以下、ワークの芯出し装置の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。図1は、工作機械の構成の一例を示しており、この工作機械は、例えば円環状のワークWの内周面を研削することに使用されるNC工作機械(立形内面研削盤1)である。この立形内面研削盤1は、ワークWの軸心と、このワークWが載置される主軸テーブル21の回転中心軸(基準軸A(主軸))とを互いに一致させた状態にして、主軸テーブル21とワークWとを一体回転させると共に、ホイールヘッド5の先端に取り付けられた砥石51をワークWの内周面に当接させることによって、当該ワークWの内周面を研削する。尚、以下の説明において、立形内面研削盤1の幅方向をX方向(図1の紙面右手前から左奥の方向)、奥行き方向をY方向(図1の示す左手前から右奥の方向)、高さ方向をZ方向(図1の上下方向)と呼ぶ場合がある。
立形内面研削盤1は、ベッド11と、このベッド11の後方側で立設するコラム12とを備えて構成されている。ベッド11の内部には、図2に示すように、Z方向に延びる主軸2が設けられている。主軸2は、Z方向に延びて配設されるハウジング22と、そのハウジング22内で、基準軸Aと同軸に配設される、図示省略の軸部材と、軸部材の下側において伝動ベルト23を介して駆動連結されるサーボモータ24と、を含んで構成されている。概略円盤状の前記主軸テーブル21は、そのテーブル面が上向きとなるように、前記軸部材の上端に固定されており、サーボモータ24の回転駆動に伴い、伝動ベルト23及び軸部材を通じて回転力が伝達されて、前記主軸テーブル21が、基準軸Aを中心として回転するようになる。
主軸テーブル21の上向きのテーブル面上には、永電磁チャック3が載置されている。永電磁チャック3の構造は公知であるため、ここでは詳細な構造の図示は省略するが、この永電磁チャック3は、スリップリング25を通じた通電によって、その上向きの載置面上に載置されたワークWを磁力により吸着して固定した状態と、その磁力を解除してワークWの取り外しが可能な状態とに切り替わる。
図1に示すように、前記コラム12には、その前方を向いた側面に、一対の第1リニアガイド41が取り付けられている。第1リニアガイド41は、第1テーブル42の裏面側に係合して、この第1テーブル42をX方向に往復移動可能に案内する部材であり、それぞれX方向に延びると共に、Z方向に間隔を空けて並設されている。一対の第1リニアガイド41の間には、第1サーボモータ43の出力軸44がX方向に延びるように配設されており、図示は省略するが、第1テーブル42の裏面側において、この出力軸44と第1テーブル42とは互いに係合している。これによって、第1サーボモータ43が正転、逆転駆動することに伴い、前記第1テーブル42はX方向に往復移動するようになっている。
前記第1テーブル42の表面には、それぞれZ方向に延びる一対の第2リニアガイド45が、X方向に間隔を空けて並設されていると共に、一対の第2リニアガイド45の間には、第2サーボモータ46の出力軸47がZ方向に延びるように配設されている。第2リニアガイド45は、第2テーブル48をZ方向に往復移動可能に案内するガイドであって、第2リニアガイド45と第2テーブル48とは、第2テーブル48の裏面側において互いに係合していると共に、第2テーブル48は、前記第2サーボモータ46の出力軸47とも係合しており、第2サーボモータ46が正転、逆転駆動することに伴い、前記第2テーブル48はZ方向に往復移動するようになっている。
第2テーブル48の表面にはホイールヘッド5が固定されている。ホイールヘッド5の回転軸(工具主軸)はZ方向に延びるように配設されており、その下端には、ワークWの内周面を研削するための砥石51が取り付けられている。尚、この回転軸を含む砥石51は、ホイールヘッド5の本体に対して着脱可能に構成されており、このホイールヘッド5には、必要に応じて、砥石51とは異なる工具や治具(例えば、後述する測定ヘッド54)を取り付けることが可能に構成されている。前述したように、第1テーブル42がX方向に往復移動可能であると共に、第2テーブル48がZ方向に往復移動可能であることから、ホイールヘッド5は、前記第1サーボモータ43及び第2サーボモータ46の正転及び逆転駆動に伴い、X方向及びZ方向のそれぞれの方向について往復移動をすることが可能である。
立形内面研削盤1は、操作盤52及び制御盤53を備えており、主軸2の駆動、ホイールヘッド5の駆動、第1テーブル42及び第2テーブル48の移動等を含む、立形内面研削盤1の各種制御は、この操作盤52及び制御盤53を通じて行われる。つまり、操作盤52に入力された入力情報、サーボモータ24,43,46等から得られる位置情報に基づいて、制御盤53が、前記サーボモータ24,43,46等の駆動制御を行うことにより、ワークWに対する研削が実行される。それと共に、この立形内面研削盤1では、後述するように、操作盤52及び制御盤53によってワークWの芯出し、つまりワークWの中心軸を基準軸Aに一致させることも自動的に行われる。
次に、この立形内面研削盤1に設けられている、ワークWの自動芯出し装置の構成について図を参照しながら説明する。自動芯出し装置は、図2に示すように、主軸テーブル21と永電磁チャック3との間に設けられたリフト機構6、固定機構7、及び、原点復帰機構8と、永電磁チャック3の外周囲の位置に配置されたプッシャー9と、ワークWの位置を測定する測定ヘッド54と、前記操作盤52及び制御盤53と、を含んで構成されている。
リフト機構6は、主軸テーブル21と永電磁チャック3との間に配設されて、永電磁チャック3を主軸テーブル21に対して浮き上がらせた状態で支持する機構である。リフト機構6は、主軸テーブル21における径方向の所定の位置に、図示は省略するが、周方向に等間隔を空けて、複数個(例えば6個や8個)設けられている。各リフト機構6は、図3に拡大して示すように、油圧が供給される油室65を区画する第1及び第2のシリンダ部材61,62と、第1シリンダ部材61に内挿されるピストン部材63と、ピストン部材63に対し締結によって固定されるピストンロッド64と、を備えていて、基本的には油圧シリンダの構成を有している。第1シリンダ部材61は、主軸テーブル21のテーブル面から凹陥して形成された凹陥部211内に内挿されて主軸テーブル21に固定されている。第1シリンダ部材61は、相対的に下側に形成された第1の内孔611と、第1の内孔611に連続すると共に、相対的に上側に形成された第2の内孔612とを有しており、第1の内孔611が下端に開口する一方で、第2の内孔612が上端に開口することにより、第1シリンダ部材61は、全体として概略筒状を有している。第1の内孔611は相対的に径の大きい孔であって、その周壁によって油室65の外周囲を区画する。第2シリンダ部材62は、前記第1シリンダ部材61の第1の内孔611に前記ピストン部材63が内挿された状態で、この第1の内孔611の下端開口を封止するように、第1シリンダ部材61の下端部に固定されている。第2シリンダ部材62の上面によって油室65の底部が区画される。第2シリンダ部材62には、前記油室65に連通する油圧給排口621が形成されており、この油圧給排口621は、図3では図示は省略する、油圧供給装置28に接続されている。
ピストン部材63は、その本体部631が第1シリンダ部材61と第2シリンダ部材62とによって区画された油室65内に配設されていると共に、下方に向かって延びる支持部632が第2シリンダ部材62に形成されている貫通孔622に内挿されており、支持部632の下端部のねじ部には、2つのナット26が締結されている。これによってピストン部材63は、油室65内に油圧が供給されたときには、上方に移動する一方、油室65内から油圧が排出されたときには、下方に移動するように構成されている。ここで、ピストン部材63が上昇したときには、上側のナット26の上端面が第2シリンダ部材62の下端面に当接し、このことにより、第2シリンダ部材62の上端位置が規制される。ピストン部材63はまた、その本体部631及び支持部632に対し上下方向に貫通形成されたねじ孔633を有している。前記ピストンロッド64は、このねじ孔633に締結されることによって、ピストン部材63に対して一体となるように設けられている。つまり、ピストン部材63とピストンロッド64とは、油室65内への油圧の供給及び排出に伴い、上下方向に往復移動をするように構成されている。
ピストンロッド64は、その上端部に、前記第1シリンダ部材61の第2の内孔612内に配設される載置部641が一体に形成されている。この載置部641は、その上端面から逆三角錐状に凹陥した支持凹部を有しており、この支持凹部に対して、球状のボール支持体66が載置されることになる。
前記第1シリンダ部材61の第2の内孔612は、相対的に径の小さい孔であって、前記ボール支持体66を収容する収容空間を区画形成する。第2の内孔612は、その上端に向かって先細となるように形成されたテーパ部613を有しており、このテーパ部613によって第2の内孔612の上端開口は、ボール支持体66の径よりも小径になっている。こうして、ボール支持体66を収容空間内に収容しつつも、後述するように、ボール支持体66の上端部が、第2の内孔612の上端開口から上方に突出することを可能にしている。
ボール支持体66は、前述したように、ピストンロッド64の載置部641に載置されており、油室65に油圧が供給されておらず、ピストンロッド64が下降した位置にあるときには、第2の内孔612の上端開口から上方に突出しない(退避状態)一方で、油室65に油圧が供給され、ピストンロッド64が上昇したときには、図3に仮想線で示すように、収容空間内のボール支持体66が持ち上げられて、その上端部が、上端開口から上方に突出する(突出状態)ように構成されている。ボール支持体66が突出状態にあるときには、このボール支持体66によって永電磁チャック3が持ち上げられて、永電磁チャック3が主軸テーブル21に対して浮き上がったリフト状態となる(例えば図5参照)。また、ボール支持体66は載置部641の支持凹部に載置されているため、ボール支持体66は載置部641上で転動が可能であり、これによって、永電磁チャック3は、ボール支持体66の転動を伴って、主軸テーブル21に対して相対移動が可能となる。
つまり、リフト機構6は、油室65に油圧が供給されたときには、永電磁チャック3をボール支持体66により支持することで、主軸テーブル21に対して浮き上がったリフト状態にすると共に、そのボール支持体66の転動によって、永電磁チャック3と主軸テーブル21とが互いに面接触していた状態と比較して、永電磁チャック3の移動の際の摩擦(静止摩擦)を大幅に低減した状態で、永電磁チャック3を主軸テーブル21に対して相対移動可能に支持する機能を有している。ここで、前述したように、ピストンロッド64は、ピストン部材63に対してねじの締結によって固定されており、このねじの締め込み量を調整することによって、ピストンロッド64の載置部641の上下方向位置を変更調整することが可能である。このことは、突出状態にしたときのボール支持体66の上端位置、換言すればリフト状態の永電磁チャック3と主軸テーブル21との間の隙間の大きさを変更することを可能にする。
摩擦低減の観点からは、ボール支持体66は、自己潤滑性及び摺動特性に優れた材料により成形することが好ましい。また、図示は省略するが、リフト機構6の構成としては、ボール支持体66と、載置部641との間に小径ボールを介在させることによって、ボール支持体66と、載置部641との間の摩擦を低減するようにしたボールキャスタを利用してもよい。また、こうしたボール支持体66を利用するのではなく、ピストンロッド64の載置部641を平面状にすると共に、当該ピストンロッド64を上昇したときに主軸テーブル21のテーブル面よりも上方に突出するように構成して、平面上の載置部641が永電磁チャック3の下面に直接当接してこれを支持するようにしてもよい。この構成において平面上の載置部641に、自己潤滑性及び摺動特性に優れた板状の樹脂を接着することによって、リフト状態の永電磁チャック3がこの樹脂上を摺動するようにしてもよい。
尚、油室65内の油圧を排出したときには、永電磁チャック3の重さによってピストンロッド64が下降し、ボール支持体66が収容空間内に収容された退避状態となって、永電磁チャック3が、主軸テーブル21上に載置された状態(非リフト状態)となる。
固定機構7は、主軸テーブル21と永電磁チャック3との間に配設されて、永電磁チャック3を主軸テーブル21上に載置した非リフト状態において、当該永電磁チャック3を主軸テーブル21に対して固定する機構である。固定機構7は、主軸テーブル21における径方向の所定の位置に、図示は省略するが、周方向に等間隔を空けて、複数個(例えば6個や8個)設けられている。尚、図2においては、リフト機構6を径方向の相対的に内側の位置に、固定機構7を径方向の相対的に外側の位置にそれぞれ配置しているが、固定機構7とリフト機構6との径方向位置は、これに限定されるものではない。例えばリフト機構6と固定機構7との配置位置を入れ替えて、固定機構7を径方向の相対的に内側の位置に、リフト機構6を径方向の相対的に外側の位置にそれぞれ配置してもよい。また、リフト機構6と固定機構7とを同じ径方向位置に配置してもよい。また、固定機構7とリフト機構6とを径方向に異なる位置に配置する場合には、固定機構7とリフト機構6とは、周方向に同じ位置に配置してもよいし、周方向に互いに位置をずらして配置してもよい。
各固定機構7は、図4に拡大して示すように、リフト機構6と同様に、基本的には油圧シリンダの構成を有している。つまり、固定機構7は、油圧が供給される油室75の一部を区画する第1及び第2のシリンダ部材71,72と、第1シリンダ部材71に内挿されるピストン部材73と、ピストン部材73に対し締結によって固定されるピストンロッド74と、を備えている。尚、以下の説明においてリフト機構6と同様の構成については適宜その説明を省略する。
第1シリンダ部材71は、主軸テーブル21のテーブル面から凹陥して形成された凹陥部212内に内挿されて主軸テーブル21に固定されている。第1シリンダ部材71は、下側に形成された第1の内孔711と、上側に形成された第2の内孔712と、第1の内孔711と第2の内孔712との間に形成された第3の内孔713とを有している。第1の内孔711は最も径の大きい孔であって、その周壁によって油室75の外周囲を区画する。第2シリンダ部材72は、第1の内孔711の下端開口を封止するように第1シリンダ部材71の下端部に固定されている。第2シリンダ部材72には、前記油室75に連通する油圧給排口721が形成されており、この油圧給排口721は、図3では図示は省略する、油圧供給装置28に接続されている。
ピストン部材73は、油室75内に配設された本体部731と、本体部731から下方に向かって延びる支持部732とを含んで構成されており、その支持部732が、第2シリンダ部材72の貫通孔722に内挿されると共に、その下端部のねじ部には2つのナット27が締結されている。ピストン部材73は、油室75内への油圧の給排に伴い上下に移動をするように構成されており、第2シリンダ部材72の上端位置は、上側のナット27の上端面が第2シリンダ部材72の下端面に当接することにより、規制される。このピストン部材73にも、上下方向に貫通形成されたねじ孔733を有しており、前記ピストンロッド74は、このねじ孔733に締結されることでピストン部材73に固定されている。
ピストンロッド74は、前述したようにその下端部が前記ピストンロッド74のねじ孔733に締結される一方、第1シリンダ部材71の第2の内孔712を貫通して配設されており、その上端部には、永電磁チャック3に形成されているT字状の係合溝31に対して係合する係合部741が一体に設けられている。この係合部741と係合溝31との間には、永電磁チャック3が主軸テーブル21に対して相対移動が可能となるように、移動代に相当する隙間が形成されている。
第3の内孔713は、第1の内孔711よりも小径でかつ、第2の内孔712よりも大径であり、その内部には、第3の内孔713と第2の内孔712との間の段部と、ピストン部材73の本体部731上面との間に介在して、油室75に油圧が供給されていないときにピストン部材73を下向きに付勢する皿ばね76が配設されている。
前記構成の固定機構7は、油室75に油圧が供給されたときには、皿ばね76の付勢力に抗してピストン部材73及びピストンロッド74が上方に移動をし、ピストンロッド74上端の係合部741と、永電磁チャック3の係合溝31との係合が解除されることになる(クランプ解除状態)。このクランプ解除状態と、前述したリフト機構6によりリフト状態とが組み合わさることで、永電磁チャック3は主軸テーブル21に対して相対移動可能となる。一方、油室75から油圧が排出され、皿ばね76の付勢力によってピストン部材73及びピストンロッド74が下方に移動をしたときには、ピストンロッド74上端の係合部741と、永電磁チャック3の係合溝31とが互いに係合することになる(クランプ状態)。このクランプ状態と、前述したリフト機構6により非リフト状態が組み合わさることで、永電磁チャック3は主軸テーブル21に対して固定される。尚、ここで、ピストンロッド74のねじの締め込み量を調整することによって、リフト状態における係合部741と係合溝31の上下方向の隙間を調整することが可能である。
原点復帰機構8は、図2では詳細な図示を省略しているが、主軸テーブル21と永電磁チャック3との間における基準軸A上に設けられ、永電磁チャック3の中心軸が基準軸Aに一致するように、永電磁チャック3を移動させる機能を有している。原点復帰機構8は、図5に拡大して示すように、主軸テーブル21側に設けられた油圧シリンダ81と、永電磁チャック3側に設けられかつ、前記油圧シリンダ81のピストンロッド82が係合する係合部83と、によって構成されている。
油圧シリンダ81は、主軸テーブル21内で基準軸Aと同軸に設けられており、この油圧シリンダ81のピストンロッド82は、基準軸Aと同軸に、上方に向かって延びて配設されている。尚、符号84は、ピストンロッド82を上下に往復移動可能に支持する支持部である。油圧シリンダ81の上側油室86に油圧を供給すると共に下側油室87から油圧を排出することに伴い、ピストンロッド82は下方に移動し、油圧シリンダ81の下側油室87に油圧を供給すると共に上側油室86から油圧を排出することに伴い、ピストンロッド82は上方に移動するように構成されている。
ピストンロッド82の上端部は、主軸テーブル21から上方に突出して永電磁チャック3内に位置しており、その上端部には、前記係合部83に係合する円錐部85が一体に取り付けられている。円錐部85は、下向きに縮径する逆円錐台形状を有しており、その外周面が、後述する係合孔831のテーパ面832と当接するテーパ面851を構成している。
一方、永電磁チャック3には、その中央位置に厚み方向に貫通する貫通孔32が形成されており、この貫通孔32内に係合部83が内挿されて固定されている。この係合部83に、前記係合孔831が形成されており、係合孔831は、前記係合部83において上下方向に貫通形成されると共に、すり鉢状に下向きに縮径したテーパ面832を含んで構成されている。テーパ面832は、その内周面が、前記円錐部85のテーパ面851と同じテーパ角度を有するように構成されている。
そうして、油圧シリンダ81の下側油室87に油圧を供給すると共に上側油室86から油圧を排出しているときには、前述したように、ピストンロッド82は相対的に上方に位置しており、この状態では、円錐部85と係合孔831との間には、永電磁チャック3が主軸テーブル21に対して相対移動を可能するための、移動代に相当する隙間が形成されている。一方、油圧シリンダ81の上側油室86に油圧を供給すると共に下側油室87から油圧を排出したときには、ピストンロッド82が下方に移動することで、円錐部85のテーパ面851と、係合孔831のテーパ面832とが互いに当接するようになる。ここで、前記固定機構7がクランプ解除状態にしつつ、リフト機構6が永電磁チャック3をリフト状態にした、換言すれば永電磁チャック3を、主軸テーブル21に対して相対移動可能にした上で、前記油圧シリンダ81の上側油室86に油圧を供給すると共に下側油室87から油圧を排出して、ピストンロッドを下向きに移動させたときには、同じテーパ角度を有するテーパ面851,832同士が当接することに伴い、永電磁チャック3の中心軸が基準軸Aに一致するように、永電磁チャック3は主軸テーブル21に対して相対移動をすることになる。こうして、詳しくは後述するが、ワークWの芯出しのために永電磁チャック3を移動させた後、次のワークWを永電磁チャック3上に固定するときには、永電磁チャック3の位置を原点に復帰させることが可能になる。
プッシャー9は、図2に示すように、例えばベッド11上において、永電磁チャック3及び主軸テーブル21に対し径方向の外方位置に配置されていて、永電磁チャック3を主軸テーブル21に対して相対移動させるために、永電磁チャック3の外周面を押圧する機能を有する。プッシャー9は、サーボモータ91と、サーボモータ91の出力軸に取り付けられて、サーボモータ91の正転、逆転駆動に伴い、永電磁チャック3に対して相対的に進退する押圧部92と、を備えて構成されている。サーボモータ91の出力軸は、詳細な図示は省略するが、円盤状の前記永電磁チャック3の外周面に当接して、永電磁チャック3を径方向の内方に向かって押圧するように、その径方向に(ここではX方向に)延びて配設されている。押圧部92の先端には、当該先端が永電磁チャック3の外周面に接触したことを検出する接触センサ93が取り付けられている。この接触センサ93は、その検出情報を制御盤53に出力する(図2の二点鎖線参照)。
また、ワークWの芯出しを行うときには、ワークWの内周面の位置を測定する測定ヘッド54が、前記ホイールヘッド5に取り付けられる。この測定ヘッド54は、永電磁チャック3上に固定されかつ、主軸テーブル21の駆動によって基準軸周りに回転するワークWの内周面に当接することによって、ワークWの周方向に対する、内周面と基準軸Aとの距離の変化を測定するものである。尚、測定ヘッド54をホイールヘッド5に取り付けるのではなく、ホイールヘッド5とは別に、第2テーブル48に取り付けるようにしてもよい。測定ヘッド54は、その測定結果、つまり、内周面と基準軸との距離の最大値及び最小値の差によって求まる偏心量を制御盤53に出力する。尚、その最大値及び最小値となるワークWの周方向位置に対応する偏心方向は、測定ヘッド54からの情報と主軸2のサーボモータ24からの情報とに基づいて得られることになる。
制御盤53は、ワークWの芯出しに関係して以下の処理を実行する。つまり、先ずワークWを永電磁チャック3上に固定、及び、その固定解除をすべく、制御盤53は、スリップリング25を通じた永電磁チャック3への通電制御を行う。また、ワークWの、永電磁チャック3上での位置を検出すべく、制御盤53は、主軸2のサーボモータ24に対して制御信号を出力すると共に、ホイールヘッド5の測定ヘッド54をワークWの内周面に当接させるべく、制御盤53は、第1及び第2サーボモータ43,46をそれぞれ制御する。そうして、前述したように、制御盤53は、サーボモータ24から角度情報を取り込むと共に、測定ヘッド54からの測定結果を取り込む。さらに、測定結果に基づいて、ワークWの位置を調整すべく、制御盤53は、主軸2のサーボモータ24に対して制御信号を出力すると共に、プッシャー9のサーボモータ91に対して制御信号を出力する。加えて、これらワークWの位置測定やワークWの移動に同期して、前記制御盤53は、前述したリフト機構6、固定機構7及び原点復帰機構8に対する油圧の給排を、油圧供給装置28を通じて実行する。
次に、図6,7を参照しながら、前記の自動芯出し装置(制御盤53)が実行するワークWの芯出し動作及び制御について説明する。先ず、永電磁チャック3(尚、図6では永電磁チャック3を「面板」と称する)上に、基準軸Aと同軸になるようにワークWを載置すると共に、永電磁チャック3の通電によりワークWを永電磁チャック3上に固定する(ステップS1)。続くステップS2では、前記リフト機構6及び固定機構7に油圧を供給し、それによって永電磁チャック3のクランプを解除すると共に、永電磁チャック3をリフト状態にする。これによって、永電磁チャック3は、主軸テーブル21に対して相対移動可能な状態となる。
ステップS3では、例えば図2に示すように、測定ヘッド54を降ろしてワークWの内径に当接させつつ、主軸2のサーボモータ24の駆動により永電磁チャック3に固定されたワークWを基準軸A周りに回転させることによって、内径基準でワークWの偏心を測定する。ここでは図7のP1に示すように、ワークWの偏心量として、最大値(r1)及び最小値(r2)、並びに、偏心方向として、その最大値となる周方向の位置(図7に示すように、プッシャー9の押圧方向(X方向)と、最大値(r1)となる周方向との成す角度である偏心角度θ)をそれぞれ測定する。
測定が完了すれば、ステップS4において測定した偏心量((r1−r2)/2)が、予め設定した許容値を下回っているか否かを判定し、下回っているYESのときにはワークWの芯出しが完了しているとしてステップS7に移行するのに対し、偏心量が許容値以上であるNOのときにはステップS5に移行する。
ステップS5では、ワークWの偏心方向とプッシャー9の押圧方向(X方向)とが一致するように、前記の偏心角度θに基づいてサーボモータ24を駆動することで、当該角度θが0になるように主軸テーブル21を回転させる(図7のP2参照)。つまり、最大値(r1)となる周方向位置が、プッシャー9の位置と等しくなるように、主軸テーブル21を回転させる。そうして、続くステップS6で、プッシャー9を駆動することで、偏心量((r1−r2)/2)だけワークWが移動するように永電磁チャック3を移動させる(図7のP2参照)。このステップS6においては、プッシャー9の接触センサ93の検出情報に基づいて、押圧部92の先端が永電磁チャック3の外周面に当接した状態から、前記の偏心量分だけ永電磁チャック3を移動するように、サーボモータ91の駆動が制御される。このようにしてワークWの芯出しが自動で行われることになる(図7のP3参照)。
ステップS6が終了すればステップS3に戻り、確認のためワークWの偏心測定を再度行う。その後、ステップS4に移行して、ワークWの偏心量が許容値を下回っていないときには前記ステップS5,6の芯出し動作を再度実行し、ワークWの偏心量が許容値を下回ったときには、ワークの芯出しが完了したとして、ステップS7に移行する。
尚、ステップS6において、プッシャー9を駆動してワークWを移動させるときに、測定ヘッド54を降ろしてワークWの内径に当接させてワークWの移動量を計測し、ワークWが指令値通り移動したか確認するようにしてもよい。この場合、ワークWの移動量が指令値通りであることが確認できれば、ステップS3に戻るのを省略してステップS7に移行してもよい。
ステップS7では、リフト機構6及び固定機構7に供給している油圧を排出し、それによって、永電磁チャック3を非リフト状態にすると共に、その永電磁チャック3を主軸テーブル21に対して固定する。こうして、ワークWが芯出しされた状態で、主軸2に対して保持されることになる。
その後、ステップS8でワークWに対する研削加工を開始し(尚、この時点ではホイールヘッド5に砥石51が取り付けられている)、その加工が終了するまで加工を継続する(ステップS9)。一方、加工が終了すれば、永電磁チャック3に再び通電して、ワークWのチャックを解除し、ワークWを主軸2から取り外すことになる(ステップS10)。
その後ステップS11では、リフト機構6及び固定機構7に油圧を再び供給して、永電磁チャック3のクランプを解除すると共に、永電磁チャック3をリフト状態にする。その後ステップS12で、原点復帰機構8の油圧シリンダ81の上側油室86に油圧を供給すると共に下側油室87から油圧を排出することで、前述したように、テーパ面851,832同士の当接に伴い、永電磁チャック3の中心軸を基準軸Aに一致させた後、原点復帰機構8の油圧シリンダ81の下側油室87に油圧を供給すると共に上側油室86から油圧を排出することでピストンロッド82を上方に移動させ、次にリフト機構6及び固定機構7に供給している油圧を排出し、永電磁チャック3を非リフト状態にすると共に、その永電磁チャック3を主軸テーブル21に対して固定する。
その後、別のワークWの加工を継続して行う場合は、フローはステップS1に戻る(図6の一点鎖線参照)一方、ワークWの加工が終了するときにはフローは終了することになる。
以上説明したように、この芯出し装置は、永電磁チャック3上のワークWの偏心状態(偏心量及び偏心方向)を測定した上で、ワークWの偏心方向とプッシャー9の押圧方向(X方向)とが一致するように、主軸テーブル21(ワークW)を基準軸A周りに回転させると共に、ワークWの偏心量が0になる量だけプッシャー9を駆動して、永電磁チャック3(ワークW)を径方向の内方(X方向)に移動させる。このため、ワークWの微小な移動を繰り返し行わなくても、ワークWの芯出しを自動で行うことが可能であり、芯出し作業に要する時間を短縮して、ワークWの加工に係るサイクルタイムを短縮し得る。
芯出し装置は、ワークの位置を測定する測定ヘッド54と、主軸2に内蔵されずに、その外部で独立して設けられる1つのプッシャーとを組み合わせた簡易な構成であり、芯出し装置に必要なサーボモータの個数を最小限(1個)にしてコストの低減化を図り得ると共に、トラブル発生時等には、その復旧を迅速に行い得る。
またリフト機構6を備えることで、プッシャー9によって永電磁チャック3を押圧移動するときには、永電磁チャック3をボール支持体66によって支持したリフト状態にするから、永電磁チャック3の押圧移動の際の静止摩擦力を最小限に抑制し、永電磁チャック3の移動を精度良く行い得る。つまり、静止摩擦力が大きい場合に起こり得る、永電磁チャック3の動き出し時のオーバーシュートを抑制し、プッシャー9の駆動によって、所望の移動量だけ永電磁チャック3を移動させることが可能になる。このことは、プッシャー9の1回の駆動でワークWの芯出しが完了することを実現し、芯出しに要する時間の短縮を図る上で有利になる。
さらに原点復帰機構8を備えることで、永電磁チャック3を主軸テーブル21に対して相対移動させてワークWの芯出しを行う本構成においても、永電磁チャック3が主軸テーブル21に対して大きくずれていってしまうことが回避し得る。つまり、ワークWの加工を繰り返し行うことでワークWの芯出しを繰り返し行う場合においても、永電磁チャック3の中心軸を基準軸Aと同軸となるように永電磁チャック3の位置を元に戻すことで、前述した固定機構7や原点復帰機構8に設定されている移動代を確保して、前述した芯出し動作を確実に行い得るようになる。
図8は、図2とは異なる構成の自動芯出し装置を示している。この例は、パレットチェンジャー100上に自動芯出し装置を設けた例を示している。パレットチェンジャー100上に自動芯出し装置を設けることは、ワークWの芯出しを、工作機械に送る前に予め行い得ることから、ワークWの加工に要するサイクルタイムを大幅に短縮し得るという利点がある。ここでパレットチェンジャー100は、詳細な図示は省略するが、工作機械に対して隣接して配設されると共に、例えば2個や6個等の複数個のパレットを、順次、工作機械の加工場所(例えば前記の例では、主軸2)に対して供給し得る装置である。尚、以下の説明において、前記の立形内面研削盤1乃至芯出し装置と同じ構成については、同じ符号を付してその説明を省略する場合がある。また、立形内面研削盤1乃至芯出し装置に対応する構成については、前記の各符号の頭に「10」を追加した、3桁又は4桁の符号を付すことにする。
この自動芯出し装置は、パレットチェンジャー100において、立形内面研削盤1に対しパレットを送り出すための送り出しステーションに設けられている。この送り出しステーションには、芯出テーブル1021が配設されている。芯出テーブル1021は、前記の主軸テーブル21に対応するものである。芯出テーブル1021は、基準軸Aと同軸に配設される図示省略の軸部材の上端部に取り付けられており、この軸部材の下端部には、伝動ベルト1023を介してサーボモータ1024が駆動連結されている。サーボモータ1024の駆動に伴い、前記芯出テーブル1021は、前記主軸テーブル21と同様に、基準軸Aを中心として回転することになる。
芯出テーブル1021上には、パレット103が載置されると共に、芯出テーブル1021とパレット103とは、公知のカービックカップリング1033を通じて、互いに同軸で固定されるように構成されている。尚、図示は省略するが、立形内面研削盤1の主軸テーブル21にもカービックカップリングが設けられ、これによって、パレットチェンジャー100から移送されたパレット103は、立形内面研削盤1の主軸(基準軸A)に対しても同軸となるように固定される。
パレット103は、互いに重ね合わされたT溝面板1031とパレットベース1032とを含んで構成されている。T溝面板1031は、詳細な図示は省略するが、その上面に、横断面T字状の複数の溝が放射状に形成されており、T溝に係合する抱き爪1034によって、ワークWをその上面に固定するための面板である。このT溝面板1031は、前記の永電磁チャック3に対応する。一方、パレットベース1032の下面側に、前記のカービックカップリング1033が設けられていると共に、このパレットベース1032とT溝面板1031との間に、それぞれ前記と同じ構成である、リフト機構6、固定機構7及び原点復帰機構8が設けられている。従って、リフト機構6は、T溝面板1031を、パレットベース1032に対して持ち上げて支持したリフト状態と、T溝面板1031をパレットベース1032上に載置した非リフト状態とに切り換え得る。また、固定機構7は、T溝面板1031をパレットベース1032に対して固定したクランプ状態と、クランプ解除状態とを切り換え得る。さらに、原点復帰機構8は、T溝面板1031の中心軸が、パレットベース1032、ひいては芯出テーブル1021の基準軸Aに対して同軸となるように、T溝面板1031を移動し得る。尚、符号101は、パレット103を芯出テーブル1021から持ち上げて、立形内面研削盤1へと移送するためのパレットリフタである。
図8の例においては、ワークWはその外周面に多数の歯が形成された歯車状であると共に、ワークWの芯出しを外径基準で行うようにしている。このため、前記の測定ヘッド54とは異なる構成の測定ヘッド1054が、パレットチェンジャー100上に設けられている。この測定ヘッド1054は、径方向(水平方向)延びて、ワークWの外周面の歯底に当接する測定ロッドと割り出しシリンダとを備えており、この測定ヘッド1054は、芯出テーブル1021の回転によってワークWを回転させつつ、その周方向に離れた複数箇所(例えば12箇所)において、ワークWの外周面の歯底の位置を測定するように構成されている。測定ヘッド1054は、その測定結果を制御盤53に出力する点は、前記と同様である。尚、ワークWの芯出しを内径基準で行う場合には、前記の測定ヘッド54と同様の構成を、パレットチェンジャー100に設ければよい。また、ワークWの外周面に歯が形成されていない場合は、割り出しシリンダは不要であるため、これを省略すればよい。また図8に図示する、割り出しシリンダ付きの測定ヘッド1054を、前記立形内面研削盤に設ける場合もあり得る。
ワークWを移動させるためのプッシャー9は、前記と同様の構成であり、ここではT溝面板1031の外周面を押圧するように構成されている。
次に、このパレットチェンジャー100に設けた自動芯出し装置が実行するワークWの芯出し動作及び制御について説明する。先ず、T溝面板1031上に、基準軸Aと同軸になるようにワークWを載置すると共に、抱き爪1034のクランプによってワークWをT溝面板1031上に固定する。
そうして、当該パレット103が芯出しステーションに搬送されれば、油圧供給装置28を通じてリフト機構6及び固定機構7に油圧を供給し、それによってT溝面板1031のクランプを解除すると共に、T溝面板1031をリフト状態にする。これによって、T溝面板1031は、パレットベース1032に対して相対移動可能な状態となる。
そうして、測定ヘッド1054を前進させて、測定ロッドの先端をワークWの外周面の歯底に当接させる。また、操作盤52を通じて歯数の情報を入力する(又は、歯数の情報を予め入力していてもよい)。制御盤53は、入力情報に基づき、芯出テーブル1021を回転させることでワークWを回転させながら複数箇所の外径位置を測定する。尚、ワークWの歯数情報を入力するのではなく、ワークWのナンバーとワークWに関する情報とを対応付けて予め記憶している場合には、ワークWのナンバーを入力してもよい。そうして測定箇所以外は補間を行うことによって、外径基準で、ワークWの偏心(最大値r1、最小値r2及び偏心角度θ)が得られることになる。
測定完了後、その偏心量が許容値以上であるときには、ワークWの芯出し動作を実行する。具体的には、前記と同様に、ワークWの偏心方向とプッシャー9の押圧方向とが一致するように、測定した偏心角度θに基づいてサーボモータ1024を駆動することで、当該角度θが0になるように芯出テーブル1021を回転させる。その後、プッシャー9を駆動することで、偏心量((r1−r2)/2)だけワークWが移動するようにT溝面板1031を移動させる。このようにして、ワークWの芯出しが自動で行われることになる。
ワークWの芯出しが完了すれば、リフト機構6及び固定機構7に供給している油圧を排出し、それによって、T溝面板1031を非リフト状態にすると共に、そのT溝面板1031をパレットベース1032に対して固定する。こうして、ワークWが芯出しされた状態で(ここでは、ワークWの中心軸とパレットベース1032の中心軸とが互いに一致した状態である)、パレット103に保持されることになる。
その後、パレット103は、パレットリフタ101によってパレットチェンジャー100から立形内面研削盤1に移送され、図示は省略するが、主軸テーブル21に対し、カービックカップリングを介して固定される。カービックカップリングにより、立形内面研削盤1の主軸2とパレットベース1032の中心軸とは互いに同軸となるように位置付けられるから、ワークWの中心軸もまた、主軸2(基準軸A)に対して同軸となる。そうして立形内面研削盤1においても、ワークWの芯出しが完了することになる。その後は、ワークWに対する研削加工が行われ、加工完了後には、立形内面研削盤1からパレットチェンジャー100の送り出しステーションに、パレット103が戻されることになる。
パレットチェンジャー100にパレット103が戻れば、リフト機構6及び固定機構7に油圧を再び供給して、T溝面板1031のクランプを解除すると共に、T溝面板1031をリフト状態にする。その後、原点復帰機構8への油圧の供給排出を制御することで、T溝面板1031の中心軸を基準軸Aに一致させる。原点復帰機構8の動作が完了すれば、再び油圧の供給排出を制御してT溝面板1031をフリーの状態にした後、リフト機構6及び固定機構7に供給している油圧を排出して、T溝面板1031を非リフト状態にすると共に、T溝面板1031をパレットベース1032に対して固定する。こうして、パレットチェンジャー100に設けた芯出し装置の一連の動作が終了する。
尚、この実施形態では、立形内面研削盤1を例に、芯出し装置の構成について説明したが、ここに開示する芯出し装置は立形内面研削盤への適用に限定されず、各種の立形の工作機械に広く適用し得る。