JP5485544B2 - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池、及び太陽電池の製造方法に関し、特に、光電変換層を有する所謂励起型の太陽電池、及び励起型の太陽電池を製造する方法に関する。
この種の励起型太陽電池として、色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池が挙げられる。例えば色素増感太陽電池の光電変換層は、TiOやZnO等の金属酸化物に増感色素が担持されている。金属酸化物に電解質又は有機半導体が接している。入射光によって色素が励起する。この色素の電子が金属酸化物に移り、電解質または有機半導体から電子が色素に移る。これにより、電気が発生する。有機薄膜太陽電池の光電変換層は、n型半導体として挙動する有機半導体とp型半導体として挙動する有機半導体を含む。2種類の半導体の界面において光励起により電子−正孔対が形成され、電子がn型半導体にて輸送され、正孔がp型半導体にて輸送される。
一般に、色素増感太陽電池の光電変換層を構成する金属酸化物は、TiOやZnOからなる微粒子の集合体を焼結させ、多孔質化したものである(特許文献1、2参照)。ZnO等の金属酸化物を電析法により形成する技術も知られている(特許文献3参照)。
特開2008−62181号公報 特開2006−86056号公報 特開2007−207714号公報
色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池等の励起型太陽電池の光学吸収利得を増大させるためには、光電変換が行なわれる異種材料の界面の面積を大きくする必要がある。光電変換層が微粒子の集合体にて構成されている場合、微粒子の粒径を小さくすればするほど界面積(比表面積)を大きくでき、光学吸収利得を大きくできる。しかし、隣接する微粒子どうしの間には電気輸送抵抗が生じる。微粒子の粒径を小さくすればするほど電気輸送抵抗が大きくなる。
一方、電析法によれば金属酸化物が針状に形成されるため、良好な電気輸送性が得られる。しかし、比表面積が小さく、光学吸収利得が充分でない。また、電析にてなる針状の金属酸化物は、微粒子集合体からなる金属酸化物より光散乱効果が小さく、光路の実効長さを延ばすのが難しい。
本発明は、上記の事情に鑑み、色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池等の励起型太陽電池において、光電変換層の比表面積の増大による光学吸収利得の改善と良好な電気輸送性の確保とを両立させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る太陽電池は、透明電極と、前記透明電極と対向する対向電極と、これら透明電極及び対向電極の間に設けられた光電変換層とを備え、前記光電変換層が、電子を受け取り又は輸送する第1層と、電子を与え又は正孔を輸送する第2層を含み、前記第1層及び第2層が、それぞれ連続細孔を有して一体に連続する三次元網目構造をなし、かつ相手側の連続細孔に充填されるよう相互に絡み合っていることを特許請求しない特徴とする。
光電変換層の第1層及び第2層が三次元網目構造であるから、第1層と第2層の界面積を充分に大きくすることができる。したがって、入射光の吸収効率を高めることができ、光学吸収利得を高めることができる。加えて、第1層及び第2層は一体的に連続した構造になっており、内部界面が殆ど無く又は小さいため、微粒子の集合体にて構成した場合よりも内部の電気抵抗を充分に小さくで、電気輸送性を高めることができる。よって、光電変換層の光学吸収利得の改善と、良好な電気輸送性の確保とを両立させることができる。
ここで、一体に連続するとは、第1層又は第2層が、複数の分割片又は多数の粒子に分割されておらず、全体的につながっている状態をいい、内部界面がまったく無い場合の他、一体に連なった複数の線条部分が互いに接し、これら線条部分どうし間に界面が形成される場合も含む。
本発明は、透明電極と、前記透明電極と対向する対向電極と、これら透明電極及び対向電極の間に設けられた光電変換層とを備え、前記光電変換層が、電子を受け取り又は輸送する第1層と、電子を与え又は正孔を輸送する第2層を含み、前記第1層及び第2層が、それぞれ連続細孔を有して一体に連続する三次元網目構造をなし、かつ相手側の連続細孔に充填されるよう相互に絡み合っており、前記第1層における電子を受け取り又は輸送する部分が、複数の分割片又は多数の粒にて構成されておらず全体的につながっている太陽電池を特許請求する特徴とする。
前記第1層及び第2層のうち少なくとも一方の連続細孔の平均直径が、1μm以下であることが好ましい。
これによって、第1層若しくは第2層の比表面積、又は第1層及び第2層の界面積を充分に大きくでき、光学吸収利得を確実に向上できる。
前記第1層及び第2層のうち少なくとも一方の連続細孔の平均直径が、100nm以上、1μm以下であることがより好ましい。
これによって、上述したように比表面積又は界面積を充分に大きくできるとともに、入射光の散乱効果を確保でき、光電変換層内での光路の実効長さを大きくできる。したがって、光の吸収効率を充分に確保できる。
前記太陽電池が、色素増感太陽電池である場合、前記第1層が、増感色素を担持した金属酸化物であり、前記第2層が、有機半導体であることが好ましい。
前記金属酸化物として、TiO、ZnO等の金属酸化物半導体が挙げられる。これら金属酸化物半導体は、電子を増感色素から受け取り輸送する電子アクセプター又は電子輸送部として機能する。前記増感色素として、ルテニウム錯体、クマリン等が挙げられる。前記有機半導体として、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)等が挙げられる。前記有機半導体は、電子を増感色素に与える電子ドナー、又は正孔を輸送する正孔輸送部として機能する。
前記太陽電池が、有機薄膜太陽電池である場合、前記第1層が、n型有機半導体であり、前記第2層が、p型有機半導体であることが好ましい。
前記n型有機半導体として、PCBM(フラーレン誘導体)が挙げられる。n型有機半導体は、電子を受け取り輸送する電子アクセプター又は電子輸送部として機能する。前記p型有機半導体として、PHT(ポリ3ヘキシルチオフェン)等が挙げられる。p型有機半導体は、電子を与える電子ドナー、又は正孔を輸送する正孔輸送部として機能する。
また、本発明に係る太陽電池の製造方法は、透明電極と対向電極との間に、電子を受け取り又は輸送する第1層と、電子を与え又は正孔を輸送する第2層とを含む光電変換層を挟んでなる太陽電池を製造する方法であって、
前記透明電極又は対向電極の表面に、連続細孔を有する三次元網目構造のテンプレート層を形成するテンプレート形成工程と、
前記第1層及び第2層のうち一方を、前記連続細孔に充填するよう形成する第1充填工程と、
前記テンプレート層をエッチングするエッチング工程と、
前記第1層及び第2層のうち他方を、前記テンプレート層をエッチングしてできた空間に充填するよう形成する第2充填工程と、
を順次実行することを特徴とする。
第1充填工程では、テンプレート層をテンプレート(鋳型)にして、第1層及び第2層のうち一方を三次元網目状に形成できる。第2充填工程では、第1充填工程で形成した第1層又は第2層をテンプレート(鋳型)にして、第1層及び第2層のうち他方を三次元網目状に形成できる。これによって、第1層と第2層の界面積を充分に大きくすることができる。したがって、入射光の吸収効率を高めることができ、光学吸収利得を高めることができる。加えて、第1層及び第2層の内部界面を小さくできる。したがって、微粒子の集合体にて構成した場合よりも内部の電気抵抗を充分に小さくで、電気輸送性を高めることができる。よって、光電変換層の光学吸収利得の改善と、良好な電気輸送性の確保とを両立させることができる。
前記テンプレート形成工程において、金属−酸素結合の架橋性材料と溶媒を含む混合物を、前記透明電極又は対向電極の表面上でゾルゲル反応させ、金属−酸素結合の架橋構造体を生成することが好ましい。
架橋構造体が溶媒と相分離を起こす付近でゾルゲル反応が終結するよう前記混合物の組成やゾルゲル反応の条件を調節することによって、三次元網目状の架橋構造体を得ることができる。この架橋構造体を前記テンプレート層として用いることができる。前記金属−酸素結合の金属は、好ましくはシリコンである。
前記第1充填工程において、前記第1層及び第2層の一方の材料と前記材料が溶解された溶媒とを含む溶液を前記連続細孔に充填し、次いで前記溶媒を気化させることが好ましい。これによって、第1層又は第2層を容易に形成できる。
前記エッチング工程において、前記テンプレート層をプラズマにてエッチングすることが好ましい。
テンプレート層がシリコン−酸素結合を有する場合、プラズマエッチングのプロセスガスとして水を添加したハロゲン系ガスを用いるとよい。ハロゲン系ガスとして、CF、C、C、C等のパーフルオロカーボン(PFC)、CHF、CH、CHF等のハイドロフルオロカーボン(HFC)、又はSF、NF、XeF等が挙げられる。
前記第2充填工程において、前記透明電極又は対向電極に電圧をかけ、前記第1層及び第2層の他方となる金属酸化物を電気めっきにより析出させることが好ましい。析出する金属酸化物として、例えばZnOが挙げられる。析出用の溶液に増感色素を分散させておくことが好ましい。これによって、色素増感太陽電池の光電変換層を生成できる。
本発明によれば、太陽電池の光電変換層の比表面積増大による光学吸収利得の改善と、良好な電気輸送性の確保とを両立させることができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る色素増感太陽電池1を模式的に示したものである。色素増感太陽電池1は、基板10と、光電変換層20と、対向電極30と、封止基板40とを備えている。基板10の上に光電変換層20、対向電極30、及び封止基板40が順次積層されている。基板10は、透明基材11と、透明電極12を有している。透明基材11は、ガラス又は透明樹脂にて構成されている。透明樹脂としてPETが挙げられる。透明電極12は、例えばITO等の透明導電膜にて構成されている。この実施形態では、基板10として、ITOが被膜されたPETフィルムが用いられている。
透明電極12の表面に光電変換層20が設けられている。光電変換層20は、第1層21と、第2層22を含む。第1層21は、金属酸化物からなる半導体にて構成され、電子を後記増感色素23から受け取り輸送する機能を有する。金属酸化物としてTiOやZnOが挙げられる。この実施形態の第1層21は、ZnOにて構成されている。
第1層21に増感色素23が担持されている。増感色素23は、金属錯体色素や有機色素にて構成されている。金属錯体色素として、ルテニウム錯体(N3、N719等)が挙げられる。有機色素として、クマリンが挙げられる。
第2層22は、有機材料からなるp型の半導体にて構成され、電子を増感色素23に与え、又は正孔を輸送する機能を有する。この実施形態の第2層22は、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)にて構成されている。
図1においては模式化されているが、第1層21及び第2層22は、それぞれ連続細孔21a,22aを有して一体に連続する三次元網目構造体(多孔質体)になっている。しかも、第1層21及び第2層22は、互いに相手側の連続細孔22a,21aに充填されるよう相互に絡み合っている。連続細孔21a,22aの平均直径は、好ましくは100nm以上、1μm以下である。
上記のように構成された色素増感太陽電池1を製造する方法を説明する。
(1)テンプレート形成工程
まず、透明電極12で被膜されたPETフィルムからなる基板10を用意する。この基板10の透明電極12の表面に、連続細孔を有する三次元網目構造のテンプレート層を形成する。テンプレート層の形成は、特開2005−190828に開示された方法を用い、次のようにして行なうことができる。
(1−1)調整工程
先ず、金属−酸素結合の架橋性材料(前駆体)と溶媒を含む混合物を調整する。好ましくは混合物に更に触媒を混ぜて調整を行なう。架橋性材料の金属としては、好ましくはシリコンを用いる。架橋性材料として、好ましくは複数の架橋性(加水分解性)のシリル基と、このシリル基共有結合した炭素原子を有する有機無機複合架橋性化合物を用いる。架橋性(加水分解性)のシリル基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、フェノキシなどのアルコキシ基が直接シリコン原子に結合したアルコキシシリル基、塩素などのハロゲンがシリコン原子に結合したハロゲン化シリル基、アセトキシ基などのカルボキシシリル基等が挙げられる。架橋性シリル基として、予め加水分解されたシラノール基、シラノレート基を用いてもよく、この場合、後記ゾルゲル反応工程における加水分解は不要であり、縮合反応のみを行なえばよい。
上記架橋性化合物として、好ましくは下記式(1)により表されるものを用いる。
Figure 0005485544
式中、RはOCHまたはOC基を表し、n,nは0,1,または2のいずれかであり、n,nの少なくともひとつが1または2である。
これらの架橋性化合物としては、例えば、ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)ヘキサン、ビス(ジエトキシメチルシリル)オクタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)ノナン、ビス(ジエトキシメチルシリル)デカン、ビス(ジエトキシメチルシリル)テトラデカン、ビス(ジメチルエトキシシリル)エタン、ビス(ジメチルエトキシシリル)ヘキサン、ビス(ジメチルエトキシシリル)オクタン、ビス(ジメチルエトキシシリル)ノナン、ビス(ジメチルエトキシシリル)デカン、ビス(ジメチルエトキシシリル)テトラデカン等が挙げられる。
溶媒としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、イソプロパノール等のアルコールを用いてもよく、水アルコール混合液を用いてもよく、水を用いてもよい。
触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸などの酸を用いてもよく、アンモニア、水酸化ナトリウムなどの無機化合物、アミン化合物などの有機化合物などの塩基触媒を用いてもよい。好ましくは、触媒として、ブレンステッド酸を用いる。
(1−2)供給工程
調整した上記混合物を基板10に供給し、透明電極12上に混合物の膜を形成する。
(1−3)ゾルゲル反応工程
上記の混合物を基板10上でゾルゲル反応させる。すなわち、加水分解及びそれに続く脱水縮合反応を起こさせる。この工程では、混合物を被膜した基板10を室温から300℃までの任意の温度で加温することが好ましい。また、混合物に水を加えてもよく、水蒸気を接触させてもよい。混合物をゾルゲル反応させると重縮合により架橋性材料の分子量が徐々に増加し、架橋構造体の形成が進行する。架橋構造体の分子量がある程度の大きさになると、溶媒に溶解した状態から不溶の状態になり、相分離が起きる。この相分離を利用して、架橋構造体を三次元網目状に連続的につながった状態にすることができる。この状態で構造が凍結するように、溶媒量、触媒濃度、温度等の条件を調節する。この架橋構造体が、上記テンプレート層になる。テンプレート層の化学構造は、例えば下記式(2)により表される。
Figure 0005485544
式中、xは架橋に関与する−O−結合又はOH基であり、n,nは0,1,または2のいずれかであり、n,nの少なくともひとつが1または2である。
(1−4)連続細孔開放工程
テンプレート層の連続細孔には、上記混合物の溶媒が充填されている。この溶媒も三次元網目状に連続した状態になっている。この溶媒を除去する。これによって、テンプレート層の連続細孔の内部が空の状態になり、連続細孔が開放される。
(2)第1充填工程
次に、上記テンプレート層をテンプレート(鋳型)にして、第2層22を形成する。すなわち、テンプレート層の連続細孔に第2層22を充填する。この充填工程は、下記のようにして行なうことができる。
第2層22の原料液をテンプレート層の連続細孔に注入する。第2層22の原料液として、例えばPEDOTおよびドーパントとしてPSS(ポリスチレンスルホン酸)を溶解させた溶液を用いる。このPEDOT溶液の溶媒としては、水等を用いる。続いて、上記PEDOT溶液の溶媒を加熱等で気化させて除去する。これにより、PEDOTが固化し、テンプレート層の連続細孔内にPEDOTからなる第2層22を充填できる。テンプレート層の連続細孔は三次元網目状に連続しているから、PEDOTからなる第2層22についても三次元網目構造になる。
(3)エッチング工程
次に、テンプレート層をエッチングする。エッチングは、ドライエッチングでもよく、ウエットエッチングでもよいが、プラズマを用いたプラズマエッチングが好ましく、特に大気圧近傍のプラズマでエッチングする大気圧プラズマエッチングがより好ましい。大気圧プラズマエッチングは次のようにして行なう。
一対の電極を含む大気圧プラズマ処理装置を用意する。一対の電極間に電界を印加することによって、電極間に大気圧近傍の放電を生成する。この電極間の放電空間にプロセスガスを導入してプラズマ化する。このプラズマ化されたプロセスガスを、テンプレート層を含む基板10に接触させる。
プロセスガスとして、例えばハロゲン系ガスに水(HO)を添加したガスを用いる。ハロゲン系ガスとして、CF、C、C、C等のパーフルオロカーボン(PFC)、CHF、CH、CHF等のハイドロフルオロカーボン(HFC)、又はSF、NF、XeF等が挙げられる。プロセスガスには、アルゴン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが更に含有されていてもよく、これにより良好なプラズマを生成できる。これら不活性ガスをハロゲン系ガスのキャリアガスとして用いてもよい。
上記プロセスガスのプラズマ化によってHFが生成される。このHFを含むプラズマガスがテンプレート層に接触することにより、テンプレート層のSi−OとHFが反応して揮発性のSiFが生成され、テンプレート層がエッチングされる。
第2層22は残置される。したがって、第2層22の連続細孔22a内が空の状態になる。
(4)第2充填工程
次に、上記の第2層22を新たなテンプレート(鋳型)にして、第1層21を形成する、すなわち、第2層22の連続細孔(テンプレート層をエッチングしてできた空間)に第1層21を充填する。第1層第1層21の充填は、次のように電気めっき法を用いて行なうことができる。
塩化亜鉛水溶液を用意する。塩化亜鉛水溶液には増感色素23を分散させておく。第2層22が形成された基板10を、塩化亜鉛水溶液中に浸漬する。基板10の透明電極12にマイナス電圧をかける。これによって、連続細孔22aの透明電極12に面する箇所から酸化亜鉛が成長する(特許文献3参照)。この酸化亜鉛の成長方向が第2層22によって規制される。したがって、酸化亜鉛は、第2層22の連続細孔22aを埋めるように成長する。これにより、第2層22の連続細孔22aに酸化亜鉛からなる第1層21が充填される。したがって、第1層21は、上記テンプレート層と同一形状の三次元網目構造になる。第1層21には、塩化亜鉛水溶液に分散させておいた23が担持される。特に、第1層21と第2層22の界面に23が介在される。
このようにして、光電変換層20を形成できる。
続いて、光電変換層20上に対向電極30を配置し、さらに封止基板40にて封止する。こうして、色素増感太陽電池1が完成する。
上記のようにして製造された色素増感太陽電池1によれば、光電変換層20の第1層21を三次元網目構造にでき、該第1層21の比表面積ないしは第1層21と第2層22の界面積を充分に大きくすることができる。したがって、入射光の吸収効率を高めることができ、光学吸収利得を高めることができる。加えて、第1層21は、全体的に一体的に連続した構造になっており、内部界面が殆ど無く又は小さいため、微粒子の集合体にて構成した場合よりも内部の電気抵抗を充分に小さくで、電気輸送性を高めることができる。よって、光電変換層20の光学吸収利得の改善と、良好な電気輸送性の確保とを両立させることができる。
連続細孔21a,22aの平均直径を1μm以下にすることによって、第1、第2層21,22の比表面積又は界面積を充分に大きくでき、光学吸収利得を確実に向上できる。連続細孔21a,22aの平均直径を100nm以上にすることによって、入射光の散乱効果を確保でき、光電変換層20内での光路の実効長さを大きくできる。したがって、光の吸収効率を充分に確保できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の実施形態と重複する部分については、図面に同一符号を付して説明を省略する。
本発明は、色素増感太陽電池に限られず、有機薄膜太陽電池等の他の励起型太陽電池にも適用できる。図2は、有機薄膜太陽電池1Aを模式的に示したものである。有機薄膜太陽電池1Aの光電変換層20は、n型有機半導体からなる第1層25と、p型有機半導体からなる第2層26を有している。第1層25を構成するn型有機半導体としては、PCBM(フラーレン誘導体)が挙げられる。第2層26を構成するp型有機半導体としては、PHT(ポリ3ヘキシルチオフェン)が挙げられる。光電変換層20は、PCBMとPHTとによるバルクヘテロ層を構成している。
図2においては模式化されているが、PCBM層25及びPHT層26は、それぞれ連続細孔25a,26aを有して一体に連続する三次元網目構造体(多孔質体)になっている。しかも、PCBM層25及びPHT層26は、互いに相手側の連続細孔26a,25aに充填されるよう相互に絡み合っている。連続細孔25a,26aの平均直径は、好ましくは100nm以上、1μm以下である。
第2実施形態のPCBM層25及びPHT層26を含む光電変換層20についても、第1実施形態の光電変換層20と同様にして製造できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をなすことができる。
例えば、透明でない対向電極30上に上記テンプレート層を形成し、さらに第1充填工程、エッチング工程、第2充填工程を行なってもよい。対向電極30が透明であってもよい。
第1充填工程では第1層21を形成し、第2充填工程では第2層22を形成することにしてもよい。
第1実施形態において、第2層22として電解質を用いてもよい。第1層21を形成した後、第1層21の形成に用いたテンプレートを除去し、第2層22として電解質を充填することにしてもよい。第1層21として金属の三次元網目構造を形成した後、この金属の表面を酸化させ、金属酸化物を得ることにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係る色素増感太陽電池を模式的に示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 色素増感太陽電池(励起型太陽電池)
1A 有機薄膜太陽電池(励起型太陽電池)
10 基板
11 透明基材
12 透明電極
20 光電変換層
21 酸化亜鉛層(第1層)
21a 連続細孔
22 PEDOT層(第2層)
22a 連続細孔
23 増感色素
25 PCBM層(第1層)
25a 連続細孔
26 PHT層(第2層)
26a 連続細孔
30 対向電極
40 封止基板

Claims (10)

  1. 透明電極と、前記透明電極と対向する対向電極と、これら透明電極及び対向電極の間に設けられた光電変換層とを備え、前記光電変換層が、電子を受け取り又は輸送する第1層と、電子を与え又は正孔を輸送する第2層を含み、前記第1層及び第2層が、それぞれ連続細孔を有して一体に連続する三次元網目構造をなし、かつ相手側の連続細孔に充填されるよう相互に絡み合っており、前記第1層における電子を受け取り又は輸送する部分が、複数の分割片又は多数の粒にて構成されておらず全体的につながっていることを特徴とする太陽電池。
  2. 前記第1層及び第2層のうち少なくとも一方の連続細孔の平均直径が、1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記第1層及び第2層のうち少なくとも一方の連続細孔の平均直径が、100nm以上、1μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池。
  4. 前記第1層が、増感色素を担持した金属酸化物であり、前記第2層が、有機半導体であり、色素増感太陽電池を構成することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の太陽電池。
  5. 前記第1層が、n型有機半導体であり、前記第2層が、p型有機半導体であり、有機薄膜太陽電池を構成することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の太陽電池。
  6. 透明電極と対向電極との間に、電子を受け取り又は輸送する第1層と、電子を与え又は正孔を輸送する第2層とを含む光電変換層を挟んでなる太陽電池を製造する方法であって、
    前記透明電極又は対向電極の表面に、連続細孔を有する三次元網目構造のテンプレート層を形成するテンプレート形成工程と、
    前記第1層及び第2層のうち一方を、前記連続細孔に充填するよう形成する第1充填工程と、
    前記テンプレート層をエッチングするエッチング工程と、
    前記第1層及び第2層のうち他方を、前記テンプレート層をエッチングしてできた空間に充填するよう形成する第2充填工程と、
    を順次実行することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  7. 前記テンプレート形成工程において、金属−酸素結合の架橋性材料と溶媒を含む混合物を、前記透明電極又は対向電極の表面上でゾルゲル反応させ、前記テンプレート層となる金属−酸素結合の架橋構造体を生成することを特徴とする請求項6に記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記第1充填工程において、前記第1層及び第2層の一方の材料と前記材料が溶解された溶媒とを含む溶液を前記連続細孔に充填し、次いで前記溶媒を気化させることを特徴とする請求項6又は7に記載の太陽電池の製造方法。
  9. 前記エッチング工程において、前記テンプレート層をプラズマにてエッチングすることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  10. 前記第2充填工程において、前記透明電極又は対向電極に電圧をかけ、前記第1層及び第2層の他方となる金属酸化物を電気めっきにより析出させることを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の太陽電池の製造方法。
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