JP5486988B2 - 研削装置 - Google Patents

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Description

本発明は、砥石車等の砥石でワークを研削する研削装置に関する。
砥石軸に、粗研削用と仕上げ研削用といったように加工粗さの異なる複数の円板状の砥石を同心状に固定し、1つの駆動源で砥石軸を回転させて複数の砥石を一体回転させる構成の研削装置が知られている(特許文献1,2等参照)。
特開2003−311610号公報 特開昭62−199356号公報
特許文献1の研削装置では砥石軸が片持ちで支持されているため振れが生じやすく、高い加工精度が要求される場合には適用が難しいといった面がある。一方、特許文献2には、軸受けの両側に砥石を配して両持ちで支持しているものがあり、この場合は振れが生じにくいものの、駆動がベルトドライブで駆動源を含めると全体が大型化してしまい、また、構造も複雑である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高精度の研削とともに装置のコンパクト化や構造の簡素化が効果的に図られる研削装置を提供することを目的としている。
本発明は、砥石軸と、この砥石軸を回転自在に支持する軸受けと、前記砥石軸の両端に同心状に固定された円板状の砥石と、前記砥石軸を回転駆動するモータとを備えた研削装置において、前記砥石軸は、一端部に大径部が設けられ、他端部にこの大径部よりも小径の小径部を有し、前記大径部に、前記小径部に固定される砥石よりも高い加工精度が要求される砥石が固定され、前記軸受けは外径が一定の主体部を有し、前記軸受けにおける前記砥石軸の前記小径部に対向する内周面に大径内周部が形成され、該小径部の外周部と該大径内周部との間に前記モータが配設され、前記モータの長手方向中央部が前記砥石軸の長手方向中央部より前記他端部側に位置付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、砥石軸の両端に砥石を固定した両持ち構造でありながら、砥石軸の小径部の外周部をモータの設置スペースとして有効活用することにより、装置全体が大径化せずコンパクト化が図られる。
本発明では、前記砥石軸の一端部に前記大径部が設けられ、他端部に前記小径部が設けられ、前記大径部に、前記小径部に固定される砥石よりも高い加工精度が要求される砥石が固定されることを好ましい形態とする。
この形態は、砥石軸の両端に、加工精度の要求度が異なる砥石、例えば要求精度の高い砥石と要求精度の低い砥石をそれぞれ固定する場合に、大径部側に要求精度の高い砥石を固定して用いるということである。砥石軸の大径部と小径部の剛性を比較すると大径部の方が高いので、大径部側に要求精度の高い砥石を固定することにより、双方の砥石による加工精度を満足させることができる。
本発明によれば、高精度の研削とともに装置のコンパクト化や構造の簡素化が効果的に図られる研削装置を提供することができるといった効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る研削装置の全体斜視図である。 同研削装置の全体平面図である。 ワーク支持ユニットの平面図である。 砥石ヘッドの断面図である。 要求精度の高い側の砥石の(a)側面図、(b)断面図である。 同砥石の外周部の拡大断面図である。 ドレッサで砥石をドレッシングする状態を示す平面図である。 ドレッサの径を測定し、かつ管理するプロセスを示すチャート図である。
以下、図面を参照して本発明に係る一実施形態を説明する。
(1)研削装置の構成
図1および図2は、一実施形態に係るNC研削装置の全体構成を示している。これら図で符号は基台1であり、この基台1上には、ワークWを支持するとともにZ方向に移動させるワーク支持ユニット2と、砥石を図2でX方向に移動させてワークWに対し進退させ、進行時にワークWを研削加工する砥石ユニット3とが設置されている。
砥石ユニット3は砥石ヘッド9を有しており、この砥石ヘッド9には、後述するように油圧配管部と油冷配管部とが設けられている。基台1の周囲には、砥石ヘッド9に対して油圧用の油を供給/排出する油圧ユニット4、砥石ヘッド9に対して油冷用の油を供給/排出する油冷ユニット5、研削時に発生するミストを吸引するミスト吸引機6、制御部71を備えたコンソールユニット7Aおよび操作盤7Bが配設されている。
基台1上のワーク支持ユニット2は、一対のガイド21に沿ってZ方向に移動自在に支持されたワークテーブル22と、このワークテーブル22をZ方向に往復移動させるワーク移動機構23と、ワークテーブル22に固定されたワーク支持ヘッド24とを備えている。ワーク移動機構23は、ガイド21間に回転自在に支持され、ワークテーブル22に螺合して連結されたZ方向に延びるねじ231をモータ232で正逆回転させるねじ式の駆動機構であり、ねじ231の回転方向に応じてワークテーブル22がZ方向に移動させられる。
ワーク支持ヘッド24は、軸方向がZ方向と平行とされたハウジング241を有しており、このハウジング241内に、Z方向に延びるモータ軸を備えたモータ(いずれも不図示)が内蔵されている。モータ軸は図2で右側に突出しており、そのモータ軸に、ワークWの取り付け部242を介してワークWが着脱自在に取り付けられる。ワークWはハウジング241内のモータによってZ方向を回転軸として回転させられる。ワークWは、例えば外周面にねじ山が形成された円筒状のねじなどが挙げられる。ワークWは、ワーク支持ヘッド24を介してワークテーブル22に固定され、ワークテーブル22と一体にZ方向に移動する。
また、ワークテーブル22上の所定箇所には、ドレッサユニット8が配設されている。このドレッサユニット8は、ワークテーブル22に固定されたベース81と、ベース81上に鉛直方向を回転軸方向として回転自在に支持された回転台82と、この回転台82上に支持された円板状のドレッサ83(図3および図7参照、図7矢印Bはドレッサ83の回転方向)とを備えている。ドレッサ83は、図3に示すように、軸方向が水平方向と平行とされた円筒状のドレッサ軸84の一端に、ドレッサ軸84と同心状に固着されている。ドレッサ軸84はハウジング85を介して回転台82に回転自在に支持されており、図示せぬモータによって回転駆動される。回転台82は、ベース81に内蔵された図示せぬ回転機構によって回転させられ、かつ任意の回転角度に制御されるようになされている。
砥石ユニット3は、一対のガイド31に沿ってX方向に移動自在に支持された砥石テーブル32と、この砥石テーブル32をX方向に往復移動させる砥石移動機構33と、砥石テーブル32に固定された上記砥石ヘッド9とを備えている。砥石移動機構33は、ガイド31間に回転自在に支持され、砥石テーブル32に螺合して連結されたX方向に延びるねじ331をモータ332で正逆回転させるねじ式の駆動機構であり、ねじ331の回転方向に応じて砥石テーブル32がX方向に移動させられる。
砥石ヘッド9は、図4に示すように、回転軸方向がZ方向と平行なスピンドル91と、このスピンドル91を回転自在に支持する円筒状の軸受け92と、この軸受け92の外周面に固定された円筒状のハウジング93とを備えている。ハウジング93は砥石テーブル32に固定されており、砥石ヘッド9は砥石テーブル32と一体にX方向に移動する。
スピンドル91には、その両端部にハウジング93よりも大径であって同一径の円板状の砥石94,95がマウント部911,912を介して同心状に、かつ着脱可能に取り付けられる。この場合、一端側(図4で右側)にはワークWのねじ山の歯先部分を研削する比較的加工精度の要求が低い砥石94が取り付けられ、他端側にはワークWのねじ山における斜面部分を研削する比較的加工精度の要求が高い砥石95が取り付けられる。いずれの砥石も、ホイール部941,951の外周縁にワークWを研削する研削部942,952が設けられたもので、この場合、ねじをワークWとするものであって、研削部942,952はねじ山に切り込む先細りのテーパ状に形成されている。研削部942,952は、例えばビトリファイドCBN等の一般周知の砥石材により構成され、ホイール部941,951に接着剤で接着されている。スピンドル91における砥石95のマウント部912には、振動によって砥石への接触を検知するAE(Acoustick Emission)センサ等からなる接触センサが設けられている。
また、砥石95におけるホイール部951の外側の側面には、図5および図6に示すように、ドレッサ径測定リング部(以下、単にリング部と略称)953が形成されている。このリング部953の側面には、電着によって砥粒が固着されており、砥粒が固着された側面が粗研削部954、外周面がドレッサ径測定部955とされている。
スピンドル91は径が均一ではなく、長手方向の概ね中央部から砥石94側が細くなっている。すなわち、スピンドル91は砥石94が取り付けられる小径部914と、この小径部914と同軸的であって砥石95が取り付けられる大径部915とから構成されている。そして、小径部914の外周部には、スピンドル91を回転させるモータ96が配設されている。
モータ96は、スピンドル91の小径部914の外周面に固定されたロータ部961と、軸受け92の内周面にロータ部961に対向して固定されたステータ部962とから構成されている。軸受け92の内周面の小径部914に対向する部分には、ステータ部962を収容する大径内周部921が形成されている。軸受け92は両端部に鍔部922,923が形成されており、これら鍔部922,923間の主体部924の外径は一定である。主体部924の砥石94側は、大径内周部921が形成されていることにより肉厚が薄くなっている。
スピンドル91の大径部915には、鍔状のスラスト部916が形成されており、軸受け92の内周面には、スラスト部916が回転可能に嵌合してスピンドル91のスラスト荷重を受けるとともに油が供給される溝状の静圧軸受け部925が形成されている。また、軸受け92の両端部の内周面にはスピンドル91のラジアル荷重を受けるとともに油が供給される溝状の静圧軸受け部926がそれぞれ形成されている。軸受け92およびハウジング93には、これら静圧軸受け部925,926に対して圧油を供給/排出する油圧配管部917が形成されている。スピンドル91は、これら複数箇所(この場合、3箇所)の静圧軸受け部925,926によって軸受け92に支持されている。また、軸受け92のモータ96に対応する外周面には、ハウジング93で被われるモータ冷却用のジャケット927が形成されており、このジャケット927に冷却用の油を供給/排出する油冷配管部918が、軸受け92およびハウジング93に形成されている。
(2)研削装置の動作
次に、上記研削装置の動作を、砥石94,95によるワークWの研削動作と、ドレッサ83による砥石94,95のドレッシングに分けて説明する。
(2−1)砥石によるワークの研削
ワークWが、外周面にねじ山が形成された円筒状のものである場合、そのワークWはワーク支持ヘッド24に軸方向がZ方向と平行な状態に取り付けられる。そして、ワーク移動機構23によってワークWはワークテーブル22ごと砥石ユニット3の前方の加工位置に移動させられる。一方、砥石ユニット3においては、砥石移動機構33によって砥石ヘッド9が砥石テーブル32ごとワークWに向かってX方向に進行する。ワークWは回転させられ、砥石94でねじ山の歯先部分が研削され、砥石95でねじ山の斜面部分が研削される。砥石94による研削は、砥石94の外周面がねじ山の歯先部分に接触する研削位置まで砥石ヘッド9をワークW側に進行させるとともにスピンドル91を回転させ、一方、ワークを回転させながらZ方向に移動させることによりなされる。また、砥石95による研削は、砥石ヘッド9を、砥石95の研削部952がねじ山間の谷に入り込んで先端が両歯面に接触する研削位置まで進行させるとともにスピンドル91を回転させ、ワークWを回転させながらZ方向に微動させることによりなされる。また、砥石95の側面の粗研削部954を用いて、必要な粗研削(例えば端面の研削)をワークWに対して行うことができる。
(2−2)ドレッサによる砥石のドレッシング
砥石94,95はドレッサ83によって定期的にドレッシングされる。ドレッシングは、ワークテーブル22をZ方向に移動させてドレッサユニット8を一方の砥石に近接させ、回転台82を回転させて図7に示すように(図7では砥石95を示している)ドレッサ83のドレッサ軸84が砥石95の研削部952に対して平行になる状態で、回転している砥石95の研削部952の内周側の端部に、ドレッサ83の外周面を接触させる。
そして、砥石テーブル32を図7でX1方向に移動させながら、かつワークテーブル22をZ1方向に移動させながら、常にドレッサ83が研削部952に接触するようにして研削部952に摺動させることにより、研削部952の表面がドレッサ83でドレッシングされる。研削部952に径方向にうねりがある場合には、回転台82をそれに応じて回転させ、常にドレッサ83の径方向が研削部952への接触面の法線方向に沿う状態になるように微調整する。
(2−3)ドレッサの径の測定
ドレッサ83によるドレッシングは、砥石94,95の研削部942,952への接触による切込み量を一定にすることが求められ、特に、刃先が鋭利な砥石95の研削部952では、切込み量が僅かに大きくても研削部952の形状が崩れるおそれがある。したがって、ドレッサ83の径の管理が厳密になされる必要がある。本実施形態では、以下のようにしてドレッサ83の径を測定して厳密な管理を可能としている。
ドレッサ83の径を測定するには、まず事前に、砥石95の側面に形成したリング部953の径を測定しておく(図8:ステップS1)。リング部953の径の測定は、スピンドル91に取り付ける前に行うことができる。次に、図3に示すように、ドレッサ軸84をスピンドル91の回転軸線と平行に位置付けてドレッサ83と砥石95のZ方向位置を合わせ、この状態から、砥石テーブル32をドレッサ83側に移動させてドレッサ83の外周面をリング部953の外周面のドレッサ径測定部955に接触させる(ステップS2)。そして、ドレッサ83がリング部953に接触したことが接触センサによって検知される(ステップS3)。
次いで、ドレッサ83がリング部953に接触したことを検知した時におけるスピンドル91の軸線のX方向の座標位置と、ドレッサ軸84の軸線のX方向の座標位置と、はじめに測定したリング部953の径とに基づき、ドレッサ83の径を求める(ステップS4)。ドレッサ83の径は、スピンドル91のX方向の座標位置[X1]からドレッサ軸84のX方向の座標位置[X2]を引いてスピンドル91とドレッサ軸84の軸間距離[X3]を求め、この軸間距離[X3]からリング部953の半径Rを引いた値がドレッサ83の半径rであるから、これを2倍すればドレッサ83の径(直径)は2rとして求まる。
リング部953のドレッサ径測定部955は、ドレッサ83の外周面が接触したことにより僅かながら摩耗する。ここで、摩耗したリング部953の径を再び測定し、摩耗量とともに制御部71に記憶させる(ステップS5)。
以上で1回目のドレッサ83の径の測定を終えるが、次回以降、ドレッサ83の径を測定する場合には、制御部71で、ドレッサ83がリング部953に接触した回数から現在のリング部953の径が算出され(ステップS6)、リング部953の径を上記ステップS1に当てはめる。
上記ドレッサ83の径管理方法では、ドレッサ83を砥石95に形成しリング部953に接触させることにより、ドレッサ83の径を高精度に測定することができる(上記ステップS1,S5)。ここで、事前に測定したリング部953の径と、初めてドレッサ83がリング部953に接触した後に測定したリング部953の径との差が、ドレッサ83が1回接触した際のリング部953の摩耗量である。したがって、この摩耗量にドレッサ83の接触回数を乗じた数値がリング部953の摩耗量となり、この摩耗量から、現在のリング部953の径が算出される(ステップS6)。したがって、ドレッサ83をリング部953に接触させてドレッサ83の径を測定するたびに、予めリング部953の径を測定する必要がない。したがって、2回目以降のドレッサ83の径を測定する場合の手間が省かれる。
(3)砥石ヘッドの作用効果
本実施形態の砥石ヘッド9においては、要求精度の異なる2つの砥石94,95を1つのスピンドル91の両端にそれぞれ同心状に支持し、それら砥石94,95を、砥石ヘッド9に内蔵させた1つのモータ96によって回転させる構成である。このため、2つの砥石94,95を駆動させる構造として簡素であるとともに、両砥石94,95の取り付け誤差や、振動による相手への影響といった問題が生じにくく、結果として加工精度の向上が図られる。
また、スピンドル91の径を2段として剛性が高い大径部915側で高い精度が要求される砥石95を支持し、小径部914側では精度の要求が比較的低い砥石94を支持し、小径部914の周囲のスペースを利用してモータ96を配設している。このため、モータ96を内蔵しながら全体の径が大きくなることなくコンパクト化が図られる。また、油圧による静圧軸受け部926でスピンドル91を支持することにより減衰性が向上し、このため、スピンドル91の振動が効果的に抑えられ高い軸受け性能が発揮される。
91…スピンドル(砥石軸)
915…大径部
914…小径部
92…軸受け
94…要求精度の低い砥石
95…要求精度の高い砥石
96…モータ

Claims (1)

  1. 砥石軸と、
    この砥石軸を回転自在に支持する軸受けと、
    前記砥石軸の両端に同心状に固定された円板状の砥石と、前記砥石軸を回転駆動するモータとを備えた研削装置において、
    前記砥石軸は、一端部に大径部が設けられ、他端部にこの大径部よりも小径の小径部を有し、
    前記大径部に、前記小径部に固定される砥石よりも高い加工精度が要求される砥石が固定され、
    前記軸受けは外径が一定の主体部を有し、
    前記軸受けにおける前記砥石軸の前記小径部に対向する内周面に大径内周部が形成され、該小径部の外周部と該大径内周部との間に前記モータが配設され、
    前記モータの長手方向中央部が前記砥石軸の長手方向中央部より前記他端部側に位置付けられていること
    を特徴とする研削装置。
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