JP5474602B2 - 太陽電池の製造装置及び太陽電池の製造方法 - Google Patents
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Description
また、このような多結晶シリコン層やアモルファスシリコン層の様なpin構造又はnip構造を有する層(以下太陽電池層と称す)は、複数積み重ねて1つの多接合型太陽電池(又はタンデム型太陽電池、ハイブリッド型太陽電池)として使用することができる。多接合型太陽電池は、利用波長の異なる太陽電池を複数積み重ねることにより、各波長域の光子のエネルギーをより無駄なく取り出すことができ、且つ、単接合の太陽電池より長波長まで含めたより多くの光子を利用できる。そのため、エネルギーの変換効率が高いという利点がある。
成膜チャンバーはそれぞれ成膜室を備えており、成膜室内では、太陽電池層のp型シリコン層、i型シリコン層及びn型シリコン層(以下p層、i層、n層と称す)の各半導体層を順次積層することで、基体に太陽電池層を成膜することができる。また、これを繰り返すことにより、多接合型太陽電池を構成する各太陽電池層を、1つの成膜室内で積層させることができる。
基体受取・払出し装置は、成膜前の基体を移動チャンバーへ受け渡し、成膜後の基体を移動チャンバーから受け取ることが可能な装置である。移動チャンバーは基体を積載した状態で移動するチャンバーであり、基体を成膜チャンバー内や基体受取・払出し装置へ運搬する装置である。
具体的に説明すると、全ての太陽電池層の成膜に必要な時間に対して成膜チャンバーの数が少なすぎる場合、すべての成膜チャンバーに基体を搬入しても、最初に成膜を開始した成膜チャンバーの成膜が終了しないので、成膜が終了するまでの間、移動チャンバーが休止させなくてはならない。さらに、成膜チャンバーの数が多すぎる場合、最初に成膜を開始したチャンバーで成膜を完了しても、移動チャンバーはいまだ成膜を開始していない成膜チャンバーに対して基体を搬入するので、成膜を完了した基体を払い出すことができず、成膜チャンバーで連続して成膜ができない。そのため、移動チャンバーや成膜チャンバーを休止することなく稼働できないので、生産効率が悪いという問題である。
なお、「≒」は端数の四捨五入を意味しており、Nは整数である。また、各成膜チャンバーでT2の値が異なる場合、各成膜チャンバーのT2の値の内いずれかの値、又は各成膜チャンバーのT2の値に基づく値(例えば平均値等)をT2とする。
なお、「≒」は端数の四捨五入を意味しており、Nは整数である。また、各成膜チャンバーでT2の値が異なる場合、各成膜チャンバーのT2の値の内いずれかの値、又は各成膜チャンバーのT2の値に基づく値(例えば平均値等)をT2とする。
そのことにより、成膜チャンバーで第1太陽電池層を成膜している時間が重ならないように連続して成膜を行うと、N台の成膜チャンバーの第1太陽電池層の成膜時間の合計(T1×N)と、第2太陽電池層の成膜時間と基体搬送に要する時間の合計(T2)が略等しくなる。そのため、全成膜チャンバーで第1太陽電池層の成膜が完了するとほぼ同時に、最初に成膜を開始した成膜チャンバーで新たな成膜が実施可能な状態となるので、連続して成膜を行うことができる。また、太陽電池の製造装置全体において、第1の太陽電池層を成膜する成膜チャンバーは常に一つとなるので、原料ガスの最大供給量を減少させることが可能となる。また、全成膜チャンバーで連続して成膜を行うため、稼働率が高く効率がよい成膜が可能となる。
なお、「≒」は端数の四捨五入を意味しており、N及びZは整数である。また、各成膜チャンバーでT3の値が異なる場合、各成膜チャンバーのT3の値の内で任意のいずれかの値、又は各成膜チャンバーのT3の値に基づく値(例えば平均値等)をT3とする。さらに、T1,T2及びT3の内で最小の値は2つ以上あってもよく、例えばT1=T2=T3が成立してもよい。T3の値が3つの内で最小の値であればよい。
なお、「≒」は端数の四捨五入を意味しており、N及びZは整数である。また、各成膜チャンバーでT3の値が異なる場合、各成膜チャンバーのT3の値の内で任意のいずれかの値、又は各成膜チャンバーのT3の値に基づく値(例えば平均値等)をT3とする。さらに、T1,T2及びT3の内で最小の値は2つ以上あってもよく、例えばT1=T2=T3が成立してもよい。T3の値が3つの内で最小の値であればよい。
このことにより、基体搬送に要する時間が重ならないように連続して成膜を行うと、N+Z台の成膜チャンバーの基体搬送に要する時間の合計(T3×(N+Z))と、第1太陽電池層の成膜時間(T1)と第2太陽電池層の成膜時間(T2)の合計が略等しくなる。そのため、全成膜チャンバーへの基体の搬送が完了するとほぼ同時に、最初に基体を搬送した成膜チャンバーで、第1太陽電池層と第2太陽電池層の成膜が完了し、基体の取り出し、及び新たな基体の搬入が可能となる。そのことにより、全成膜チャンバーで連続して成膜を行うことができ、稼働率が高く効率がよい成膜が可能となる。また、それぞれの成膜チャンバーで成膜時間がずれているため、原料ガスの最大供給量を減少させることが可能となる。
なお、本発明において結晶質の用語は、部分的に非晶質を含んでいるものも含むものとする。
なお、このシャッター21は、上記したスライドゲートバルブに限定されるものではなく、例えば、スイング型ドアバルブと称されるものを適宜採用してもよい。
なお、本実施形態では収納室出入り口35を開放する構成を採用したが、この構成に限定されるものではなく、気密性がなく外部からゴミの侵入等を防ぐだけの扉を取り付けてもよい。すなわち、気密性を備えた部材がなければよい。
なお、収納室47内のヒータ(ヒータ43a〜43f)の数や位置は上記構成に限定されるものではない。例えば、移動チャンバー6が成膜チャンバーと接続した際に、成膜チャンバーの電極25a,b,c,d,eに対向する位置に5基のヒータ43a,b,c,d,eを設けてもよい。この位置にヒータを設けると、収納室47に基体キャリア72を格納した際に、ヒータが空隙74に位置することになり、ヒータが基板46により近づくため加熱時間が短縮される。
動機63が設けられている。電動機63は、回転軸(図示せず)がベース板60の下面側
に突出された状態で取り付けられており、回転軸にはピニオンギア65が取り付けられて
いる。そしてピニオンギア65は、レール50の間に設けられたラック52と係合として
いる。
ここで、移動台車55を自走させる構成は、上記したラックアンドピニオン形式に限定されるものではなく、車輪を直接モータ等によって回転させる形式にしてもよい。
次に、第1太陽電池層の原料ガスを成膜室22及び枠体26内から除去し、電極25a,b,c,d,eの枠体26内に第2太陽電池層の原料ガスを供給した上で、前述した第1太陽電池層の成膜と同様の手段により、結晶質シリコンから形成される第2太陽電池層を形成させる。
また、「第2太陽電池層成膜に要する時間」とは成膜チャンバー内に第2太陽電池層の原料ガスの供給を開始してから、グロー放電を発生させて原料ガスを分解し、第2太陽電池層を形成させた後、成膜チャンバー内から当該第2太陽電池層の原料ガスを除去するまでの時間である。
そして、「基体の移動及び受け取り、払い出しに必要な時間」とは、移動チャンバー6を適宜の成膜チャンバーの前まで移動してから、移動チャンバー6が成膜チャンバーと密着した後、収納室47内を減圧し、成膜チャンバーのシャッター21を開き、成膜チャンバー内にある全ての基体キャリア72を収納室47内に移動させ、成膜チャンバーのシャッター21を閉じて、収納室47内を加圧し、移動チャンバー6を成膜チャンバーから離れる方向へ移動させ、移動チャンバー6を基体受取・払出し装置2の前まで移動し、基体受取・払出し装置2に全ての基体キャリア72を受け渡し、移動チャンバー6が基体受取・払出し装置2から未成膜の基体46(新たな基体キャリア72)を受け取って、前記成膜チャンバーの前まで移動し、前記成膜チャンバーの成膜室22へ未成膜の基体46を受け渡し、成膜チャンバーのシャッター21を閉じるまでの時間である。
例えば、2つの移動チャンバーを用いて、それぞれの移動チャンバーで成膜後の基体の搬出と未成膜の基体の搬入を行う場合においては、一つの移動チャンバーが未成膜の基体を搬入している間に、もう一つの移動チャンバーが成膜後の基体を基体受取・払出し装置に移送することができる。したがって、「基体の移動及び受け取り、払い出しに要する時間」は、成膜後の基板を成膜チャンバーから取り出し、新たな基板を成膜チャンバーへ搬入するまでの時間の合計とすることができる。
6 移動チャンバー
7,8,9,10,11,12 成膜チャンバー
46 基板
Claims (10)
- 基板上に少なくとも第1太陽電池層と、第2太陽電池層とが積層された太陽電池を製造する太陽電池の製造装置であって、前記第1太陽電池層と第2太陽電池層とをCVD法によって単一の成膜チャンバーで成膜するものであり、前記成膜チャンバーを複数有し、さらに成膜チャンバーに基板を供給・排出するために基板を輸送する移動チャンバーを有し、移動チャンバーによって電池層成膜前の基板をそれぞれの成膜チャンバーに搬送し、それぞれの成膜チャンバーで基板に対して第1太陽電池層と第2太陽電池層とを成膜し、第1太陽電池層と第2太陽電池層とが成膜された電池層成膜後の基板を移動チャンバーに移送して移動チャンバーで所定の位置に搬送し、さらに空いた成膜チャンバーに新たな電池層成膜前の基板を搬入し、これら一連の動作を連続的に実施する太陽電池の製造装置において、
第1太陽電池層の成膜に要する時間をT1とし、第2太陽電池層の成膜に要する時間と成膜後の基板を成膜チャンバーから取り出し、新たな基板を成膜チャンバーへ搬入するまでの時間の合計をT2としたとき、成膜チャンバーの数が次式のNに1を加えた数であることを特徴とする太陽電池の製造装置。
T1:T2≒1:N
又は
T1:T2≒N:1 - 基板上に少なくとも第1太陽電池層と、第2太陽電池層とが積層された太陽電池を製造する太陽電池の製造装置であって、前記第1太陽電池層と第2太陽電池層とをCVD法によって単一の成膜チャンバーで成膜するものであり、前記成膜チャンバーを複数有し、さらに成膜チャンバーに基板を供給・排出するために基板を輸送する移動チャンバーを有し、移動チャンバーによって電池層成膜前の基板をそれぞれの成膜チャンバーに搬送し、それぞれの成膜チャンバーで基板に対して第1太陽電池層と第2太陽電池層とを成膜し、第1太陽電池層と第2太陽電池層とが成膜された電池層成膜後の基板を移動チャンバーに移送して移動チャンバーで所定の位置に搬送し、さらに空いた成膜チャンバーに新たな電池層成膜前の基板を搬入し、これら一連の動作を連続的に実施する太陽電池の製造装置において、
第1太陽電池層の成膜に要する時間をT1とし、第2太陽電池層の成膜に要する時間と成膜後の基板を所定の位置に搬送してから、新たな基板を成膜チャンバーへ搬入するまでに要する時間の合計をT2としたとき、成膜チャンバーの数が次式のNに1を加えた数であることを特徴とする太陽電池の製造装置。
T1:T2≒1:N
又は
T1:T2≒N:1 - 基板上に少なくとも第1太陽電池層と、第2太陽電池層とが積層された太陽電池を製造する太陽電池の製造装置であって、前記第1太陽電池層と第2太陽電池層とをCVD法によって単一の成膜チャンバーで成膜するものであり、前記成膜チャンバーを複数有し、さらに成膜チャンバーに基板を供給・排出するために基板を輸送する移動チャンバーを有し、移動チャンバーによって電池層成膜前の基板をそれぞれの成膜チャンバーに搬送し、それぞれの成膜チャンバーで基板に対して第1太陽電池層と第2太陽電池層とを成膜し、第1太陽電池層と第2太陽電池層とが成膜された電池層成膜後の基板を移動チャンバーに移送して移動チャンバーで所定の位置に搬送し、さらに空いた成膜チャンバーに新たな電池層成膜前の基板を搬送し、これら一連の動作を連続的に実施する太陽電池の製造装置において、
第1太陽電池層の成膜に要する時間をT1とし、第2太陽電池層の成膜に要する時間をT2とし、成膜後の基板を成膜チャンバーから取り出し、新たな基板を成膜チャンバーへ搬入するまでの時間の合計をT3としたとき、T3がT1,T2及びT3の内で最小の値である場合、成膜チャンバーの数が次式のNとZの和に1を加えた数であることを特徴とする太陽電池の製造装置。
T3:T1:T2≒1:N:Z - 基板上に少なくとも第1太陽電池層と、第2太陽電池層とが積層された太陽電池を製造する太陽電池の製造装置であって、前記第1太陽電池層と第2太陽電池層とをCVD法によって単一の成膜チャンバーで成膜するものであり、前記成膜チャンバーを複数有し、さらに成膜チャンバーに基板を供給・排出するために基板を輸送する移動チャンバーを有し、移動チャンバーによって電池層成膜前の基板をそれぞれの成膜チャンバーに搬送し、それぞれの成膜チャンバーで基板に対して第1太陽電池層と第2太陽電池層とを成膜し、第1太陽電池層と第2太陽電池層とが成膜された電池層成膜後の基板を移動チャンバーに移送して移動チャンバーで所定の位置に搬送し、さらに空いた成膜チャンバーに新たな電池層成膜前の基板を搬送し、これら一連の動作を連続的に実施する太陽電池の製造装置において、
第1太陽電池層の成膜に要する時間をT1とし、第2太陽電池層の成膜に要する時間をT2とし、成膜後の基板を所定の位置に搬送してから、新たな基板を成膜チャンバーへ搬入するまでに要する時間の合計をT3としたとき、T3がT1,T2及びT3の内で最小の値である場合、成膜チャンバーの数が次式のNとZの和に1を加えた数であることを特徴とする太陽電池の製造装置。
T3:T1:T2≒1:N:Z - 第1太陽電池層と第2太陽電池層の内の一方は、アモルファスシリコンを素材としてp層i層n層が積層されたものであり、他方は結晶質シリコンを素材としてp層i層n層が積層されたものであり、成膜チャンバーの数が6であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の太陽電池の製造装置。
- 基板上に少なくとも第1導電膜層と、アモルファスシリコンを素材としてp層i層n層が積層された第1太陽電池層と、結晶質シリコンを素材としてp層i層n層が積層された第2太陽電池層と、第2導電膜層が積層された太陽電池を製造する太陽電池の製造装置であって、前記第1太陽電池層と第2太陽電池層とをCVD法によって単一の成膜チャンバーで成膜するものであり、前記成膜チャンバーを複数有し、さらに成膜チャンバーに基板を供給・排出するために基板を輸送する移動チャンバーを有し、移動チャンバーによって電池層成膜前の基板をそれぞれの成膜チャンバーに搬送し、それぞれの成膜チャンバーで基板に対して第1太陽電池層と第2太陽電池層とを成膜し、第1太陽電池層と第2太陽電池層とが成膜された電池層成膜後の基板を移動チャンバーに移送して移動チャンバーで所定の位置に搬送し、さらに空いた成膜チャンバーに新たな電池層成膜前の基板を搬入し、これら一連の動作を連続的に実施する太陽電池の製造装置において、成膜チャンバーの数が6であることを特徴とする太陽電池の製造装置。
- 前記太陽電池は、基板上に少なくとも第1導電膜層と、アモルファスシリコンを素材としてp層i層n層が積層された第1太陽電池層と、結晶質シリコンを素材としてp層i層n層が積層された第2太陽電池層と、第2導電膜層が積層されており、前記各層の少なくとも一部を光ビームによる加工によって複数のセルに分離し、相互に電気的に集積化してなる薄膜太陽電池モジュールであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池の製造装置。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の太陽電池の製造装置を使用して、第1太陽電池層及び第2太陽電池層を成膜することを特徴とする太陽電池の製造方法。
- 成膜室を有し当該成膜室内で基体に薄膜を成膜する成膜チャンバーを有し、複数の成膜チャンバーを備えた太陽電池の製造装置を使用して、基板上に少なくとも第1太陽電池層と、第2太陽電池層とが積層された太陽電池を製造する太陽電池の製造方法であって、
アモルファスシリコンを素材とするp層i層n層を積層し、第1太陽電池層を製造する第1の工程と、
第1太陽電池層上に結晶質シリコンを素材とするp層i層n層を積層して第2太陽電池層を製造する第2の工程とを有しており、
前記第1の工程と第2の工程は単一の成膜チャンバー内で行われ、
第1太陽電池層の成膜に要する時間をT1とし、第2太陽電池層の成膜に要する時間と、成膜後の基板を成膜チャンバーから取り出し、新たな基板を成膜チャンバーへ搬入するまでの時間の合計をT2としたとき、T1:T2≒1:Nを満たすNに1を加えた数の成膜チャンバーにおいて、前記第1の工程がT1以上の間隔を設けて開始されることを特徴とする太陽電池の製造方法。 - 成膜室を有し当該成膜室内で基体に薄膜を成膜する成膜チャンバーを有し、複数の成膜チャンバーを備えた太陽電池の製造装置を使用して、基板上に少なくとも第1太陽電池層と、第2太陽電池層とが積層された太陽電池を製造する太陽電池の製造方法であって、
アモルファスシリコンを素材とするp層i層n層を積層し、第1太陽電池層を製造する第1の工程と、
第1太陽電池層上に結晶質シリコンを素材とするp層i層n層を積層して第2太陽電池層を製造する第2の工程とを有しており、
前記第1の工程と第2の工程は単一の成膜チャンバー内で行われ、
第1太陽電池層の成膜に要する時間をT1とし、第2太陽電池層の成膜に要する時間と、成膜後の基板を所定の位置に搬送するために要する時間、及び新たな基板を成膜チャンバーへ搬入するために要する時間の合計をT2としたとき、T1:T2≒1:Nを満たすNに1を加えた数の成膜チャンバーにおいて、前記第1の工程がT1以上の間隔を設けて開始されることを特徴とする太陽電池の製造方法。
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