JP5476949B2 - インクジェットヘッド - Google Patents
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Description
例えば、磁力で移動可能な可動部材を共通インク室の流路壁に設け、流路壁に付着した気泡をこの可動部材によって剥ぎ取る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。その他にも、共通インク室に連通された液室と、共通インク室のインク中の気泡を検知可能な検出素子とを設け、共通インク室のインク中に気泡が検知された場合に、このインクを液室に送って共通インク室から気泡を排出する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
インクを吐出する複数のノズルと、前記複数のノズルにインクを供給する共通インク室とを備えるインクジェットヘッドにおいて、
前記共通インク室は、内部へインクを導入するインク入口と、前記複数のノズルに連通されたインク出口と、内部で前記インク入口及び前記インク出口を連通するインク流路とを有し、
前記共通インク室内部には、
上下方向に延在し、前記共通インク室の側方の内壁と間隔をもって配置される流路壁と、
上下方向に延在し、下部に貫通孔を備え、前記流路壁と間隔をもって配置される貫通孔付き流路壁と、
前記流路壁と前記貫通孔付き流路壁よりも下方に配置され、前記流路壁と間隙を有し、前記貫通孔付き流路壁と接するように配置されると共に、上下方向と直交する方向に延在し、一端が前記共通インク室内部の側方の内壁の一方側と接し、他端が前記共通インク室内部の側方の内壁の他方側と間隙を有する下方流路壁と、
が形成され、
前記インク流路は、前記インク入口から流入して前記下方流路壁と前記流路壁との間隙を通ったインクのうち、一部のインクが前記貫通孔を通じて前記インク出口に供給される第一の流路と、他のインクが前記流路壁と前記貫通孔付き流路壁との間を通って共通インク室内の上方に流れる第二の流路とを有することを特徴とする。
前記流路壁を第1流路壁とし、
前記共通インク室の側方の内壁と前記第1流路壁との間であり、前記共通インク室の下方の内壁と間隙を有する第2流路壁をさらに設け、
前記第1流路壁と前記第2流路壁は前記インク入口から流入したインクを前記第1流路壁と前記第2流路壁の間を通るように配置されることを特徴とする。
前記第2流路壁は傾斜している構成であって、
前記第2流路壁は、前記インク入口から流入するインクが当該第2流路壁の傾斜面に沿って流れるように構成されることを特徴とする。
前記インク流路には、インク中の気泡を捕捉可能な多孔質部材が配設されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記共通インク室は、インク中の気泡を外部へ排出するための気泡排出口を上部に有し、
前記気泡排出口は、前記インク入口よりも開口径が小さいことを特徴とする。
図1は、本発明に係るインクジェットヘッド1の斜視図であり、図2は、インクジェットヘッド1の要部断面図である。
これらの図に示すように、インクジェットヘッド1の下端には、インクを吐出する複数のノズル21がX方向及びY方向に配列された積層部材2が取り付けられている。積層部材2は、上下方向であるZ方向に多層状に積層されており、その上側には、複数のノズル21にインクを供給する共通インク室3が配設されている。積層部材2の内部には、複数のノズル21に個別に連通された複数の圧力室22と、複数の圧力室22の上部に個別に配設された複数の圧電素子23と、共通インク室3と各圧力室22とを個別に連通する複数の個別流路24とが設けられている。また、積層部材2の上側であってX方向の両端部には、複数の圧電素子23を駆動するためのフレキシブル基板4及びドライバ5が配設されている。
図3は、共通インク室3の斜視図であり、図4は、共通インク室3の分解斜視図であり、図5は、共通インク室3の側断面図である。
図3に示すように、共通インク室3は、略直方体状に形成されており、その下板3aには、複数のノズル21へインクを供給するための複数のインク供給孔31が形成されている。この複数のインク供給孔31は、共通インク室3が積層部材2の上部に取り付けられたときに、積層部材2の上面に開口する複数の個別流路24と個別に連通されるように配列されている。つまり、この複数のインク供給孔31は、複数のノズル21に連通される共通インク室3のインク出口となっている。
このうち、第1流路壁61は、上端部がインク導入口32の下方に位置するとともに下端部が共通インク室3のX方向の中央寄りに位置するように、X方向に傾斜している。また、第1流路壁61の上端部は、共通インク室3の上板3b及び一方の側板3cとの間に隙間を有している。
具体的には、第1流路71は、第1流路壁61と第2流路壁62との間の空間に形成されており、第2流路72は、第2流路壁62の下端部と第4流路壁64と第6流路壁66との間の空間に形成されている。第3流路73は、第4流路壁64の貫通孔64aの内部空間に形成されており、第4流路74は、貫通孔64aよりも下方の第4流路壁64と第6流路壁66と共通インク室3の他方の側板3dとの間の空間に形成されている。第5流路75は、第6流路壁66と共通インク室3の下板3aとの間の空間に形成されている。
また、第6流路76は、第1流路壁61と第6流路壁66と共通インク室3の一方の側板3cとの間の空間に形成されている。第7流路77は、下端部を除く第2流路壁62と第3流路壁63と第4流路壁64との間の空間に形成されており、第8流路78は、貫通孔64aよりも上方の第4流路壁64と第5流路壁65との間の空間に形成されている。
また、気泡捕捉空間79は、第1〜4流路壁61〜64よりも上方の空間であって、第5流路壁65と共通インク室3の上板3bと一方の側板3cとの間の空間に形成されている。この気泡捕捉空間79は、気泡排出口34と連通している。
また、気泡捕捉空間79は、分岐流路である第6〜8流路76〜78よりも上方に形成されるとともに当該分岐流路と連通する空間部となっており、分岐流路を通過したインクに含まれる気泡を捕捉する。
続いて、共通インク室3内のインク流路70を流れるインクの流れについて、図5を参照して説明する。なお、図5中の実線は、インク供給孔31へ向かうインク(主流路を通過するインク)の流れを示し、破線は、気泡をより多く含むインク(分岐流路を通過するインク)の流れを示す。
この分岐点Aでは、第6流路76が、図中の矢印で示すように、上方へ向けて第1流路71から分岐されるとともに、第2流路72よりも上方へ向かっているため、浮力によって上方へ向かう気泡が含まれたインクは、第2流路72よりも第6流路76へ流れやすい。したがって、気泡がより多く含まれたインクは第6流路76へ流れ、残りのインクは第2流路72へ流れる。
この分岐点Bでは、第7流路77が、上方へ向けて第2流路72から分岐されるとともに、第3流路73よりも上方へ向かっているため、浮力によって上方へ向かう気泡が含まれたインクは、第3流路73よりも第7流路77へ流れやすい。したがって、気泡がより多く含まれたインクは第7流路77へ流れ、残りのインクは第3流路73へ流れる。
この分岐点Cでは、第8流路78が、上方へ向けて第3流路73から分岐されるとともに、第4流路74よりも上方へ向かっているため、浮力によって上方へ向かう気泡が含まれたインクは、第4流路74よりも第8流路78へ流れやすい。したがって、気泡がより多く含まれたインクは第8流路78へ流れ、残りのインクは第4流路77へ流れる。
次に、多孔質部材80を通過したインクは、第5流路75に流入し、第5流路75内のインク供給孔31から共通インク室3の外部へ流出する。流出したインクは、個別流路24を通じて圧力室22へ供給され、圧力室22から押し出されることでノズル21から吐出される(図2参照)。
以上のインクジェットヘッド1によれば、共通インク室3内部のインク流路70は、インク供給孔31へインクを流す主流路(第1〜5流路71〜75)と、上方へ向けて主流路から分岐されるとともに当該主流路よりも上方へ向かう分岐流路(第6〜8流路76〜78)と、分岐流路よりも上方に形成されるとともに当該分岐流路と連通する気泡捕捉空間79とを有するので、浮力によって上方へ向かうインク中の気泡は、主流路と分岐流路との分岐点A〜Cでは、より上方へ向かう分岐流路へ流れる。そして、この気泡は、分岐流路に沿って上方へ流れ、遂には気泡捕捉空間79に捕捉されるため、インク供給孔31には到らない。これにより、共通インク室3からノズル21への気泡の流入を抑制することができる。
したがって、従来と異なり、共通インク室3に可動部材を設けたり、共通インク室3とは別の液室や検出素子を設けたりする必要なく、共通インク室3内の流路構造だけでノズル21への気泡の流入を抑制することができる。つまり、簡易な構造でノズル21への気泡の流入を抑制することができる。
また、気泡排出口34はインク導入口32よりも開口径が小さいので、気泡排出口34を通じて気泡とともにインクを外部へ排出する際に、排出されるインク量をインク導入口32から流入するインク量よりも少なくすることができる。これにより、共通インク室3内部の加圧状態を維持することができ、インクの泡立ちを防止する事ができる。したがって、気泡の発生を抑制することができ、ノズル21への気泡の流入を更に抑制することができる。
続いて、上記実施形態の変形例について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例におけるインクジェットヘッド1Aは、図2に示すように、上記実施形態における共通インク室3に代えて、共通インク室3Aを備えている。
この図に示すように、共通インク室3Aには、上記実施形態における第1〜5流路壁61〜65に代えて、第1〜4流路壁61A〜64Aが立設されている。これら第1〜4流路壁61A〜64Aは、第6流路壁66の上方の共通インク室3Aの内部をX方向に略等間隔に分割するように、Z方向へ沿って延在するように設けられている。
なお、本変形例では、多孔質部材80は、第4流路壁64Aと第6流路壁66と共通インク室3の他方の側板3dとの間の空間に設けられている。
具体的には、第1流路71Aは、共通インク室3Aの一方の側板3cと第1流路壁61Aとの間の空間、第1流路壁61Aの下方の隙間、及び貫通孔62aよりも下方の第2流路壁62Aと第1流路壁61Aとの間の空間に形成されている。第2流路72Aは、第2流路壁62Aの貫通孔62aの内部空間に形成されている。第3流路73は、貫通孔62aよりも下方の第2流路壁62Aと第3流路壁63Aとの間の空間、第3流路壁63Aの下方の隙間、及び貫通孔64bよりも下方の第4流路壁64Aと第3流路壁63Aとの間の空間に形成されている。第4流路74Aは、第4流路壁64Aの貫通孔64bの内部空間、及び貫通孔64bよりも下方の第4流路壁64Aと他方の側板3dとの間の空間に形成されている。第5流路75Aは、上記実施形態における第5流路75と同様に形成されている。
また、第6流路76Aは、貫通孔62aよりも上方の第2流路壁62Aと第1流路壁61Aとの間の空間に形成されている。第7流路77Aは、貫通孔62aよりも上方の第2流路壁62Aと第3流路壁63Aとの間の空間に形成されており、第8流路78は、貫通孔64bよりも上方の第4流路壁64Aと第3流路壁63Aとの間の空間に形成されている。
また、気泡捕捉空間79Aは、第2,3流路壁62A,63Aよりも上方の空間であって、第1流路壁61Aと第4流路壁64Aとの間の空間に形成されている。この気泡捕捉空間79Aは、気泡排出口34と連通している。
また、気泡捕捉空間79Aは、上記実施形態における気泡捕捉空間79と同様に、分岐流路を通過したインクに含まれる気泡を捕捉する。
3,3A 共通インク室
21 ノズル
31 インク供給孔(インク出口)
32 インク導入口(インク入口)
34 気泡排出口
70 インク流路
71〜75,71A〜75A 第1〜5流路(主流路)
76〜78,76A〜78A 第6〜8流路(分岐流路)
79,79A 気泡捕捉空間(空間部)
80 多孔質部材
Claims (5)
- インクを吐出する複数のノズルと、前記複数のノズルにインクを供給する共通インク室とを備えるインクジェットヘッドにおいて、
前記共通インク室は、内部へインクを導入するインク入口と、前記複数のノズルに連通されたインク出口と、内部で前記インク入口及び前記インク出口を連通するインク流路とを有し、
前記共通インク室内部には、
上下方向に延在し、前記共通インク室の側方の内壁と間隔をもって配置される流路壁と、
上下方向に延在し、下部に貫通孔を備え、前記流路壁と間隔をもって配置される貫通孔付き流路壁と、
前記流路壁と前記貫通孔付き流路壁よりも下方に配置され、前記流路壁と間隙を有し、前記貫通孔付き流路壁と接するように配置されると共に、上下方向と直交する方向に延在し、一端が前記共通インク室内部の側方の内壁の一方側と接し、他端が前記共通インク室内部の側方の内壁の他方側と間隙を有する下方流路壁と、
が形成され、
前記インク流路は、前記インク入口から流入して前記下方流路壁と前記流路壁との間隙を通ったインクのうち、一部のインクが前記貫通孔を通じて前記インク出口に供給される第一の流路と、他のインクが前記流路壁と前記貫通孔付き流路壁との間を通って共通インク室内の上方に流れる第二の流路とを有することを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記流路壁を第1流路壁とし、
前記共通インク室の側方の内壁と前記第1流路壁との間であり、前記共通インク室の下方の内壁と間隙を有する第2流路壁をさらに設け、
前記第1流路壁と前記第2流路壁は前記インク入口から流入したインクを前記第1流路壁と前記第2流路壁の間を通るように配置されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。 - 前記第2流路壁は傾斜している構成であって、
前記第2流路壁は、前記インク入口から流入するインクが当該第2流路壁の傾斜面に沿って流れるように構成されることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。 - 前記インク流路には、インク中の気泡を捕捉可能な多孔質部材が配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
- 前記共通インク室は、インク中の気泡を外部へ排出するための気泡排出口を上部に有し、
前記気泡排出口は、前記インク入口よりも開口径が小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
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