担持されたAuナノ粒子と
を備えている。
(2)前記コアは、メソ細孔の内壁面にメルカプトアルキル基が結合している単分散球状メソポーラスシリカからなる。
(3)前記シェルの少なくとも1層は、メソ細孔の内壁面に有機官能基が結合しているメソポーラスシリカからなる。
メルカプトアルキル基を備えた単分散球状メソポーラスシリカからなるコアの周囲にメソポーラスシリカからなるシェルを形成する場合において、シェルの原料として有機官能基を備えたもの(例えば、プロピルトリメトキシシラン)を用いると、メソ細孔の内壁面に有機官能基が結合しているメソポーラスシリカからなるシェルが得られる。
シェルのメソ細孔内の有機官能基は、Auイオンがコアに拡散するのを妨げない。一方、この有機官能基は、Auイオンが還元することにより生成したAuナノ粒子が粒子表面に移動するのを妨げる立体障害となる。そのため、このようなコアシェル型単分散球状メソポーラスシリカをホストに用いると、コア内部にAuナノ粒子を容易に導入することができ、しかも、コアシェル型粒子表面へのAuナノ粒子の析出を抑制することができる。
本発明に係る金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカの概略構成図である。 実施例5(図2(A))、実施例10(図2(B))、及び、実施例11(図2(C))で得られたコアシェル型単分散球状メソポーラスシリカのSEM写真である。 実施例24(図3(A))、実施例25(図3(B))、実施例26(図3(C))、及び、実施例27(図3(D))で得られた金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカのTEM写真である。 シェル原料の追添加量と距離(シェルの厚さ)との関係を示す図である。 シェル原料の追添加量と、金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカの可視紫外吸収スペクトルのピーク位置との関係を示す図である。 Fluoro1555を担持した金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカの発光強度の還元温度及びシリカ依存性を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカ]
本発明に係る金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカは、コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカと、Auナノ粒子とを備えている。コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカは、コアと、コアを被覆する少なくとも1層のシェルとを備えている。さらに、Auナノ粒子は、コアのメソ細孔内に担持されている。
[1.1. コア]
コアは、メソ細孔の内壁面にメルカプトアルキル基が結合している単分散球状メソポーラスシリカからなる。
[1.1.1. 組成]
コアは、単分散球状メソポーラスシリカからなる。コアは、シリカのみからなるものでも良く、あるいは、シリカを主成分とし、シリカ以外の金属元素M'の酸化物を含んでいても良い。金属元素M'は、特に限定されるものではないが、2価以上の金属アルコキシドを製造可能なものが好ましい。金属元素M'が2価以上の金属アルコキシドを製造可能なものである場合、金属元素M'の酸化物を含む球状粒子を容易に製造することができる。このような金属元素M'としては、具体的には、Al、Ti、Mg、Zrなどがある。
コア中のシリカの含有量は、50wt%以上が好ましく、さらに好ましくは、80wt%以上である。
[1.1.2. 形状]
コアは、単分散で、かつ球状の中実粒子からなる。
本発明において、「単分散」とは、(1)式で表される単分散度(CV値)が10%以下であることをいう。
単分散度=(粒子径の標準偏差)×100/(粒子径の平均値) ・・・(1)
後述する方法を用いると、単分散度が10%以下、あるいは、5%以下である単分散球状メソポーラスシリカが得られる。また、このような単分散球状メソポーラスシリカをコアに用いると、単分散度が10%以下、あるいは、5%以下である単分散球状のコアシェル型粒子が得られる。
「球状」とは、同一条件下で製造された複数個(好ましくは、20個以上)の粒子を顕微鏡観察した場合において、各粒子の真球度の平均値が、13%以下であることをいう。また、「真球度」とは、各粒子の外形の真円からのずれの程度を表す指標であって、粒子の表面に接する最小の外接円の半径(r)に対する、外接円と粒子表面の各点との半径方向の距離の最大値(Δrmax)の割合(=Δrmax×100/r(%))で表される値をいう。後述する方法を用いると、真球度が7%以下、あるいは、3%以下である単分散球状メソポーラスシリカ、あるいはこれをコアに用いたコアシェル型粒子が得られる。
[1.1.3. メソ細孔]
コアは、メソ細孔を持つ。後述する方法を用いて単分散球状メソポーラスシリカを製造する場合において、界面活性剤の種類、添加量などを最適化すると、メソ細孔を規則配列させることができる。
また、メソ細孔の大きさは、界面活性剤の分子長、並びに、後述するメルカプトアルキル基の種類及び量を最適化することにより、1〜50nmの範囲で制御することができる。
単分散球状メソポーラスシリカは、メソ細孔を有するため、比表面積が極めて大きい。後述する方法を用いると、BET比表面積が800m2/g以上、あるいは、1000m2/g以上である単分散球状メソポーラスシリカが得られる。後述するAuナノ粒子は、単分散球状メソポーラスシリカのメソ細孔内に導入される。
[1.1.4. 平均粒子径]
単分散球状メソポーラスシリカの平均粒子径は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。後述する方法を用いると、平均粒子径が0.1〜1.5μmである単分散球状メソポーラスシリカが得られる。
[1.1.5. メルカプトアルキル基]
メルカプトアルキル基は、コアのメソ細孔の内壁面に結合している。メソ細孔の内壁面にメルカプトアルキル基を導入すると、メソ細孔内へのAuイオンの導入が容易化する。
「メルカプトアルキル基」とは、アルキル基の末端にメルカプト基(−SH)が結合している官能基をいう。アルキル基は、直鎖状でも良く、あるいは、分岐状でも良い。コアには、1種類のメルカプトアルキル基が含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。
メルカプトアルキル基の炭素数は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。
メルカプトアルキル基の炭素数が多くなりすぎると、細孔が小さくなり、金粒子原料が入りにくくなるという問題がある。従って、メルカプトアルキル基の炭素数は、18以下が好ましい。メルカプトアルキル基の炭素数は、さらに好ましくは、9以下、さらに好ましくは、3以下である。
メルカプトアルキル基は、特に、メルカプトプロピル基が好ましい。
コアに含まれるメルカプトアルキル基の量は、目的に応じて最適な量を選択する。一般に、メルカプトアルキル基の量が多くなるほど、メソ細孔内へのAuナノ粒子の導入が容易化する。メルカプトアルキル基の量は、具体的には、コアに含まれる金属原子Mc(=Si原子+Si以外の金属原子M')の1モル%以上が好ましい。メルカプトアルキル基の量は、さらに好ましくは、金属原子Mcの3モル%以上、さらに好ましくは、5モル%以上である。
一方、メルカプトアルキル基の量が過剰になると、細孔が小さくなるという問題がある。従って、メルカプトアルキル基の量は、コアに含まれる金属原子Mcの30モル%以下が好ましい。メルカプトアルキル基の量は、さらに好ましくは、金属原子Mcの20モル%以下、さらに好ましくは、15モル%以下である。
コアに2種以上のメルカプトアルキル基が含まれる場合、メルカプトアルキル基全体の量が上述した範囲にあるのが好ましい。
[1.2. シェル]
シェルは、コアの周囲に形成される。コアは、1層のシェルで被覆されていても良く、あるいは、組成の異なる2層以上のシェルで被覆されていても良い。
[1.2.1. 組成]
シェルは、メソポーラスシリカからなる。シェルは、シリカのみからなるものでも良く、あるいは、シリカを主成分とし、シリカ以外の金属元素M"の酸化物を含んでいても良い。金属元素M"は、特に限定されるものではないが、2価以上の金属アルコキシドを製造可能なものが好ましい。金属元素M"が2価以上の金属アルコキシドを製造可能なものである場合、金属元素M"の酸化物を含むシェルを容易に製造することができる。このような金属元素M"としては、具体的には、Al、Ti、Mg、Zrなどがある。
シェル中のシリカの含有量は、50wt%以上が好ましく、さらに好ましくは、80wt%以上である。コアの周囲に複数層のシェルを形成する場合、各シェルの組成は、互いに同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。
[1.2.2. 有機官能基]
コアを被覆する少なくとも1層のシェルは、メソ細孔の内壁面に有機官能基が結合しているメソポーラスシリカからなる。コアを被覆するシェルが複数層ある場合、いずれか1層又は2層以上が有機官能基を備えたメソポーラスシリカであっても良く、あるいは、シェルを構成するすべての層がこのような有機官能基を備えたメソポーラスシリカであっても良い。シェルのメソ細孔の内壁面に有機官能基を導入すると、コアへのAuイオンの導入を妨げることなく、コアシェル型粒子表面へのAuナノ粒子の析出を抑制することができる。
ここで、「有機官能基」とは、少なくとも1つの炭素原子を持ち、炭素原子を介してシェルを構成する金属原子に結合している官能基をいう。有機官能基は、コアへのAuイオンの導入を妨げず、かつ、コアシェル型粒子表面へのAuナノ粒子の析出を抑制できる程度の立体障害となる官能基であれば良い。
このような有機官能基としては、例えば、
(1)アルキル基、
(2)アルキルフェニル基、フェニル基などの芳香環を備えた官能基、
(3)ホルミル基、シクロヘキシル基、
(4)ピリジン基などの複素環を備えた官能基、
(5)ビニル基、
(6)(1)から(5)の官能基のいずれかの部分にアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、水酸基などが結合しているもの、
などがある。
シェルには、上述したいずれか1種類の有機官能基が含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。また、シェルが2層以上ある場合において、各シェルが有機官能基を備えているときには、各シェルに含まれる有機官能基の種類及び量は、互いに同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。
これらの中でも、アルキル基は、疎水性であるので、有機官能基として好適である。アルキル基は、直鎖状でも良く、あるいは、分岐状でも良い。
アルキル基の炭素数は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。一般に、アルキル基の炭素数が多くなるほど、メソ細孔内の立体障害が大きくなり、Auナノ粒子のコアシェル型粒子表面への移動を抑制することができる。アルキル基の炭素数は、具体的には、2以上が好ましい。アルキル基の炭素数は、さらに好ましくは、3以上である。
一方、アルキル基の炭素数が多くなりすぎると、金粒子原料が細孔に入らなくなるという問題がある。従って、アルキル基の炭素数は、12以下が好ましい。アルキル基の炭素数は、さらに好ましくは、9以下、さらに好ましくは、8以下である。
シェルに含まれる有機官能基の量は、目的に応じて最適な量を選択する。一般に、有機官能基の量が多くなるほど、コアシェル型粒子表面へのAuナノ粒子の析出を抑制するのが容易化する。有機官能基の量は、具体的には、有機官能基を備えたシェルに含まれる金属原子Ms(=Si原子+Si以外の金属原子M")の10モル%以上が好ましい。有機官能基の量は、さらに好ましくは、金属原子Msの20モル%以上、さらに好ましくは、30モル%以上である。
一方、有機官能基の量が過剰になると、細孔が閉塞するという問題が生ずることがある。従って、有機官能基の量は、有機官能基を備えたシェルに含まれる金属原子Msの90モル%以下が好ましい。有機官能基の量は、さらに好ましくは、金属原子Msの80モル%以下、さらに好ましくは、60モル%以下である。
シェルが有機官能基を備えた複数の層を含む場合、各層毎に上述の条件が満たされているのが好ましい。
[1.2.3. シェルの厚さ]
シェルの厚さは、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。一般に、シェルの総厚さ(有機官能基を持つ層と持たない層の厚さの総和)が厚くなるほど、Auナノ粒子がコアシェル型粒子の表面に析出しにくくなる。シェルの総厚さは、具体的には、10nm以上が好ましい。シェルの総厚さは、さらに好ましくは、20nm以上である。
一方、シェルの総厚さが厚くなりすぎると、金粒子原料が細孔に入らなくなるという問題がある。従って、シェルの総厚さは、60nm以下が好ましい。
シェルが有機官能基を持つ層と持たない層との積層体からなる場合、シェルの総厚さに占める有機官能基を持つ層の割合が大きくなるほど、Auナノ粒子のコアシェル型粒子表面への析出を抑制することができる。
さらに、シェルにある種の発光物質を担持させる場合において、シェルの総厚さを最適化すると、Auナノ粒子と発光物質との相互作用により、発光物質の発光強度を増強させることができる。
[1.2.4. メソ細孔]
シェルは、メソ細孔を持つ。後述する方法を用いてコアシェル型粒子を製造する場合において、界面活性剤の種類、添加量などを最適化すると、メソ細孔を規則配列させることができる。
メソ細孔の大きさは、界面活性剤の分子長、並びに、有機官能基の種類及び量を最適化することにより制御することができる。シェルが2種以上の層からなる場合、各層のメソ細孔の大きさは、互いに同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。
[1.3. Auナノ粒子]
Auナノ粒子は、コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカのコアのメソ細孔内に担持される。Auナノ粒子は、コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカのコアのメソ細孔内にAuイオンを導入し、還元処理することにより生成する。そのため、Auナノ粒子の大きさは、コアのメソ細孔の大きさとほぼ同等になる。
Auナノ粒子の含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な量を選択することができる。
[2. 金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカの製造方法]
金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカの製造方法は、コア前駆体作製工程と、コアシェル型粒子前駆体作製工程と、界面活性剤除去工程と、Auイオン導入工程と、還元工程とを備えている。
[2.1. コア前駆体作製工程]
コア前駆体作製工程は、塩基性溶媒に界面活性剤とコア原料とを加えて攪拌し、単分散球状メソポーラスシリカのメソ細孔内に界面活性剤が導入されたコア前駆体を作製する工程である。
[2.1.1. コア原料]
コア原料は、反応により単分散球状メソポーラスシリカを製造可能なものであればよい。また、コアのメソ細孔内にメルカプトアルキル基を結合させる必要があるため、コア原料には、メルカプトアルキル基を備えた少なくとも1種の化合物を用いる。
メルカプトアルキル基を備えたコア原料としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどがある。
コア原料には、メルカプトアルキル基を備えた1種又は2種以上の化合物のみを用いても良く、あるいは、これらと、コアを形成可能であり、かつ、メルカプトアルキル基を備えていない1種又は2種以上の化合物とを組み合わせて用いても良い。
メルカプトアルキル基を備えていないコア原料であって、Si原子を含むものとしては、具体的には、以下のようなものがある。
(1) テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン。
(2) メチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、シアノプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イオドプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4,1,0]ヘプト−3−イル)エチル]シラン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アニリン、トリメトキシ[3−フェニルアミノプロピル]シラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ[2−フェニルエチル]シラン、トリメトキシ(7−オクテン−1−イル)シラン、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、[3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−[3−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、トリメトキシ(3−メチルアミノ)プロピルシラン、
メチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、(1−ナフチル)トリエトキシシラン、[2−(シクロへキセニル)エチル]トリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、4−クロロフェニルトリエトキシシラン、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イル)トリエトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピオニトリル、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート、ビス[3−トリエトキシシリルプロピル]テトラスルファイド、トリエトキシ(3−イソシアナトプロピル)シラン、トリエトキシ(3−チオイソシアナトプロピル)シランなどのテトラアルコキシシラン。
(3) ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシランなどのジアルコキシシラン。
(4) メタケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)、オルトケイ酸ナトリウム(Na4SiO4)、二ケイ酸ナトリウム(Na2Si25)、四ケイ酸ナトリウム(Na2Si49)、水ガラス(Na2O・nSiO2、n=2〜4)等のケイ酸ナトリウム。
(5) カネマイト(NaHSi25・3H2O)、二ケイ酸ナトリウム結晶(α、β、γ、δ−Na2Si25)、マカタイト(Na2Si49)、アイアライト(Na2Si817・xH2O)、マガディアイト(Na2Si1417・xH2O)、ケニヤイト(Na2Si2041・xH2O)等の層状シリケート。
(6) Ultrasil(Ultrasil社)、Cab−O−Sil(Cabot社)、HiSil(Pittsburgh Plate Glass社)等の沈降性シリカ、コロイダルシリカ、Aerosil(Degussa−Huls社)等のフュームドシリカ。
また、Si原子を含むコア原料には、ヒドロキシアルコキシシランも用いることができる。ヒドロキシアルコキシシランとは、アルコキシシランのアルコキシ基の炭素原子にヒドロキシ基(−OH)がついたものをいう。ヒドロキシアルコキシシランは、ヒドロキシアルコキシ基を4個有するテトラキス(ヒドロキシアルコキシ)シラン、ヒドロキシアルコキシ基を3個有するトリス(ヒドロキシアルコキシ)シランのいずれでも良い。
ヒドロキシアルコキシ基の種類及びヒドロキシ基の数は特に制限されないが、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基、2−ヒドロキシプロポキシ基、2,3−ジヒドロキシプロキシ基等のように、ヒドロキシアルコキシ基中の炭素原子の数が比較的少ないもの(炭素数が1〜3程度のもの)が反応性の点から有利である。
テトラキス(ヒドロキシアルコキシ)シランとしては、テトラキス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、テトラキス(3−ヒドロキシプロポキシ)シラン、テトラキス(2−ヒドロキシプロキシ)シラン、テトラキス(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)シラン、などがある。
トリス(ヒドロキシアルコキシ)シランとしては、メチルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、エチルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、フェニルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、3−メルカプトプロピルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、3−アミノプロピルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、3−クロロプロピルトリス(2−ヒドロキシエトキシ)シラン、などがある。
これらのヒドロキシアルコキシシランは、アルコキシシランとエチレングリコールやグリセリンなどの多価アルコールとを反応させることにより合成することができる(例えば、Doris Brandhuber et al., Chem.Mater. 2005, 17, 4262参照)。
これらの中でも、テトラアルコキシシラン及びテトラキス(ヒドロキシアルコキシ)シランは、加水分解により生ずるシラノール結合の数が多くなり、強固な骨格を形成することができるので、コア原料として好適である。また、反応性の観点から、アルコキシ基中の炭素数が比較的少ないもの(炭素数が1〜4程度のもの)が有利である。
なお、これらのコア原料は単独で用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。但し、2種以上のコア原料を用いると、コア前駆体の製造時の反応条件が複雑化する場合がある。このような場合には、コア原料は単独で使用するのが好ましい。
また、コア前駆体がシリカ以外の金属元素Mcの酸化物を含む場合には、シリカ原料に加えて金属元素Mcを含む原料を用いる。
金属元素Mcを含む原料には、具体的には、以下のようなものがある。
(1) アルミニウムブトキシド(Al(OC49)3)、アルミニウムエトキシド(Al(OC25)3)、アルミニウムイソプロポキシド(Al(OC37)3)等のAlを含むアルコキシド類、及び、アルミン酸ナトリウム、塩化アルミニウム等の塩類。
(2) チタンイソプロポキシド(Ti(Oi−C37)4)、チタンブトキシド(Ti(OC49)4)、チタンエトキシド(Ti(OC25)4)等のTiを含むアルコキシド。
(3) マグネシウムメトキシド(Mg(OCH3)2)、マグネシウムエトキシド(Mg(OC25)2)等のMgを含むアルコキシド。
(4) ジルコニウムイソプロポキシド(Zr(Oi−C37)4)、ジルコニウムブトキシド(Zr(OC49)4)、ジルコニウムエトキシド(Zr(OC25)4)等のZrを含むアルコキシド。
[2.1.2. 界面活性剤]
界面活性剤は、コア内にメソ細孔を形成するための鋳型となる。界面活性剤の種類は、特に限定されるものではなく、種々の界面活性剤を用いることができる。使用する界面活性剤の種類、添加量などに応じて、粒子内の細孔構造を制御することができる。
界面活性剤は、特に、アルキル4級アンモニウム塩が好ましい。アルキル4級アンモニウム塩とは、次の(a)式で表されるものをいう。
CH3−(CH2)n−N+(R1)(R2)(R3)X- ・・・(a)
(a)式中、R1、R2、R3は、それぞれ、炭素数が1〜3のアルキル基を表す。R1、R2、及び、R3は、互いに同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。アルキル4級アンモニウム塩同士の凝集(ミセルの形成)を容易化するためには、R1、R2、及び、R3は、すべて同一であることが好ましい。さらに、R1、R2、及び、R3の少なくとも1つは、メチル基が好ましく、すべてがメチル基であることが好ましい。
(a)式中、Xはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子の種類は特に限定されないが、入手の容易さからXは、Cl又はBrが好ましい。
(a)式中、nは7〜25の整数を表す。一般に、nが小さくなるほど、メソ細孔の中心細孔径が小さい球状シリカが得られる。しかしながら、nが小さすぎると、界面活性剤の凝集が不十分となり、細孔の形成が困難となる。一方、nが大きくなるほど、中心細孔径は大きくなる。しかしながら、nが大きくなりすぎると、アルキル4級アンモニウム塩の疎水性相互作用が過剰となる。その結果、層状の化合物が生成し、球状の多孔体が得られない。nは、好ましくは、9〜17、さらに好ましくは、11〜17である。
(a)式で表されるものの中でも、アルキルトリメチルアンモニウムハライドが好ましい。アルキルトリメチルアンモニウムハライドとしては、例えば、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムハライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムハライド、ノニルトリメチルアンモニウムハライド、デシルトリメチルアンモニウムハライド、ウンデシルトリメチルアンモニウムハライド、ドデシルトリメチルアンモニウムハライド等がある。
これらの中でも、特に、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド又はアルキルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
コア前駆体を合成する場合において、1種類のアルキル4級アンモニウム塩を用いても良く、あるいは、2種以上を用いても良い。しかしながら、アルキル4級アンモニウム塩は、コア内にメソ細孔を形成するためのテンプレートとなるので、その種類は、メソ細孔の形状に大きな影響を与える。より均一なメソ細孔を有するコアを合成するためには、1種類のアルキル4級アンモニウム塩を用いるのが好ましい。
[2.1.3. 塩基性溶媒]
一般に、上述したSi原子を含むコア原料は、塩基性条件下又は酸性条件下のいずれにおいても反応が生じ、シリカへと変化する。しかしながら、界面活性剤の含有率を後述のように制御すると、酸性条件下ではほとんど反応が進行しない。従って、本発明においては、塩基性溶媒中でコア原料を反応させる。
なお、Si原子を含むコア原料は、酸性条件下で反応させるよりも塩基性条件下で反応させる方がSi原子の反応点が増加し、耐湿性や耐熱性等の物性に優れたコアを得ることができる。塩基性条件下で反応させることは、この点においても有利である。
塩基性溶液のpHが低すぎると、コア内での細孔形成が困難となる傾向がある。塩基性溶液のpHは、7.5以上が好ましく、さらに好ましくは、8以上である。
一方、塩基性溶液のpHが高すぎると、コアの析出量が低下する。従って、塩基性溶液のpHは、13以下が好ましく、さらに好ましくは、12以下である。
塩基性溶液のpHの調整は、溶媒中に水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性物質を添加することにより行う。
溶媒には、水、アルコールなどの有機溶媒、水と有機溶媒の混合溶媒などを用いる。アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール等の1価のアルコール、エチレングリコール等の2価のアルコール、グリセリン等の3価のアルコールのいずれでも良い。
水と有機溶媒の混合溶媒を用いる場合、混合溶媒中の有機溶媒の含有量は、目的に応じて任意に選択することができる。
例えば、水とアルコールの混合溶媒の場合、アルコール含有量が少なくなるほど、粒径の小さいコアが得られる。しかしながら、アルコールが少なくなりすぎると、粒径及び粒度分布の制御が困難となる。従って、アルコール含有量は、45容量%以上が好ましい。アルコール含有量は、さらに好ましくは、50容量%以上である。
一方、アルコール含有量が多くなるほど、粒径の大きいコアが得られる。しかしながら、アルコールが過剰になると、粒径及び粒度分布の制御が困難となる。従って、アルコール含有量は、80容量%以下が好ましい。アルコール含有量は、さらに好ましくは、70容量%以下である。
[2.1.4. 配合比]
メルカプトアルキル基を備えたコア原料と、メルカプトアルキル基を備えていないコア原料の比率は、目的に応じて最適な比率を選択することができる。例えば、コアに含まれる金属元素Mcの1〜30mol%のメルカプトアルキル基を導入する場合、メルカプトアルキル基を備えたコア原料が全体の1〜30mol%となるように配合すれば良い。
コア原料に含まれる金属元素Mcに対する界面活性剤のモル比が小さすぎると、テンプレートとして機能する界面活性剤の量が不足し、メソ細孔の形成が不十分となる。従って、界面活性剤/金属元素Mcのモル比は、0.1以上が好ましく、さらに好ましくは、0.2以上である。
一方、界面活性剤/金属元素Mcのモル比が大きすぎると、コア前駆体の形成が阻害される。従って、界面活性剤/金属元素Mcのモル比は、20以下が好ましく、さらに好ましくは、10以下である。
なお、コアにメソ細孔を形成するために消費されなかった余分な界面活性剤は、析出したコア前駆体の凝集を防ぐだけでなく、コア前駆体の表面にシェルを形成する際に、シェルにメソ細孔を形成するテンプレートとして機能する。
溶液に含まれるコア原料の濃度が低すぎると、コア前駆体を高収率で得ることができない。また、粒径及び粒度分布の制御が困難となり、粒径の均一性が低下する。従って、コア原料の濃度は、0.005mol/L以上が好ましい。コア原料の濃度は、さらに好ましくは、0.008mol/L以上である。
一方、コア原料の濃度が高すぎると、メソ孔を形成するためのテンプレートとして機能する界面活性剤が相対的に不足し、規則配列したメソ細孔が得られない。従って、コア原料の濃度は、0.03mol/L以下が好ましい。シリカ源の濃度は、さらに好ましくは、0.015mol/L以下である。
一般に、界面活性剤の濃度が低すぎると、メソ孔を形成するためのテンプレートが不足し、規則配列したメソ孔が得られない。従って、界面活性剤の濃度は、0.003mol/L以上が好ましい。界面活性剤の濃度は、さらに好ましくは、0.01mol/L以上である。
一方、界面活性剤の濃度が高すぎると、コア前駆体を高収率で得ることができない。従って、界面活性剤の濃度は、0.03mol/L以下が好ましい。界面活性剤の濃度は、さらに好ましくは、0.02mol/L以下である。
[2.1.5. 反応条件]
コア原料として、アルコキシシラン、ヒドロキシアルコキシシラン等のシラン化合物を用いる場合には、これをそのまま出発原料として用いる。
一方、コア原料としてシラン化合物以外のSi系化合物を用いる場合には、予め、水(又は、必要に応じてアルコールが添加されたアルコール水溶液)にコア原料を加えて、水酸化ナトリウム等の塩基性物質を加える。塩基性物質の添加量は、コア原料中のSi原子と等モル程度の量とするのが好ましい。
シラン化合物以外のコアを含む溶液に塩基性物質を加えると、シリカ原料中に既に形成されているSi−(O−Si)4結合の一部が切断され、均一な溶液が得られる。溶液中に含まれる塩基性物質の量は、コア前駆体の収量などに影響を及ぼすので、均一な溶液が得られた後、溶液に希薄酸溶液を加え、溶液中に存在する過剰の塩基性物質を中和させる。希薄酸溶液の添加量は、コア原料中のSi原子に対して1/2〜3/4倍モルに相当する量が好ましい。
塩基性溶媒に、所定量の界面活性剤とコア原料とを加えて攪拌し、加水分解及び重縮合を行う。これにより、界面活性剤がテンプレートとして機能し、単分散球状メソポーラスシリカのメソ細孔内に界面活性剤が導入されたコア前駆体が得られる。また、メルカプトアルキル基は、疎水性であるため、専ら界面活性剤側を向いた状態で、メソ細孔の内壁面に結合する。
反応条件は、コア原料や界面活性剤の種類、濃度等に応じて、最適な条件を選択する。一般に、反応温度は、−20〜100℃が好ましい。反応温度は、さらに好ましくは、0〜80℃、さらに好ましくは、10〜40℃である。また、反応は、攪拌状態で進行させるのが好ましい。
[2.2. コアシェル型粒子前駆体作製工程]
コアシェル型粒子前駆体作製工程は、コア前駆体が分散している塩基性溶媒に、さらにシェル原料を追添加し、コア前駆体の周囲に、メソ細孔内に界面活性剤が導入されたメソポーラスシリカからなるシェル前駆体を形成し、コアシェル型粒子前駆体を得る工程である。
[2.2.1. シェル原料]
シェル原料は、反応によりメソポーラスシリカを製造可能なものであればよい。また、シェルのメソ細孔内に有機官能基を結合させる必要があるため、コア原料には、有機官能基を備えた少なくとも1種の化合物を用いる。
シェル原料は、上述したコア原料の内、メルカプトアルキル基以外の有機官能基を備えた1種又は2種以上の化合物を用いることができる。シェル原料には、メルカプトアルキル基以外の有機官能基を備えた1種又は2種以上の化合物のみを用いても良く、あるいは、これらと、有機官能基を備えていない1種又は2種以上の化合物とを組み合わせて用いても良い。
有機官能基を備えたシェル原料は、特に、炭素数が3〜8のアルキル基を備えたシラン化合物が好ましい。
有機官能基を備えたシェル原料としては、例えば、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリメトキシシラン、3−シアノエチルトリメトキシシラン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アニリン、(N、N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2−トリメトキシシリルピリジン、3−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、3−トリメトキシシリルピリジン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノエチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリメトキシシラン,N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、3−(アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、N−3−[アミノ(ポリプロピレンオキシ)]アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメチルシリル)シトシン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノエチルトリエトキシシラン、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]アニリン、(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)−エチルトリエトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2−トリエトキシシリルピリジン、3−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、3−トリエトキシシリルピリジン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノエチル)フェネチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリエトキシシラン、3−(アミノフェノキシ)プロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、N−3−[アミノ(ポリプロピレンオキシ)]アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエチルシリル)シトシン、メチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
アリルトリエトキシシラン、(1−ナフチル)トリエトキシシラン、[2−(シクロへキセニル)エチル]トリエトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジメチルフェニルシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、フェニルエチルトリエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、3−クロロプロピルジメチルメトキシシランなどがある。
また、有機官能基を備えていないシェル原料としては、例えば、テトラアルコキシシランがある。テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられる。
また、トリアルコキシシランとしては、トリメトキシシラノール、トリエトキシシラノール、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、ジアルコキシシランとしては、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン等が挙げられる。
シェル原料に関するその他の点については、コア原料と同様であるので、説明を省略する。
[2.2.2. 配合比]
有機官能基を備えたシェル原料と、有機官能基を備えていないシェル原料の比率は、目的に応じて最適な比率を選択することができる。例えば、シェルに含まれる金属元素Msの10〜90mol%の有機官能基を導入する場合、有機官能基を備えたシェル原料が全体の10〜90mol%となるように配合すれば良い。
[2.2.3. 追添加量]
シェル原料は、コア前駆体が分散している塩基性溶媒に追添加される。シェル原料の追添加量により、コア前駆体の周囲に形成されるシェル前駆体の厚さを制御することができる。
一般に、シェル原料の追添加量が少なすぎると、シェルの厚さが薄くなり過ぎ、コアの特性のみを有するコアシェル型粒子前駆体が得られる。コアとシェルの双方の特性を持つコアシェル型粒子前駆体を得るためには、塩基性溶媒に添加されたコア原料に含まれる金属元素Mcに対する追添加されたシェル原料に含まれる金属元素Msのモル比が0.01以上となるように、シェル原料を追添加するのが好ましい。シェル原料の追添加量は、さらに好ましくは、Ms/Mcモル比で0.05以上である。
一方、シェル原料の追添加量が過剰になると、シェルの特性のみを有するコアシェル型粒子前駆体が得られる。従って、シェル原料の追添加量は、Ms/Mcモル比で2000以下が好ましい。シェル原料の追添加量は、さらに好ましくは、Ms/Mcモル比で500以下である。
シェル原料の追添加は、全量を塩基性溶媒中に一度に添加してもよく、あるいは、複数回に分けて添加しても良い。また、同一組成のシェル原料を複数回に分けて追添加しても良く、あるいは、異なる組成のシェル原料を複数回に分けて追添加しても良い。異なる組成のシェル原料を複数回に分けて追添加すると、コア前駆体の表面に、組成の異なる複数層のシェル前駆体が形成されたコアシェル型粒子前駆体が得られる。
[2.2.4. 塩基性溶媒]
コア前駆体が分散している塩基性溶媒にシェル原料を追添加する場合において、塩基性溶液のpHが低すぎると、シェル内での細孔形成が困難となる傾向がある。塩基性溶液のpHは、7.5以上が好ましく、さらに好ましくは、8以上である。
一方、塩基性溶液のpHが高すぎると、シェルの析出量が低下する。従って、塩基性溶液のpHは、13以下が好ましく、さらに好ましくは、12以下である。
コア前駆体が析出した時点、あるいは、シェル原料を複数回に分けて追添加する途中の時点において、塩基性溶媒のpHが好適な範囲に維持されているときは、そのままシェル原料の追添加を行う。一方、塩基性溶媒のpHが変動したときは、必要に応じて溶媒中に水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性物質を添加し、pHを調節するのが好ましい。
[2.2.5. 反応条件]
反応条件は、コア原料や界面活性剤の種類、濃度等に応じて、最適な条件を選択する。一般に、反応温度は、−20〜100℃が好ましい。反応温度は、さらに好ましくは、0〜80℃、さらに好ましくは、10〜40℃である。また、反応は、攪拌状態で進行させるのが好ましい。
反応条件に関するその他の点は、コア前駆体作製工程と同様であるので、説明を省略する。
[2.3. 界面活性剤除去工程]
界面活性剤除去工程は、コアシェル型粒子前駆体から界面活性剤を除去し、コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカを得る工程である。
コアシェル型粒子前駆体から界面活性剤を除去する方法としては、
(1) コアシェル型粒子前駆体を大気中又は不活性雰囲気下において、300〜1000℃(好ましくは、400〜700℃)で、30分以上(好ましくは、1時間以上)焼成する焼成方法、
(2) コアシェル型粒子前駆体を界面活性剤の良溶媒(例えば、少量の塩酸を含むメタノール)中に浸漬し、所定の温度(例えば、50〜70℃)で加熱しながら攪拌し、薄膜中の界面活性剤を抽出するイオン交換法、
などがある。
コアのメソ細孔内に導入されたメルカプトアルキル基、及び、シェルのメソ細孔内に導入された有機官能基の脱落を抑制するためには、界面活性剤の除去には、イオン交換法を用いるのが好ましい。
[2.4. Auイオン導入工程]
Auイオン導入工程は、上述したコアシェル型単分散球状メソポーラスシリカのコア内にAuイオンを導入する工程である。
Auイオンの導入は、Auイオンを含む水溶液中に、コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカを分散させることにより行う。メルカプト基は、Auイオンとの間に強い相互作用を持つので、Auイオンは、コアのメソ細孔内に選択的に導入される。
Auイオンを含む水溶性の化合物としては、具体的には、HAuCl4、AuBr3、KAuBr4、AuCl、AuCl3、KAuCl3、LiAuCl3、NaAuCl4、NaAuCl3などがある。
水溶液中のAuイオン濃度は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な量を選択することができる。一般に、水溶液中のAuイオン濃度が高くなるほど、コアのメソ細孔内に多量のAuイオンを導入することができる。
[2.5. 還元工程]
還元工程は、コアのメソ細孔内にAuイオンが導入されたコアシェル型単分散球状メソポーラスシリカを還元雰囲気下で加熱する工程である。Auイオンが導入されたコアシェル型単分散球状メソポーラスシリカを還元雰囲気下で加熱すると、コアのメソ細孔内に金ナノ粒子が生成する。
還元条件は、特に限定されるものではなく、Auイオン種、Auイオンの導入量等に応じて最適な条件を選択する。還元は、例えば、5%H2−N2気流中において、120〜300℃で3〜6時間加熱するのが好ましい。
[3. 金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカ及びその製造方法の作用]
塩基性溶媒中に界面活性剤及びコア原料を加えると、界面活性剤は、溶媒中において親水基を外側に向けた状態でミセルを形成する。このミセルが超分子鋳型となり、その周囲に加水分解又は部分重合したコア原料が吸着する。ミセルの内部には部分重合体が入り込まないため、ミセルの内部は、最終的には細孔部分となる。従って、界面活性剤の分子鎖長を制御することにより、コア内部のメソ細孔径を制御することができる。
コア原料を吸着したミセルは、やがて安定な方向に配列する。これを溶液中でさらに反応させると、配列したミセル間においてコア原料が縮重合する。しかも、メルカプトアルキル基を備えたコア原料は、専ら疎水性のメルカプトアルキル基をミセル側に向けた状態でミセルに吸着する。その結果、メソ細孔内に界面活性剤が充填され、かつ、メソ細孔の内壁がメルカプトアルキル基で修飾された単分散球状メソポーラスシリカ(コア前駆体)が得られる。
次に、コア前駆体が分散している塩基性溶媒中にシェル原料を追添加すると、塩基性溶媒中に残存している界面活性剤のミセルにシェル原料が吸着する。しかも、有機官能基は疎水性であるため、有機官能基を備えたシェル原料は、有機官能基をミセル側に向けた状態でミセルに吸着する。
シェル原料を吸着したミセルは、やがてコア前駆体の表面に配列する。これを溶液中でさらに反応させると、吸着したミセル間においてシェル原料が縮重合する。その結果、メソ細孔内に界面活性剤が充填され、かつ、メソ細孔の内壁が有機官能基で修飾されたメソポーラスシリカ(シェル前駆体)がコア前駆体の表面に形成され、コアシェル型粒子前駆体となる。さらに、コアシェル型粒子前駆体から界面活性剤を除去すると、コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカが得られる。
図1に、金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカの概略構成図を示す。コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカは、コアのメソ細孔の内壁面がメルカプトアルキル基で修飾され、シェルのメソ細孔の内壁面が有機官能基で修飾されている。メルカプトアルキル基は、Auイオンと強い相互作用を持つので、コアのメソ細孔内にAuイオンを容易に導入することができる。
これに対し、シェルのメソ細孔内の有機官能基は、Auイオンと強い相互作用を持たないので、シェル内にAuイオンが吸着することはない。また、有機官能基は、Auイオンがコアに拡散するのを妨げない。一方、この有機官能基は、Auイオンが還元することにより生成したAuナノ粒子が粒子表面に移動するのを妨げる立体障害となる。
そのため、このようなコアシェル型単分散球状メソポーラスシリカをホストに用いると、コア内部にAuナノ粒子を選択的に導入することができ、しかも、コアシェル型粒子表面へのAuナノ粒子の析出を抑制することができる。
Auナノ粒子は、表面プラズモン共鳴を生じることが知られている。また、Auナノ粒子の周囲に、ある種の発光物質を存在させると、発光増強(プラズモン増強)が生じることが知られている。そのため、シェルの厚さ(距離)が最適化された金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカにある種の発光物質を担持させると、プラズモン増強を生じさせることができる。
(実施例1〜46、比較例1〜2)
[1. 試料の作製]
[A. コアシェル型粒子の作製]
[1.1. 実施例1(シェル層:Pr基10mol%、追添加量1.32g)]
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド:3.52gを、水/メタノール混合溶媒:800g(50/50=w/w)に溶解し、恒温水槽中で25℃に保って攪拌した。この溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液:2.28gを添加した。その後、コア粒子のシリカ原料として、予め乾燥窒素気流中で混合したテトラメトキシシラン(TMOS)/3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)混合物(モル比9/1)1.38gを添加した。シリカ原料を添加後、数分で粒子の析出が見られ、溶液が白濁した。
30分後に1mol/L水酸化ナトリウム溶液:1.14gを添加した。さらに、シェル層のシリカ原料として、予め乾燥窒素気流中で混合したTMOS/プロピルトリメトキシシラン(PrTMS)混合物(モル比9:1)を1.32g追添加した。約8時間攪拌し、一晩静置した。生成物をろ過し、水に再分散させる走査を2回繰り返した。さらに、45℃で一晩乾燥させ、コアシェル型粒子前駆体を得た。
得られたコアシェル型粒子前駆体:1gを、エタノール:100mLに分散させ、塩酸:1mLを加えて、オイルバス中、60℃で3時間攪拌することにより、界面活性剤を抽出した。抽出後のコアシェル型粒子をエタノールで十分洗浄し、45℃で乾燥した。
[1.2. 比較例1(シェル層:Pr基0mol%、追添加量1.32g)]
シェル層のシリカ原料として、TMOS:1.32gを用いた以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。
[1.3. 実施例3(シェル層:Pr基25mol%、追添加量1.32g)]
シェル層のシリカ原料として、TMOS/PrTMS混合物(モル比7.5:2.5)1.32gを用いた以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。
[1.4. 実施例4(シェル層:Pr基50mol%、追添加量1.32g)]
シェル層のシリカ原料として、TMOS/PrTMS混合物(モル比5:5)1.32gを用いた以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。
[1.5. 実施例5(シェル層:Pr基75mol%、追添加量1.32g)]
シェル層のシリカ原料として、TMOS/PrTMS混合物(モル比2.5:7.5)1.32gを用いた以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。
[1.6. 実施例6(シェル層:Pr基100mol%、追添加量1.32g)]
シェル層のシリカ原料として、PrTMS:1.32gを用いた以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。
[1.7. 実施例7(シェル層:Pr基50mol%、追添加量0.99g)]
シェル層のシリカ原料として、TMOS/PrTMS混合物(モル比5:5)0.99gを用いた以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。
[1.8. 実施例8(シェル層:Pr基50mol%、追添加量0.66g)]
シェル層のシリカ原料として、TMOS/PrTMS混合物(モル比5:5)0.66gを用いた以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。
[1.9. 実施例9(シェル層:Pr基50mol%、追添加量0.33g)]
シェル層のシリカ原料として、TMOS/PrTMS混合物(モル比5:5)0.33gを用いた以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。
[1.10. 実施例10(シェル層:Pr基75mol%、追添加量0.66g)]
シェル層のシリカ原料として、TMOS/PrTMS混合物(モル比2.5:7.5)0.66gを用いた以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。
[1.11. 実施例11(シェル層:Pr基75mol%、追添加量0.33g)]
シェル層のシリカ原料として、TMOS/PrTMS混合物(モル比2.5:7.5)0.33gを用いた以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。
[1.12. 実施例12(シェル層:Pr基100mol%、追添加量0.33g)]
シェル層のシリカ原料として、PrTMS:0.33gを用いた以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。
[B. 金内包コアシェル型粒子の作製]
[1.13. 比較例2(シェル層:Pr基0mol%、追添加量1.32g)]
比較例2で得られたコアシェル型粒子:0.5gを水:10mLに分散させ、塩化白金酸水溶液:0.3gを加えて10分間攪拌することにより、金イオンを担持させた。コアシェル型粒子をろ過し、pH<2の塩酸水溶液で良く洗浄し、室温で乾燥した。さらに、5%H2−N2雰囲気下において、120℃で6時間還元した。
[1.14. 実施例14(シェル層:Pr基50mol%、追添加量1.32g)]
実施例4で得られたコアシェル型粒子:0.5gを水:10mLに分散させ、塩化白金酸水溶液:0.3gを加えて10分間攪拌することにより、金イオンを担持させた。コアシェル型粒子をろ過し、pH<2の塩酸水溶液で良く洗浄し、室温で乾燥した。さらに、5%H2−N2雰囲気下において、120℃で6時間還元した。
[1.15. 実施例15〜18]
還元温度を150℃(実施例15)、180℃(実施例16)、200℃(実施例17)、又は、230℃(実施例18)とした以外は、実施例14と同様の条件で金内包コアシェル型粒子の合成を行った。
[1.16. 実施例19(シェル層:Pr基75mol%、追添加量1.32g)]
実施例5で得られたコアシェル型粒子:0.5gを水:10mLに分散させ、塩化白金酸水溶液:0.3gを加えて10分間攪拌することにより、金イオンを担持させた。コアシェル型粒子をろ過し、pH<2の塩酸水溶液で良く洗浄し、室温で乾燥した。さらに、5%H2−N2雰囲気下において、120℃で6時間還元した。
[1.17. 実施例20〜23]
還元温度を150℃(実施例20)、180℃(実施例21)、200℃(実施例22)、又は、230℃(実施例23)とした以外は、実施例19と同様の条件で金内包コアシェル型粒子の合成を行った。
[1.18. 実施例24(シェル層:Pr基50mol%、追添加量0.99g)]
実施例7で得られたコアシェル型粒子:0.5gを水:10mLに分散させ、塩化白金酸水溶液:0.3gを加えて10分間攪拌することにより、金イオンを担持させた。コアシェル型粒子をろ過し、pH<2の塩酸水溶液で良く洗浄し、室温で乾燥した。さらに、5%H2−N2雰囲気下において、120℃で6時間還元した。
[1.19. 実施例25〜28]
還元温度を150℃(実施例25)、180℃(実施例26)、200℃(実施例27)、又は、230℃(実施例28)とした以外は、実施例24と同様の条件で金内包コアシェル型粒子の合成を行った。
[1.20. 実施例29(シェル層:Pr基50mol%、追添加量0.66g)]
実施例8で得られたコアシェル型粒子:0.5gを水:10mLに分散させ、塩化白金酸水溶液:0.3gを加えて10分間攪拌することにより、金イオンを担持させた。コアシェル型粒子をろ過し、pH<2の塩酸水溶液で良く洗浄し、室温で乾燥した。さらに、5%H2−N2雰囲気下において、120℃で6時間還元した。
[1.21. 実施例30〜32]
還元温度を150℃(実施例30)、180℃(実施例31)、又は、200℃(実施例32)とした以外は、実施例29と同様の条件で金内包コアシェル型粒子の合成を行った。
[1.22. 実施例33(シェル層:Pr基50mol%、追添加量0.33g)]
実施例9で得られたコアシェル型粒子:0.5gを水:10mLに分散させ、塩化白金酸水溶液:0.3gを加えて10分間攪拌することにより、金イオンを担持させた。コアシェル型粒子をろ過し、pH<2の塩酸水溶液で良く洗浄し、室温で乾燥した。さらに、5%H2−N2雰囲気下において、120℃で6時間還元した。
[1.23. 実施例34〜36]
還元温度を150℃(実施例34)、180℃(実施例35)、又は、200℃(実施例36)とした以外は、実施例33と同様の条件で金内包コアシェル型粒子の合成を行った。
[1.24. 実施例37(シェル層:Pr基75mol%、追添加量0.66g)]
実施例10で得られたコアシェル型粒子:0.5gを水:10mLに分散させ、塩化白金酸水溶液:0.3gを加えて10分間攪拌することにより、金イオンを担持させた。コアシェル型粒子をろ過し、pH<2の塩酸水溶液で良く洗浄し、室温で乾燥した。さらに、5%H2−N2雰囲気下において、120℃で6時間還元した。
[1.25. 実施例38〜41]
還元温度を150℃(実施例38)、180℃(実施例39)、200℃(実施例40)、又は、230℃(実施例41)とした以外は、実施例37と同様の条件で金内包コアシェル型粒子の合成を行った。
[1.26. 実施例42(シェル層:Pr基75mol%、追添加量0.33g)]
実施例11で得られたコアシェル型粒子:0.5gを水:10mLに分散させ、塩化白金酸水溶液:0.3gを加えて10分間攪拌することにより、金イオンを担持させた。コアシェル型粒子をろ過し、pH<2の塩酸水溶液で良く洗浄し、室温で乾燥した。さらに、5%H2−N2雰囲気下において、120℃で6時間還元した。
[1.27. 実施例43〜45]
還元温度を150℃(実施例43)、180℃(実施例44)、又は、200℃(実施例45)とした以外は、実施例42と同様の条件で金内包コアシェル型粒子の合成を行った。
[1.27. 実施例45(シェル層:Pr基100mol%、追添加量0.33g)]
実施例12で得られたコアシェル型粒子:0.5gを水:10mLに分散させ、塩化白金酸水溶液:0.3gを加えて10分間攪拌することにより、金イオンを担持させた。コアシェル型粒子をろ過し、pH<2の塩酸水溶液で良く洗浄し、室温で乾燥した。さらに、5%H2−N2雰囲気下において、120℃で6時間還元した。
[2. 試験方法]
[2.1. SEM観察及びTEM観察]
得られたコアシェル型粒子及び金内包コアシェル型粒子について、SEM観察及びTEM観察を行った。
[2.2. 可視紫外吸収スペクトル]
得られた金内包コアシェル型粒子について、可視紫外吸収スペクトル測定を行った。
[2.3. 発光強度]
得られた金内包コアシェル型粒子のシェルにFluoro1555を担持させ、発光強度を測定した。
[3. 結果]
[3.1. SEM観察]
図2(A)〜(C)に、それぞれ、実施例5、10、11で得られたコアシェル型粒子のSEM写真を示す。実施例5の場合、平均粒径は0.65μm、単分散度は2.1%であった。実施例10の場合、平均粒径は0.56μm、単分散度は2.1%であった。さらに、実施例11の場合、平均粒径は0.50μm、単分散度は2.5%であった。図2より、単分散球状のコアシェル型粒子が得られていることがわかる。
[3.2. TEM観察]
図3(A)〜(D)に、それぞれ、実施例24〜27で得られた金内包コアシェル型粒子のTEM写真を示す。図3より、すべての粒子において金の結晶がコアの部分に保持されていることが明らかになった。
[3.3. 追添加量とシェルの厚み]
図4に、シェル原料の追添加量とシェルの厚み(距離(d))の関係を示す。TEM観察から見積もられたシェルの厚み(実測値)と、シェル原料の追添加量から見積もられたシェル厚み(計算値)は、良い一致を示した。図4より、シェル原料の追添加量によりシェルの厚みを制御できることがわかる。
[3.4. 可視紫外吸収スペクトル]
図5に、金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカの可視紫外吸収スペクトルのピーク位置を示す。可視紫外吸収スペクトルのピーク位置は、還元温度、有機官能基の量、及び、シェル原料の追添加量により変化した。図5より、これらを制御することによりプラズモン吸収の位置を制御できることがわかる。
[3.5. 発光強度]
図6に、Fluoro1555を担持した金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカの発光強度を示す。図6中、「SH」は、コアにメルカプトプロピル基が導入されていることを表す。「Pr75」は、シェルにSi原子の75mol%に相当するプロピル基が導入されていることを表す。「(1/2)」は、追添加量が基準値(1.32g)の1/2であることを表す。「Au」は、コアにAuナノ粒子が担持されていることを表す。「480nm」は、励起光の波長を表す。
図6より、実施例15で得られた金内包コアシェル型粒子(SHPr50Au 480nm)のみ、発光強度が増強することがわかった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。

Claims (6)

  1. 以下の構成を備えた金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカ。
    (1)前記金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカは、
    コアと、前記コアを被覆する少なくとも1層のシェルとを備えたコアシェル型単分散球状メソポーラスシリカと、
    前記コアのメソ細孔内に担持されたAuナノ粒子と
    を備えている。
    (2)前記コアは、メソ細孔の内壁面にメルカプトアルキル基が結合している単分散球状メソポーラスシリカからなる。
    (3)前記シェルの少なくとも1層は、メソ細孔の内壁面に有機官能基が結合しているメソポーラスシリカからなる。
  2. 前記コアに含まれる前記メルカプトアルキル基の量は、前記コアに含まれる金属原子の1〜30モル%である請求項1に記載の金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカ。
  3. 前記メルカプトアルキル基は、メルカプトプロピル基である請求項1又は2に記載の金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカ。
  4. 前記有機官能基を含むシェルに含まれる前記有機官能基の量は、前記シェルに含まれる金属原子の30〜90モル%である請求項1から3までのいずれかに記載の金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカ。
  5. 前記有機官能基は、炭素数が3〜8のアルキル基である請求項1から4までのいずれかに記載の金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカ。
  6. 前記コアの直径は、0.1〜1.5μmであり、
    前記シェルの総厚さは、10〜60nmである
    請求項1から5までのいずれかに記載の金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカ。
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