JP5487737B2 - 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の撮像システムは、撮像系より出力された撮像信号をデジタル処理して輝度、色相、彩度からなる色空間の信号へ変換し、輝度信号に階調変換を行い、入力時の輝度値と色相値に対する第1の最大彩度値と、階調変換後の輝度値と色相値に対する第2の最大彩度値とを求め、色相が実質的に同一で、輝度のみが一定の比率で補正された場合に、これに対応するように彩度を補正することで、自然な色再現性を得るようになっている。
(1)
既に彩度が大きい画素は彩度飽和を起こし、結果的に色ずれが起こる。
(2)本来無彩色付近の色であった画素は、彩度が大きくあがることにより無彩色でなくなる。
(3)色温度の異なる複数の光源下で撮影した画像については、彩度補正により本来の色とは異なる色に強調されてしまう。
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像処理装置として機能するデジタルカメラ1の回路構成を示す図である。
撮像部3は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサからなり、撮影レンズ2の光軸上に配置される。撮像部3は、撮影レンズ2により収束された撮影光を受光すると共に、受光面に結像された被写体の光学像を光電変換し、アナログの撮像信号として出力する。
固定色相ゲインテーブル記憶部5aは、例えば、風景撮影モード、夜景撮影モード、人物撮影モード等の撮影シーン等、又は顔検出の有無等に応じて、複数種の固定色相ゲインテーブル(第2の色相ゲインテーブル)を記憶している。
彩度ゲインカーブ記憶部5bは、撮影時の周囲環境に応じて、複数種の彩度ゲインカーブを記憶している。
明度ゲイン値記憶部5cは、撮影時におけるストロボのオン/オフやISO(International Organization for Standardization)感度に応じて、複数の明度ゲイン値を記憶している。
画像処理部7は、後述する画像処理に関する各種処理を行う。画像処理部7は、本発明の第1の取得手段、第2の取得手段、第3の取得手段、第1の設定手段、第2の設定手段、読出手段、判定手段、彩度補正手段の各手段として機能する。一例として、画像処理部7は、撮影された画像におけるYUV色空間信号と、HSV色空間信号とを相互に変換する処理を行う。YUV色空間とは、輝度信号(Y)と、輝度信号と青色成分の差(U)と、輝度信号と赤色成分の差(V)との3つの情報で表す色空間をいう。また、HSV色空間とは、色相(H:Hue)と、彩度(S:Saturation)と、明度(V:Value)との3つの成分からなるHSVモデル(HSV model)で表される色空間をいう。本実施の形態は、HSV色空間信号で表された撮像画像を用いることで、より細かい画像の色補正を行うものである。
画像記録部9は、撮像部3により撮像され、前処理部4で前処理がされた画像データを記憶する。画像再生時には、制御部8は、画像記録部9から画像データを読み出して、表示部10に表示させる。
キー入力部11は、シャッターキー11aと、補正モード実行キー11bとを備える。
シャッターキー11aは、撮像するための入力部である。補正モード実行キー11bは、撮影した画像を補正する補正モードを実行するための入力部である。この補正モードは、制御部8が、補正モード実行キー11bの操作を検出して、その後に、シャッターキー11aの操作を検出することで実現する。
本実施の形態では、画像データを、YUV色空間からHSV色空間に色空間変換する。
HSVモデルは、図2(a)に示すように、円錐Cを用いて表すことができる。円錐Cで表現されたHSVモデルは、色相Hを、図2(b)に示すように色環の三次元円錐状の構造に描いて表現する。色相Hは、赤、青、黄等の色の種類を表し、0〜359の範囲の強度分布で表現することができる。彩度Sは、図2(c)に示すように、円錐Cの底面である円形交差部分の中心から円周方向への距離(半径)で表される。彩度Sは、色の鮮やかさであり、円形交差部分の中央を0として、0〜255の範囲で表すことができる。HSVモデルでは、彩度Sの値が小さくなるにつれて、灰色さが顕著になってくすんだ色で彩度Sが表現される。明度Vは、図2(d)に示すように円錐Cの頂点から底面方向への距離で表される。明度Vは、色の明るさであり、頂点を0として、0〜255の範囲で表すことができる。HSVモデルでは、明度Vの値が小さくなるにつれて、暗い色で明度Vが表現される。そして、撮像画像データの縮小画像を用いてその画像の、色相H、彩度S、明度Vのそれぞれを計測して得た色相、彩度、明度の分布から、色相(H)ゲイン、彩度(S)ゲイン、明度(V)ゲインの重み付けヒストグラム(強度分布)を生成し、これを補正値とする。
図3は、本実施の形態に係るデジタルカメラ1が実行する画像処理を示すフローチャートである。以下の処理は制御部8の制御の下に実行される。
図3のスタート時においては、ユーザの操作を検出することにより、撮影モードが設定される。またシャッターキー11aの操作検出による記録指示に先立ち、補正モード実行キー11bへの操作を検出することにより本フローチャートが実行される。まず、撮影モード時において、画像データの縮小画像を取得する。具体的には、制御部8は、前処理部4を制御して、撮像部3により撮影された画像データ、又は事前に画像記録部9に保存された画像データを縮小して、縮小画像のデータを生成する。縮小画像データは、画像データを補正するための解析に用いられる。
図3に戻り、青空の領域が存在すると判断した場合(ステップS7:YES)、処理はステップS8に進む。他方、青空の領域が存在しないと判断した場合(ステップS7:NO)、処理はステップS9に進む。
図5(a)、(b)は、縮小画像の画素の色相値Hを正規化して得た各色相の最大値を最大ゲイン値とする色相重み付けヒストグラムの一例であり、最大ゲイン値の分布を、上記図4(c)、(d)に対応する座標系41、51における可変色相ゲイン70、71として示している。本実施の形態では、ヒストグラムの情報を、そのままゲイン量として扱う。図5(a)、(b)に示すように、この例では、可変色相ゲイン70、71は、色相値Hが0〜90の範囲の色強度が大きい。
図6(a)は、縮小画像の全体の彩度値の分布を示すヒストグラムの一例である。画像処理部7は、縮小画像の彩度値の分布に基づいて最大彩度ゲイン値を決定する。このため、図6(a)の彩度値の分布を彩度ゲインカーブ110と呼ぶ。
図6(a)のヒストグラムで、彩度ゲインカーブ110は、ピーク100を頂点にして左右が下降した直線グラフで表されている。図6(b)は、彩度ゲインカーブ110に、彩度ゲインカーブ記憶部5bから読み出したピーク100よりも鮮やかな方向にピーク101を有する彩度ゲインカーブ111を重ね合わせた図である。画像処理部7は、彩度ゲインカーブ110を彩度ゲインカーブ111にシフトさせることにより、撮像画像に対して彩度を最終的に補正及び調整する際に用いる彩度ゲイン値を得る。なお、本実施の形態では、彩度ゲインの分布を線形のカーブで表したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ガウス分布等を用いた非線形のグラフで表してもよい。また、彩度ゲインカーブ記憶部5bは、彩度ゲインカーブ111の他に、撮影時の周囲の環境に応じて異なる複数種の彩度ゲインカーブを記憶してよい。
ステップS15で説明した明度処理について、図7を参照して説明する。
図7(a)は、縮小画像の明度Vの分布を示すヒストグラムの一例である。画像処理部7は、縮小画像の明度Vの分布に基づいて最大明度ゲイン値を決定する。このため、図7(a)の明度値の分布を明度ゲイングラフ120と呼ぶ。図7(a)に示すように、明度ゲイングラフ120は、ある値から一定の傾きで単調増加する直線グラフで表されている。
図7(b)は、明度ゲイングラフ120に撮影条件応じて変更した最適な明度のゲイン値である明度ゲイングラフ121を重ね合わせた図である。明度ゲイン値記憶部5cは撮影時におけるストロボのオン/オフやISO感度等に応じて、複数の明度ゲイン値を記憶している。画像処理部7は、撮影条件に対応する明度ゲイン値記憶部5cに記憶された明度ゲイン値に基づいて、明度ゲイングラフ120から121にシフトするように修正する。画像処理部7は、この明度ゲイングラフ121により、最終的に撮像画像に対する補正及び調整する際に用いる明度ゲイン値を得る。
ステップS18において、画像処理部7は、ステップS17でJPEG圧縮を行った撮像画像を、画像記録部9に保存する。その後、画像処理部7は、本処理を終了する。
(1)代表色の選定を行わずに、ヒストグラム情報である色相重み付けヒストグラムをそのままゲイン量として扱うことで、最も目立つ代表色を強調しつつ、2番目、3番目の代表色も強調することができる。
(2)色相ヒストグラムを加工するのみで実現されるため、処理の単純化を行うことができ、青空判定による空強調や、中央部分の色を強調する等の、その他判定処理に対応しやすいものにできる。
(4)無彩色付近の色が大きく彩度があがってしまうことを抑制できる。
例えば、本実施の形態では、撮像素子がCCDセンサであるデジタルカメラに本発明を適用したが、これに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の他の撮像素子を用いてもよい。
上述の画像処理部7の機能の一部又は全てを、制御部8を所定のプログラムに従い動作することによって実現するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、場合分けを伴う処理として、青空判定による空強調や、中央部分を強調を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、人物の顔や、紅葉の紅葉等、実装に応じて、様々な場合分けを伴う処理を適用してもよい。
更に本発明においては、最大色相ゲインテーブルの生成は、可変色相ゲインテーブルと固定色相ゲインテーブルとの積算によって行っていたが、撮影環境や、画像全体の色味を考慮し、最適な色相パラメータ値を更に加算する処理を加えても良い。
また、本発明は、撮像装置に限らず、画像の色補正をする機能を有する任意の画像処理装置にも適用できる。また、係る画像処理装置には、所定のプログラムに基づき動作することにより前記機能が実現されるパーソナルコンピュータも含まれる。
5 補正情報記憶部
5a 固定色相ゲインテーブル
5b 彩度ゲインカーブ記憶部
5c 明度ゲイン値記憶部
7 画像処理部
8 制御部
9 画像記録部
11 キー入力部
11a シャッターキー
11b 補正モード実行キー
H 色相
S 彩度
V 明度
Claims (9)
- 撮像画像を構成する各画素について所定の色空間の色相における色強度を計測し、この色強度の分布から第1の色相ゲインテーブルを取得する第1の取得手段と、
撮影シーンに応じた第2の色相ゲインテーブルと前記第1の取得手段によって取得された前記第1の色相ゲインテーブルとを積算し、各色の最大ゲイン値を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段によって取得された最大ゲイン値で各色の彩度を補正する彩度補正手段と、
を備える画像処理装置。 - 前記第1の取得手段は、前記撮像画像を構成する各画素のうち、前記所定の色空間における彩度及び明度が所定の閾値以上の画素の色強度を計測すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記第1の取得手段は、前記撮像画像を構成する各画素のうち、所定領域の画素の色強度については他の所定領域の画素よりも重み付けして計測すること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記撮像画像を構成する各画素の色の分布状態から、青空の画像領域の有無を判定する判定手段を更に備え、
前記第1の取得手段は、前記判定手段により青空の画像領域が存在すると判定した場合に、青空に対応する色を他の色よりも重み付けして計測すること、
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。 - 前記第2の色相ゲインテーブルを複数種記憶する第1の記憶手段と、
撮像時に設定される撮影シーンに基づいて前記第1の記憶手段に複数種記憶されている前記第2の色相ゲインテーブルから特定のものを読み出す読出手段と、
を更に備え、
前記第2の取得手段は、前記読出手段によって読み出された前記第2の色相ゲインテーブルと前記第1の取得手段によって取得された前記第1の色相ゲインテーブルとを積算し、各色の最大ゲイン値を取得すること、
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。 - 前記撮像画像を構成する各画素について所定の色空間における彩度の平均値を取得する第3の取得手段と、
この第3の取得手段によって取得された彩度の平均値に基づいて、特定の彩度値でピーク値を有する彩度のゲインカーブを設定する第1の設定手段と、
を更に備え、
前記彩度補正手段は、前記第2の取得手段によって取得された最大ゲイン値と共に、前記第1の設定手段によって設定されたゲインカーブに基づいて、各色の彩度を補正すること、
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。 - 前記彩度のゲインカーブを複数種記憶する第2の記憶手段を更に備え、
前記第1の設定手段は、前記第2の記憶手段に記憶されている前記彩度のゲインカーブから特定のものを読み出して設定すること、
を特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 撮像画像を構成する各画素について所定の色空間の色相における色強度を計測し、この色強度の分布から第1の色相ゲインテーブルを取得する工程と、
撮影シーンに応じた第2の色相ゲインテーブルと、取得された前記第1の色相ゲインテーブルとを積算し、各色の最大ゲイン値を取得する工程と、
取得された最大ゲイン値で各色の彩度を補正する彩度工程と、
を備える画像処理方法。 - コンピュータを、
撮像画像を構成する各画素について所定の色空間の色相における色強度を計測し、この色強度の分布から第1の色相ゲインテーブルを取得する第1の取得手段と、
撮影シーンに応じた第2の色相ゲインテーブルと、前記第1の取得手段によって取得された前記第1の色相ゲインテーブルとを積算し、各色の最大ゲイン値を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段によって取得された最大ゲイン値で各色の彩度を補正する彩度補正手段と、
して機能させるための画像処理プログラム。
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