JP5487149B2 - 波長分散測定装置及びそれを用いた波長分散測定方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、データの伝送速度がより高速となるに従い、個々の光パルスの幅と、互いに前後する光パルスの間隔が狭くなり、上述したクロストークや伝送エラーが、信頼性の高いデータ通信を行う際、以下に説明するように非常に重要な問題となる。
このように、光の波長に応じて光速度が異なる、という特性を、以下、波長分散、あるいは単に分散と称する。
しかし、データの伝送速度が数十Gbit/s以上となり高くなると、波長分散が前後の光パルスの間隔より広くなり、前後の光パルス同士が干渉するなどして、クロストークや伝送エラーが生じてしまう。このため、現状の技術のままで単に伝送速度を高めようとしたのでは、より高速度で信頼性の高いデータ通信は実現できない。
例えば、スペクトル位相の変化から波長分散を求めるため、各種コンポーネントのスペクトル位相を測定する周波数シフタを用いたスペクトルシアリング干渉計を用いた波長分散測定装置がある(例えば、特許文献1参照)。
このスペクトルシアリング干渉計では、スペクトル位相を一義的に計測可能とする目的として、光パルスのcos成分及びsin成分を各々水平偏光成分及び垂直偏光成分に変換し、偏波分離を行うことによって直交二成分を同時に計測するため、空間光学系を用いて干渉計を構成している。
このスペクトルシアリング干渉計において、cos成分及びsin成分の直交二成分を発生させるためには、直線偏光を円偏光に変換する必要がある。
この円偏光は、縦及び横に直交する水平偏光及び垂直偏光の2つの直交偏光の重ね合わにより形成されている。水平偏光と垂直偏光との間には90°の位相差がある。
したがって、偏光ビームスプリッタを用いて、円偏光を水平偏光と垂直偏光とに空間分離することにより、 cos成分とsin成分との直交二成分を得ることができる。
これに対して、光ファイバにおいては、光ファイバの光学長に応じた特定波長の光のみが、円偏光から楕円偏光に変化されずに伝搬され、それ以外の波長の光を円偏光から楕円偏光に変化して伝搬され、直交二成分を安定した状態にて維持することができず、高い精度にて直交二成分を得ることができない。
また、特許文献1の波長分散測定装置は、空間光学系を用いているため、装置の構成が複雑となり、かつ空間光学系に必要な部品を配置する必要性あるため小型化できないという問題がある。
しかし、特許文献1の波長分散測定装置では、0とπとの直交二成分のみが発生可能であり、任意の位相角度αの位相成分を発生させることができない。
したがって、特許文献1の波長分散測定装置では、非干渉成分を除去するために、干渉計の各分岐経路への光強度分布を、常に50:50に一致するように干渉計を最適化する必要がある。このため、分岐経路への光強度分布を常に50:50に保持するための安定化機構が必要となり、装置が複雑となり大型化することになり、小型化を行うことが困難となる。
定光信号を伝搬させる光ファイバで構成された測定結合用経路(出射光導入光ファイバ13)と、前記測定結合用経路に接続された第2入射端から前記合波被測定光信号を入射し、前記合波被測定光信号を通過させる周波数範囲を掃引し、前記合波被測定光信号から前記周波数範囲のスペクトル成分を抽出する周波数分解を行い、周波数分解の結果を成分被測定光信号として第2出射端から出射する光周波数掃引部(光周波数掃引部14)と、前記第2出射端に接続され、前記成分被測定光信号を伝搬させる光ファイバで構成された出射光経路(出射光ファイバ15)と、前記出射光経路に接続された第3の入射端から前記成分被測定光信号を入射し、該成分被測定光信号を電気信号に変換し、変換結果を干渉信号とする光検出部(光検出部16)と、前記光位相シフタの位相の変化に同期させ、前記位相シフタの位相を変化させる一周期内においてiが増加される毎に、前記第1被測定光信号と前記第2被測定光信号との位相αiにおける光成分に対応する前記干渉信号を時系列的に取得する制御部(制御部17)とを有することを特徴とする。
また、この発明によれば、空間光学系を用いていないため、装置の構成が簡易となり、かつ空間光学系において必要とされていた部品を配置する必要性がなく、装置を小型化することが可能となる。
先ず、本実施形態における波長分散測定装置にて測定する波長分散について説明する。
そのため、波長分散を補償することが、光ネットワークを構築して運用する際に重要な課題となる。この波長分散を補償するためには、この波長分散の程度を評価することが必要である。
上記波長差は、周波数差Δνにより、以下の式(2)として表される。式(2)において、νは周波数であり、cは光の速度である。
この干渉計では、入射光はビームスプリッタで2方向に分割され、各々の光は独立の経路を通過した後、再び一つに結合される。分割された光が各々の経路を伝搬することによる位相差を、結合後の干渉光の強度として測定することができる。
図1(A)は、光ファイバ伝送路を伝搬している光パルスの波形を示す図であり、横軸を時間t、縦軸を信号強度Iで表した光パルスの時間波形である。同図に示す例では、光パルスは25ps(40Gbit/s)毎にON、OFFを繰り返すような光パルスであるものとする。光ファイバ伝送路や光部品を伝搬後のスペクトル位相をφ(ν)とし、Δνの周波数差に対するスペクトル位相の変化分がΔφ(ν)であるとすると、群遅延時間差Δτgは以下の式(4)で表される。ここで、スペクトル位相は、一般に光パルスチャープ(pulse chirp)と呼ばれ、周波数の関数として位相がどのように変化していくかを記述するものであり、ここでは光ファイバ伝送路によって生じた位相変化を示すものである。
このスペクトル位相の変化分Δφの値は、周波数シフトしていない元の光パルス(図中実線)を微分した値と等価となる。従って、スペクトル位相の変化分Δφを周波数のシフト量Δν0で除算することにより、式(4)で示すように群遅延時間差Δτgを求めることができる。
スペクトルシアリング干渉計においては、干渉計が備える2本の分岐経路により、入力される光パルスを、偏光方向を同一に保持させて2つに分岐し、いずれか一方の分岐経路を伝搬する光パルスに対して周波数シフトを与える。
図1(C)に光パルスの強度スペクトル波形を示す。同図は電界Rに対する周波数νの依存特性を示すものであり、実線で示す如く、周波数シフトしていない元の光パルスは中心周波数ν0で電界Rが最大(ピーク)となるスペクトルを有することがわかる。一方、周波数をΔν0だけ微小シフトさせた場合(点線で図示)には、強度スペクトルのピークはシフトするが、波形は変化しないことがわかる。つまり、周波数を微小シフトさせても電界Rの値は変化がないため、絶対値で示される元の光パルスのパワースペクトルを、周波数をΔν0だけ微小シフトさせた光パルスのパワースペクトルにより近似することができる。
以下、上記参考文献に示される構成に加えて、背景成分となる非干渉成分が存在しない場合を想定し、直交二成分を検出することにより、一義的な位相の測定を含めた本実施形態によるスペクトルシアリング干渉計による波長分散の評価の基礎原理について説明する。
次に、非干渉成分が存在する場合に、ラジアン単位で位相シフトを0、π、αとして測定した位相成分(光成分)により背景成分となる非干渉成分を除去して直交二成分を求める方法を、後述する干渉成分に重畳した非干渉成分の除去の項において説明する。
第1分岐経路を伝搬する第1被測定光信号の電界の時間波形を以下の式(6)により表す。この式(6)において、tは時間であり、ν0は被測定光信号の中心周波数である。
Ψは時間領域表記での位相であり、波長分散に関係する項を含んでいる。また、式(6)において、信号変調フォーマットに依存する位相成分は省略している。
スペクトル干渉計においては、式(6)の電界の時間波形を分光して、すなわちフーリエ変換を行って、中心周波数ν0を原点としたスペクトルに変換し、以下の式(7)を得る。
このとき、単純に周波数シフト量を200MHzを400MHzと倍にすることが考えられるが、このような処理を行うと位相シフトして出力される信号強度の効率が低下してしまい、測定される干渉信号の強度が低下し、測定精度が低下することになる。
また、周波数分離の分解能を向上させることが考えられるが、周波数分離の分解能を向上させるためには新たなバンドパスフィルタを生成する必要があるため、容易に行うことはできない。
上述したように干渉計の光路を往復して伝搬した後において、第2分岐経路を伝搬する第2被測定光信号の電界の時間波形は、以下の式(8)により表される。第1被測定光信号に対して、第2被測定光信号におけるcos成分の位相差が0度、sin成分の位相差が90度であることに対応し、sin成分には位相差π/2(90度)が付加されている。ここで、sin成分による干渉成分(干渉フリンジ)のパワースペクトルを得るため、第2被測定光信号に、π/2の位相差を与え、sin成分としている。また、第2被測定光信号における第1光成分であるcos成分とcos成分に対して位相がπ/2異なる第2の光成分であるsin成分とは偏光方向が同一である。
また、本実施形態においては、上記式(13)を得るために第1被測定反射光信号及び第2被測定反射光信号との再結合を行う際、すでに述べたように第1被測定反射光信号及び第2被測定反射光信号のいずれか一方を、他方に対して位相を0度と90度とに交互にシフトさせている。この位相のシフトは、光位相シフタである光位相シフト部に対して、位相のシフト量を制御する電圧である位相シフト電圧を、位相を0度と90度とのシフト量となる電圧として時間的に交互に印加して行う。また、この位相のシフトを干渉計の光路の往復のそれぞれにおいて行った後においても、第1被測定反射光信号と第2披測定反射光信号との偏光方向は同一である。
以上のようにして、スペクトルシアリング干渉計を用いて、周波数差Δνに対するスペクトル位相の変化分Δφ(ν)を測定し、式(5)に代入することで分散パラメータDを算出し、光ファイバ伝送路や光部品などにおける波長分散の特性の評価を行う。
このように、スペクトル干渉計においては、分散パラメータを精度良く検出できない欠点がある。このため、本願発明においては、スペクトルシアリング干渉計を用いて、周波数差Δνに対するスペクトル位相の変化分Δφ(ν)を測定することにより、高精度に波長分散を評価している。
上述した「スペクトルシアリング干渉計」において、cos成分の干渉成分及びsin成分の干渉成分の各々のパワースペクトルを示す式(11)の導出において、第1分岐経路を伝搬する第1被測定反射光信号と、第2分岐経路を伝搬する第2被測定反射光信号との合波後のパワーを等しいとしている。すなわち、式(11)の導出の部分ですでに記載したが、スペクトルシアリング干渉計の分岐比及び合波比は共に50:50であり、干渉フリンジの背景成分となる非干渉成分は存在していないことを想定している。
このような特殊な構成のスペクトルシアリング干渉計は、構成のための要素が複雑となるとともに要素数も増大することなり、実用上において装置が大型化するため、好ましくない。また、分岐比及び合波比が変動する(揺らぐ)ことの無いように、温度を一定に保つことで、構成する要素の熱膨張によるスペクトルシアリング干渉計の経路長の変動や、熱光学効果による構成する要素の屈折率の変動を抑制するための安定化機構が必要となる。
この非干渉成分の除去に用いる3つの位相成分を得るため、位相シフタで発生する位相シフトを0及びπ/2の2値に限定するのではなく、互いに異なる3値以上の位相シフトを位相シフタに発生させる。
そして、この互いに異なる3値以上の位相シフトに対し、背景成分となる非干渉成分が重畳した干渉フリンジを測定する。そして、測定した干渉フリンジにおける非干渉成分を、数値演算により除去することができ、直交二成分からスペクトル位相の変化分を求めることが可能となる。この方法を用いることにより、分岐比及び合波比を共に50:50に保持したり、温度による変動を抑制するための安定化機構を導入する必要がなく、スペクトルシアリング干渉計を小型化して簡便に制作することが可能となる。
以下の説明において、位相シフトの値が互いに異なる3種を、0、π及びαとして説明する。ここで、位相シフトの値はラジアンで示し、αは0より大きくπより小さい任意の値(0<α<π)である。
また、上記式(16)の右辺において、第1項(Iback(ν))が各々の背景成分となる非干渉成分を表し、第2項(Iint(ν)cos[…])が干渉成分を表している。この非干渉成分は、位相シフトには依存せずに、光パルスの周波数νのみに依存する。
また、式(16)の位相シフトが0とπとにおける非干渉成分が重畳した干渉フリンジにより、cos干渉成分(位相シフト0)と背景成分となる干渉成分とが、以下に示す式(17)として与えられる。
まず、三角関数の加法定理を用いて、sin干渉成分を以下の式(18)として表す。
<第1の実施形態>
次に、図3を参照して、本実施形態による波長分散測定装置の構成及び機能を説明する。図3は、本実施形態による波長分散測定装置の構成例を示すブロック図である。
この図3において、波長分散測定装置は、入射経路としての入射光ファイバ1、光循環部2、接続光ファイバ3、光分岐結合部4、第1光分岐経路としての第1光ファイバ5、第2光分岐経路としての第2光ファイバ6、光遅延部7、光位相シフタとしての光位相シフト部8、終端部11、終端部12、出射光導入光ファイバ13、光周波数掃引部14、出射光経路としての出射光ファイバ15、光検出部16、制御部17、位相制御線18、掃引周波数制御線19及び検出制御線20を備える。ここで干渉計における光の伝搬する経路の距離は、光分岐結合部4の入出射端から終端部までと、終端部から入出射端までの往復の光路の距離となる。
また、光循環部2から第1光ファイバ5の第1終端部11まで、また光循環部2から第2光ファイバ6の第2終端部12までを被測定光信号が往復して伝搬することになる。ここで、光循環部2から光分岐結合部4を介して終端部(終端部11及び終端部12)へ、被測定光の伝搬する往路の方向を進行方向とし、終端部から光分岐結合部4を介して光循環部2へ戻る復路を反射方向(後退方向)として説明する。このため、光分岐結合部4から終端部11へ進行する第1被測定光信号に対し、終端部11にて反射して光分岐結合部4へ戻る光を第1被測定反射光信号とし、一方、光分岐結合部4から終端部12へ進行する第2被測定光信号に対し、終端部12にて反射して光分岐結合部4へ戻る光を第2被測定反射光信号として説明する。
光分岐結合部4は、第2入出射端に光ファイバ5の他端が接続され、第3入出射端に第2光ファイバ6の他端が接続されている。
また、光分岐結合部4は、第1終端部11により反射されて第2入出射端から入射された第1被測定反射光信号(矢印S9)と、第2終端部12から反射された第3入出射端から入射される第2被測定反射光信号(矢印S10)とを再結合し、再結合により干渉成分を取得するため、第1被測定反射光信号と第2被測定反射光信号との偏光方向を同一として出射する(矢印S12)。
第1被測定反射光信号は第1光ファイバ5を介して光分岐結合部4の第2入出射端に入射され、第2被測定反射光信号は第2光ファイバ6を介して光分岐結合部4の第3入出射端に入射される。
このように、光遅延部7を設けて光路長差を解消することにより、第1光ファイバ5と第2光ファイバ6との間において生ずる光路長の揺らぎを低減することができるため、式(14)におけるスペクトル位相の変化分Δφ(ν)の測定精度を向上させることができる。
なお、第1光ファイバ5と第2光ファイバ6との光路長差が測定精度に対して影響を与えない程度であれば、光遅延部7を設ける必要性はない。
したがって、光位相シフト部8により、往復で与えられる位相差の合計を0からπの間で順次変化させることで、位相差が0の場合の0成分検出モード、πの場合のπ成分検出モード、あるいはαの場合のα成分検出モードのいずれかを選択することができる。
すなわち、光分岐結合部4は、第2被測定反射光信号の位相シフトが0の場合、第1被測定反射光信号と第2被測定反射光信号との0成分における干渉成分を合波被測定光信号として出力し、第2被測定反射光信号の位相シフトがπの場合、第1被測定反射光信号と第2被測定反射光信号とのπ成分における干渉成分を合波被測定光信号として出力し、第2被測定反射光信号の位相シフトがαの場合、第1被測定反射光信号と第2被測定反射光信号とのα成分における干渉成分を合波被測定光信号として出力する。
この図5において、光分岐結合部4は、2×1光カプラ41と、SAW(surface acoustic wave:表面弾性波)フィルタ42とを有している。2×1光カプラ41は、分岐された光が出射される2つの端子の一方に、SAWフィルタ42が設けられており、このSAWフィルタ42により2つの端子間における周波数シフトを発生する。そして、SAWフィルタ42は、例えば、第1被測定光信号に対して第2被測定信号に、また第1被測定反射光信号に対して第2被測定反射光信号に、各々ν0/2の周波数シフトを与える。
上述したように、光遅延部7と光位相シフト部8との各々を、それぞれ異なる光ファイバの光路中に挿入することにより、光遅延部7と光位相シフト部8との間を残留反射光が往復することを防止することができる。このため、残留反射光が往復して共振することにより発生するスペクトルリップルを除去することができる。
第1被測定反射光信号及び第2被測定反射光信号を合波した合波被測定光信号の周波数数分解に用いる周波数は、上記バンドパス周波数幅における中心周波数とする。上記周波数分解において、周波数分解における周波数毎(異なる周波数における)の0成分、π成分及びα成分の干渉要素(干渉成分及びこの干渉成分に重畳した非干渉成分)を検出することになる。光周波数挿引部14は、出射端に出力光ファイバ15の一端が設けられている。
第1終端部11及び第2終端部12は、例えば、シリコン基板あるいはガラス基板にAl(アルミニウム)、Ag(銀)、Au(金)などの金属膜、あるいは誘電体膜(単層あるいは多層)などをコーティングした反射鏡を用いても良い。また、第1光ファイバ5及び第2光ファイバ6の他端の終端面に金属をコーティングして反射面を形成し、この反射面を第1終端部11、第2終端部12として用いても良い。
ここで、成分被測定光信号は、光位相シフト部8が位相のシフト量を0としている場合、対応する周波数の0成分の干渉要素であり、光位相シフト部8が位相のシフト量をπとしている場合、対応する周波数のπ成分の干渉要素であり、光位相シフト部8が位相のシフト量をαとしている場合、対応する周波数のα成分の干渉要素である。
したがって、光分岐結合部4にて合波する第1被測定反射光信号及び第2被測定反射光信号の偏波方向は同一に揃えられている。このため、被測定光信号は、図示しない偏波コントローラを用い、波長分散を評価する対象の光ファイバ伝送路を伝搬直後の被測定光信号の偏波を直線偏波とし、その偏光軸を入射光ファイバ1の偏光軸(例えば、スロー軸)に揃えた後に、入射光ファイバ1に入射される。
また、出射光導入光ファイバ13及び出射光ファイバ15に対しても、偏波保持光ファイバを用いても良い。
すなわち、測定周波数がn点である場合、周波数掃引周期をnで除算して得た第1周期毎に繰り返して連続的に位相シフト電圧を変化させる処理を上記トリガ信号に同期して行う。
また、制御部17は、検出制御線20を介して光検出部16から、この第1周期に同期して、0成分、π成分及びα成分の干渉信号を、位相シフト電圧の変化に対応させて順次受信する。
例えば、本実施形態においては、0成分→α成分→π成分の順番に、測定周波数を測定周波数の数nで乗算した1つの周波数を測定する第1の周期内で、それぞれ第1周期に同期して、周期的に受信するものとする。この第1の周期内において位相シフト電圧を0成分→α成分→π成分を連続的に順次変化させ、この変化させる処理を周波数掃引周期内において第1周期毎に繰り返すことになる。
そして、制御部17は、この時系列に取得した0成分、π成分及びα成分の干渉要素を一組として、各周波数における分散パラメータを演算するための非干渉成分を含む干渉スペクトルのデータとして用いる。
さらに、制御部17は、式(16)及び三角関数の加法定理を用いて得られた式(17)、式(19)及び式(20)により、周波数毎の一対のcos成分及びsin成分のパワースペクトルを得て、式(21)により、周波数毎の位相の変化分Δφ(ν)を得ることができる。そして、制御部17は、この位相の変化分Δφ(ν)を式(5)に代入することにより、周波数毎の分散パラメータを算出する。
上述したように、本実施形態においては、測定周波数の範囲における周波数の掃引の開始を、光周波数掃引部14から供給されるトリガ信号によって通知するものとする。
また、周波数掃引周期を連続させず、周期間に予め設定した一定時間を設けて、周波数掃引周期の開始点及び終了点各々のトリガ信号を用いることにより、開始点と終了点とを同時刻に設定する必要がなく、開始点と終了点との間に周波数を掃引の初期値に戻す時間を設けることができる。このため、終了点と開始点とがタイミング的に同一の場合(終了された後、時間を設けることなく開始される場合)のように、開始点から初期値への変化を行うために、周波数の変化する時間により、周波数掃引周期における最初の第1周期が短くなることが無くなり、測定時間の制御をさらに高精度化することができる。
すなわち、図6(a)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、光周波数掃引部14の出力するトリガ信号の出力タイミングを示す図である。この図6(a)において、光周波数掃引部14から出力されるトリガ信号のHレベル(VH)およびLレベル(VL)は、各々TTL制御(TTL(Transistor Transistor Logic)インターフェースを用いた制御)に適合するように設定される。
図6(c)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、位相差を第1周期Δtで変化させる、光位相シフト部8に印加する位相シフト電圧の波形を示す図である。位相シフト電圧V0は位相シフトを0(0成分検出モード)とする際の電圧であり、位相シフト電圧Vπ/2は位相シフトをπ(π成分検出モード)とする際の電圧である。また、位相シフトのシフト量をα(α成分検出モード)とする際の電圧をVα/2とすると、本実施形態においては、Vα/2はV0より大きくVπ/2よりも小さい、すなわちV0<Vα/2<Vπ/2である。制御部12は、第1周期Δtに対して周期的に正弦波的形状に位相シフト電圧を変化させ、光シフト位相部8へ印加する。光位相シフト部8を往復で合計2回通過するので、一回の通過により発生する位相シフトは、各々の位相成分での位相シフトの半分で良いため、必要とする電圧は透過型のスペクトルシアリング干渉計に比較して半分に低減できる。
図6(d)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、制御部17が光検出部16からの非干渉信号が重畳された干渉信号を時系列データとして受信するサンプリング周期のタイミングを示す図である。
図6(c)及び図6(d)については、第1周期を明確に記載するため、図6(a)及び図6(b)の横幅の時間スケールを拡大し、一部の時間範囲のみを示している。
この結果、光位相シフト部8は、供給される位相シフト電圧V0から位相シフト電圧Vπ/2までの変化により、第1光ファイバ5を進行方向に伝搬する第1被測定光信号の位相に対し、第2光ファイバ6を進行方向に伝搬する第2被測定光信号の位相を、0からπ/2の範囲で連続的に変化させ、また第1光ファイバ5を反射方向に伝搬する第1被測定反射光信号の位相に対し、第2光ファイバ6を反射方向に伝搬する第2被測定反射光信号の位相を0からπ/2の範囲において連続的に順次変化させる。
光検出部17は、第1周期Δt毎に連続して変化する位相シフトにともない、各周波数における干渉要素を有する(位相シフトのシフト量が0、π及びαの各々に対応する干渉要素を有する)成分被測定光信号を連続的に干渉信号として、制御部12に対して供給する。
すなわち、制御部17は、第2被測定信号の位相シフトの位相量を第1周期において0→π→0と連続して変化させるに伴い、測定周期である第1周期毎に1組の0成分、α成分及びπ成分の干渉要素をこの順序で得ることができる。これにより、測定周波数の範囲内にて、n個の第1周期Δtから、n組の0成分、α成分及びπ成分の干渉要素が得られる。
そして、制御部17は、スペクトル位相の変化分Δφ(ν)とパワースペクトルIint(ν)を求める際、20成分の干渉フリンジデータから0成分、π成分及びα成分に対応する3種を、位相シフト電圧V0、Vα/2及びVπ/2の各々を出力したタイミングに基づいて、サンプリングした複数の干渉フリンジデータから抽出し、式(21)及び式(22)に代入する。ここで、測定周波数がn点の場合、周波数掃引周期において周波数を1回掃引することにより、総サンプリング数は20×n(光成分)となる。
ここで、各第1周期内にサンプリング行う測定点が20点ある場合、サンプリングタイミングの変化に伴う測定点毎の掃引周波数の変化を無視することができなくなる。このため、各第1周期内における測定点毎の掃引周波数の変化を補正して、得られる干渉フリンジデータ各々の周波数精度を維持する必要がある。
本実施形態においては、測定点毎の掃引周波数の変化を補正するため、制御部17は以下の処理を行う構成としている。
図3には記載されていないが、本実施形態の波長分散測定装置は、線形補間を行うために用いる、20×n個の測定された干渉フリンジデータを記憶する記憶部を備えている。制御部17は、この記憶部に対して、測定した20×n個の干渉フリンジデータを、識別情報(例えば、上述したi番目の第1周波数におけるj番目の測定点かを示すサンプリングタイミングti,j)とともに順次書き込んで記憶させ、周波数掃引周期が終了した時点で、各干渉フリンジデータを読み出して線形補間を行う。ここで、iは1以上でありn以下(1≦i≦n)の整数、jは1以上であり20以下(1≦j≦20)の整数である。
ここで、各位相成分の0成分、α成分及びπ成分各々には、サンプリングタイミングti,1、ti,6、ti,11の干渉フリンジデータが対応する。ここで、iは1以上であり、かつn以下(1≦i≦n)の整数である。本実施形態においては、位相量の位相校正を行い、サンプリングタイミングti,6に対応するαは、ラジアンを単位として0.418436πである。ここで、上述した位相校正は、以下の方法により行う。
しかしながら、掃引周波数におけるある周波数において、スペクトル位相の変化分Δφ(ν)もしくはパワースペクトルIint(ν)でのリップルの相対強度が1ppm未満であれば、他の周波数においても、リップルの相対強度が1ppm未満となることが期待され、測定精度の高い波長分散の評価が可能となる。
このため、サンプリングタイムti,jの各々において、リップルの相対強度を観察し、リップルの相対強度が必要とする許容範囲にあるサンプリングタイムを、位相量αのサンプリングに用いるかを決定すれば良い。
例えば、第1周期の数nが1000であり、周波数掃引周期Tl+1−Tlが1s(秒)とした場合、位相シフト電圧の切替え周期である第1周期Δtは、1秒をn、すなわち1000で除算すると1msとなる。また、サンプリングタイミングの間隔は、第1周期の時間1msを、第1周期における測定点(サンプリング点)の数20で除算すると、50μsとなる。すでに述べたように、線形補間により、位相シフトの各位相量の成分の干渉フリンジデータの総数は、nに20を乗算して20000となる。
このため、周波数成分毎の測定間隔を1/20とする補間処理を行うこととなり、各位相成分毎の干渉信号のデータ点数を20倍とし、20倍とされた光成分の干渉フリンジデータから任意のデータを選択し、波長分散の評価に用いることができる。周波数の掃引が線形的に行われるため、時間経過により測定周波数に対応する位相量を線形関係により決定することができる。その結果、各位相成分に対応する干渉フリンジデータを、容易に補間することができる。
スペクトル位相の変化分Δφ(ν)の測定精度を向上させるため、各サンプリング点での位相を精度良く求める必要がある。このため、光周波数掃引部9でのバンドパス周波数幅は、上記サンプリング間隔の半分以下の狭さとすることが好ましい。
バンドパス周波数幅が狭いほど、周波数分解の分解能を高くすることができ、周波数に対するスペクトル位相の変化分Δφ(ν)を、高い精度により測定することができる。
ただし、バンドパス周波数幅を狭くすることにより、光検出部11に入射する光量が減少し、測定ノイズの影響が強くなることに注意する必要がある。
本実施形態においては、バンドパス周波数幅をサンプリング周波数(サンプリング間隔)の1/2、すなわち25MHzとする。このとき、光周波数掃引部9に用いるバンドパス光フィルタのフィネスは、ピーク間隔を透過ピークの半値全幅で除算した値、すなわち4000となる。ここで、光分岐結合部4に対して供給する高周波の周波数(Δν0/2)を200MHzとする。このため、第1被測定反射光信号の周波数に対する第2被測定反射光信号の周波数の周波数シフト(Δν0)は、干渉計の光路の往復にて400MHzとなる。
また、測定精度を向上させるために位相ゆらぎをさらに低減する必要がある場合、周波数掃引周期をさらに短くすればよい。例えば、周波数掃引周期を約0.1secにまで短縮することにより、周波数分散における位相ゆらぎの影響を無視することができる。
また、本実施形態において、光周波数掃引部9が線形に周波数を掃引するとして説明したが、一組の0成分、α成分及びπ成分のサンプリングを行う期間において、掃引が停止されて、一組の0成分、α成分及びπ成分のサンプリングを行う期間において、測定周波数が同一の周波数となるよう、ステップ状に周波数の掃引を行うようにしても良い。
さらに、本実施形態においては、従来例のように空間光学系を用いることなく干渉計を校正しているため、光ファイバと空間光学系とのとの間での光の入出力における光損失が発生することがなく、光の強度の低下を抑制し、干渉成分の測定感度を維持し、波長分散を測定することができる。
ただし、この場合、第1周期におけるサンプリング点数を増加、例えばサンプリング点数を20から40に増加させることにより、位相シフトの位相量の決定精度を上げる必要がある。
また、本実施形態によれば、一定の周波数分解能を得るため、光分岐結合部4に対して供給する高周波を半分とすることができ、倍の周波数を供給する場合に比較して省電力化することができる。
さらに、本実施形態によれば、光位相シフト部8においても位相シフトの量を、往復でαiとなるように、片方向ではαi/2と半分とすることができるため、印加する電圧を低下させることができ、装置の簡易化とともに低電圧化を行うことができる。
そして、制御部17は、光分岐結合部4に対して入射される第1被測定反射光信号と第2被測定反射光信号との光強度の差分を、第1光成分の干渉信号及び第2光成分の干渉信号とにより検出する。このとき、制御部17は、この検出した光強度の差分が予め設定した閾値を超える場合、反射率が可変な終端部の反射率を、差分が閾値以下となるように制御する。反射率が可変な終端部は、例えば、反射板として、厚さが位置を変更するごとに徐々に異なるように、厚さが位置により異なるように、厚さの変化に傾きを有するように金属または誘電体膜を基板にコーティングし、どの位置の膜を使用するかにより、反射率の制御を行う。
上述した反射率の変更処理は、温度変化により光強度の平衡性が崩れた場合に、リアルタイムに制御する場合の構成である。
また、作成した後に光強度の平衡性を調整するため、作業者が制御部17により干渉信号の測定を行いつつ、対応する反射率となるように、反射板の膜厚を調整するようにしても良い。
光強度の測定については、上述した終端部の反射率を変更する場合と同様であり、光強度調整部としては、アッテネータなどを用いる。
そして、制御部17は、光分岐結合部4に対して入射される第1被測定反射光信号と第2被測定反射光信号との光強度の差分を、第1光成分の干渉信号及び第2光成分の干渉信号とにより検出する。このとき、制御部17は、この検出した差分が予め設定した閾値を超える場合、アッテネータにおける光の減衰率を差分が閾値以下となるように制御する。
次に、第2の実施形態による波長分散測定装置の説明を行う。第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の構成であるが、図3の構成において、制御部17に並列に設けた3つの受信ポート(後述する受信ポートP1、P2及びP3)により、1組の0成分、α成分及びπ成分を、並列に受信する構成を有している。
図7は、光周波数掃引部9の周波数掃引動作と、これに対応した光位相シフト部8の位相シフトの動作と、制御部12における光検出部11からの干渉信号のサンプリングとにおける動作のタイミングを示す波形図である。
図7(b)は、縦軸が周波数であり、横軸が時間であり、光周波数掃引部14の掃引において出力する共振周波数の時間変化を示している。この図7(b)において、ν1は掃引開始の周波数(測定周波数の範囲における最低周波数)であり、ν2は掃引停止の周波数(測定周波数の範囲における最大周波数)である。
図7(c)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、光位相シフト部8に印加する位相差を第1周期Δtで変化させる位相シフト電圧の波形を示す図である。位相シフト電圧V0は位相シフトを0度(0成分検出モード)とする際の電圧であり、位相シフト電圧Vπ/2は位相シフトをπ(π成分検出モード)とする際の電圧である。また、0成分及びπ成分の検出を行う位相シフト電圧は、第1周期Δt内において正弦波的に変化する。ここで、αは、ラジアン単位で示す位相量であり、0<α<πして範囲が設定された実数である。したがって、αは0<α<πの範囲において変化する。
図7(d)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、制御部17が光検出部16から出力される電気信号である干渉信号を、受信ポートP1、受信ポートP2及び受信ポートP3から並列に時系列データとして受信するサンプリング周期のタイミングを示す図である。本実施形態においては、受信ポートP1が0成分の成分被測定光信号を受信し、受信ポートP2がπ成分の成分被測定光信号を受信し、受信ポートP3がα成分の成分被測定光信号を受信する。
図7(c)及び図7(d)については、第1周期Δtを明確に記載するため、図7(a)及び図7(b)の横幅の時間スケールを拡大し、一部の時間範囲のみを示している。
第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、nを1000とし、周波数掃引周期は1sとし、受信ポートP1から受信ポートP3各々のサンプリング周期は1msecである。
したがって、制御部17における干渉信号のA/D変換を行うA/D変換回路の動作速度が、サンプリング周期を短縮したい場合の制限要因となる可能性がある。しかし、本実施形態では、受信ポートP1、受信ポートP2及び受信ポートP3の三系統受信を採用することにより、各受信ポートのサンプリング速度が1ポートのみで受信する場合の1/3となるため、A/D変換回路の動作速度の制限を3倍に上昇させることができる。この場合、制御部17は、受信ポートP1から入力される干渉信号をA/D変換処理するA/D変換回路と、受信ポートP2から入力される干渉信号をA/D変換処理するA/D変換回路と、受信ポートP3から入力される干渉信号をA/D変換処理するA/D変換回路との3個のA/D変換回路を有している。受信ポートP1、受信ポートP2及び受信ポートP3の各々は、干渉信号の1系統、すなわちそれぞれ1個の受信ポートから構成されている。
また、1つの受信ポートにおいて、0成分、π成分及びα成分の各々の測定タイミングを交互に振り分ける必要が無くなるため、データ処理プログラムが簡単になり、データ処理速度を向上させることができる。
次に、第3の実施形態による波長分散測定装置の説明を行う。図8は第3の実施形態の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、第1の実施形態と異なる構成について以下に説明する。
第1光ファイバ5と第2光ファイバ6との光路長差を解消する光遅延部7及び被測定光信号の位相をシフトする光位相シフト部8を用いる場合、第1の実施形態の場合には光遅延部7及び光位相シフト部8の各々を異なる光ファイバに接続している。
また、光遅延部7及び光位相シフト部8とを合体させて一体化することにより、光遅延部7と光位相シフト部8とを分離して同一の光ファイバに設ける場合に比較して、光ファイバに発生する残留反射光を低減することができる。このため、第1の実施形態において示した残留反射光の共振によるスペクトルリップルを、より低いレベルに抑制することができる。
次に、第4の実施形態による波長分散測定装置の説明を行う。図9は、第1の実施形態から第4の実施形態のいずれかによる波長分散測定装置を用いて、光ファイバ伝送路を伝搬する光パルスの分散パラメータを測定する測定方法を説明する図である。この図において、波長分散測定装置66が、第1の実施形態から第3の実施形態のいずれかによる波長分散測定装置である。
モニタ用光分岐部62は、光ファイバ伝送路61の経路中において、波長分散を評価する位置に配置され、光ファイバ伝送路61に伝搬する光パルスを被測定光信号として抽出し、モニタ用光ファイバ63を介して偏波コントローラ64へ出射する。
入射用光ファイバ65は、偏波保持光ファイバが用いられており、偏光軸が波長分散測定装置66内部の偏波保持光ファイバ(第1光ファイバ5、第2光ファイバ6)との偏光軸に揃える。
光ファイバ伝送路61の全体における波長分散の測定だけでなく、光ファイバ伝送路61の任意の位置にて、その位置までの距離の波長分散を測定することができ、波長分散の測定位置の自由度を向上させることができる。
また、空間光学系を用いていないため、装置自体が小型化でき、装置を携帯して任意の光ファイバ伝送路の任意の個所において、情報を伝送する役割を担って伝搬する光パルスを用い、この光パルスをモニタするため、特に測定用の光源を必要とすることなく、微小周波数シフトに対するスペクトル位相の変化分Δφ(ν)を測定することにより、光ファイバ伝送路61の波長分散を評価することができる。
次に、第5の実施形態による波長分散測定装置の説明を行う。図10は、第1の実施形態から第4の実施形態のいずれかによる波長分散測定装置を用いて、光部品を伝搬する光パルスの分散パラメータを測定する測定方法を説明する図である。この図において、波長分散測定装置78が、第1の実施形態から第4の実施形態のいずれかによる波長分散測定装置である。
本実施形態において、被測定対象の光部品の波長分散を測定する際、測定用の特別な光源を用意するのではなく、通常、情報伝達のために伝送する光パルスを光ファイバ伝送路に出力する光送信機を、光源71として用いる。このように、光源71は光ファイバ伝送路に用いられる光源であり、本実施形態においては、干渉信号を光パルスに変換する光トランシーバを用いる。光源71は、入射用光ファイバ72に対して光パルスを被測定光信号として出射する。
入射光制御部73は、入射用光ファイバ72を伝搬する被測定光信号のパワー及び偏光状態を制御し、入射用光ファイバ72を介して、制御後の被測定光信号を被測定対象74の入射端に対して出射する。
被測定光信号のパワーを制御することにより、被測定対象74における波長分散のパワー依存性、すなわち波長分散の程度とパワーとの関係を測定して評価することができる。
また、被測定光信号の偏光状態を制御することにより、波長分散の偏光状態依存性、すなわち偏光状態と波長分散の程度との関係を測定して評価することができる。
出射用光ファイバ75は、被測定対象74としての光部品が配置される光ファイバ伝送路に用いられるのと同様の光ファイバにより構成する。
偏波コントローラ76は、入射端に出射用光ファイバ75の他端が接続され、被測定対象74からの被測定光信号が入射される。また、偏波コントローラ76は、出射端に入射用光ファイバ77の一端が接続されている。この入射用光ファイバ77は、偏波保持光ファイバが用いられており、偏光軸が波長分散測定装置78内部の偏波保持光ファイバ(第1光ファイバ5、第2光ファイバ6)との偏光軸に揃える。
また、被測定対象74としては反射型の光部品であっても良い。反射型の光部品である場合、被測定対象74における入射端と出射端とは同一となり、被測定対象74への入射用光ファイバ72と、被測定対象74からの出射用光ファイバ75とはサーキュレータを介して接続することになる。
次に、第6の実施形態による波長分散測定装置の説明を行う。第6の実施形態による波長分散測定装置は、第1の実施形態から第5の実施形態のいずれの構成においても実施することが可能であり、以下図3を用いて説明する。
第6の実施形態は、図3における光周波数掃引部14に入射される合波被測定光信号の偏光方向を、光周波数掃引部14におけるバンドパス光フィルタの偏光軸に一致する制御を行い、スペクトル分解特性を向上させる構成となっている。以下の説明において、第1の実施形態から第5の実施形態と異なる構成のみの説明を行う。
光周波数掃引部14には、周波数に対する分解能を向上させるため、バンドパス周波数幅が狭く、フィネスが高いバンドパス光フィルタを用いる。
このバンドパス光フィルタの一例として、光ファイバ中にQ値の高い共振器を設けて構成された光素子がある。
一方、バンドパス光フィルタにおいて、偏波保持光ファイバを用いず、偏波非保持光ファイバ(以下、光ファイバ)を用いた場合、固定状態などにより光ファイバに対して歪が印加されると、入射する光の偏光方向に対して屈折率が異なる偏光依存性が発生する。この結果、バンドパス光フィルタにおいて、偏光方向によってバンドパス周波数幅が拡がったり、バンドパス周波数帯が単一でなく偏光方向に依存して複数存在し、周波数分解能が劣化するという問題が発生する。
図11に、入射する光の偏光方向がバンドパス光フィルタを構成する光ファイバの単一の偏光軸(例えば、スロー軸)に一致するように調節するための構成例を示す。図11における光ファイバ81は図3の出射光導入光ファイバ13に対応し、図11における84を光周波数掃引部とした場合は、図3の光周波数掃引部14に対応し、図11における光ファイバ85は偏波非保持光ファイバであり、図3の出射光ファイバ15に対応している。
これにより、光周波数掃引部84は、接続光ファイバ83を介して、内部のバンドパス光フィルタを構成する光ファイバのスロー軸に偏光特性が一致した合波被測定光信号を、光循環部2を介して光分岐結合部4から入射する。
そして、84が光周波数掃引部の場合、光周波数掃引部84は、測定周波数の範囲においてバンドパス周波数幅を掃引することにより、合波被測定光信号を周波数分解して、成分被測定光信号として、光ファイバ85を介して光検出部16に対して出射する。
以上により、波長分散測定装置の全ての光の伝送経路を光ファイバベースとする光部品で構成する場合において、光周波数掃引部84における周波数分解(スペクトル分解特性)の精度の劣化を防止することができる。
次に、第7の実施形態による波長分散測定装置の説明を行う。第7の実施形態による波長分散測定装置は、第1の実施形態から第3の実施形態のいずれかの波長分散測定装置を用い、光信号発生器で発生した光パルスの分散パラメータを測定する。図12は、第1の実施形態から第3の実施形態のいずれかの波長分散測定装置を用い、光パルス伝送路を伝搬する、光信号発生器91で発生した光パルスの分散パラメータを測定する方法を説明する図である。
また、この図9において、波長分散測定装置97が第1の実施形態から第3の実施形態のいずれかの波長分散測定装置である。
光信号発生器91は、光トランスポンダ/光トランシーバ及び波長合成器を備えて構成されており、光ネットワークに用いられる光伝送装置における光パルスを発生する光信号発生部として機能する。
光ファイバ伝送路92は、光ネットワークに使用される光ファイバケーブルが構成の基本要素であり、全長が使用の対象とする光ネットワークに応じて決定される。例えば、海底光ファイバネットワークの場合には、光ファイバ伝送路92の全長が1000km以上となることがある。
また、光ファイバ伝送路92の全長が長くなり、伝送路の途中に光中継装置を介挿される際、光中継装置を通した光パルスの分散パラメータを評価する必要があり、この場合、光ファイバ伝送路92には光増幅器など光中継装置に用いられる機器が介挿される。
したがって、本実施形態において測定対象とする被測定光信号には、上述した10Gbps−NRZや40Gbps−DQPSK等の変調フォーマットの光信号が含まれる。ただし、本実施形態において測定対象とする被測定光信号は、これらの変調フォーマットに限られず、その他QAM(quadrature amplitude modulation)などの研究開発段階にある、これから実用化される変調フォーマットのものも含む。
偏波コントローラ93は、光ファイバ伝送路92から光入射端に入射される被測定光信号の偏波状態を直線偏波に変換し、被測定光信号の偏光軸を入射用光ファイバ96(図3または図8の入射光ファイバ1)の偏光軸(例えば、スロー軸)に揃えた後、被測定光信号を光出射端に一端が接続されている光ファイバ94へ出射する。
この波長チャンネル選択フィルタ95は、入射される被測定光信号から、波長分散測定装置97において評価する対象となる波長チャンネルの光信号を選択的に透過させ、波長分散測定装置97に対する被測定光信号として、光出射端から出射する。
すなわち、偏光軸を入射用光ファイバ96に合わせた被測定光信号が、波長チャンネル選択フィルタ95により、偏波状態が著しく変化してしまう場合、上述したように、波長チャンネルを選択した後、波長チャンネルの光信号の偏光軸を揃える処理が行われるように、波長チャンネル選択フィルタ95の後段に偏波コントローラ93を配置する構成が好ましい。この場合、光ファイバ伝送路92と光ファイバ94との間に波長チャンネル選択フィルタ95が設けられ、光ファイバ94と入射用光ファイバ96との間に偏波コントローラ93が設けられる。また、この波長チャンネル選択フィルタ95の後段に偏波コントローラ93を配置する構成の場合には、光ファイバ94は、偏波保持光ファイバである必要はない。
例えば、第4の実施形態の波長分散測定装置において、モニタ用分岐部62の後段、すなわちモニタ用分岐部62と波長分散測定装置66との間に、波長チャンネル選択フィルタ95を設けることで、多重された波長チャンネルのいずれか一つの波長チャネルの被測定光信号を抽出し、この一つの波長チャネルの波長分散特性を評価することができる。
次に、図13を参照して、第8の実施形態による波長分散測定装置の構成及び機能を説明する。図13は、第8の実施形態による波長分散測定装置の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、第1の実施形態と異なる構成及び動作について以下に説明する。
図13において、本実施形態の波長分散測定装置は、図3の第1の実施形態の波長分散装置の光循環部2と光周波数掃引部14との間に光入力切替部101が介挿される構成となっている。また、本実施形態の波長分散測定装置には、校正用光源103が設けられている。
本実施形態においては、光循環部2の第1出射端に接続光ファイバ107の一端が接続されている。光入力切替部101は、2つの光入射端のいずれか一方(第6入射端)が接続光ファイバ107の他端に接続され、2つの光入射端の他方(第7入射端)が接続光ファイバ102の一端に接続されている。接続光ファイバ102の他端は校正用光源103の光出射端に接続されている。光入力切替部101の出射端(第5出射端)には接続光ファイバ104の一端が接続されており、接続光ファイバ104の他端は光周波数挿引部14の入射端に接続されている。また光入力切替部101には、2つの光入射端から入射される光信号のいずれかを光出射端から出射するかの制御信号が光入力切替制御線105を介して、制御部17から供給される。
校正用光源103は、光出射端が接続光ファイバ102の他端に接続され、制御部17からの周波数制御を行う制御信号が供給される校正用光源制御線106の一端が接続されている。制御部17には、校正用光源制御線106の他端が接続されている。
光入力切替部101は、制御部17からの光入力を2つの光入射端のいずれから行うか、すなわち光循環部2からの被測定光信号を光周波数挿引部14へ供給するか、あるいは校正用光源103の出力する校正光を光周波数挿引部14へ供給するかを制御する制御信号が供給される光入力切替制御線105の一端が接続されている。制御部17には、光入力切替制御105の他端が接続されている。
そして、光入力切替部101は、接続光ファイバ102から入射される校正光を出力することを示す制御信号が制御部12から供給された場合、接続光ファイバ102から入射される校正光を光出射端から、接続光ファイバ104を介して光周波数掃引部9の光入射端へ出射する。
そして、光検出部11は、接続光ファイバ104を通過する光信号として校正光を選択した状態において、出射光光ファイバ15から入射される校正光を電気信号に変換して、この変換した電気信号を制御部12へ出力する。
制御部12は、校正用光源103の出射する校正光の光周波数を変化させ、入力される電気信号を測定する。この結果、周波数掃引部14において周波数掃引される光周波数の校正を行うことができ、測定する光周波数の変動を解消することができる。
したがって、この掃引光周波数の変動により、成分測定光信号の周波数の変動を解消するために、校正用光源103の校正光の周波数に対して、チューナブル光フィルタの掃引光周波数(透過周波数)のずれを校正する必要がある。
制御部17は、光入力切替部101における被測定光信号と校正光とのいずれを出射するかの制御を、光周波数掃引部14における周波数掃引及び校正用光源103の校正光の光周波数の制御と同期させることにより、被測定光信号の波長分散測定と、被測定光信号の周波数の校正とを交互に、もしくは一定の時間間隔毎に測定光周波数の校正を行うことができる。光周波数掃引部14の掃引周波数の変動の状態に応じて校正の間隔を調整するば良い。これにより、光周波数掃引部14を透過する光周波数がずれたとしても、校正光により周波数のずれを校正することができ、正確に周波数毎の分散パラメータを測定することができる。
また、光周波数掃引部14の透過する光周波数のずれが測定精度に比較して大きくない場合、予め設定した一定の時間毎に被測定光信号の周波数の校正を行うようにしても良い。
(1)単一縦モードにて発振するレーザ素子からなる構成
(2)単一縦モードで発振し、互いに発振波長が異なる複数のレーザ素子を用い、互いに異なる発振波長のいずれを校正光とするかを光スイッチにより選択する構成(ここで、光スイッチの切替は制御部17により制御される)
(3)単一縦モードで発振し、発振波長が可変であるチューナブルレーザ素子であり、発振波長を制御部17からのコマンド(制御命令)あるいは電気制御信号に従って可変する構成(ここで、コマンドは発振波長を示す制御データであり、電気制御信号は例えば発振波長に対応した電圧値などである)
(4)広帯域光源からの光信号を光フィルタにより透過させ、透過した光のピーク波長あるいは周波数幅を制御部17からのコマンドあるいは電気制御信号に従って可変する構成
(5)縦モードがマルチモードであるレーザ素子あるいは光周波数コム(optical frequency comb)光源であり、ピーク波長の周波数周期を制御部17からのコマンドあるいは電気制御信号にしたがって可変する構成
また、本実施形態にの説明における光周波数の構成機能を付加する構成については、第1の実施形態による波長分散測定装置に基づいて説明したが、本発明の第1の実施形態以外の他の実施形態による波長分散測定装置に対しても容易に適用できる。
Claims (15)
- 測定対象から入射される被測定光信号を伝搬する、偏波保持特性を有する光ファイバで構成された入射経路と、
前記入射経路に接続された第1入射端から被測定光信号を入射し、当該被測定光信号を第1入出射端から出射し、また当該第1入出射端から入射される合波被測定光信号を第1出射端から出力する光循環部と、
一端が前記第1入出射端に接続された、偏波保持特性を有する光ファイバで構成された第1接続経路と、
前記第1接続経路の他端に接続された第2入出射端から前記被測定光信号を、第1被測定光信号及び第2被測定光信号の2つに分離し、前記第1被測定光信号を第3の入出射端から出射し、また前記第1被測定光信号と同一の偏光方向であり、かつ当該第1被測定光信号に対し、予め設定した周波数分シフトさせた前記第2被測定光信号を第4の入出射端から出射し、一方、前記第3の入出射端から入射される第1被測定反射光信号と、前記第4入出射端から入射される第2被測定反射光信号を第1被測定反射光信号に対して前記周波数分シフトさせた信号とを合波し、この合波による干渉結果として前記合波被測定光信号を、前記第2入出射端から出射する光分岐結合部と、
一端が前記第3入出射端に接続された、偏波保持特性を有する光ファイバで構成された第1分岐経路と、
一端が前記第4入出射端に接続された、偏波保持特性を有する光ファイバで構成された第2分岐経路と、
前記第1分岐経路の他端に接続された第5入出射端から入射される第1被測定光信号を全反射し、前記第1被測定反射光信号として前記第5入出射端から前記第1分岐経路へ出射する第1終端部と、
前記第2分岐経路の他端に接続された第6入出射端から入射される前記第2被測定光信号を全反射し、前記第2被測定反射光信号として前記第6入出射端から前記第2分岐経路へ出射する第2終端部と、
前記第1分岐経路及び前記第2分岐経路のいずれか一方に設けられ、設けられた分岐経路を伝搬する光測定光信号の位相αi(ラジアン単位、αiは実数であり0≦αi≦2π、iは整数であり3≦i)を周期的に変化させる光位相シフタと、
前記第1出射端に接続され、前記合波被測定光信号を伝搬させる光ファイバで構成された測定結合用経路と、
前記測定結合用経路に接続された第2入射端から前記合波被測定光信号を入射し、前記
合波被測定光信号を通過させる周波数範囲を掃引し、前記合波被測定光信号から前記周波数範囲のスペクトル成分を抽出する周波数分解を行い、周波数分解の結果を成分被測定光信号として第2出射端から出射する光周波数掃引部と、
前記第2出射端に接続され、前記成分被測定光信号を伝搬させる光ファイバで構成された出射光経路と、
前記出射光経路に接続された第3の入射端から前記成分被測定光信号を入射し、該成分被測定光信号を電気信号に変換し、変換結果を干渉信号とする光検出部と、
前記光位相シフタの位相の変化に同期させ、前記位相シフタの位相を変化させる一周期内においてiが増加される毎に、前記第1被測定光信号と前記第2被測定光信号との位相αiにおける光成分に対応する前記干渉信号を時系列的に取得する制御部と
を有することを特徴とする波長分散測定装置。 - 前記iの取り得る値の範囲がmである場合、
前記制御部が、
前記第i光成分の各々に対し、周波数成分毎の測定間隔を1/mとする補間処理を行うことにより、全干渉信号のデータ点数をm倍とする
ことを特徴とする請求項1に記載の波長分散測定装置。 - 前記αiの要素の総数が3以上(i≧3)であり、
前記制御部が、当該要素から3つの要素として、位相α1の第1光成分、位相α2の第2光成分及び位相α3の第3光成分を抽出し、当該第1光成分、当該第2光成分及び当該第3光成分の各々から前記干渉信号を取得する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の波長分散測定装置。 - 前記制御部が、前記第1光成分の前記干渉信号を受信する第1受信部と、前記第2光成分の前記干渉信号を受信する第2受信部と、前記第3光成分の前記干渉信号を受信する第3受信部とを有していることを特徴とする請求項3に記載の波長分散測定装置。
- 前記αiの要素の総数が20以上(i≧20)であることを特徴とする請求項3に記載の波長分散測定装置。
- 前記第1終端部または前記第2終端部のいずれかまたは双方の終端部の反射率が可変であり、
前記制御部が、前記光分岐結合部に入射される前記第1被測定反射光信号と前記第2被測定反射光信号との光強度の差分を、前記第1光成分の干渉信号及び第2光成分の干渉信号との波形における直流成分の電圧値により検出し、当該電圧値が予め設定した閾値を超える場合、反射率が可変な前記終端部の反射率を、前記電圧値が前記閾値以下となるように制御することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の波長分散測定装置。 - 前記第1分岐経路または第2分岐経路のいずれかまたは双方に光強度調整部が介挿されており、
前記制御部が、前記光分岐結合部に入射される前記第1被測定反射光信号と前記第2被測定反射光信号との光強度の差分を、前記第1光成分の干渉信号及び第2光成分の干渉信号との波形の電圧値により検出し、当該電圧値が予め設定した閾値を超える場合、前記光強度調整部により、前記第1被測定反射光信号と前記第2被測定反射光信号とにおける反射率の強度の差分である前記電圧値を、前記閾値以下となるよう制御することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の波長分散測定装置。 - 前記第1分岐経路及び前記第2分岐経路のいずれか一方に設けられ、前記第1分岐経路
と前記第2分岐経路との光路長差を調節する光遅延部をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の波長分散測定装置。 - 前記第1分岐経路及び前記第2分岐経路のいずれか一方に前記光遅延部が設けられ、前記位相シフタが他方に設けられることを特徴とする請求項8に記載の波長分散測定装置。
- 前記第1分岐経路及び前記第2分岐経路のいずれか一方に、前記光遅延部及び光位相シフタが一体化して設けられていることを特徴とする請求項8に記載の波長分散測定装置。
- 前記制御部が、測定範囲における測定周波数の掃引毎に、測定単位として前記干渉信号毎に前記第1光成分、第2光成分及び前記第3光成分をデータグループとして時系列に取得することを特徴とする請求項3から請求項10のいずれかに記載の波長分散測定装置。
- 前記光結合部の前記第3出射端から出射する前記合波光信号を第1光ファイバを介して前記第6入射端から入射し、校正用光源の出射端から出射する校正光を第7出射端から入射し、前記合波信号もしくは前記校正光のいずれかを選択して前記第5出射端から出射する光入力切替部を有し、
該光入力切替部で選択した前記合波光信号もしくは前記校正光を第2光ファイバを介して前記光周波数挿引部の前記第4入射端に入射させ、前記結合用経路中に、前記結合用経路を伝搬する光として前記合波被測定光信号と前記構成用光源の出射端から出射する前記校正光とを切替える手段を有することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の波長分散測定装置。 - 前記測定結合用経路を偏波保持特性を有する光ファイバで構成し、前記測定結合用経路の後段に、前記合波被測定光信号の偏光方向を制御する偏波コントローラを挿入し、当該偏波コントローラと前記光周波数掃引部との間を偏波保持特性を有する第3光ファイバにより接続していることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の波長分散測定装置。
- 前記請求項3から請求項13のいずれかの波長分散測定装置を用いて、測定対象の波長分散を求める波長分散測定方法であって、
前記測定対象である光伝送路の波長分散を評価する部分に分岐部を設け、偏波制御部が該分岐部より得られる被測定光信号の偏波を直線偏波に制御し、前記波長分散測定装置内を伝搬する偏光軸に揃え、該波長分散測定装置に前記入射経路を介して被測定光信号を入射させ、前記第1光成分及び前記第2光成分の前記干渉信号から被測定光信号のスペクトル位相の変化分を求め、前記測定対象における波長分散を評価することを特徴とする波長分散測定方法。 - 前記請求項1から請求項13のいずれかの波長分散測定装置を用いて、測定対象の波長分散を求める波長分散測定方法であって、
前記測定対象の出射端から出射される光信号の偏波を直線偏波に制御し、前記波長分散測定装置内を伝搬する偏光軸に揃えた被測定光信号とし、当該測定対象が複数の波長チャンネルを含む場合には、前記測定対象から出射される前記被測定光信号から、単一の波長チャンネルの光信号を抽出し、抽出した前記被測定光信号を前記波長分散装置に入射して、当該被測定対象における波長分散を評価することを特徴とする波長分散測定方法。
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