JP5477031B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の気筒内に燃料を主噴射した後に行なう後噴射の時期を変化させ、排気が触媒を通過した後の排気温度の上昇量が所定値を超える後噴射の時期を検出し、この検出した時期に基づいて燃料の着火性を判定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、筒内に燃料を噴射すると、比較的気化し難い成分も気化してしまう。また、燃料が触媒で反応する量は、燃料の気化率に影響を受ける。従って、後噴射による判定では、燃料の蒸留性状が異なっていても触媒で反応する量に差が生じ難くなるので、排気温度に差が生じ難くなるため、蒸留性状を判定する精度が低くなる虞がある。
特開2009−215986号公報 特開2000−356163号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料の蒸留性状をより正確に判定することにある。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の制御装置は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による内燃機関の制御装置は、
内燃機関の排気通路に設けられる触媒と、
内燃機関の燃焼室と前記触媒との間の排気通路に燃料を供給する供給手段と、
前記供給手段を制御する制御手段と、
を備えた内燃機関の制御装置において、
前記供給手段により供給される燃料が前記触媒で反応する量と相関関係にある値を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出される値に基づいて燃料の蒸留性状を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする。
ここで、排気通路内に燃料を供給した場合には、燃焼室内に燃料を供給した場合と比較して、気化し難い。すなわち、供給手段により燃料を供給すると、燃焼室内に燃料を供給したときと比較して、液状のまま触媒へ到達する燃料量がより多くなる。そして、例えばT90(90%蒸留温度)の低い燃料は、排気通路へ供給された後すぐに気化してしまい、触媒を通り抜ける割合が高くなる。一方、T90の高い燃料は、排気通路へ供給されても気化し難いため、液滴のまま触媒に到達する割合が高くなるので、触媒上で局所的に反応して該触媒の温度を上昇させる。このように、燃料の蒸留性状と、燃料が触媒で反応する量と、には相関関係があるため、燃料が触媒で反応する量に基づいて蒸留性状を判定することができる。そして、燃料を排気中に直接供給することにより、気化し難い成分が気化してしまうことを抑制できるため、蒸留性状の判定精度を高めることができる。
本発明においては、前記触媒よりも上流の排気の温度を検出する上流側温度センサと、
前記触媒よりも下流の排気の温度を検出する下流側温度センサと、
を備え、
前記検出手段は、前記供給手段により燃料が供給されているときの前記触媒よりも上流の排気の温度と前記触媒よりも下流の排気の温度とに基づいて、前記供給手段により供給される燃料が前記触媒で反応する量と相関関係にある値を検出することができる。
ここで、燃料が触媒で反応すると、その分、排気の温度が上昇する。すなわち、触媒を通過した後の排気温度と触媒を通過する前の排気温度との差が、燃料の蒸留性状に応じて変わるため、この排気温度の差を検出することで、蒸留性状を判定することができる。
なお、前記検出手段は、前記触媒よりも下流の排気の温度と前記触媒よりも上流の排気の温度との差の最大値を、前記供給手段により供給される燃料が前記触媒で反応する量と相関関係にある値として検出することができる。
例えばT90の高い燃料ほど、液滴のまま触媒に到達する燃料が多くなるため、局所的にリッチとなるので、触媒よりも下流の排気の温度と触媒よりも上流の排気の温度との差が大きくなる。すなわち、触媒よりも下流の排気の温度と触媒よりも上流の排気の温度との差の最大値が大きいほど、T90の高い燃料であると判定できる。
また、前記検出手段は、前記触媒よりも下流の排気の温度と前記触媒よりも上流の排気の温度との差から求まる前記触媒の温度の上昇度合いを、前記供給手段により供給される燃料が前記触媒で反応する量と相関関係にある値として検出することができる。
例えばT90の低い燃料ほど、気化した状態で触媒に到達する燃料が多くなるため、触媒よりも下流の排気の温度と触媒よりも上流の排気の温度との差の上昇度合いが大きくなる。一方、例えばT90の高い燃料ほど、液滴のまま触媒に到達する燃料が多くなるため、局所的にリッチとなるので、触媒よりも下流の排気の温度と触媒よりも上流の排気の温度との差の上昇度合いが小さくなる。すなわち、触媒の温度の上昇度合いが小さいほど、T90の高い燃料であると判定できる。この温度の上昇度合いは、燃料供給開始から規定の期間における温度の上昇量としても良い。また、触媒よりも下流側と上流側との温度差の積分値が規定の値となるまでの期間は、触媒の温度の上昇度合いと相関関係にあるため、この期間を前記相関関係にある値としても良い。
また、前記検出手段は、前記触媒よりも下流の排気の温度と前記触媒よりも上流の排気の温度との差から求まる前記触媒の温度が上昇している時間を、前記供給手段により供給される燃料が前記触媒で反応する量と相関関係にある値として検出することができる。
例えばT90の高い燃料ほど、排気通路の壁面に付着する燃料が多くなるので、燃料を供給してから、触媒で反応が完了するまでの時間が長くなる。このため、触媒の温度が上昇している時間が長くなる。すなわち、触媒の温度が上昇している時間が長いほど、T90の高い燃料であると判定できる。この温度が上昇している時間は、触媒よりも下流側と上流側との温度差が規定値以上となっている期間としても良い。また、触媒よりも下流側と上流側との温度差の積分値が、第1規定値から第2規定値となるまでの期間は、触媒の温度が上昇している時間と相関関係にあるため、この期間を前記相関関係にある値としても良い。
本発明においては、前記判定手段は、前記相関関係にある値と前記蒸留性状との関係を記憶しており、該記憶された関係に前記相関関係にある値を当てはめて前記蒸留性状を判定することができる。
このように、前記相関関係にある値と燃料の蒸留性状との関係を記憶しておけば、簡易に燃料の蒸留性状を得ることができる。
本発明によれば、燃料の蒸留性状をより正確に判定することができる。
実施例に係る内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。 排気温度の推移を示したタイムチャートである。 触媒を通過するときの排気温度の上昇量ΔT1の推移を示したタイムチャートである。 噴射弁から燃料を噴射したときの上流側温度センサ及び下流側温度センサの検出値の推移を示すタイムチャートである。 下流側温度センサと上流側温度センサとの検出値の差(温度差ΔT1=T1−TB)の推移を示すタイムチャートである。 最大温度差ΔT1MAXとT90との関係を示した図である。 実施例1に係る燃料の蒸留性状を検出するフローを示したフローチャートである。 下流側温度センサと上流側温度センサとの検出値の差(温度差ΔT1=T1−TB)の推移を示すタイムチャートである。 時刻TI10と時刻TISとの差(TI10−TIS)と、T90との関係を示した図である。 実施例2に係る燃料の蒸留性状を検出するフローを示したフローチャートである。 下流側温度センサと上流側温度センサとの検出値の差(温度差ΔT1=T1−TB)の推移を示すタイムチャートである。 時刻TI90と時刻TI10との差(TI90−TI10)と、T90との関係を示した図である。 実施例3に係る燃料の蒸留性状を検出するフローを示したフローチャートである。
以下、本発明に係る内燃機関の制御装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒を有するディーゼル機関である。なお、本実施例及びこれ以降の実施例は、ガソリン機関であっても適用できる。
内燃機関1には、排気通路2が接続されている。この排気通路2の途中には、触媒3が設けられている。触媒3は、燃料を酸化させることができる触媒であれば良く、例えば酸化触媒、三元触媒、またはNOx触媒である。
また、触媒3よりも上流の排気通路2には、排気中に燃料(軽油)を噴射する噴射弁4が取り付けられている。噴射弁4は、後述するECU10からの信号により開弁して排気中へ燃料を噴射する。噴射弁4から噴射される燃料は、内燃機関1の燃焼室に供給される燃料と同じものである。なお、本実施例においては噴射弁4が、本発明における供給手段に相当する。
噴射弁4よりも下流で且つ触媒3よりも上流の排気通路2には、排気の温度を測定する上流側温度センサ5が取り付けられている。また、触媒3よりも下流の排気通路2には排気の温度を測定する下流側温度センサ6が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
また、ECU10には、上記センサの他、運転者がアクセルペダル11を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し機関負荷を検知するアクセル開度センサ12、および機関回転数を検知するクランクポジションセンサ13が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU10に入力されるようになっている。一方、ECU10には、噴射弁4が電気配線を介して接続されており、該ECU10により噴射弁4の開閉時期が制御される。
例えば触媒3が吸蔵還元型NOx触媒である場合には、ECU10は、触媒3に吸蔵さ
れているNOx量が閾値を超えたときに噴射弁4から触媒3へ燃料を供給してNOxを還元させる。また、触媒3の硫黄被毒回復を行うためにECU10は、噴射弁4から触媒3へ燃料を供給してNOxを還元させる。さらに、パティキュレートフィルタを備えている場
合には、ECU10は、該フィルタに捕集されているPMを除去するために触媒3へ燃料を供給して該フィルタの温度を上昇させる。
そして本実施例では、上流側温度センサ5及び下流側温度センサ6から得られる排気温度に基づいて燃料の蒸留性状(T90)を判定する。
ここで、図2は、排気温度の推移を示したタイムチャートである。実線は、触媒3よりも上流側の排気温度TBを示し、一点鎖線は触媒3よりも下流側の排気温度であってT90が比較的低い場合の排気温度T1Lを示し、二点鎖線は触媒3よりも下流の排気温度であってT90が比較的高い場合の排気温度T1Hを示している。TISは、噴射弁4からの燃料噴射が開始される時刻を示している。
また、図3は、触媒3を通過するときの排気温度の上昇量ΔT1の推移を示したタイムチャートである。一点鎖線は触媒3よりも下流側の排気温度であってT90が比較的低い場合の排気温度の上昇量(ΔT1L=T1L−TB)を示し、二点鎖線は触媒3よりも下流の排気温度であってT90が比較的高い場合の排気温度の上昇量(ΔT1H=T1H−TB)を示している。
ここで、T90の低い燃料は、噴射弁4から噴射された後にすぐに気化してしまうため、触媒3をすり抜ける割合が多くなる。このため、触媒3にて反応しない燃料量が多くなるので、該触媒3の温度の上昇量が小さくなる。
一方、T90の高い燃料は、噴射弁4から噴射されてもすぐには気化しないため、液滴のまま触媒3に到達する。このため、局所的にリッチ空燃比となるので該触媒3の温度の上昇量が大きくなる。
このように、T90に応じて触媒3の温度の上昇量が変わるため、該触媒3の温度の上昇量に着目することによりT90を求めることができる。なお、触媒3の温度の上昇量は、該触媒3から流出する排気の温度と、該触媒3に流入する排気の温度と、の差に表れるため、この温度差に基づいてT90を求めることができる。
ここで、内燃機関1の運転状態が一定であっても、燃料性状、環境温度、吸入空気量などの外乱により、燃焼状態は変化する。このため、例えば同じ燃料、同じ機関負荷の場合であっても、排気温度が変化するため、触媒3の温度のみを見るだけでは燃料の蒸留性状の判定は困難である。また、触媒3に流入する排気の温度に応じて、触媒3から流出する排気の温度が変化するため、該触媒3から流出する排気の温度のみを見るだけでは燃料の蒸留性状の判定は困難である。これに対し、本実施例では、触媒3から流出する排気の温度と、該触媒3に流入する排気の温度と、の差に基づいて蒸留性状を判定する。すなわち、外乱があったとしても、温度差によれば、触媒3に流入する排気の温度の変動の影響を除去することができるため、触媒3での温度上昇量のみを見ることができる。
そして、本実施例では、温度差ΔT1の最大値(最大温度差ΔT1MAX)を検出し、該最大温度差ΔT1MAXに基づいてT90を判定する。すなわち、T90が高いほど、液滴のまま触媒3に到達する燃料量が多くなるため、触媒3内では局所的にリッチになる箇所が多くなる。これにより、触媒3の温度の上昇量が大きくなるため、最大温度差ΔT1MAXも大きくなる。この関係に従えば、最大温度差ΔT1MAXからT90を判定することができる。
図4は、噴射弁4から燃料を噴射したときの上流側温度センサ5及び下流側温度センサ6の検出値の推移を示すタイムチャートである。実線は下流側温度センサ6の検出値T1であり、一点鎖線は上流側温度センサ5の検出値TBである。TISは、噴射弁4からの燃料噴射が開始される時刻を示している。下流側温度センサ6の検出値T1及び上流側温度センサ5の検出値TBは、夫々、外乱の影響を受けている。このため、下流側温度センサ6の検出値T1のみでは、排気温度の上昇量、すなわち、触媒3で反応する燃料量を検出することは困難となる。
また、図5は、下流側温度センサ6と上流側温度センサ5との検出値の差(温度差ΔT1=T1−TB)の推移を示すタイムチャートである。このように、温度差ΔT1=T1−TBを算出することにより、外乱の影響を除去することができる。温度差ΔT1は、噴射弁4からの燃料噴射開始から徐々に大きくなり始め、最大温度差ΔT1MAXに達し、その後は徐々に小さくなる。そして、噴射弁4から噴射された燃料が全て触媒3で反応するか又は触媒3をすり抜けるかすると、温度差ΔT1は燃料噴射を開始する前と同じになる。そして、最大温度差ΔT1MAXは、触媒3で反応する燃料量が多くなるほど、大きくなる。
図6は、最大温度差ΔT1MAXとT90との関係を示した図である。この関係は予め実験等により求めてECU10に記憶させておく。図6に示されるように、最大温度差ΔT1MAXが大きくなるほどT90が高くなるという関係がある。検出される最大温度差ΔT1MAXを図6に代入することにより、蒸留性状T90を検出することができる。
図7は、本実施例に係る燃料の蒸留性状を検出するフローを示したフローチャートである。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、蒸留性状を判定する前提条件が成立しているか否か判定される。例えば、内燃機関1の運転状態に応じて最大温度差ΔT1MAXが変化するため、夫々の運転状態に応じてT90を判定しようとすると、最大温度差ΔT1MAXとT90との関係を記憶しておく量が膨大になる。また、定常状態でなければ、最大温度差ΔT1MAXとT90との関係が変わるため、蒸留性状の判定が困難となる。これらの理由により、本実施例では、アイドル状態のときに限って蒸留性状の判定を行うようにする。すなわち、アイドル状態であれば、内燃機関1の運転状態は一定であり、且つこの状態が長期間継
続する可能性が高い。このため、本ステップではアイドル状態であるか否か判定する。他にも、例えば暖機が完了していることなどを条件に加えても良い。
ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、否定判定がなされた場合には蒸発性状の判定をすることができない状態であるため本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS102では、触媒3に流入する排気の温度を測定する。すなわち、上流側温度センサ5の検出値TBを取得する。
ステップS103では、噴射弁4からの燃料噴射を開始する。このときの燃料噴射量は、T90の判定に必要となる量として予め設定されている。なお、本実施例ではステップS103を処理するECU10が、本発明における制御手段に相当する。
ステップS104では、触媒3よりも下流の排気の温度を測定する。すなわち、下流側温度センサ6の検出値T1を取得する。
ステップS105では、触媒3の下流側と上流側との温度差ΔT1を算出する。すなわち、ステップS104で取得される下流側温度センサ6の検出値T1から、ステップS102で取得される上流側温度センサ5の検出値TBを減じる。
ステップS106では、ステップS105で算出される温度差ΔT1の最大値、すなわち最大温度差ΔT1MAXと、図6との関係に従って、T90を算出する。なお、本実施例では最大温度差ΔT1MAXを算出するECU10が、本発明における検出手段に相当する。また、本実施例ではT90を算出するECU10が、本発明における判定手段に相当する。このように、本実施例では、触媒3よりも下流の排気の温度と触媒3よりも上流の排気の温度との差の最大値を、噴射弁4から供給される燃料が触媒で反応する量と相関関係にある値として検出し、該値に基づいて燃料の蒸留性状を判定している。
ステップS107では、T90に応じて最適な噴射制御マップが選択される。このマップに従って燃焼室へ供給する燃料が制御される。
このように、噴射弁4から噴射される燃料による触媒3の温度上昇量に基づいて、内燃機関1の燃焼室へ供給する燃料を制御することで、燃料の蒸留性状に応じた内燃機関1の制御が可能となる。
なお、本実施例は、蒸留性状の判定を行うために噴射弁4から燃料を噴射しているが、NOx触媒に吸蔵されているNOx還元時、NOx触媒の硫黄被毒回復時、フィルタの再生
時など、燃料噴射が行われるときに合わせて蒸留性状を判定しても良い。また、本実施例では触媒3の下流側の温度を用いているが、触媒3の温度を直接測定できる場合には、該触媒3の温度を用いても良い。
以上説明したように本実施例によれば、噴射弁4から燃料を噴射した後の、触媒3の温度の上昇量に基づいて燃料の蒸留性状(T90)を算出することができる。これにより、内燃機関1の燃焼状態を適正化することができる。
本実施例では、T90の高い燃料を用いると、噴射弁4から噴射を開始した後の触媒3の温度の上昇度合いが高くなることに着目して燃料の蒸留性状を判定する。その他の装置などは実施例1と同じため、説明を省略する。
ここで、T90の低い燃料は、噴射弁4から噴射された後にすぐに気化してしまうため、触媒3ですぐに反応する。このため、燃料噴射直後の触媒3の温度上昇度合いが高い。
一方、T90の高い燃料は、噴射弁4から噴射されてもすぐには気化しないため、一部が液滴のまま触媒3に到達したり、排気通路2の壁面に付着したりする。このため、燃料が触媒3ですぐに反応しないため、燃料噴射直後の該触媒3の温度上昇度合いが低い。
このように、T90が触媒3の温度上昇度合いとなって表れるため、該触媒3の温度上昇度合いに応じてT90を求めることができる。
図8は、下流側温度センサ6と上流側温度センサ5との検出値の差(温度差ΔT1=T1−TB)の推移を示すタイムチャートである。温度差ΔT1自体は図5と同じである。
本実施例では、図8の温度差ΔT1の軌跡と、燃料噴射開始前の温度差ΔT1で一定と仮定した値ΔT1Bと、で囲まれる面積ΔT1ARを求める。これは、図8の斜線を施した部分の面積に相当する。なお、噴射弁4からの燃料噴射を開始した時刻TISから、触媒3の温度が燃料噴射を開始する前に戻るまでの間の温度差ΔT1の積分値を求めても良い。そして、この面積ΔT1ARの例えば10%に相当する面積を求め、燃料噴射を開始してから面積ΔT1ARの10%に相当する面積に到達するまでの時刻TI10を算出する。時刻TI10と時刻TISとの差は、触媒3の温度上昇度合いと相関関係にあるため、この差に基づいてT90を求めることができる。
図9は、時刻TI10と時刻TISとの差(TI10−TIS)と、T90との関係を示した図である。この関係は予め実験等により求めてECU10に記憶させておく。図9に示されるように、時刻TI10と時刻TISとの差が大きくなるほど、T90が高くなるという関係がある。
すなわち、T90が高いほど、液滴のまま触媒3に到達する燃料量や排気通路2の壁面に付着した後に触媒3に到達する燃料量が多くなるため、触媒3の温度上昇度合いが低くなる。このため、燃料噴射を開始してから面積ΔT1ARの10%に相当する面積に到達するまでに時間がかかる。すなわち、時刻TI10と時刻TISとの差が大きくなる。この関係に従えば、時刻TI10と時刻TISとの差からT90を判定することができる。これは、触媒3よりも下流の排気の温度と触媒3よりも上流の排気の温度との差の上昇度合いが小さいほど、T90の高い燃料であるといえる。
図10は、本実施例に係る燃料の蒸留性状を検出するフローを示したフローチャートである。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。なお、図7に示したフローと同じ処理がなされるステップについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS201では、温度差ΔT1の軌跡と、燃料噴射開始前の温度差ΔT1で一定と仮定した値ΔT1Bと、で囲まれる面積ΔT1ARを求める。すなわち、図8の斜線を施した部分の面積ΔT1ARを算出する。
ステップS202では、面積ΔT1ARの10%に到達する時刻TI10を算出する。
ステップS203では、噴射弁4から燃料噴射が開始された時刻TISからステップS202で算出される時刻までの時間(TI10−TIS)が算出される。
ステップS204では、ステップS203で算出される時間(TI10−TIS)と、
図9との関係に従って、T90を算出する。なお、本実施例では時間(TI10−TIS)を算出するECU10が、本発明における検出手段に相当する。また、本実施例ではT90を算出するECU10が、本発明における判定手段に相当する。このように、本実施例では、触媒3よりも下流の排気の温度と触媒3よりも上流の排気の温度との差から求まる触媒3の温度の上昇度合いを、噴射弁4から供給される燃料が触媒で反応する量と相関関係にある値として検出し、該値に基づいて燃料の蒸留性状を判定している。
このように、噴射弁4から噴射される燃料による触媒3の温度上昇度合いに基づいて、内燃機関1の燃焼室へ供給する燃料を制御することで、燃料の蒸留性状に応じた内燃機関1の制御が可能となる。
なお、本実施例では、時刻TI10と時刻TISとの差を、温度上昇度合いとして用いたが、これらの時刻は適宜変更することができる。すなわち、面積ΔT1ARの10%は例示であって、他の値にすることもできる。また、本実施例では、時刻TI10と時刻TISとの差(TI10−TIS)に基づいてT90の判定を行っているが、触媒3の温度の上昇度合いを表す他の値を用いて判定を行っても良い。例えば、単位時間あたりの温度の上昇量(温度上昇率)を用いて判定しても良い。これは、例えば、燃料噴射開始時刻から規定時間経過後の上昇量(温度上昇率)であっても良い。また、規定時間経過後の温度差ΔT1を用いて判定することもできる。
以上説明したように本実施例によれば、噴射弁4から燃料を噴射した後の、触媒3の温度の上昇度合いに基づいて燃料の蒸留性状(T90)を算出することができる。これにより、内燃機関1の燃焼状態を適正化することができる。
本実施例では、T90の高い燃料を供給したときには、触媒3の温度が燃料供給前よりも高くなっている時間が長い(温度上昇時間が長い)ことに着目して燃料の蒸留性状を判定する。その他の装置などは実施例1と同じため、説明を省略する。
ここで、T90の低い燃料は、噴射弁4から噴射された後にすぐに気化してしまうため、触媒3ですぐに反応する。このため、触媒3の温度が燃料噴射前よりも高くなっている時間が短い(触媒3の温度上昇時間が短い)。
一方、T90の高い燃料は、噴射弁4から噴射されてもすぐには気化しないため、一部が液滴のまま触媒3に到達したり、排気通路2の壁面に付着したりする。この触媒3や排気通路2の壁面に付着した燃料は、徐々に蒸発して触媒3で反応するため、触媒3の温度が燃料供給前よりも高くなっている時間が長い(温度上昇時間が長い)。
このように、T90が、触媒3の温度が燃料供給前よりも高くなっている時間(温度上昇時間)となって表れるため、該温度上昇時間に応じてT90を求めることができる。
図11は、下流側温度センサ6と上流側温度センサ5との検出値の差(温度差ΔT1=T1−TB)の推移を示すタイムチャートである。温度差ΔT1自体は図5と同じである。
本実施例では、図11の温度差ΔT1の軌跡と、燃料噴射開始前の温度差ΔT1で一定と仮定した値ΔT1Bと、で囲まれる面積ΔT1ARを求める。これは、図11の斜線を施した部分の面積に相当する。なお、噴射弁4からの燃料噴射を開始した時刻TISから、触媒3の温度が燃料噴射を開始する前に戻るまでの間の温度差ΔT1の積分値を求めても良い。そして、この面積ΔT1ARの例えば10%と90%とに相当する面積を夫々求
め、面積ΔT1ARの10%に相当する面積に到達する時刻TI10から、面積ΔT1ARの90%に相当する面積に到達する時刻TI90までの時間(TI90−TI10)を算出する。この時間(TI90−TI10)は、触媒3の温度が燃料供給前よりも高くなっている時間(温度上昇時間)と相関関係にあるため、この時間(TI90−TI10)に基づいてT90を求めることができる。
図12は、時刻TI90と時刻TI10との差(TI90−TI10)と、T90との関係を示した図である。この関係は予め実験等により求めてECU10に記憶させておく。図12に示されるように、時間(TI90−TI10)が長くなるほど、T90が高くなるという関係がある。
すなわち、T90が高いほど、液滴のまま触媒3に到達する燃料量や排気通路2の壁面に付着した後に触媒3に到達する燃料量が多くなるため、触媒3の温度上昇時間が長くなる。このため、面積ΔT1ARの10%に到達する時刻TI10から、面積ΔT1ARの90%に到達する時刻TI90までの時間が長くなる。すなわち、時間(TI90−TI10)が長くなる。この関係に従えば、時間(TI90−TI10)からT90を判定することができる。
図13は、本実施例に係る燃料の蒸留性状を検出するフローを示したフローチャートである。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。なお、図7または図10に示したフローと同じ処理がなされるステップについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS301では、面積ΔT1ARの10%に到達する時刻TI10及び面積ΔT1ARの90%に到達する時刻TI90を算出する。
ステップS302では、面積ΔT1ARの90%に到達する時刻TI90から面積ΔT1ARの10%に到達する時刻TI10までの時間(TI90−TI10)が算出される。
ステップS303では、ステップS302で算出される時間(TI90−TI10)と、図12との関係に従って、T90を算出する。なお、本実施例では時間(TI90−TI10)を算出するECU10が、本発明における検出手段に相当する。また、本実施例ではT90を算出するECU10が、本発明における判定手段に相当する。このように、本実施例では、触媒3よりも下流の排気の温度と触媒3よりも上流の排気の温度との差から求まる触媒3の温度が上昇している時間を、噴射弁4から供給される燃料が触媒で反応する量と相関関係にある値として検出し、該値に基づいて燃料の蒸留性状を判定している。
このように、噴射弁4から噴射される燃料による触媒3の温度上昇時間に基づいて、内燃機関1の燃焼室へ供給する燃料を制御することで、燃料の蒸留性状に応じた内燃機関1の制御が可能となる。
なお、本実施例では、時刻TI90と時刻TI10との差を、温度上昇時間として用いたが、これらの時刻は適宜変更することができる。すなわち、面積ΔT1ARの10%及び90%は例示であって、他の値にすることもできる。また、本実施例では、時刻TI90と時刻TI10との差(TI90−TI10)に基づいてT90の判定を行っているが、温度差ΔT1が規定値以上となってから規定値以下となるまでの時間を用いて判定を行うこともできる。
以上説明したように本実施例によれば、噴射弁4から燃料を噴射した後の、触媒3の温
度の上昇時間に基づいて燃料の蒸留性状(T90)を算出することができる。これにより、内燃機関1の燃焼状態を適正化することができる。
1 内燃機関
2 排気通路
3 触媒
4 噴射弁
5 上流側温度センサ
6 下流側温度センサ
10 ECU
11 アクセルペダル
12 アクセル開度センサ
13 クランクポジションセンサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられる触媒と、
    内燃機関の燃焼室と前記触媒との間の排気通路に燃料を供給する供給手段と、
    前記供給手段を制御する制御手段と、
    前記触媒よりも上流の排気の温度を検出する上流側温度センサと、
    前記触媒よりも下流の排気の温度を検出する下流側温度センサと、
    を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記供給手段により供給される燃料が前記触媒で反応する量と相関関係にある値を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出される値に基づいて燃料の蒸留性状を判定する判定手段と、
    を備え、
    前記検出手段は、前記供給手段により燃料が供給されているときの前記触媒よりも上流の排気の温度と前記触媒よりも下流の排気の温度とに基づいて、前記供給手段により供給される燃料が前記触媒で反応する量と相関関係にある値を検出することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記検出手段は、前記触媒よりも下流の排気の温度と前記触媒よりも上流の排気の温度との差の最大値を、前記供給手段により供給される燃料が前記触媒で反応する量と相関関係にある値として検出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記検出手段は、前記触媒よりも下流の排気の温度と前記触媒よりも上流の排気の温度との差から求まる前記触媒の温度の上昇度合いを、前記供給手段により供給される燃料が前記触媒で反応する量と相関関係にある値として検出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記検出手段は、前記触媒よりも下流の排気の温度と前記触媒よりも上流の排気の温度との差から求まる前記触媒の温度が上昇している時間を、前記供給手段により供給される燃料が前記触媒で反応する量と相関関係にある値として検出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記判定手段は、前記相関関係にある値と前記蒸留性状との関係を記憶しており、該記
    憶された関係に前記相関関係にある値を当てはめて前記蒸留性状を判定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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