しかしながら、複数のステップカウンタを備える交通信号制御機では、異常時に手動で各信号灯器の灯色を切り替える場合、ステップカウンタの数だけの操作用のボタン(スイッチ)を設けて、ステップカウンタそれぞれに対して、個別に手動歩進のための操作(例えば、手動歩進の操作ボタンを押す操作)を行う必要がある。しかし、各信号灯器の灯色の表示時間をバランスよく実現するためには、順序良く手動歩進の操作を行う必要があり操作が非常に煩雑になるという問題がある。
このような、煩雑な操作を回避する方法として、例えば、操作用のボタンを1つだけ設けることにして、1つの操作用のボタンで複数のステップカウンタに対して同時に歩進するように構成することも可能である。しかし、表示時間の長い灯色のステップと表示時間の短い灯色のステップとが同じタイミングで重なった場合に、手動歩進の操作を行って各灯色のステップを同時に歩進させたときには、一方の灯色の表示時間が短すぎる状態になる場合、あるいは表示時間が長すぎる状態になる場合が生じ、各信号灯器の灯色を適切なタイミングで手動歩進させることができないという問題がある。以下、かかる問題について具体的に説明する。
図13は交差点の一例を示す模式図であり、図14は従来の交通信号制御機の上りと下りの一例としての現示階梯図である。図13に示すように、上り(図中N方向)に進む車両に対して、信号灯器の灯色は、1G(直進および左折可の青矢)、1Y(黄色)及び1R(赤色)を例示している。また、下り(図中S方向)に進む車両に対して、信号灯器の灯色は、1G(直進および左折可の青矢)、1Y(黄色)及び1R(赤色)を例示している。なお、他の信号灯器、灯色は説明を簡略化するため省略している。また、図14は正常時の各ステップの様子を示す。
図14に示すように、ステップカウンタは、上り(N方向)と下り(S方向)の2つを備える。上り(N方向)に対しては、ステップ(階梯)1、2、3を例示している。N方向のステップ1では、1G(直進および左折可の青矢)及び1R(赤色、図中二重線で示す)が点灯し、ステップ2では、1Y(黄色、図中折れ線で示す)が点灯(1Gは無灯)し、ステップ3では1R(赤色)が点灯することを示す。また、下り(S方向)に対しては、ステップ(階梯)1、2、3を例示している。S方向のステップ1では、1G(直進および左折可の青矢)及び1R(赤色、図中二重線で示す)が点灯し、ステップ2では1Y(黄色、図中折れ線で示す)が点灯し、ステップ3では1R(赤色)が点灯することを示す。
例えば、N方向のステップカウンタがステップ1を示し、S方向のステップカウンタがステップ1から2に切り替わった切替時点では、図14に示すように、表示時間の長い青矢(1G)のステップ1と表示時間の短い黄色(1Y)のステップ2とが同じタイミングで重なっていることがわかる。この切替時点以降、手動歩進操作を行うものとする。
図15は従来の交通信号制御機で青信号に注目して手動歩進操作を行った場合の例を示す説明図である。図15に示すように、手動歩進操作を行う操作員が、例えば、N方向の車両が十分に捌けるように、青矢1Gの表示時間に注目し、青矢1Gの表示時間が、例えば、20秒となるように、切替時点から約20秒経過後に手動歩進操作を行った場合、N方向及びS方向の両方のステップカウンタに対して歩進指令が送出されるので、N方向のステップカウンタはステップ1から2へ切り替わり、S方向のステップカウンタはステップ2から3へ切り替わる。この場合、S方向の黄色(1Y)の表示時間が長すぎる状態となるため、通常黄色は短いと考えているS方向の車両の運転者を混乱させるおそれがある。
図16は従来の交通信号制御機で黄信号に注目して手動歩進操作を行った場合の例を示す説明図である。図16に示すように、手動歩進操作を行う操作員が、例えば、S方向に走行する車両を確実に停止させ、かつ黄色表示が長くなりその車両の運転者を混乱させないように、S方向の黄色1Yの表示時間に注目し、黄色1Yの表示時間が、例えば、5秒となるように、切替時点から約5秒経過後に手動歩進操作を行った場合、N方向及びS方向の両方のステップカウンタに対して歩進指令が送出されるので、N方向のステップカウンタはステップ1から2へ切り替わり、S方向のステップカウンタはステップ2から3へ切り替わる。この場合、N方向の青矢(1G)の表示時間が短すぎる状態となるため、N方向の車両を十分に捌くことができず、N方向に渋滞を生じさせるおそれがある。
このように、1つの手動歩進操作用のボタン(スイッチ)で複数のステップカウンタを歩進させる場合、適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができないという問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、簡単な手動操作により適切なタイミングで信号灯器の灯色の切替えを行うことができる交通信号制御機を提供することを目的とする。
第1発明に係る交通信号制御機は、複数の信号灯器の灯色をステップ毎に切り替える交通信号制御機において、前記複数の信号灯器のステップが自動歩進であるか否かを示すステップ情報を記憶する記憶部と、灯色を切り替えるための手動歩進操作を受け付ける操作部と、前記複数の信号灯器のステップを順次個別に指定するとともに、前記操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップを歩進制御する制御部とを備え、該制御部は、指定したステップが自動歩進である場合、該ステップに切り替わった後、所定時間以内に前記操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、前記所定時間経過後に前記ステップの次のステップへ歩進すべく制御するように構成してあることを特徴とする。
第2発明に係る交通信号制御機は、複数の信号灯器の灯色をステップ毎に切り替える交通信号制御機において、前記複数の信号灯器のステップの灯色を示すステップ情報を記憶する記憶部と、灯色を切り替えるための手動歩進操作を受け付ける操作部と、前記複数の信号灯器のステップを順次個別に指定するとともに、前記操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップを歩進制御する制御部とを備え、該制御部は、指定したステップの灯色が黄色である場合、該ステップに切り替わった後、所定時間以内に前記操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、前記所定時間経過後に前記ステップの次のステップへ歩進すべく制御するように構成してあることを特徴とする。
第3発明に係る交通信号制御機は、第2発明において、前記制御部は、前記操作部で手動歩進操作を受け付けた場合に、指定した一方のステップの灯色が黄色であって、指定した他のステップの灯色が黄色以外であるときは、前記一方のステップのみ次のステップへ歩進すべく制御するように構成してあることを特徴とする。
第4発明に係る交通信号制御機は、複数の信号灯器の灯色をステップ毎に切り替える交通信号制御機において、前記複数の信号灯器のステップの灯色を示すステップ情報を記憶する記憶部と、灯色を切り替えるための手動歩進操作を受け付ける操作部と、前記複数の信号灯器のステップを順次個別に指定するとともに、前記操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップを歩進制御する制御部とを備え、該制御部は、指定したステップの灯色が赤色である場合、該ステップに切り替わった後、所定時間以内に前記操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、前記所定時間経過後に前記ステップの次のステップへ歩進すべく制御するように構成してあることを特徴とする。
第5発明に係る交通信号制御機は、複数の信号灯器の灯色をステップ毎に切り替える交通信号制御機において、前記複数の信号灯器のステップの階梯種別を示すステップ情報を記憶する記憶部と、灯色を切り替えるための手動歩進操作を受け付ける操作部と、前記複数の信号灯器のステップを順次個別に指定するとともに、前記操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップを歩進制御する制御部とを備え、該制御部は、指定したステップが短階梯である場合、該ステップに切り替わった後、所定時間以内に前記操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、前記所定時間経過後に前記ステップの次のステップへ歩進すべく制御するように構成してあることを特徴とする。
第6発明に係る交通信号制御機は、複数の信号灯器の灯色をステップ毎に切り替える交通信号制御機において、前記複数の信号灯器のステップの最長表示時間を示すステップ情報を記憶する記憶部と、灯色を切り替えるための手動歩進操作を受け付ける操作部と、前記複数の信号灯器のステップを順次個別に指定するとともに、前記操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップを歩進制御する制御部とを備え、該制御部は、指定したステップの最長表示時間が所定値以内である場合、該ステップに切り替わった後、所定時間以内に前記操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、前記所定時間経過後に前記ステップの次のステップへ歩進すべく制御するように構成してあることを特徴とする。
第7発明に係る交通信号制御機は、第1発明乃至第6発明のいずれか1つにおいて、前記記憶部は、所定のステップに対する灯色の最短表示時間を記憶してあり、前記制御部は、前記所定のステップに切り替わった後、前記最短表示時間以内に前記操作部で手動歩進操作を受け付けた場合、前記所定のステップの次のステップへ歩進しないように制御するように構成してあることを特徴とする。
第8発明に係る交通信号制御機は、第7発明において、前記所定のステップの灯色は、青色であることを特徴とする。
第9発明に係る交通信号制御機は、第1発明乃至第8発明のいずれか1つにおいて、前記制御部は、指定したステップに切り替わった後、所定時間以内に前記操作部で手動歩進操作を受け付けたときは、前記ステップの次のステップへ歩進すべく制御するように構成してあることを特徴とする。
第10発明に係る交通信号制御機は、第1発明乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記制御部は、前記複数の信号灯器のステップを順次指定する複数のステップ指定部と、前記操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、前記ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する指令出力部とを備え、該指令出力部は、前記ステップ指定部に対して前記次のステップを指定すべく指令を出力するか否かを判定するようにしてあり、前記ステップ指定部は、前記指令出力部から出力された指令に基づいて、前記次のステップを指定するように構成してあることを特徴とする。
第11発明に係る交通信号制御機は、第1発明乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記制御部は、前記複数の信号灯器のステップを順次指定する複数のステップ指定部と、前記操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、前記ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する指令出力部とを備え、該指令出力部は、前記ステップ指定部に対して前記次のステップを指定すべく指令を出力するようにしてあり、前記ステップ指定部は、前記指令出力部から出力された指令の有効又は無効の判定を行うようにしてあり、有効と判定した場合に、前記次のステップを指定するように構成してあることを特徴とする。
第1発明にあっては、複数の信号灯器のステップが自動歩進であるか否かを示すステップ情報を記憶する記憶部と、灯色を切り替えるための手動歩進操作を受け付ける操作部と、複数の信号灯器のステップを順次個別に指定するとともに、操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップを歩進制御する制御部とを備える。制御部は、指定したステップが自動歩進である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間以内に操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、所定時間経過後に当該ステップの次のステップへ歩進すべく制御する。制御部は、例えば、複数の信号灯器のステップを順次指定する複数のステップ指定部と、受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する指令出力部とで構成することができる。
自動歩進は、例えば、あるステップの表示時間の経過後に自動的に次のステップへ歩進することをいう。また、自動歩進であるか否かは、例えば、自動歩進フラグを用いて、フラグが1であれば自動歩進であり、フラグが0であれば自動歩進ではないとすることができる。ステップ指定部(制御部)は、例えば、ステップカウンタであり、現時点のステップを指定する(示す)とともに、指令出力部から出力された指定を受けて、現時点のステップから次のステップへ歩進する(次のステップを指定する)。ステップ指定部は、例えば、交差点の上り方向に対応する各信号灯器の灯色を切り替えるものと、下り方向に対応する各信号灯器の灯色を切り替えるものなど複数備える。
指令出力部(制御部)は、一のステップ指定部で指定したステップが自動歩進である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間など)以内に操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、所定時間経過後(経過時点も含む)に一のステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する。そして、一のステップ指定部は、指令に基づいて、次のステップを指定する。例えば、一のステップ指定部で指定するステップの灯色が黄色であり、他のステップ指定部で指定するステップの灯色が青色(青矢も含む)である場合、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、指令出力部は、所定時間経過後に一のステップ指定部に対して指令を出力するので、所定時間経過後に黄色の灯色が切替わることになる。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、青信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、黄色信号の表示時間が長すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
第2発明にあっては、複数の信号灯器のステップの灯色を示すステップ情報を記憶する記憶部と、灯色を切り替えるための手動歩進操作を受け付ける操作部と、複数の信号灯器のステップを順次個別に指定するとともに、操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップを歩進制御する制御部とを備える。制御部は、指定したステップの灯色が黄色である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間以内に操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、所定時間経過後に当該ステップの次のステップへ歩進すべく制御する。制御部は、例えば、複数の信号灯器のステップを順次指定する複数のステップ指定部と、受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する指令出力部とで構成することができる。
ステップ指定部(制御部)は、例えば、ステップカウンタであり、現時点のステップを指定する(示す)とともに、指令出力部から出力された指定を受けて、現時点のステップから次のステップへ歩進する(次のステップを指定する)。ステップ指定部は、例えば、交差点の上り方向に対応する各信号灯器の灯色を切り替えるものと、下り方向に対応する各信号灯器の灯色を切り替えるものなど複数備える。
指令出力部(制御部)は、一のステップ指定部で指定したステップの灯色が黄色である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間など)以内に操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、所定時間経過後(経過時点も含む)に一のステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する。そして、一のステップ指定部は、指令に基づいて、次のステップを指定する。例えば、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、指令出力部は、所定時間経過後に一のステップ指定部に対して指令を出力するので、所定時間経過後に黄色の灯色が切替わることになる。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、青信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、黄色信号の表示時間が長すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
第3発明にあっては、制御部は、操作部で手動歩進操作を受け付けた場合に、指定した一方のステップの灯色が黄色であって、指定した他のステップの灯色が黄色以外であるときは、一方のステップのみ次のステップへ歩進すべく制御する。すなわち、指令出力部は、操作部で手動歩進操作を受け付けた場合に、一のステップ指定部で指定するステップの灯色が黄色であり、他のステップ指定部で指定したステップの灯色が黄色以外であるときは、一のステップ指定部のみに対して次のステップを指定すべく指令を出力する。例えば、一のステップ指定部で指定するステップの灯色が黄色であり、他のステップ指定部で指定するステップの灯色が黄色以外の青色(青矢も含む)である場合、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、指令出力部は、所定時間経過後に一のステップ指定部のみに対して指令を出力するので、所定時間経過後に黄色の灯色が切替わることになる。また、操作員が黄信号だけに注目して、黄信号の表示時間が短くなるように手動歩進操作を早めた場合でも、指令出力部は、他のステップ指定部へは指令を出力しないので、手動歩進操作が行われた時点では、青信号は切替わらない。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号、あるいは黄信号のいずれを注目して手動歩進の操作を行っても、黄信号が長すぎる状態及び青信号が短すぎる状態のいずれの状態にもなることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
第4発明にあっては、複数の信号灯器のステップの灯色を示すステップ情報を記憶する記憶部と、灯色を切り替えるための手動歩進操作を受け付ける操作部と、複数の信号灯器のステップを順次個別に指定するとともに、操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップを歩進制御する制御部とを備える。制御部は、指定したステップの灯色が赤色である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間以内に操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、所定時間経過後に当該ステップの次のステップへ歩進すべく制御する。制御部は、例えば、複数の信号灯器のステップを順次指定する複数のステップ指定部と、受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する指令出力部とで構成することができる。
ステップ指定部(制御部)は、例えば、ステップカウンタであり、現時点のステップを指定する(示す)とともに、指令出力部から出力された指定を受けて、現時点のステップから次のステップへ歩進する(次のステップを指定する)。ステップ指定部は、例えば、交差点の上り方向に対応する各信号灯器の灯色を切り替えるものと、下り方向に対応する各信号灯器の灯色を切り替えるものなど複数備える。
指令出力部(制御部)は、一のステップ指定部で指定したステップの灯色が赤色である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間など)以内に操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、所定時間経過後(経過時点も含む)に一のステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する。そして、一のステップ指定部は、指令に基づいて、次のステップを指定する。例えば、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、指令出力部は、所定時間経過後に一のステップ指定部に対して指令を出力するので、所定時間経過後に赤色の灯色が切替わることになる。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、青信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、赤色信号の表示時間が長すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
第5発明にあっては、複数の信号灯器のステップの階梯種別を示すステップ情報を記憶する記憶部と、灯色を切り替えるための手動歩進操作を受け付ける操作部と、複数の信号灯器のステップを順次個別に指定するとともに、操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップを歩進制御する制御部とを備える。制御部は、指定したステップが短階梯である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間以内に操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、所定時間経過後に当該ステップの次のステップへ歩進すべく制御する。制御部は、例えば、複数の信号灯器のステップを順次指定する複数のステップ指定部と、受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する指令出力部とで構成することができる。
ステップ指定部(制御部)は、例えば、ステップカウンタであり、現時点のステップを指定する(示す)とともに、指令出力部から出力された指定を受けて、現時点のステップから次のステップへ歩進する(次のステップを指定する)。ステップ指定部は、例えば、交差点の上り方向に対応する各信号灯器の灯色を切り替えるものと、下り方向に対応する各信号灯器の灯色を切り替えるものなど複数備える。
指令出力部(制御部)は、一のステップ指定部で指定したステップが短階梯である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間など)以内に操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、所定時間経過後(経過時点も含む)に一のステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する。そして、一のステップ指定部は、指令に基づいて、次のステップを指定する。例えば、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、指令出力部は、所定時間経過後に一のステップ指定部に対して指令を出力するので、所定時間経過後に短階梯のステップが切替わることになる。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、青信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、短階梯のステップの表示時間が長すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
第6発明にあっては、複数の信号灯器のステップの最長表示時間を示すステップ情報を記憶する記憶部と、灯色を切り替えるための手動歩進操作を受け付ける操作部と、複数の信号灯器のステップを順次個別に指定するとともに、操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップを歩進制御する制御部とを備える。制御部は、指定したステップの最長表示時間が所定値以内である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間以内に操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、所定時間経過後に当該ステップの次のステップへ歩進すべく制御する。制御部は、例えば、複数の信号灯器のステップを順次指定する複数のステップ指定部と、受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する指令出力部とで構成することができる。
ステップ指定部(制御部)は、例えば、ステップカウンタであり、現時点のステップを指定する(示す)とともに、指令出力部から出力された指定を受けて、現時点のステップから次のステップへ歩進する(次のステップを指定する)。ステップ指定部は、例えば、交差点の上り方向に対応する各信号灯器の灯色を切り替えるものと、下り方向に対応する各信号灯器の灯色を切り替えるものなど複数備える。
指令出力部(制御部)は、一のステップ指定部で指定したステップの最長表示時間が所定値以内である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間など)以内に操作部で手動歩進操作を受け付けていないとき、所定時間経過後(経過時点も含む)に一のステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する。そして、一のステップ指定部は、指令に基づいて、次のステップを指定する。例えば、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、指令出力部は、所定時間経過後に一のステップ指定部に対して指令を出力するので、所定時間経過後にステップが切替わることになる。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、青信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、最長表示時間が比較的短い(所定値以内)灯色の表示時間が長すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
第7発明にあっては、記憶部は、所定のステップに対する灯色の最短表示時間を記憶してあり、制御部は、所定のステップに切り替わった後、最短表示時間以内に操作部で手動歩進操作を受け付けた場合、当該所定のステップの次のステップへ歩進しないように制御する。すなわち、指令出力部(制御部)は、他のステップ指定部で指定した所定のステップに切り替わった後、最短表示時間以内に操作部で手動歩進操作を受け付けた場合、他のステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力しない。所定のステップに対する灯色は、例えば、表示時間が他の灯色に比べて長く点灯させることが好ましいものであり、一例としては青色(青矢も含む)の灯色とすることができる。これにより、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号、あるいは黄信号のいずれを注目して手動歩進の操作を行っても、最短表示時間以内の操作であれば次のステップへ歩進せず、例えば青色の灯色が最短表示時間だけ点灯するので、黄信号が長すぎる状態及び青信号が短すぎる状態のいずれの状態にもなることを回避することができ、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
第8発明にあっては、所定のステップの灯色は、青色である。これにより、青信号が短じかすぎる状態になることを回避することができる。
第9発明にあっては、制御部は、指定したステップに切り替わった後、所定時間以内に操作部で手動歩進操作を受け付けたときは、当該ステップの次のステップへ歩進すべく制御する。すなわち、指令出力部(制御部)は、一のステップ指定部(制御部)で指定したステップに切り替わった後、所定時間以内に操作部で手動歩進操作を受け付けたときは、一のステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する。例えば、一のステップ指定部で指定するステップの灯色が黄色であり、他のステップ指定部で指定するステップの灯色が青色(青矢も含む)である場合、手動歩進操作を行う操作員が、黄信号に注目して、黄信号の表示時間が短くなるように手動歩進操作を早めた場合、一のステップ指定部も他のステップ指定部も歩進するので、所望のタイミングで歩進することができる。
第10発明にあっては、制御部は、複数の信号灯器のステップを順次指定する複数のステップ指定部と、操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する指令出力部とを備える。指令出力部は、ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力するか否かを判定するようにしてあり、ステップ指定部は、指令出力部から出力された指令に基づいて、次のステップを指定する。すなわち、制御部を複数のステップ指定部と指令出力部とで構成し、指令出力部が指令を出力するか否かの判定に応じて歩進制御を行うことができる。
第11発明にあっては、制御部は、複数の信号灯器のステップを順次指定する複数のステップ指定部と、操作部で受け付けた手動歩進操作に基づいて、ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力する指令出力部とを備える。指令出力部は、ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令を出力するようにしてあり、ステップ指定部は、指令出力部から出力された指令の有効又は無効の判定を行うようにしてあり、有効と判定した場合に、次のステップを指定する。すなわち、制御部を複数のステップ指定部と指令出力部とで構成し、指令出力部は指令をステップ指定部へ出力し、ステップ指定部が、当該指令を有効とするか無効とするかを判定し、当該判定に応じて歩進制御を行うことができる。
本発明によれば、青信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、黄色信号の表示時間が長すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
実施の形態1
以下、本発明に係る交通信号制御機の実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る交通信号制御機100の構成の一例を示すブロック図である。交通信号制御機100は、CPU1、CPUインタフェース2、クロック回路3、タイマ回路4、5、ステップ同期回路6、灯色を切り替えるための手動歩進操作を受け付ける操作部としての手動操作部9、信号灯器の灯色に対応するステップ(階梯、現示階梯など)を歩進制御する制御部20、ステップ情報を記憶する記憶部としての現示メモリ11、現示メモリ読取回路12などを備える。また、制御部20は、信号灯器の灯色に対応するステップ(階梯、現示階梯など)を順次指定する(示す)複数のステップ指定部としてのステップカウンタ7、8、ステップ指定部に対して次のステップを指定すべく指令(カウントアップ指令)を出力する指令出力部としての手動制御部10などを備える。
CPU1は、CPUインタフェース2を介して、各信号灯器の各ステップ(階梯)に対応する灯色の切替タイミング(ステップの歩進)を定めたステップ情報に基づいて、灯色の切替タイミング信号である歩進指令をステップカウンタ7、8へ送出する。歩進指令は、現示を次の階梯に進める(ステップを次のステップに進める)指令である。なお、灯色情報で示す灯色の切替タイミングは、例えば、交差点で交差する各道路の交通状況を感知する感応制御などにより適宜変更される。なお、ステップ情報の詳細は後述する。
タイマ回路4、5は、クロック回路3から出力されるクロック信号に基づいて駆動され、ステップ(階梯)の単位時間(各ステップの時間長)を設定する設定信号をステップカウンタ7、8へ出力する。
ステップカウンタ7、8は、CPU1から送出される歩進指令に基づいて、お互いに独立して、信号灯器のステップを順次指定する。具体的には、ステップカウンタ7、8は、CPU1から送出される歩進指令に基づいて、お互いに独立してステップを計時し、ステップ信号を生成する。ステップカウンタ7、8は、生成したステップ信号を現示メモリ読取回路12へ出力する。また、ステップカウンタ7、8は、タイマ回路4、5から出力される設定信号に基づいて、ステップを計時する。また、ステップカウンタ7、8は、手動制御部10から出力されるカウントアップ指令(指令)に基づいて、ステップを計時する。なお、ステップを計時するとは、現在のステップを指し示しつつ、ステップを次のステップへ順次進めることを意味する。
ステップ同期回路6は、ステップカウンタ7、8それぞれが出力するステップ信号を同期させる必要がある場合に、ステップカウンタ7、8へ同期信号を出力する。
手動操作部9は、CPU1の異常時などの場合、手動操作で信号灯器の灯色を切り替えるときに使用される。手動操作部9は、手動歩進を行うための操作ボタン(スイッチ)を備える。操作ボタンが押される都度、手動操作部9は、操作信号を手動制御部10へ出力する。また、手動操作を行う場合としては、交通状況に応じて行われるだけでなく、イベントに対応するために、警察署員が手動操作を行う場合もある。イベントとしては、例えば、国賓又は要人が乗った車両を交差点で停止させることなく通過させる場合、マラソンや事故が発生した際に交通規制を行う場合などがある。
手動制御部10は、手動操作部9から操作信号を受け取ると、現示メモリ読取回路12を介して入力されたステップ情報に基づいて、ステップカウンタ7、8へカウントアップ指令(指令)を出力する。なお、手動制御部10は、ステップ情報の内容に応じて、ステップカウンタ7、8のいずれか一方だけにカウントアップ指令を出力し、他方にはカウントアップ指令を出力しない場合がある。すなわち、手動制御部10は、ステップカウンタ7、8に対してカウントアップ指令を出力するか否かを判定するようにしてあり、判定結果に応じて、ステップカウンタ7、8に対してカウントアップ指令を出力する。
現示メモリ読取回路12は、ステップカウンタ7、8それぞれが出力するステップ信号に基づいて、現示メモリ11に記憶されたステップ情報を読み取り、読み取ったステップ情報に基づいて、各信号灯器へ灯色出力を行う。
図2は本実施の形態に係る交通信号制御機100で制御される信号灯器が設置された交差点の一例を示す模式図である。図2に示すように、進行方向N1へ向かう車両に対して信号灯器の灯色は、N1G(直進の青矢および左折の青矢)、N1A(右折の青矢)、N1Y(黄)、N1R(赤)、N1AY(青矢が無灯になった後の黄)、N1AR(青矢が無灯になった後の赤)である。
また、進行方向N2へ向かう車両に対して信号灯器の灯色は、N2G(直進の青矢および左折の青矢)、N2A(右折の青矢)、N2Y(黄)、N2R(赤)、N2AY(青矢が無灯になった後の黄)、N2AR(青矢が無灯になった後の赤)である。
また、進行方向S1へ向かう車両に対して信号灯器の灯色は、S1G(直進の青矢および左折の青矢)、S1A(右折の青矢)、S1Y(黄)、S1R(赤)、S1AY(青矢が無灯になった後の黄)、S1AR(青矢が無灯になった後の赤)である。
また、進行方向S2へ向かう車両に対して信号灯器の灯色は、S2G(直進の青矢および左折の青矢)、S2A(右折の青矢)、S2Y(黄)、S2R(赤)、S2AY(青矢が無灯になった後の黄)、S2AR(青矢が無灯になった後の赤)である。
図2において、例えば、N1方向を上り、S1方向を下りとすることができる。なお、上り及び下りは、限定的なものではなく適宜決めることができる。
図3及び図4は本実施の形態に係る交通信号制御機100が使用する一例としての現示階梯図である。図3はステップカウンタ7により計時されるステップ(階梯)及び各信号灯器を示し、図4はステップカウンタ8により計時されるステップ(階梯)及び各信号灯器を示す。図において灯色情報(N1Yなど)は上述のとおりである。図中、二重線は赤色表示を表し、折れ線は黄色表示を示す。丸印の中の矢印は青矢を表す。また、流れ図は、車両が進行することができる方向を表す。
例えば、図3において、ステップ1、2、3では、進行方向N1の車両に対する交通制御を行い、ステップ4、5、6では、進行方向S1の車両に対する交通制御を行い、ステップ7、8、9では、進行方向N2の車両に対する交通制御を行い、ステップ10、11、12では、進行方向S2の車両に対する交通制御を行う。同様に、図4において、ステップ1、2、3では、進行方向S1の車両に対する交通制御を行い、ステップ4、5、6では、進行方向N1の車両に対する交通制御を行い、ステップ7、8、9では、進行方向S2の車両に対する交通制御を行い、ステップ10、11、12では、進行方向N2の車両に対する交通制御を行う。このように、ステップカウンタ7、8は、お互いに独立して上り方向と下り方向の交通制御を行うために機能する。
図5及び図6は本実施の形態に係る交通信号制御機100が使用するステップ情報の一例を示す説明図である。図5は図3に対応し、ステップカウンタ7により計時され、図6は図4に対応し、ステップカウンタ8により計時される。ステップ情報は、ステップ毎の各灯色の状態(点灯又は消灯)を示す灯色情報、各ステップの基準表示秒数(基準表示時間)、最短表示秒数(最短表示時間)、最長表示秒数(最長表示時間)、階梯種別、自動歩進フラグなどの各情報を含む。
基準表示秒数は、例えば、通常の交通状況において採用される表示秒数である。また、最短表示秒数は、感応制御などにより表示秒数を短縮する場合の許容範囲を示す表示秒数の下限値であり、最長表示秒数は、表示秒数を延長する場合の許容範囲を示す表示秒数の上限値である。
階梯種別は、例えば、基準表示秒数の長短に応じて、長階梯、中階梯、短階梯などに区分され、短階梯は表示秒数が短い階梯を示し、長階梯は表示秒数が長い階梯を示し、中階梯は、表示秒数が長階梯と短階梯との間にある階梯を示す。
自動歩進は、例えば、あるステップの表示時間の経過後に自動的に次のステップへ歩進することをいう。自動歩進フラグは、自動歩進であるか否かを示す。例えば、自動歩進フラグが1であれば自動歩進であり、自動歩進フラグが0であれば自動歩進ではないとすることができる。信号灯器の灯色の切替を手動で行う場合(手動歩進の場合)、自動歩進フラグが0であれば、手動歩進の操作が行われない限り、現状のステップが維持される。一方、自動歩進フラグが1であれば、基準表示時間が経過する前に手動歩進の操作が行われない場合、基準表示時間の経過後(経過時も含む)に自動的に次のステップに進む(歩進する)。
なお、自動歩進のための指令は、手動制御部10が出力することができるが、これに限定されるものではなく、タイマ回路4、5から出力される設定信号を用いて自動歩進を行うこともできる。
次に、本実施の形態に係る交通信号制御機100の手動制御部10による動作について説明する。以下の動作は、手動で歩進を行う場合の説明である。図7は本実施の形態に係る交通信号制御機100の動作を説明するためのステップ情報の一部を示す説明図である。図7は、動作説明を容易にするために、ステップカウンタ7、8で計時されるステップのうち、ステップ1、2、3のみを抜き出している。すなわち、図2で示す交差点において、進行方向がN1の車両に対する信号灯器と、進行方向がS1の車両に対する信号灯器とについて、ステップが1、2、3の場合について説明する。図7の例は、交差点の交通状況に応じて信号灯器のステップの表示時間が調整された結果の一例を示し、表示時間は図5及び図6の例と異なっている。また、ステップカウンタ8で計時されるステップ2は、自動歩進フラグが1にセットされており、自動歩進を行う。
(動作例1)
図8は本実施の形態に係る交通信号制御機100の動作例1を示すタイムチャートである。図8(a)は、手動歩進操作待ちの状態を示す。ステップカウンタ7は、現在のステップ(現在ステップ)としてステップ1を指定(計時)しており、信号灯器はN1G(青矢)が点灯している。また、ステップカウンタ8は、現在のステップ(現在ステップ)としてステップ2を指定(計時)しており、信号灯器はS1Y(黄)が点灯している。
図8(b)に示すように、手動制御部10は、ステップカウンタ8(一方のステップ指定部)で指定したステップ2に切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間)経過の時点T1より以前の時点(例えば、時刻t1)に手動歩進操作を受け付けたときは、ステップカウンタ8へカウントアップ指令を出力する。これにより、ステップカウンタ8は、ステップ信号を生成し、ステップ2から次のステップ3へ切り替わり、信号灯器の灯色はS1Y(黄)からS1R(赤)へ切り替わる。同様に、時刻t1において、手動制御部10は、ステップカウンタ7へカウントアップ指令を出力する。これにより、ステップカウンタ7は、ステップ信号を生成し、ステップ1から次のステップ2へ切り替わり、信号灯器の灯色はN1Gが点灯から無灯になる。
図8(c)に示すように、手動制御部10は、ステップカウンタ8(一方のステップ指定部)で指定したステップ2が自動歩進である場合、ステップ2に切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間)の経過の時点T1より以前に手動歩進操作を受け付けなかったときは、所定時間経過後(経過の時点を含む)にステップカウンタ8に対してカウントアップ指令を出力する。これにより、ステップカウンタ8は、ステップ信号を生成し、ステップ2から次のステップ3へ切り替わり、信号灯器の灯色はS1Y(黄)からS1R(赤)へ切り替わる。一方、手動制御部10は、ステップカウンタ7へカウントアップ指令を出力しない。これにより、ステップカウンタ7は、ステップ1を計時したままであり、信号灯器の灯色はN1Gが点灯した状態を続ける。
上述のように、動作例1では、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、手動制御部10は、所定時間経過後に、ステップカウンタ8に対してカウントアップ指令を出力するので、所定時間経過後に黄色の灯色が切替わることになる。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、青信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、黄色信号の表示時間が長すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
実施の形態2
上述の実施の形態1では、操作員が、青信号に注目して操作する場合を想定しているが、操作員が仮に黄信号に注目して手動歩進を行う場合には、青信号の表示時間が短くなるという事態を回避することができない場合がある。具体的には、図8(b)に例示するように、ステップカウンタ7では、N1G(青矢)が早く打ち切られるので、N1方向の車両を十分に捌くことができず、N1方向に渋滞を生じさせるおそれがある。実施の形態2では、かかる課題を解決することができる。
(動作例2)
図9は実施の形態2に係る交通信号制御機100の動作例2を示すタイムチャートである。図9(a)は、図8(a)と同様、手動歩進操作待ちの状態を示す。ステップカウンタ7は、現在のステップ(現在ステップ)としてステップ1を指定(計時)しており、信号灯器はN1G(青矢)が点灯している。また、ステップカウンタ8は、現在のステップ(現在ステップ)としてステップ2を指定(計時)しており、信号灯器はS1Y(黄)が点灯している。また、動作例2では、自動歩進フラグを具備していない。
図9(b)に示すように、手動制御部10は、時刻t2において、手動歩進操作を受け付けた場合に、ステップカウンタ8(一のステップ指定部)で指定したステップ2の灯色が黄色であり、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)で指定したステップ1の灯色が黄色以外(例えば、図9のように青矢を含む青色の場合)であるときは、ステップカウンタ8のみに対して次のステップを指定すべくカウントアップ指令を出力する。ステップカウンタ8は、時刻t2において、次のステップ3へ歩進し、信号灯器はS1Y(黄)からS1R(赤)に切り替わる。
上述のように、動作例2では、手動歩進操作を行う操作員が、黄信号だけに注目して、黄信号の表示時間が短くなるように手動歩進操作を早めた場合でも、ステップカウンタ7で指定したステップ1の灯色が黄色以外であれば、手動制御部10は、ステップカウンタ7へはカウントアップ指令を出力しないので、手動歩進操作が行われた時刻t2では、青信号は切替わらない。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、黄信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、黄信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、青信号が黄信号と同時に短い時間で切り替わる事態を回避することができ、青色信号の表示時間が短すぎる状態になることを回避することができる。そして、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
(動作例3)
図10は実施の形態2に係る交通信号制御機100の動作例3を示すタイムチャートである。図10(a)は図8(a)、図9(a)と同様である。動作例3は、動作例1及び2を組み合わせたものである。図10(b)に示すように、手動制御部10は、ステップカウンタ8(一方のステップ指定部)で指定したステップ2が自動歩進である場合、ステップ2に切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間)経過の時点T1より以前の時点(例えば、時刻t2)に手動歩進操作を受け付けたときは、ステップカウンタ7で指定したステップ1の灯色が黄色以外であれば、ステップカウンタ8のみへカウントアップ指令を出力し、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)へはカウントアップ指令を出力しない。すなわち、ステップカウンタ8(一方のステップ指定部)が指定するステップ(ステップ2)の灯色が黄色であり、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)が指定するステップ(ステップ1)の灯色が黄色以外なので、ステップカウンタ7で指定したステップ(ステップ1)は歩進しない。一方、ステップカウンタ8(一方のステップ指定部)が指定するステップは、次の2つの条件の両方を満たすので歩進する。すなわち、第1の条件はステップカウンタ8(一方のステップ指定部)が指定するステップ(ステップ2)の灯色が黄色であり、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)が指定するステップ(ステップ1)の灯色が黄色以外であることである。第2の条件はステップカウンタ8(一方のステップ指定部)が指定するステップ(ステップ2)は、基準表示時間T1以前の時刻t2に手動歩進操作を受け付けたことである。これにより、ステップカウンタ8は、ステップ信号を生成し、ステップ2から次のステップ3へ切り替わり、信号灯器の灯色はS1Y(黄)からS1R(赤)へ切り替わる。また、ステップカウンタ7は、ステップ1を計時したままであり、信号灯器の灯色はN1Gが点灯した状態を続ける。なお、図10(b)の動作は、図9(b)の動作と同様である。
図10(c)に示すように、手動制御部10は、ステップカウンタ8(一方のステップ指定部)で指定したステップ2が自動歩進である場合、ステップ2に切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間)経過の時点T1より以前に手動歩進操作を受け付けなかったときは、所定時間経過後(経過時点も含む)にステップカウンタ8に対してカウントアップ指令を出力する。これにより、ステップカウンタ8は、ステップ信号を生成し、ステップ2から次のステップ3へ切り替わり、信号灯器の灯色はS1Y(黄)からS1R(赤)へ切り替わる。一方、手動制御部10は、ステップカウンタ7へカウントアップ指令を出力しない。これにより、ステップカウンタ7は、ステップ1を計時したままであり、信号灯器の灯色はN1Gが点灯した状態を続ける。
上述の動作例3では、動作例1および2の両方のメリットを享受することができる。すなわち、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも(例えば、図10(c)の場合)、手動制御部10は、所定時間経過後にステップカウンタ8(一のステップ指定部)のみに対してカウントアップ指令を出力するので、所定時間経過後に黄色の灯色が切替わることになる。また、操作員が黄信号だけに注目して、黄信号の表示時間が短くなるように手動歩進操作を早めた場合でも(図10(b)の場合)、手動制御部10は、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)へはカウントアップ指令を出力しないので、手動歩進操作が行われた時刻t2では、青信号は切替わらない。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号、あるいは黄信号のいずれを注目して手動歩進の操作を行っても、黄信号が長すぎる状態及び青信号が短すぎる状態のいずれの状態にもなることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
実施の形態3
上述の実施の形態1では、操作員が、青信号に注目して操作する場合を想定しているが、操作員が仮に黄信号に注目して手動歩進を行う場合には、青信号の表示時間が短くなるという事態を回避することができない場合がある。具体的には、図8(b)に例示するように、ステップカウンタ7では、N1G(青矢)が早く打ち切られるので、N1方向の車両を十分に捌くことができず、N1方向に渋滞を生じさせるおそれがある。実施の形態3では、かかる課題を解決することができる。
(動作例4)
図11は実施の形態3に係る交通信号制御機100の動作例4を示すタイムチャートである。図11の例では、図5に例示したように、ステップ1の最短表示時間(最短表示秒数)を利用する。なお、図11(a)は図8(a)、図9(a)、図10(a)と同様である。
図11(b)に示すように、手動制御部10は、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)で指定したステップ1(所定のステップ)に切り替わった後、最短表示時間経過の時点T3より以前の時刻t3で手動歩進操作を受け付けた場合、ステップカウンタ7に対して次のステップを指定すべくカウントアップ指令を出力しない。所定のステップに対する灯色は、例えば、表示時間が他の灯色に比べて長く点灯させることが好ましいものであり、一例としては図11のように青色(青矢も含む)の灯色とすることができる。
手動制御部10は、時刻t3で手動歩進操作を受け付けた場合、ステップカウンタ8が指定するステップが所定のステップ(ステップ1)ではないので、ステップカウンタ8へカウントアップ指令を出力する。これにより、ステップカウンタ8は、ステップ信号を生成し、ステップ2から次のステップ3へ切り替わり、信号灯器の灯色はS1Y(黄)からS1R(赤)へ切り替わる。また、ステップカウンタ7は、ステップ1を計時したままであり、信号灯器の灯色はN1Gが点灯した状態を続ける。
上述のように、動作例4では、ステップカウンタ8(一のステップ指定部)で指定するステップ2の灯色が黄色であり、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)で指定するステップの灯色が所定のステップの灯色である青色(青矢も含む)である場合、手動歩進操作を行う操作員が、黄信号に注目して、黄信号の表示時間が短くなるように手動歩進操作を早めた場合でも、手動制御部10は、手動歩進の操作を行った時刻t3までの経過時間が最短表示時間以内であれば、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)に対してカウントアップ指令を出力しないので、青信号は最短表示時間より短い表示時間で切替ることはない。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、黄信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、黄信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、青色信号の表示時間が短すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
(動作例5)
図12は実施の形態3に係る交通信号制御機100の動作例5を示すタイムチャートである。動作例5は、動作例1及び4を組み合わせたものであり、図11の例と同様に、ステップ1の最短表示時間(最短表示秒数)を利用する。なお、図12(a)は図11(a)と同様である。
図12(b)に示すように、手動制御部10は、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)で指定したステップ1(所定のステップ)に切り替わった後、最短表示時間経過の時点T3以前の時刻t3で手動歩進操作を受け付けた場合、ステップカウンタ7に対して次のステップを指定すべくカウントアップ指令を出力しない。所定のステップに対する灯色は、例えば、表示時間が他の灯色に比べて長く点灯させることが好ましいものであり、一例としては図11のように青色(青矢も含む)の灯色とすることができる。手動制御部10は、時刻t3において、ステップカウンタ8へカウントアップ指令を出力する。
すなわち、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)が指定するステップ(ステップ1)が所定のステップである青色であり、かつ青色の最短表示時間T3以前の時刻t3に手動歩進操作を受け付けているので、ステップカウンタ7で指定したステップ(ステップ1)は歩進しない。一方、ステップカウンタ8(一方のステップ指定部)が指定するステップは、次の2つの条件の両方を満たすので歩進する。すなわち、第1の条件はステップカウンタ8(一方のステップ指定部)が指定するステップ(ステップ2)は所定のステップ(青色)ではないことである。第2の条件はステップカウンタ8(一方のステップ指定部)が指定するステップ(ステップ2)は、基準表示時間T1以前の時刻t3に手動歩進操作を受け付けたことである。これにより、ステップカウンタ8は、ステップ信号を生成し、ステップ2から次のステップ3へ切り替わり、信号灯器の灯色はS1Y(黄)からS1R(赤)へ切り替わる。また、ステップカウンタ7は、ステップ1を計時したままであり、信号灯器の灯色はN1Gが点灯した状態を続ける。
図12(c)に示すように、手動制御部10は、ステップカウンタ8(一方のステップ指定部)で指定したステップ2が自動歩進である場合、ステップ2に切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間)経過の時点T1以前に手動歩進操作を受け付けなかったときは、所定時間経過後(経過時点も含む)にステップカウンタ8に対してカウントアップ指令を出力する。これにより、ステップカウンタ8は、ステップ信号を生成し、ステップ2から次のステップ3へ切り替わり、信号灯器の灯色はS1Y(黄)からS1R(赤)へ切り替わる。一方、手動制御部10は、ステップカウンタ7へカウントアップ指令を出力しない。これにより、ステップカウンタ7は、ステップ1を計時したままであり、信号灯器の灯色はN1Gが点灯した状態を続ける。
上述のように、動作例5では、手動歩進操作を行う操作員が、黄信号に注目して、黄信号の表示時間が短くなるように手動歩進操作を早めた場合でも、手動制御部10は、最短表示時間以内であれば、ステップカウンタ7に対してカウントアップ指令を出力しないので、青信号は最短表示時間より短い表示時間で切替ることはない(図12(b)参照)。これにより、青色の必要最小限の表示時間を確保しつつ、黄色の灯色を早く消灯させることができる。
また、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、手動制御部10は、所定時間経過後に、ステップカウンタ8に対してカウントアップ指令を出力するので、所定時間経過後に黄色の灯色が切替わることになる(図12(c)参照)。
上述の動作例5では、動作例1および4の両方のメリットを享受することができる。すなわち、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも(図12(c)参照)、手動制御部10は、所定時間経過後にステップカウンタ8(一のステップ指定部)のみに対してカウントアップ指令を出力するので、所定時間経過後に黄色の灯色が切替わることになる。また、操作員が黄信号だけに注目して、黄信号の表示時間が短くなるように手動歩進操作を早めた場合でも(図12(b)参照)、手動制御部10は、時刻t3までの経過時間が最短表示時間以内であれば、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)へはカウントアップ指令を出力しないので、手動歩進操作が行われた時刻t3では、青信号は切替わらない。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号、あるいは黄信号のいずれを注目して手動歩進の操作を行っても、黄信号が長すぎる状態及び青信号が短すぎる状態のいずれの状態にもなることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
上述の動作例4、5では、所定のステップとして青色(青矢を含む)のステップについて、最短表示時間と手動歩進操作を受け付けた時間との対比を行っているが、灯色に限らず最短表示時間と手動歩進操作を受け付けた時間との対比を行うこともできる。例えば、黄色のステップについて最短表示時間と手動歩進操作を受け付けた時間との対比を行う場合、図12(b)の例は次のように言い換えることができる。すなわち、ステップカウンタ7(他のステップ指定部)が指定するステップ(ステップ1)である青色の最短表示時間T3以前の時刻t3に手動歩進操作を受け付けているので、ステップカウンタ7で指定したステップ(ステップ1)は歩進しない。一方、ステップカウンタ8(一方のステップ指定部)が指定するステップは、次の2つの条件の両方を満たすので歩進する。すなわち、第1の条件はステップカウンタ8(一方のステップ指定部)が指定するステップ(ステップ2)である黄色の最短表示時間(例えば、図12(b)の例では、時刻t3より以前の時刻までの時間)以降の時刻t3に手動歩進操作を受け付けていることである。第2の条件はステップカウンタ8(一方のステップ指定部)が指定するステップ(ステップ2)は、基準表示時間T1以前の時刻t3に手動歩進操作を受け付けたことである。
上述の図8、図10、図12の例では、ステップカウンタ8(一のステップ指定部)が指定したステップは自動歩進であるとして説明した。しかし、ステップカウンタ8が指定するステップは、自動歩進に限定されるものではない。例えば、ステップカウンタ8(一のステップ指定部)で指定したステップの灯色が黄色である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間など)以内に手動歩進操作を受け付けていないとき、手動制御部10は、所定時間経過後(経過時点も含む)にステップカウンタ8に対して次のステップを指定すべくカウントアップ指令を出力するようにしてもよい。そして、ステップカウンタ8は、カウントアップ指令に基づいて、次のステップを指定する。例えば、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、手動制御部10は、所定時間経過後にステップカウンタ8に対してカウントアップ指令を出力するので、所定時間経過後に黄色の灯色が切替わることになる。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、青信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、黄色信号の表示時間が長すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
また、ステップカウンタ8(一のステップ指定部)で指定したステップの灯色が赤色である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間など)以内に手動歩進操作を受け付けていないとき、手動制御部10は、所定時間経過後(経過時点も含む)にステップカウンタ8に対して次のステップを指定すべくカウントアップ指令を出力するようにしてもよい。そして、ステップカウンタ8は、カウントアップ指令に基づいて、次のステップを指定する。例えば、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、手動制御部10は、所定時間経過後にステップカウンタ8に対してカウントアップ指令を出力するので、所定時間経過後に赤色の灯色が切替わることになる。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、青信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、赤色信号の表示時間が長すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
また、ステップカウンタ8(一のステップ指定部)で指定したステップが短階梯である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間など)以内に手動歩進操作を受け付けていないとき、手動制御部10は、所定時間経過後(経過時点も含む)にステップカウンタ8に対して次のステップを指定すべくカウントアップ指令を出力してもよい。そして、ステップカウンタ8は、カウントアップ指令に基づいて、次のステップを指定する。例えば、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、手動制御部10は、所定時間経過後にステップカウンタ8に対して指令を出力するので、所定時間経過後に短階梯のステップが切替わることになる。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、青信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、短階梯のステップの表示時間が長すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
また、ステップカウンタ8(一のステップ指定部)で指定したステップの最長表示時間が所定値(例えば、9秒など)以内である場合、当該ステップに切り替わった後、所定時間(例えば、基準表示時間など)以内に手動歩進操作を受け付けていないとき、手動制御部10は、所定時間経過後(経過時点も含む)にステップカウンタ8に対して次のステップを指定すべくカウントアップ指令を出力してもよい。そして、ステップカウンタ8は、カウントアップ指令に基づいて、次のステップを指定する。例えば、手動歩進操作を行う操作員が、青信号に注目して、青信号の表示時間が長くなるように手動歩進操作を遅らせた場合でも、手動制御部10は、所定時間経過後にステップカウンタ8に対してカウントアップ指令を出力するので、所定時間経過後にステップが切替わることになる。このように、操作員は、多くの信号灯器の中で、青信号だけに注目して手動歩進の操作を行うだけで、青信号を所望の表示時間で切り替えることができるとともに、最長表示時間が比較的短い(所定値以内)灯色の表示時間が長すぎる状態になることを回避することができるので、簡単な手動操作だけで適切なタイミングで信号灯器の灯色を切り替えることができる。
上述の各動作例では、ステップ情報のうち、ステップ1、2、3だけに注目して説明したが、他のステップ、例えば、ステップ4、5及び6、ステップ7、8及び9、ステップ10、11及び12についても同様である。
上述の実施の形態では、ステップカウンタを2つ設ける構成であったが、交差点に交差する道路の数が多くなり、信号灯器の制御がさらに複雑になる場合、あるいは、歩行者用の信号灯器を制御する場合には、ステップカウンタの数を適宜増やして、例えば、3つ以上のステップカウンタを設けることもできる。本実施の形態は、手動操作部9が1つであって、2つ以上のステップカウンタを備える構成に適用することができる。
上述の実施の形態では、手動制御部10は、ステップカウンタ7、8に対してカウントアップ指令を出力するか否かを判定するようにしてあり、判定結果に応じて、ステップカウンタ7、8に対してカウントアップ指令を出力する構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、手動制御部10は、ステップカウンタ7、8に対してカウントアップ指令を出力するようにしてあり、ステップカウンタ7、8が、手動制御部10から出力されたカウントアップ指令を有効とするか、又は無効とするかの判定を行うようにし、有効とすると判定した場合に、次のステップへ歩進するように構成することもできる。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。