以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、かかる実施形態により本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムが限定されるものではない。また、本願の実施形態では、情報提供装置が接続される通信網の一例としてIP(Internet Protocol)網を例に挙げて説明するが、通信網はこれに限定されるものではない。また、本願の実施形態では、広告配信装置から送信される広告コンテンツの一例としてバナー広告を例に挙げて説明するが、広告コンテンツはこれに限られるものではない。
〔1.情報提供方法〕
実施形態に係る情報提供方法の一例について、図1Aおよび図1Bを用いて説明する。かかる図1Aおよび図1Bにおいて説明する情報提供方法では、情報提供装置によるユーザ情報の収集処理、および、情報提供装置による広告配信装置へのユーザ情報の提供処理が行われる。また、この情報提供方法では、これらの処理に加え、実績報告(成果報告)の正否判定処理が行われる。以下、これらの処理を順に説明する。
まず、情報提供装置によるユーザ情報の収集処理について説明する。図1Aに示すように、ユーザ端末Aがサイト提供装置のウェブページを取得するために、サイト提供装置へアクセスする(ステップS1)。サイト提供装置のウェブページには、ビーコン(後述する第2ビーコン)が埋め込まれている。かかるビーコンは、サイト提供装置のウェブページにアクセスしたユーザ端末を情報提供装置内に格納される透明な画像又は非常に小さな画像(「クリアGIF」と呼ばれることもある)にアクセスさせる機能を有する。
ユーザ端末Aは、サイト提供装置のウェブページに埋め込まれたビーコンに基づき、情報提供装置へアクセスする(ステップS2)。かかるアクセスに基づき、情報提供装置は、ユーザ端末Aのアクセス先(ここでは、サイト提供装置)を特定し、アクセス先の情報をユーザ情報Daとしてデータベースへユーザの識別情報(ユーザID)と関連付けて記憶する(ステップS3)。
情報提供装置は、ユーザ端末Aのアクセス先の情報に加え、アクセス先の情報に基づいて、サイコグラフィック属性やデモグラフィック属性を判定し、かかる属性の情報をユーザ情報Daとして、ユーザの識別情報と関連付けてデータベースに記憶する。なお、情報提供装置は、ユーザ端末Aがアクセスしたサイト提供装置からユーザ端末Aを使用するユーザのデモグラフィック属性の情報を取得することもできる。
このように、情報提供装置は、ユーザ情報をユーザの識別情報に関連付けてデータベースに記憶する。なお、ユーザの識別は、例えば、ユーザ端末Aと情報提供装置との間でやり取りされるHTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie)にユーザの識別情報を含めることよって行うことができる。また、ユーザ端末に専用のプログラムを設定し、かかる専用プログラムからユーザの識別情報を送信させるようにすることもできる。
次に、情報提供装置によるへの広告配信装置へのユーザ情報の提供処理について説明する。図1Aに示すように、ユーザ端末Aが広告配信装置へアクセスする(ステップS4)。広告配信装置のウェブページには、ビーコン(後述する第1ビーコン)が埋め込まれている。かかるビーコンは、広告配信装置のウェブページにアクセスしたユーザ端末を情報提供装置内に格納される透明な画像又は非常に小さな画像にアクセスさせる機能を有する。
ユーザ端末Aは、ウェブページに埋め込まれたビーコンに基づき、情報提供装置へアクセスする。かかるアクセスに基づき、情報提供装置は、ユーザ端末Aのユーザを識別し(ステップS5)、識別したユーザに対応するユーザ情報Daをデータベースから読み出して広告配信装置へ提供する(ステップS6)。なお、ユーザの識別は、例えば、上述したHTTPクッキーなどによって行うことができる。
広告配信装置は、情報提供装置からユーザ情報Daを取得すると、かかるユーザ情報Daに応じた広告を選択してユーザ端末Aへ送信する(ステップS7)。これにより、広告配信装置では、ユーザ情報に対応する広告を選択的に配信するターゲティング配信を行うことができる。
ところで、提供された情報による広告効果に応じてその対価を広告配信業者が事後的に情報提供業者へ支払うという成果報酬型の情報提供方式の場合、広告配信業者から情報提供業者に対して虚偽の実績報告が行われる虞がある。そこで、実施形態に係る情報提供方法では、情報提供装置をダミーユーザのユーザ端末(以下、ダミーユーザ端末と記載する)として動作させることによって、広告配信業者から提供される実績報告が虚偽であるか否かを判定する。以下、かかる虚偽判定について図1Bを用いて説明する。
まず、広告配信装置への情報提供装置によるダミーユーザ情報の設定を行う。図1Bに示すように、情報提供装置は、ダミーユーザ端末Bとして広告配信装置へアクセスする(ステップS11)。広告配信装置のウェブページには、上述したようにビーコン(後述する第1ビーコン)が埋め込まれており、かかるビーコンに基づき、情報提供装置は、ダミーユーザ端末Bのアクセス先である広告配信装置を特定する(ステップS22)。なお、情報提供装置は、ダミーユーザ端末Bとしての広告配信装置へのアクセスを行うため、ビーコンによらずにアクセス先として広告配信装置を特定することもできる。
次に、情報提供装置は、広告配信装置へダミーユーザのユーザ情報Dbを送信する(ステップS23)。なお、情報提供装置において、ダミーユーザのユーザ情報Dbとダミーユーザ端末Bの識別情報(ダミーユーザID)とは関連付けられてデータベースに記憶される。かかるダミーユーザのユーザ情報Dbは、情報提供装置によって予め用意される情報、または、情報提供装置によって生成される情報である。
広告配信装置は、ダミーユーザのユーザ情報Dbを情報提供装置から取得すると、かかるユーザ情報Dbに応じた広告を選択してダミーユーザ端末Bへ送信する(ステップS24)。
このように、情報提供装置は、ダミーユーザ端末として広告配信装置へアクセスし、かかるダミーユーザのユーザ情報を広告配信装置へ提供して広告配信を行わせることができる。ダミーユーザ端末としての広告配信装置へアクセス回数は、情報提供装置のデータベースに記憶される。
その後、広告配信装置へのユーザ端末のアクセス履歴の実績報告が広告配信装置から情報提供装置へ送信されると(ステップS15)、情報提供装置は、かかる実績報告が虚偽報告であるか否かを判定する。具体的には、情報提供装置は、広告配信装置から送信された実績報告に含まれるダミーユーザのアクセス履歴とデータベースに記憶されたダミーユーザのアクセス履歴とを比較する。そして、かかる比較結果が一致しない場合に、広告配信装置から送信された実績報告が虚偽報告の可能性があると判定する。
例えば、情報提供装置がダミーユーザ端末Bとして広告配信装置へ21回アクセスした場合、図1Bに示すように、データベースにダミーユーザ端末Bの広告配信装置へのアクセス回数が「21」と記憶される。この場合、情報提供装置は、広告配信装置から送信された実績報告に含まれるダミーユーザ端末Bのダミーユーザのアクセス履歴が「21」でない場合、広告配信装置から送信された実績報告が虚偽報告の可能性があると判定する。なお、比較結果が完全に一致していないがほぼ一致している場合には、実績報告が虚偽報告でないと判定することもできる。
このように、本実施形態に係る情報提供方法では、情報提供装置をダミーユーザのユーザ端末として動作させることによって、広告配信業者から提供される実績報告が虚偽であるか否かを判定することができる。
なお、情報提供装置から広告配信装置へ提供されるユーザ情報は、情報提供装置のデータベースに記憶されたユーザ情報のうち一部のユーザ情報であってもよい。例えば、サイコグラフィック属性およびデモグラフィック属性のうち一方の情報を広告配信装置へ提供するユーザ情報としてもよい。
また、上述では、広告配信装置に対してアクセスした場合に、ビーコンに基づいてユーザ情報を広告配信装置へ提供することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置は、ビーコンを用いることなく、ユーザ情報を更新する度に更新後のユーザ情報を広告配信装置へ提供することができる。また、情報提供装置は、データベースに記憶したユーザ情報を一括して広告配信装置へ提供することもできる。
また、上述では、ユーザがサイト提供装置のウェブページへアクセスした情報やそれに基づく情報をユーザ情報としたがユーザ情報はかかる情報に限定されるものではない。すなわち、ユーザへコンテンツを提供する提供装置に対するアクセス情報やそれに基づく情報をユーザ情報とすることができる。
以下、本実施形態に係る情報提供方法を実行する情報提供装置について図2〜12を参照してさらに詳細に説明する。
〔2.情報提供装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報提供装置の構成例について説明する。図2に例示するように、情報提供装置100は、通信網50を介して広告配信装置201〜20n、サイト提供装置301〜30nおよびユーザ端末401〜40nと接続される。情報提供装置100は情報提供者によって管理され、広告配信装置201〜20nは互いに異なる広告配信業者によって管理され、サイト提供装置301〜30nは、サイト運営者によって管理される。
なお、以下では、広告配信装置201〜20nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「広告配信装置20」と表記する場合がある。また、サイト提供装置301〜30nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「サイト提供装置30」と表記する場合がある。また、ユーザ端末401〜40nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「ユーザ端末40」と表記する場合がある。
広告配信装置20は、ユーザ端末40からアクセスがあった場合に、バナー広告を含むウェブページをユーザ端末40へ提供する。また、広告配信装置20によって提供されるウェブページには、ウェブビーコン(以下、第1ビーコンと表記する)が埋め込まれている。かかる第1ビーコンは、広告配信装置20のウェブページにアクセスしたユーザ端末40を情報提供装置100内に格納される透明な画像または非常に小さな画像にアクセスさせる機能を有しており、これにより、情報提供装置100はユーザ端末40から情報を取得する。第1ビーコンによって情報提供装置100がユーザ端末40から取得する情報には、広告配信装置20の識別情報や、広告配信装置20が提供するウェブページへのアクセス毎に異なる固有のアクセス固有情報などの情報が含まれる。
サイト提供装置30は、ユーザ端末40からアクセスがあった場合に、各種ウェブページ(以下、サイトページと表記する場合がある)を提供するサーバ装置である。サイト提供装置30によって提供されるウェブページには、ウェブビーコン(以下、第2ビーコンと表記する)が埋め込まれている。かかる第2ビーコンは、サイトページにアクセスしたユーザ端末40を情報提供装置100内に格納される透明な画像または非常に小さな画像にアクセスさせる機能を有しており、これにより、情報提供装置100はユーザ端末40から情報を取得する。第2ビーコンによって情報提供装置100がユーザ端末40から取得する情報には、サイト提供装置30の識別情報などの情報が含まれる。
情報提供装置100は、ユーザ端末40によるサイト提供装置30へのアクセス状況を収集し、かかる収集結果に基づいて広告配信装置20に対して情報を提供する情報処理装置である。情報提供装置100は、複数のサイト提供装置30によって提供される各サイトページがユーザ端末40に取得された場合に、ユーザ端末40から第2ビーコンに基づくアクセスを受け付ける。このとき、情報提供装置100は、上述したHTTPクッキー(単に「クッキー」と表記する)等をユーザ端末40との間でやり取りする。これにより、情報提供装置100は、サイト提供装置30にアクセスしたユーザ端末40を識別できるので、ユーザ端末40のユーザ情報(例えば、ウェブページのアクセス履歴等)を取得することができる。また、情報提供装置100は、広告配信装置20によって提供される各ウェブページがユーザ端末40に取得された場合に、ユーザ端末40から第1ビーコンに基づくアクセスを受け付ける。このとき、情報提供装置100は、HTTPクッキー等をユーザ端末40との間でやり取りする。これにより、情報提供装置100は、広告配信装置20のウェブページにアクセスしたユーザ端末40を識別できるので、ユーザ端末40のユーザ情報(例えば、アクセス履歴に基づいて生成したユーザの属性情報)などを広告配信装置20へ提供することができる。
図2に例示するように、情報提供装置100は、通信I/F110と、ユーザ情報DB(DataBase)120と、制御部130と、表示部140とを備える。さらに、制御部130は、送信部131と、受信部132と、取得部133と、要求応答部134と、ダミー処理部135と、比較部136とを備える。
通信I/F110は、NIC(Network Interface Card)等のインタフェースである。制御部130の送信部131および受信部132は、通信I/F110を介して、通信網50に接続された広告配信装置20、サイト提供装置30およびユーザ端末40との間で各種データを送受信する。
ユーザ情報DB120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。
制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。また、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、図示しない記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。かかる制御部130は、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
〔3.ユーザ情報DB120〕
次に、図3〜図5を用いて、ユーザ情報DB120の一例について説明する。かかるユーザ情報DB120には、アクセス履歴テーブル120a、ユーザ属性テーブル120bおよびダミー属性テーブル120cが記憶される。
まず、図3を用いて、アクセス履歴テーブル120aの一例について説明する。アクセス履歴テーブル120aは、各ユーザ端末40が各サイト提供装置30へアクセスした履歴を示す情報であり、図3に示すように、「ユーザID」毎に、「アクセス先情報」と「アクセス回数情報」とを対応付けた情報が含まれる。
「ユーザID」は、ユーザを判別するための情報である。かかる「ユーザID」は、情報提供装置100によってユーザ端末40毎に割り当てられる情報であり、情報提供装置100とユーザ端末40との間で送受信されるクッキーに埋め込まれる。なお、ユーザ端末40にブラウザが複数搭載されている場合には、「ユーザID」はブラウザ単位で割り当てられるが、ここでは、説明を分かり易くするためにユーザ端末40には一つのブラウザが搭載されているものとする。
「アクセス先情報」は、ユーザ端末40がアクセスしたサイト提供装置30を示す情報である。また、「アクセス回数情報」は、ユーザ端末40が各サイト提供装置30へアクセスした回数を示す情報である。なお、図3に示した例では、アクセス履歴テーブル120aの「アクセス先情報」は、図2に示したサイト提供装置301〜30nに付した参照符号に該当するものとする。
図3に示すアクセス履歴テーブル120aの例では、ユーザID「1000」はユーザ端末401のユーザIDを示し、ユーザID「1001」はユーザ端末402のユーザIDを示している。また、図3に示す例では、ユーザ端末401がサイト提供装置301を10回アクセスし、サイト提供装置301をアクセスしていないことを示し、ユーザ端末402がサイト提供装置302をアクセスしておらず、サイト提供装置302を29回アクセスしたことを示している。
次に、図4を用いて、ユーザ属性テーブル120bの一例について説明する。ユーザ属性テーブル120bは、ユーザIDと属性情報とが関連付けられた情報を含む。具体的には、ユーザ属性テーブル120bには、図4に示すように、「ユーザID」毎に、「ユーザID」に対して「サイコグラフィック属性」と「デモグラフィック属性」とが対応付けされたユーザ情報が含まれる。
「サイコグラフィック属性」は、ユーザの価値観、ライフスタイル、性格、嗜好などを示す情報である。ここでは、「サイコグラフィック属性」として、図4に示すように、「車」、「バイク」、「服」、「旅行」などに区分分けされる。図4に示す例では、区分毎に、ユーザの嗜好が相対的に高い場合に「1」が対応付けられ、それ以外の場合には「0」が対応付けられるが、これに限定されるものではなく、例えば、ユーザの嗜好を3段階以上に評価したものであってもよい。また、区分種別についても、種々の変更が可能である。
「デモグラフィック属性」は、人口統計学的な属性であり、図4に示すように、例えば、ユーザの「性別」、「年齢」などに区分分けされる。図4に示す例では、「性別」の欄では、ユーザが女性である場合に「1」が対応付けられ、ユーザが男性である場合に「2」が対応付けられ、ユーザの性別が不明の場合に「0」が対応付けられる。また、「年齢」の欄では、ユーザの年齢に1を加算した数字が対応付けられ、ユーザの年齢が不明の場合に「0」が対応付けられる。なお、図4に示す例では、ユーザの性別および年齢を一例として記載しているが、これに限定されるものではなく、ユーザの職業、家族構成、年収、学歴など様々な区分種別を「デモグラフィック属性」とすることができる。
次に、図5を用いて、ダミー属性テーブル120cの一例について説明する。ダミー属性テーブル120cは、ダミーユーザIDと属性情報とが関連付けられた情報を含む。具体的には、ダミー属性テーブル120cには、図5に示すように、「ダミーユーザID」毎に、「ダミーユーザID」に対して「装置種別」、「サイコグラフィック属性」、「デモグラフィック属性」、「アクセス数」および「クリック数」が対応付けされたユーザ情報(以下、「ダミーユーザ情報」と表記する場合がある)が含まれる。
「ダミーユーザID」は、ダミーユーザのユーザ端末(以下、ダミー端末と表記する)として動作する情報提供装置100に対して広告配信装置20から割り当てられる識別情報であり、ダミー端末として動作する情報提供装置100と広告配信装置20との間で送受信されるクッキーに埋め込まれる。
「装置種別」は、「ダミーユーザID」を割り当てた広告配信装置20を示す情報である。図5では、例えば、「ダミーユーザID」として「14581」を割り当てた広告配信装置20が広告配信装置201であり、「ダミーユーザID」として「298721」を割り当てた広告配信装置20が広告配信装置202であることを示している。
「サイコグラフィック属性」および「デモグラフィック属性」は、図4に示すユーザ属性テーブル120bの「サイコグラフィック属性」および「デモグラフィック属性」と同様の情報である。
「アクセス数」は、対応する「ダミーユーザID」を用いて広告配信装置20へアクセスした回数を示す情報である。図5に示す例では、「14581」のダミーユーザIDを用いて広告配信装置201へのアクセスを201回行ったことが示されている。なお、広告配信装置201への初回以降のアクセスは、初回のアクセスによって広告配信装置201から取得した「ダミーユーザID」をクッキーに含めることによって行う。
「クリック数」は、「ダミーユーザID」を用いてアクセスした広告配信装置20から送信されるバナー広告を選択した回数を示す情報である。図5に示す例では、「14581」のダミーユーザIDに関してバナー広告の選択を9回行ったことが示されている。なお、バナー広告の選択は、バナー広告に対応する情報の出力要求を行う処理であり、バナー広告をクリックした場合にアクセス先となる広告主の装置へのアクセスを行うことによって行われる。なお、バナー広告に対応する情報は、広告主のウェブページに限らず、広告主からのメールやその他の情報であってもよい。以下においては、バナー広告に対応する情報が広告主のウェブページであることとして説明するが、これに限定されるものではない。
〔4.作用(属性情報更新処理)〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る情報提供装置100による属性情報更新処理の手順について説明する。かかる属性情報更新処理は、制御部130によって繰り返し実行される処理である。
図6に示すように、制御部130の取得部133は、第2ビーコンによるユーザ端末40からのアクセスを受信部132により受信したか否かを判定する(ステップS100)。かかる処理において、第2ビーコンによるユーザ端末40からのアクセスを受信部132により受信していないと判定した場合(ステップS100,No)、取得部133は、属性情報更新処理を終了する。
一方、第2ビーコンによるユーザ端末40からのアクセスを受信部132により受信したと判定した場合(ステップS100,Yes)、取得部133は、第2ビーコンに基づきアクセスしたユーザ端末40からクッキーを受信部132により取得したか否かを判定する(ステップS101)。かかる処理において、クッキーを取得したと判定すると(ステップS101,Yes)、取得部133は、取得したクッキーから、第2ビーコンに基づきアクセスしたユーザ端末40のユーザIDを取得する(ステップS102)。
また、ステップS101の処理において、クッキーを取得していないと判定すると(ステップS101,No)、取得部133は、アクセス履歴テーブル120aに含まれない新たなユーザIDを含むクッキーを生成し、かかるクッキーを第2ビーコンに基づきアクセスしたユーザ端末40へ送信する(ステップS103)。
ステップS102,S103の処理が終了すると、取得部133は、第2ビーコンに基づき、ユーザ端末40がアクセスしたサイト提供装置30を識別する(ステップS104)。各サイト提供装置30から提供されるウェブページには、サイト提供装置30毎に異なる第2ビーコンが埋め込まれており、これにより、取得部133は、サイト提供装置30を識別する。
次に、取得部133は、アクセス履歴テーブル120aのうちステップS102において取得したユーザID、または、ステップS103で新規に付与したユーザIDに対応し、かつ、ステップS104において取得したサイト提供装置30に対応する情報を更新する(ステップS105)。例えば、アクセス履歴テーブル120aが図3に示す状態にある場合に、ユーザ端末401がサイト提供装置301へアクセスした場合には、ユーザIDが「1000」であり、アクセス先情報がサイト提供装置301に対応するアクセス回数を「10」から「11」へ変更する。
次に、取得部133は、更新したアクセス履歴テーブル120aに基づき、ユーザ属性テーブル120bを更新する(ステップS106)。具体的には、取得部133は、ステップS105において更新したユーザIDのアクセス履歴に基づき、更新したユーザIDに対応するユーザのサイコグラフィック属性やデモグラフィック属性を更新する。取得部133は、ユーザ属性テーブル120bの更新が終了した場合、属性情報更新処理を終了する。
なお、ここでは、アクセス履歴テーブル120aが更新される毎に、ユーザ属性テーブル120bを更新することとしているが、アクセス履歴テーブル120aの情報が所定数更新される毎にユーザ属性テーブル120bを更新するようにしてもよい。また、アクセス履歴テーブル120aに含まれる各ユーザIDに対応する情報が所定数更新される毎にユーザ属性テーブル120bを更新するようにしてもよい。
また、アクセス履歴テーブル120aに基づき、ユーザ属性テーブル120bを生成する方法、言い換えれば、ユーザのウェブサイトへのアクセス履歴に基づき、ユーザの属性を推定する方法として、種々の方法を用いることができる。例えば、サイト提供装置301が提供するウェブページが「車」に関する情報を提供するウェブページである場合、取得部133は、サイト提供装置301に対してユーザ端末401からのアクセスが所定数以上あれば、ユーザ端末401のユーザが「車」に興味があると判定する。この場合、取得部133は、ユーザID「1000」に対応する「車」の情報を「1」とする。また、例えば、サイト提供装置302が提供するウェブページが「女性服」に関する情報を提供するウェブページである場合、取得部133は、サイト提供装置302に対してユーザ端末402からのアクセスが所定数以上あれば、ユーザ端末402のユーザが「服」に興味があり、「女性」であると判定する。この場合、ユーザID「1001」に対応する「服」の情報および「性別」の情報をそれぞれ「1」とする。
このように、取得部133は、第2ビーコンに基づいてアクセスしたユーザ端末40から取得したクッキーから、ユーザ端末40のユーザIDおよびユーザ端末40がアクセスしたサイト提供装置30の情報を取得する。そして、取得部133は、取得した情報に基づき、アクセス履歴テーブル120aおよびユーザ属性テーブル120bを生成および更新する。
なお、アクセス履歴テーブル120aに基づき、ユーザ属性テーブル120bを生成する方法として、例えば、ユーザ情報DB120に、別途不特定多数のユーザの嗜好情報(商品購入履歴情報やサイトへのアクセス履歴情報など)を記憶しておき、これらの嗜好情報に基づいて、ユーザの属性を推定する協調フィルタリング技術などを用いることができる。また、サイト提供装置30は、各ユーザに会員登録等を行わせることにより、各ユーザのデモグラフィック属性を保持する場合もある。このとき、サイト提供装置30は、ユーザ端末40が第2ビーコンにより情報提供装置100にアクセスした際に、かかるユーザ端末40に対応するデモグラフィック属性を情報提供装置100に送信してもよい。そして、図3では図示することを省略したが、情報提供装置100の取得部133は、サイト提供装置30から受信した各ユーザのデモグラフィック属性をアクセス履歴テーブル120aに格納してもよい。
〔5.作用(情報提供処理)〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る情報提供装置100による情報提供処理の手順について説明する。かかる情報提供処理は、制御部130によって繰り返し実行される処理である。
図7に示すように、制御部130の要求応答部134は、第1ビーコンによるユーザ端末40からのアクセスを受信部132により受信したか否かを判定する(ステップS200)。かかる処理において、第1ビーコンによるアクセスを受信していないと判定した場合(ステップS200,No)、要求応答部134は、情報提供処理を終了する。
一方、第1ビーコンによるアクセスを受信したと判定した場合(ステップS200,Yes)、要求応答部134は、第1ビーコンに基づきアクセスしたユーザ端末40からのクッキーを受信部132により取得したか否かを判定する(ステップS201)。かかる処理において、クッキーを取得していないと判定すると(ステップS201,No)、要求応答部134は、情報提供処理を終了する。一方、クッキーが取得されたと判定すると(ステップS201,Yes)、要求応答部134は、受信部132により取得されたクッキーから、第1ビーコンに基づきアクセスしたユーザ端末40のユーザIDを取得する(ステップS202)。
次に、要求応答部134は、取得したユーザIDがダミーユーザIDか否かを判定する(ステップS203)。かかる処理において、ユーザIDがダミーユーザIDであると判定した場合(ステップS203,Yes)、要求応答部134は、情報提供処理を終了する。一方、ユーザIDがダミーユーザIDではないと判定した場合(ステップS203,No)、要求応答部134は、第1ビーコンに基づき、ユーザ端末40がアクセスした広告配信装置20を識別する(ステップS204)。広告配信装置20から提供される各ウェブページには、広告配信装置20毎に、それぞれ異なる第1ビーコンが埋め込まれる。かかる第1ビーコンは、さらに、ユーザ端末40から各広告配信装置20がアクセスされる毎に異なる。第1ビーコンのアクセスURLには、例えば、広告配信装置20毎の情報(以下、装置種別の情報と表記する)、および、ユーザ端末40のアクセス毎に異なる情報(以下、アクセス固有情報と表記する)が含まれる。要求応答部134は、第1ビーコンに基づくユーザ端末40からのアクセスデータに含まれる装置種別の情報およびアクセス固有情報を取得する。そして、要求応答部134は、取得した装置種別の情報に基づいて、ユーザ端末40がアクセスした広告配信装置20を識別する。
次に、要求応答部134は、第1ビーコンに基づきアクセスしたユーザ端末40のユーザIDに対応する属性情報をユーザ属性テーブル120bから抽出する(ステップS205)。例えば、第1ビーコンに基づきアクセスしたユーザ端末40がユーザ端末401である場合、サイコグラフィック属性として、「車」、「旅行」などの情報を、デモグラフィック属性として、「男性」、「20才」などの情報をそれぞれ抽出する。
次に、要求応答部134は、ユーザ属性テーブル120bから抽出した属性情報をアクセス固有情報と共に、ステップS204で識別した広告配信装置20へ送信する(ステップS206)。広告配信装置20は、情報提供装置100から送信されるアクセス固有情報に基づいて、第1ビーコンが埋め込まれるウェブページをアクセスしたユーザ端末40を特定し、かかるユーザ端末40に対して、情報提供装置100から送信される属性情報に応じたバナー広告を送信する。例えば、広告配信装置201のウェブページに含まれる第1ビーコンに基づきユーザ端末401がアクセスした場合、要求応答部134は、ユーザ端末401に対応するユーザの属性情報をアクセス固有情報と共に広告配信装置201へ送信する。これにより、広告配信装置201は、ウェブページにアクセスしたユーザ端末401を特定するアクセス固有情報と、ウェブページにアクセスしたユーザ端末401に対応するユーザの属性情報とを取得することができ、ユーザ端末401に対応するユーザの属性情報に基づいた広告を含むウェブページをユーザ端末401へ提供する。
このように、要求応答部134は、広告配信装置20へユーザ端末40の属性情報を提供する。これにより、広告配信装置20は、要求応答部134から提供されたユーザ端末40の属性情報に基づき、ユーザ端末40に対して広告を選択して出力することが可能になる。
なお、上述では、情報提供装置100から広告配信装置20へ送信する情報として、「サイコグラフィック属性」および「デモグラフィック属性」を含む属性情報を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置100から広告配信装置20へ送信する情報は、「サイコグラフィック属性」および「デモグラフィック属性」のいずれか一方を含む属性情報であってもよい。
また、上述では、ユーザ情報の一例として、「サイコグラフィック属性」および「デモグラフィック属性」を説明したが、ユーザ情報はこれらに限定されるものではない。例えば、ユーザによるウェブサイトの閲覧やウェブサイト上でのユーザの行動(例えば、アンケートへの回答、サンプルの要求、資料の請求、商品の購入など)などの情報(以下、行動履歴と記載する)をユーザ情報として情報提供装置100から広告配信装置20へ送信してもよい。行動履歴の情報は、例えば、第2ビーコンにサイト提供装置30のウェブサイト上での行動の情報などを埋め込むことによって、情報提供装置100により収集することができる。
広告配信装置20は、情報提供装置100から取得した行動履歴の情報に基づいて広告を配信する。例えば、広告配信装置20は、所定期間(例えば、1日、1週間、または1ヶ月)内の行動履歴の情報に基づいて、広告を配信することによって、ユーザの嗜好等をより精度良く絞り込む、所謂リターゲティングと呼ばれる広告配信を行うことができる。ユーザの嗜好等の絞り込みとして、広告配信装置20は、例えば、プリンタに買ったユーザにインクのバナー広告を提示し、マンションの資料を請求したユーザにローンのバナー広告を提示する。これにより、クリック率(CTR)やコンバージョン(CVR)を高めることが可能になる。なお、情報提供装置100は、行動履歴の情報に基づいた情報(例えば、広告配信装置20に対し、インクのバナー広告の配信を勧める情報やローンのバナー広告の配信を勧める情報など)をユーザ情報として広告配信装置20へ通知するようにしてもよい。
〔6.作用(ダミー情報設定処理)〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る情報提供装置100によるダミー情報設定処理の手順について説明する。かかるダミー情報設定処理は、制御部130によって実行される処理であり、ダミーユーザ情報によるアクセス対象である広告配信装置20単位で実行される処理である。
図8に示すように、制御部130のダミー処理部135は、ダミーユーザを選択する(ステップS300)。具体的には、ダミー処理部135は、新規のダミーユーザを選択するか否かを決定する(ステップS301)。新規のダミーユーザを選択した場合(ステップS301,Yes)、ダミー処理部135は、生成対象のダミーユーザに対応する広告配信装置20へ送信部131からアクセスさせる(ステップS302)。かかる処理においては、情報提供装置100がダミー端末として動作して、情報提供装置100から広告配信装置20へのアクセスが行われる。
次に、ダミー処理部135は、ステップS302でのアクセスに対して受信部132により受信される広告配信装置20からの応答からクッキーを抽出し、かかるクッキーに含まれるダミーユーザIDを取得する(ステップS303)。かかるダミーユーザIDは、上述したように、ダミー端末として動作する情報提供装置100へ広告配信装置20から割り当てられる識別情報である。
また、ダミー処理部135は、ステップS302でのアクセスに対して受信部132により受信される第1ビーコンに基づき広告配信装置20へアクセスし、また、第1ビーコンから装置種別の情報およびアクセス固有情報を取得する(ステップS304)。
次に、ダミー処理部135は、ステップS303の処理において取得したダミーユーザIDと、ステップS304の処理において取得した装置種別の情報とを含むダミーユーザ情報を生成し、ダミー属性テーブル120cに追加する(ステップS305)。ダミーユーザ情報は、図5に示すように、「サイコグラフィック属性」および「デモグラフィック属性」を含む情報であり、ダミー処理部135は、「サイコグラフィック属性」および「デモグラフィック属性」を含む属性情報を生成する。そして、ダミー処理部135は、生成した属性情報をダミーユーザIDおよび装置種別の情報に関連付けてダミーユーザ情報を生成する。
ここで、ダミー処理部135は、「サイコグラフィック属性」および「デモグラフィック属性」の各区分の情報を、ユーザ属性テーブル120bに含まれる「サイコグラフィック属性」および「デモグラフィック属性」の各区分の情報に基づいて生成する。例えば、ダミー処理部135は、ユーザ属性テーブル120bに含まれる属性情報と類似する傾向をもつ属性情報を、ダミーユーザ情報の属性情報として生成する。なお、ダミー処理部135は、「サイコグラフィック属性」および「デモグラフィック属性」の各区分に規則に従った情報(例えば、「車」であれば「1」か「0」)をランダムに付与することで、ダミーユーザ情報の属性情報を生成することもできる。
一方、ステップS301において、ダミー処理部135は、新規のダミーユーザを選択しない場合(ステップS301,No)、ダミー処理部135は、ダミー属性テーブル120cに設定されているダミーユーザ情報を選択する。そして、ダミー処理部135は、選択したダミーユーザ情報に対応するダミーユーザIDをダミー属性テーブル120cから読み出し、読み出したダミーユーザIDを含むクッキーを用いて、広告配信装置20へのアクセスを行う(ステップS306)。
次に、ダミー処理部135は、ステップS305の処理と同様に、ステップS306でのアクセスに対して受信部132により受信される第1ビーコンに基づき広告配信装置20へアクセスし、また、第1ビーコンから装置種別の情報およびアクセス固有情報を取得する(ステップS307)。
ステップS305,S307の処理が終了した場合、ダミー処理部135は、広告配信装置20に対し、対応するダミーユーザの属性情報をダミー属性テーブル120cから読み出し、ステップS302またはステップS307において取得したアクセス固有情報と共に送信部131から送信する(ステップS308)。
このように、ダミー処理部135は、ダミー端末として広告配信装置20へアクセスし、広告配信装置20へダミー端末の属性情報およびアクセス固有情報を提供する。これにより、広告配信装置20は、アクセス固有情報によりダミー端末を特定し、ダミー処理部135から提供されたダミー端末の属性情報に基づき、ダミー端末に対してバナー広告を選択して出力する。ダミー処理部135は、広告配信装置20から出力されるバナー広告が受信部132によって受信されたか否かを判定する(ステップS309)。
ステップS309の処理において、受信部132によって広告配信装置20からバナー広告が受信されたと判定した場合(ステップS309,Yes)、ダミー処理部135は、広告配信装置20から送信されるバナー広告を選択するか否かを判断する(ステップS310)。ダミー処理部135は、バナー広告を選択する確率をランダムな確率で行う。バナー広告の選択とは、上述のように、広告コンテンツに対応するウェブページの出力要求を行うこと、すなわち、バナー広告のクリックに対応する処理である。
バナー広告の選択を行うと判断した場合(ステップS310,Yes)、ダミー処理部135は、広告配信装置20から送信されるバナー広告の選択を行う(ステップS311)。具体的には、ダミー処理部135は、広告配信装置20から送信されるバナー広告をクリックした場合にアクセス先となる広告主のウェブページへのアクセスを行う。
ステップS310の処理において、バナー広告の選択を行わないと判断した場合(ステップS310,No)、または、ステップS311の処理が終了した場合、ダミー処理部135は、ダミー属性テーブル120cを更新する(ステップS312)。具体的には、ダミー処理部135は、ステップS303の処理において取得したダミーユーザID、または、ステップS306の処理においてアクセスに用いたダミーユーザIDに対応するダミー属性テーブル120cの「アクセス回数」をインクリメントし、ステップS311の処理を行った場合にはさらに「クリック数」をインクリメントする。
なお、ステップS306において、ダミー処理部135は、広告配信装置201〜20n毎に所定数のダミーユーザ情報を生成する。例えば、ダミー処理部135は、ユーザ属性テーブル120bに含まれるユーザ情報の数に応じた数のダミーユーザ情報を広告配信装置201〜20n毎に生成する。
また、上述においては、ダミー処理部135は、ダミーユーザIDを取得したタイミングで属性情報を生成するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、ダミー処理部135は、ダミーユーザ情報のうち属性情報はダミーユーザIDを取得する前に、予め生成することもできる。このようにすることで、ダミー処理部135は、取得したダミーユーザIDに予め生成した属性情報を割り当てる処理を行えばよいため、広告配信装置20への属性情報の送信を迅速に行うことができる。
〔7.作用(成果報告正否判定)〕
次に、図9を用いて、実施形態に係る情報提供装置100による成果報告正否判定の手順について説明する。かかる成果報告正否判定は、制御部130によって実行される処理であり、広告配信装置20単位で実行される処理である。
図9に示すように、制御部130の取得部133は、広告配信装置20へのアクセスの履歴である実績報告情報を広告配信装置20の広告配信業者から受信部132により受信した場合、かかる実績報告情報を受信部132から取得したか否かを判定する(ステップS400)。なお、広告配信業者は、広告配信装置20から情報提供装置100に対して実績報告情報を送信することもでき、また、広告配信装置20以外の装置から情報提供装置100に対して実績報告を送信することもできる。
実績報告情報には、情報提供装置100から情報が提供されたユーザ情報を用いた広告配信の数(インプレッション数)に対するユーザ選択数(クリック数)の割合、所謂CTR(Click Through Rate))の情報がユーザID毎に含まれる。情報提供装置100から提供される情報には、上述のダミー情報設定処理によって、実際のユーザに関するユーザ情報のみならず、ダミーユーザに関するユーザ情報が含まれる。また、実際のユーザによるバナー広告の選択のみならず、上述のダミー情報設定処理によって、情報提供装置100によるダミーユーザからのバナー広告の選択が実行される。したがって、広告配信業者から送信される実績報告情報には、ダミーユーザに対するCTRの情報が含まれることになる。
ステップS400において、実績報告情報を取得していないと判定すると(ステップS400,No)、取得部133は、成果報告正否判定の処理を終了する。一方、実績報告情報を受信部132から取得したと判定した場合(ステップS400,Yes)、取得部133は、実績報告情報を送信した広告配信業者の広告配信装置20に対応するダミーユーザ情報をダミー属性テーブル120cから読み出し、ダミーユーザに対応するCTRを演算する(ステップS401)。なお、ここでは、取得部133は、ダミー属性テーブル120cから、「アクセス回数」の情報と「クリック数」の情報を読み出し、「クリック数」の情報を「アクセス回数」の情報で除算することによって、ダミーユーザに対応するCTRを演算する。例えば、ダミー属性テーブル120cが図5に示す状態である場合、ダミーユーザIDが「14581」のダミーユーザに対応するCTRは、9÷201=0.045である。
次に、比較部136は、広告配信装置20を運営する広告配信業者から提供される実績報告情報と、ダミーユーザに対応するCTRとを比較する(ステップS402)。例えば、ダミー属性テーブル120cが図5に示す状態である場合、ダミーユーザIDが「14581」のダミーユーザに対応するCTRは、上述のように、0.045である。この場合、広告配信装置20を運営する広告配信業者から提供される実績報告情報に含まれるダミーユーザIDが「14581」のダミーユーザに対応するCTRが0.045でなければ、比較部136は、実績報告情報とダミーユーザに対応するCTRとが不一致であると判定する。また、実績報告情報にダミーユーザIDが「14581」のダミーユーザに対応するCTRが含まれていない場合も、比較部136は、実績報告情報とダミーユーザに対応するCTRとが不一致であると判定する。
なお、広告配信装置20を運営する広告配信業者から提供される実績報告情報が実績の全てである場合、比較部136は、成果報告正否判定を対象とする広告配信装置20に対応する全てのダミーユーザ情報に関して、取得部133で演算したCTRと実績報告情報に含まれるCTRとを比較する。そして、比較部136は、取得部133で演算したCTRと実績報告情報とCTRが一致するダミーユーザの割合、各ダミーユーザに対するCTRの一致度の割合などを判定する。一方、広告配信装置20を運営する広告配信業者から提供される実績報告情報がサンプル抽出した実績報告である場合には、実績報告情報に含まれているダミーユーザ情報に関し、取得部133で演算したCTRと実績報告情報に含まれるCTRとを比較する。そして、比較部136は、上述と同様に、取得部133で演算したCTRと実績報告情報とCTRが一致するダミーユーザの割合、各ダミーユーザに対するCTRの一致度の割合などを判定する。なお、広告配信装置20を運営する広告配信業者から提供される実績報告情報がサンプル抽出した実績報告である場合に、実績報告情報にダミーユーザが含まれていない場合、比較部136は、ダミー処理部135に対して、広告配信装置20への実績報告情報の送信要求を実行する。
次に、比較部136は、表示部140にステップS402の処理結果を表示させる(ステップS403)。ここで、図10を用いて、表示部140に表示される成果報告正否判定処理の結果について具体的に説明する。図10に示すように、表示部140の表示画面141には、成果報告正否判定処理の結果として、各「ダミーユーザID」に対応して、「装置種別」、「実績情報」、「報告情報」および「比較結果」の情報が一覧表示される。「ダミーユーザID」および「装置種別の情報」は、ダミー属性テーブル120cの「ダミーユーザID」および「装置種別の情報」と同様の情報である。
「実績情報」は、情報提供装置100による広告配信装置20へのアクセス結果の情報であり、「アクセス数」、「クリック数」および「CTR」を含む。「実績情報」のうち、「アクセス数」および「クリック数」は、ダミー属性テーブル120cの「アクセス数」および「クリック数」と同一の情報である。また、「実績情報」のうち「CTR」は、上述したステップS401で取得部133が演算した各ダミーユーザに対応するCTRである。
「報告情報」は、広告配信業者から送信される実績報告情報であり、「CTR」の情報が含まれる。比較部136は、実績報告情報から「ダミーユーザID」と「CTR」とを抽出し、対応する「ダミーユーザID」の欄に「CTR」の情報を表示する。
「比較結果」は、「実績情報」の「CTR」に対する「報告情報」の「CTR」の割合を示す情報である。例えば、「14581」のダミーユーザIDでは、「実績情報」の「CTR」が「0.045」であり、「報告情報」の「CTR」が「0.045」である。そのため、「比較結果」には、「100%」と表示される。「比較結果」が「100%」になるダミーユーザIDに関しては、「実績情報」と「報告情報」とが一致することを意味する。一方、「398721」のダミーユーザIDでは、「実績情報」の「CTR」が「0.028」であり、「報告情報」の「CTR」が「0.001」である。そのため、「比較結果」には、「3.6%」と表示される。「比較結果」が「100%」未満になるダミーユーザIDに関しては、「実績情報」と「報告情報」とが一致しておらず、報告ミスまたは虚偽報告の可能性があることを意味する。
このように、表示部140の表示画面141には、成果報告正否判定処理の結果が表示されるため、情報提供装置100の運営業者は、広告配信業者から提供される実績報告情報の正否を容易に判定することができる。なお、制御部130は、広告配信業者から提供される実績報告情報の報告ミスまたは虚偽報告の可能性がある場合に、広告配信装置20に対する情報の提供を停止したり、広告配信装置20への警告情報を送信したりすることもできる。
図9に戻って不正使用判定処理の説明を続ける。図9に示すように、ステップS403の処理が終了すると、ダミー処理部135は、各広告配信装置20について、ユーザ情報に対するダミーユーザ情報の割合を更新する(ステップS404)。具体的には、ダミー処理部135は、取得部133で演算したCTRと実績報告情報とCTRが一致するダミーユーザの割合、各ダミーユーザに対するCTRの一致度の割合などに応じて、ユーザ情報に対するダミーユーザ情報の割合を増減させる。例えば、各ダミーユーザに対するCTRの一致度の割合が50%である場合、ダミー処理部135は、広告配信装置203に対するダミーユーザ情報を増加させる。すなわち、ダミー処理部135は、広告配信装置203への提供対象となるユーザ情報に対するダミーユーザ情報の割合を増加させる。また、その後、各ダミーユーザに対するCTRの一致度の割合が50%を下回った場合、ダミー処理部135は、広告配信装置203に対するダミーユーザ情報を減少させる。
なお、上述では、比較部136は、ステップS402において、取得部133で演算したCTRと実績報告情報に含まれるCTRとを比較するものとして説明した。しかし、比較対象は、CTRではなくバナー広告の選択回数(クリック数)でもよい。例えば、広告配信業者から提供される実績報告情報に、バナー広告に対するユーザ選択数(クリック数)が含まれる場合、取得部133はダミー属性テーブル120cから「クリック数」の情報を読み出す。そして、比較部136は、実績報告情報に含まれるユーザ選択数と取得部133が読み出した「クリック数」とを比較する。
〔8.通信I/Fの別構成〕
図2に示す例では、一つの通信I/F110によって、広告配信装置20へのアクセスを行ったが、複数の通信I/Fを用いて、広告配信装置20へアクセスするように情報提供装置100を構成してもよい。図11は、実施形態に係る情報提供装置100の別構成を示す図である。
図11に示すように、情報提供装置100の別構成では、通信I/Fとして、通信I/F110と、通信I/F111とを備える。そして、通信I/F110と通信I/F111とは、互いに異なる通信アドレス(例えば、IPアドレスやドメイン名)が割り当てられる。
制御部130の送信部131および受信部132は、情報提供装置100を広告配信装置20に対して情報を提供する情報提供装置として動作させる場合には、通信I/F110を用いて広告配信装置20との間でデータの送受信を行う。一方、制御部130の送信部131および受信部132は、情報提供装置100を広告配信装置20に対してダミー端末として動作させる場合には、通信I/F111を用いて広告配信装置20との間でデータの送受信を行う。
したがって、図11に示す構成の情報提供装置100では、情報提供装置100を情報提供装置として動作させる場合と、情報提供装置100をダミー端末として動作させる場合とで、異なる通信アドレスを用いることができる。
〔9.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置100では、複数のサイト提供装置30(提供装置の一例に相当)によって提供されるウェブページ(コンテンツの一例に相当)に対してアクセスしたユーザ端末40のユーザの識別情報(ユーザID)および当該ユーザに関するユーザ情報と、ダミーユーザの識別情報(ダミーユーザID)および当該ダミーユーザに関するユーザ情報とを記憶するユーザ情報DB120を備える。そして、送信部131が、ユーザ情報DB120に記憶された情報を広告配信装置20へ送信し、ダミー処理部135が、ダミーユーザの識別情報によって広告配信装置20へアクセスを行い、このアクセスに対して広告配信装置20から送信される広告コンテンツに対応する情報(例えば、ウェブページ)の出力要求を行い、取得部133が、広告配信装置20に対するアクセスの履歴を広告配信業者から取得し、比較部136が、アクセスの履歴のうちダミーユーザの識別情報による出力要求の履歴とダミー処理部135によって行われたダミーユーザの識別情報による出力要求の履歴とを比較する。
これにより、実施形態に係る情報提供装置100は、広告配信装置20が実際に得ることができた成果と、広告配信業者から提供される実績報告とを比較することができ、広告配信業者からの実績報告(成果報告)の正否を判別することができる。したがって、情報提供業者から提供された情報に対する成果を事後的に広告配信業者が情報提供業者へ支払うという成果報酬型の情報提供において、情報提供業者は広告配信業者が実績報告を不正に行ったことを容易に把握することができる。また、広告配信装置20を運営する広告配信業者に対してダミーユーザによる不正使用の検出が可能であることを告知することで、広告配信業者からの虚偽の実績報告を牽制する効果を発揮することが可能になる。
また、実施形態に係る情報提供装置100は、ユーザ情報DB120が、複数の広告配信装置20のそれぞれに対応する互いに異なるダミーユーザの識別情報およびユーザ情報を記憶し、ダミー処理部135が、複数の広告配信装置20のそれぞれに対して異なるダミーユーザの識別情報によるアクセスを行う。
これにより、実施形態に係る情報提供装置100は、複数の広告配信装置20に対して不正な実績報告の監視を行うことが可能になる。
また、実施形態に係る情報提供装置100は、ダミー処理部135が、比較部136による比較結果に基づき、ダミーユーザ情報の数を増減させる。
これにより、実施形態に係る情報提供装置100は、例えば、虚偽の実績報告をした可能性のある広告配信装置20に対して、ダミーユーザ情報を増加させることができ、成果報告の正否判定の精度を向上させることができる。
また、実施形態に係る情報提供装置100は、送信部131が、ユーザ情報DB120に記憶された情報を広告配信装置20へ送信する通信アドレスと異なる通信アドレスで、ダミーユーザIDによって広告配信装置20へアクセスする。
これにより、実施形態に係る情報提供装置100は、広告配信装置20へ情報を提供する装置として動作する場合と、ダミー端末として広告配信装置20へアクセスする場合とで、異なる通信アドレスで広告配信装置20と通信を行うことができる。したがって、情報提供装置100がダミー端末として動作することを広告配信装置20に把握される可能性を低減することができ、広告配信装置20に対する牽制効果をより発揮することが可能になる。なお、情報提供装置100は、ダミー端末として広告配信装置20へアクセスする場合に、さらに複数の通信アドレスを用いることもできる。
〔10.その他〕
また、上記実施形態では、広告配信装置20からユーザ端末40へ送信される広告コンテンツをバナー広告であるとして説明したが、広告コンテンツはバナー広告に限定されるものではない。例えば、広告配信装置20からユーザ端末40へ送信される広告コンテンツは、動画広告、テキスト広告、音声広告などであってもよい。
また、上記実施形態では、サイト提供装置30によって提供されるウェブページにウェブビーコンが埋め込まれる例を示した。しかし、メール提供装置によってユーザ端末40に対して配信されるメールマガジン等のHTMLメール(コンテンツの一例に相当)に第2ビーコンが埋め込まれてもよい。これにより、情報提供装置100は、HTMLメールを受信したユーザ端末40からもユーザ情報を収集することができるので、ユーザの属性情報をさらに精度良く判別することができる。
また、上記実施形態では、情報提供装置100とサイト提供装置30とが異なる企業等によって管理される例を説明した。しかし、情報提供装置100とサイト提供装置30とは、同一の企業等によって管理されてもよい。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述した情報提供装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
また、上記実施形態では、情報提供装置100から広告配信装置20へ属性情報を送信する例を説明した。しかし、情報提供装置100から広告配信装置20へ送信する情報は、例えば、アクセス履歴テーブル120aに含まれるアクセス履歴の情報やダミーユーザのアクセス履歴の情報であってもよい。この場合、広告配信装置20は、アクセス履歴の情報やダミーユーザのアクセス履歴の情報に基づいて広告を選択して配信する。
また、上記実施形態では、ユーザ属性テーブル120bは、属性情報の区分分けを図4に示すものとして説明した。しかし、ユーザ属性テーブル120bは、広告配信装置20毎に異なる種別区分に分けてもよい。これにより、各広告配信装置20に応じた属性情報を提供することができる。また、このようにする場合、ダミー属性テーブル120cについても同様に、ユーザ属性テーブル120bと同一区分になるように、広告配信装置20毎の種別区分に分ける。
また、上記実施形態では、アクセス履歴テーブル120aにおいて、サイト提供装置30毎にアクセス回数が含まれるものとして説明した。しかし、アクセス履歴テーブル120aにおいて、各サイト提供装置30のウェブページ毎にアクセス回数が含まれるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザの属性情報をさらに精度良く判別することができる。なお、この場合、取得部133は、各サイト提供装置30のウェブページ毎にアクセス回数をカウントする。ウェブページ毎のカウントは、例えば、第2ビーコンに、サイト提供装置30の識別情報に加え、さらに、ウェブページの識別情報を含ませるようにすることで実現することができる。
また、上記実施形態では、ユーザ端末40によるサイト提供装置30へのアクセス履歴を逐次取得しながら、かかるアクセス履歴に基づいた属性情報を広告配信装置20へ提供するものとして説明した。しかし、各広告配信装置20に対して一定量のユーザ情報を割り当てる場合、ある時点のアクセス履歴に基づいた属性情報を広告配信装置20へ提供するようにしてもよい。