JP2005349596A - 金型の製造方法、及び部品の製造方法 - Google Patents

金型の製造方法、及び部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005349596A
JP2005349596A JP2004170175A JP2004170175A JP2005349596A JP 2005349596 A JP2005349596 A JP 2005349596A JP 2004170175 A JP2004170175 A JP 2004170175A JP 2004170175 A JP2004170175 A JP 2004170175A JP 2005349596 A JP2005349596 A JP 2005349596A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
manufacturing
cylindrical
sheet member
shape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004170175A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Umetani
梅谷  誠
Takamasa Tamura
隆正 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004170175A priority Critical patent/JP2005349596A/ja
Publication of JP2005349596A publication Critical patent/JP2005349596A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】 無反射構造のような微細な凹凸形状を高精度に形成するために用いられる円筒形状の金型の製造方法を提供する。
【解決手段】 フレキシブルなシート部材の一方の面に所望の微細凹凸形状を形成し、当該面に導電性膜を形成する第1工程と、シート部材の微細凹凸形状が形成された面を内側にして円筒状に丸めて筒状部材の内部に挿入し、微細凹凸形状が形成された面に電鋳処理を施して金型を形成する第2工程と、金型及びシート部材を筒状部材から抜き取り、さらに金型をシート部材から剥離する第3工程とを備える。
【選択図】 図5

Description

本発明は、金型の製造方法、及び光学機器に用いられる部品の製造方法に関し、特定的には、微細凹凸形状を成形するための円筒形状の金型の製造方法、及びその金型を用いて製造される微細凹凸形状を持つ部品の製造方法に関する。
光学素子の光学機能面に所定の微細凹凸形状を形成すると、回折格子や反射防止素子としての機能を付加することができる。例えば、光学素子の光学機能面に、入射光の波長以下のピッチ(可視光であればサブミクロンピッチ)でアスペクト比が1以上の非常に微細な凹凸形状(以下、無反射構造という)を形成すると、入射光はほとんど全て光学素子内部に進入し、光学素子表面からの光の反射を防止することができる。
このような無反射構造を形成する方法として、光学素子の材料(例えば、石英ガラス)表面に電子ビーム描画などの方法を用いて、直接サブミクロンピッチのパターンのマスクを形成し、ドライエッチング法により光学素子材料のマスクで覆われた以外の部分を微細加工する方法が提案されている(特許文献1)。
また、同様の加工法を用いてシリコン(Si)や石英ガラス (SiO2)などの表面に微細凹凸形状に対応する反転形状を形成して、直接金型を製造し、その金型を加熱軟化させた樹脂材に圧力を加えてプレス成形(ナノインプリント法)することにより無反射構造を形成する方法が提案されている(非特許文献1)。さらに、このナノインプリント法において、シリコン(Si)や石英ガラス (SiO2)などの表面に微細凹凸形状を形成した後、電鋳処理により反転形状を複製して金型を製造する方法も提案されている(非特許文献2)。
一方、レンズ鏡筒において、鏡筒の内面による反射光の影響でゴーストやフレアが発生することは従来から知られている。この鏡筒内面の反射光を低減するために、鏡筒内面に遮光溝を形成する方法(特許文献2)や、反射防止膜を形成する方法(特許文献3)や、電着により反射防止コーティングを行う方法(特許文献4)などが提案されている。
また、大面積のシート状の樹脂材に微細凹凸形状を形成する方法として、微細凹凸形状が刻設された円筒形状の金型ロールに放射線硬化樹脂を充填し、基材樹脂シートと挟んで、ロールを回転させて、放射線を照射して硬化させ、微細凹凸形状を転写させる方法が提案されている(特許文献5)。
特開2001−272505号公報 特開2003−177293号公報 特開2001−350003号公報 特開平11−064703号公報 特開平09−311202号公報 Y.Hirai et al., J. Photopolym. Sci. Technol.,14,(2001),457 Y.Hirai et al., Jpn. J. Appl. Phys. Vol.41,(2002), 4186
特許文献2や特許文献4に記載された従来技術は、表面反射光を乱反射させて反射防止機能を奏功するものである。したがって、特許文献2や特許文献4に記載された技術は、光学機器の構成部品や光学素子に適用すると、光の乱反射によってゴーストやフレアの発生を招いてしまうことになり望ましくない。また、特許文献3に記載された技術は、光学機器の構成部品や光学素子の内、大きな面積を有するものに適用する場合、光学多層薄膜全体の膜厚の均一性を保つことが困難であり、高精度でかつ高い生産性で反射防止を達成することができない。さらに、特許文献3に記載された従来技術は、カメラ鏡筒の内面などのように円筒形状の内周面に光学多層薄膜を形成しなくてはならない場合、光学多層薄膜全体の膜厚の均一性を保つことが非常に困難である。
一方、無反射構造は、入射した光を反射することなく吸収するので、乱反射の問題が発生しないため、光学機器の構成部品や光学素子に好適である。特に、フレキシブルなシート状の樹脂材に無反射構造を形成することができれば、レンズ鏡筒の内周面のような円筒面にも容易に無反射構造を形成することが可能である。
無反射構造は、光の波長以下のピッチでアスペクト比が1以上の非常に微細な凹凸形状であるので、パターニングには電子ビーム描画法を用いる必要がある。ところが、大面積に対してサブミクロンパターンを描画するには、非常に長時間の描画時間を要する。例えば、5mm角の領域に0.25μmピッチで円形パターン(直径0.2μm)を描画するには、約5時間の描画時間を要する。
このため、レンズ鏡筒の内周面全体に対応する面積(50mm角程度)を描画するには500時間もの描画時間が必要になる。したがって、特許文献1に記載されているように光学機器の構成部品や光学素子を直接電子ビーム描画する方法は、現実的にはほぼ不可能である。
また、非特許文献1及び2に示されているように、ナノインプリント法により光学機器の構成部品や光学素子を成形する場合、レンズ鏡筒の内周面全体に対応するような大面積になると、非常に大きな圧力を印可しなければならず、全面にわたって微細な凹凸形状を転写できるように均一に圧力を制御することは非常に困難である。また、ナノインプリント法により成形する場合、金型も成形するシート状の樹脂材も平面であるので、大面積になれば気泡や欠陥が発生しやすいという問題があった。さらには、ナノインプリント法により成形する場合、成形する面積が大きくなればなるほど、加圧時の変形量、あるいは、冷却時の熱収縮による金型とのずれ量が大きくなり、精密な転写を得ることは非常に困難である。
また、特許文献5のように、無反射構造を形成した円筒形状の金型ロールで押し出し成形をする場合、円筒形状の金型ロールの表面に無反射構造に対応する形状を形成しなくてはならない。このように円筒形状の外周面に電子ビーム描画を行って無反射構造のパターニングするには、高精度に金型を回転制御できるステージを有する非常に特殊な電子ビーム露光装置を使用する必要があり、金型ロールの製造が極めて困難であった。
本発明の目的は、無反射構造のような微細な凹凸形状を高精度に形成するために用いられる円筒形状の金型の製造方法、及びその金型を用いた大面積の微細な凹凸形状を有する部品の製造方法を提供することである。
上記目的は、以下の金型の製造方法により達成される。樹脂材に所望の微細凹凸形状を成形するために用いられ、微細凹凸形状を成形するための成形面を外周に備える円筒形状の金型の製造方法であって、フレキシブルなシート部材の一方の面に所望の微細凹凸形状を形成し、当該面に導電性膜を形成する第1工程と、シート部材の微細凹凸形状が形成された面を内側にして円筒状に丸めて筒状部材の内部に挿入し、微細凹凸形状が形成された面に電鋳処理を施して金型を形成する第2工程と、金型及びシート部材を筒状部材から抜き取り、さらに金型をシート部材から剥離する第3工程とを備える。
本発明は、上記の工程を備えているので、無反射構造のような微細な凹凸形状を高精度に形成するために用いられる円筒形状の金型を高精度に高い生産性で安価に製造することが可能になる。
好ましくは、微細凹凸形状は、入射光の波長以下のピッチでアスペクト比が1以上の凹凸形状である。特に、微細凹凸形状が無反射構造である場合、無反射構造を成形するための金型を高精度に高い生産性で安価に製造することが可能になる。
好ましくは、金型をシート部材から剥離した後、成形面に撥水処理を施す第4工程を備える。本発明は、上記の工程を備えているので、金型に成形されるべき樹脂材が付着することを防止でき、樹脂材を容易に離型可能な金型を提供することができる。
上記目的は、以下の部品の製造方法により達成される。光学機器に用いられ、微細凹凸形状を備える部品の製造方法であって、微細凹凸形状を成形するための成形面を外周に備える円筒形状の金型を製造する金型製造工程と、加熱軟化されたシート状の被成形用樹脂材に円筒形状の金型を回転させて押圧し、被成形用樹脂材に微細凹凸形状を形成する成形工程とを備え、金型製造工程は、フレキシブルなシート部材の一方の面に所望の微細凹凸形状を形成し、当該面に導電性膜を形成する第1工程と、シート部材の微細凹凸形状が形成された面を内側にして円筒状に丸めて筒状部材の内部に挿入し、微細凹凸形状が形成された面に電鋳処理を施して金型を形成する第2工程と、金型及びシート部材を筒状部材から抜き取り、さらにシート部材から金型を剥離する第3工程とを含む。
本発明は、上記の工程を備えているので、無反射構造のような微細な凹凸形状を円筒形状の金型を用いた押し出し成形により形成することができる。したがって、本発明によれば、大面積の微細凹凸形状を持つ被成形用樹脂材を高精度に高い生産性で安価に製造することが可能になる。
好ましくは、入射光の波長以下のピッチでアスペクト比が1以上の凹凸形状である。本発明は、微細凹凸形状が無反射構造である場合、無反射構造を持つ樹脂材を高精度に高い生産性で安価に製造することが可能になる。
好ましくは、金型製造工程は、金型をシート部材から剥離した後、成形面に撥水処理を施す第4工程を含む。本発明は、上記の工程を備えているので、金型に被成形樹脂材が付着することを防止でき、被成形樹脂材を容易に離型することができる。
好ましくは、被成形用樹脂材は、所定の波長域に対して透明な光学樹脂であって、樹脂部品は、光学素子である。本発明は、上記構成を備えているので、無反射構造を持つ光学素子を高精度に高い生産性で安価に製造することが可能になる。
好ましくは、被成形用樹脂材は、黒色の樹脂であって、樹脂部品は、光学機器の構成部品である。本発明は、上記構成を備えているので、無反射構造を持つ構成部品を高精度に高い生産性で安価に製造することが可能になる。
好ましくは、被成形用樹脂材は、フレキシブルなシート部材であり、樹脂部品は、成形工程の後、微細凹凸形状が形成された面を内側にして円筒状に丸めて鏡筒の内部に挿入されて用いられる。本発明は、上記構成を備えているので、従来形成することが困難であった円筒形状などに容易に微細凹凸形状を高精度に形成することができる。
本発明によれば、大面積にわたって無反射構造のような微細な凹凸形状を高精度に形成するために用いられる円筒形状の金型を製造することができ、その金型を用いて大面積の微細な凹凸形状を有する部品を製造することができる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の無反射構造原盤を製造するための原盤金型の断面図である。図1において、原盤金型3は、石英ガラス基板1と、最終的に形成すべき無反射構造に対応する反転形状2とから構成される。石英ガラス基板1は、30mm×10mm×5mmの大きさを有する。反転形状2は、石英ガラス基板1の表面(プレス面ともいう)上に形成された高さ0.2μmの円錐形状の微細構造がピッチ0.15μmで周期的に形成されている。
図2は、実施の形態1の原盤金型の製造方法を示した工程図である。はじめに、図2(a)に示すように、30mm×10mm×5mmの石英ガラス基板1の表面(プレス面)を、高精密研削加工及び研磨加工によって平滑(算術平均高さRa=約2nm)に加工する。
次いで、図2(b)に示すように、平滑に加工された石英ガラス基板1の表面(プレス面)に、スパッタリング法を用いて、Cr膜25を0.1μmの厚みで形成する。
次いで、図2(c)に示すように、Cr膜25の表面にスピンコート法を用いて、PMMA(ポリメチルメタクリレート(Polymethyl Methacrylate))レジスト26を0.3μmの厚みで形成する。
次いで、図2(d)に示すように、電子ビーム描画法を用いて、Cr膜25の表面に、PMMAレジストからなる直径0.15μmの円柱パターン27をピッチ0.15μmで形成する。この工程において、電子ビームの描画時間は、およそ60時間である。
次いで、図2(e)に示すように、Cr膜25をウェットエッチングすることにより、石英ガラス基板1の表面(プレス面)に、Crからなる無反射構造に対応する円柱パターンをマスクとして形成する(Crマスク28)。このCrマスク28は、成形すべき素子に入射する光の波長以下のピッチでアレイ状に形成されている。
次いで、図2(f)に示すように、円柱状のCrマスク28が形成された石英ガラス基板1を、RFドライエッチング装置の中に入れ、CHF3 +O2 ガスを用いて、石英ガラス基板1の表面をエッチングする。これにより、石英ガラス基板1と共にCrマスク28も僅かずつエッチングされ、幅が小さくなる。そして、Crマスク28が完全に無くなるまでエッチングすることにより、石英ガラス基板1の表面(プレス面)に、ピッチ0.15μm、高さ0.2μmの円錐型の反転形状2が得られる。以上により、原盤金型3が製造される。
図3は、実施の形態1の無反射構造を有するフレキシブル樹脂シート原盤のプレス成形方法を示す工程図である。原盤金型3を上型とし、30mm×10mm×5mmの平面石英板32を下型として、間に30mm×10mm×0.3mmのポリオレフィン系樹脂33を挟んで、上下金型の裏面よりヒーター板によって金型全体を180℃まで加熱する(図3(a)の状態)。
次いで、5000Nの加圧力を印可しながら1分間保持し80℃まで冷却(図3(b)の状態)した後、そのまま金型から離型する(図3(c)の状態)。この時変形した厚みは0.2mmであった。以上の工程により、30mm×10mm×0.1mmの無反射構造を有するフレキシブル樹脂シート原盤34が完成する。
続いて、無反射構造の反転形状が形成された円筒金型の製造方法について、図4及び図5を用いて説明する。図4及び図5は、いずれも実施の形態1のフレキシブル樹脂シート原盤から円筒金型を製造する工程を示す工程図である。図4に示すように、蒸着法により、完成した無反射構造を有するフレキシブル樹脂シート原盤34の無反射構造を形成した無反射構造41にNi金属薄膜(導電性膜)を約0.05μmの厚みで成膜し(図4(a)の状態)、そして、無反射構造41を内側にして、無反射構造を有するフレキシブル樹脂シート原盤34を筒状に丸め、予め準備しておいた、内径9.55mm、長さ10mm、厚み2mmのガラス製の筒状部材42に挿入する(図4(b)の状態)。
このようにして作製した、フレキシブル樹脂シート原盤34を挿入したガラス製の筒をカソード電極とし、対極にPt板を用い、スルファミン酸ニッケルメッキ液中で、電流密度0.5A/dm2〜5A/dm2の条件で、シート成形用円筒金型51となるメッキ部分の厚みが約2mmになるまで電気メッキを行う(図5(a)の状態)。そして、そのままシート成形用円筒金型51を、フレキシブル樹脂シート原盤34とともに、ガラス製の筒状部材42から取り出す(図5(b)の状態)。
最後に、フレキシブル樹脂シート原盤34をもとのシート状態に広げて、シート成形用円筒金型51から引き離す(図5(c)の状態)。以上の工程により、円筒外面に無反射構造の反転形状52が形成されたシート成形用円筒金型51が完成する。
以上のように製造した無反射構造の反転形状52が形成されたシート成形用円筒金型51を用いて、大面積の樹脂シートを成形する方法について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、実施の形態1の大面積のシート成形用円筒金型を製造する工程図である。また、図7は、実施の形態1の大面積のシート成形用円筒金型を用いた光学素子の製造状態を示す斜視図である。
前述の方法で、表面に無反射構造の反転形状52が形成されたシート成形用円筒金型51を、5個同様にして作製し、端面を研磨して横に並べる(図6(a)の状態)。これらを全て突きあわせ、中心に開いている穴(内径がおよそ5.5mm)に、直径が5.4mm、長さが100mmの鋼鉄製の心棒62を挿入した後、隙間に耐熱性の接着剤を充填し、心棒62と5つのシート成形用円筒金型51を固定する。この結果、幅50mmの大面積シート成形用円筒金型61を得た(図6(b)の状態)。
さらに、図6(b)に示した大面積のシート成形用円筒金型61を2つ製造して、両者を0.1mmの間隔で平行に設置し、これらの間に厚さ0.2mmの熱可塑性の幅50mm、長さ1mのポリオレフィン系樹脂シート71を挟む(図7の状態)。次に、ポリオレフィン系樹脂シート71を輻射加熱により160℃まで加熱し、2つのシート成形用円筒金型61を、心棒を中心にして押し出すように回転させると、表裏両面の表面に無反射構造72を形成した幅50mmで長さ1mのポリオレフィン系樹脂シートが成形される。
以上説明した方法により製造された樹脂シートの表面反射率を測定したところ、およそ0.1%であった。一方、無反射構造が形成されていない樹脂シートの表面反射率を測定したところ、4%であったので大幅に改善されている。
以上のように、実施の形態1に係る製造方法により、非常に大面積の樹脂シートの表面に、高精度でかつ容易に無反射構造を成形できるようになり、大量生産が可能になる。したがって、実施の形態1に係る製造方法によれば、安価に大面積の無反射構造を有する樹脂シートを製造できる。
また、実施の形態1に係る製造方法は、無反射構造を形成する方法について述べたが、回折格子形状などの他の微細凹凸形状を大面積の樹脂シートに容易に製造できることは言うまでもない。従って、実施の形態1に係る製造方法は、偏光光学素子などの製造方法へ応用することができる。
さらに、上述した実施の形態1に係る製造方法は、シート成形用円筒金型61の表面に特定の表面処理を施さなかったが、さらに複雑でアスペクト比が大きな微細凹凸形状を成形する際、シート成形用円筒金型61の表面に樹脂シートが付着し離型しなくなる場合がある。このような場合、シート成形用円筒金型61の表面に撥水処理剤をコーティングすることが望ましい。撥水処理を施した金型を用いることにより、金型に対する樹脂シートの付着を防止することができ、容易に離型できる。
実施の形態1の製造方法により製造された樹脂シートは、例えば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、あるいはプラズマ表示装置などの表示部分の光学素子として用いることができる。これらの装置の表示部分に、実施の形態1に係る製造方法により製造された無反射構造を持つ光学素子を用いることにより、光の利用効率を向上させることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る製造方法は、実施の形態1に係る製造方法とは異なり、黒色樹脂を用いて、カメラ鏡筒の内周面に無反射構造を形成する例である。実施の形態2に係る製造方法は、大面積のシート成型用円筒金型61の製造までの工程は、実施の形態1に係る製造方法と共通であるためその説明を省略する。
図8は、実施の形態2の大面積のシート成形用円筒金型を用いたカメラ鏡筒の構造部品の製造状態を示す斜視図である。図8において、前述の方法で製造された大面積のシート成型用円筒金型61と、シート成型用円筒金型61と外形が全く同じで、表面には微細凹凸形状が形成されていない平坦な鋼鉄製の円筒金型82とを、0.1mmの間隔で平行に設置し、これらの間に厚さ0.2mmのカーボンブラックを均等に混入させた熱可塑性の幅50mm、長さ1mのポリカーボネート黒色樹脂シート81を挟む。次に、輻射加熱により、170℃までポリカーボネート黒色樹脂シート81を加熱し、無反射構造の反転形状52が形成されたシート成形用円筒金型61と鋼鉄製の円筒を、心棒を中心にして押し出すように回転させると、片面に無反射構造83を形成した幅50mmで長さは1mのポリカーボネート黒色樹脂シートが成形される。
図9は、実施の形態2の大面積のシートをカメラ鏡筒に挿入する状態を示す工程図である。はじめに、製造されたポリカーボネート黒色樹脂シート91を、カメラ鏡筒内径にちょうど収まる大きさ(幅15mm、長さ62.8mm)に、シャーを用いて切断する(図9(a)の状態)。次に、切断したポリカーボネート黒色樹脂シート91を、無反射構造92が形成されている面を内側にして丸め、カメラ鏡筒93(内径20mm、長さ20mm)に挿入し、接着剤で固定する(図9(b)の状態)。
最後に、カメラ鏡筒93にレンズを組み入れて、カメラ鏡筒ユニット101が完成する。図10は、実施の形態2のカメラ鏡筒ユニットの断面図である。カメラ鏡筒93の内面に、無反射構造92が形成されているポリカーボネート黒色樹脂シート91が接着され、レンズ103、104が組み込まれた構成となっている。完成したカメラ鏡筒ユニット101に、様々な角度から光を入射させたが、カメラ鏡筒93の内面に入射する光は、無反射構造92が形成されているポリカーボネート黒色樹脂シート91に全て吸収されるので、フレアやゴーストの発生は認められなかった。
以上のように、実施の形態2に係る製造方法により、非常に大面積の樹脂シートの表面に、高精度でかつ容易に無反射構造を成形できるようになったので、容易にカメラ鏡筒内面に無反射構造を形成することが可能である。したがって、実施の形態2に係る製造方法によれば、安価にフレアやゴーストのないカメラ鏡筒を製造することが可能である。
また、実施の形態2に係る製造方法は、無反射構造を形成する方法について述べたが、回折格子形状などの他の微細凹凸形状を大面積の樹脂シートに容易に製造できることは言うまでもない。
実施の形態2の製造方法により製造された樹脂シートは、例えば、カメラ鏡筒の内面に限らずプロジェクション装置や液晶表示装置などの光学機器の構造部品として、遮光部分などに用いることができる。
なお、本発明は、実施の形態1及び実施の形態2に示した実施態様に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
最終的に成形される樹脂シートは、実施の形態1では、両面に微細凹凸形状を形成するものであったが、片面のみに形成してもよい。また、最終的に成形される樹脂シートは、実施の形態2では、片面に微細凹凸形状を形成するものであったが、両面に形成してもよい。
また、最終的に成形される樹脂シートは、フレキシブルなシートであっても剛性のあるシートであってもいずれでもよい。また、樹脂シートは、黒色や透明以外の樹脂を用いてもよい。
本発明の金型の製造方法、及び光学機器に用いられる部品の製造方法は、カメラや表示装置などに用いられる光学素子の製造やそれら光学機器の構造部品の製造に好適である。
実施の形態1の無反射構造原盤を製造するための原盤金型の断面図 実施の形態1の原盤金型の製造方法を示した工程図 実施の形態1の無反射構造を有するフレキシブル樹脂シート原盤のプレス成形方法を示す工程図 実施の形態1のフレキシブル樹脂シート原盤から円筒金型を製造する工程を示す工程図 実施の形態1のフレキシブル樹脂シート原盤から円筒金型を製造する工程を示す工程図 実施の形態1の大面積のシート成形用円筒金型を製造する工程図 実施の形態1の大面積のシート成形用円筒金型を用いた光学素子の製造状態を示す斜視図 実施の形態2の大面積のシート成形用円筒金型を用いたカメラ鏡筒の構造部品の製造状態を示す斜視図 実施の形態2の大面積のシートをカメラ鏡筒に挿入する状態を示す工程図 実施の形態2のカメラ鏡筒ユニットの断面図
符号の説明
1、25 石英ガラス基板
41、72、83、92 無反射構造
3 原盤金型
25 Cr膜
26 PMMAレジスト
27 円柱パターン
28 Crマスク
32 平面石英板
33 ポリオレフィン系樹脂
34 フレキシブル樹脂シート原盤
42 ガラス製の筒状部材
51 シート成形用円筒金型
2、52 無反射構造の反転形状
61 大面積シート成形用円筒金型
62 心棒
71 ポリオレフィン系樹脂シート
81 ポリカーボネート黒色樹脂シート
82 平坦な鋼鉄製の円筒金型
91 ポリカーボネート黒色樹脂シート
93 カメラ鏡筒
101 カメラ鏡筒ユニット
103、104 レンズ

Claims (9)

  1. 微細凹凸形状を成形するための成形面を外周に備える円筒形状の金型の製造方法であって、
    フレキシブルなシート部材の一方の面に所望の前記微細凹凸形状を形成し、当該面に導電性膜を形成する第1工程と、
    前記シート部材の前記微細凹凸形状が形成された面を内側にして円筒状に丸めて筒状部材の内部に挿入し、前記微細凹凸形状が形成された面に電鋳処理を施して金型を形成する第2工程と、
    前記金型及び前記シート部材を前記筒状部材から抜き取り、さらに前記金型を前記シート部材から剥離する第3工程とを備える、金型の製造方法。
  2. 前記微細凹凸形状は、入射光の波長以下のピッチでアスペクト比が1以上の凹凸形状である、請求項1に記載の金型の製造方法。
  3. 前記金型を前記シート部材から剥離した後、前記成形面に撥水処理を施す第4工程を備える、請求項1の金型の製造方法。
  4. 光学機器に用いられ、表面に微細凹凸形状を備える部品の製造方法であって、
    前記微細凹凸形状を成形するための成形面を外周に備える円筒形状の金型を製造する金型製造工程と、
    加熱軟化されたシート状の被成形用樹脂材に円筒形状の前記金型を回転させて押圧し、前記被成形用樹脂材に前記微細凹凸形状を形成する成形工程とを備え、
    前記金型製造工程は、
    フレキシブルなシート部材の一方の面に前記微細凹凸形状を形成し、当該面に導電性膜を形成する第1工程と、
    前記シート部材の前記微細凹凸形状が形成された面を内側にして円筒状に丸めて筒状部材の内部に挿入し、前記微細凹凸形状が形成された面に電鋳処理を施して金型を形成する第2工程と、
    前記金型及び前記シート部材を前記筒状部材から抜き取り、さらに前記シート部材から前記金型を剥離する第3工程とを含む、部品の製造方法。
  5. 前記微細凹凸形状は、入射光の波長以下のピッチでアスペクト比が1以上の凹凸形状である、請求項4に記載の部品の製造方法。
  6. 前記金型製造工程は、前記金型を前記シート部材から剥離した後、前記成形面に撥水処理を施す第4工程を含む、請求項4に記載の部品の製造方法。
  7. 前記被成形用樹脂材は、所定の波長域に対して透明な光学樹脂であって、前記樹脂部品は、光路中に配置される光学素子である、請求項4に記載の部品の製造方法。
  8. 前記被成形用樹脂材は、黒色の樹脂であって、前記樹脂部品は、光学機器の構成部品である、請求項4に記載の部品の製造方法。
  9. 前記被成形用樹脂材は、フレキシブルなシート部材であり、
    前記樹脂部品は、前記成形工程の後、前記微細凹凸形状が形成された面を内側にして円筒状に丸めて鏡筒の内部に挿入されて用いられる、請求項8に記載の部品の製造方法。
JP2004170175A 2004-06-08 2004-06-08 金型の製造方法、及び部品の製造方法 Pending JP2005349596A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004170175A JP2005349596A (ja) 2004-06-08 2004-06-08 金型の製造方法、及び部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004170175A JP2005349596A (ja) 2004-06-08 2004-06-08 金型の製造方法、及び部品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005349596A true JP2005349596A (ja) 2005-12-22

Family

ID=35584461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004170175A Pending JP2005349596A (ja) 2004-06-08 2004-06-08 金型の製造方法、及び部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005349596A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007290274A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Toppan Printing Co Ltd 凹凸パターンを有する金型の製造方法
JP2008073902A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Dainippon Printing Co Ltd モールド及びモールドの製造方法
KR101007911B1 (ko) 2008-09-19 2011-01-14 주식회사 광성테크 멜라민시이트용 성형판의 제조방법
JP2019043012A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 富士フイルム株式会社 型ロール及び型ロールの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007290274A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Toppan Printing Co Ltd 凹凸パターンを有する金型の製造方法
JP2008073902A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Dainippon Printing Co Ltd モールド及びモールドの製造方法
KR101007911B1 (ko) 2008-09-19 2011-01-14 주식회사 광성테크 멜라민시이트용 성형판의 제조방법
JP2019043012A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 富士フイルム株式会社 型ロール及び型ロールの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2021017077A1 (zh) 一种近眼显示器衍射光栅波导的制备方法
TWI290125B (en) Manufacturing structured elements
US6411439B2 (en) Microlens array, a manufacturing method therefor, and a display apparatus using the same
KR101020634B1 (ko) 기능성 나노패턴을 갖는 렌즈의 제조방법
JPH11245266A (ja) 樹脂正立等倍レンズアレイおよびその製造方法
KR20070012438A (ko) 광학 부재 및 그의 제조방법
JP5299067B2 (ja) 金型スタンパーの製造方法、金型スタンパー及び成形品の製造方法
JP4714627B2 (ja) 表面に微細な凹凸構造を有する構造体の製造方法
JP2006235195A (ja) 反射防止構造体を有する部材の製造方法
JP4280567B2 (ja) 偏光光学素子とその製造方法
JP2005349596A (ja) 金型の製造方法、及び部品の製造方法
JPH07174902A (ja) マイクロレンズアレイおよびその製造方法
JP4280518B2 (ja) 偏光光学素子とその製造方法
JP2006171229A (ja) 無反射構造及び無反射構造を有する光学素子、ならびにその製造方法及びその製造方法に用いるマスク
JP4820871B2 (ja) 反射防止構造体及びその製造方法
JP4774889B2 (ja) 光学部品用成形型の製造方法
US20030038033A1 (en) Process for fabricating high aspect ratio embossing tool and microstructures
JP2007229996A (ja) マイクロレンズシートの製造方法およびマイクロレンズシート原版の製造方法
CN111113741A (zh) 菲涅尔模具制备方法
JP4463775B2 (ja) X線リソグラフィー用マスク、その製造方法、それを用いた光反射防止構造体の製造方法、光反射防止構造を有する光学素子を製造するための成形型の製造方法、並びに光反射防止構造を有するガラス被成形物若しくは樹脂被成形物の製造方法
JPS6410169B2 (ja)
JP4407290B2 (ja) 光学部品用金型の製造方法
WO2016035524A1 (ja) ロール金型の製造方法およびロール金型
JP2010147295A (ja) 微細三次元構造の形成方法及び液体吐出ヘッドの製造方法
JP2001096539A (ja) 表面凹凸原盤の作製方法