JP5478557B2 - 光伝送媒体接続モジュール及び光伝送媒体 - Google Patents
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Description
現在の通信事業者設備ビル内における構内光配線設備は、IP(Internet Protocol)サービス等を提供するOLT(Optical Line Terminal)、構内外光ケーブル及び光ファイバコード、それらを成端する配線架(IDM:Integrated Distribution Module)から構成される。またOLTと加入者宅を結ぶ光通信設備において、加入者宅とOLTの中間に2種類の専用架を設置して機能を分割することで、効率的な光配線の収容を実現している(非特許文献1〜4)。
(1)光ファイバを1心ずつ収容するためのV字型のV溝部を備え、前記V溝部に前記光ファイバを収容し固定した状態で丸められるV溝基盤と、前記V溝基盤を長手方向に沿って丸めて円柱状にした状態に保持する円筒状の補強具とを具備する態様とする。
(3)(1)の構成において、前記V溝基盤は、前記V溝部が強度の高い素材で分割形成され、各分割V溝部が柔軟性のある素材により連結固定される態様とする。
(5)(1)の構成において、さらに、円柱状のロッドを備え、前記光ファイバを前記V溝部に収容した状態で前記V溝基盤を前記ロットに巻き付け固定することで、前記光ファイバを前記V溝部に圧接する態様とする。
(6)光コネクタと複数の光ファイバを内包する光ファイバコードを備える端末部と、ケーブル外被覆及び光ファイバを備える光ケーブルと、前記光ファイバコードの光ファイバと光ケーブルの光ファイバとを接続する接続モジュールとを具備し、前記接続モジュールは、光ファイバを1心ずつ収容するためのV字型のV溝部を備え、前記V溝部に前記光ファイバを収容し固定した状態で丸められるV溝基盤と、前記V溝基盤を長手方向に沿って丸めて円柱状にした状態に保持する円筒状の補強具とを備える態様とする。
(8)(6)の構成において、前記複数の光ファイバコードの成端長さが2mm以上の差を有するときは前記光ファイバにホールアシストファイバを用いる態様とする。
(第1の実施形態)
図1は本発明が適用される通信事業者設備ビル内における構内光配線設備の構成を示す概念図である。図1において、111〜11nはIP(Internet Protocol)サービス等を提供する光線路端末(以下、OLT:Optical Line Terminal)、121〜12nは加入者宅に向けて敷設される構外光ケーブルとビル内の構内光ケーブルとを光ファイバコードによって接続する第1の配線架(以下、IDM-A:Integrated Distribution Module type A)、13はOLT111〜11nからの構内光ケーブルとIDM−A121〜12nからの構内光ケーブルをそれぞれ集線し、光ファイバコードによって両者を結合する第2のIDM−Bである。上記構内光ケーブルにはそれぞれ接続先を示す識別タグが装着されている。
図2は上記第1及び第2の配線架(IDM−A,IDM−B)に用いられる、本発明の第1の実施形態に係る接続モジュールによって光伝送媒体を接続する構成を示す図である。本実施形態の適用箇所は、端末部21、接続モジュール22、光ケーブル23より構成され、端末部21は光コネクタ211、ホールアシストファイバ213を内包する光ファイバコード212より構成され、接続モジュール22は補強具221、V溝基盤222、シート223より構成され、光ケーブル23はケーブル外被覆231、ホールアシストファイバ232、必要に応じてテンションメンバや抗張力繊維や切り裂き紐等(図示せず)より構成される。図2では光伝送媒体の片端側の構成を示しているが、他端も同様の構成となっている。ここで、上記V溝基盤222の寸法は、横{a}、長さ{b}、高さ{c}で表すものとする。
上記V溝基盤222は変形可能な柔軟性のある素材(樹脂等)により、長手方向にV字型の複数の溝が連続形成されたもので、1個当たり16心の多心の光ファイバを一括して接続することができる。
図6に本実施形態で使用した光ケーブル23の断面図を示す。光ケーブル23は16心のホールアシストファイバ232の心線(UV被覆外径:0.5mm)を束ねており、外被覆231は難燃性のFRPE(Flame Retardant Polyethylene)を使用した。外被覆231内に2本のテンションメンバ233および1本の引き裂き紐234を配置した。光ケーブル23の外径は7mmであった。
また光ケーブル23の経済性・収納性を高めるため、光ケーブル23については従来使用されていた光ファイバコードではなく、光ファイバ心線を直接内包することが望ましい。1本の光ファイバコードで考慮する場合(光ファイバコード外径の例:1.1mmΦ→0.5mmΦ、1.7mmΦ→0.9mmΦ)、断面積で70%以上のサイズダウンが可能となる。
図8は本発明の第2の実施形態に係る接続モジュールの構造を示す断面図である。尚、図8において、図2と同一部分には同一符号を付して示す。
本実施形態においても、端末部21、接続モジュール22、光ケーブル23から成る構成は、図2と同様である。以下では、異なる部分について詳細に説明する。
本実施形態では、端末部21および光ケーブル23のいずれもホールアシストファイバを用いたが、いずれか一方だけでも使用し、他方の従来のシングルモードファイバを使用してもよいし、全てシングルモードファイバを使用してもよい。ただし、この場合は、シングルモードファイバの割合が増加するに従い、曲げ損失特性に関する信頼性は低下することが予想される。
また、本実施形態では、ファイバをV溝部A1への固定するため固定用シート(V溝部A1の上面側)223でV溝部A1を覆ったが、固定用シートを使用せず接着剤のみでも、固定用シート使用時よりも若干劣るものの、それなりに高い固定性を得ることができる。
図10は本発明の第3の実施形態に係る接続モジュールの構造を示す断面図である。尚、図10において、図2、図8と同一部分には同一符号を付して示す。
本実施形態においても、端末部21、接続モジュール22、光ケーブル23から成る構成は、図2と同様である。以下では異なる部分について詳細に説明する。
光コネクタ211にはSCコネクタを使用し、光ファイバコード212は総数32本でそれぞれ外径1.7mm、長さ4m、ホールアシストファイバ213の外径0.125mm、モードフィールド径8.9μm、カットオフ波長1225nm、UV被覆外径0.9mmであった。
本実施形態では、端末部21および光ケーブル23のいずれもホールアシストファイバを用いたが、いずれか一方だけでも使用し、他方の従来のシングルモードファイバを使用してもよいし、全てシングルモードファイバを使用してもよい。ただし、この場合は、シングルモードファイバの割合が増加するに従い、曲げ損失特性に関する信頼性は低下することが予想される。また、光ケーブル23に光ファイバテープ心線も用いてもよい。ただし、この場合は、光学特性は本実施形態で示したものと同等であるが、曲げに対する機械的強度は弱いというデメリットを持つ。
図11は本発明の第4の実施形態に係る接続モジュールの構造を示す断面図である。尚、図11において、図2、図8、図10と同一部分には同一符号を付して示す。
本実施形態は、第3の実施形態における1心ずつ収容する石英ガラスなどにより形成されたV溝部B1に代わって、複数心(図は2心の場合)ずつ配列することが可能なV溝部C1を複数個を用意し、それぞれ柔軟性の高い樹脂素材による帯部C2で連接して形成されたV溝基盤222Cを用いているものであり、V溝部の心数が異なること以外の要件については、第3の実施形態と同一である。以下では異なる部分について詳細に説明する。
図12は本発明の第5の実施形態に係る接続モジュールの構造を示す断面図である。尚、図12において、図2、図8、図10、図11と同一部分には同一符号を付して示す。
本実施形態では、図12(a)に示すように、図10に示した第3の実施形態のV溝基盤222Bを用いるが、そのV溝基盤222Bにかぶせる固定用シート223の代わりに、図12(b)に示す円柱状の石英ガラスのロッド224を用意し、このロッド224にV溝基盤222Bを巻き付けることで光ファイバ213を固定する。ロッド224を用いることで、V溝基盤222Bを丸めた時の真円性や固定性は高まる。
光コネクタ211にはSCコネクタを使用し、光ファイバコード212は総数32本でそれぞれ外径1.7mm、長さは4m、ホールアシストファイバ213は外径0.125mm、モードフィールド径8.9μm、カットオフ波長1225nm、UV被覆外径0.9mmであった。
ケーブル23全体での挿入損失は0.5dB以下であり、十分な特性を得た。また本実施形態では1心毎のV溝部B1を帯部B2で連接した第3の実施形態のV溝基盤222Bを用いるようにしたが、複数心数用のV溝部C1を柔軟性のある樹脂素材の帯部C2で連接した第4の実施形態のV溝基盤222Cを使用することも可能である。
図13乃至図16は本発明の第6の実施形態に係る接続モジュールを説明する図である。尚、図13及び図14において、図2と同一部分には同一符号を付して示す。
本実施形態においても端末部21、接続モジュール22、光ケーブル23から成る構成は、第2の実施形態と同様である。以下では異なる部分について詳細に記述する。
図13に示すように光ケーブルの心線数が多くなると、光ファイバ213,232のカット時の精度やV溝基盤222の設置時の配置により、図14(a)に示すように光ファイバ213,232の口出し長に違いが出る。その結果、図14(b)に示すように、一部の光ファイバに挫屈が発生し、従来の光ファイバであれば高い曲げ損失が発生し、伝送特性に影響する場合がある。
ここで挫屈の状態について単純なモデル化を行い、挫屈の有無で光ファイバ長の差がどの程度あるかを検証した。図15にそのモデルを示す。V溝基盤222の付近で半径r、高さtの挫屈が発生した場合(図15(a))を想定する。実際に光ファイバが直線の状態から部分的に一様の曲げ径で挫屈する状態になることは少ないが、ここではモデルを単純化するために図のように設定した。
以上のように、本発明に係る実施形態に係る接続モジュール、もしくはそれを用いた光伝送媒体は、V溝基盤を変形可能な部材で構成される部品としているので、それを用いて接続される光ケーブルの接続部を小型化することができる。すなわち、(1)従来は石英ガラスで形成されていたV溝基盤を変形可能な柔軟性のある素材で形成し、かつ光ファイバ心線を配列固定した後に円筒状に折り曲げることが可能な構造とする、または、(2)石英ガラスのV溝基盤を複数に分割し、分割されたV溝部間を変形可能な樹脂で接合する構造とすることにより、基盤を円筒状に折り曲げたときにケーブル外径よりも小さくなる接続モジュールを提供することができる。
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成を削除してもよい。さらに、異なる実施形態例に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
Claims (8)
- 光ファイバを1心ずつ収容するためのV字型のV溝部を備え、前記V溝部に前記光ファイバを収容し固定した状態で丸められるV溝基盤と、
前記V溝基盤を長手方向に沿って丸めて円柱状にした状態に保持する円筒状の補強具と
を具備することを特徴とする光伝送媒体接続モジュール。 - 前記V溝基盤は、柔軟性のある素材で形成され、
前記V溝基盤に収容された光ファイバを柔軟性のある素材の固定用シートでV溝内に圧接させ接着固定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の光伝送媒体接続モジュール。 - 前記V溝基盤は、前記V溝部が強度の高い素材で分割形成され、各分割V溝部が柔軟性のある素材により連結固定されることを特徴とする請求項1記載の光伝送媒体接続モジュール。
- 前記V溝基盤は、前記分割V溝部が複数の光ファイバを収容する溝を備えることを特徴とする請求項3記載の光伝送媒体接続モジュール。
- さらに、円柱状のロッドを備え、前記光ファイバを前記V溝部に収容した状態で前記V溝基盤を前記ロットに巻き付け固定することで、前記光ファイバを前記V溝部に圧接することを特徴とする請求項1記載の光伝送媒体接続モジュール。
- 光コネクタと複数の光ファイバを内包する光ファイバコードを備える端末部と、
ケーブル外被覆及び光ファイバを備える光ケーブルと、
前記光ファイバコードの光ファイバと光ケーブルの光ファイバとを接続する接続モジュールと
を具備し、
前記接続モジュールは、光ファイバを1心ずつ収容するためのV字型のV溝部を備え、前記V溝部に前記光ファイバを収容し固定した状態で丸められるV溝基盤と、前記V溝基盤を長手方向に沿って丸めて円柱状にした状態に保持する円筒状の補強具とを備えることを特徴とする光伝送媒体。 - 前記光ファイバの一部または全部がホールアシストファイバであることを特徴とする請求項6記載の光伝送媒体。
- 前記複数の光ファイバコードの成端長さが2mm以上の差を有するときは前記光ファイバにホールアシストファイバを用いることを特徴とする請求項6記載の光伝送媒体。
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