JP5483483B2 - 光重合性アクリル系粘着シート類の製造方法 - Google Patents

光重合性アクリル系粘着シート類の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光重合性アクリル系粘着シートの製造方法及び光重合性アクリル系粘着シートの製造装置に関するものである。
従来、フィルム状基材の表面に、光重合性アクリル系粘着剤組成物を設け、紫外線を照射し、この光重合性アクリル系粘着剤組成物を重合させる粘着シートの製造方法は公知である。この方法は、溶剤系アクリル粘着剤やエマルション系アクリル粘着剤を使用する場合のように、フィルム状基材の上にこれらアクリル系粘着剤溶液を塗工した後に、有機溶剤や水などの溶剤を蒸発乾燥させる必要がないので、厚い粘着剤層を持つような粘着シートの製造に対して有利である。
アクリル系光重合性組成物の光重合では、酸素が重合禁止剤として作用して重合反応を著しく阻害するため、基材表面に設けた光重合性アクリル系粘着剤組成物に光を照射させる際には、該粘着剤組成物が酸素と接触しないことが必要である。通常は、光照射室内を窒素や二酸化炭素などの不活性ガスで満たすことで雰囲気の酸素濃度を下げる方法や、塗工されたアクリル系組成物の表面に離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムなどを貼り合わせることで空気中の酸素から遮断する方法が用いられる。
不活性ガスにより雰囲気の酸素濃度を下げる方法では、アクリルモノマーの揮発により粘着剤組成物の組成が変化して性能が低下することや、光重合室内の汚染が問題となる。そのため、冷却することによって揮発を少なくするような方法が用いられている(特許文献1〜3参照)。しかしながら、粘着剤層の厚さが0.2mmを超えるような場合には、重合熱による光重合性粘着剤組成物層の温度上昇が著しく、多大な冷却能力が必要である。また、光重合性アクリル系粘着剤組成物シートの表面に冷風を吹き付けることにより冷却する場合は、粘着剤組成物に直接風が当たるとモノマーの揮発を促すこととなるため、基材表面、つまり、粘着剤組成物を塗布していない面に風を吹き付けるか、又はこの面を冷媒、水、冷却ベルトなどと接触させることにより冷却する。この方法によれば重合熱の除去は効率的に行えるものの、光を塗工面および基材面の両面側から照射することが困難となる。このため、0.2mmを超えるような厚手の製品、さらにこの光重合性アクリル粘着剤層にガラスビーズや顔料などが配合されて光の透過がより防げられやすくなった場合は、粘着剤層の上下でアクリルポリマーの分子量などに大きな違いが生じ、粘着性能に差が生じるという問題がある。
一方、アクリル系粘着剤組成物層の表面を離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムなどをカバーフィルムとして貼り合わせることで空気中の酸素から遮断する方法では、粘着剤層が例えば100℃を超えるような高温になったとしてもモノマーは揮発せず、組成変化による粘着性能の低下や光重合室の汚染は起らない。ところが、この方法によると、粘着剤中に残存モノマーが生じやすく、粘着テープの臭気や、特性低下を引き起こす場合がある。このため、光照射終了後にカバーフィルムを剥離してアクリル粘着剤剤層を暴露させてから、熱オーブンにより加熱して残存モノマーを5000ppm以下まで蒸発させる方法などがとられる(特許文献4参照)。しかしながら、このような熱乾燥によるモノマーの除去は、粘着剤層が厚くなるほどに困難となる。特に2−エチルヘキシルアクリレート(bp:214℃)、イソオクチルアクリレート(bp:234℃)、イソノニルアクリレート(bp:76℃(3mmHg))などの沸点が200℃以上と高く、かつ臭気が強いようなモノマーを含む組成物では、0.2mm以上の厚手の粘着剤層を得ようとすると、熱乾燥に要する時間を長くする必要があり、生産性が大きく低下してしまう。
特開平5−239417号公報 特開平10−259361号公報 特許第2806599号公報 特許第2922036号公報
本発明は、上記の種々の欠点を改良し、重合中のモノマーの揮発が起こらず、かつ重合後の未反応モノマー量が少ない光重合性アクリル系粘着シートの製造方法を提供することを目的とし、特に、粘着剤層が例えば0.2mm以上の厚手であっても、粘着剤層の上面と下面との分子量の差による特性差が小さい光重合性アクリル系粘着テープの製造方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、重合中のモノマーの揮発が起こらず、かつ重合後の未反応モノマー量が少なく、厚手の粘着剤層を有する粘着テープの製造に特に適した光重合性アクリル系粘着シートの製造装置を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、重合中のアクリル系粘着剤組成物層の温度を特定の値にコントロールすることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、フィルム状基材の少なくとも片面に光重合性アクリル系粘着剤組成
物層が設けられ、該光重合性アクリル系粘着剤組成物層の表面に酸素非透過性のカバーフ
ィルムを貼り合わせた光重合性アクリル系粘着剤組成物シートに、該シートの両面から紫
外線を照射して該光重合性アクリル系粘着剤組成物を重合させて光重合性アクリル系粘着
シートを製造する方法であって、前記重合を該光重合性アクリル系粘着剤組成物シート表
面に風を吹き付けることにより冷却しながら行うとともに、紫外線照射工程時の光重合性
アクリル系粘着剤組成物層の最高温度が40〜180℃であり、かつ全紫外線照射工程時
間の1/2経過時から紫外線照射工程終了時までの光重合性アクリル系粘着剤組成物層の
温度が100℃以下であり、かつ全紫外線照射工程時間の5/6経過時から紫外線照射工
程終了時までの光重合性アクリル系粘着剤組成物層の温度が60℃以下であり、光照射後の粘着剤層の厚さが0.2〜10mmである光重合性アクリル系粘着シートの製造方法を提供する。
紫外線照射工程において、全紫外線照射工程時間の40%以上の間、1mW/cm2以上30mW/cm2未満の紫外線放射照度で露光するのが好ましく、また、紫外線照射開始時から全紫外線照射工程時間の多くとも2/10経過時まで、及び/又は全紫外線照射工程時間の6/10経過時又は全紫外線照射時間の6/10経過後の任意の時から紫外線照射工程終了時までの間において、30mW/cm2以上の紫外線放射照度で露光することが好ましい。
本発明の方法により粘着剤層の厚さが0.2〜10mmである光重合性アクリル系粘着シートを特に好適に製造することができる。
光源としてメタルハライドランプを用い、コールドミラーと、熱線カットフィルターとにより調光された紫外線を照射し、光重合性アクリル系粘着シート表面に風を吹き付けることにより冷却しながら重合を行うことが好ましい。
紫外線照射工程開始時から全紫外線照射工程時間の2/10までの間や、全紫外線照射工程時間の6/10経過後から紫外線照射工程終了時までの間において、30mW/cm2以上の紫外線放射照度で露光する際には、光源としてメタルハライドランプを用い、コールドミラーと、熱線カットフィルターとにより調光された紫外線を照射し、かつ全紫外線照射工程において、光重合性アクリル系粘着シートの表面に風を吹き付けることにより冷却しながら重合を行うのがよい。
本明細書では、上記発明のほか、フィルム状基材の少なくとも片面に光重合性アクリル系粘着剤組成物層が設けられ、該光重合性アクリル系粘着剤組成物層の表面に酸素非透過性のカバーフィルムを貼り合わせた光重合性アクリル系粘着剤組成物シートに、紫外線を照射することにより重合して光重合性アクリル系粘着シートを製造する装置であって、該シートが通過し、該シートの表面に紫外線を照射する光重合室と、光重合室通過中の光重合性アクリル系粘着剤組成物層の最高温度を40〜180℃に調節する手段、光重合性アクリル系粘着剤組成物シートの各点において、光重合室通過に要する時間の1/2以降における光重合性アクリル系粘着剤組成物層の温度を100℃以下に調節する手段、及び光重合室通過に要する時間の5/6以降における該組成物層の温度を60℃以下に調節する手段を備えた光重合性アクリル系粘着シートの製造装置についても記載する。
前記の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置は、光重合室の4/10以上の区間で、光重合性アクリル系粘着剤組成物シート表面に照射する紫外線放射照度が1mW/cm2以上30mW/cm2未満とするのが好ましく、また、光重合室の入り口から2/10までの区間及び/又は出口前4/10の区間において光重合性アクリル系粘着剤組成物シート表面に照射する紫外線放射照度が30mW/cm2以上であるのが好ましい。
光重合室内には、メタルハライドランプを光源とし、コールドミラーと、熱線カットフィルターとにより調光された光を照射する紫外線照射手段、及び光重合性アクリル系粘着剤組成物シートを冷却するための冷却用風吹き出し手段を備えていることが好ましい。特に、光重合室の入り口から2/10までの区間及び/又は出口前4/10の区間において、紫外線放射照度が30mW/cm2以上である場合には、紫外線照射手段として、メタルハライドランプを光源とし、コールドミラーと、熱線カットフィルターとにより調光された光を照射する紫外線照射手段を備えていることが望ましい。
また、本明細書では、上記発明のほか、フィルム状基材の少なくとも片面に光重合性アクリル系粘着剤組成物層が設けられ、該光重合性アクリル系粘着剤組成物層の表面に酸素非透過性のカバーフィルムを貼り合わせた光重合性アクリル系粘着剤組成物シートに、該シートの両面から紫外線を照射して該光重合性アクリル系粘着剤組成物を重合させて光重合性アクリル系粘着シートを製造する方法であって、紫外線照射工程時の光重合性アクリル系粘着剤組成物層の最高温度が40〜180℃であり、かつ全紫外線照射工程時間の1/2経過時から紫外線照射工程終了時までの光重合性アクリル系粘着剤組成物層の温度が100℃以下であり、かつ全紫外線照射工程時間の5/6経過時から紫外線照射工程終了時までの光重合性アクリル系粘着剤組成物層の温度が60℃以下である光重合性アクリル系粘着シートの製造方法についても記載する。
本発明の光重合性アクリル系粘着シートの製造方法によれば、厚手の粘着剤組成物層であっても、粘着剤組成物層の上面と下面とでの分子量の差を生じさせることなく均一な重合を行うことができる。また、重合後、粘着剤層中に残存する未反応モノマーを少なくすることができるため、これらの未反応モノマーによる臭気や特性低下などの問題の発生を避けることができ、良好な特性を有する粘着シートを製造することができる。また、未反応モノマーを蒸発させる操作を必要としないため、これによる組成の変化なども避けられ、良好な粘着特性を有する粘着シートを効率よく製造することができる。
本発明の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置によれば、厚手の光重合性アクリル系粘着剤組成物層の重合を均一に効率よく行うことができる。これにより、粘着剤層の上面と下面との間の粘着特性の差や、粘着剤層中に多量の未反応モノマーを含むことによる臭気や特性の経時変化等の問題のない、粘着特性に優れた粘着シートを製造することができる。また、未反応モノマーを蒸発させることにより除去する工程を必要としないため、未反応モノマーによる汚染等の問題も生じない。
光重合性アクリル系粘着シートの製造に好適に使用できる調光装置付き紫外線照射手段の一例を示す概略図である。 本発明の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置の一例を示す概略図である。 本発明の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置の一例を示す概略図である。 実施例で製造した光重合性アクリル系粘着シートの紫外線照射工程における粘着剤層の温度の推移を示す図である。 比較例で製造した光重合性アクリル系粘着シートの紫外線照射工程における粘着剤層の温度の推移を示す図である。
本発明の製造方法では、フィルム状基材の少なくとも片面に光重合性アクリル系粘着剤組成物層が設けられ、該粘着剤組成物層の表面に酸素非透過性のカバーフィルムを貼り合わせて光重合性アクリル系粘着剤組成物シートとし、紫外線を照射して該光重合性アクリル系粘着剤組成物を重合させて光重合性アクリル系粘着シートを製造する。
上記フィルム状基材としては、従来、粘着テープあるいはシートに使用されている適宜な薄葉体を用いることができ、特に制限されない。例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、塩化ビニルフィルムなどの合成樹脂フィルム、クラフト紙やクレープ紙、和紙などの紙製品などを用いることができる。中でも、酸素を透過し難く、かつ透明であり紫外線の透過、特に波長300〜400nmの紫外線の透過を阻害しないものを好適に使用できる。
フィルム状基材の厚さは、強度や柔軟性、使用目的などに応じて適宜に選択でき、特に制限されない。一般的には1000μm以下(1〜1000μm)、好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは3〜300μm程度である。また、フィルム状基材の表面には、その使用目的等に応じて光重合性粘着剤組成物との密着性を高めるための適宜な表面処理がされていてもよい。このような表面処理としては例えばコロナ処理、クロム処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理、酸化処理などが挙げられる。または、適宜な離型剤などにより剥離処理されたものを用いることもできる。
カバーフィルムとしては、透明であり酸素を透過し難い薄葉体を何れも使用でき、特に制限されない。特に波長300〜400nmの紫外線の吸収が小さいフィルムを用いるのが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。これらの中で光透過性、フィルム強度、耐熱性の点から2軸延伸ポリエステルフィルムを特に好適に使用できる。また、少なくとも片面が、例えばシリコーン系離型剤やフッ素系離型剤などの離型剤により処理されたものが好ましい。カバーフィルムの厚さは特に制限されないが、取り扱い易さと経済性の点から12〜250μmのものを好適に使用できる。
光重合性アクリル系粘着剤組成物は、少なくともアクリル系モノマーと光重合開始剤とを含み、光照射によって重合して粘着剤になる組成物である。
上記アクリル系モノマーとしては例えば、炭素数1〜20(好ましくは2〜14、さらに好ましくは2〜10)のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを好適に用いることができる。具体的には例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどが挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステルとして、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニルなどの脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどを用いるのも好ましい。
なお、上記(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル系粘着剤を構成する主モノマー成分として用いられるため、該粘着剤を構成する全モノマー成分に対して60重量%以上(好ましくは80重量%以上)用いられていることが望ましい。
光重合性アクリル系粘着剤組成物を構成するモノマーとして、上記(メタ)アクリル酸エステルに加えて極性基含有単量体や多官能性単量体などの各種の共重合性単量体を用いることができる。これらの共重合性単量体を用いることにより、例えば、被着体への接着力を向上させたり、粘着剤の凝集力や耐熱性などを高めたりすることができる。共重合性単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記極性基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体又はその無水物(無水マレイン酸など);(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルなどのヒドロキシル基含有単量体;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有単量体;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体;N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系単量体などが挙げられる。
極性基含有単量体の使用量は全モノマー成分中30重量%以下(例えば1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%)とするのがよい。30重量%を超えると、例えばアクリル系粘着剤の凝集力が高くなりすぎ、接着力が低下するおそれがある。
上記多官能性単量体としては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングレコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジブチル(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能性単量体の使用量は全モノマー成分の2重量%以下(例えば、0.01〜2重量%、好ましくは0.02〜1重量%)とするのがよい。2重量%を超えると、例えばアクリル系粘着剤の凝集力が高くなりすぎ、接着力が低下することがある。また、0.01重量%未満であると、例えば、アクリル系粘着剤の凝集力が低下することがある。
また、上記極性基含有単量体や多官能性単量体以外の共重合性単量体としては例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有単量体;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有単量体;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有単量体
;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単量体;フッ素原子含有(メタ)アクリレート;ケイ素原子含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、紫外線によりラジカルを発生し、光重合を開始するものであれば特に制限されず、通常用いられる光重合開始剤をいずれも好適に用いることができる。例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などを用いることができる。
具体的には、ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチルジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤としては例えば、ベンゾインなどが挙げられる。ベンジル系光重合開始剤としては、例えばベンジルなどが含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが含まれる。ケタール系光重合開始剤には、ベンジルジメチルケタールなどが含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが含まれる。
光重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、例えば全モノマー成分100重量部に対して0.01〜5重量部(好ましくは0.05〜3重量部)の範囲から選択することができる。
光重合性アクリル系粘着剤組成物中には、モノマー成分及び光重合開始剤の他に、用途に応じて、適宜な添加剤が含まれていてもよい。例えば、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など);粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などからなる常温で固体、半固体、あるいは液状のもの);中空ガラスバルーン等の充填剤;可塑剤;老化防止剤;酸化防止剤などが挙げられる。また、光重合を阻害しない範囲内で着色剤(顔料や染料など)が含まれていてもよい。
光重合性アクリル系粘着剤組成物は、上記各成分を均一に混合・分散させることにより調製することができる。この光重合性アクリル系粘着剤組成物は、通常、基材上に塗布するなどしてシート状に成形するので、塗布作業に適した適度な粘度を持たせておくのがよい。光重合性アクリル系粘着剤組成物の粘度は、例えば、アクリルゴム、増粘性添加剤などの各種ポリマーを配合することや、光重合性アクリル系粘着剤組成物中のモノマーを光の照射などにより一部重合させることにより調整することができる。なお、望ましい粘度は、BH粘度計を用いて、ローター:No.5ローター、回転数10rpm、測定温度:30℃の条件で設定された粘度として、5〜50Pa・s、より好ましくは10〜40Pa・sである。粘度が5Pa・s未満であると、基材上に塗布したときに液が流れてしまい、50Pa・sを超えていると、粘度が高すぎて塗布が困難となる。
上述のようにして得られた光重合性アクリル系粘着剤組成物をフィルム状基材上に塗布するなどしてして光重合性アクリル系粘着剤組成物層とし、さらに該粘着剤組成物層の表面にカバーフィルムを貼り合わせて光重合性アクリル系粘着剤組成物シートとする。光重合性アクリル系粘着剤組成物を基材上に塗布する方法はロールコーター、バーコーター、ダイコーターなど公知適宜な方法を用いることができ、特に制限されない。光重合性アクリル系粘着剤組成物層は基材の片面に設けられていてもよく、両面に設けられていてもよい。何れの場合も、光重合性アクリル系粘着剤組成物層は、該組成物層がフィルム状基材の片面に設けられている場合はカバーフィルムとフィルム状基材とにより酸素から遮断されており、両面に設けられている場合は2枚のカバーフィルムに挟まれることにより酸素から遮断されている。
光重合性アクリル系粘着剤組成物層の厚さは特に制限されないが、重合後の厚さが0.2〜10mm、特に0.5〜5mmとなるように設けるのが好ましい。粘着剤層の厚みが10mm以上となると紫外線の透過が困難になり、粘着剤層の内部の重合が進まず、重合に時間がかかり、生産性に劣る場合がある。厚さ10mm以上の粘着剤層を得ようとする場合には、適宜10mm以下の厚さで重合させた粘着剤層を積層してもよい。粘着剤層の厚みが0.2mm未満であるときは、光の透過性に問題がないこと、重合時の発熱量が小さいこと、加熱乾燥による残存モノマー除去が容易であることなどから、本発明の方法を用いるメリットは小さい。
光重合性アクリル系粘着剤組成物シートに紫外線を照射して重合に付すが、本発明の方法においては、紫外線照射工程時の光重合性アクリル系粘着剤組成物層の最高温度が40〜180℃、好ましくは60〜140℃であり、かつ全紫外線照射工程時間の1/2経過時から紫外線照射工程終了時までの光重合性アクリル系粘着剤組成物層の温度が100℃以下であり、かつ全紫外線照射工程時間の5/6経過時から紫外線照射工程終了時までの光重合性アクリル系粘着剤組成物層の温度が60℃以下となるように調節しながら重合を行う。
紫外線照射工程時の光重合性アクリル系粘着剤組成物層の最高温度が40〜180℃の範囲内であると、粘着剤中に低分子量成分が適度に含まれることとなり、この低分子量成分により良好な粘着特性が得られる。最高温度が40℃未満であると得られる粘着シートはタック感に乏しくなり好ましくない。さらに、最高温度を40℃未満に抑えるためには強い冷却を行いながら重合を行うか、又は照射する紫外線放射照度を低くして非常にゆっくり重合を行う必要がある。冷却のためには大型かつ複雑な装置が必要となり、生産コストの増大、生産性の低下などを招き、好ましくない。最高温度が180℃を超えるとモノマーの沸騰により粘着剤層中に気泡を生じたり、フィルム状基材やカバーフィルムが変形する場合があり好ましくない。また、重合工程の後半、つまり全紫外線照射工程時間の1/2経過時以降の粘着剤組成物層の温度が100℃より高いと残存モノマーの量が多くなってしまい、0℃未満であると結露によりシート状に水滴が付着するなどの問題が生じる。このため、全紫外線照射工程時間の1/2経過時から紫外線照射工程終了時までの温度は0〜100℃、特に20〜80℃であるのが好ましい。さらに、全紫外線照射工程時間の5/6経過時から紫外線照射工程終了までの間の温度は0〜60℃、特に20〜50℃であるのが好ましい。この工程における最高温度が60℃より高いと残存モノマーが増加することとなり好ましくない。
紫外線照射工程における粘着剤組成物層の温度は、照射する紫外線の放射照度を調節したり、紫外線照射を行う雰囲気温度を調節したり、又は粘着剤組成物シートに風を吹き付けるなど適宜な方法により粘着剤組成物層を冷却しながら重合することにより調節することができる。冷風により冷却する方法は、水や他の冷媒を吹き付けることにより冷却する場合と異なり冷媒を回収する必要のない点で優れている。また、紫外線の放射照度を調節する場合のように重合速度を落とすことなく温度の調節をすることが可能である。
重合時の紫外線放射照度は、1mW/cm2以上30mW/cm2未満、特に3mW/cm2以上25mW/cm2未満とするのが好ましい。後に述べるように、紫外線照射工程の初期及び初期に、より強い放射照度(例えば、30〜300mW/cm2)の紫外線で露光する時間を設けると好ましい効果が得られるが、この時間が長すぎるとかえって特性の低下を引き起こす場合がある。このため、1mW/cm2以上30mW/cm2未満の紫外線放射照度で露光する時間は、好ましくは全紫外線照射工程時間の少なくとも40%以上の時間、より好ましくは60%以上の時間である。この時間が40%未満であると、すなわち、30mW/cm2以上の放射照度で露光する時間が全紫外線照射工程時間の60%を超えると、粘着剤全体が低分子量化し、これにより粘着剤の凝集力が低下するなど特性の低下を引き起こす場合がある。なお、全紫外線照射工程時間にわたって、1mW/cm2以上30mW/cm2未満の放射照度であってもよい。
上述の30mW/cm2以上(例えば30〜300mW/cm2)の放射照度で露光する時間は、紫外線照射工程の初期においては紫外線照射工程開始時から多くとも全紫外線照射工程時間の2/10経過時まで、より好ましくは全紫外線照射工程時間の1/10経過時までとするのがよい。通常、光重合性組成物の光重合開始直後には、ポリマーの成長反応が起こらない誘導期が存在する。この誘導期には、光重合性組成物中に含まれる少量の酸素や、アクリルモノマー等の原料中に含まれている重合禁止剤などが開始剤ラジカルと反応するが、重合の初期段階で30mW/cm2以上の紫外線を照射することで誘導期を短縮できる。特に、分子量をできるだけ高くすることにより耐熱性の高い粘着シートを得ようとする場合などは、光重合開始剤の添加量、紫外線放射照度を低めに設定するので、誘導期が長くなりやすい。このような場合に誘導期を短縮し、紫外線照射工程に要する時間を短縮する効果が高い。なお、このような効果を得るためには、30mW/cm2以上の放射照度で露光する時間は、少なくとも紫外線照射工程開始時から全紫外線照射工程時間の1/100経過時までとするのが望ましい。
紫外線照射工程の終期において30mW/cm2以上の放射照度で露光する時間を設ける場合は、30mW/cm2以上での露光を開始するのは、全紫外線照射工程時間の6/10経過時又は6/10経過後とするのがよく、より好ましくは全紫外線照射工程時間の7/10経過時又は7/10経過後とするのがよい。紫外線照射工程終期では、光重合性アクリル系粘着剤組成物はすでに高い重合率までポリマーへと転化しているため、高放射照度の紫外線により露光しても粘着性能の著しい低下は生じにくく、寧ろ残存する光重合開始剤の分解を促進したり、微量の低分子量成分が生じることでタック感が増加するなど好ましい効果を得ることができる。なお、このような効果を得るために、少なくとも全紫外線照射工程時間の99/100経過時から紫外線照射工程終了時までの間30mW/cm2以上の放射照度で露光するのが望ましい。
30mW/cm2以上の放射照度で露光する時間は、紫外線照射工程の初期又は終期の何れかにおいて設けてもよく、初期及び終期の両方に設けることもできる。
本発明では全紫外線照射工程時間の時間の80%以上の間、光重合性アクリル系粘着剤組成物シートの表裏何れの面にも1mW/cm2以上の紫外線が照射されているのが望ましい。これにより、効率よく重合を行うことができ、さらに粘着剤の分子量を良好な粘着特性を発現し得る範囲内とすることができる。
尚、紫外線照射工程時間は、光重合性アクリル系粘着剤組成物のモノマー種類、光重合開始剤の添加量、紫外線放射照度、粘着剤組成物層の厚さにより異なるが、おおよそ15秒から10分程度である。この紫外線照射工程時間が短すぎると、重合が不十分であり、光重合性アクリル系粘着剤組成物が粘着剤へなりきることができず、長大な重合装置が必要となったり、生産性が低くなったりする。所望の粘着特性が得られ、また効率よく重合を行える範囲内で紫外線照射時間を選択すればよい。
紫外線照射は、例えばブラックライトランプ、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどにより行うことができる。本発明においては粘着剤組成物層の不必要な温度上昇を避け効率よく重合を行うために、光源としてメタルハライドランプを用い、コールドミラーと、熱線カットフィルターとにより調光された紫外線を照射するのがよい。さらに、波長300nm以下の光を通過させない調光フィルターを用いて調光された紫外線を照射するのも好ましい。図1に本発明の紫外線照射に好適に使用できる調光装置付き紫外線照射手段の一例を示す。図1中11、12、13、14は、それぞれメタルハライドランプ、コールドミラー、熱線カットフィルター、波長300nm以下の光を通過させない調光フィルターを表している。また、15はメタルハライドランプから照射される光のうち可視光線及び赤外線の進む様子を示しており、16は紫外線の進む様子を示している。コールドミラー12はメタルハライドランプ11より照射された光のうち紫外線16を効率よく反射し、光重合にほとんど寄与しない可視光線及び赤外線15をミラー後方に透過する。さらに、熱線カットフィルター13により赤外線及び可視光線15を反射してコールドミラー後方へ透過させる。このようにして光重合に関与しない可視光線及び赤外線、特に発熱の原因となる赤外線を含まない紫外線を照射することにより、発熱を抑え、効率的に光重合を行うことができる。さらに波長300nm以下の光を透過しない調光フィルター14により調光することにより、フィルム状基材及びカバーフィルムの光劣化を抑制することができるためより好ましい。ただし、波長300nm以下の光を透過しない調光フィルター14は使用しなくても差し支えない。なお、300nm以下の光を透過しない調光フィルター14としては例えば、パイレックス(登録商標)ガラスを使用できる。メタルハライドランプ15は大出力での照射が可能であるため、ブラックライトやケミカルランプのような蛍光管を使用する場合よりも使用するランプの数を少なくすることができ、放射照度管理やメンテナンスが容易である。また、高圧水銀ランプよりも300〜450nmの長波長紫外線の発光効率が高いため、厚手の粘着剤組成物層や粘着剤組成物が着色されている場合などの光重合も効率よく行うことができる。
上記調光装置付き紫外線照射手段は、全紫外線照射工程において使用するのも好ましいが、30mW/cm2以上の高放射照度での露光時には、基材やカバーフィルムの光劣化を抑制する効果が顕著であることから、特に使用が望まれる。例えば、紫外線照射工程初期及び/又は終期に設けられた30mW/cm2以上での露光時には調光装置付き紫外線照射手段を使用して、30mW/cm2未満での露光時には調光装置を有しない通常の紫外線照射手段を使用するなど、組み合わせて使用してもよい。
例えば、紫外線照射工程の初期及び終期、若しくは初期又は終期の何れか一方において、調光装置付き紫外線照射手段により、30mW/cm2以上の紫外線放射照度で露光し、かつ、全紫外線照射工程において光重合性アクリル系粘着剤シートの表面に風を吹き付けて冷却することにより、上述した重合時の光重合性アクリル系粘着剤組成物の温度調節を円滑に行うことが可能である。
尚、上記紫外線放射照度は、株式会社トプコン製の工業用UVチェッカー、商品名「UVR−T1」により、UD−T36の受光部を用いて測定することができる。
本発明の方法により粘着剤組成物層を重合に付す際には、紫外線照射手段に対して光重合性アクリル系粘着剤組成物シートが静止した状態で紫外線照射を行ってもよく、又は例えば以下に説明するような光重合室を有する装置を用いて、アクリル系粘着剤組成物シートを、光重合室内を通過させることにより紫外線照射を行ってもよい。このように、光重合室を通過させて光重合性粘着剤組成物シートに紫外線を照射する場合には、本明細書中に記載の「紫外線照射工程時間」とは、該シートの各点が光重合室に入ってから出るまでの時間を意味し、該シートが実際に紫外線の照射を受けている時間と一致しない場合もある。
次に、本発明の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置について図を参照して説明する。図2(a)、(b)、(c)及び図3(a)、(b)はそれぞれ本発明の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置の一例を示す概略図である。図2及び図3において21、22はそれぞれフィルム状基材、フィルム状基材繰り出しロール、23、24はそれぞれカバーフィルム、カバーフィルム繰り出しロール、25は光重合性アクリル系粘着剤組成物、26はコーティングロール、27は光重合性アクリル系粘着剤組成物シートを表している。フィルム状基材繰り出しロール22より繰り出されたフィルム状基材21上に、コーティングロール26で光重合性アクリル系粘着剤組成物25を塗布し、光重合性アクリル系粘着剤組成物層を形成する。同時に光重合性アクリル系粘着剤組成物層表面に、カバーフィルム繰り出しロール24より繰り出されたカバーフィルム23を貼り合わせ、光重合性アクリル系粘着剤組成物シート27を作製する。光重合性アクリル系粘着剤組成物シート27はコーティングロール26の動き等により移動し、光重合室28へ送られ、この光重合室28を通過することにより光重合に付される。図2(a)及び(c)において29は調光装置を有しない通常の紫外線照射手段を表しており、図2(b)、(c)及び図3(a)、(b)において30はメタルハライドランプを光源とし、コールドミラーと、熱線カットフィルターと、波長300nm以下の光を透過しない調光フィルターにより構成される調光装置付き紫外線照射手段を表している。調光装置付き紫外線照射手段30は、上述した図1に示すものである。なお、本発明の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置において、波長300nm以下の光を透過しない調光フィルターは、使用しなくてもよい。本発明の光重合性アクリル系粘着剤シートの製造装置は、紫外線照射手段29、調光装置付き紫外線照射手段30の何れか、又は両方を備えている。図2及び図3において31は冷却用風吹き出しノズルを表しており、図3(c)において32は紫外線遮蔽層を表している。
光重合性アクリル系粘着剤組成物シート27に紫外線を照射し重合を開始すると重合熱により温度が上昇する。そこで、冷却用風吹き出しノズル31より光重合性アクリル系粘着剤組成物シート27表面に風を吹き付けることにより冷却し、温度を調節する。また、光重合性アクリル系粘着剤層の温度は、照射する紫外線の放射照度を調整することによっても調節することができる。これらの温度調節手段により、光重合室28内での粘着剤組成物層の最高温度は40〜180℃の間に調節される。また、光重合室28通過に要する時間の1/2以降における光重合性アクリル系粘着剤組成物層の温度は100℃以下に、光重合室通過に要する時間の5/6以降における該組成物層の温度は60℃以下となるように調節されている。
紫外線照射手段29としては、例えばブラックライトランプ、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどを使用できるが、メタルハライドランプは出力が大きいため、光源としてメタルハライドランプを使用すると、光重合性アクリル系粘着剤組成物シート27の表側と裏側に各1つずつのランプを取り付ければ光重合室28全体に重合に必要な放射照度の紫外線を照射することも可能であり、さらに、メタルハライドランプは波長300〜450nmの紫外線の出力が大きいため、効率よく光重合を行うことができる。また、例えばブラックライトランプなどの低出力のランプを多数配置すると、放射照度を重合の段階に応じて容易に調節できるメリットがある。調光装置付き紫外線照射手段30を使用すると、熱作用を持つ赤外線を照射することにより粘着剤組成物層の温度が上昇することを防止できるため、冷却の負担を軽減し、温度調節を容易に行えるようになる。このため、30mW/cm2以上の高放射照度の紫外線照射を行う区間には調光装置付き紫外線照射手段30を配置することが望ましい。図2(a)は、低出力の紫外線照射手段29を多数配置した例であり、図2(b)は、調光装置付き紫外線照射手段30を上下各一つずつ配置した例である。
光重合室28においては、入り口から出口までのすべての区間において紫外線が照射されるように紫外線照射手段29及び/又は調光装置付き紫外線照射手段30が配置されているのが好ましく、より好ましくは、光重合室28の入り口から光重合室28の出口までの距離の80%以上の区間において1mW/cm2以上の紫外線が照射されるように配置されている。
光重合室28において紫外線放射照度は1mW/cm2以上30mW/cm2未満とするのがよく、光重合室全体において紫外線放射照度がこの範囲内としてもよい。さらに、光重合室28の入り口付近と、出口付近においては紫外線放射照度が30mW/cm2以上(例えば30mW/cm2〜300mW/cm2)である区間を設けるのが好ましい。紫外線放射照度1mW/cm2以上30mW/cm2未満である区間は、光重合室28の入り口から出口までの距離の少なくとも4/10以上、特に6/10以上とするのが好ましい。光重合室28の入り口付近において紫外線放射照度30mW/cm2以上の区間を設ける場合は、その区間は、好ましくは入り口から2/10までの区間、より好ましくは入り口から1/10までの区間である。出口付近において紫外線放射照度30mW/cm2以上の区間を設ける場合は、その区間は、好ましくは出口前4/10、より好ましくは出口前3/10の区間である。紫外線放射照度30mW/cm2以上の区間は、光重合室28の入り口付近のみ又は出口付近のみに設けてもよく、入り口付近と出口付近との両方に設けてもよい。また、上述したように、紫外線照度30mW/cm2以上の区間には、調光装置付き紫外線照射手段30を使用することが望ましい。
紫外線の放射照度は、例えば、図2(a)に示すように、多数の紫外線照射手段29が配置されている装置を使用する場合であれば、各々の紫外線照射手段29の出力を調整することにより調節できる。また、図3(b)に示すように、紫外線照射手段29と光重合性アクリル系粘着剤組成物シート27との間に適宜な紫外線遮蔽層32を介在させることにより調節することもできる。紫外線遮蔽層32は、照射される紫外線の一部を吸収あるいは反射するが、一部を透過する層であり、例えば半透明の樹脂フィルム、メッシュ状の金属製鋼、円形状の穴が多数開けられている金属シート等により構成される。その他、図2(c)に示すように、光重合室28内に紫外線を透過しない仕切りを設け、高放射照度光重合室28−aと、低放射照度光重合室28−bとに分けることによって調節してもよい。なお、高放射照度光重合室28−aでは、30mW/cm2以上の放射照度で紫外線が照射される。低放射照度光重合室28−bでは、1mW/cm2以上30mW/cm2未満で紫外線が照射される。高放射照度光重合室28−aは、図3(c)に示すように低放射照度光重合室28−bの前のみに設けられていてもよく、低放射照度光重合室28−bの後のみに設けられていてもよい。また、低放射照度光重合室28−bの前及び後の両方に設けられていてもよい。高放射照度光重合室28−aには、調光装置付き紫外線照射手段30が配置されていることが望ましい。
冷却用風吹き出し用ノズル31は、光重合室28−a全体に設置されていることが望ましいが、紫外線照射工程中の光重合性アクリル系粘着剤組成物層の温度調節を適切に行うことができる限りにおいては、例えば図3(a)に示すように光重合室28−aの一部の区間のみに設置されていてもよい。
紫外線放射照度は、株式会社トプコン製の工業用UVチェッカー商品名「UVR−T1」により測定することができる。UD−T36の受光部を用いて、これをフィルム状基材の表面に貼りつけて、光重合室を通過させることで測定される。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(参考例)光重合性アクリル系粘着剤組成物の作製
2−エチルヘキシルアクリレート90重量部、アクリル酸10重量部、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン0.1重量部を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に曝露して部分的に光重合させることによって、重合率7%の部分重合モノマーシロップを得た。この部分重合モノマーシロップ100重量部に、ヘキサンジオールジアクリレート0.1重量部、中空ガラスバルーン(東海工業製、商品名「セルスターZ27」)5重量部を均一に混合し、さらに減圧処理により混合時にシロップ中に混入した空気を脱泡して光重合性アクリル系粘着剤組成物を得た。
(実施例1)
参考例で得た光重合性アクリル系粘着剤組成物を用い、図2(a)の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置を用いて光重合性アクリル系粘着シートを製造した。粘着剤組成物を、片面がシリコーン離型剤で処理された厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに重合後の厚さが1.2mmとなるように塗工し、この粘着剤組成物層の上に同じく厚さ38μmの片面が離型処理された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをカバーフィルムとして貼り合わせて光重合性アクリル系粘着剤組成物シートとした。このシートに、光源としてブラックライトランプを用い、シート表面に冷風を吹き付けることにより冷却しながら紫外線照射した。全紫外線照射工程時間は240秒であり、紫外線放射照度は全紫外線照射工程において両面とも最大6mW/cm2、積算光量は960mJ/cm2であった。粘着剤組成物層の最高温度は120℃、照射工程開始から120秒の時点で粘着剤組成物層の温度は72℃、照射工程開始から200秒の時点で42℃であった。紫外線照射工程中の粘着剤組成物層の温度の推移を図4(a)に示す。
(実施例2)
参考例で得た光重合性アクリル系粘着剤組成物を用い、図2(b)の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置を用いて光重合性アクリル系粘着シートを製造した。粘着剤組成物を、片面がシリコーン離型剤で処理された厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に重合後の厚みが1.2mmとなるように塗工し、この粘着剤組成物層の上に同じく厚さ38μmの片面が離型処理された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをカバーフィルムとして貼りあわせた。紫外線照射手段として図1に示すメタルハライドランプを光源とし、コールドミラーと、熱線カットフィルターと、波長300nm以下の光を透過しないフィルターとからなる紫外線照射装置を使用し、光重合性粘着剤組成物シート表面に風を吹き付けることにより冷却しながら重合を行った。全紫外線照射工程時間は240秒であった。紫外線放射照度は全紫外線照射工程において両面ともに最大5mW/cm2、積算光量は900mJ/cm2であった。粘着剤組成物層の最高温度は115℃、照射工程開始から120秒の時点で粘着剤組成物層の温度は72℃、照射工程開始から200秒の時点で41℃であった。紫外線照射工程中の粘着剤組成物層の温度の推移を図4(b)に示す。
(実施例3)
参考例で得た光重合性アクリル系粘着剤組成物を用い、図2(c)の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置を用いて光重合性アクリル系粘着シートを製造した。粘着剤組成物を、片面がシリコーン離型剤で処理された厚さが38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに重合後の厚さが1.2mmとなるように塗工し、この粘着剤組成物の上に同じく厚さ38μmの片面が離型処理された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをカバーフィルムとして貼り合わせて光重合性アクリル系粘着剤組成物シートとした。このシートに、全紫外線照射工程時間の1/10経過時までの間、光源としてメタルハライドランプを用いた調光装置付き紫外線照射手段30を用い、その後ブラックライトを用いて、シート表面に冷風を吹き付けることにより冷却しながら紫外線照射した。全紫外線照射工程時間は210秒であり、28−bの区間における紫外線放射照度は両面ともに5mW/cm2未満であり、28−aの区間での最大照度は両面とも35mW/cm2以上であった。全紫外線照射工程における積算光量は、両面ともに550mJ/cm2であった。粘着剤組成物層の最高温度は106℃、照射工程開始から105秒以降の最高温度は95℃、照射工程開始から175秒以降の最高温度は57℃であった
(比較例1)
参考例1で得た光重合性アクリル系粘着剤組成物を用い、図2(a)の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置を、冷却用風吹き出しノズルを作動せずに用いて光重合性アクリル系粘着シートを製造した。粘着剤組成物を片面がシリコーン離型剤で処理された厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに重合後の厚さが1.2mmとなるように塗工し、この粘着剤組成物層の上に同じく厚さ38μmの片面が離型処理された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをカバーフィルムとして貼りあわせた。これを、紫外線照射手段としてブラックライトを使用し、冷却を行うことなしに光照射した。全紫外線照射工程時間は240秒である。紫外線放射照度は全紫外線照射工程において両面ともに最大6mW/cm2、積算光量は960mJ/cm2、粘着剤組成物層の最高温度は123℃、照射工程開始から120秒の時点で粘着剤組成物層の温度は95℃、200秒の時点で60℃であった。紫外線照射工程中の粘着剤層の温度の推移を図5(a)に示す。
(比較例2)
参考例1で得た光重合性アクリル系粘着剤組成物を用い、図2(b)の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置を、冷却用風吹き出しノズルを作動させずに用いて光重合性アクリル系粘着シートを製造した。片面がシリコーン離型剤で処理された厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に重合後の厚さが1.2mmとなるように塗工し、この粘着剤組成物層の上に同じく厚さ38μmの片面が離型処理された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをカバーフィルムとして貼りあわせた。紫外線照射手段として図1に示すメタルハライドランプを光源とし、コールドミラーと、熱線カットフィルターと、波長300nm以下の光を透過しないフィルターとからなる紫外線照射装置を使用し、冷却することなしに重合を行った。紫外線放射照度は全紫外線照射工程において両面ともに最大5mW/cm2、積算光量は900mJ/cm2、粘着剤組成物層の最高温度は135℃、照射工程開始から120秒の時点で粘着剤組成物層の温度は107℃で、200秒の時点で70℃であった。紫外線照射工程中の粘着剤組成物層の温度の推移を図5(b)に示す。
(比較例3)
参考例1で得た光重合性アクリル系粘着剤組成物を用い、図3(a)の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置を使用して光重合性アクリル系粘着シートを製造した。粘着剤組成物を、片面がシリコーン離型剤で処理された厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に重合後の厚さが1.2mmとなるように塗工し、この粘着剤組成物層の上に同じく厚さ38μmの片面が離型処理された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをカバーフィルムとして貼り合わせた。紫外線照射手段として図1に示すメタルハライドランプを光源とし、コールドミラーと、熱線カットフィルターと、波長300nm以下の光を透過しないフィルターとからなる紫外線照射装置を使用し、紫外線照射工程の前半においてのみ光重合性粘着剤組成物シートに風を吹き付けることにより冷却し、後半においては冷却することなしに重合を行った。紫外線放射照度は全紫外線照射工程において両面ともに最大5mW/cm2、積算光量は900mJ/cm2、粘着剤組成物層の最高温度は90℃、照射工程開始から120秒の時点で粘着剤組成物層の温度は90℃で、200秒の時点で70℃であった。紫外線照射工程中の粘着剤組成物層の温度の推移を図5(c)に示す。
(比較例4)
参考例で得た光重合性アクリル系粘着剤組成物を用い、図2(c)の光重合性アクリル系粘着シートの製造装置を、冷却用風吹き出しノズルを作動させない以外は実施例3と同様な方法で光重合性アクリル系粘着シートを製造した。粘着剤組成物層の最高温度は126℃、照射工程開始から105秒以降の最高温度は120℃、照射工程開始から175秒以降の最高温度は90℃であった。紫外線照射工程中の粘着剤組成物層の温度推移を図4(d)に示す。
実施例及び比較例で製造した光重合性アクリル系粘着シートの粘着剤中に未反応モノマーとして残存する2−エチルヘキシルアクリレートの量(残存モノマー量)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005483483
11 メタルハライドランプ
12 コールドミラー
13 熱線カットフィルター
14 波長300nm以下の光を透過しないフィルター
15 赤外線及び可視光線の進路
16 紫外線の進路
21 フィルム状基材
22 フィルム状基材繰り出しロール
23 カバーフィルム
24 カバーフィルム繰り出しロール
25 光重合性アクリル系粘着剤組成物
26 コーティングロール
27 光重合性アクリル系粘着剤組成物シート
28 光重合室
28−a 高放射照度光重合室
28−b 低放射照度光重合室
29 紫外線照射装置
30 調光装置付き紫外線照射手段
31 冷却用風吹き出しノズル
32 紫外線遮蔽層

Claims (7)

  1. フィルム状基材の少なくとも片面に光重合性アクリル系粘着剤組成物層が設けられ、該光重合性アクリル系粘着剤組成物層の表面に酸素非透過性のカバーフィルムを貼り合わせた光重合性アクリル系粘着剤組成物シートに、該シートの両面から紫外線を照射して該光重合性アクリル系粘着剤組成物を重合させて光重合性アクリル系粘着シートを製造する方法であって、前記重合を該光重合性アクリル系粘着剤組成物シート表面に風を吹き付けることにより冷却しながら行うとともに、紫外線照射工程時の光重合性アクリル系粘着剤組成物層の最高温度が40〜180℃であり、かつ全紫外線照射工程時間の1/2経過時から紫外線照射工程終了時までの光重合性アクリル系粘着剤組成物層の温度が100℃以下であり、かつ全紫外線照射工程時間の5/6経過時から紫外線照射工程終了時までの光重合性アクリル系粘着剤組成物層の温度が60℃以下であり、
    光照射後の粘着剤層の厚さが0.2〜10mmである光重合性アクリル系粘着シートの製造方法。
  2. 全紫外線照射工程時間の40%以上の間、1mW/cm2以上30mW/cm2未満の紫外線放射照度で露光する請求項1記載の光重合性アクリル系粘着シートの製造方法。
  3. 紫外線照射工程開始時から全紫外線照射工程時間の多くとも2/10経過時まで、30mW/cm2以上の紫外線放射照度で露光する請求項1又は2に記載の光重合性アクリル系粘着シートの製造方法。
  4. 紫外線照射工程開始時から全紫外線照射工程時間の6/10経過時又は6/10経過後の任意の時から紫外線照射工程終了時まで30mW/cm2以上の紫外線照度で露光する請求項1〜3の何れか項に記載の光重合性アクリル系粘着シートの製造方法。
  5. 光源としてメタルハライドランプを用い、コールドミラーと、熱線カットフィルターとにより調光された紫外線を照射し、光重合性アクリル系粘着剤組成物シート表面に風を吹き付けることにより冷却しながら重合を行う請求項1〜4の何れか1項に記載の光重合性アクリル系粘着剤シートの製造方法。
  6. 紫外線照射工程開始時から全紫外線照射工程時間の2/10までの間において、30mW/cm 2 以上の紫外線放射照度で露光する際の紫外線が、メタルハライドランプを光源とし、コールドミラーと、熱線カットフィルターとにより調光された紫外線であり、かつ全紫外線照射工程において、光重合性アクリル系粘着剤組成物シート表面に風を吹き付けることにより冷却しながら重合を行う請求項3記載の光重合性アクリル系粘着剤シートの製造方法。
  7. 全紫外線照射工程時間の6/10経過後から紫外線照射工程終了時までの間において、30mW/cm 2 以上の紫外線放射照度で露光する際の紫外線が、メタルハライドランプを光源とし、コールドミラーと、熱線カットフィルターとにより調光された紫外線であり、かつ全紫外線照射工程において、光重合性アクリル系粘着剤組成物シート表面に風を吹き付けることにより冷却しながら重合を行う請求項4記載の光重合性アクリル系粘着剤シートの製造方法。
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