JP5482853B2 - 無線lanネットワークシステム - Google Patents

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Description

本発明は、複数のカラオケコマンダ(カラオケ装置)と、そのカラオケコマンダの遠隔操作装置として用いられる複数の無線端末とを、備えた無線LANネットワークシステムに関し、特に、アドホックモード及びインフラストラクチャモードによるネットワークグループが混在する場合におけるデータ配信の漏れを抑制するための改良に関する。
多数の楽曲のうちから選択される楽曲の演奏出力と併行して、音声入力装置から入力される音声を増幅して出力させるカラオケ装置が知られている。例えば、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置がそれである。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された多数のカラオケ演奏曲から選択されたカラオケ演奏曲の音楽情報を出力させると共に、そのカラオケ演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
近年の通信技術の発達に伴い、カラオケボックス等に設置されたカラオケ装置においても無線通信によりデータの送受信が行われるようになった。すなわち、複数のカラオケコマンダと、そのカラオケコマンダの遠隔操作装置として用いられる複数の無線端末とを、備え、前記複数のカラオケコマンダ及び前記複数の無線端末によりネットワークグループを構成してそのカラオケコマンダと無線端末との相互間でデータの通信を行う通信ネットワークシステムが広く普及している。斯かる通信ネットワークシステムとしては、よく知られた無線LANネットワークシステムが一般的に用いられる。この無線LANネットワークシステムにおいては、アクセスポイントなしに無線端末同士で通信を行うアドホック(ad hoc)モードと、全ての無線端末がアクセスポイントを経由して通信を行うインフラストラクチャ(infrastructure)モードとが、設定可能とされており、通信ネットワークシステムの構成に応じてそれらのモードが選択的に設定される。ここで、通信状態に応じて前記アドホックモードとインフラストラクチャモードとを適宜切り替える技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された異なる無線通信メディアの切替方法がそれである。
特開2004−248180号公報
ところで、大規模のカラオケボックス等では、複数のカラオケコマンダと、そのカラオケコマンダの遠隔操作装置として用いられる複数の無線端末とを、備えた無線LANネットワークシステムが構築される。そして、例えばインターネット等を介してホスト装置(センタサーバ)から配信されたデータが前記カラオケコマンダの親機1台(以下、リーダと言う)により受信され、そのリーダが自己のIPアドレスとデータとを含んだデータパケットを他のカラオケコマンダ(子機)や、前記複数の無線端末に対して前記データをブロードキャスト(以下、トップブロードキャスト)して、再配信を行う構成をとることが多い。例えば、カラオケコマンダ及び複数の無線端末がアクセスポイントを介して通信を行うインフラストラクチャモードによるネットワークグループが構成され、前記ホスト装置から配信されたデータがリーダである前記カラオケコマンダからアクセスポイントを介して前記複数の無線端末へ送信される。しかしながら、小規模のカラオケボックス、バー、スナック等では1台のカラオケコマンダに1台の無線端末の構成をとることもある。この場合、前述したインフラストラクチャモードによるネットワークグル−プでは、カラオケコマンダ1台、リモコン1台だけのために、本来のカラオケシステムに無関係なアクセスポイントも別に1台設置する必要がある。このため小規模用途では、カラオケコマンダに無線LANインタフェースを内蔵し、前記無線端末とアドホックモードによる無線LAN通信を行うことで、アクセスポイントを用いないことがある。
しかしながら、例えば1つの店舗における無線LANネットワークシステムにおいて、最初は小規模のカラオケコマンダと無線端末とをアドホックモードで無線LAN通信を行っていたが、事業拡大に応じて順次カラオケコマンダや無線端末等の設置数拡張が行われた場合、カラオケコマンダ相互は有線LANで接続されながら、無線LAN側はアドホックモードによるネットワークグループ及びインフラストラクチャモードによるネットワークグループが混在する状態が生じる可能性が高い。この場合、ホスト装置からの配信はカラオケ装置の1台がリーダとなってデータを受信するため、前記ホスト装置から配信されたデータを受信できない前記無線端末が生じるおそれがある。すなわち、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるリーダとして設定された前記カラオケコマンダが、同時に前記アドホックモードによるネットワークグループに含まれる場合、従来の技術ではそのカラオケコマンダから前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループに対するトップブロードキャストが行われないため、そのインフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれる前記無線端末であって、何れの前記カラオケコマンダにも対応付けられていない無線端末は、前記ホスト装置から配信されたデータを受信できないという不具合が生じる。前記従来の技術では、斯かる不具合を解消することができなかった。このような課題は、カラオケコマンダ及び無線端末を含む無線LANネットワークシステムの改良を意図して本発明者が鋭意研究を継続する過程において新たに見出したものである。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、アドホックモード及びインフラストラクチャモードによるネットワークグループが混在する場合におけるデータ配信の漏れを抑制する無線LANネットワークシステムを提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、複数のカラオケコマンダと、そのカラオケコマンダの遠隔操作装置として用いられる複数の無線端末とを、備え、前記複数のカラオケコマンダ及び前記複数の無線端末によりアドホックモード及びインフラストラクチャモードの少なくとも一方によるネットワークグループを構成する無線LANネットワークシステムであって、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるリーダとして設定された前記カラオケコマンダが、同時に前記アドホックモードによるネットワークグループに含まれる場合、そのカラオケコマンダから前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループに対するトップブロードキャストを行うと共に、前記アドホックモードによるネットワークグループに対するトップブロードキャストを行うことを特徴とするものである。
このようにすれば、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるリーダとして設定された前記カラオケコマンダが、同時に前記アドホックモードによるネットワークグループに含まれる場合、そのカラオケコマンダから前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループに対するトップブロードキャストを行うと共に、前記アドホックモードによるネットワークグループに対するトップブロードキャストを行うものであることから、インフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれる前記無線端末であって、何れの前記カラオケコマンダにも対応付けられていない無線端末に対して、前記リーダとして設定されたカラオケコマンダから好適にデータの配信を行うことができる。すなわち、アドホックモード及びインフラストラクチャモードによるネットワークグループが混在する場合におけるデータ配信の漏れを抑制する無線LANネットワークシステムを提供することができる。
ここで、好適には、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれる前記無線端末は、前記複数のカラオケコマンダのうち何れかのカラオケコマンダに予め対応付けられている場合には、その対応付けられたカラオケコマンダをデータの更新元として設定するが、何れの前記カラオケコマンダにも対応付けられていない場合には、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるリーダとして設定された前記カラオケコマンダをデータの更新元として設定するものである。このようにすれば、インフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれる前記無線端末のデータの更新元となるカラオケコマンダを分散させることで、各カラオケコマンダの負荷を軽減することができる。
本発明が好適に適用される無線LANネットワークシステムの構成を例示する図である。 図1の無線LANネットワークシステムに備えられたカラオケ装置の構成を例示するブロック図である。 図1の無線LANネットワークシステムに備えられた電子早見本装置の構成を例示するブロック図である。 図2のカラオケ装置のCPU及び図3の電子早見本装置のCPUにそれぞれ備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図1の無線LANネットワークシステムに備えられたカラオケ装置及び電子早見本装置により、アドホックモードによるネットワークグループが構成された状態を説明する図である。 図1の無線LANネットワークシステムにおいて、アドホックモード及びインフラストラクチャモードによるネットワークグループが混在する場合について説明する図である。 図1のサーバ装置から図2のカラオケ装置へのコンテンツ配信処理について説明する図である。 図2のカラオケ装置によるコンテンツ等価処理について説明する図である。 図2のカラオケ装置によるコンテンツ等価処理について説明する図である。 図2のカラオケ装置によるコンテンツ等価処理が完了した状態について説明する図である。 図2のカラオケ装置のCPUによるブロードキャスト配信制御の一例の要部を説明するフローチャートである。 図3の電子早見本装置のCPUによるデータ更新元決定制御の一例の要部を説明するフローチャートである。 図2のカラオケ装置のCPUによるコンテンツ等価制御の一例の要部を説明するフローチャートである。 図2のカラオケ装置のCPUによるコンテンツ等価制御の一例の要部を説明するフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される無線LANネットワークシステム10の構成を例示する図である。この図1に示す本実施例の無線LANネットワークシステム10は、複数(図1では3台)のカラオケ装置(カラオケコマンダ)12a、12b、12c(以下、特に区別しない場合には単にカラオケ装置12という)と、そのカラオケ装置12の遠隔操作装置として用いられる無線端末としての複数(図1では6台)の電子早見本装置14a、14b、14c、14d、14e、14f(以下、特に区別しない場合には単に電子早見本装置14という)とを、備え、前記複数のカラオケ装置12及び前記複数の電子早見本装置14により無線LAN通信に係るネットワークグループを構成するものである。斯かるシステムでは、前記カラオケ装置12の利用に際して、1台乃至数台ずつの前記電子早見本装置14が後述するように前記カラオケ装置12の遠隔操作装置として用いられるようになっている。
図1に示すように、前記無線LANネットワークシステム10において、好適には、前記複数のカラオケ装置12相互間においてはLAN16を介して有線LAN通信が可能とされている。また、インフラストラクチャモードでの無線LAN通信に用いられる単数乃至複数(図1では1つ)のアクセスポイント18が前記LAN16に接続されている。また、前記無線LANネットワークシステム10は、好適には、ルータ20を介して通信回線22に接続されており、同じくその通信回線22に接続されたカラオケサービス提供会社のサーバ装置(センタ装置)24との相互間でその通信回線22を介して情報の通信が可能とされている。この通信回線22は、例えばインターネット等である。前記サーバ装置24は、カラオケ情報(楽曲データ等)の保管や入出力管理の基本的な制御を行うサーバであり、後述するように、前記通信回線22を介して前記カラオケ装置12に定期的にコンテンツの配信を行うと共に、そのカラオケ装置12からの要求に応じて所定の機能制御プログラムを送信するものである。
図2は、前記カラオケ装置12の構成を例示するブロック図である。この図2に示すカラオケ装置12は、中央演算処理装置であるCPU32と、読出専用メモリであるROM34と、随時書込読出メモリであるRAM36と、記憶装置であるハードディスク38と、グラフィックスチップ(グラフィックスボード)等の映像処理部40と、サウンドチップ(サウンドボード)等の音声処理部42と、操作パネル44と、ビデオ出力端子48を介して前記映像処理部40に接続された映像表示装置であるディスプレイ50と、オーディオ入力端子52を介して前記音声処理部42に接続された音声入力装置であるマイクロフォン54と、オーディオ出力端子56を介して前記音声処理部42に接続された音声増幅装置であるアンプ58と、そのアンプ58に接続された音声出力装置であるスピーカ60と、有線LANインターフェイス62と、無線LAN通信部64とを、備えて構成されている。前記カラオケ装置12は、前記有線LANインターフェイス62を介して前記LAN16に接続されている。そして、前記ルータ20を介して通信回線22に接続されたサーバ等の外部装置との相互間でその通信回線22を介して情報の通信が可能とされている。
前記CPU32は、前記RAM36の一時記憶機能を利用しつつ前記ROM34に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂マイクロコンピュータであり、前記カラオケ装置12における各種カラオケ演奏に関する制御を実行する。また、前記通信回線22を介した前記サーバ装置24等との間の情報通信制御等の基本的な制御に加えて、後述する本実施例のブロードキャスト配信制御等の各種制御等を実行する。
前記映像処理部40は、前記カラオケ装置12によるカラオケ演奏や、設定に関する情報などを、前記ディスプレイ50に表示させるための各種制御を行う。前記音声処理部42は、前記カラオケ装置12によるカラオケ演奏に係るカラオケ曲の各種再生制御を行う。この音声処理部42により再生された音楽信号は、前記マイクロフォン54から前記オーディオ入力端子52を介して入力される利用者(演奏者)の歌声とミキシングされ、前記オーディオ出力端子56を介して前記アンプ58に供給されてそのアンプ58により増幅されて前記スピーカ60から出力される。前記操作パネル44は、利用者によるカラオケ曲の演奏操作や、各種設定のための入力装置である。
前記カラオケ装置12には、前記操作パネル44の一部乃至全部の機能を遠隔で実行するための遠隔操作装置として、前記カラオケ装置12との間で電波による無線通信を行う無線端末としての前記電子早見本装置14が備えられている。この電子早見本装置14は、後述する図3に示すような構成を備えることで、前記カラオケ装置12との間でアドホックモード或いはインフラストラクチャモードでの無線LAN通信を行い、そのカラオケ装置12から送信される各種情報を受信すると共に、そのカラオケ装置12に対して各種情報の送信を行う。前記電子早見本装置14の操作に応じて、その電子早見本装置14から送信される信号が前記CPU32に供給されることで、前記カラオケ装置12の利用者が歌いたい楽曲を選択したり、各種設定を行うための入力が受け付けられるようになっている。この設定として、具体的には、後述する無線LAN通信をアドホックモード或いはインフラストラクチャモードにする設定が行われる。これらの設定は、好適には、前記カラオケ装置12又は前記アクセスポイント18との無線LAN通信を開始する以前に、予め利用者により設定される。
前記有線LANインターフェイス62は、前記カラオケ装置12をLAN接続端子68を介して前記LAN16に接続するための接続器であり、そのように前記LAN16に接続されることで、前記カラオケ装置12は、同様に前記LAN16に接続された他のカラオケ装置12や前記電子早見本装置14等の他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。例えば、インフラストラクチャモードのカラオケ装置12においては、前記アクセスポイント18を介して、前記電子早見本装置14等の機器との間でIEEE802.11等の所定の規格に準拠した無線LAN通信を行う。例えば、前記LAN16に接続されたアクセスポイント18を介して受信される前記電子早見本装置14からの選曲入力を受け付けて前記RAM36に設けられた予約曲テーブルに記憶したり、そのアクセスポイント18を介して前記カラオケ装置12から電子早見本装置14へ所定の情報を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置12と前記電子早見本装置14との間における相互の情報のやりとりが実行される。本実施例において、前記カラオケ装置12と前記電子早見本装置14との間のインフラストラクチャモードでの無線LAN通信は、専ら前記有線LANインターフェイス62、LAN接続端子68、LAN16、及びアクセスポイント18を介して実行される。また、前記カラオケ装置12と前記電子早見本装置14との間のアドホックモードの無線LAN通信は、前記無線LAN通信部64を介して実行される。すなわち、前記無線LAN通信部64は、前記電子早見本装置14等の機器との間でIEEE802.11規格に順序したアドホックモードの無線LAN通信を行う。
図3は、前記カラオケ装置12の遠隔操作装置として用いられる無線端末の一例である前記電子早見本装置14の構成を例示するブロック図である。この図3に示すように、前記電子早見本装置14は、中央演算処理装置であるCPU72と、読出専用メモリであるROM74と、随時書込読出メモリであるRAM76と、フラッシュROM等の記憶部78と、所定の画像(映像)を表示させる表示装置82を備えると共に、利用者の接触に応じて操作入力をや情報表示を行うタッチパネル84を備えたタッチパネルディスプレイ80と、利用者操作(例えば、タッチパネルディスプレイ80からの設定)に応じて、インフラストラクチャモード、或いはアドホックモードを選択して利用可能な無線LAN通信部92とを、備えている。
前記無線LAN通信部92は、前記カラオケ装置12等の機器との間で電波を介して情報の送受信を行う。例えば、前記カラオケ装置12等の機器との間でIEEE802.11等の所定の規格に準拠した無線LAN通信を行う。斯かる通信を行うことにより、前記カラオケ装置12等に対して選曲入力を行ったり、そのカラオケ装置12から送信される前記電子早見本装置14において所定の処理を実行させるための指令を受信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置12等と前記電子早見本装置14との間における相互の情報のやりとりを行う。すなわち、前記無線LAN通信部92は、具体的には、前記カラオケ装置12等との間で電波による無線LAN通信を行う無線LAN通信モジュールである。
前記電子早見本装置14は、前記無線LAN通信部92を介して(無線LAN通信部92をアダプタとして)、前記電子早見本装置14と前記カラオケ装置12との間のアドホックモード或いはインフラストラクチャモードでの無線LAN通信が実行される。本実施例において、前記カラオケ装置12との間のアドホックモードでの無線LAN通信では、前記無線LAN通信部92と前記カラオケ装置12に備えられた無線LAN通信部64との間で直接電波により通信が行われる。また、前記カラオケ装置12との間のインフラストラクチャモードでの無線LAN通信では、前記アクセスポイント18を介して前記無線LAN通信部92と前記カラオケ装置12に備えられた前記有線LANインターフェイス62との間で電波により通信が行われる。
図4は、前記カラオケ装置12のCPU32及び前記電子早見本装置14のCPU72にそれぞれ備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図4に示す無線LAN通信制御手段100は、前記カラオケ装置12のCPU32に、無線LAN通信制御手段112は、前記電子早見本装置14のCPU72に、それぞれ機能的に備えられたものである。
前記無線LAN通信制御手段100は、前記カラオケ装置12による前記有線LANインターフェイス62及び前記アクセスポイント18等を介しての無線LAN通信、或いは前記無線LAN通信部64を介しての無線LAN通信を制御する。具体的には、前記無線LAN通信部92と同様なモジュールであるまた、無線LAN通信の動作モードとして、親機(アクセスポイント)なしに子機同士で通信を行う(すなわち、各機器における無線LANのアダプタ同士が直接通信する形態)アドホックモード(ad hoc mode)と、全ての子機が親機を経由して通信を行う(すなわち、各機器における無線LANのアダプタが、ネットワークを統括するアクセスポイントを介して通信し、互いに直接通信しない形態)インフラストラクチャモード(infrastructure mode)とを、利用者設定によって、予め選択的に成立させる。
前記無線LAN通信制御手段100は、前記カラオケ装置12がインフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれる場合、前記有線LANインターフェイス62及びLAN接続端子68をアダプタとしてそのネットワークグループに係る無線LAN通信を実行する。すなわち、インフラストラクチャモードでの無線LAN通信は、前記有線LANインターフェイス62、LAN接続端子68、LAN16、及びアクセスポイント18を介して実行する。また、前記カラオケ装置12がアドホックモードによるネットワークグループに含まれる場合、前記無線LAN通信部64をアダプタとしてそのネットワークグループに係る無線LAN通信を実行する。すなわち、アドホックモードでの無線LAN通信は、前記無線LAN通信部64を介して実行する。なお、後述するように、本実施例のカラオケ装置12は、インフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれると共にアドホックモードによるネットワークグループに含まれる場合も考えられる。斯かる場合において、前記無線LAN通信制御手段100は、前記有線LANインターフェイス62及びLAN接続端子68をアダプタとしてインフラストラクチャモードによるネットワークグループに係る無線LAN通信を実行すると共に、前記無線LAN通信部64をアダプタとしてアドホックモードによるネットワークグループに係る無線LAN通信を実行する。
前記無線LAN通信制御手段112は、前記電子早見本装置14による前記無線LAN通信部92を介しての無線LAN通信を制御する。具体的には、同様に無線LANモジュールを備えた機器との間で、例えば2.4GHz等の周波数帯の電波を用いて、例えばIEEE802.11等の所定の規格に準拠した無線LAN通信を行う。また、無線LAN通信の動作モードとして、親機(アクセスポイント)なしに子機同士で通信を行う(すなわち、各機器における無線LANのアダプタ同士が直接通信する形態)アドホックモード(ad hoc mode)と、全ての子機が親機を経由して通信を行う(すなわち、各機器における無線LANのアダプタが、ネットワークを統括するアクセスポイントを介して通信し、互いに直接通信しない形態)インフラストラクチャモード(infrastructure mode)とを、選択的に成立させる。本実施例の電子早見本装置14は、好適には、前記カラオケ装置12との間の無線LAN通信に関して、インフラストラクチャモードによるネットワークグループ及びアドホックモードによるネットワークグループの何れか一方に択一的に含まれる。すなわち、前記カラオケ装置12との間で、インフラストラクチャモード又はアドホックモードでの無線LAN通信を行う。
前記無線LANネットワークシステム10においては、インフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれる前記複数のカラオケ装置12のうち少なくとも1台(好適には、各店舗に1台)のカラオケ装置12が親機であるトップコマンダ(リーダ)として設定される。このインフラストラクチャモードにおけるトップコマンダは、例えば、カラオケボックス等の各店舗における所定のカラオケ装置12が予め定められて前記サーバ装置24等に記憶されたものであり、後述するように、そのサーバ装置24から前記通信回線22等を介して直接楽曲データ等のコンテンツの配信を受ける(受信する)カラオケ装置に相当する。また、好適には、前記無線LANネットワークシステム10においては、アドホックモードによるネットワークグループそれぞれに単一の前記カラオケ装置12が含まれる。すなわち、前記無線LANネットワークシステム10において構成されるアドホックモードによる複数のネットワークグループそれぞれに1台のカラオケ装置12と、単数乃至複数の前記電子早見本装置14とが含まれる構成となる。斯かる態様において、アドホックモードによるそれぞれのネットワークグループに含まれる単一のカラオケ装置12が、そのネットワークグループにおけるトップコマンダとして動作する。
前記無線LAN通信制御手段100、112は、前記カラオケ装置12と前記電子早見本装置14との間のくくりつけ処理(対応付け処理)を行う。例えば、前記カラオケ装置12の無線LAN通信制御手段100により、くくりつけブロードキャストとして、前記無線LANネットワークシステム10内にそのカラオケ装置12のIPアドレス(IP address)が配信される。そのくくりつけブロードキャストを受信した前記電子早見本装置14により、例えば前記タッチパネルディスプレイ80を介して所定の操作が行われることで、その電子早見本装置14が前記くくりつけブロードキャストの配信元である前記カラオケ装置12に対してくくりつけられる。そのようにして所定の前記カラオケ装置12にくくりつけられた電子早見本装置14は、そのカラオケ装置12の入力装置(遠隔操作装置)として機能し、以降はその電子早見本装置14から送信される信号がくくりつけられた前記カラオケ装置12に入力される。すなわち、前記電子早見本装置14が所定のカラオケ装置12に対してくくりつけられることにより、そのカラオケ装置12に対して利用者が歌いたい楽曲を選択したり各種設定を行うための入力が可能となる。なお、前記電子早見本装置14が何れのカラオケ装置12にもくくりつけられていないが、何れかのネットワークグループに含まれる状態とは、その電子早見本装置14から所定(個別)のカラオケ装置12に対してカラオケ演奏に係る選曲入力等の操作を行うことはできないが、そのネットワークグループに含まれる他の機器との間でデータの送受信が可能な状態、例えば所定のカラオケ装置12からのデータの配信を受け付け得る状態をいう。
図4に示すように、前記無線LAN通信制御手段100は、モード記憶手段102、トップコマンダ設定記憶手段104、ブロードキャスト先判定手段106、ブロードキャスト配信手段108、及びコンテンツ等価制御手段110を備えている。前記モード記憶手段102は、自機において設定されている無線LAN通信のモードを記憶する。すなわち、自機においてインフラストラクチャモードでの無線LAN通信が成立しているか、アドホックモードでの無線LAN通信が成立しているか、或いはその両方が成立しているかを前記RAM36等に記憶する。前記トップコマンダ設定記憶手段104は、自機が前記無線LANネットワークシステム10におけるトップコマンダ(リーダ)として設定されているか否かを前記RAM36等に記憶する。前記ブロードキャスト先判定手段106は、後述するトップブロードキャスト等のブロードキャストの配信先(配信対象)を判定する。前記ブロードキャスト配信手段108は、前記ブロードキャスト先判定手段106により判定された配信先に対して、後述するトップブロードキャスト等のブロードキャストを配信する。前記コンテンツ等価制御手段110は、後述する図7〜図10に示すように、前記無線LANネットワークシステム10内に備えられた複数の前記カラオケ装置12の間でコンテンツ等価処理を実行する。
また、図4に示すように、前記無線LAN通信制御手段112は、モード記憶手段114、受信モード決定手段116、ブロードキャスト受信手段118、くくりつけ先記憶手段120、トップコマンダ記憶手段122、及びデータ更新元決定手段124を備えている。前記モード記憶手段114は、自機において設定されている無線LAN通信のモードを記憶する。すなわち、自機においてインフラストラクチャモードでの無線LAN通信が成立しているか、或いはアドホックモードでの無線LAN通信が成立しているかを前記RAM76等に記憶する。前記受信モード決定手段116は、前記モード記憶手段114により記憶された通信モードに応じて、無線LAN通信に係る受信モードを決定する。例えば、自機においてインフラストラクチャモードでの無線LAN通信が成立している場合と、アドホックモードでの無線LAN通信が成立している場合とで、それぞれ異なる自機のIPアドレスを設定する。前記ブロードキャスト受信手段118は、前記カラオケ装置12から配信されるブロードキャストを受信する。前記くくりつけ先記憶手段120は、自機が何れかの前記カラオケ装置12に対してくくりつけられている(くくりつけ処理が行われている)場合、そのくくりつけられたカラオケ装置12の識別情報(例えば、そのカラオケ装置12のIPアドレス)を記憶する。前記トップコマンダ記憶手段122は、自機が属するネットワークグループにおけるトップコマンダとしてのカラオケ装置12の識別情報(例えば、そのカラオケ装置12のIPアドレス)を記憶する。前記データ更新元決定手段124は、自機が前記記憶部78等に記憶されたデータの更新を行う更新元(データ配信元)となる前記カラオケ装置12を決定する。
前記コンテンツ等価制御手段110は、前記無線LANネットワークシステム10内に備えられた複数の前記カラオケ装置12の間でコンテンツ等価処理を実行する。例えば、前記複数のカラオケ装置12のハードディスク38等に記憶された楽曲データや背景映像データ等の各種コンテンツに関して、コンテンツの数及び種類をそれら複数のカラオケ装置12相互間で一致させる処理を行う。例えば、前記カラオケ装置12のハードディスク38等には、楽曲データや背景映像データ等の各種コンテンツと、そのハードディスク38等に記憶されるべきコンテンツのリストとが記憶されており、そのコンテンツのリストは、前記サーバ装置24から前記インフラストラクチャモードにおけるトップコマンダとしてのカラオケ装置12(例えば、カラオケ装置12a)への情報配信が行われることにより更新される。所定のカラオケ装置12における前記ハードディスク38に記憶されたコンテンツのリストと、そのハードディスク38に記憶されたコンテンツが一致しない場合、不足するコンテンツが前記無線LANネットワークシステム10内に備えられた他のカラオケ装置12からコピーされることで、前記コンテンツ等価制御手段110による等価処理が行われる。
図7〜図10は、前記コンテンツ等価制御手段110によるコンテンツ等価処理について説明する図である。図7に示すように、前記無線LANネットワークシステム10内に備えられた複数の前記カラオケ装置12において、好適には、前記インフラストラクチャモードにおけるトップコマンダとして設定された前記カラオケ装置12aに対して、前記サーバ装置24からの最新コンテンツの配信が行われる。これは、前記サーバ装置24に対して各カラオケ装置12がコンテンツの配信を受けることによるそのサーバ装置24の負荷の増大を抑制するためである。このサーバ装置24からの最新コンテンツの配信と同期して、最新のコンテンツのリストが前記カラオケ装置12aのハードディスク38等に記憶される。次に、図8に示すように、等価元となる前記カラオケ装置12aから等価先となる前記カラオケ装置12bに対して、前記LAN16(有線LAN)を介して最新のコンテンツのリストに基づく不足分のコンテンツのコピーが行われる。斯かる処理により、前記カラオケ装置12bのハードディスク38等に記憶されるコンテンツ及びコンテンツのリストは、前記サーバ装置24から配信された最新のものとされる。以降は、図9に示すように、前記カラオケ装置12aによる等価先となった前記カラオケ装置12bからも、前記LAN16を介して他の等価先となる前記カラオケ装置12c等に対して、最新のコンテンツのリストに基づく不足分のコンテンツのコピーが行われる。斯かる等価処理が繰り返されることにより、図10に示すように、前記無線LANネットワークシステム10内に備えられた複数の前記カラオケ装置12それぞれにおけるハードディスク38等に記憶されるコンテンツ及びコンテンツのリストが、前記サーバ装置24から配信された最新のものとされるのである。
本実施例の無線LANネットワークシステム10との対比のために、従来のカラオケシステムに適用される無線LANネットワークシステムについて説明する。複数のカラオケコマンダと、そのカラオケコマンダの遠隔操作装置として用いられる複数の無線端末とを、備えたカラオケシステムにおいて、従来の技術では、専らインフラストラクチャモードでの無線LAN通信が行われていた。例えば、図1に示す構成において、前記複数のカラオケ装置12及び前記複数の電子早見本装置14が何れも前記アクセスポイント18を介して前記LAN16に接続され、そのアクセスポイント18を介してインフラストラクチャモードでの無線LAN通信を行う態様とされていた。斯かる従来の技術において、前記電子早見本装置14におけるデータの更新は、その電子早見本装置14がくくりつけられた前記カラオケ装置12或いはトップコマンダとして設定されたカラオケ装置12(例えば、カラオケ装置12a)からのデータ配信により行われていた。すなわち、前述のように、前記サーバ装置24から最新のコンテンツが前記無線LANネットワークシステム10に配信される毎に、例えばその最新のコンテンツとしての新譜楽曲に対応して、前記電子早見本装置14においてその新譜楽曲を選曲入力可能とするための楽曲データのリスト等が、前記電子早見本装置14がくくりつけられた前記カラオケ装置12或いはトップコマンダとしてのカラオケ装置12からその電子早見本装置14に対して配信されるようになっていた。
すなわち、前記複数の電子早見本装置14のうち、何れかのカラオケ装置12にくくりつけられた前記電子早見本装置14は、そのカラオケ装置12からのデータ配信により前記記憶部78に記憶されたデータの更新(サーバ装置24から配信される最新データの反映)を行っていた。また、何れのカラオケ装置12にもくくりつけられていない前記電子早見本装置14は、トップコマンダとして設定されたカラオケ装置12aからのデータ配信により前記記憶部78に記憶されたデータの更新を行っていた。具体的には、トップコマンダとして設定されたカラオケ装置12aから前記無線LANネットワークシステム内に配信されるトップブロードキャストに応じてそのカラオケ装置12aをデータの更新を行う更新元(データ配信元)として決定し、そのカラオケ装置12aから前記アクセスポイント18等を介してデータの配信を受けていた。斯かる処理により、何れのカラオケ装置12にもくくりつけられていない前記電子早見本装置14にも前記サーバ装置24から配信される最新データが反映され、その電子早見本装置14が何れかのカラオケ装置12に対してくくりつけられた際に、その最新データに基づいて選曲入力等の処理が可能とされていた。
図5は、前記無線LANネットワークシステム10に備えられたカラオケ装置12a及び前記電子早見本装置14a〜14dにより、アドホックモードによるネットワークグループ(破線で囲繞して示す)が構成された状態を説明する図である。前述のように、本実施例の無線LANネットワークシステム10に備えられたカラオケ装置12及び電子早見本装置14は、前記無線LAN通信部64、92(内蔵無線装置)を備えていることにより、アドホックモードでの無線LAN通信を行うことができる。アドホックモードでの無線LAN通信おいては、前記アクセスポイント18を設置する必要がないため、所謂ナイト店等、単一の前記カラオケ装置12が設置された店舗における無線LAN通信に好適に適用される。この図5に示す例においては、前記電子早見本装置14a、14b、14cが前記カラオケ装置12aにくくりつけられており、前記電子早見本装置14dは何れのカラオケ装置にもくくりつけられていない。前述のように、斯かるアドホックモードでの無線LAN通信では、そのアドホックモードによるネットワークグループに含まれる単一のカラオケ装置12(図5に示す例ではカラオケ装置12a)がそのネットワークグループにおけるトップコマンダとして動作し、そのカラオケ装置12からネットワークグループに含まれる前記電子早見本装置14に対してトップブロードキャストの配信が行われる。すなわち、何れのカラオケ装置にもくくりつけられていない前記電子早見本装置14dにおいては、トップコマンダとして動作する前記カラオケ装置12aからアドホックモードによるネットワークグループ内に配信されるトップブロードキャストに応じて、そのカラオケ装置12aがデータの更新を行う更新元(データ配信元)として決定される。斯かる処理により、何れのカラオケ装置12にもくくりつけられていない前記電子早見本装置14dにも前記サーバ装置24から配信される最新データが反映され、その電子早見本装置14dが何れかのカラオケ装置12に対してくくりつけられた際に、その最新データに基づいて選曲入力等の処理が可能とされる。
図6は、例えば1つの店舗における無線LANネットワークシステムにおいて、アドホックモードによるネットワークグループ及びインフラストラクチャモードによるネットワークグループが混在する場合について説明する図である。この図6に示す例では、前記無線LANネットワークシステム10に備えられたカラオケ装置12a〜12c及び電子早見本装置14e〜14gにより、インフラストラクチャモードによるネットワークグループ(一点鎖線で囲繞して示す)Inが構成されている。また、前記無線LANネットワークシステム10に備えられたカラオケ装置12a及び前記電子早見本装置14a〜14dにより、アドホックモードによるネットワークグループ(破線で囲繞して示す)An1が構成されている。また、前記無線LANネットワークシステム10に備えられたカラオケ装置12d及び電子早見本装置14hにより、アドホックモードによるネットワークグループ(破線で囲繞して示す)An2が構成されている。すなわち、前記カラオケ装置12aは、インフラストラクチャモードによるネットワークグループInに含まれると共に、アドホックモードによるネットワークグループAn1に含まれる。図6に示す例において、前記電子早見本装置14a、14b、14cが前記カラオケ装置12aに、前記電子早見本装置14eが前記カラオケ装置12bに、前記電子早見本装置14fが前記カラオケ装置12cに、前記電子早見本装置14hが前記カラオケ装置12dにそれぞれくくりつけられており、前記電子早見本装置14d及び14gは何れのカラオケ装置にもくくりつけられていない。
前述した図6に示す構成において、前記カラオケ装置12aが前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループInにおけるリーダ(トップコマンダ)として設定された例を考えると、従来の技術では、前記電子早見本装置14gにおけるデータの更新が行われなくなるという弊害があった。すなわち、前記カラオケ装置12aは、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループInにおけるリーダとして設定されていると共に、前記アドホックモードによるネットワークグループAn1におけるトップコマンダとして動作するものであるため、従来の技術では、前記カラオケ装置12aから前記アドホックモードによるネットワークグループAn1に対するトップブロードキャストは行われるが、そのカラオケ装置12aから前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループInに対するトップブロードキャストが行われない。従って、何れのカラオケ装置にもくくりつけられていない前記電子早見本装置14d及び14gのうち、前記アドホックモードによるネットワークグループAn1に含まれる電子早見本装置14dについては、前記カラオケ装置12aがデータの更新を行う更新元(データ配信元)として決定され、そのカラオケ装置12aから前記電子早見本装置14dに対するデータの配信が行われるが、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループInに含まれる前記電子早見本装置14gに対しては何れのカラオケ装置からのトップブロードキャストも行われないため、データの更新を行う更新元(データ配信元)としてのカラオケ装置を決定することができず、その電子早見本装置14gに対しては前記サーバ装置24から配信される最新データが反映されないという不具合が生じる。
本実施例の無線LANネットワークシステム10においては、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるリーダとして設定された前記カラオケ装置12が、同時に前記アドホックモードによるネットワークグループに含まれる場合、そのカラオケ装置12から前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループに対するトップブロードキャストを行うと共に、前記アドホックモードによるネットワークグループに対するトップブロードキャストを行う。すなわち、前記ブロードキャスト先判定手段106は、前記トップコマンダ設定記憶手段104により自機がインフラストラクチャモード及びアドホックモードによるネットワークグループにおけるリーダとして設定されている場合には、斯かるインフラストラクチャモード及びアドホックモードによるネットワークグループ両方をトップブロードキャストの配信先として判定する。斯かる制御により、前述した図6に示す構成において、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループInに含まれる、何れのカラオケ装置にもくくりつけられていない前記電子早見本装置14gに対してもトップブロードキャストの配信が行われ、前記カラオケ装置12aがその電子早見本装置14gに対してデータの更新を行う更新元(データ配信元)として決定される。すなわち、前記カラオケ装置12aから前記電子早見本装置14gに対するデータの配信が行われ、その電子早見本装置14gに対して前記サーバ装置24から配信される最新データが反映される。
また、本実施例の無線LANネットワークシステム10において、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれる前記電子早見本装置14は、前記複数のカラオケ装置12のうち何れかのカラオケ装置に予めくくりつけられている(対応付けられている)場合には、そのくくりつけられたカラオケ装置12をデータの更新元として設定するが、何れの前記カラオケ装置12にもくくりつけられていない場合には、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるリーダとして設定された前記カラオケ装置12をデータの更新元として設定する。例えば、前述した図6に示す構成において、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループInに含まれる前記電子早見本装置14e、14f、14gに対しては、そのネットワークグループInにおけるトップコマンダ(リーダ)である前記カラオケ装置12aからトップブロードキャストの配信が行われるが、前記カラオケ装置12bにくくりつけられた前記電子早見本装置14e及び前記カラオケ装置12cにくくりつけられた前記電子早見本装置14fについては、それぞれくくりつけられたカラオケ装置12b、12cがデータの更新元として設定される。そして、何れのカラオケ装置12に対してもくくりつけられていない前記電子早見本装置14gのデータの更新元として、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループInにおけるトップコマンダである前記カラオケ装置12aが設定される。
図11は、前記カラオケ装置12のCPU32によるブロードキャスト配信制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、前記カラオケ装置12において、アドホックモードでの無線LAN通信が行われているか否か、すなわち自機がアドホックモードによるネットワークグループに含まれるか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合には、SA6以下の処理が実行されるが、SA1の判断が肯定される場合には、SA2において、前記カラオケ装置12において、インフラストラクチャモードでの無線LAN通信が行われているか否か、すなわち自機がインフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれるか否かが判断される。このSA2の判断が否定される場合には、SA3において、アドホックモードによるネットワークグループに対して前記トップブロードキャストの配信が行われた後、本ルーチンが終了させられるが、SA2の判断が肯定される場合には、SA4において、自機が前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるトップコマンダ(リーダ)として設定されているか否かが判断される。このSA4の判断が否定される場合には、SA3以下の処理が実行されるが、SA4の判断が肯定される場合には、SA5において、アドホックモードによるネットワークグループ及びインフラストラクチャモードによるネットワークグループ双方に対して前記トップブロードキャストの配信が行われた後、本ルーチンが終了させられる。SA6においては、前記カラオケ装置12において、インフラストラクチャモードでの無線LAN通信が行われているか否か、すなわち自機がインフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれるか否かが判断される。このSA6の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA6の判断が肯定される場合には、SA7において、自機が前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるトップコマンダ(リーダ)として設定されているか否かが判断される。このSA7の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA7の判断が肯定される場合には、SA8において、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループに対して前記トップブロードキャストの配信が行われた後、本ルーチンが終了させられる。
図12は、前記電子早見本装置14のCPU72によるデータ更新元決定制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、SB1において、前記電子早見本装置14において、アドホックモードでの無線LAN通信が行われているか否か、すなわち自機がアドホックモードによるネットワークグループに含まれるか否かが判断される。このSB1の判断が否定される場合には、SB7以下の処理が実行されるが、SB1の判断が肯定される場合には、SB2において、ブロードキャストの受信モードがアドホックモードに決定され、アドホックモードに対応するIPアドレスが無線LANモジュールにおいて設定される。次に、SB3において、トップコマンダである前記カラオケ装置12からトップブロードキャストが受信(配信)されたか否かが判断される。このSB3の判断が否定されるうちは、そのSB3の判断が繰り返されることにより待機させられるが、SB3の判断が肯定される場合には、SB4において、前記電子早見本装置14が何れかの前記カラオケ装置12に対してくくりつけられているか否か、すなわち自機がくくりつけられたカラオケ装置12が存在するか否かが判断される。このSB4の判断が肯定される場合には、SB5において、自機がくくりつけられた前記カラオケ装置12が前記電子早見本装置14に対する更新元(データ配信元)として決定された後、本ルーチンが終了させられるが、SB4の判断が否定される場合には、SB6において、受信されたトップブロードキャストの配信元である前記アドホックモードにおけるトップコマンダである前記カラオケ装置12が前記電子早見本装置14に対する更新元として決定された後、本ルーチンが終了させられる。
SB7においては、前記電子早見本装置14において、インフラストラクチャモードでの無線LAN通信が行われているか否か、すなわち自機がインフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれるか否かが判断される。このSB7の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB7の判断が肯定される場合には、SB8において、ブロードキャストの受信モードがインフラストラクチャモードに決定され、インフラストラクチャモードに対応するIPアドレスが無線LANモジュールにおいて設定される。次に、SB9において、トップコマンダである前記カラオケ装置12からトップブロードキャストが受信(配信)されたか否かが判断される。このSB9の判断が否定されるうちは、そのSB9の判断が繰り返されることにより待機させられるが、SB9の判断が肯定される場合には、SB10において、前記電子早見本装置14が何れかの前記カラオケ装置12に対してくくりつけられているか否か、すなわち自機がくくりつけられたカラオケ装置12が存在するか否かが判断される。このSB10の判断が肯定される場合には、SB11において、自機がくくりつけられた前記カラオケ装置12が前記電子早見本装置14に対する更新元(データ配信元)として決定された後、本ルーチンが終了させられるが、SB10の判断が否定される場合には、SB12において、受信されたトップブロードキャストの配信元である前記インフラストラクチャモードにおけるトップコマンダである前記カラオケ装置12が前記電子早見本装置14に対する更新元として決定された後、本ルーチンが終了させられる。
図13は、前記カラオケ装置12のCPU32によるコンテンツ等価制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この図13に示すコンテンツ等価制御は、センタ装置としての前記サーバ装置24から、前記インフラストラクチャモードにおけるトップコマンダ(リーダ)としての前記カラオケ装置12に対するコンテンツの配信に係るものである。
先ず、SC1において、前記サーバ装置24から最新のコンテンツのリストが配信(受信)され、自機の前記ハードディスク38に記憶されたコンテンツと、その配信されたコンテンツのリストに記載されたコンテンツとが比較される。そして、そのコンテンツのリストに記載されたコンテンツと、自機の前記ハードディスク38に記憶されたコンテンツとの差分が存在するか否かが判断される。このSC1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SC1の判断が肯定される場合には、SC2において、前記サーバ装置24との間でコンテンツ等価処理が開始される。次に、SC3において、前記サーバ装置24との間でコンテンツ等価処理が完了し、前記差分が解消されたか否かが判断される。このSC3の判断が否定されるうちは、SC3の判断が繰り返されることにより待機させられるが、SC3の判断が肯定される場合には、SC4において、自機が属するネットワークグループに対して、前記最新のコンテンツに対応するブロードキャストの配信が実行された後、本ルーチンが終了させられる。
図14は、前記カラオケ装置12のCPU32によるコンテンツ等価制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この図14に示すコンテンツ等価制御は、前記カラオケ装置12相互間でのコンテンツの等価処理に係るものである。
先ず、SD1において、他のカラオケ装置12から最新のコンテンツに対応するブロードキャストが受信されたか否かが判断される。このSD1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SD1の判断が肯定される場合には、SD2において、自機の前記ハードディスク38に記憶されたコンテンツと、その配信されたブロードキャストに対応するコンテンツのリストに記載されたコンテンツとが比較される。そして、そのコンテンツのリストに記載されたコンテンツと、自機の前記ハードディスク38に記憶されたコンテンツとの差分が存在するか否かが判断される。このSD2の判断が否定される場合には、SD6において、自機のコンテンツに対応するブロードキャストの配信が実行された後、本ルーチンが終了させられるが、SD2の判断が肯定される場合には、SD3において、自機が属するネットワークグループに含まれるカラオケ装置12であって、コンテンツ等価処理を実行可能なカラオケ装置12が存在するか否かが判断される。このSD3の判断が否定される場合には、SD6以下の処理が実行されるが、SD3の判断が肯定される場合には、SD4において、前記他のカラオケ装置12との間でコンテンツ等価処理が開始される。次に、SD5において、前記他のカラオケ装置12との間でコンテンツ等価処理が完了し、前記差分が解消されたか否かが判断される。このSD5の判断が否定されるうちは、SD5の判断が繰り返されることにより待機させられるが、SD5の判断が肯定される場合には、SD6において、自機が属するネットワークグループに対して、前記最新のコンテンツに対応するブロードキャストの配信が実行された後、本ルーチンが終了させられる。
以上の制御において、SA、SC、及びSDが前記無線LAN通信制御手段100の動作に、SA1、SA2、及びSA6が前記モード記憶手段102の動作に、SA4及びSA7が前記トップコマンダ設定記憶手段104の動作に、SA3、SA5、及びSA8が前記ブロードキャスト先判定手段106及び前記ブロードキャスト配信制御手段108の動作に、SC1〜SC4及びSD1〜SD6が前記コンテンツ等価制御手段110の動作に、SBが前記無線LAN通信制御手段112の動作に、SB1及びSB7が前記モード記憶手段114の動作に、SB2及びSB8が前記受信モード決定手段116の動作に、SB3及びSB9が前記ブロードキャスト受信手段118の動作に、SB4及びSB10が前記くくりつけ先記憶手段120の動作に、SB6及びSB12が前記トップコマンダ記憶手段122の動作に、SB5、SB6、SB11、及びSB12が前記データ更新元決定手段124の動作に、それぞれ対応する。
このように、本実施例によれば、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるリーダとして設定されたカラオケコマンダである前記カラオケ装置12が、同時に前記アドホックモードによるネットワークグループに含まれる場合、そのカラオケ装置12から前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループに対するトップブロードキャストを行うと共に、前記アドホックモードによるネットワークグループに対するトップブロードキャストを行うものであることから、インフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれる無線端末としての電子早見本装置14であって、何れの前記カラオケ装置12にも対応付けられていない電子早見本装置14に対して、前記リーダとして設定されたカラオケ装置12から好適にデータの配信を行うことができる。すなわち、アドホックモード及びインフラストラクチャモードによるネットワークグループが混在する場合におけるデータ配信の漏れを抑制する無線LANネットワークシステム10を提供することができる。
とりわけ、本実施例の無線LANネットワークシステム10のように、複数のカラオケ装置12と、そのカラオケ装置12の遠隔操作装置として用いられる複数の電子早見本装置14とを、備えた無線LANネットワークシステムでは、前記カラオケ装置12が前記電子早見本装置14に対するデータの配信元となる態様が多く、前記カラオケ装置12が親機的に動作し、前記電子早見本装置14が子機的に動作するという性質から、その電子早見本装置14におけるデータの更新が問題となるが、本実施例の無線LANネットワークシステム10によれば、アドホックモード及びインフラストラクチャモードによるネットワークグループが混在する場合におけるデータ配信の漏れを好適に抑制することができるのである。
また、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれる前記電子早見本装置14は、前記複数のカラオケ装置12のうち何れかのカラオケ装置12に予め対応付けられている場合には、その対応付けられたカラオケ装置12をデータの更新元として設定するが、何れの前記カラオケ装置12にも対応付けられていない場合には、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるリーダとして設定された前記カラオケ装置12をデータの更新元として設定するものであるため、インフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれる前記電子早見本装置14のデータの更新元となるカラオケ装置12を分散させることで、各カラオケ装置12の負荷を軽減することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例では、前記カラオケ装置12の遠隔操作装置として用いられる無線端末として、前記電子早見本装置14を備えた無線LANネットワークシステム10について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、別の態様の無線LANネットワークシステムにも好適に適用される。例えば、前記カラオケ装置12の遠隔操作装置として用いられる無線端末として、携帯電話機(スマートフォン)やタブレット端末等を備えた無線LANネットワークシステムにおける無線LAN通信に係るチャネル変更制御にも、本発明は好適に適用されるものである。
また、前述の実施例においては、図7〜図10を用いて前述したように、先ず、前記サーバ装置24からリーダであるカラオケ装置12に対して最新コンテンツの配信を行い、前記カラオケ装置12を等価元、他のカラオケ装置12を等価先として等価処理を繰り返すことによりシステム内における複数のカラオケ装置12の等価処理を行う態様について説明したが、全ての前記カラオケ装置12がホスト装置としての前記サーバ装置24に接続され、そのサーバ装置24から直接コンテンツの配信を受けるものであっても当然に構わない。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10:無線LANネットワークシステム、12:カラオケ装置(カラオケコマンダ)、14:電子早見本装置(無線端末)

Claims (2)

  1. 複数のカラオケコマンダと、該カラオケコマンダの遠隔操作装置として用いられる複数の無線端末とを、備え、前記複数のカラオケコマンダ及び前記複数の無線端末によりアドホックモード及びインフラストラクチャモードの少なくとも一方によるネットワークグループを構成する無線LANネットワークシステムであって、
    前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるリーダとして設定された前記カラオケコマンダが、同時に前記アドホックモードによるネットワークグループに含まれる場合、該カラオケコマンダから前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループに対するトップブロードキャストを行うと共に、前記アドホックモードによるネットワークグループに対するトップブロードキャストを行うものである
    ことを特徴とする無線LANネットワークシステム。
  2. 前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループに含まれる前記無線端末は、前記複数のカラオケコマンダのうち何れかのカラオケコマンダに予め対応付けられている場合には、該対応付けられたカラオケコマンダをデータの更新元として設定するが、何れの前記カラオケコマンダにも対応付けられていない場合には、前記インフラストラクチャモードによるネットワークグループにおけるリーダとして設定された前記カラオケコマンダをデータの更新元として設定するものである
    請求項1に記載の無線LANネットワークシステム。
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