JP5478387B2 - ロボットのリンク装置 - Google Patents
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Description
ガタの範囲内で、第1および第2のリンクが、互いに対し回転自在となる。さらに、関節に作用する衝撃力を吸収する衝撃吸収部材を設ける。衝撃吸収部材は、バネやダンパーなどである。この構成で、上述のガタの角度範囲内で、第1および第2のリンクを互いに回転させるような衝撃力が関節に作用した時、この衝撃力が、バネやダンパーに吸収される。
歩行脚またはアームを構成する第1および第2のリンクと、
第1および第2のリンクを回転可能に連結する関節と、を備え、
前記関節は、該関節の軸方向一方側に設けられた第1の関節部と、該関節の軸方向他方側に設けられた第2の関節部と、を有し、
第1および第2の関節部は、第1および第2のリンクの一方に対し衝撃吸収用のガタをもって取り付けられ、第1および第2のリンクの他方に対し前記関節の軸周りに回転可能に取り付けられ、
さらに、前記他方に固定され、第1の関節部を前記軸周りに回転駆動する第1のモータと、
前記他方に固定され、第2の関節部を前記軸周りに回転駆動する第2のモータと、を備え、
第1および第2のモータは、第1および第2の関節部を同じ方向に回転駆動することで、第1のリンクに対し第2のリンクを回転させ、第1および第2の関節部を逆方向に回転駆動することで、当該回転方向の前記ガタの大きさを調整する、ことを特徴とするロボットのリンク装置が提供される。
前記各モータの軸が前記他方のリンクの長手方向を向いている。
該制御装置は、
(A)第1および第2のモータの回転角を制御することで、第1および第2の関節部を逆方向に回転させ、これにより、前記ガタを減らし、
(B)この状態で、前記クラッチを接続させ、
(C)その後、第1および第2のモータの回転角を制御することで、第1および第2の関節部を同じ方向に回転させ、これにより、第1のリンクに対し第2のリンクを回転させる。
該制御装置は、
(A)第1および第2のモータの回転角を制御することで、第1および第2の関節部を逆方向に回転させ、これにより、上記のガタを減らし、
(B)この状態における第1および第2のモータの回転角の差を維持するように、第1および第2のモータの回転角を制御することで、第1および第2の関節部を同じ方向に回転させ、これにより、第1のリンクに対し第2のリンクを回転させる。
従って、まず、第1および第2の関節部を逆方向に回転駆動することでガタを減らし、この状態を維持しながら、第1および第2の関節部を同じ方向に回転駆動することで、高精度に、第1のリンクに対する第2のリンクの回転角を制御することができる。また、第1および第2の関節部を逆方向に回転駆動することでガタを大きくし、これにより、関節部に作用する衝撃力を緩和することができる。
さらに、第1および第2のモータにより第1および第2の関節部を同じ方向に回転駆動することで、第1および第2のリンクを互いに対し回転動作させるので、第1および第2のモータの両トルクを、第1および第2のリンクの相対回転動作に使用することができる。
第1および第2のモータ9、11は、第1および第2の関節部7a、7bを同じ方向に回転駆動することで、第1のリンク3を第2のリンク5に対し回転させる。図1の例では、第1および第2のモータ9、11は、互いに逆向きに回転することで、第1および第2の関節部7a、7bを同じ方向に回転駆動して、第1のリンク3を第2のリンク5に対し回転させる。
一方、第1および第2のモータ9、11は、第1および第2の関節部7a、7bを逆方向に回転駆動することで、前記ガタの範囲で、第1および第2の関節部7a、7bを、第1および第2のリンク3、5の前記一方に対し回転して当該回転方向の前記ガタの大きさを調整する(すなわち、ガタを減少または増加させる)。図1の例では、第1および第2のモータ9、11は、同じ向きに回転することで、第1および第2の関節部7a、7bを逆方向に回転駆動して前記ガタの大きさを調整する。
ピン13は、第1の関節部7aに固定されている。ピン13は、第1および第2のリンク3、5の一方(図1、2の例では、第1のリンク3)に形成された長孔15に挿入されている。長孔15は、第1の関節部7aの回転方向に、前記ガタに相当する長さだけ延びている。従って、ピン13が、長孔15内を、長孔15の長さ分だけ自在に移動できるので、第1の関節部7aは、当該長さ(ガタ)の分だけ回転可能に第1および第2のリンク3、5の一方(図1、2の例では、第1のリンク3)に連結される。このように、第1の関節部7aは、ピン13と長孔15を介して第1および第2のリンク3、5の一方に連結される。
第2の関節部7bも、第1の関節部7aと同様に、ガタ(遊び)の分だけ回転可能に、ピン13と長孔15を介して第1および第2のリンク3、5の一方に連結される。
弾性体は、例えば、バネであり、バネの一端は第1の関節部7aに結合され、バネの他端は、第1および第2のリンク3、5の一方(図1の例では、第1のリンク3)に結合される。
なお、弾性体は、バネに限定されず、他の弾性体(例えばゴム)であってもよい。図2(C)、(D)は、それぞれ、図2(A)、(B)において、上記の弾性体をゴム8とした場合を示す。図2(C)、(D)において、斜線で示されたゴム8は、長孔15の内周面に取り付けられるように長孔15内に充填されている。
上述のガタを減らした(例えば、無くした)状態で、クラッチ21により、第1および第2の関節部7a、7bを連結すると、ガタが減少した状態(例えば、ガタが無い状態)に維持される。当該状態は、モータ9、11にトルクを発生させなくても維持される。
一方、クラッチ21を切った状態では、上述のガタにより衝撃を吸収することができる。
ステップS1において、制御装置23は、第1および第2のモータ9、11の回転角を制御することで、第1および第2の関節部7a、7bを逆方向に回転させる。これにより、ガタを減らす(例えば無くす)。例えば、図2の状態から図4の状態になる回転角まで、第1および第2の関節部7a、7bを逆方向に回転させる。図4(A)は、図1のA−A矢視図に対応するが、図2(A)の状態から第1の関節部7aが回転した状態を示す。図4(B)は、図1のB−B矢視図に対応するが、図2(B)の状態から第2の関節部7bが回転した状態を示す。
ステップS2において、制御装置23は、ステップS1によりガタを減らした(例えば無くした)状態でクラッチ21を接続する制御を行う。これにより、モータ9、11にトルクを発生させなくて、ガタを減らした(例えば無くした)状態が維持される。
ステップS3において、制御装置23は、第1および第2のモータ9、11の回転角を制御することで、第1および第2の関節部7a、7bを同じ方向に回転させる。これにより、第1のリンク3に対し第2のリンク5を回転させ、リンク装置10に所望の動作をさせる。従って、第1および第2のモータ9、11の両トルクを、リンク3、5の相対回転動作に使用することができる。
上述の実施形態において、クラッチ21を省略してもよい。この場合には、第1および第2の関節部7a、7bは、互いに分離されている。また、この場合、上述のステップS2、S3の代わりに、次のようにしてもよい。すなわち、回転角センサにより、第1および第2のモータ9、11の回転角を検出する。当該検出値に基づいて、制御装置23は、ステップS1でガタを減らした(または無くした)状態の第1および第2のモータ9、11の回転角の差を維持するように、第1および第2のモータ9、11の回転角を制御する。これにより、第1および第2の関節部7a、7bを同じ方向に回転させてもよい。このような制御で、第1のリンク3に対し第2のリンク5を回転させ、リンク装置10に所望の動作をさせる。
第1および第2モータ9、11の出力軸C1、C2を、それぞれ、ギアを介さずに関節部7a、7bに同軸に直結してもよい。
弾性体の代わりに、オイルダンパを設けてもよい。この場合、オイルダンパは、第1のリンク3と第1の関節部7aとの間、および、第1のリンク3と第2の関節部7bとの間に設けられる。これにより、第1または第2の関節部7a、7bが、前記ガタによる回転可能範囲内において、第1および第2のリンク3、5の前記一方に対し変位すると、この変位に伴ってオイルダンパは動作してよい。このオイルダンパの動作により衝撃が吸収される。
第1のリンク3に対し第2のリンク5を回転動作させている時に、第1のモータ9について、下記(A)〜(C)の弾性変位制御を行い、これと同時に、第2のモータ11についても、同様の弾性変位制御を行う。これにより、第1および第2のモータ9、11のトルクを一定に制御することができる。
(A)回転角センサにより、リンク回転角θαとモータ回転角θβとを検出する。
(B)検出したリンク回転角θαとモータ回転角θβを、次式(1)に適用することで、第1の関節部7aを、第1および第2のリンク3、5の前記一方に対して弾性変位させる上述の弾性体の変位Δθを求める。
Δθ=θα−N×θβ ・・・(1)
ここで、Nは、第1のモータ9と第1の関節部7aとの間の減速比であり、第1の関節部7aの前記ガタが一定である場合には、Δθ=一定となる。
(C)求めた変位Δθと変位の設定値とに基づいて、変位Δθが一定の当該設定値になるように、第1のモータ9の回転角を制御する。これにより、第1のモータ9のトルクが一定に制御される。
なお、上記(A)〜(C)を行う時には、クラッチ21を切断しておく。
図5において、θaは、リンク31とリンク3のなす角度を示し、θjは、リンク3とリンク5のなす角度を示し、θは、水平面とリンク31のなす角度を示す。
θa=θj=90°である場合に、上述の弾性体のバネ定数をkとすると、上述の弾性変位制御により、対象物29には、一定の力F=L3×k×Δθが接触部31aから作用することになる。ここで、k×Δθは、軸Cj周りに発生するトルクであり、L3は、リンク3の長さである。
7b 第2の関節部、9 第1のモータ、10 ロボットのリンク装置、
11 第2のモータ、19a、19b ベベルギア、
21 クラッチ、23 制御装置
Claims (5)
- ロボットの歩行脚またはアームとして機能するリンク装置であって、
歩行脚またはアームを構成する第1および第2のリンクと、
第1および第2のリンクを回転可能に連結する関節と、
前記関節は、該関節の軸方向一方側に設けられた第1の関節部と、該関節の軸方向他方側に設けられた第2の関節部と、を有し、
第1および第2の関節部は、第1および第2のリンクの一方に対し衝撃吸収用のガタをもって取り付けられ、第1および第2のリンクの他方に対し前記関節の軸周りに回転可能に取り付けられ、
さらに、前記他方に固定され、第1の関節部を前記軸周りに回転駆動する第1のモータと、
前記他方に固定され、第2の関節部を前記軸周りに回転駆動する第2のモータと、を備え、
第1および第2のモータは、第1および第2の関節部を同じ方向に回転駆動することで、第1のリンクに対し第2のリンクを回転させ、第1および第2の関節部を逆方向に回転駆動することで、当該回転方向の前記ガタの大きさを調整する、ことを特徴とするロボットのリンク装置。 - 第1および第2の関節部を同軸に連結可能なクラッチを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のロボットのリンク装置。
- 第1および第2モータは、それぞれ、ベベルギアを介して第1および第2の関節部を回転駆動し、
前記各モータの軸が前記他方のリンクの長手方向を向いている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のロボットのリンク装置。 - 第1および第2のモータの回転角を制御する制御装置を備え、
該制御装置は、
(A)第1および第2のモータの回転角を制御することで、第1および第2の関節部を逆方向に回転させ、これにより、前記ガタを減らし、
(B)この状態で、前記クラッチを接続させ、
(C)その後、第1および第2のモータの回転角を制御することで、第1および第2の関節部を同じ方向に回転させ、これにより、第1のリンクに対し第2のリンクを回転させる、ことを特徴とする請求項2に記載のロボットのリンク装置。 - 第1および第2のモータの回転角を制御する制御装置を備え、
該制御装置は、
(A)第1および第2のモータの回転角を制御することで、第1および第2の関節部を逆方向に回転させ、これにより、上記のガタを減らし、
(B)この状態における第1および第2のモータの回転角の差を維持するように、第1および第2のモータの回転角を制御することで、第1および第2の関節部を同じ方向に回転させ、これにより、第1のリンクに対し第2のリンクを回転させる、ことを特徴とする請求項1に記載のロボットのリンク装置。
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