JP5482307B2 - 紫外線処理装置 - Google Patents
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Description
この種の紫外線照射装置では、被処理水の紫外線透過率を透過率計を用いて測定して水質の変化を常に監視し、水質の変化に応じてランプ照度や流量の制御を行って、必要な殺菌率を常に確保する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
紫外線処理装置1は、図1に示すように、筐体を構成する円筒状の処理槽2と、この処理槽2に内設された1本の紫外線ランプ体3とを有している。
処理槽2は、例えばステンレス鋼から形成され、その上下の開口がフランジ4、5により閉塞されている。処理槽2の外側面の下方には、被処理水を導入する導入ポート6が配設され、また、外側面の上方には、殺菌処理した被処理水を導出する導出ポート7が配設されている。導入ポート6からは、殺菌前の被処理水が所定の流量(或いは流圧)を保ちながら処理槽2に導入され、その流圧によって処理槽2内を上方の導出ポート7に向かって移動する。そして、被処理水は処理槽2内を移動中に上記紫外線ランプ体3による紫外線の照射を受けて殺菌され導出ポート7から外部に吐出される。
上記紫外線ランプ8は、ランプスリーブ9に装着した際に、導入ポート6から導出ポート7に亘って延在する程度の長さを有して構成されており、これにより、導入ポート6から導出ポート7に至る流路の全範囲にわたって紫外線が照射される。
紫外線モニタシステム20は、図2に示すように、透過窓18を通った紫外線照度を検出する照度検出手段としての紫外線モニタ22と、処理槽2の被処理水の流量を計測する流量計23と、紫外線照度及び流量に基づいて紫外線照射量を算出し、また、紫外線照度に基づいて紫外線ランプ8の出力低下を検出する制御ユニット24と、紫外線照射量を表示する表示モニタ26とを備えている。さらに、紫外線モニタシステム20は、紫外線モニタ22と透過窓18との間に配置される、流体流通手段としての紫外線透過セル28を備え、この紫外線透過セル28には、処理槽2内の被処理水と精製水のいずれかが選択的に通水される。
さらに詳述すると、紫外線ランプ出力低下検出部58は、被処理水の単位長あたりの紫外線減衰率αを、精製水通水時の紫外線照度Ibと被処理水通水時の紫外線照度Iaとの照度差Ia−Ibと、経路長である紫外線透過セル28の厚さLとから、例えばランベルト・ベールの法則に基づいて求める。この場合、紫外線減衰率αは、精製水の紫外線減衰率を基準として求められた値となるものの、被処理水の透過率と相関を有した値である。したがって、高価な透過率計を備えることなく、被処理水の透過率変化を検出することができる。
なお、紫外線減衰率αの算出には、紫外線ランプ体3のランプスリーブ9、透過窓18及び紫外線透過セル28のそれぞれの紫外線透過率が計算に組み込まれており、紫外線ランプ8の紫外線照度Icが正確に求められている。
また、紫外線ランプ8の紫外線照度Icを、精製水通水時の紫外線照度Ib、紫外線ランプ体3から透過窓18までの距離(≒X−L)及び紫外線減衰率から求めてもよい。
すなわち、本実施形態では、流量Mと紫外線照射量Fの相関関数K1(M)と、紫外線減衰率αと紫外線照射量Fの相関関数K2(α)と、紫外線照度Icと紫外線照射量Fの相関関数K3(Ic)を予め実験等により求め、各相関関数K1〜K3を連立させる紫外線照射量の算出式を次式(1)に示す。
紫外線照射量F=[K1(M)+K2(α)+K3(Ic)]/3 (1)
このように、相関関数K1〜K3を用いることで紫外線照射量Fが簡単に求められる。
なお、紫外線照射量算出部56が、紫外線ランプ出力低下検出部58と同様にして、紫外線モニタ22の検出値(紫外線照度Ia、Ib)に基づいて、紫外線減衰率α及び紫外線ランプ8の紫外線照度Icを求めてもよい。
制御ユニット24は、電磁弁30、39及びポンプ38を制御して、紫外線透過セル28に被処理水を通水し(ステップS1)、そのときの紫外線照度Iaを計測した後(ステップS2)、精製水を通水し(ステップS3)、そのときの紫外線照度Ibを計測する(ステップS4)。
これら紫外線照度Ia、Ibが紫外線ランプ出力低下検出部58に入力されると、紫外線ランプ出力低下検出部58は、照度差Ib−Iaと、紫外線透過セル28の厚さLとに基づいて、被処理水の紫外線減衰率αを算出し(ステップS5)、また、この紫外線減衰率α、紫外線ランプ8と紫外線モニタ22までの距離X、及び被処理水通水時の紫外線照度Ibに基づいて、紫外線ランプ8の紫外線照度Icを算出する(ステップS6)。
そして紫外線ランプ出力低下検出部58は、紫外線照度Icが基準照度より低いか否かを判断し(ステップS7)、低い場合には(ステップS7:YES)、紫外線ランプ8の出力が寿命等により低下している事を示すため、その旨を表示モニタ26に表示して警告する(ステップS8)。
例えば、上述した実施形態では、殺菌等の処理対象を液体としたが、これに限らず、処理槽を流通させることができる流体であれば、気体であっても良い。
また例えば、上述した実施形態では、処理槽2に納める紫外線ランプ8の本数が1本の場合を例示したが、これに限らず、複数本を収めてもよい。この場合、図5に示すように、処理槽2の中心軸Cに対して、各紫外線ランプ8を同心状に等間隔に配置して、処理槽2の被処理流体に均等に紫外線を照射することが望ましい。また、この場合には、各紫外線ランプ8の対向位置に紫外線モニタ22を配置し、それぞれの紫外線モニタ22ごとに、対向位置の紫外線ランプ8の紫外線照度Icを求めて紫外線ランプ8の出力低下を検出する。
2 処理槽
3 紫外線ランプ体
8 紫外線ランプ
9 ランプスリーブ
18 透過窓
20 紫外線モニタシステム
22 紫外線モニタ(紫外線照度検出手段)
23 流量計(流量検出手段)
24 制御ユニット
26 表示モニタ
28 紫外線透過セル
30、39 電磁弁
35 精製水タンク
40 排水管
54 解析部
56 紫外線照射量算出部
58 紫外線ランプ出力低下検出部
Ia、Ib、Ic 紫外線照度
X 距離
K1〜K3 相関関数
Claims (4)
- 被処理流体が流通する処理槽に紫外線ランプを納め、当該紫外線ランプの紫外線で被処理流体を処理する紫外線処理装置において、
前記処理槽に前記紫外線ランプの紫外線を透過する透過窓を設け、当該透過窓の前方に紫外線照度を検出する紫外線照度検出手段を設け、
前記透過窓と前記紫外線照射検出手段との間に、前記被処理流体と基準用流体とを選択的に流通させる流体流通手段を設け、該流体流通手段に被処理流体及び基準用流体のそれぞれを流通させたときの各紫外線照度に基づいて前記被処理流体の紫外線減衰率を求め、当該紫外線減衰率と前記紫外線照度とに基づいて紫外線ランプの出力低下を検出する
ことを特徴とする紫外線処理装置。 - 前記紫外線減衰率と前記紫外線照度の検出値から求まる前記紫外線ランプの紫外線照度が基準照度を下まわった場合に警告を出力することを特徴とする請求項1に記載の紫外線処理装置。
- 前記処理槽の被処理流体の流量を検出する流量検出手段を備え、
前記流量、前記紫外線減衰率、及び、前記紫外線減衰率と前記紫外線照度の検出値から求まる前記紫外線ランプの紫外線照度のそれぞれごとの紫外線照射量との各相関から求まる値に基づいて紫外線照射量を算出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線処理装置。 - 前記紫外線照射量が基準値を下まわった場合に警告を出力することを特徴とする請求項3に記載の紫外線処理装置。
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