JP4774889B2 - 光学部品用成形型の製造方法 - Google Patents

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本発明は、多数の光学素子を有する光学部品を製造する際に利用する光学部品用成形型に関する。例えば、マイクロレンズアレイやプリズムアレイ、それらを用いたバックライト用光学シート、プロジェクションスクリーンなどの光学部品、あるいは光導波路、導光路を有する光学シートなどの光学部品を成形するための光学部品用成形型に関する。
従来、マイクロレンズアレイやプリズムアレイ、それらを用いたバックライト用光学シート、プロジェクションスクリーンなどの光学部品は、高精度なレンズ面やプリズム面などの形状が多数形成されたシート状の光学部品であり、高精度に形成された成形型であるスタンパの成形型面の形状を合成樹脂などに転写することにより製造されている。このようなスタンパは、ウェットエッチングを行って製造する製造方法が知られている。
例えば、特許文献1には、スタンパ用ガラス基板上にマスクを配置して、湿式エッチング(ウェットエッチング)を施し、次にこのマスクを除去した後、再度湿式エッチング(ウェットエッチング)を施してスタンパを製造する技術が記載されている。そして、このスタンパの成形型面形状が転写された樹脂を、平板状マイクロレンズを製造するためのMLA(マイクロレンズアレイ)ガラス基板上に配置し、その樹脂形状に沿ってリアクティブイオンエッチングしてガラス製の平板状マイクロレンズを製造する方法が記載されている。
一方、成形型の基材となる成形型用部材の表面に、真空製膜法による薄膜を設け、この薄膜をエッチングして成形型を製造する方法も知られている。真空製膜法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等が利用されている。
特開2001-201609号公報
しかしながら、上記のような従来の光学部品用成形型の製造方法およびそれに用いる製造装置には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、スタンパをガラスによって形成しているため、円筒状のスタンパを製造し難く、事実上、平面状のスタンパに限られていた。そして、このため、このスタンパを使用して光学部品を製造する際に、その製造速度を向上させることが困難であるという欠点があった。
他方、真空製膜法による薄膜は、5μm以上の厚みに形成することが困難であり、仮に50nm以上の厚みに形成したとしても、このような膜厚では、針状化現象を含め様々な原因によってその膜厚方向で膜質が変化して、均質な皮膜を形成することができなかった。このため、この成形型によって成形できる光学素子は、その高さが5μm以下のものに限られるという問題があった。
そこで、本発明は、5μm以上の膜厚を有し、従って、高さや大きさの点で光学素子の自由度を高めることができて、しかも、量産に適する成形型を提供することを課題とするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、透明樹脂に接触させてその透明樹脂表面に多数の光学素子の形状を転写することにより、これら多数の光学素子を配列させた光学部品を製造する光学部品用成形型であって、
円周面を備える成形型用部材と、この成形型用部材の円周面に積層された溶射皮膜とを備え、
前記溶射皮膜の表面が、前記光学素子の形状を反転させた構造パターンを有することを特徴とする光学部品用成形型である。
請求項1に記載の発明においては、溶射皮膜の表面が光学素子の形状を反転させた構造パターンを有する。溶射皮膜の厚さは任意であり、例えば5μm以上の厚みの溶射皮膜も容易に形成することが可能である。そして、光学素子の高さや大きさを決定するのは、この溶射皮膜に設けられた構造パターンであるため、溶射皮膜の厚みの範囲内で、構造パターンの選択によって、光学素子の高さや大きさを任意に決定することが可能である。
また、請求項1に記載の発明によれば、成形型用部材として円周面を有する部材を使用し、その円周面に溶射皮膜を形成しているから、円筒状の成形型とすることができる。そして、このため、連続的かつ効率的に光学部品を製造することが可能となる。
次に、請求項2に記載の発明は、前記溶射皮膜がSiを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の光学部品用成形型である。
また、請求項3に記載の発明は、前記溶射皮膜がSiO2を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の光学部品用成形型である。
また、請求項4に記載の発明は、前記溶射皮膜が金属であることを特徴とする請求項1に記載の光学部品用成形型である。
また、請求項5に記載の発明は、前記溶射皮膜が減圧プラズマ溶射によって設けられたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学部品用成形型である。
また、請求項6に記載の発明は、前記溶射皮膜が高速フレーム溶射によって設けられたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学部品用成形型である。
本発明によれば、5μm以上の任意の膜厚を有し、従って、高さや大きさの点で光学素子の自由度を高めることができて、しかも、量産に適する成形型を得ることが可能となる。
本発明に係る光学部品用成形型の製造方法およびそれにより製造される光学部品用成形型について説明する。
図1は、本発明に係る光学部品用成形型の一例について説明するため模式的な斜視説明図である。図2は、図1のA−A線を含む平面に沿う断面説明図である。図3(a)、(b)、(c)は、本発明に係る光学部品用成形型の溶射皮膜形成工程について説明するための図1のA−A線に直交する断面に沿う工程説明図である。図4(a)、(b)、(c)は、構造パターンを形成する工程について説明する工程説明図であり、図5(e)、(f)、(g)は図4に続く工程について説明する工程説明図である。
本実施形態の光学部品用成形型の製造方法で製造される光学部品用成形型の一例である
光学部品用成形型10について説明する。
光学部品用成形型10は、複数の光学素子がアレイ状に配列された光学部品を製造するための成形型であり、特にシート状の光学素子アレイを製造するロールスタンパとして用いるのに好適となるものである。
光学部品用成形型10は、図1、2に示すように、例えば略中空円筒のドラム状形状をなす成形型本体11の円周面に、不図示の被転写基材に光学部品としての形状を転写する成形型面12が形成されてなる。
成形型本体11は、少なくとも表面が異方性エッチング可能の溶射皮膜13aで、被転写基材に形状を転写可能な強度を有する部材である必要がある。溶射皮膜13aの厚みは任意でよいが、例えば5μm以上である。一般に、溶射皮膜13a中に気孔や不純物酸素が存在すると、前記異方性エッチングが困難となる。ところで、溶射皮膜13aの形成方法には、大別してガス式溶射方法と電気式溶射方法とがあり、また、これらガス式溶射方法と電気式溶射方法とは、それぞれ、細分化されて、ガス式溶射方法は、溶線式溶射方法、溶棒式溶射方法、粉末式溶射方法及び高速フレーム溶射方法に分類され、他方、電気式溶射方法は、アーク溶射方法及びプラズマ溶射方法に分類される。これら種々の溶射方式に応じて、得られる溶射皮膜13aの気孔率や混入酸素率が異なり、このため、前記溶射方式に応じて異方性エッチングの難易度が異なる。
表1に、各溶射方法によって得られる溶射皮膜13aの気孔率と混入酸素率を示す。この表1から分かるように、高速フレーム溶射方法及びプラズマ溶射方法によって得られる皮膜の気孔率と混入酸素率は、他の方法で得られる皮膜に比較して、その気孔率と混入酸素率とがいずれも低く、また、容易かつ精度良く異方性エッチングが可能である。
また、溶射皮膜13aは、その皮膜全体が均質な組成を有することが望ましい。このような理由から、その材質としてSiを主成分とするものが好ましく使用できる。中でも、不純物元素含有率の少ないアモルファスSiが好適である。
また、溶射皮膜13aとして、SiO2を主成分とするものを使用することもできる。例えば、SiO2あるいはSiO2−B23である。この場合であっても、その酸素原子含有率が皮膜全体にわたって均一で、余分な酸素を含有しないものが好ましい。
また、金属を主成分とする溶射皮膜13aを使用することもできる。例えば、銅(Cu)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、亜鉛(Zn)など、あるいはそれらを主成分とする合金などである。
成形型面12は、例えば、球面、適宜の湾曲面、平面、あるいはそれらの組合せからなる単位成形型面12aが複数配列されたものである。そして、光学部品用成形型10で製造する光学部品の表面の形状が略反転された立体的な形状がパターンをなして形成されている。
光学部品は、配列される光学素子が、例えば、レンズ、プリズム、ミラー、偏光素子、位相差板、フィルタ、および光導波路などからなるものを挙げることができる。
この光学部品用成形型10によって成形される光学部品の一例としては、略半球状をなす微細なマイクロレンズが格子状に複数配列されたレンズアレイを有するマイクロレンズシートを挙げることができる。このようなマイクロレンズシートは、例えば、CCD、液
晶ディスプレイパネルおよびリアプロジェクションテレビの透過型スクリーンなどに用いられる光学部品として知られている、
この場合、成形型面12は、図1、2に示すように、上記レンズアレイのマイクロレンズ群の外形に対応して、略半球状をなす微細な凹部が格子状に複数配列されたものとなり、上記レンズアレイのレンズ面形状を反転させた凹形状とされている。
ここで、光学部品用成形型10は、これをロールスタンパとして用いるため、成形型面12の形状は、不図示の被転写基材に対して光学部品用成形型10を転動させたときに光学部品の形状が正確に転写される形状とされる。
例えば、マイクロレンズアレイのように、単位成形型面12aの平面視の代表寸法(例えばレンズ径など)が、光学部品用成形型10のドラム径に比べて十分小さい場合、転動の影響が無視されるので、単位成形型面12aの形状は光学部品の形状と同一形状とすることができる。
また、成形型面12は、例えば転写後の収縮や戻り変形など、成形工程上の生じる加工誤差に応じて、光学部品の形状とわずかに異なる形状とすることもできる。ただし、成形型面12は、光学部品の表面の形状に対応する最適な形状に形成されている。例えば、光学部品の表面の形状が、非球面であれば、成形型面12も略同じ非球面形状に形成される。
なお、光学部品用成形型10によって成形される光学部品の例としては、上記マイクロレンズシートに限定されるものではなく、単位成形型面12aの形状を変えることにより、種々の形状を有する他の光学部品を製造することが可能となる。他の光学部品としては、例えば、レンチキュラーレンズシート、クロスレンチレンズシート、フレネルレンズシート、光拡散シート、プリズムシート、偏光板、位相差板、液晶光学フィルムなどを挙げることができる。
また、いずれの光学部品の場合でも、成形型面の構成要素として単位成形型面12aに代えて、凹凸形状や平面視の大きさなどが異なる複数の部分成形型面を組み合わせることにより成形型面12を構成するように変形することができる。例えばマイクロレンズであればレンズ曲率やレンズ径などが異なる部分成形型面に代えることができる。その場合、部分成形型面の凹凸形状や平面視の大きさは、規則的に変化させてもよいし、場所により不規則に変化させてもよい。また、配置位置も規則的でもよいし、不規則でもよい。
また、成形型面12は、単位成形型面12aや部分成形型面といった明確な構成要素を組み合わせた形状に限定されるものではなく、必要に応じて、連続的な形状、不規則な形状など、いかなる形状に形成されていてもよい。
次に、本発明に係る光学部品用成形型10の製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、まず、円筒状基材13を準備する。材質としては、鉄あるいはステンレスが好ましく利用できる。次に、その円周面を削る。図3(b)に示すように、基材13の両端部を残して、その中央部を削ることが望ましい。そして、露出表面を洗浄した後、溶射して溶射皮膜13aを形成する(図3(c))。
次に、図4〜5を参照して、この溶射皮膜13a表面に構造パターン17を形成する方法を説明する。なお、図4〜5においては、説明の便のため、成形型用部材13と溶射皮膜13aとを一体に図示している。
すなわち、図4(a)に示すように、この成形型用部材13の外周側の溶射皮膜13aに、例えば、特定波長の光に感度を有するポジ型レジストなどのポジ型感光性材料をディップコート法などで塗布することにより、その表面に、構造パターン17を形成するのに必要な所定の厚みを有する感光性材料層14を形成する。所定厚みは、例えば5μm〜150μmとすることができる。
このとき、感光性材料層14が乗りやすくなるように、必要に応じて溶射皮膜13aの表面に下地層を設けてから、感光性材料層14を形成してもよい。
次に、図4(b)に示すように、成形型用部材13の表面に形成された感光性材料層14に、レーザ走査装置Mによってレーザビーム16を照射し、感光性材料層14内に構造パターン17を露光する。
構造パターン17は、成形型面12の形状に対応する凹凸であり、単位成形型面12aに対応した形状の単位構造パターン17aが複数配列されたものである。
構造パターン17は、レーザ走査装置Mの露光光学系15により、例えばビーム径が10μm程度の微小スポットに集光されたレーザビーム16を強度変調しつつ露光し、感光性材料層14の厚さ方向にわたる凹凸形状を描画することにより形成する。強度変調は、適宜の分解能のデジタル的な強度変調を採用することができる。
例えば、成形型用部材13とレーザ走査装置Mとを、成形型用部材13の周方向に相対的に回転移動し、軸方向に相対移動することができるように保持する。
そして、図示矢印方向に相対的に回転移動しつつレーザビーム16を露光するとともに、描画形状に対応した強度変調を行い、周方向に凹凸を有する構造パターン17を形成する。回転移動のピッチは、構造パターン17の形状の分解能を考慮して設定する。例えば1μm程度とすれば、1μm程度の分解能を有する構造パターン17を描画することができる。
また、図示奥行き方向(成形型用部材13の軸方向)に対しても、成形型用部材13とレーザ走査装置Mとを相対移動することにより、成形型用部材13の軸方向に対しても構造パターン17を描画する。
これらの周方向、軸方向の移動は、周方向を描画してから軸方向に移動してもよいし、同時に移動することにより螺旋状の移動を行ってもよい。
このように感光性材料層14が露光されると、所定強度以上の露光部分で、感光性材料層14を構成する感光性材料の化学結合が切断される。
次に、図4(c)に示すように、構造パターン17の形状に沿って感光した感光性材料層14をアルカリ現像液などで現像する。すると、化学結合が切断された部分の感光性材料が溶解して、現像された感光性材料層14の表面に単位構造パターン17a、構造パターン17に対応して、単位凹凸形状18a、凹凸形状パターン18が形成される。
凹凸形状パターン18が形成された感光性材料層14は、マイクロレンズアレイのドラムレジストマスターを構成する。
以上の工程では、レーザ露光によるフォトリソグラフィの技術を用いているので、構造パターン17、凹凸形状パターン18の形状制御が容易となり、例えばウェットエッチン
グに比べて種々の形状を高精度かつ高速に形成することができるという利点がある。
次に、図5(e)に示すように、現像された感光性材料層14の表面の凹凸形状パターン18を成形型用部材13の径方向に異方性エッチングするエッチング工程を行う。この異方性エッチングによって、残存するパターン状感光性樹脂層14が侵食除去されると共に、溶射皮膜13aも侵食される。溶射皮膜13aの侵食される深さはパターン状感光性樹脂層14の各部分の膜厚を反映するため、その形状、すなわち、構造パターンを溶射皮膜13aに転写することができる。
異方性エッチングには、エッチングモードにより、反応性イオンエッチングとスパッタエッチング(イオンエッチング)、イオンビームエッチング(反応性イオンビームエッチングとイオンビームエッチング)などがあり、これらの異方性エッチングは、いずれの方式も本発明に利用することができる。
イオンエッチング(Ion Etching、以下、IE)は、イオン源とワークとの間に電界をかけて、イオン源で発生したガス状の不活性イオンを加速し、ワークに照射することによりエッチングを行う工法である。IEは、主としてイオンとワークとの物理的な相互作用によりエッチングが進行する。
反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching、以下、RIE)は、イオン源とワークとの間に電界をかけて、イオン源で発生したガス状のイオンを加速してワークに照射することは、IEと同様であるが、イオンとしてワークの材質に対して化学的活性を有するイオンを用いるか、ワークの材質に対して化学的活性を有する反応性ガスを用いる工法である。RIEによれば、物理的エッチングに加えて化学的エッチングが進行するので、エッチングの効率を向上することができる。
RIEの方式は、例えば、CCP(Capacitively Coupled Plasma)−RIE、ECR(Electron Cyclotron Resonance Plasma)−RIE、ICP(Inductively Coupled Plasma
)−RIE、HWP(Helicon Wave Plasma)−RIE、NLD(Magnetic Neutral Loop
Discharge)−RIEなどが知られており、いずれを採用してもよい。
イオンビームエッチング(Ion Beam Etching、以下、IBE)および反応性イオンビームエッチング(Reactive Ion Beam Etching、以下、RIBE)は、それぞれ不活性または活性イオンを発生するイオン源に加速電界を有し、ワークに対して指向性の高いイオンビームを照射できるようにした工法である。
図5(e)に示す矢印は、このようなエッチング工程において、不図示のイオン源から照射されるイオンの照射方向を示している。図5(f)は、エッチングが進んで、感光性材料層14の多くが消失し、溶射皮膜13aをエッチングする直前の様子を示す。
例えば、RIE、RIBEでは、相対的に低強度の感光性材料層14では、物理的エッチングのみで凹凸形状パターン18の形状が径方向に沿って中心に向かってエッチングされる。相対的の高強度の溶射皮膜13aが露出すると、反応性ガスにより化学的エッチングを伴って効率的にエッチングが進行する。
なお、図示では模式図のため、全周方向からエッチングが進行するように描いているが、実際に全周方向かつ軸方向の全長にわたって、同時進行する全面的なエッチングを行ってもよいし、溶射皮膜13aの表面積に比べて狭い範囲にイオンを照射し、その照射領域を移動させることにより、全面をエッチングするようにしてもよい。
照射領域の移動は、成形型用部材13と不図示のイオン源との間で周方向に相対的に回転移動し、軸方向に相対移動することができればよく、成形型用部材13とイオン源とのいずれを移動させてもよい。
このようにして、エッチングが進行すると、凹凸形状パターン18が、所定のエッチング速度で径方向に沿って感光性材料層14、溶射皮膜13a内を順次移動し、溶射皮膜13aの表面に成形型面12が形成される。すなわち、図5(g)に示すように、溶射皮膜13aの表面(図示の2点鎖線)の内側に、単位凹凸形状18aに対応して略同形状の単位成形型面12aが形成され、溶射皮膜13aの表面を覆うことにより、成形型面12が形成され、成形型本体11が得られる。
なお、図5は、模式図のため、単位凹凸形状18aと単位成形型面12aとの形状に大きな差があるように見えるが、これは、誇張されている。成形型面12は微細構造を有するため、成形型用部材13の径に対して、エッチング深さは十分小さく、個々の単位成形型面12aは、実際には単位凹凸形状18aと略同形状に形成される。
ここで、溶射皮膜13aの材質によっては、エッチング表面の強度が不十分な場合がある。その場合には、エッチング工程の後に、ドライエッチングされた溶射皮膜13aの表面に表面処理層を形成する工程を設けてもよい。
本発明に係る成形型は、例えば、表面が熱可塑性樹脂から構成されるシートに重ね、加熱してその表面を溶融又は軟化させると共に押圧することにより、この成形型の構造パターンを転写して、シート表面に多数の光学素子を配列した光学部品を製造することができる。
また、この成形型の円周面に液状透明樹脂を塗布し、この透明樹脂を透明シートに接着させて成形型から引き剥がすことによっても、光学部品を製造することができる。液状透明樹脂としては、例えば、加熱溶融した樹脂が使用できる。また、溶剤に溶解させて液状とした樹脂であっても良い。また、液状透明樹脂として紫外線等の放射線で硬化する樹脂を使用することもできる。この場合には、成形型の円周面に放射線硬化型透明樹脂を塗布すると共にその塗布面に透明樹脂シートを重ね、透明樹脂シートを通して放射線を照射して放射線硬化型透明樹脂を硬化させ、次いで成形型から引き剥がすことによっても、光学部品を製造することが可能である。
本発明に係る光学部品用成形型の模式的な斜視説明図。 図1のA−A線を含む平面に沿う断面説明図。 溶射皮膜形成工程の工程説明図。 構造パターン形成工程の工程説明図。 図4に続く工程の工程説明図。
符号の説明
10 光学部品用成形型
11 成形型本体
12 成形型面
12a 単位成形型面
13 成形型用部材
13a 溶射皮膜
14 感光性材料層
16 レーザビーム
17 構造パターン
17a 単位構造パターン
M レーザ走査装置

Claims (1)

  1. 透明樹脂に接触させてその透明樹脂表面に多数の光学素子の形状を転写することにより、多数の光学素子を配列させた光学部品を製造する光学部品用成形型の製造方法であって、
    円周面を備える成形型用部材の円周面に溶射して、金属又はSi若しくはSiO2を主成分とする溶射皮膜を積層させる工程と、
    前記溶射皮膜の表面にディップコート法により感光性材料層を設ける工程と、
    前記感光性材料層の表面にレーザービームを照射し、前記感光性材料層内に構造パターンを露光する工程と、
    前記構造パターンが露光された前記感光性材料層をアルカリ現像液で現像し、現像された前記感光性材料層の表面の前記構造パターンを前記成形型用部材の径方向に異方性エッチングするエッチング工程と、
    を有することを特徴とする光学物品用成形型の製造方法。
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