JP5487921B2 - フォトレジスト組成物、液浸露光用フォトレジスト組成物及び重合体ならびにレジストパターン形成方法 - Google Patents

フォトレジスト組成物、液浸露光用フォトレジスト組成物及び重合体ならびにレジストパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、フォトレジスト組成物及びフォトレジスト組成物に用いられるのに好適な重合体ならびにレジストパターン形成方法に関する。
集積回路素子を製造する微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、0.10μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィ技術が切望されている。しかし、従来のリソグラフィ技術では、放射線としてi線等の近紫外線を用いており、この近紫外線では、0.10μm以下のレベル(サブクオーターミクロンレベル)の微細加工は極めて困難である。そこで、0.10μm以下のレベルでの微細加工を可能にするために、より波長の短い放射線を使用したリソグラフィ技術の開発が行われている。より波長の短い放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザー等の遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができる。これらの中でも、KrFエキシマレーザー(波長248nm)やArFエキシマレーザー(波長193nm)が注目されている。
エキシマレーザーが注目されたことに伴い、エキシマレーザー用のフォトレジスト膜の材料が数多く提案されている。例えば、酸解離性官能基を有する成分と、放射線の照射(以下、「露光」という)により酸を発生する成分(以下、「酸発生剤」という)と、を含有し、これらの化学増幅効果を利用した組成物(以下、「化学増幅型レジスト」という)等を挙げることができる。化学増幅型レジストとして、具体的には、カルボン酸のt−ブチルエステル基或いはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する樹脂と酸発生剤とを含有する組成物が報告されている。この組成物は、露光により発生する酸の作用により、樹脂中に存在するt−ブチルエステル基或いはt−ブチルカーボナート基が解離して、樹脂が、カルボキシル基或いはフェノール性水酸基からなる酸性基を有するようになる。その結果、フォトレジスト膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となるため、所望のレジストパターンを形成することができる。
しかしながら、微細加工の分野においては、更に微細なレジストパターン(例えば、線幅が45nm程度の微細なレジストパターン)を形成することが切望されている。更に微細なレジストパターンを形成可能にするためには、例えば、露光装置の光源波長の短波長化や、レンズの開口数(NA)を増大させること等を挙げることができる。しかし、光源波長の短波長化には、新たな露光装置が必要になるが、このような装置は高額なものである。また、レンズの開口数を増大させる場合、解像度と焦点深度がトレードオフの関係にあるため、解像度を向上させることができても、焦点深度が低下するという問題がある。
そこで、近年、このような問題を解決するリソグラフィ技術として、液浸露光(リキッドイマージョンリソグラフィ)法という方法が報告されている。この方法は、露光時に、レンズとフォトレジスト膜との間(フォトレジスト膜上)に液浸露光用液体(例えば、純水、フッ素系不活性液体等)を介在させるという方法である。この方法によれば、従来、空気や窒素等の不活性ガスで満たされていた露光光路空間を、空気等よりも屈折率(n)の大きい液浸露光用液体で満たすことになるため、従来と同様の露光光源を用いた場合であっても、露光装置の光源波長を短波長化等した場合と同様の効果、即ち、高い解像性が得られる。また、焦点深度の低下がない。
従って、このような液浸露光法によれば、既存の装置に実装されているレンズを用いて、低コストで、解像性に優れ、更には焦点深度にも優れるレジストパターンを形成することができる。そのため、液浸露光法に用いられる組成物が多数開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
国際公開04/068242号 特開2005−173474号公報 特開2006−48029号公報
半導体分野において、より高い集積度が求められるようになると、フォトレジスト組成物はより優れた感度と共に、より小さいマスクエラーファクター(以下、MEEFと略称する)が必要とされるようになってきている。そのため、これらの両特性を良好に維持できるような条件を満たすフォトレジスト組成物の開発が急務になっている。本発明は上記課題に対処するためになされたもので、感度に優れると共に、MEEFを良好に維持することが可能な化学増幅型レジストであるフォトレジスト組成物の提供を目的にする。
本発明の発明者らは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体(A)および感放射線性酸発生剤(B)を含有するフォトレジスト組成物により上記目的を達成できることを見出した。
Figure 0005487921
(前記一般式(1)中、Rは、水素原子、トリフルオロメチル基又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。nは1〜10の整数を示す。Rは、メチレン基または炭素数2〜5のアルキレン基を示す。Xは単結合または下記(a−1)〜(a−4)からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造を示す。
Figure 0005487921
本発明により、MEEFを良好に維持することが可能な化学増幅型レジストであるフォトレジスト組成物が得られる。
1.フォトレジスト組成物
本発明のフォトレジスト組成物は、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体(A)および感放射線性酸発生剤(B)を含有する。
[1]重合体(A)
本発明において、重合体(A)は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位((以下、「繰り返し単位(I)」ともいう。))を有する。
Figure 0005487921
前記一般式(1)中、Rは、水素原子、トリフルオロメチル基又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。nは1〜10の整数を示す。Rは、メチレン基または炭素数2〜5のアルキレン基を示す。Xは単結合または下記(a−1)〜(a−4)からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造を示す。
Figure 0005487921
[1−1]繰り返し単位(I):
上記一般式(1)中、Rはメチレン基または炭素数2〜5のアルキレン基を示す。炭素数2〜5のアルキレン基としては、エチレン基、1,3−プロピレン基もしくは1,2−プロピレン基などのプロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、又はヘキサメチレン基等を挙げることができる。これらの中でもメチレン基が好ましい。
また、上記一般式(1)中、Xは単結合または下記(a−1)〜(a−4)からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造を示し、好ましくは単結合である。
上記一般式(1)中、部分構造−R−X−において、Xが単結合以外の場合の具体例としては、下記式(R2−1)〜(R2−6)で表されるものを挙げることができる。
Figure 0005487921
上記一般式(1)において、nは1〜10の整数を示す。好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1である。
また、上記一般式(1)で表される繰り返し単位として、下記式(1−1)で表されるものが好ましく、下記式(1−1−1)で表されるものが特に好ましい。
Figure 0005487921
Figure 0005487921
上記一般式(1−1)および(1−1−1)中、R、RおよびXは上記一般式(1)の説明と同義である。
一般式(1)で表される繰り返し単位を与える化合物の特に好ましい例としては、下記式(1a)〜(1h)で表されるものを挙げることができ、特に好ましくは(1e)、(1f)である。
Figure 0005487921
重合体(A)中、繰り返し単位(I)の含有割合は、重合体(A)おける全繰り返し単位を100モル%とした場合に、5〜50モル%であることが好ましく、10〜30モル%であることが特に好ましい。繰り返し単位(I)の含有割合が上記範囲内であると、MEEFが良好となり、また、良好な形状を有するレジストパターンが得られる点で好ましい。
本発明における重合体(A)は、アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性であり、酸の作用によりアルカリ可溶性となるものであれば特に制限されないが、一般式(2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(II)」という)または一般式(2−1)〜(2−6)からなる群より選択される少なくとも一つの繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(III)」という)を有する樹脂であることが好ましい。なお、本明細書中、「アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性」とは、重合体(A)を含有するフォトレジスト組成物を用いて形成したフォトレジスト膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、フォトレジスト膜の代わりに重合体(A)のみを用いた膜厚100nmの被膜を現像した場合に、被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質をいう。
Figure 0005487921
前記一般式(2)中、Rは上記一般式(1)の説明と同義である。R3〜Rは、相互に独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示す。また、RとRとが相互に結合して炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基又はその誘導体を形成してもよい。
Figure 0005487921
一般式(2−1)〜(2−6)中、Rは上記一般式(1)の説明と同義である。一般式(2−1)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4の置換若しくは非置換のアルキル基を示し、pは、1〜3の整数を示す。前記一般式(2−4)及び(2−5)中、Rは、それぞれ独立に水素原子又はメトキシ基を示す。前記一般式(2−2)及び(2−3)中、Rは、それぞれ独立に単結合又はメチレン基を示し、mは、それぞれ独立に0又は1を示す。前記一般式(2−3)及び(2−5)中、Rは、それぞれ独立に酸素原子又はメチレン基を示す。
[1−2]繰り返し単位(II):
一般式(2)中、R〜Rとして表される基のうち、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等がある。
炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基、R及びRが相互に結合してそれぞれが結合している炭素原子とともに形成される炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、アダマンタン骨格、ノルボルナン骨格、トリシクロデカン骨格、テトラシクロドデカン骨格等の有橋式骨格や、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン骨格を有する基;これらの基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基の1種又は1個以上で置換した基等の脂環式骨格を有する基がある。
これらの脂環式炭化水素基のうち、アダマンタン骨格を有するもの、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格を有するもの、シクロペンチル骨格を有するもの、シクロヘキシル骨格を有するもの、シクロヘプチル骨格を有するもの、またはシクロオクチル骨格を有するものが好ましい。
一般式(2)において、好ましい−CRの例としては、t−ブチル基、1−n−(1−エチル−1−メチル)プロピル基、1−n−(1,1−ジメチル)プロピル基、1−n−(1,1−ジメチル)ブチル基、1−n−(1,1−ジメチル)ペンチル基、1−(1,1−ジエチル)プロピル基、1−n−(1,1−ジエチル)ブチル基、1−n−(1,1−ジエチル)ペンチル基、1−(1−メチル)シクロペンチル基、1−(1−エチル)シクロペンチル基、1−(1−n−プロピル)シクロペンチル基、1−(1−i−プロピル)シクロペンチル基、1−(1−メチル)シクロヘキシル基、1−(1−エチル)シクロヘキシル基、1−(1−n−プロピル)シクロヘキシル基、1−(1−i−プロピル)シクロヘキシル基、1−{1−メチル−1−(2−ノルボルニル)}エチル基、1−{1−メチル−1−(2−テトラシクロデカニル)}エチル基、1−{1−メチル−1−(1−アダマンチル)}エチル基、2−(2−メチル)ノルボルニル基、2−(2−エチル)ノルボルニル基、2−(2−n−プロピル)ノルボルニル基、2−(2−i−プロピル)ノルボルニル基、2−(2−メチル)テトラシクロデカニル基、2−(2−エチル)テトラシクロデカニル基、2−(2−n−プロピル)テトラシクロデカニル基、2−(2−i−プロピル)テトラシクロデカニル基、2−(2−メチル)アダマンチル基、2−(2−エチル)アダマンチル基、2−(2−n−プロピル)アダマンチル基、2−(2−i−プロピル)アダマンチル基や、これらの脂環族環からなる基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基等を挙げることができる。
前記繰り返し単位(II)を与える好ましい単量体としては、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ヒドロキシアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチル−3−ヒドロキシアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−8−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルエステル、(メタ)アクリル酸−8−エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メチルテトラシクロ[6.2.13,6.02,7]ドデカン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−エチルテトラシクロ[6.2.13,6.02,7]ドデカン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(テトラシクロ[6.2.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジシクロヘキシルエチルエステイル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(テトラシクロ[6.2.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(アダマンタン−1−イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシルエステル等が挙げられる。
これらの単量体のなかでも、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシルエステル等が特に好ましい。
前記重合体(A)は、この繰り返し単位(II)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。この繰り返し単位(II)の含有量は、15〜85mol%であることが好ましく、25〜75mol%であることが更に好ましく、35〜60mol%であることが特に好ましい。この割合が過小であると、溶解した後のコントラストが損なわれ、パターン形状が低下する場合がある。一方、過剰であると、基板との密着性が不十分となりパターンが剥がれてしまう場合がある。
[1−3]繰り返し単位(III):
繰り返し単位(III)を生じさせる単量体としては、下記一般式(3−1)〜(3−6)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0005487921
一般式(3−1)〜(3−6)の各式において、Rは一般式(1)の説明と同義である。R〜R、mおよびpは一般式(2−1)〜(2−6)の説明と同義である。
前記一般式(2−1)および(3−1)のRにおける、炭素数1〜4の置換基を有してもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
前記繰り返し単位(III)を与える好ましい単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]デカ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−10−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−エチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−プロピル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2,2−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸−3,3−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル等が挙げられる。
前記重合体(A)は、この繰り返し単位(III)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。この繰り返し単位(III)の含有量は、10〜50mol%であることが好ましく、20〜40mol%であることが更に好ましい。この割合が過小であると、基板との密着性が不十分となりパターンが剥がれてしまう場合がある。一方、過剰であると、アルカリ現像液への溶解性が不十分となり現像欠陥が増加してしまう場合がある。
本発明の重合体(A)には、さらに、脂環式化合物を含有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(IV)」ともいう。)、下記一般式(5)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(V)ともいう。)や芳香族化合物に由来する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(VI)」ともいう。)を含有させることができる。
Figure 0005487921
〔一般式(5)において、Rは上記一般式(1)の説明と同義である。R51は、2価の有機基を示す。〕
[1−4]繰り返し単位(IV)
前記脂環式化合物を含有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(4)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
Figure 0005487921
〔一般式(4)において、Rは一般式(1)の説明と同義である。R41は炭素数4〜20の脂環式炭化水素基である。〕
前記一般式(4)のR41における、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン等のシクロアルカン類に由来する脂環族環からなる炭化水素基が挙げられる。
これらのシクロアルカン由来の脂環族環は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換してもよい。これらは、これらのアルキル基によって置換されたものに限定されるものではなく、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、酸素で置換されたものであってもよい。
前記繰り返し単位(4)を与える好ましい単量体としては、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−7−イルエステル、(メタ)アクリル酸−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−2−イルエステル等が挙げられる。
[1−5]繰り返し単位(V)
本発明の重合体(A)は、一般式(5)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
Figure 0005487921
〔一般式(5)において、Rは上記一般式(1)の説明と同義である。R51は、2価の有機基を示す。〕
また、一般式(5)のR51における2価の有機基は、好ましくは2価の炭化水素基であり、2価の炭化水素基のなかでも鎖状又は環状の炭化水素基が好ましく、アルキレングリコール基であってもよいし、アルキレンエステル基であってもよい。
好ましい前記R51としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基若しくは1,2−プロピレン基等のプロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、インサレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、又は、2−プロピリデン基等の飽和鎖状炭化水素基、1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基等の炭素数3〜10のシクロアルキレン基等の単環式炭化水素環基、1,4−ノルボルニレン基若しくは2,5−ノルボルニレン基等のノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基等の2〜4環式炭素数4〜30の炭化水素環基等の架橋環式炭化水素環基等が挙げられる。
特に、R51として2価の脂肪族環状炭化水素基を含む場合には、ビストリフルオロメチル−ヒドロキシ−メチル基と、この脂肪族環状炭化水素基との間にスペーサーとして炭素数1〜4のアルキレン基を挿入することが好ましい。
また、R51としては、2,5−ノルボルニレン基を含む炭化水素基、1,2−エチレン基、プロピレン基が好ましい。
更に、繰り返し単位(V)を与える特に好ましい単量体としては、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−{[5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル}エステル、(メタ)アクリル酸3−{[8−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル}エステル等が挙げられる。
[1−6]繰り返し単位(VI)
前記芳香族化合物に由来する繰り返し単位を生じさせる好ましい単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン2−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、2−メチル−3−ヒドロキシスチレン、4−メチル−3−ヒドロキシスチレン、5−メチル−3−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン、2,4,6−トリヒドロキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)スチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)−α−メチルスチレン、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン、4−(1−エトキシエトキシ)−α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、アセナフチレン、5−ヒドロキシアセナフチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、1−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、1−アントリル(メタ)アクリレート、2−アントリル(メタ)アクリレート、9−アントリル(メタ)アクリレート、9−アントリルメチル(メタ)アクリレート、1−ビニルピレン等が挙げられる。
本発明における重合体(A)において、上記繰り返し単位(IV)〜繰り返し単位(VI)は、1種のみ含有されていてもよいし、2種以上が含有されていてもよい。
[1−7]繰り返し単位(IV)〜(VI)の含有率
重合体(A)において、前記繰り返し単位(IV)の含有率は、重合体(A)における全繰り返し単位を100モル%とした場合に、通常、30モル%以下、好ましくは25モル%以下である。この繰り返し単位(IV)の含有率が過剰になると、レジストパターン形状が悪化したり、解像度が低下するおそれがある。
また、前記繰り返し単位(V)の含有率は、重合体(A)における全繰り返し単位を100モル%とした場合に、通常、30モル%以下、好ましくは25モル%以下である。この繰り返し単位(V)の含有率が過剰になると、得られるフォトレジスト膜がアルカリ現像液により膨潤しやすくなるおそれがある。
また、前記繰り返し単位(VI)の含有率は、重合体(A)における全繰り返し単位を100モル%とした場合に、通常、40モル%以下、好ましくは30モル%以下である。この繰り返し単位(VI)の含有率が過剰になると、放射線透過率が低くなりパターンプロファイルが悪化するおそれがある。
[1−8]分子量
本発明における重合体(A)のGPC法によるMwは、特に限定されないが、好ましくは1,000〜100,000、更に好ましくは1,000〜30,000、更に好ましくは1,000〜20,000である。この樹脂(A)のMwが過小では、レジストとした際の耐熱性が低下する傾向がある。一方、このMwが過大になると、レジストとした際の現像性が低下する傾向にある。また、樹脂(A)のMwとGPC法によるMnとの比(Mw/Mn)は、通常1〜5であり、好ましくは1〜3である。
[1−9]調整方法
また、重合体(A)においては、この重合体(A)を調製する際に用いられる単量体由来の低分子量成分の含有量が固形分換算にて、この樹脂100質量%に対して0.1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.07質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下である。この含有量が0.1質量%以下である場合には、液浸露光時に接触した水等の液浸露光用液体への溶出物の量を少なくすることができる。更に、レジスト保管時にレジスト中に異物が発生することがなく、レジスト塗布時においても塗布ムラが発生することなく、レジストパターン形成時における欠陥の発生を十分に抑制することができる。
前記単量体由来の低分子量成分としては、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマーが挙げられ、Mw500以下の成分とすることができる。このMw500以下の成分は、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等により除去することができる。また、樹脂の高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により分析することができる。
尚、重合体(A)は、ハロゲン、金属等の不純物の含有量が少ないほど好ましく、それにより、レジストとした際の感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等を更に改善することができる。
また、重合体(A)の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。
[1−10]フッ素原子含有割合:
本発明においては、上記繰り返し単位(I)を有し、重合体全体を100質量%とした場合にフッ素原子を5質量%未満含む重合体(以下、「重合体(A1)」ともいう。)を後述の重合体(C)と併せて用いることにより、液浸露光に特に適したフォトレジスト組成物を得ることができる。
重合体(A1)におけるフッ素原子含有割合は、好ましくは0〜4.9質量%、更に好ましくは0〜4質量%である。このフッ素原子の含有割合は、13C−NMRにより測定することができる。
上記重合体(A1)と後述する重合体(C)とを含む組成物を用いて、フォトレジスト膜を形成した場合、重合体(C)の撥油性に起因して、フォトレジスト膜の表面において重合体(C)の分布が高くなる傾向がある。即ち、重合体(C)が、フォトレジスト膜表層に偏在する。従って、フォトレジスト膜と液浸媒体を遮断することを目的とした上層膜を別途形成する必要がなく、液浸露光法に好適に用いることができる。
重合体(A1)は、繰り返し単位(I)を有する。繰り返し単位(I)については、上述の重合体(A)の説明をそのまま適用することができる。
重合体(A1)は、繰り返し単位(II)または繰り返し単位(III)を有していることが好ましい。これらの繰り返し単位については、上述の重合体(A)の説明をそのまま適用することができる。
重合体(A1)は、フッ素原子含有割合が上記範囲内である限り、繰り返し単位(IV)〜繰り返し単位(VI)を有していてもよい。このような繰り返し単位については、上述の重合体(A)の説明をそのまま適用することができる。
[2]感放射線性酸発生剤(B)
(B)感放射線性酸発生剤((B)酸発生剤)は、放射線の照射(以下、「露光」という)により酸を発生するものである。(B)酸発生剤は、露光により発生した酸の作用によって、重合体(A)(または重合体(A1))中に存在する酸解離性基を解離させて、重合体(A)(または重合体(A1))をアルカリ可溶性にする。その結果、フォトレジスト膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のレジストパターンを形成することができる。このような(B)酸発生剤としては、例えば、特開2009−134088号公報の段落[0080]〜[0113]に記載されている化合物などを挙げることができる。
(B)酸発生剤としては、具体的には、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、
トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホネート、N−ヒドロキシスクシイミドノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、N−ヒドロキシスクシイミドパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネートが好ましい。なお、(B)酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて含有させることができる。
(B)酸発生剤の含有量は、重合体(A)または重合体(A1)100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、2〜27質量部であることが更に好ましく、5〜25質量部であることが特に好ましい。0.1質量部未満であると、フォトレジスト膜としての感度や解像度が低下する場合がある。一方、30質量部超であると、フォトレジスト膜としての塗布性やパターン形状が低下する場合がある。
[3]重合体(C)
本発明のフォトレジスト組成物は、フッ素原子を5質量%以上含む重合体(C)(以下、「重合体(C)」という)と上述の重合体(A1)とを含有することにより、液浸露光に特に適したフォトレジスト組成物を得ることができる。
[3−1]繰り返し単位(C1):
重合体(C)は、分子中にフッ素原子を含むものであれば特に限定されないが、フッ素原子を含む繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(C1)」という)を有することが好ましい。このような繰り返し単位(C1)として、具体的には、一般式(C1−1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(C1−1)」という)、一般式(C1−2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(C1−2)」という)を挙げることができる。
Figure 0005487921
一般式(C1−1)中、R16は、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、Eは、連結基を示し、R17は、少なくとも一つ以上のフッ素原子を有する、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を示す。
Figure 0005487921
一般式(C1−2)中、R16は、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R18は、単結合、又は炭素数1〜10の(n+1)価の直鎖状、分岐状若しくは環状の、飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。R19は、単結合、又は炭素数1〜20の2価の直鎖状、分岐状若しくは環状の、飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。Xは、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状の2価の炭化水素基を示し、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子によって置換されている。Gは、単結合又は−CO−を示す。nは、1〜3の整数を示す。R20は、水素原子、酸解離性基又はアルカリ解離性基を示す。
一般式(C1−1)中、Eは連結基を示す。連結基としては、例えば、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、スルホニルアミド基、ウレタン基等がある。
一般式(C1−1)中、R17として表される基のうち、少なくとも一つ以上のフッ素原子を有する炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−(2−メチルプロピル)基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1−(2−メチルブチル)基、1−(3−メチルブチル)基、2−(2−メチルブチル)基、2−(3−メチルブチル)基、ネオペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−(2−メチルペンチル)基、1−(3−メチルペンチル)基、1−(4−メチルペンチル)基、2−(2−メチルペンチル)基、2−(3−メチルペンチル)基、2−(4−メチルペンチル)基、3−(2−メチルペンチル)基、3−(3−メチルペンチル)基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の部分フッ素化された基やパーフルオロアルキル基等がある。
また、少なくとも一つ以上のフッ素原子を有する炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基又はその誘導体としては、例えば、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、1−(1−シクロペンチルエチル)基、1−(2−シクロペンチルエチル)基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1−(1−シクロヘキシルエチル)基、1−(2−シクロヘキシルエチル基)、シクロヘプチル基、シクロヘプチルメチル基、1−(1−シクロヘプチルエチル)基、1−(2−シクロヘプチルエチル)基、2−ノルボルニル基等の脂環式アルキル基の部分フッ素化された基やパーフルオロアルキル基等がある。
繰り返し単位(C1−1)を与える単量体の好適例としては、トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロヘキシル)(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。
一般式(C1−2)中、R18として表される基のうち、炭素数1〜10の(n+1)価の直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基に由来する(n+1)価の炭化水素基等がある。
また、(n+1)価の環状の飽和若しくは不飽和炭化水素基としては、例えば、炭素数3〜10の脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素に由来する基がある。脂環式炭化水素として、具体的には、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン等のシクロアルカン類等を挙げることができる。また、芳香族炭化水素として、具体的には、ベンゼン、ナフタレン等を挙げることができる。
一般式(C1−2)中、R19として表される基のうち、炭素数1〜20の2価の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基に由来する2価の炭化水素基等がある。
また、2価の環状の飽和又は不飽和の炭化水素基としては、例えば、炭素数3〜20の脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素に由来する基がある。脂環式炭化水素として、具体的には、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等のシクロアルカン類等を挙げることができる。また、芳香族炭化水素として、具体的には、ベンゼン、ナフタレン等を挙げることができる。
なお、一般式(C1−2)中、R19として表される基の炭化水素基は、上述の非置換の炭化水素基における少なくとも1つの水素原子を、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、酸素原子等の1種又は2種以上により置換された基であってもよい。
また、一般式(C1−2)中、nが、2又は3である場合、複数のR19は全て同一の基であってもよく、一部又は全てが異なった基であってもよい。
一般式(C1−2)中、R20として表される基のうち、酸解離性基とは、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性官能基中の水素原子を置換する基であって、酸の存在下で解離する基をいう。より具体的には、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、(チオテトラヒドロピラニルスルファニル)メチル基、(チオテトラヒドロフラニルスルファニル)メチル基や、アルコキシ置換メチル基、アルキルスルファニル置換メチル基等がある。なお、アルコキシ置換メチル基におけるアルコキシル基(置換基)としては、例えば、炭素数1〜4のアルコキシル基がある。また、アルキルスルファニル置換メチル基におけるアルキル基(置換基)としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基がある。また、酸解離性基としては、上記一般式(2)中、−CRで表される基であってもよい。
重合体(C)として一般式(C1−2)中、酸解離性基を有する繰り返し単位を有するものを用いると、露光部における重合体(C)の溶解性を向上させることができる点で好ましい。これは、後述のレジストパターン形成方法における露光工程においてレジスト被膜の露光部で発生した酸と反応して極性基を生じるためであると考えられる。
一般式(C1−2)中、R20として表される基のうち、アルカリ解離性基とは、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の極性官能基中の水素原子を置換する基であって、アルカリの存在下で解離する基をいう。
このようなアルカリ解離性基としては、上記の性質を示すものであれば特に限定されないが、上記一般式(C1−2)中、Gが単結合である場合は、下記一般式(R1−1)で表されるものを挙げることができる。
Figure 0005487921
一般式(R1−1)中、R81は少なくとも一の水素原子がフッ素原子に置換された、炭素数が1〜10の炭化水素基である。R81の説明としては、前述のR17の説明を適用することができる。
81としては、前記炭化水素基の水素原子の全部がフッ素原子に置換された直鎖状又は分岐状で炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基が更に好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
また、上記一般式(C1−2)中、Gが−CO−である場合は、下記一般式(R1−2)〜(R1−4)で表されるものを挙げることができる。
Figure 0005487921
Figure 0005487921
Figure 0005487921
[一般式(R1−2)及び(R1−3)中、R10はハロゲン原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシル基、アシル基、若しくはアシロキシ基を示し、複数存在する場合は同一でも異なっていてもよい。mは0〜5の整数を示し、mは0〜4の整数を示す。一般式(R1−4)中、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R11及びR12が互いに結合して炭素数4〜20の脂環式構造を形成してもよい。]
一般式(R1−2)及び(R1−3)中、R10として表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。これらのうち、フッ素原子が好ましい。
一般式(R1−2)及び(R1−3)中、R10として表される炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−(2−メチルプロピル)基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1−(2−メチルブチル)基、1−(3−メチルブチル)基、2−(2−メチルブチル)基、2−(3−メチルブチル)基、ネオペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−(2−メチルペンチル)基、1−(3−メチルペンチル)基、1−(4−メチルペンチル)基、2−(2−メチルペンチル)基、2−(3−メチルペンチル)基、2−(4−メチルペンチル)基、3−(2−メチルペンチル)基、3−(3−メチルペンチル)基等を挙げることができる。
一般式(R1−2)及び(R1−3)中、R10として表される炭素数1〜10のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
一般式(R1−2)及び(R1−3)中、R10として表される炭素数1〜10のアシル基としては、例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基等が挙げられる。
一般式(R1−2)及び(R1−3)中、R10として表される炭素数1〜10のアシロキシ基としては、例えば、アセトキシ基、エチリルオキシ基、ブチリルオキシ基、t−ブチリルオキシ基、t−アミリルオキシ基、n−ヘキサンカルボニロキシ基、n−オクタンカルボニロキシ基等が挙げられる。
一般式(R1−4)中、R11又はR12として表される炭素数1〜10のアルキル基としては、上記R10と同じものを挙げることができる。
また、R11及びR12が互いに結合してそれぞれが結合する炭素原子とともに形成する脂環式構造としては、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、1−(1−シクロペンチルエチル)基、1−(2−シクロペンチルエチル)基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1−(1−シクロヘキシルエチル)基、1−(2−シクロヘキシルエチル基)、シクロヘプチル基、シクロヘプチルメチル基、1−(1−シクロヘプチルエチル)基、1−(2−シクロヘプチルエチル)基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。
一般式(R1−4)として表されるものの具体例としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1−(2−メチルブチル)基、1−(3−メチルブチル)基、2−(3−メチルブチル)基、ネオペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−(2−メチルペンチル)基、1−(3−メチルペンチル)基、1−(4−メチルペンチル)基、2−(3−メチルペンチル)基、2−(4−メチルペンチル)基、3−(2−メチルペンチル)基等を挙げることができる。これらの中でも、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基が好ましい。
重合体(C)として一般式(C1−2)中、アルカリ解離性基を有する繰り返し単位を有するものを用いると、重合体(C)の現像液に対する親和性を向上させることができる点で好ましい。これは、後述するパターン形成方法の現像工程において、重合体(C)が現像液と反応し、極性基を生じるためであると考えられる。
一般式(C1−2)中、Xとして表される、少なくとも1つのフッ素原子で置換された炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状の2価の炭化水素基としては、例えば、式(X−1)〜(X−8)等で表される基がある。
Figure 0005487921
繰り返し単位(C1−2)の具体例としては、一般式(C1−2−1)〜(C1−2−3)で表されるものを挙げることができる。
Figure 0005487921
一般式(C1−2−1)〜(C1−2−3)中、R16、R19、R20、nおよびXは上記一般式(C1−2)と同義である。なお、nが2または3のとき、R20は同一であっても異なっていてもよい。
繰り返し単位(C1−2)を与える単量体の具体例としては、一般式(M−1)〜(M−6)で表される化合物がある。
Figure 0005487921
一般式(M−1)〜(M−6)中、R16は、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R20は、水素原子、酸解離性基又はアルカリ解離性基を示す。
重合体(C)は、繰り返し単位(C1)以外に、酸解離性基を有する繰り返し単位(但し、繰り返し単位(C1)に該当するものを除く。以下、「繰り返し単位(C2)」という)、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位(但し、繰り返し単位(C1)に該当するものを除く。以下、「繰り返し単位(C3)」という)、ラクトン骨格を有する繰り返し単位(但し、繰り返し単位(C1)に該当するものを除く。以下、「繰り返し単位(C4)」という)を有していてもよい。
[3−2]繰り返し単位(C2):
重合体(C)として、繰り返し単位(C2)を有するものを用いた場合、フォトレジスト膜の前進接触角と後退接触角との差を小さくすることができ、露光時のスキャン速度向上に対応することができる。繰り返し単位(C2)としては、例えば、上記一般式(2)で表される繰り返し単位が好ましい。
また、繰り返し単位(C2)としては、上記一般式(2)で表される繰り返し単位の中でも、一般式(C2−1−1)で表される繰り返し単位が特に好ましい。
Figure 0005487921
一般式(C2−1−1)中、Rは、上記一般式(1)におけるものと同義である。R22は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。kは、1〜4の整数を示す。
一般式(C2−1−1)中、R22として表される炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等がある。
重合体(C)は、繰り返し単位(C2)を1種単独で又は2種以上を組み合わせて有していてもよい。重合体(C)は、繰り返し単位(C1)及び(C2)以外にも、繰り返し単位(C3)、又は繰り返し単位(C4)を、更に有するものを用いてもよい。この場合、現像液に対する溶解性を向上させることができる。
[3−3]繰り返し単位(C3):
繰り返し単位(C3)におけるアルカリ可溶性基は、pKaが4〜11の水素原子を有する官能基であることが好ましい。これは、現像液に対する溶解性向上の観点からである。このような官能基として、具体的には、一般式(C3a)、式(C3b)で表される官能基等を挙げることができる。
Figure 0005487921
一般式(C3a)中、R23は、フッ素原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示す。
一般式(C3a)中、R23として表されるフッ素原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基は、炭素数1〜10の炭化水素基における1又は2以上の水素原子がフッ素原子に置換されたものであれば特に限定されないが、例えば、トリフルオロメチル基等が好ましい。
なお、繰り返し単位(C3)の主鎖骨格は、特に限定されるものではないが、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、又はα−トリフルオロアクリル酸エステル等の骨格であることが好ましい。
繰り返し単位(C3)としては、例えば、一般式(C3a−1)、(C3b−1)で表される化合物に由来する繰り返し単位がある。
Figure 0005487921
一般式(C3a−1)及び(C3b−1)中、Rは、上記一般式(1)におけるものと同義である。R25は、単結合、又は炭素数1〜20の2価の直鎖状、分岐状若しくは環状の、飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。一般式(C3a−1)中、R23は、フッ素原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示す。nC3は0または1を示す。
一般式(C3a−1)及び(C3b−1)における炭素数1〜20の2価の直鎖状、分岐状若しくは環状の、飽和若しくは不飽和の炭化水素基としては、一般式(5)におけるR51と同様のことがいえる。また、一般式(C3a−1)中、R23として表される基に関しては、前記一般式(C3a)におけるR23と同様のことがいえる。
重合体(C)は、繰り返し単位(C3)を1種単独で又は2種以上を組み合わせて有してもよい。
[3−4]繰り返し単位(C4):
繰り返し単位(C4)としては、例えば、前記一般式(2−1)〜(2−6)で表される繰り返し単位がある。
ここで、重合体(C)中の全繰り返し単位の合計を100mol%とした場合の、各繰り返し単位の好ましい含有割合を以下に示す。繰り返し単位(C1)の含有割合は、20〜90mol%であることが好ましく、20〜80mol%であることが更に好ましく、20〜70mol%であることが特に好ましい。含有割合がこの範囲内である場合には、塗布後の撥水性と、現像液に対する親和性との両立という観点から特に有効である。また、繰り返し単位(C2)の含有割合は、通常80mol%以下であり、好ましくは20〜80mol%であり、更に好ましくは30〜70mol%である。繰り返し単位(C2)の含有割合がこの範囲内である場合には、前進接触角と後退接触角との差を小さくするという観点から特に有効である。更に、繰り返し単位(C3)の含有割合は、通常50mol%以下であり、好ましくは5〜30mol%であり、更に好ましくは5〜20mol%である。繰り返し単位(C3)の含有割合がこの範囲内である場合には、塗布後の撥水性と、現像液に対する親和性との両立という観点から特に有効である。また、繰り返し単位(C4)の含有割合は、通常50mol%以下であり、好ましくは5〜30mol%であり、更に好ましくは5〜20mol%である。繰り返し単位(C4)の含有割合がこの範囲内である場合には、塗布後の撥水性と、現像液に対する親和性の両立という観点から特に有効である。
重合体(C)は、例えば、所定の各繰り返し単位に対応する重合性不飽和単量体を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合することにより製造することができる。
重合体(C)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「Mw」という)は、1,000〜50,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜40,000、更に好ましくは1,000〜30,000である。このMwが1,000未満である場合、十分な後退接触角を有するフォトレジスト膜を得ることができないおそれがある。一方、50,000を超える場合、フォトレジスト膜の現像性が低下するおそれがある。また、重合体(C)のMwとGPC法によるポリスチレン換算の数平均分子量(以下、「Mn」という)との比(Mw/Mn)は、1〜5であることが好ましく、1〜4であることが更に好ましい。
なお、重合体(C)は、ハロゲン、金属等の不純物の含有量が少ないほど好ましい。このような不純物の含有量が少ないと、フォトレジスト膜の感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等を更に向上させることができる。
重合体(C)の含有量は、重合体(A1)100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましく、1〜7.5質量部であることが特に好ましい。0.1質量部未満であると、重合体(C)を含有させる効果が十分ではない場合がある。一方、20質量部超であると、レジスト表面の撥水性が高くなりすぎて現像不良が起こる場合がある。
[3−5]フッ素原子含有割合:
重合体(C)におけるフッ素原子含有割合は、フッ素含有重合体全体を100質量%とした際に、5質量%以上であり、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは5〜40質量%である。尚、このフッ素原子含有割合は13C−NMRにより測定することができる。重合体(C)におけるフッ素原子含有割合が上記範囲内であると、重合体(C)及び前述の重合体(A1)を含むフォトレジスト組成物によって形成されたフォトレジスト膜表面の撥水性を高めることができ、液浸露光時に上層膜を別途形成する必要がない。
[3−6]調整方法
また、本発明におけるフッ素含有重合体(C)は、例えば、所定の各繰り返し単位に対応する重合性不飽和単量体を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合することにより製造することができる。
前記重合に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
前記重合における反応温度は、通常、40〜150℃、好ましくは50〜120℃であり、反応時間は、通常、1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
[4]その他の成分
[4−1]酸拡散抑制剤(D)
酸拡散制御剤としては、例えば、一般式(10)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という)、窒素原子を3個以上有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」という)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。酸拡散制御剤を含有すると、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度を向上させることができる。
Figure 0005487921
(上記一般式(10)中、R45〜R47は、相互に独立に、水素原子、置換されていてもよい、直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。または、酸解離性基を示す。)
含窒素化合物(I)が有していてもよい酸解離性基として、具体的には、一般式(10−1)で表される基を挙げることができる。
Figure 0005487921
一般式(10−1)中、Rp1〜Rp3は、相互に独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはそれから誘導される基を示すか、或いはRp2及びRp3が相互に結合してそれぞれが結合している炭素原子とともに炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基若しくはそれから誘導される基を示し、Rp1が、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはそれから誘導される基を示す。
p1〜Rp3の説明としては、一般式(2)におけるR〜Rと同様のことがいえる。
含窒素化合物(I)としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族アミン類等を挙げることができる。
また、酸解離性基を有する含窒素化合物(I)としては、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−N’,N”−ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンタンアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等を挙げることができる。これらの中でも、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−N’,N”−ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンタンアミンが好ましい。
含窒素化合物(II)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙げることができる。
含窒素化合物(III)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等を挙げることができる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類の他、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
これらの酸拡散制御剤の中でも、含窒素化合物(I)、含窒素化合物(II)、含窒素複素環化合物が好ましい。なお、酸拡散制御剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。酸拡散制御剤の含有量は、重合体(A)(または重合体(A1))100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下が更に好ましい。酸拡散制御剤の含有量が過剰になると、形成したフォトレジスト膜の感度が著しく低下する傾向にある。
[4−2]溶剤(E)
本発明のフォトレジスト組成物は、普通、その使用に際して、全固形分濃度が、通常、1〜50質量%、好ましくは1〜25質量%となるように、溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、直鎖状又は分岐状のケトン類;環状のケトン類;プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−アルコキシプロピオン酸アルキル類のほか
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、
トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等がある。
これらの溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらの中でも、直鎖状又は分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類等が好ましい。
これらの溶剤(E)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
[4−3]ラクトン化合物(F)
前記ラクトン化合物(F)は、液浸露光においてレジスト膜表面に撥水性を発現させる作用を示す重合体(C)を、効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有するものである。そのため、このラクトン化合物(F)を含有させることで、重合体(C)の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、LWR、現像欠陥、パターン倒れ耐性等のレジスト基本特性を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出を抑制したり、高速スキャンにより液浸露光を行ったとしても液滴を残すことなく、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の撥水性を維持することができる。
具体的なラクトン化合物(F)としては、例えば、ガンマ−ブチロラクトン、バレロラクトン、メバロニックラクトン、ノルボルナンラクトン等を挙げることができる。
本発明におけるフォトレジスト組成物には、前記ラクトン化合物(F)が1種類のみ含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。
また、本発明のフォトレジスト組成物において、前記ラクトン化合物(F)の含有量は、レジスト膜表面に少ない添加量の重合体(C)を偏析させる効果を得る観点から、前記重合体(A1)を100質量部とした場合に、通常30〜200質量部であり、より好ましくは50〜150質量部である。このラクトン化合物(F)の含有割合が過小である場合、少量の重合体(C)添加においてレジスト膜表面の撥水性を十分に得ることができない。一方、この含有量が過剰の場合、レジストの基本性能及び形状が著しく劣化するおそれがある。
[4−4]その他の添加剤:
本発明のフォトレジスト組成物には、必要に応じて、脂環族添加剤、界面活性剤、増感剤、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等の各種の添加剤を含有することができる。
2.レジストパターン形成方法
本発明のフォトレジスト組成物は、特に化学増幅型レジストとして有用である。前記化学増幅型レジストにおいては、露光により酸発生剤から発生した酸の作用によって、樹脂成分〔主に、重合体(A)(または重合体(A1))〕中の酸解離性基が解離して、カルボキシル基を生じ、その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
本発明のフォトレジスト組成物からレジストパターンを形成する際には、樹脂組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の基板上に塗布することにより、フォトレジスト膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行ったのち、所定のレジストパターンを形成するように、このフォトレジスト膜に露光する。その際に使用される放射線としては、使用される酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等を適宜選定して使用されるが、ArFエキシマレーザー(波長193nm)或いはKrFエキシマレーザー(波長248nm)で代表される遠紫外線が好ましく、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)が好ましい。
また、露光量等の露光条件は、フォトレジスト組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選定される。本発明においては、露光後に加熱処理(PEB)を行うことが好ましい。PEBにより、樹脂成分中の酸解離性基の解離反応が円滑に進行する。このPEBの加熱条件は、フォトレジスト組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
本発明においては、フォトレジスト組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば、特公平6−12452号公報(特開昭59−93448号公報)等に開示されているように、使用される基板上に有機系或いは無機系の反射防止膜を形成しておくこともできる。また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば、特開平5−188598号公報等に開示されているように、フォトレジスト膜上に保護膜を設けることもできる。更に、液浸露光においてフォトレジスト膜からの酸発生剤等の流出を防止するため、例えば特開2005−352384号公報等に開示されているように、フォトレジスト膜上に液浸用保護膜を設けることもできる。尚、これらの技術は併用することができる。
次いで、露光されたフォトレジスト膜を現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。この現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。前記アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10質量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10質量%を超えると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば有機溶媒を添加することもできる。前記有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。この有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、有機溶媒の使用量が100容量%を超えると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。尚、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。ここで、部は、特記しない限り質量基準である。実施例および比較例における各測定・評価は、下記の要領で行なった。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]:東ソー社製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、G4000HXL1本)を用い、流量:1.0mL/min、溶出溶剤:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、単分散ポリスチレンを標準として測定した。
[MEEF1]
(1)レジストパターンの形成:
12インチシリコンウエハー表面に下層反射防止膜(商品名「ARC66」、日産化学社製)を商品名「Lithius Pro−i」を使用してスピンコートした後、PBを行うことにより膜厚105nmの塗膜を形成した。
次いで、商品名「CLEAN TRACK ACT12」を使用してフォトレジスト組成物をスピンコートし、PB(100℃、60秒)した後、冷却(23℃、30秒)することにより膜厚100nmのフォトレジスト層を形成した。
次いで、ArF液浸露光装置(商品名「S610C」、NIKON社製)を使用し、NA:1.30、Crosspoleの光学条件にて、42nmライン/84nmピッチのパターンを投影するためのマスクを介して露光した(以下、マスクによって投影されるパターンの寸法をそのマスクの「投影パターン寸法」と呼ぶ。例えば、投影パターン寸法が42nmライン/84nmピッチのマスクとは42nmライン/84nmピッチのパターンを投影するためのマスクのことを指す)。商品名「Lithius Pro−i」のホットプレート上でPEB(100℃、60秒)をし、冷却(23℃、30秒)した後、現像カップのGPノズルにて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液としてパドル現像(10秒間)し、超純水でリンスした。2000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、レジストパターンが形成された基板を得た。
(2)最適露光量の決定:
このとき、42nmライン/84nmピッチのレジストパターンが形成される露光量を最適露光量とした。
(3)MEEF1測定:
最適露光量にて、投影パターン寸法が40nmライン/84nmピッチ、44nmライン/84nmピッチのそれぞれのマスクを介して露光した以外は、上記(1)と同じ工程を経てレジストパターンを形成した。
得られたレジストパターンのライン幅の差をマスクのパターン寸法の差(44nm−40nm=4nm)で割った値をMEEF1として算出した。
ここでMEEF1の値は、次のように表すことができる。
MEEF1 = 形成されたレジストパターンのライン幅の差(A−B) / マスクのパターン寸法の差
A:投影パターン寸法が44nmライン/84nmピッチのマスクで形成されたレジストパターンのライン幅(nm)
B:投影パターン寸法が40nmライン/84nmピッチのマスクで形成されたレジストパターンのライン幅(nm)
[MEEF2]
(1)レジストパターンの形成:
ArFエキシマレーザー露光装置(商品名「NSR−S306C」、NIKON社製、開口数0.78)を使用し、投影パターン寸法が直径140nmホール(以下、「H」と記述することがある。)マスクを介して露光した以外は上記[MEEF1]における(1)と同じ工程を経てレジストパターンを形成した。
(2)最適露光量の決定:
このとき、直径100nmのホールパターンが形成される露光量を最適露光量とした。
(3)MEEF2測定:
最適露光量にて、投影パターン寸法が直径136nmHと直径144nmHのそれぞれのマスクを介して露光した以外は、上記(1)と同じ工程を経てレジストパターンを形成した。
得られたレジストパターンのホールの直径の差をマスクの投影パターン寸法の差(144nm−136nm=8nm)で割った値をMEEF2として算出した。
ここでMEEF2の値は、次のように表すことができる。
MEEF2 = 形成されたレジストパターンのホール直径の差(C−D) / マスクの投影パターン寸法の差
C:投影パターン寸法が144nmHのマスクで形成されたレジストパターンの直径(nm)
D:投影パターン寸法が136nmHのマスクで形成されたレジストパターンの直径(nm)
合成例1
Figure 0005487921
化合物(S2−1)17.2g(40mol%)、化合物(S2−2)5.9g(10mol%)、化合物(S2−3)7.5g(10mol%)、化合物(S2−4)21.0g(40mol%)を2−ブタノン100gに溶解し、更に2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.9gを投入したモノマー溶液を準備し、50gの2−ブタノンを投入した300mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて、3時間で滴下した。滴下終了後、さらに3時間80℃で撹拌した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、1000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾別した。濾別された白色粉末を2度200gのメタノールにてスラリー状で洗浄した後、濾別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(37g、収率74%)。13C−NMR分析の結果、化合物(S2−1)、化合物(S2−2)、化合物(S2−3)及び化合物(S2−4)に由来する繰り返し単位の含有率(mol%)がそれぞれ41:9:9:51であった。この共重合体はMwが7,400であり、重合体(A−1)とする。
合成例2
Figure 0005487921
化合物(S2−1)17.2g(40mol%)、化合物(S2−2)5.9g(10mol%)、化合物(S2−5)5.9g(10mol%)、化合物(S2−4)21.0g(40mol%)を2−ブタノン100gに溶解し、更に2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.9gを投入したモノマー溶液を準備し、50gの2−ブタノンを投入した300mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて、3時間で滴下した。滴下終了後、さらに3時間80℃で撹拌した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、1000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾別した。濾別された白色粉末を2度200gのメタノールにてスラリー状で洗浄した後、濾別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(37g、収率74%)。13C−NMR分析の結果、化合物(S2−1)、化合物(S2−2)、化合物(S2−5)及び化合物(S2−4)に由来する繰り返し単位の含有率(mol%)がそれぞれ41:9:9:51であった。この共重合体はMwが7,500であり、重合体(A−2)とする。
合成例3
Figure 0005487921
化合物(S2−1)21.9g(50mol%)、化合物(S2−2)6.0g(10mol%)、化合物(S2−5)6.0g(10mol%)、化合物(S2−4)16.1g(30mol%)を2−ブタノン100gに溶解し、更に2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0gを投入したモノマー溶液を準備し、50gの2−ブタノンを投入した300mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて、3時間で滴下した。滴下終了後、さらに3時間80℃で撹拌した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、1000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾別した。濾別された白色粉末を2度200gのメタノールにてスラリー状で洗浄した後、濾別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(39g、収率78%)。13C−NMR分析の結果、化合物(S2−1)、化合物(S2−2)、化合物(S2−5)及び化合物(S2−4)に由来する繰り返し単位の含有率(mol%)がそれぞれ49:11:9:31であった。この共重合体はMwが7,600であり、重合体(A−3)とする。
合成例4
Figure 0005487921
化合物(S2−1)21.7g(50mol%)、化合物(S2−2)5.9g(10mol%)、化合物(S2−5)11.9g(20mol%)、化合物(S2−4)10.6g(20mol%)を2−ブタノン100gに溶解し、更に2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0gを投入したモノマー溶液を準備し、50gの2−ブタノンを投入した300mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて、3時間で滴下した。滴下終了後、さらに3時間80℃で撹拌した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、1000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾別した。濾別された白色粉末を2度200gのメタノールにてスラリー状で洗浄した後、濾別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(40g、収率80%)。13C−NMR分析の結果、化合物(S2−1)、化合物(S2−2)、化合物(S2−5)及び化合物(S2−4)に由来する繰り返し単位の含有率(mol%)がそれぞれ51:9:19:21であった。この共重合体はMwが7,400であり、重合体(A−4)とする。
重合体(C)
合成例1
Figure 0005487921
化合物(S3−1)10.8g(60mol%)、化合物(S3−2)5.6g(25mol%)、化合物(S3−3)3.6g(15mol%)を2−ブタノン20gに溶解し、更に2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.9gを投入したモノマー溶液を準備し、20gの2−ブタノンを投入した100mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて、3時間で滴下した。滴下終了後、さらに3時間80℃で撹拌した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、600gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾別した。濾別された白色粉末を2度300gのメタノールにてスラリー状で洗浄した後、濾別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(16g、収率82%)。13C−NMR分析の結果、化合物(S3−1)、化合物(S3−2)及び化合物(S3−3)に由来する繰り返し単位の含有率(mol%)がそれぞれ61:24:15であった。なお、フッ素原子含有量は16.9%であった。この共重合体はMwが6,500であり、重合体(C−1)とする。
合成例2
Figure 0005487921
化合物(S3−4)3.1g(20mol%)、化合物(S3−5)16.9g(80mol%)、を2−ブタノン20gに溶解し、更に2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.9gを投入したモノマー溶液を準備し、20gの2−ブタノンを投入した100mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて、3時間で滴下した。滴下終了後、さらに3時間80℃で撹拌した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、600gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾別した。濾別された白色粉末を2度300gのメタノールにてスラリー状で洗浄した後、濾別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(15g、収率75%)。13C−NMR分析の結果、化合物(S3−4)及び化合物(S3−5)に由来する繰り返し単位の含有率(mol%)がそれぞれ21:79であった。なお、フッ素原子含有量は7.7%であった。この共重合体はMwが6,500であり、重合体(C−2)とする。
フォトレジスト組成物の調整
フォトレジスト組成物を、以下に示すように作製した。
上記重合体以外の成分は以下の通りであり、化学式と共に示す。
酸発生剤(B)
(B−1):トリフェニルスルホニウム・2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート
Figure 0005487921
酸拡散制御剤(D)
(D−1):t−ブチル−4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボキシレート
(D−2):2−フェニルベンズイミダゾール
Figure 0005487921
溶剤(E)
(E−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(E−2):シクロヘキサノン
添加剤(F)
(F−1):γ―ブチロラクトン
フォトレジスト組成物の調製
(実施例1)
重合体(A1)として重合体(A−3)100部、酸発生剤(B)として酸発生剤(B−1)(トリフェニルスルホニウム・2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート)12部、酸拡散制御剤(D)として(D−1)(t−ブチル−4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボキシレート)0.8部及び酸拡散制御剤(D−2)(2−フェニルベンズイミダゾール)0.8部、並びに添加剤(F)としてγ―ブチロラクトン30部及び重合体(C−1)3.5部、溶剤(E)として溶剤(E−1)(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)1876部及び溶剤(E−2)(シクロヘキサノン)804部を添加し、各成分を混合して均一溶液とした。その後、孔径200nmのメンブランフィルターを用いてろ過することにより、感放射線性組成物を調製した(総固形分濃度約7%)。得られたフォトレジスト組成物を用いて上記の方法でMEEF1を評価した。結果を表1に併せて示す。
(実施例2,3および比較例1)
フォトレジスト組成物の成分として表1のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてフォトレジスト組成物を調整した。MEEF1の評価結果を表1に示す。
Figure 0005487921
(実施例4)
重合体(A)として重合体(A−3)100部、酸発生剤(B)として酸発生剤(B−1)(トリフェニルスルホニウム・2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート)12部、酸拡散制御剤(D)として(D−1)(t−ブチル−4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボキシレート)0.8部及び酸拡散制御剤(D−2)(2−フェニルベンズイミダゾール)0.8部、並びに溶剤(E)として溶剤(E−1)(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)1876部及び溶剤(E−2)(シクロヘキサノン)804部を添加し、各成分を混合して均一溶液とした。その後、孔径200nmのメンブランフィルターを用いてろ過することにより、感放射線性組成物を調製した(総固形分濃度約7%)。得られたフォトレジスト組成物を用いて上記の方法でMEEF2を評価した。結果を表2に併せて示す。
(実施例5,6および比較例1)
フォトレジスト組成物の成分として表2のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてフォトレジスト組成物を調整した。MEEF2の評価結果を表2に示す。
Figure 0005487921
表1より、実施例1〜6のフォトレジスト組成物は、MEEFに優れるものであった。特に、液浸露光に適用した場合でも良好なMEFFを示した。これに対し、比較例1、2のフォトレジスト組成物は、繰り返し単位(I)を含まない重合体を用いているため、MEEFに劣るものであった。
本発明のフォトレジスト組成物は、MEEFを小さくできるので、KrFエキシマレーザーあるいはArFエキシマレーザーに代表される遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種の放射線を使用する微細加工に有用な化学増幅型レジストとして好適に使用することができ、今後さらに微細化が進むと予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有し、フッ素原子含有率が5質量%未満である重合体(A1)、
    感放射線性酸発生剤(B)および
    下記一般式(C1−1)又は下記一般式(C1−2)で表され、かつフッ素原子を含む繰り返し単位を有し、かつフッ素原子含有率が5質量%以上である重合体(C)
    を含む液浸露光用フォトレジスト組成物。
    Figure 0005487921
    一般式(1)中、Rは、水素原子、トリフルオロメチル基又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。nは1〜10の整数を示す。Rは、メチレン基または炭素数2〜5のアルキレン基を示す。Xは単結合または下記(a−1)〜(a−4)からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造を示す。
    Figure 0005487921
    Figure 0005487921
    一般式(2)中、R は上記一般式(1)の説明と同義である。R 〜R は、相互に独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示す。また、R とR とが相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基又はその誘導体を形成してもよい。
    Figure 0005487921
    一般式(C1−1)中、R 16 は、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Eは、連結基を示す。R 17 は、少なくとも一つ以上のフッ素原子を有し、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を示す。
    Figure 0005487921
    一般式(C1−2)中、R 16 は、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。R 18 は、単結合、又は炭素数1〜10の(n+1)価の直鎖状、分岐状若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。R 19 は、単結合、又は炭素数1〜20の2価の直鎖状、分岐状若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。X は、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状の2価の炭化水素基を示し、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子によって置換されている。Gは、単結合又は−CO−を示す。nは、1〜3の整数を示す。R 20 は、水素原子、酸解離性基又はアルカリ解離性基を示す。
  2. 前記重合体(A)が有する全繰り返し単位を100モル%としたときに、上記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有率が5〜50モル%である請求項1に記載の液浸露光用フォトレジスト組成物。
  3. 前記重合体(A)が、下記式(1−1)で表される繰り返し単位を有する請求項1または2に記載の液浸露光用フォトレジスト組成物。
    Figure 0005487921
    一般式(1−1)中、R、RおよびXは上記一般式(1)の説明と同義である。
  4. 前記重合体(A)が、
    さらに下記一般式(2−1)〜(2−6)からなる群より選択される少なくとも一つの繰り返し単位を含む請求項1〜3いずれかに記載の液浸露光用フォトレジスト組成物。
    Figure 0005487921
    一般式(2−1)〜(2−6)中、Rは上記一般式(1)の説明と同義である。一般式
    (2−1)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4の置換若しくは非置換のアルキル基を示し、pは、1〜3の整数を示す。前記一般式(2−4)及び(2−5)中、Rは、それぞれ独立に水素原子又はメトキシ基を示す。前記一般式(2−2)及び(2−3)中、Rは、それぞれ独立に単結合又はメチレン基を示し、mは、それぞれ独立に0又は1を示す。前記一般式(2−3)及び(2−5)中、Rは、それぞれ独立に酸素原子又はメチレン基を示す。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の液浸露光用フォトレジスト組成物を用いて基板上にフォトレジスト膜を形成する工程と、
    前記フォトレジスト膜上に液浸露光用液体を配置し、前記液浸露光用液体を介して前記フォトレジスト膜を液浸露光する工程と、
    液浸露光された前記フォトレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程と、
    を備えるレジストパターン形成方法。
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