JP5474245B1 - 水余り対策ロール、水余り対策テープ、及び、これらを用いたオフセット印刷機の湿し水供給装置、ロールコーター、輪転機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロール本体の両端部に高撥水部を設けることで、余計な湿し水等をロールに上げず「湿し水等の量適正化」と「構成の簡素化・小型化」を両立させる。
【解決手段】オフセット印刷機の湿し水供給装置や、ロールコーター、輪転機等に用いられるロール部材である。ロール本体2の両端部には、これら両端部の間のロール中央部3における撥水性より撥水性が高い高撥水部4を有していて、この高撥水部4におけるJIS−K−3211:1990で規定された接触角は、ロール中央部3におけるJIS−K−3211:1990で規定された接触角より大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、オフセット印刷機の湿し水供給装置や、ロールコーター、輪転機等に用いられるロール部材、これらのロール部材に付着させるシート状物、及び、これらを用いたオフセット印刷機の湿し水供給装置、ロールコーター、輪転機に関する。
従来、オフセット輪転印刷機のインキング装置が知られている(特許文献1)。
このオフセット輪転印刷機のインキング装置は、少なくともインキ受け渡しローラー、練りローラー、金属ローラー、着けローラーを備え、各ローラーを配列してインキ受け渡しローラーに転移されるインキを版胴に転移するインキ経路が形成されている。
更に、このインキ経路は、インキ受け渡しローラーから版胴に対して略Y字状に各ローラーが配列されて形成されており、湿し水が転移される版胴の回転方向手前側のインキ経路には、インキ及び湿し水が内側に巻き込まれるインキ経路を構成する練りローラーと金属ローラーの接触部に向かって空気を吹き出し、版胴から転移される湿し水の余剰水を蒸発させる空気吹き出し手段を備えている。
特開2007−15358号公報
しかしながら、上述した特許文献1のオフセット輪転印刷機のインキング装置は、空気を吹き出すことによって、湿し水の余剰水を蒸発させているため、蒸発に十分な吹出し量を確保すべく、空気吹き出し手段を取り付けた分だけ、設備の大型化を招く。
又、特許文献1のインキング装置は、練りローラーと金属ローラーの接触部に向かって空気を吹き出しているだけで、内側に巻き込まれる湿し水やインキ以外へも、空気を吹き出すこととなり、吹き出す空気にロスがあるため、エネルギー効率が悪い。
更に、余剰水の蒸発量は、空気の吹出し量以外にも、オフセット輪転印刷機が置かれている環境(温度・湿度等)にもよるため、蒸発量の調整が困難であり、湿し水の蒸発量が少なすぎれば、水余りとなって、印刷物の濃度が薄くなったり(インキの乳化)、印刷物の汚れ、浮き汚れ、水飛びなどの印刷トラブルが発生し、湿し水の蒸発量が多すぎれば、かえって地汚れ等の原因となる。
本発明は、このような点に鑑み、オフセット印刷機の湿し水供給装置をはじめ、ロールコーター、輪転機等に用いられるロール部材におけるロール本体の両端部に、中央部より撥水性が高い高撥水部を設けることによって、余計な湿し水等はロールに上ることがないため、「湿し水等の量適正化」と同時に、空気吹き出し手段等の余分な設備は一切必要なくなるという「構成の簡素化・小型化」を両立できるロール部材、これらのロール部材に付着させるシート状物、及び、これらを用いたオフセット印刷機の湿し水供給装置、ロールコーター、輪転機を提供することを目的とする。
本発明に係るロール部材1は、ロール本体2両端部の周表面と端面の少なくとも一方に、前記ロール本体2両端部の間のロール中央部3より接触角が大きい高撥水部4を有し、前記高撥水部4は、前記ロール本体2両端部の周表面及び端面に設けられて、前記ロール本体2の各端からロール中央部3にかけての撥水幅Wが、前記ロール本体2の全長に対して0%より大きく略17%以下の割合である、前記高撥水部4は、前記ロール本体2両端部の周表面のみに設けられて、前記撥水幅Wが、前記ロール本体2の全長に対して略1%以上略17%以下の割合である、又は、前記高撥水部4は、前記ロール本体2両端部の端面のみに設けられて、前記撥水幅Wが、前記ロール本体2の全長に対して0%の割合であることを第1の特徴とする。
本発明に係るロール部材1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記ロール中央部3は、その周表面がゴム、金属、炭素繊維、セラミック、塩化ビニル又はポリアミドで構成され、前記高撥水部4は、前記ロール本体2の両端部に、フッ素化合物、ケイ素化合物、パラフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1つで構成される素材を、スプレー、ハケ、スポンジ、布帛若しくはロールコーターによる塗布、静電塗装、含浸又は溶射の何れかによってコーティングして形成されている点にある。
本発明に係るロール部材1の第3の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記ロール中央部3は、その周表面がゴム、金属、炭素繊維、セラミック、塩化ビニル又はポリアミドで構成され、前記高撥水部4は、前記ロール本体2の両端部に、フッ素化合物、ケイ素化合物、パラフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1つで構成される素材を、前記ロール中央部3を構成する素材に添加して形成されている点にある。
本発明に係るロール部材1の第4の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記ロール中央部3は、その周表面がゴム、金属、炭素繊維、セラミック、塩化ビニル又はポリアミドで構成され、前記高撥水部4は、前記ロール本体2の両端部に、フッ素化合物、ケイ素化合物、パラフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1つで構成される素材を、シート状にして付着させて形成されている点にある。
これらの特徴により、ロール本体2の両端部の少なくとも周表面に、ロール中央部3より撥水性が高く、接続角が大きい高撥水部4を設けることで、各種のオフセット印刷機、そして、その湿し水供給装置や、ロールコーター、輪転機等に適した量の湿し水や、塗液、インク等だけを、ロールの上に乗せることが可能となる(「湿し水等の量適正化」)。
尚、図2〜8に示したように、ロール本体2の両端部に高撥水部4を設けた実施例1〜3における水上り量は、高撥水部4を一切有さない比較例1や、ロール本体2の周表面の全てに高い撥水性を有した比較例2における水上り量とは、何れの撥水幅Wやエッチ液を用いた場合でも変化している。これは、高撥水部4を設ける場所をロール両端とすることで、他の場所に設けるよりも、水上り量に与える変化が大きく出来、ロールに上る湿し水等の量を事前に調整し易くなる。
又、本発明では、そもそも余計な湿し水等をロールに上げないため、特許文献1のように、余剰水を蒸発させる必要もなく、エネルギーロスもない。
更には、ロール本体2の両端部に高撥水部4を設けるだけであるため、特許文献1のような空気吹き出し手段などは不要となり、余分な設備がない分、湿し水供給装置20や、オフセット印刷機10や、ロールコーター、輪転機等の「構成の簡素化・小型化」も同時に図れる。
従って、「湿し水等の量適正化」と「構成の簡素化・小型化」の両立が可能となる。
ここで、本出願における「ロール部材」とは、オフセット印刷機10における水元ロールや、調量ロール、水切りロールなど、その他、湿し水供給装置20で用いられるロールをはじめ、ロールコーターや輪転機等に用いられるロールなどであれば何れのロールも含む。
本発明における「接触角」とは、上述したように、JIS−K−3211:1990で規定される接触角であって、詳しく述べれば、「固体面上にある液体が気体又は液体中にあるとき、液体と固体面のなす角のうち液体を含む角」を言う。尚、本発明の液体とは、湿し水や、塗液、インク等を言う。
本発明における「ロール本体2の両端部」とは、ロール本体2の両端部の周表面と端面(円柱状のロール本体2における底面)の少なくとも一方に高撥水部4を有することを意味する(図1(a)〜(d)参照)。
又、ロール中央部3の周表面を、ゴム、金属、炭素繊維、セラミック、塩化ビニル又はポリアミドで構成し、高撥水部4を、ロール本体2の両端部に、フッ素化合物、ケイ素化合物、パラフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートの何れかで構成される素材を、スプレー、ハケ、スポンジ、布帛若しくはロールコーターによる塗布、静電塗装、含浸又は溶射の何れかによってコーティングし、或いは、前記ロール中央部3を構成する素材に添加して形成することで、湿し水供給装置20の水元ロール、調量ロール、水切りロール等をはじめ、ロールコーターや輪転機等に用いられるロールなどとして適した素材でロール部材1を構成できる。
ロール中央部3の周表面を、ゴム等で構成し、高撥水部4を、ロール本体2の両端部に、フッ素化合物、ケイ素化合物等の何れかで構成される素材を、シート状にして付着させて形成することで、従来から用いていた各ロールに対しても、後付けで、高撥水部4を、形成することも出来、設備・資源の有効活用が図れる。
高撥水部4の撥水幅Wを、1mm以上100mm以下とすることで、湿し水等を供給するロール部材1として、極力、ロールの端まで使いつつ、使用するオフセット印刷機10や、ロールコーター、輪転機等に応じた水余り(塗液余り、インク余り)対策を行うことが出来る。
本発明に係るシート状物Tは、ロール本体2両端部の周表面と端面の少なくとも一方に付着して、前記ロール本体2両端部の間のロール中央部3より接触角が大きい高撥水部4を形成するシート状物であって、前記高撥水部4は、前記ロール本体2両端部の周表面及び端面に設けられて、前記ロール本体2の各端からロール中央部3にかけての撥水幅Wが、前記ロール本体2の全長に対して0%より大きく略17%以下の割合である、前記高撥水部4は、前記ロール本体2両端部の周表面のみに設けられて、前記撥水幅Wが、前記ロール本体2の全長に対して略1%以上略17%以下の割合である、又は、前記高撥水部4は、前記ロール本体2両端部の端面のみに設けられて、前記撥水幅Wが、前記ロール本体2の全長に対して0%の割合であることを特徴とする。
この特徴によっても、従来から用いていた各ロールに対しても、後付けで、高撥水部4を、形成することも出来、設備・資源の有効活用が図れる。
本発明に係るオフセット印刷機の湿し水供給装置、ロールコーター、又は、輪転機は、上述したロール部材、又は、上述したシート状物を用いていることを特徴とする。
本発明に係るロール部材、シート状物、及び、これらを用いたオフセット印刷機の湿し水供給装置、ロールコーター、輪転機によると、ロール本体の両端部に、中央部より撥水性が高い高撥水部を設けることで、そもそも余計な湿し水(水余り)等が発生せず、「湿し水等の量適正化」と「構成の簡素化・小型化」の両立を図れる。
(a)は、本発明の第1実施形態に係るロール部材の正面図であり、(b)は第1実施形態に係るロール部材の側面図であり、(c)は、第2実施形態に係るロール部材の斜視図であり、(d)は、第3実施形態に係るロール部材の斜視図である。 試験1(ロール部材の実施例1〜3と比較例1・2に、湿し水として水を使った場合)の水上り量を示したグラフである。 試験2(ロール部材の実施例1〜3と比較例1・2に、湿し水としてエッチ液Aの2.0%水溶液を使った場合)の水上り量を示したグラフである。 試験3(ロール部材の実施例1〜3と比較例1・2に、湿し水としてエッチ液Aの1.0%水溶液を使った場合)の水上り量を示したグラフである。 試験4(ロール部材の実施例1〜3と比較例1・2に、湿し水としてエッチ液Bの1.0%水溶液を使った場合)の水上り量を示したグラフである。 試験5(ロール部材の実施例4・5と比較例3・4に、湿し水として水を使った場合)の水上り量を示したグラフである。 試験6(ロール部材の実施例6・7と比較例5に、湿し水として水を使った場合)の水上り量を示したグラフである。 試験7(ロール部材の実施例8〜10と比較例1・5に、湿し水として水を使った場合)の水上り量を示したグラフである。 湿し水供給装置におけるロール部材の使用例1を示す概要斜視図である。 (a)は、湿し水供給装置におけるロール部材の使用例2を示す概要側面図であり、(b)は、湿し水供給装置におけるロール部材の使用例3を示す概要側面図であり、(c)は、湿し水供給装置におけるロール部材の使用例4を示す概要側面図であり、(d)は、ロール部材の水上り量を調べる試験機を示す概要側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<ロール部材1の第1実施形態>
図1(a)、(b)には、本発明の第1実施形態に係るロール部材1が示されている。
このロール部材1は、略円柱状であって、オフセット印刷機10の湿し水供給装置20等で用いられる(例えば、図9、図10(a)〜(c)等参照)。
ロール部材1は、ロール本体2と、このロール本体2の柱軸方向における中央部(ロール中央部3)と、このロール中央部3を挟む両端部(ロール両端部)にロール中央部3より撥水性の高い高撥水部4を有している。
ロール部材1は、ロール本体2の端面(略円柱における底面であって、ロール本体2の柱軸に略直交する面)それぞれに、湿し水供給装置20等に取り付けられる際の支軸5も有しており、この支軸5は、ロール本体2の柱軸と略同心状で且つロール本体2の各端面から突出状に設けられている。
<ロール本体2>
図1(a)、(b)に示したように、ロール本体2は、略円柱体であって、ロール中央部3より高撥水部4の接触角を大きく出来るのであれば、その構成に特に限定はないが、例えば、ロール本体2の芯部材の外周面に、ロール中央部3の周表面や高撥水部4を構成する素材を、コーティングしたり、シート状(テープ状も含む)にして付着(積層や接着)させることで形成しても良い。
又、芯部材を用いず、略円柱状のロール中央部3を構成する素材における両端面に、それぞれ、略円柱状の略高撥水部4を構成する素材を取り付けて、ロール本体2を形成しても構わない。
尚、上述の芯部材とは、ロール中央部3の周表面や高撥水部4を構成する素材を支える部材であれば、何れの構成であっても良いが、例えば、ロール本体2の外周面の部材を、柱軸方向に揺動させる揺動ロール機構や、分割された略円柱状の芯部材を柱軸方向に並べ、各芯部材を個別に摺動させる分割ロール機構であったり、又、これらの機構を有さず、ロール本体2の外周面の部材を支持するのみであっても構わない。
ロール本体2の柱軸方向の長さは、特に限定はないが、例えば、100mm以上1700mm以下、好ましくは150mm以上1000mm以下、更に好ましくは200mm以上800mm以下(280mmなど)であったり、逆に1700mm以上などであっても構わない。
ロール本体2の直径も、特に限定はないが、例えば、10mm以上120mm以下、好ましくは15mm以上110mm以下、更に好ましくは20mm以上100mm以下(78mmなど)であっても構わない。
<ロール中央部3>
図1(a)、(b)に示す如く、ロール中央部3は、ロール本体2の柱軸方向の略中央に位置し、ロール両端の高撥水部4間に挟まれている。
ロール中央部3は、その接触角が、高撥水部4の接触角よりも小さければ、上述したように、芯部材の外周面上に別の素材を付着・コーティング等させていたり、芯部材を有さなかったり、何れの構成であっても構わない。
ロール中央部3の周表面(最も径方向外側(径外側)の周面部分)の素材も、ロール中央部3の接触角が、高撥水部4の接触角よりも小さければ、何れであっても良いが、例えば、ゴム、金属、炭素繊維(カーボンファイバー)、セラミック(ポリアミド樹脂)又は塩化ビニル(ポリ塩化ビニル(PVC))で構成されていても良い。
この他、ロール中央部3の周表面の素材として、エンジニアプラスティックなど、何れの合成樹脂を用いても良い。
ロール中央部3の周表面の素材として、例えば、ゴムであれば、原材料に加硫剤を混錬したのち加熱して得られる加硫ゴム(熱硬化性エラストマー)や、熱硬化性樹脂系エラストマーなどを言う。
ロール中央部3に用いられる加硫ゴムとは、大別すれば、天然ゴム、合成ゴムに分かれるが、その何れであっても良い。
例えば、合成ゴムについて、より具体的に述べれば、ニトリルゴム(NBR)や、ウレタンゴム(ポリウレタンPU)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)をはじめ、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリイソブチレン(ブチルゴム(IIR))、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)などである。
ロール中央部3の周表面(最も径外側の周面部分)の素材として、例えば、金属であれば、クローム、銅、アルミ、ニッケル等を用いても良く、これらの金属を、ロール中央部3(ロール本体2)の母材(下地)に対してメッキにより被覆したり、これらの金属で形成されたパイプを焼きバメして被覆しても良い。
尚、ロール中央部3(ロール本体2)の下地も、何れの素材でも構わないが、例えば、鉄や、ステンレス(SUS)等でも良い。
ロール中央部3の周表面の素材として、例えば、炭素繊維(カーボンファイバー)であれば、ポリアクリロニトリル繊維を炭素化して得られるPAN系炭素繊維や、ピッチプリカーサー(コールタールまたは石油重質分を原料として得られるピッチ繊維)を炭素化して得られるピッチ系炭素繊維などを言う。
又、ロール中央部3の周表面の素材として、例えば、セラミック(セラミックス)であれば、成形し焼成して得られる無機物質からなる素材であって、陶磁器・ガラス・耐火物・碍子などの窯業製品(オールドセラミックス)や、炭化物や窒化物などを含む耐火性・誘電性・磁性などを有したファインセラミックス(ニューセラミックス)であっても構わない。
<高撥水部4>
図1(a)、(b)に示す如く、高撥水部4は、ロール本体2の両端部(柱軸方向における各端部)にそれぞれ設けられており、ロール中央部3における撥水性よりも撥水性が高い部分であって、高撥水部4における接触角は、ロール中央部3における接触角より大きい。
尚、第1実施形態における高撥水部4は、ロール本体2の両端部の周表面のみに設けられているが、高撥水部4は、ロール本体2の両端部の周表面と端面(円柱状のロール本体2における底面)の少なくとも一方に設けられていても構わない。
高撥水部4は、ロール本体2の各端からロール中央部3にかけて(ロール本体2の周表面における各端からロール中央部3側にかけて)幅Wの範囲に設けられており、この幅Wを撥水幅Wとする。この撥水幅Wの詳細は、実施例にて述べる。
高撥水部4は、ロール中央部3と同様で、高撥水部4の接触角が、ロール中央部3の接触角よりも大きければ、芯部材の外周面上に、高撥水部4を構成する素材を、コーティングしたり、ロール中央部3を構成する素材に添加したり、シート状(テープ状も含む)にして付着(ライニング)させていても良く、又、芯部材を有さない(つまり、高撥水部4を構成する素材で、中心(柱軸)まで形成されている)など、何れの構成であっても構わない。
尚、シート状にして付着させて高撥水部4を形成する場合、ロール本体2に付着させるシート状の物(テープ)が、本発明におけるシート状物Tとなる。
高撥水部4がロール本体2の両端部を、高撥水部4を構成する素材でコーティングして形成されている場合、そのコーティング(被覆)方法については、特に限定はないが、例えば、スプレー、ハケ、スポンジ、布帛若しくはロールコーター等による塗布、静電塗装、含浸又は溶射であっても構わない。
尚、スプレーによる塗布(塗装)であれば、塗料を霧状にして高圧空気(缶スプレー、エアーブラシ、エアコンプレッサー等)と共に吹き付ける方法や、高圧空気を使わず、塗料を高圧にしてその圧力で噴霧する方法等を含む。
又、上述の塗布には、手持ちのローラーによる塗布や、電着塗装、静電塗装、焼付け塗装、粉体塗装(粉体焼付け塗装)、紫外線硬化塗装なども含む。
その他、コーティングの方法として、ホットスタンピングや、熱転写、ラミネートなど、何れの方法であっても良い。
コーティングによって高撥水部4を形成した場合、その高撥水部4(被膜)の厚みは、何れの値でも良いが、例えば、5μm以上30μm以下、好ましくは10μm以上25μm以下、更に好ましくは15μm以上20μm以下であっても構わない。
又、このコーティングによる高撥水部4や、シート状にしてライニングした高撥水部4の場合、これらの高撥水部4の周表面を、ロール中央部3の周表面と略面一状に形成できるのであれば、高撥水部4の厚みは、もっと厚くとも(厚肉状でも)良く、例えば、100μm以上2000μm以下、好ましくは200μm以上1800μm以下、更に好ましくは300μm以上1500μm以下であっても構わない。
尚、高撥水部4を構成する素材を、ロール本体2の両端部に、スプレー等による塗布などによってコーティングしたり、ロール中央部3を構成する素材に添加したり、或いは、シート状にして付着させて形成することで、湿し水供給装置20の水元ロール、調量ロール、水切りロールや、ロールコーター、輪転機などに用いられるロール等として適した素材でロール部材1を構成できると共に、従来から用いていた各ロールに対しても、後付けで、高撥水部4を、形成することも出来、設備・資源の有効活用が図れる。
高撥水部4の表面(最も径方向外側(径外側)の周面部分や端面部分)の素材も、高撥水部4の接触角がロール中央部3の接触角よりも大きければ、何れであっても良いが、例えば、フッ素化合物(フッ素樹脂)、ケイ素化合物(シリコーン樹脂)、パラフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)又はポリエチレンテレフタレート(PET)で構成されていても良い。又、飽和フルオロアルキル基(特にトリフルオロメチル基CF3 - )や、アルキルシリル基、フルオロシリル基、長鎖アルキル基などを含むものであっても良い。
この他、高撥水部4の周表面の素材として、ポリエステル(上述したPET以外のポリエステル)や、撥水効果を有した塗料など、高撥水部4の接触角がロール中央部3の接触角よりも大きい条件を満たせば、何れの合成樹脂を用いても良い。
高撥水部4の表面の素材として、例えば、フッ素化合物(フッ素樹脂)であれば、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる合成樹脂を言う。
より具体的に述べれば、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン樹脂)(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂)(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂)(ETFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロジオキソールコポリマー (TFE/PDD)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー(三フッ化塩化エチレン−エチレン共重合樹脂)(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(三フッ化塩化エチレン共重合樹脂)(PCTFE)などである。
高撥水部4の表面(最も径外側の周面部分や端面部分)の素材として、例えば、ケイ素化合物(シリコーン樹脂)とは、ケイ素と酸素との分子鎖(シロキサン結合−Si−O−Si−)を骨格とした重合体(低分子シラン類も含む)である。
又、シリコーン樹脂の基本単位は、1官能性、2官能性、3官能性、4官能性の何れを含んでいても良く、シロキサン結合は、直鎖状となったり、三次元網目構造であっても構わない。
高撥水部4の接触角がロール中央部3の接触角よりも大きくなるのであれば、シロキサン結合の数やその性状は、何れであっても良く、例えば、シロキサン結合の数が、0以上2000以下(オイル状・蝋状等)であったり、5000以上(ゴム状・レジン状等)であっても構わない。
高撥水部4の表面の素材として、例えば、パラフィンであれば、炭素原子の数が20以上のアルカン(鎖式飽和炭化水素Cn2n+2)の炭化水素化合物であって、その性状は、固体(蝋状)、液体(流動パラフィン)等、何れであっても構わない。
尚、高撥水部4を構成する素材のうち少なくとも1つを、ロール中央部3を構成する素材に添加した場合、ロール本体2において、その表面に高撥水部4を構成する素材とロール中央部3を構成する素材が混在し、且つ、ロール本体2の両端部でロール中央部3より接触角が大きい部分を、高撥水部4とする。
又、ロール中央部3の周表面の素材は、上述したように、長鎖アルキル基を含むポリエチレン(PE)であったり、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)であっても構わない。
<支軸5>
図1(a)、(b)に示すように、支軸5は、ロール本体2の両端の端面(略円柱における底面であって、ロール本体2の柱軸に略直交する面)それぞれから、柱軸方向外方に向かって突出して設けられている。
又、支軸5の軸心は、ロール本体2の柱軸(つまり、ロール中央部3の軸心や、高撥水部4(ロール両端部)の軸心)と略同心状に配置されている。
支軸5は、湿し水供給装置20等にロール本体2を回動自在に取り付けられるのであれば、何れの形状でも構わないが、例えば、ロール本体2の端面から突出した太軸部5aと、この太軸部5aより細く太軸部5aの端面から突出した細軸部5bを有する。
太軸部5aは、ロール本体2の端面から所定の長さだけ柱軸方向外方に向かって突出しており、この太軸部5aの突出長さが、ロール本体2(の端面)から、湿し水供給装置20等(の支持部材)までの距離と略同一となる。
細軸部5bは、太軸部5aの端面(略円柱における底面であって、太軸部5aの軸心に略直交する面)から柱軸方向外方に向かって突出しており、この細軸部5bが、湿し水供給装置20等(の支持部材)の受け孔等に挿入され、回動自在にロール部材1を支持する。
尚、支軸5は、上述の太軸部5aと細軸部5bの構成以外でも、取り付ける湿し水供給装置20や、オフセット印刷機10等に応じて、細軸部5bにおける柱軸方向の外方端部や突出方向中途部に、略円盤状の部材や凸部を有していたり、太軸部5aや細軸部5bが、柱軸方向の外方へ行くにつれて先細り形状であっっても良い。
更に、支軸5は、細軸部5bの端面に、更に細い軸部を有していたり、太軸部5a、細軸部5bのそれぞれに、又は、太軸部5aと細軸部5bの間等に、凹部(くびれ)を有していたり、太軸部5aや細軸部5bの区別なく、支軸5として1つの棒状の軸部材であるなど、何れの構成でも構わない。
<試験機100>
本発明に係るロール部材1の実施例、比較例を用いた以下の試験1〜7に基づき、高撥水部4の撥水幅W等について、更に詳細な説明を行う。
尚、これら試験1〜7で使う試験機100は、図10(d)に示されている。
試験機100は、湿し水が入った水舟101と、この水舟101内の湿し水に浸される水元ロール102と、この水元ロール102に当接する水渡ロール103と、この水渡ロール103(の周表面)に上っている湿し水をかき取るブレード104を有している。
各試験は、この試験機100の水元ロール102に、実施例1〜10、比較例1〜5のロール部材を用いて行う。
ここで、水元ロール102(つまり、実施例1〜10、比較例1〜5)の大きさは、何れの例も共通で、直径が100mm、柱軸方向の長さが280mmである。
水渡ロール103の大きさは、直径が78mm、柱軸方向の長さが280mmであって、水渡ロール103の周表面全体には、クロームメッキが施されている。
水元ロール102及び水渡ロール103の回転速度は、1分当たりに約16m(16.14m)分だけロールの周表面が回転する速度であって、例えば、直径が78mmのロールであれば1分当たり約161回(161.4回)回転し、直径が100mmのロールであれば1分当たり約207回(206.9回)回転する速度である。
尚、試験1〜7では、水元ロール102及び水渡ロール103を回転させて、3分後にブレード104によってかき取られた湿し水の水上り量(g)を測定し、5分後に、ブレード104によってかき取られた湿し水の水上り量(g)を測定する。但し、回転開始から3分後の水上り量(g)を測定した後、1度回転を止め、再び、回転開始から5分後の水上り量(g)を測定する。
ニップ調整としては、水元ロール102と水渡ロール103をキスタッチさせた状態(互いの周表面が軽く触れた状態)から、15分回転させて行うこととしても良い。
<実施例1〜3、比較例1・2>
まず、試験1〜4において共通に用いる実施例1〜3と比較例1・2について述べ、試験5〜7において、各試験で用いる実施例4〜10、比較例3〜5を、各試験ごとに述べる。
実施例1は、周表面全体が、ニトリルゴム(NBR−1)で構成されたロール本体2の両端部に、フッ素化合物をスプレー塗布して(コーティングして)、高撥水部4を形成したものであって、実施例1の高撥水部4の撥水幅Wは、10mmである。
実施例1は、高撥水部4の周表面における硬度(JIS−K−6253−3:2012タイプAで規定されたデュロメータ硬さ)が33°であって、表面粗さ(JIS−B−0601:1994で規定された十点平均粗さRz)が1.4μm、水に対する接触角(上述したように、JIS−K−3211:1990で規定された接触角)が84°である。
これに対し、実施例1は、ロール中央部3の周表面における硬度が27°であって、表面粗さが2.5μm、水に対する接触角が68°である。
従って、実施例1は、高撥水部4における接触角は、ロール中央部3における接触角より大きい。
尚、フッ素化合物のスプレー塗布前に、ロール本体2の両端部の周表面に、プライマー(接着剤)を付けていても良く、又、フッ素化合物のスプレー塗布を2回、又は、それ以上行っていたり、スプレー塗布後に熱処理(焼成)していても構わない。
又、ロール本体2の各端部に設けられた高撥水部4は、それぞれの撥水性(接触角等)が略同一である。
ここで、接触角の測定は、高撥水部4の表面における接触角、ロール中央部3の表面における接触角を測定できれば、何れの方法でも良いが、例えば、固体表面上の液滴の半径rと高さhを、以下の式(1)に代入して接触角を求めるθ/2法でも構わない。
このθ/2法以外でも、例えば、固体表面上の液滴における滴端点近辺を球面の一部とみなし、その球面内の円弧上の滴端点と任意の2点から当該円の中心を求め、滴端点における円の接線を求めた後、この接線と固体表面のなす角度を、液滴の当該滴端点における接触角とする接線法や、或いは、液滴の輪郭形状が真円又は楕円の一部をなすと仮定し、任意の区間(フィッティング区間)内のすべての観測座標に基づき、最小二乗法により、真円又は楕円のパラメータを決定し、端端点における微分係数を求めて接触角を算出するカーブフィッティング法でも良い。
更には、上記の何れかの方法等で、経時変化する液滴の接触角を所定時間間隔ごとに測定したり、固体表面に接した液滴を、膨らませたり、吸い込んだりすることで、液滴の界面が前進、後退するときの接触角(前進接触角と後退接触角)を測定する拡張/ 収縮法や或いは、液滴を載せた固体試料(高撥水部4、ロール中央部3)を傾けて、液滴の滑り出す角度(転落角)や、液滴自身の接触角(前進接触角と後退接触角)を測定する滑落法(転落法)等で、測定しても構わない。
尚、高撥水部4の表面における接触角とロール中央部3の表面における接触角の比較は、何れの方法を用いた場合であっても、同じ方法で測定された接触角同士で、大小関係を判断する。
実施例2は、実施例1とは高撥水部4の撥水幅Wが相違するのみで、実施例2の撥水幅Wは18mmである。
実施例3も、実施例1、2とは高撥水部4の撥水幅Wが相違するのみで、実施例3の撥水幅Wは21mmである。
当然、実施例2、3共に、高撥水部4における接触角は、ロール中央部3における接触角より大きい。
一方、比較例1は、周表面全体が、ニトリルゴム(NBR−1)で構成されたロール本体2だけであって、高撥水部4を有さないものである。
従って、比較例1は、ロール本体2の周表面における硬度が27°であって、表面粗さが2.5μm、水に対する接触角が68°である。
又、比較例2は、ロール本体2の周表面全体に、フッ素化合物をスプレー塗布(コーティング)したものであって、比較例2は、ロール本体2の周表面における硬度が34°であって、表面粗さが1.4μm、水に対する接触角が84°である。
上述した実施例1〜3、比較例1、2の周表面における硬度、表面粗さ、接触角を、以下の表1に示す。
尚、従来例である比較例1を、表1中の先頭に記載することで、実施例1〜3の特徴をより明確に示す。
<試験1>
試験1では、上述の実施例1〜3、比較例1、2に対して、湿し水として、水(水道水)を使った場合の水上り量(g)を調べた。
この試験1の結果を、以下の表2と図2に示す。
表2と図2では、比較例1は、高撥水部4を全く有さず、湿し水の水上り量が、3分後に15.72g、5分後に28.50gとなり、実施例1〜3と比較例1・2全ての中で最も多かった。
比較例2は、ロール本体2周表面の全面がフッ素化合物でコーティングされ、湿し水の水上り量が、3分後に6.72g、5分後に10.64gとなり、実施例1〜3と比較例1・2全ての中で最も少なかった。
一方、実施例1は、ロール本体2の柱軸方向の長さ(全長)280mmに比して、各端部の撥水幅Wがそれぞれ10mmしかないものの、湿し水の水上り量が、3分後では、比較例1と2の略中間の12.23gまで減少させており、5分後でも、実施例1は、比較例1よりも少ない。
更に詳しく述べれば、実施例1と比較例1の水上り量の差は、3分後では、3.49g(=15.72 g−12.23g)だったが、5分後では、4.33g(=28.50g−24.17g)まで差が開いている。
次に、実施例2は、撥水幅Wが18mmであって、湿し水の水上り量が、3分後では、実施例1と略同じ11.59gである(比較例1よりは略4g少ない)が、5分後では、実施例1より略4g少ない20.55gと(比較例1よりは略8g少なく)なっており、5分以降も、時間が経つにつれて、実施例2と、実施例1や比較例1との差は大きくなると言える。
従って、撥水幅Wを8mm増やすことによって、水上り量を、更に減らすことが可能となる。
実施例3では、撥水幅Wを21mmまで増やしており、湿し水の水上り量は、3分後の時点で、実施例2よりも少ない11.17gと(比較例1よりは略5 g少なく)なっており、5分後では、実施例2より、略2g少ない18.48g(比較例1よりは略10g少なくなる)まで減少させられる。
つまり、撥水幅Wに3mm違いがでるだけであっても、更に水上り量に変化をつけることが出来る。
更に、実施例1〜3は、高撥水部4を有さない比較例1との水上り量は、5分以降、時間が経つにつれて、差が比例して徐々に大きくなると言える。
一方、実施例3と比較例2に着目すると、2つの例の水上り量の差は、3分後の時点で、4.45gであり、5分後の時点では、10.02gである。
又、比較例2は、全くコーティングをしていない(あえて言うなら、撥水幅Wが「0mm」である)比較例1とは、水上り量に、5分間で、17.86gの差がついている。
これら実施例3と比較例1、2の結果から、全面にフッ素コーティングされた(あえて言うなら、撥水幅Wが「280mm」である)比較例2に対して、実施例3は、撥水幅Wが7分の1ほど(両端部をあわせて「42mm」)しかないにも関わらず、全面コーティングしてやっと生じる水上り量の差(比較例1と2の差)17.86gの半分以上の水上り量を減じている。
つまり、高撥水部4を設けるにしても、設ける場所によって、水上り量の変化に大きく違いが出る。
よって、ロール本体2の両端部に高撥水部4を設けた本発明は、少ない撥水幅Wであっても、水上り量に大きな違いを生むことが出来、ロールに上る湿し水の量を事前に調整し易くなる。
試験1の結果を鑑みるに、実施例1〜3は、比較例1と比較して、ロール両端に高撥水部4を有するだけで、水上り量に変化が現れ、各種のオフセット印刷機、そして、その湿し水供給装置等に適した量の湿し水等だけを、ロールの上に乗せることが可能となる。
又、本発明では、そもそも余計な湿し水等をロールに上げないこととなり、特許文献1の空気吹き出し手段のようなエネルギーロスもなく、空気吹き出し手段などの余分な設備がなくなる。
従って、「湿し水等の量適正化」と「構成の簡素化・小型化」の両立が可能となる。
尚、湿し水が水である場合には、撥水幅Wが「0mm」である比較例1と、撥水幅Wが「10mm」である実施例1の間で水上り量に変化が出始めている。
よって、この「0mm」と「10mm」の間に、たとえ短時間(3分等)でも、水上り量に所定の値(例えば、1.5g等)以上の違いを生むための撥水幅Wの下限は必ず存在し、この下限を、「0mm」と「10mm」間の「1mm」とする。
これは、後述の試験7において、高撥水部4を、ロール本体2の両端部における端面だけに設けた場合(撥水幅Wが0mmである場合)であっても、水上り量に変化が生じていることから、撥水幅Wは、たとえ「1mm」であっても、撥水幅Wが0mmである場合のように水上り量に変化が生じる(又は、撥水幅Wが0mmより大きい「1mm」であるため、水上り量に変化が生じる)と言えるからである。
一方、全面にフッ素コーティングされた(あえて言うなら、撥水幅Wが「280mm」である)比較例2と、撥水幅Wが「21mm(「両端部をあわせて42mm」)」である実施例3の間に、たとえ短時間(3分等)でも、水上り量に所定の値(例えば、2.2g等)以上の違いを生むための撥水幅Wの上限は必ず存在する。
この上限について述べると、「280mm」と「両端部をあわせて42mm」のちょうど中間は「159mm」であるが、この「159mm」よりかなり小さい「両端部をあわせて100mm」(撥水幅Wで言うなら「50mm」)を、上限の目安とても良い。
尚、この撥水幅W「50mm」とは、ロール本体2の全長が「280mm」である場合の上限の目安であって、「280mm」における「50mm」の割合(50÷280≒17.86%(上限の目安))でいけば、ロール本体2の全長が長くなれば、当然、撥水幅Wも長く出来る。
例えば、ロール本体2の全長が2倍の「560mm」であれば、上限の目安の割合でいけば、撥水幅Wも2倍の「100mm」となる(後述の試験5の実施例4も参照)。
つまり、水上り量に所定の値以上の違いを生むための撥水幅Wは、所定の値の具体的な数値にもよるが、例えば、1mm以上100mm以下、好ましくは、5mm以上50mm以下、更に好ましくは7mm以上40mm以下、より更に好ましくは14mm以上30mm以下としても良い。
又、高撥水部4の撥水幅Wを、1mm以上100mm以下とした場合は、湿し水等を供給するロール部材1として、極力、ロールの端まで使いつつ、使用するオフセット印刷機10や湿し水供給装置20等に応じた水余り等の対策を行うことが出来る。
尚、この試験1や、後述の試験2〜7では、水(湿し水)に対する接触角について言及しているが、JIS−K−3211:1990で規定されているように、湿し水や、塗液、インク等の種類を問わず液体であれば、各液体ごとに接触角(液体と固体面のなす角のうち液体を含む角)が定義され、ある液体に対するロール中央部3の接触角より、それと同じ液体に対する高撥水部4の接触角の方が大きければ、上記試験1や後述の試験2〜7におけると同様に、液体の上り量を変化させ得る。
<試験2>
試験2における試験1との違いは、湿し水として、水ではなく、エッチ液Aの水溶液を用いている点である。
この試験2で用いるエッチ液Aは、プレサートzero-IPA SF (DICグラフィックス株式会社製、プレサートは登録商標)であって、このエッチ液Aの2.0%水溶液を、湿し水とした。
その他の実施例1〜3、比較例1、2の材質や大きさなどは、試験1と同様である。
これら実施例1〜3、比較例1、2に対して、湿し水として、エッチ液Aの2.0%水溶液を使った場合の水上り量(g)を、以下の表3と図3に示す。
表3と図3より、試験2で湿し水を、水からエッチ液Aの2.0%水溶液に替えた(乳化適性向上、高速濡れ性向上、整面性向上、pH、表面張力の適性化をした)場合でも、実施例1〜3と比較例1・2全ての中で、比較例1の水上り量が最も多く、比較例2の水上り量が最も少なかった。
又、試験2でも、撥水幅Wが10mmしかない実施例1の水上り量は、3分後では、比較例1より略2g少ない15.89gまで減少しており、5分後では、略5gも少ない26.43gとなっている。
更に、実施例2でも、水上り量は、3分後で、比較例1より略5g少ない12.91gまで減少し、5分後では、略10g少ない21.46gとなっており、実施例3の水上り量も、3分後で、比較例1より略5g少ない12.78gまで減少し、5分後では、略10g少ない21.19gとなっている。
従って、試験2のように、湿し水がエッチ液Aを含む(エッチ液Aの2.0%水溶液の)場合であっても、高撥水部4をロール両端部に設けることで、撥水幅Wを問わず、水上り量に変化を生み、又、時間が経つにつれて、各実施例と比較例1のそれぞれの差は大きくなっていくと言える。
又、湿し水がエッチ液Aの2.0%水溶液である場合でも、水上り量に所定の値以上の違いを生むための撥水幅Wは、例えば、1mm以上100mm以下、好ましくは5mm以上50mm以下、更に好ましくは7mm以上40mm以下、より更に好ましくは14mm以上30mm以下としても良い。
<試験3>
試験3における違いは、湿し水として、試験2のように、エッチ液Aの水溶液を用いているが、その濃度が1.0%となっている点である。
その他の実施例1〜3、比較例1、2の材質や大きさなどは、試験1、2と同様である。
これら実施例1〜3、比較例1、2に対して、湿し水として、エッチ液Aの1.0%水溶液を使った場合の水上り量(g)を、以下の表4と図4に示す。
表4と図4より、試験3で湿し水をエッチ液Aの1.0%水溶液に替えた場合でも、実施例1〜3と比較例1・2全ての中では、やはり、比較例1の水上り量が最も多く、比較例2の水上り量が最も少なかった。
試験3でも、実施例1の水上り量は、3分後では、比較例1より略2g少ない15.80gまで減少しており、5分後では、略5gも少ない26.44gとなっている。
一方、撥水幅Wが18mmの実施例2では、水上り量は、3分後で、比較例1より略6g少ない11.53gまで減少し、5分後では、略12gも少ない18.97gとなっている。
又、撥水幅Wが21mmの実施例3の水上り量も、3分後で、比較例1より略7g少ない10.81gまで減少し、5分後では、略12gも少ない18.83gとなっており、これら実施例2、3は、全面にコーティングした比較例2の水上り量(3分後に9.07g、5分後に16.41g)に、かなり近い値となっている。
従って、試験3のように、湿し水がエッチ液Aの濃度が1.0%に替わった場合、高撥水部4をロール両端部に設けるだけで、撥水幅Wを問わず、水上り量に変化を生み、時間が経つにつれて、各実施例と比較例1のそれぞれの差は大きくなっていくと言えることは勿論のこと、撥水幅Wが所定の値以上になると、全面コーティングしたのと変わらない水上り量低減の効果を奏する。
尚、全面コーティングしたのと変わらない(遜色ない)水上り量となる撥水幅Wの所定の値は、詳細を、以下の試験4で述べる。
又、湿し水が、エッチ液Aの濃度が1.0%である場合でも、水上り量に所定の値以上の違いを生むための撥水幅Wは、例えば、1mm以上100mm以下、好ましくは5mm以上50mm以下、更に好ましくは7mm以上40mm以下、より更に好ましくは14mm以上30mm以下としても良い。
<試験4>
試験4の大きな違いは、湿し水のエッチ液として、エッチ液Bを用いている点である。
この試験4で用いるエッチ液Bは、ソライア507(SOLAIA 507)(光陽化学工業株式会社製)であって、このエッチ液Bの1.0%水溶液を、湿し水とした。
その他の実施例1〜3、比較例1、2の材質や大きさなどは、試験1〜3と同様である。
これら実施例1〜3、比較例1、2に対して、湿し水として、エッチ液Bの1.0%水溶液を使った場合の水上り量(g)を、以下の表5と図5に示す。
表5と図5より、試験4で、エッチ液を変更し、湿し水をエッチ液Bの1.0%水溶液に替えた場合、比較例1の水上り量は、実施例1と略同じとなり、比較例2の水上り量は、実施例1〜3と比較例1・2全ての中で最も少ないものの、実施例2、3とかなり近い値となった。
詳解すれば、試験4では、実施例1の水上り量は、3分後には比較例1よりも0.15g多い16.30gとなっており、更に5分後では、比較例1より0.88g多い28.60gとなっている。
つまり、撥水幅Wが10mmの実施例1は、全くコーティングしていない比較例1より多くの湿し水を上げており、回転時間が3分から5分に延びることで、その差も増えている。
従って、試験4のように、湿し水として、エッチ液がエッチ液Bに替わり、濃度を1.0%にすることで、撥水幅Wが10mmである場合には、高撥水部4をロール両端部に設ければ、やはり水上り量の変化(増加)が生まれ得る。この変化を生かして、用いる湿し水供給装置20やオフセット印刷機10等や、そして、湿し水のエッチ液や濃度に応じて、湿し水の水上り量を事前に調整し易くなる。
一方、実施例2では、水上り量は、3分後で、比較例1より略4g少ない11.84gまで減少し、5分後では、略7g少ない20.93gとなっており、又、実施例3の水上り量も、3分後で、比較例1より略4g少ない11.72gまで減少し、5分後では、略7g少ない20.70gとなっている。
更に、これら実施例2、3と、比較例2の水上り量と比べると、実施例2の水上り量は、3分後で、比較例2より1.29g多いだけの11.84gであり、5分後では、0.94g多いだけの20・93となっており、又、実施例3の水上り量も、3分後で、比較例2より1.17g多いだけの11.72gであり、5分後では、0.71g多いだけの20.70gとなっている。
従って、試験4のように、湿し水が、エッチ液Bの1.0%水溶液に替わった場合、撥水幅Wが18mmや21mmの高撥水部4をロール両端部に設けるだけで、全長が280mmのロール本体2の周表面全面にコーティングしたものと、遜色ない水上り量となる。
この全面コーティングしたのと遜色ない水上り量となる撥水幅Wの所定の値は、撥水幅Wが「10mm」と「18mm」の間に必ず存在し、この所定の値を、「10mm」と「18mm」のちょうど中間の「14mm」とする。
又、湿し水が、エッチ液Bの1.0%水溶液である場合には、水上り量に所定の値以上の違いを生むための撥水幅Wは、例えば、1mm以上100mm以下、好ましくは5mm以上50mm以下、更に好ましくは7mm以上40mm以下、より更に好ましくは14mm以上30mm以下としても良く、この14mm以上30mm以下の範囲は、全面コーティングしたのと遜色ない水上り量となる範囲とも言える。
<実施例4・5、比較例3・4>
実施例4は、周表面全体が、ブチルゴム(IIR)で構成されたロール本体2の両端部に、フッ素化合物をスプレー塗布して(コーティングして)、高撥水部4を形成したものであって、実施例4の高撥水部4の撥水幅Wは、50mmである。
実施例4は、高撥水部4の周表面における硬度が42°であって、表面粗さが1.67μm、水に対する接触角が84°である。
これに対し、実施例4におけるロール中央部3の周表面は、硬度が41°であって、表面粗さが2.96μm、水に対する接触角が76°である。
従って、実施例4も、高撥水部4における接触角は、ロール中央部3における接触角より大きい。
実施例5は、周表面全体が、ウレタンゴム(PU)で構成されたロール本体2の両端部に、フッ素化合物をスプレー塗布して(コーティングして)、高撥水部4を形成したものであって、実施例5の高撥水部4の撥水幅Wは、21mmである。
実施例5は、高撥水部4の周表面における硬度が35°であって、表面粗さが1.27μm、水に対する接触角が96°である。
これに対し、実施例5におけるロール中央部3の周表面は、硬度が32°であって、表面粗さが3.20μm、水に対する接触角が76°である。
従って、実施例5も、高撥水部4における接触角は、ロール中央部3における接触角より大きい。
一方、比較例3は、周表面全体が、ブチルゴム(IIR)で構成されたロール本体2だけであって、高撥水部4を有さないものである。
従って、比較例3は、ロール本体2の周表面における硬度が41°であって、表面粗さが2.96μm、水に対する接触角が76°である。
又、比較例4は、周表面全体が、ウレタンゴム(PU)で構成されたロール本体2だけであって、高撥水部4を有さないものである。
従って、比較例4は、ロール本体2の周表面における硬度が32°であって、表面粗さが3.20μm、水に対する接触角が76°である。
尚、実施例4・5、比較例3・4の高撥水部4の形成方法や、接触角の測定方法は、実施例1〜3、比較例1・2と同様である。
上述した実施例4・5、比較例3・4の周表面における硬度、表面粗さ、接触角を、以下の表6に示す。
尚、従来例である比較例3・4を、表6中の実施例4・5の前に記載することで、実施例4・5の特徴をより明確に示す。
<試験5>
試験5では、上述の実施例4・5、比較例3・4に対して、湿し水として、水(水道水)を使った場合の水上り量(g)を調べた。
この試験5の結果を、以下の表7と図6に示す。
表7と図6では、周表面全体がブチルゴムである比較例3は、高撥水部4を全く有さず、湿し水の水上り量が、3分後に5.20g、5分後に10.07gとなった。
この比較例3に対して、実施例4は、湿し水の水上り量が、3分後で4.85g、5分後で8.58まで減少させており、更に詳しく述べれば、実施例4と比較例3の水上り量の差は、3分後では、0.35g(=5.2 0g−4.85g)だったが、5分後では、1.49g(=10.07g−8.58g)まで差が開いている。
つまり、5分以降も、時間が経つにつれて、実施例4と比較例3との差は大きくなると言え、ロール本体2の周表面全体が、試験1〜4のNBR−1とは違って、ブチルゴムであっても、ロール中央部3より接触角が大きい高撥水部4を両端部に有するだけで、水上り量を変化(抑制)させることが出来る。
尚、実施例4は、撥水幅Wが50mmと大きく、ロール本体2の全長「280mm」に対して撥水幅Wが「50mm」もあるが、水上り量を変化させることは可能であり、事実として、撥水幅Wの上限の目安が「50mm」より大きいことがわかる。
表7と図6では、周表面全体がウレタンゴムである比較例4は、高撥水部4を全く有さず、湿し水の水上り量が、3分後に13.91g、5分後に24.87gとなり、実施例4・5と比較例3・4全ての中で最も多かった。
この比較例4に対して、実施例5は、湿し水の水上り量が、3分後で7.43g、5分後で13.19まで減少させており、更に詳しく述べれば、実施例5と比較例4の水上り量の差は、3分後で既に6.48g(=13.91g−7.43g)もあり、5分後では、11.68g(=24.87g−13.19g)と半分近くまで減少させている。
従って、5分以降も、時間が経つにつれて、実施例5と比較例4との差は更に大きくなると言えると共に、ロール本体2の周表面全体が、試験1〜4のNBR−1や、実施例4等のブチルゴムとは違うウレタンゴムであっても(つまり、ロール本体2の周表面の素材に拠らず)、ロール中央部3より接触角が大きい高撥水部4を両端部に有するだけで、水上り量を変化(抑制)させることが出来る。
更に、実施例5においては、ロール中央部3と高撥水部4との接触角の差(接触角差)が、20°となっており、実施例1〜3における接触角差16°や、実施例4における接触角差10°より大きく、何れの接触角差であっても、ロール中央部3の接触角より、高撥水部4の接触角の方が大きければ、水上り量に変化をつけられる。
<実施例6・7、比較例5>
実施例6は、実施例1〜3のように、ロール本体2の周表面全体が、ニトリルゴムで構成されてはいるが、実施例1〜3のNBR−1とは親水性の異なるNBR−2を用いている。
この実施例6は、このロール本体2の両端部の外周面に、外表面がテフロン(登録商標)で構成されたテープ(テフロン(登録商標)テープ(シート状物T))を付着して、高撥水部4を形成したものであって、実施例6の高撥水部4の撥水幅W(テープの幅)は、19mmである。
実施例6は、高撥水部4の周表面における硬度が40°であって、表面粗さが1.00μm、水に対する接触角が96°である。
これに対し、実施例6におけるロール中央部3の周表面は、硬度が32°であって、表面粗さが3.50μm、水に対する接触角が76°である。
従って、実施例6も、高撥水部4における接触角は、ロール中央部3における接触角より大きい。
次に、実施例7は、周表面全体が、実施例6と同じニトリルゴム(NBR−2)で構成されているものの、そのロール本体2の両端部における高撥水部4を、ケイ素化合物(オイル状のシリコーン樹脂)をハケ塗り(ハケによって塗布)して(コーティングして)形成したものであって、実施例7の高撥水部4の撥水幅Wは、20mmである。
実施例7は、高撥水部4の周表面における硬度が32°であって、表面粗さが3.50μm、水に対する接触角が86°である。
これに対し、実施例7におけるロール中央部3の周表面は、硬度が32°であって、表面粗さが3.50μm、水に対する接触角が76°である。
従って、実施例7も、高撥水部4における接触角は、ロール中央部3における接触角より大きい。
一方、比較例5は、周表面全体が、実施例6・7と同じ(比較例1とは親水性が異なる)ニトリルゴム(NBR−2)で構成されたロール本体2だけであって、高撥水部4を有さないものである。
従って、比較例5は、ロール本体2の周表面における硬度が32°であって、表面粗さが3.50μm、水に対する接触角が76°である。
尚、実施例6・7、比較例5の接触角の測定方法は、実施例1〜5、比較例1〜4と同様である。
上述した実施例6・7、比較例5の周表面における硬度、表面粗さ、接触角を、以下の表8に示す。
尚、従来例である比較例5を、表8中の先頭に記載することで、実施例6・7の特徴をより明確に示す。
<試験6>
試験6では、上述の実施例6・7、比較例5に対して、湿し水として、水(水道水)を使った場合の水上り量(g)を調べた。
この試験6の結果を、以下の表9と図7に示す。
表9と図7では、周表面全体がNBR−2である比較例5は、高撥水部4を全く有さず、湿し水の水上り量が、3分後に16.26g、5分後に28.82gとなった。
この比較例5に対して、実施例6は、湿し水の水上り量が、3分後で10.72g、5分後で18.53まで減少させており、更に詳しく述べれば、実施例6と比較例5の水上り量の差は、3分後では、5.54g(=16.26g−10.72g)だったが、5分後では、10.29g(=28.82g−18.53g)まで差が開いている。
つまり、5分以降も、時間が経つにつれて、実施例6と比較例5との差は大きくなると言え、高撥水部4を、このロール本体2の両端部の外周面にシート状物Tを付着させて形成したものであっても、水上り量を変化(抑制)させることが出来る。
又、表7と図6では、比較例5に対して、実施例7は、湿し水の水上り量が、3分後で9.75g、5分後で19.96まで減少させており、更に詳しく述べれば、実施例5と比較例5の水上り量の差は、3分後で既に6.51g(=16.26g−9.75g)、5分後では、8.86g(=28.82g−19.96g)と半分近くまで減少させている。
従って、5分以降も、時間が経つにつれて、実施例7と比較例5との差は更に大きくなると言えると共に、高撥水部4を、ハケ塗りで形成したものであっても、水上り量を変化(抑制)させることが出来る。
尚、実施例6と実施例7においては、3分後には、実施例7(ハケ塗り)の方が水上り量の抑制幅が大きいが、5分後には、実施例6(シート状物T)の方が水上り量の抑制幅が大きくなっている。
又、高撥水部4を、例えば、フッ素化合物やケイ素化合物を、ロール中央部3を構成するNBR−2等に添加して形成したとしても、結果的に、ロール中央部3の接触角より、高撥水部4の接触角の方が大きければ、水上り量に変化をつけられると言える。
<実施例8〜10、比較例1・5>
実施例8は、ロール本体2の周表面全体が、実施例1〜3と同じNBR−1を用いているもの、高撥水部4を、このロール本体2の端面のみに設けている。
詳解すれば、実施例8は、このロール本体2の両端部の端面(底面)に、フッ素化合物をスプレー塗布して(コーティングして)、高撥水部4を形成したものであって、実施例8の高撥水部4の撥水幅Wをあえて述べるなら、0mmである。
実施例8は、高撥水部4の表面(端表面)における硬度が30°であって、水に対する接触角が84°である。尚、表面粗さは、ロール本体2の端面に露出する素材が複数種ある場合(例えば、ロール本体2を、芯部材の外周面に、ロール中央部3の周表面や高撥水部4を構成する素材を、コーティングしたり、シート状(テープ状も含む)にして付着(積層や接着)させることで形成している場合)もあり、一概に、数値を特定できない。
これに対し、実施例8におけるロール中央部3の周表面(つまり、ロール本体2の周表面全体)は、硬度が28°であって、表面粗さが4.19μm、水に対する接触角が68°である。
従って、実施例8も、高撥水部4における接触角は、ロール中央部3における接触角より大きい。
次に、実施例9は、ロール本体2の周表面全体が、実施例6・7と同じNBR−2を用いており、ロール本体2の両端部の端面のみに、フッ素化合物をスプレー塗布して、高撥水部4を形成したものであって、実施例9も、高撥水部4の撥水幅Wをあえて述べるなら、0mmである。
実施例9は、高撥水部4の表面における硬度が32°であって、水に対する接触角が84°である。尚、表面粗さは、実施例8と同様に、一概に、数値を特定できない。
これに対し、実施例9におけるロール中央部3の周表面は、硬度が32°であって、表面粗さが3.50μm、水に対する接触角が76°である。
従って、実施例9も、高撥水部4における接触角は、ロール中央部3における接触角より大きい。
最後に、実施例10も、実施例9と同様に、ロール本体2の周表面全体が、実施例6・7と同じNBR−2を用い、ロール本体2の両端部の端面のみに、フッ素化合物をスプレー塗布して、高撥水部4を形成したものであって、高撥水部4の撥水幅Wをあえて述べるなら、0mmである。
但し、実施例10は、実施例9と違って、高撥水部4の表面における硬度が33°であって、水に対する接触角が96°である。尚、表面粗さは、実施例8・9と同様に、一概に、数値を特定できない。
これに対し、実施例10におけるロール中央部3の周表面は、実施例9と同様で、硬度が32°であって、表面粗さが3.50μm、水に対する接触角が76°である。
従って、実施例10も、高撥水部4における接触角は、ロール中央部3における接触角より大きい。
尚、後述する試験7における比較例は、既に述べた比較例1・5を用いる。
又、実施例8〜10の高撥水部4の形成方法や、接触角の測定方法は、実施例1〜7と同様である。
上述した実施例8〜10、比較例1・5の表面における硬度、表面粗さ、接触角を、以下の表10に示す。
尚、従来例である比較例1・5を、表10中の実施例8・9の前に記載することで、実施例8〜10の特徴をより明確に示す。
<試験7>
試験7では、上述の実施例8〜10、比較例1・5に対して、湿し水として、水(水道水)を使った場合の水上り量(g)を調べた。
この試験7の結果を、以下の表11と図8に示す。
表11と図8では、周表面全体がNBR−1である比較例1は、高撥水部4を全く有さず、試験7では、湿し水の水上り量が、3分後に17.57g、5分後に30.42gとなった。
この比較例1に対して、実施例8は、湿し水の水上り量が、3分後で16.54g、5分後で28.85まで減少させており、更に詳しく述べれば、実施例8と比較例1の水上り量の差は、3分後では、1.03g(=17.57g−16.54g)だったが、5分後では、1.57g(=30.42g−28.85g)と、差が開いている。
つまり、5分以降も、時間が経つにつれて、実施例8と比較例1との差は大きくなると言え、高撥水部4を、このロール本体2の両端部の端面のみに形成したものであっても、水上り量を変化(抑制)させることが出来る。
又、表11と図8では、周表面全体が比較例1とは親水性の異なるNBR−2である比較例5も、高撥水部4を全く有さず、試験7でも、湿し水の水上り量が、3分後に16.26g、5分後に28.82gとなった。
この比較例5に対して、実施例9は、湿し水の水上り量が、3分後で16.04g、5分後で27.92まで減少させており、更に詳しく述べれば、実施例9と比較例5の水上り量の差は、3分後で0.22g(=16.26g−16.04g)、5分後では、0.90g(=28.82g−27.92g)と、4倍以上の量を減少させている。
従って、5分以降も、時間が経つにつれて、実施例9と比較例5との差は更に大きくなると言えると共に、ロール本体2の周表面全体が、実施例1〜3や実施例8のNBR−1とは親水性が異なっても(つまり、ロール本体2の周表面の素材に拠らず)、高撥水部4を、このロール本体2の両端部の端面のみに形成すれば、水上り量を変化(抑制)させることが出来る。
更に、表11と図8では、比較例5に対して、実施例10は、湿し水の水上り量が、3分後で15.27g、5分後で26.19まで減少させており、更に詳しく述べれば、実施例10と比較例5の水上り量の差は、3分後で0.99g(=16.26g−15.27g)、5分後では、2.63g(=28.82g−26.19g)もの量を減少させている。
従って、5分以降も、時間が経つにつれて、実施例10と比較例5との差は更に大きくなると言えると共に、高撥水部4を、このロール本体2の両端部の端面のみに形成した場合であっても、ロール中央部3の接触角と高撥水部4の接触角の差が大きい方が、水上り量を、より変化(抑制)させることが出来る。
尚、実施例8〜10のように、ロール本体2の両端部の端面のみに高撥水部4を設けただけで、水上り量に変化を生じさせ得るのは、水舟101内の湿し水に浸されるロール部材には、その周表面にだけ水が上るのではなく、ロール本体2の両端部の端面にも水が上るためであり、そのロール本体2の両端部の端面に上った水も、ロール本体2の両端部の端面のみに形成した高撥水部4にて、減少させることが可能となるからである。
<ロール部材1の第2実施形態>
図1(c)には、本発明の第2実施形態に係るロール部材1が示されている。
この第2実施形態において第1実施形態と最も異なるのは、高撥水部4が、ロール本体2の両端部における周表面だけでなく、端面にも設けられている点である。
この高撥水部4が設けられている端面とは、ロール本体2の各端(柱軸方向におけるそれぞれの端)から支軸5の基端までで、且つ、ロール本体2の柱軸方向と略直交している面であって、略環状となっている。
このように、ロール本体2の両端部の周表面だけでなく、端面にも高撥水部4を有する場合、ロール両端部の周表面における高撥水部4ではじかれた湿し水が、ロール本体2の両端面側に逃げることを防ぎ、所定の湿し水が必要なロール中央部3側へ湿し水を送ることとなって、オフセット印刷に必要な湿し水を十分に供給ながら、同時に、使用する湿し水の全体量を減らすことが可能となる。
その他のロール部材1の構成、作用効果及び使用態様は、第1実施形態と同様である。
<ロール部材1の第3実施形態>
図1(d)には、本発明の第3実施形態に係るロール部材1が示されている。
この第3実施形態は、高撥水部4が、ロール本体2の両端部における端面のみに設けられている点が、第1、2実施形態との相違点である。
尚、第3実施形態は、第2実施形態における端面の高撥水部4と比べ、高撥水部4は、ロール本体2の両端部の端面全体ではなく、一部のみに設けられている点も異なっている。
詳解すれば、第3実施形態における高撥水部4は、ロール本体2の各端から、支軸5の基端に到達する手前までで、略環状に形成されている。
このように、高撥水部4が、ロール本体2の各端から支軸5の基端の手前までしか形成されていなくとも、湿し水が、ロール本体2の両端面側に逃げることを抑制しつつ、高撥水部4の面積を可及的に小さく出来る。
その他のロール部材1の構成、作用効果及び使用態様は、第1、2実施形態と同様である。
<湿し水供給装置20におけるロール部材の使用例1>
ここで、本発明のロール部材1を、湿し水供給装置20に用いた際の使用例について、特に、述べる。
図9には、上述の第3実施形態におけるロール本体2両端部の周表面に、更に、高撥水部4を設けたものを、湿し水供給装置20に使用した例1(使用例1)が示されている。
この湿し水供給装置20は、コモリマチック方式と呼ばれ、湿し水が入った水舟21と、この水舟21内の湿し水に浸される水元ロール22と、この水元ロール22に当接する調量ロール23と、この調量ロール23に当接する振ロール24と、この振ロール24に当接する水着ロール25を有している。この水着ロール25は、オフセット印刷機10の版胴10aに当接している。
湿し水供給装置20の各ロールを詳解すれば、水元ロール22及び振ロール24は、それらの周表面にクロームメッキが施され、水着ロール25の周表面は、ゴムで形成されていても良い。
そして、使用例1では、調量ロール23に、本発明に係るロール部材1が用いられている。
尚、湿し水供給装置20への使用例1として、当然、第1、2実施形態に係るロール部材1を用いても構わない。
<湿し水供給装置20におけるロール部材の使用例2〜4>
図10(a)〜(c)には、この他の使用例2〜4が示されている。
図10(a)が示す湿し水供給装置20は、水切方式と呼ばれ、この方式である使用例2は、調量ロール23と振ロール24を有さず、水元ロール22に当接する水切ロール26を有する点が、使用例1と異なっている。
使用例2では、この水切ロール26に、本発明に係るロール部材1を用いる。
図10(b)が示す湿し水供給装置20は、エピック方式と呼ばれ、この方式である使用例3は、使用例1と違って、調量ロール23を有さず、振ロ−ル24が、水渡ロールでもある。
使用例3では、水元ロール22に、本発明に係るロール部材1を用いる。
図10(c)が示す湿し水供給装置20は、ハイデルアルカラー方式と呼ばれ、この方式である使用例4は、使用例1と異なって、調量ロール23を有さず、振ロ−ル24が、水渡ロールでもあり、更に、水着ロール25に当接し且つ版胴10aに当接しない保水ロール27を有している。この保水ロール27の周表面は、クロームメッキが施されていても良い。
使用例4でも、水元ロール22に、本発明に係るロール部材1を用いる。
尚、湿し水供給装置20への使用例2〜4として、当然、第1、2実施形態に係るロール部材1を用いても構わない。
又、本発明に係るロール部材1は、上述の使用例1〜4に限定されず、オフセット印刷機10の湿し水供給装置20や、ロールコーター、輪転機等において、湿し水や、塗液、インク等の液体に対し、ロール中央部3より接触角が大きい高撥水部4を、ロール本体2の両端部に有したロール部材であれば、何れのロールに用いられても良い。
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。ロール部材1等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
ロール本体2の各端部に設けられた高撥水部4は、それぞれが同じ程度の撥水性(接触角等)を持っていたが、各高撥水部4ごとに、多少違い(バラツキ)があっても良い。
高撥水部4は、その接触角が、ロール中央部3の接触角より大きくなるのであれば、高撥水部4の表面を梨地化することで、撥水性を発揮させても良い。
尚、梨地化とは、凹凸のある表面にする(表面を粗くする)ことであって、例えば、フラクタル面のように、面の凹凸を可及的に多くする等で、高撥水部4の接触角を、より大きく出来る。
支軸5の周表面にも、高撥水部4が設けられていても良い。
1 ロール部材
2 ロール本体
3 ロール中央部
4 高撥水部
W 高撥水部の撥水幅
T シート状物

Claims (6)

  1. ロール本体(2)両端部の周表面と端面の少なくとも一方に、前記ロール本体(2)両端部の間のロール中央部(3)より接触角が大きい高撥水部(4)を有し
    前記高撥水部(4)は、前記ロール本体(2)両端部の周表面及び端面に設けられて、前記ロール本体(2)の各端からロール中央部(3)にかけての撥水幅(W)が、前記ロール本体(2)の全長に対して0%より大きく略17%以下の割合である、
    前記高撥水部(4)は、前記ロール本体(2)両端部の周表面のみに設けられて、前記撥水幅(W)が、前記ロール本体(2)の全長に対して略1%以上略17%以下の割合である、又は、
    前記高撥水部(4)は、前記ロール本体(2)両端部の端面のみに設けられて、前記撥水幅(W)が、前記ロール本体(2)の全長に対して0%の割合であることを特徴とするロール部材。
  2. 前記ロール中央部(3)は、その周表面がゴム、金属、炭素繊維、セラミック、塩化ビニル又はポリアミドで構成され、
    前記高撥水部(4)は、前記ロール本体(2)の両端部に、フッ素化合物、ケイ素化合物、パラフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1つで構成される素材を、スプレー、ハケ、スポンジ、布帛若しくはロールコーターによる塗布、静電塗装、含浸又は溶射の何れかによってコーティングして形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロール部材。
  3. 前記ロール中央部(3)は、その周表面がゴム、金属、炭素繊維、セラミック、塩化ビニル又はポリアミドで構成され、
    前記高撥水部(4)は、前記ロール本体(2)の両端部に、フッ素化合物、ケイ素化合物、パラフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1つで構成される素材を、前記ロール中央部(3)を構成する素材に添加して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロール部材。
  4. 前記ロール中央部(3)は、その周表面がゴム、金属、炭素繊維、セラミック、塩化ビニル又はポリアミドで構成され、
    前記高撥水部(4)は、前記ロール本体(2)の両端部に、フッ素化合物、ケイ素化合物、パラフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートのうちの少なくとも1つで構成される素材を、シート状にして付着させて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロール部材。
  5. ロール本体(2)両端部の周表面と端面の少なくとも一方に付着して、前記ロール本体(2)両端部の間のロール中央部(3)より接触角が大きい高撥水部(4)を形成するシート状物であって、
    前記高撥水部(4)は、前記ロール本体(2)両端部の周表面及び端面に設けられて、前記ロール本体(2)の各端からロール中央部(3)にかけての撥水幅(W)が、前記ロール本体(2)の全長に対して0%より大きく略17%以下の割合である、
    前記高撥水部(4)は、前記ロール本体(2)両端部の周表面のみに設けられて、前記撥水幅(W)が、前記ロール本体(2)の全長に対して略1%以上略17%以下の割合である、又は、
    前記高撥水部(4)は、前記ロール本体(2)両端部の端面のみに設けられて、前記撥水幅(W)が、前記ロール本体(2)の全長に対して0%の割合であることを特徴とするシート状物。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載のロール部材、又は、請求項5に記載のシート状物を用いていることを特徴とするオフセット印刷機の湿し水供給装置、ロールコーター、又は、輪転機。
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