JP5482188B2 - 光学素子製造用ナノインプリントモールドの製造方法 - Google Patents
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Description
LEDは、n型ドーピング半導体層とp型ドーピング半導体層とで発光層を挟持した構造を有し、n型ドーピング半導体層からの電子がp型ドーピング半導体層からの電子正孔と発光層において再結合するとき発光する。しかし、LEDで発光された光は、LEDが配設されている基板との界面、LEDと空気層との界面等で反射されるため外部取出効率が低く、LEDの発光効率の向上を有効に活用できていないという問題があった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、光学素子製造用ナノインプリントモールドを高い精度で製造でき、かつ、大面積化にも対応できる製造方法を提供することを目的とする。
90 ≦ D ≦ 1000 … 式(1)
λ/n < D < λN/(2n) … 式(2)
d ≧ 2Lmin … 式(3)
d+2Lmin < D < d+Lmax … 式(4)
前記レーザ描画データの正N角形において、Nは6から8の範囲であるような構成とした。
図1および図2は、本発明の光学素子製造用ナノインプリントモールドの製造方法を説明するための工程図である。まず、基板1の一方の面に感光性レジスト4を塗布し(図1(A))、次に、感光性レジスト4にレーザ描画を行い、その後、現像し、必要に応じて硬化処理を施して、所望の開口パターン5aを有するマスクパターン5を形成する(図1(B))。尚、本発明におけるレーザ描画については後述する。
図示例では、基板1は基材2の一方の面2aにハードマスクとして金属膜3を備えたものであり、この金属膜3上に感光性レジスト4が塗布されている。基材2は、例えば、ガラス、石英、シリコン等の無機材料からなるものを使用することができ、また、樹脂材料からなるものであってもよい。基材2の厚さは適宜設定することができ、例えば、0.5mm〜7mm程度の範囲で設定することができる。金属膜3は、基材2をエッチングするためのハードマスクとして機能すること、あるいは、基材2が透明な場合に裏面からのレーザの反射を防止することを目的としたものであり、例えば、クロム等の材質であってよく、厚みは、例えば、10nm〜110nm程度の範囲で適宜設定することができる。このような金属膜3は、公知の真空成膜法により形成することができる。
尚、上記のモールド11では、金属膜3を残した状態となっているが、通常は金属膜3がない状態が多く、金属膜3が不要な場合は、金属膜用のエッチャントを用いて金属膜3をウェットプロセスで除去してモールド11とする。
本発明では、マスクパターン5に形成する開口パターン5aの円形目標直径D(形成目標である真円形状の開口の直径、単位:nm)と、使用するレーザの波長λ(単位:nm)と、円形に近似させたレーザ描画データとしての正N角形のN(Nは4以上の整数)、レーザ描画の媒質の屈折率nとの間に下記の式(1)、式(2)の関係が成立するようにレーザの波長λと、レーザ描画データの正N角形のNを設定する。円形目標直径Dが90nm未満であると、レーザスポットの直径の限界以下となりレーザ描画ができず、また、1000nmを超えると、レーザスポットの直径に比較して大きすぎるため、より円形に近づけるために正N角形のNを大きく設定する必要があり、設計上好ましくない。また、式(2)の関係が成立しないようなレーザ、描画データを使用した場合、後述する真円率が増大するので好ましくない。尚、レーザが通過する媒質が空気の場合、屈折率nを1とする。
90 ≦ D ≦ 1000 … 式(1)
λ/n < D < λN/(2n) … 式(2)
d ≧ 2Lmin … 式(3)
d+2Lmin < D < d+Lmax … 式(4)
(真円率の算出)
得られたSEM像から、理想真円半径をR(θ)とし、SEM計測にて得られた
半径をR′(θ)とし、真円率Δ(θ)を
Δ(θ)=[│R(θ)−R′(θ) │/R(θ)]×100
から算出し、各θ位置で求めたΔ(θ)の平均値を真円率とする。
尚、上述の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、所望の凹凸構造を形成する対象である基板71の一方の面に光硬化性樹脂層72を形成する(図6(A))。基板71の材質は、作製する光学素子に応じて適宜選択することができ、特に制限はなく、例えば、フォトニック結晶の作製用途の場合には、シリコン、サファイア、シリコン炭化ケイ素、スピネル等を挙げることができる。
[実施例1]
金属膜としてクロム薄膜(厚み60nm)を一方の面に有する石英基材(直径6インチ、厚み6.35mm)を基板として準備し、この基板のクロム薄膜上に感光性レジスト(富士フイルム(株)製 FEP−171レジスト)をスピンコート法で塗布し、120℃で10分間乾燥した。乾燥後の感光性レジストの厚みは0.3μmであった。
次に、レーザ描画装置 (ETEC(株)製 ALTA4300)を用いて、形成目標である真円形状の開口の直径D(円形目標直径D)を500nmに設定し、下記の条件で感光性レジストをレーザ描画した。この条件は、上記の式(1)、式(2)、式(3)、式(4)の関係を満足するものであった。また、下記の条件でレーザ描画を行う領域は、基板の中央の直径4インチの円形状領域とした。
(レーザ描画の条件)
・使用レーザ : アルゴンイオンレーザ(2倍高調波、波長257nm)
・レーザスポット径d : 250nm
・レーザ描画の媒質 : 空気
・描画データの正N角形 : N=6
最大対角線長さLmax=277nm
垂線長さLmin=120nm
このような条件でのレーザ描画に要した時間は1.5時間であった。
次いで、ドライエッチング装置(プロセスガス:酸素、塩素)を用いてマスクパターンを介しクロム薄膜をエッチングし、その後、同様にドライエッチング装置(プロセスガス:フッ素系ガス)を用いてマスクパターンを介し石英基材をエッチングした。その後、マスクパターンを除去した。これにより、表面のクロム薄膜からの深さが500nmである凹部構造が、上記のマスクパターンの開口パターンと同様に配列したパターンを形成した。その後、エッチャントとしての硝酸セリウム第二アンモニウム溶液に浸し、表面のクロム薄膜を除去してモールドを得た。
レーザ描画の条件を下記の条件とした他は、実施例1と同様にしてマスクパターンを作製した。このレーザ描画の条件は、上記の式(1)、式(2)、式(3)、式(4)の関係を満足するものであった。
(レーザ描画の条件)
・使用レーザ : アルゴンイオンレーザ(2倍高調波、波長257nm)
・レーザスポット径d : 250nm
・レーザ描画の媒質 : 空気
・描画データの正N角形 : N=8
最大対角線長さLmax=260nm
垂線長さLmin=120nm
このような条件でのレーザ描画に要した時間は1.6時間であった。
次いで、形成したマスクパターンを介し、実施例1と同様にして、エッチングを行い、その後、マスクパターンを除去した。これにより、表面のクロム薄膜からの深さが500nmである凹部構造が、上記のマスクパターンの開口パターンと同様に配列したパターンを形成した。その後、エッチャントとしての硝酸セリウム第二アンモニウム溶液に浸し、表面のクロム薄膜を除去してモールドを得た。
実施例1と同様の基板を準備し、この基板のクロム薄膜上に感光性レジスト(富士フイルム(株)製 FEP−171レジスト)をスピンコート法で塗布し、120℃で10分間乾燥した。乾燥後の感光性レジストの厚みは0.3μmであった。
次に、電子線描画装置 (日本電子(株)製 JBX9000)を用いて、形成目標である真円形状の開口の直径D(円形目標直径D)を実施例1、2と同様に500nmに設定し、下記の条件で感光性レジストを電子線描画した。
(電子線描画の条件)
・露光量 : 13μC/cm2
・近接効果補正パラメーター : η=0.8、σ=10
・描画データの正N角形 : N=8
このような条件での電子線描画に要した時間は約10日間であった。
次いで、形成したマスクパターンを介し、実施例1と同様にして、エッチングを行い、その後、マスクパターンを除去した。これにより、表面のクロム薄膜からの深さが500nmである凹部構造が、上記のマスクパターンの開口パターンと同様に配列したパターンを形成した。その後、エッチャントとしての硝酸セリウム第二アンモニウム溶液に浸し、表面のクロム薄膜を除去してモールドを得た。
形成目標である真円形状の開口の直径D(円形目標直径D)を400nmに設定し、レーザ描画の条件を下記の条件とした他は、実施例1と同様にしてマスクパターンの作製を試みた。このレーザ描画の条件は、使用するレーザの波長が大きく、上記の式(1)、式(3)、式(4)の関係を満足するものの、上記の式(2)の関係が成立しないものであった。
(レーザ描画の条件)
・使用レーザ : He−Cdレーザ(波長422nm)
・レーザスポット径d : 300nm
・レーザ描画の媒質 : 空気
・描画データの正N角形 : N=6
最大対角線長さLmax=231nm
垂線長さLmin=100nm
このような条件でのレーザ描画に要した時間は2.0時間であった。
しかしながら、マスクパターンの開口パターンは得られず(解像せず)、真円率を測定、算出することができなかった。
レーザ描画の条件を下記の条件とした他は、実施例1と同様にしてマスクパターンの作製を試みた。このレーザ描画の条件は、描画データの正6角形の設定(最大対角線長さLmax、垂線長さLmin)が不適切であり、上記の式(1)、式(2)、式(3)の関係を満足するものの、上記の式(4)の関係が成立しないものであった。
(レーザ描画の条件)
・使用レーザ : アルゴンイオンレーザ(2倍高調波、波長257nm)
・レーザスポット径d : 250nm
・レーザ描画の媒質 : 空気
・描画データの正N角形 : N=6
最大対角線長さLmax=139nm
垂線長さLmin=60nm
このような条件でのレーザ描画に要した時間は1.5時間であった。
しかしながら、マスクパターンの開口パターンは得られず(解像せず)、真円率を測定、算出することができなかった。
4…感光性レジスト
5…マスクパターン
5a…開口パターン
11…モールド
12…凹部構造
21…コピーモールド
22…モールド形成用基材
31,32,33…レーザ描画データの正N角形の軌道
41,42,43…レーザスポット
Claims (3)
- 基板の一方の面に感光性レジストを塗布し、該感光性レジストにレーザ描画を行い、その後、現像を施して、所望の開口パターンを有するマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンを介して前記基板を所望の深さまでエッチングする工程と、を有し、 前記マスクパターンの開口パターンは円形の開口部を有し、該開口部の円形目標直径D(単位:nm)と、使用するレーザの波長λ(単位:nm)と、円形に近似させたレーザ描画データとしての正N角形のN(Nは4以上の整数)、レーザが通過する媒質の屈折率nとの間に、下記の式(1)、式(2)の関係が成立するようにレーザの波長λと、レーザ描画データの正N角形のNを設定することを特徴とする光学素子製造用ナノインプリントモールドの製造方法。
90 ≦ D ≦ 1000 … 式(1)
λ/n < D < λN/(2n) … 式(2) - 円形に近似させた描画データとしての正N角形の軌道の最大対角線長さをLmax(単位:nm)、正N角形の中心から軌道の1辺への垂線長さをLmin(単位:nm)、円形目標直径D(単位:nm)、レーザのスポット形状の直径d(単位:nm)との間に下記の式(3)、式(4)の関係が成立するようにレーザスポット形状の直径d、正N角形の最大対角線長さLmax、垂線長さLminを設定することを特徴とする請求項1に記載の光学素子製造用ナノインプリントモールドの製造方法。
d ≧ 2Lmin … 式(3)
d+2Lmin < D < d+Lmax … 式(4) - 前記レーザ描画データの正N角形において、Nは6から8の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学素子製造用ナノインプリントモールドの製造方法。
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