JP5474110B2 - インペラの取り外し方法 - Google Patents

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本発明は、回転軸に焼嵌めにより取り付けられたインペラの取り外し方法に関するものである。
回転機械に用いられるインペラを回転軸に取り付ける手段の一つとして焼嵌めがある。例えば、遠心圧縮機や半径流ガスタービンなどの回転機械において、回転軸には焼嵌めによってインペラが取り付けられる。より具体的に、このようなインペラは加熱して熱膨張させた状態で回転軸が挿入され、冷却して熱収縮させることによって回転軸に取り付けられている。またメンテナンス等の際には、インペラは加熱して熱膨張させることで取り外す、所謂焼外しを行うことで回転軸から外される。この焼外しの作業においては、インペラが回転軸に嵌合している部分であるグリップ部、及びインペラ全体を加熱して熱膨張させるため時間を要する。さらに、焼き付き等の発生を防止しながら慎重に作業を行う必要もあり、焼外し作業の容易化が求められていた。
ここで、特許文献1には、上述した焼嵌めに加えて、回転軸の外周面とインペラ内周面とに対を成すスプライン加工を施して、機械的に固定する方法が開示されており、インペラへの回転力の伝達効率を向上するとともに、インペラの分解組立の容易化を図っていた。
特開昭62−121803号公報
しかしながら、特許文献1には焼嵌め部分の具体的な分解手法、即ち、焼外しの手法については開示されていない。
ここで焼外しの作業においては、焼嵌め部分を単純に加熱しただけではインペラのディスクやカバーは熱膨張せず、焼嵌め部分の熱膨張がこれらディスクによって制約を受けてしまい、焼外しを達成できないおそれがある。さらに、焼嵌め部分が熱膨張する前に回転軸に伝熱してしまうと、回転軸も熱膨張してしまうおそれもあり、この場合、やはり焼外しが困難となる。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、焼外しの容易化を図ることが可能なインペラの取り外し方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
即ち、本発明に係るインペラの取り外し方法は、円盤状で回転軸が貫通するディスク本体と、前記ディスク本体から前記回転軸の軸方向いずれか一方側に突出して設けられ、前記回転軸の外周面に焼嵌めにより嵌合されたグリップ面を有するグリップ部と、前記ディスク本体の表面に周方向に複数設けられたブレードとを備えたインペラを回転軸から取り外すインペラの取り外し方法であって、前記ディスク本体を焼嵌めを解除可能な温度まで加熱するための単位時間当たりの加熱量及び加熱時間と、前記ディスク本体を形成する材質とに基づいて、規定される温度浸透深さを求める算出工程と、前記グリップ面の軸方向他方側の端部を起点として、前記算出工程で求めた温度浸透深さとなる前記ディスク本体の背面側の位置を求める位置決め工程と、前記位置決め工程で求めた前記背面側の位置よりも外周側を加熱中心として上記加熱時間で加熱する第一加熱工程と、前記第一加熱工程の後に、前記グリップ部を加熱する第二加熱工程とを備えることを特徴とする。
このようなインペラの取り外し方法によると、算出工程で、インペラの形状、寸法に応じた加熱量及び加熱時間と、材質に応じた熱伝導率等によって温度浸透深さを求め、位置決め工程で求めた温度浸透深さに応じたディスク本体の背面側の位置に対して第一加熱工程を実行する。このため、温度がグリップ部まで浸透することを防止でき、即ち回転軸に伝熱しないようにしながら、ディスク本体全体の温度を焼嵌め解除可能な温度まで上昇させることができる。即ち、第一加熱工程では、回転軸がディスク本体とともに加熱されて熱膨張してしまうことを防止でき、この状態で第二加熱工程を実行してグリップ部を加熱することで、加熱時間を短縮しながらインペラを回転軸から効率的に取り外すことができる。
また、前記グリップ部に接し、前記回転軸を外周側から覆う部材を設ける治具設置工程を、前記第一加熱工程の前に備えていてもよい。
このような治具を設置することによって回転軸への入熱を確実に抑制でき、ディスク本体の加熱の際に、回転軸がディスク本体とともに加熱されて熱膨張してしまうことを防ぐことができ、インペラの焼外しのさらなる容易化を図ることができる。
さらに、前記第一加熱工程は、前記位置決め工程で求めた前記ディスク本体の背面側の位置よりも加熱範囲全体が外周側であってもよい。
このように第一加熱工程を実行することで、温度浸透深さによって規定されるディスク本体の位置よりも外周側を加熱するため、グリップ部への温度の浸透を確実に防止でき、回転軸の熱膨張を抑制可能となる。従って、さらなる焼外しの容易化を図ることができる。
また、本発明に係るインペラの取り外し方法は、前記第一加熱工程の前に、前記ブレードを加熱する補助加熱工程をさらに備えていてもよい。
このような補助加熱工程によって、ディスク本体の熱膨張がブレードによって拘束される場合であっても、確実にグリップ部を熱膨張させた状態として第二加熱工程を実行することが可能となるため、作業をさらに効率的に行なって、インペラの焼外しの容易化を図ることができる。
本発明のインペラの取り外し方法によると、温度浸透深さに基づいてディスク本体のみを熱膨張させた状態で、グリップ部の加熱を行なうことによって、焼外しの容易化を図ることができる。
本発明の第一実施形態に係るインペラが取り付けられた遠心圧縮機の断面図である。 本発明の第一実施形態に係るインペラの取り外し方法を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係るインペラの取り外し方法の手順を示すフロー図である。 本発明の第二実施形態に係るインペラの取り外し方法を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係るインペラの取り外し方法の手順を示すフロー図である。 本発明の第三実施形態に係るインペラの取り外し方法を示す断面図である。
以下、本発明の第一実施形態に係るインペラ1Aの取り外し方法(以下、単に「インペラ1Aの取り外し方法」と称する)について説明する。
図1に示すように、本実施形態で回転軸10から取り外されるインペラ1Aは、例えば遠心圧縮機100に用いられるものであり、インペラ1Aは、ケーシング102にジャーナル軸受103及びスラスト軸受104を介して軸支されて軸線P回りに回転可能とされた回転軸10に、軸線P方向に並んで複数(本実施形態では6個)が取り付けられている。
そして、この遠心圧縮機100は、回転軸10とともに回転する各インペラ1Aの遠心力を利用し、ケーシング102に形成された吸込口105cから供給される流体Fを、上流側の流路105aから下流側の流路105bへと段階的に流通させる。そして流通する間に、流体Fを圧縮して昇圧し、排出口105dから排出するものである。
また、図2に示すように、このインペラ1Aは、軸線Pを中心として互いに一体をなすディスク11とブレード12とカバー13とから構成されている。
ディスク11は、軸線P方向から見て円盤状をなすディスク本体17と、このディスク本体17の軸線P方向の一方側となる背面17b側に突出する円筒状のグリップ部18とを有している。
ディスク本体17は、軸線P方向の一方側から他方側に向かうに従って、漸次縮径する曲面状に形成された前面17aと、軸線P方向の一方側の面となる背面17bとによって挟まれて形成され、軸線P方向視で円盤状をなしている。また、ディスク本体17には、ステンレス材(例:17−4PH、SUS410、SUS410S)、クロムモリブデン鋼(例:SCM440、SCM430、SNCM431)等が用いられている。
さらに、ディスク本体17の軸線Pの径方向内側には、軸線Pを中心とした貫通孔19が形成され、この貫通孔19には回転軸10が挿入されている。そして、この貫通孔19の内周面19aの径は回転軸10の径と比較して大きく設定されている。
また、本実施形態の背面17bにおいては、その径方向内側で軸線P方向に環状に窪む凹部20が形成され、また径方向外側で環状に突出する凸部23が形成されており、さらに凹部20の底面20aから連続するように凸部23が凹部20と接続されている。より詳細には、背面17b全体が、凹部20の内側内壁面20bと底面20aとが角(本実施形態では直角)をなして接続されるとともに、底面20aの径方向外側の端部と凸部23の表面23aの径方向内側の端部との間は角(本実施形態では鈍角)をなして接続されている。また、凸部23の表面23aは、径方向外側に向かうに従って、徐々に径方向に沿っていくように、傾斜角度が滑らかに変化するように形成されて、径方向外側の位置における背面17bは、径方向に沿うように形成されている。
グリップ部18は、ディスク本体17と同一の材質よりなるとともに、ディスク本体17の背面17b側に突出して一体に設けられた円筒状に形成され、その外周面18bは、ディスク本体17の凹部20の内側内壁面20bに連続している。また、内周面は回転軸10と略同径に形成されたグリップ面18aとなっており、焼嵌めによってグリップ面18aが回転軸10に嵌合している。即ち、本実施形態のインペラ1Aは、背面17b側で回転軸10と嵌合する背面グリップ方式となっている。
ブレード12は、ディスク本体17における上記前面17aから、軸線P方向に立ち上がるように設けられたフィン状の部材である。また、このブレード12は、図示しないが、周方向に間隔をあけて複数が設けられている。
カバー13は、複数のブレード12をディスク本体17の前面17a側から覆うように設けられ、軸線P方向の他方側に向かうに従って、漸次縮径する傘形状をなす部材である。
次に、インペラ1Aの取り外し方法の手順について説明する。
図3に示すように、インペラ1Aの取り外し方法は、ディスク本体17の形状、寸法、材質等によって規定される温度浸透深さを算出する算出工程S1と、温度浸透深さを基に加熱位置を決定する位置決め工程S2と、上記加熱位置を基準としてディスク本体17を加熱する第一加熱工程S3と、その後にグリップ部18を加熱する第二加熱工程S4とを備えている。
まず、算出工程S1を実行する。算出工程S1は、ディスク本体17における温度浸透深さを算出する工程である。この温度浸透深さは、ある地点を加熱した際に、温度が伝達する距離を示すものである。そして温度浸透深さは、ディスク本体17を目的とする温度まで上昇させる場合に、ディスク本体17の形状・寸法によって決定される単位時間当たり、単位面積当たりの加熱による伝熱量(以下、加熱量とする)及び加熱時間と、ディスク本体17の材質によって決まる熱伝導率・比熱・密度とによって規定される数値である。
ここで、上記目的とする温度は、グリップ部18の焼嵌めを解除可能となる熱膨張量を得ることのできる、ディスク本体17の温度を意味する。ディスク本体17が上記例示材質の場合、当該温度として300℃程度が例示される。
そして、本実施形態でのディスク本体17の上記加熱量は、ディスク本体17が上記例示材質の場合、約50万W/mよりも小さい数値に設定する必要がある。これは、約50万W/mを超えると、ディスク本体17が局所的に加熱され、ディスク本体17の熱処理温度(ディスク本体17が上記例示材質の場合、600℃程度)を超過してしまい、ディスク本体17の変質(強度低下等)を招くおそれがあるからである。
逆に、加熱量を小さくした場合(ディスク本体17が上記例示材質の場合、約20万W/m)には、加熱能力が不足し、ディスク本体17が目的とする温度まで温度上昇されないことに加え、温度がグリップ部18まで浸透してしまい、回転軸10を加熱して回転軸10の熱膨張を招くおそれがある。このため、ディスク本体17の形状・寸法・材質に応じて、ある程度の加熱量の下限値を設定する必要がある。
そして、このような条件から、本実施形態のディスク本体17の加熱量は、ディスク本体17が上記例示材質の場合、35万W/m程度に設定されることが好ましいことが確認されている。
次に、位置決め工程S2を実行する。位置決め工程S2は、グリップ部18におけるグリップ面18aの軸線P方向の他方側の端部を起点22として、算出工程S1において算出した温度浸透深さとなるディスク本体17の背面17b側の位置を求め、加熱位置を決定する工程である。
即ち、このディスク本体17の背面17b側の位置は、図2の矢印の経路Aに示すように、起点22となるグリップ面18aの軸線P方向の他方側の端部から、ディスク本体17の内部を通じて最短距離で結んだディスク本体17の背面17b側の点21との間の距離が温度浸透深さとなるような、この点21の位置である。
そしてより具体的には、この経路Aは、上記起点22からディスク本体17の背面17bに形成された凹部20の内側内壁面20bと底面20aとの接続部までは直線で結ばれ、この接続部で屈曲した後に、凹部20の底面20a及び凸部23の表面23aに沿った直線で、ディスク本体17の背面17b側の点21と結ばれている。
ここで、図示はしないが、例えば凹部20の内側内壁面20bと底面20aとが角をなして接続されず、曲面によって接続されてR形状とされている場合には、内側内壁面20bと底面20aとの接続部で経路Aは屈曲せずに、R形状とされた上記曲面に沿うように、経路Aが規定されることとなる。
次に、第一加熱工程S3を実行する。第一加熱工程S3は、上記温度浸透深さによって規定されるディスク本体17の背面17b側の点21よりも外周側、即ち軸線Pの径方向外側を加熱中心として、ディスク本体17の背面17bを上記の加熱量、加熱時間で加熱する工程である。そして加熱の際には、バーナの他に、熱風、IH(誘導加熱)、電気ヒータ等、様々な加熱手段5を用いることが可能である。
なお、加熱手段5からの火炎の拡がりが大きい場合など、加熱範囲が広くなる場合には、加熱範囲全体がディスク本体17の背面17b側の上記の点21よりも、径方向外側となるように加熱することがより好ましい。
最後に、第二加熱工程S4を実行する。この第二加熱工程S4は、グリップ部18を焼嵌めが解除可能となる温度まで加熱する工程である。
このようなインペラ1Aの取り外し方法においては、第一加熱工程S3では、温度浸透深さを考慮してディスク本体17の加熱を行なうため、温度がグリップ部18まで浸透して、回転軸10がディスク本体17とともに加熱されて熱膨張してしまうことがない。さらに、ディスク本体17が局所的に加熱されて変質を発生させることなく、ディスク本体17全体の温度を焼嵌め解除可能となる温度まで上昇させることができる。
また、回転軸10の熱膨張を防止しながら、同時にディスク本体17全体を焼嵌め解除可能となる温度まで上昇させた状態で、その後に第二加熱工程S4を実行することができる。このため、第二加熱工程S4におけるグリップ部18の加熱時間を短縮しながら、インペラ1Aを回転軸10から取り外すことができ、即ち、インペラ1Aの焼外しの作業を効率的に行なうことができる。
次に、本発明の第二実施形態に係るインペラ1Aの取り外し方法について説明する。
本実施形態では、第一実施形態のインペラ1Aの取り外し方法に加え、第一加熱工程S3の前に治具設置工程S10を備えている。
図4及び図5に示すように、治具設置工程S10は、軸線P方向の一方側からグリップ部18の軸線P方向の一方側を向く端面に接するように、回転軸10を軸線Pの径方向外側から覆う治具31を設ける工程である。
そしてこの治具31は、例えば金属や断熱材等よりなる円筒状をなす部材であり、その内周面31aの径は、回転軸10の径よりも大きく設定され、回転軸10を挿通可能としている。
このようなインペラ1Aの取り外し方法においては、治具設置工程S10を実行し、治具で回転軸10を覆うことで、第一加熱工程S3及び第二加熱工程S4でディスク本体17及びグリップ部18の加熱を行なう際には、バーナ等の加熱手段5により回転軸10が直接加熱されてしまうことを防止できる。
従って、第一加熱工程S3及び第二加熱工程S4を実行する際に、回転軸10が加熱されて熱膨張してしまうことを防ぎ、この結果、第二加熱工程S4におけるグリップ部18の加熱時間をさらに短縮しながら、インペラ1Aを回転軸10から取り外すことができ、作業のさらなる効率化を図ることができる。
本実施形態のインペラ1Aの取り外し方法によると、治具設置工程S10によって、作業のさらなる効率化を図ることができ、インペラ1Aの焼外しをより容易化できる。
なお、上記治具31の軸線P方向の長さ寸法は、第一加熱工程S3及び第二加熱工程S4で使用するバーナ等の加熱手段5の火炎の大きさ等に応じて適宜選択し、火炎が回転軸10に直接接触しないようにすることで、回転軸10の加熱防止の効果を向上することができる。また治具31の肉厚についても適宜調節可能である。
次に、本発明の第三実施形態に係るインペラ1Bの取り外し方法について説明する。
本実施形態では、回転軸10から取り外されるインペラ1Bが、第一実施形態及び第二実施形態のものと異なっている。
図6に示すようにインペラ1Bは、軸線Pを中心として互いに一体をなすディスク41とブレード42とカバー43とから構成されている。
ディスク41は、軸線P方向の他方側に配置され、軸線P方向から見て円盤状をなすディスク本体47と、このディスク本体47の軸線P方向の一方側の面となる前面47aと外周面48bとが連続するようにディスク本体47に一体に設けられた略円筒状のグリップ部48とを有している。
ディスク本体47は、軸線P方向の一方側から他方側に向かうに従って、漸次拡径する曲面状に形成された前面47aと、軸線P方向の他方側の面となる背面47bとによって挟まれて形成され、軸線P方向視で円盤状をなしている。
さらに、軸線Pの径方向内側には、軸線Pを中心とした貫通孔49が形成され、この貫通孔49には回転軸10が挿入されている。そして、この貫通孔49の内周面49aの径は回転軸10の径と比較して大きく設定されている。
グリップ部48は、ディスク本体47と同一の材質よりなるとともに、ディスク本体47の前面47a側に、外周面48bが前面47aに連続する曲面状に形成されて、ディスク本体47と一体に設けられた略円筒状の部材である。また、内周面は、回転軸10と略同径に形成されたグリップ面48aとなっており、焼嵌めによってグリップ面48aが回転軸10に嵌合している。即ち、本実施形態のインペラ1Bは、前面47a側で回転軸10と嵌合する前方グリップ方式となっている。
ブレード42は、ディスク本体47における上記前面47aから軸線P方向に立ち上がるように設けられたフィン状の部材である。またこのブレード42は、図示しないが、周方向に間隔をあけて複数が設けられている。
カバー43は、複数のブレード42をディスク本体47の前面47a側から覆うように、これらブレード42と一体に設けられ、軸線P方向の他方側に向かうに従って漸次拡径する傘形状をなす部材である。
次に、インペラ1Bの取り外し方法の手順について説明する。
インペラ1Bの取り外し方法は、ディスク本体47の形状・寸法・材質等によって規定される温度浸透深さを算出する算出工程S1と、温度浸透深さを基に加熱位置を決定する位置決め工程S2と、上記加熱位置を基準としてディスク本体47を加熱する第一加熱工程S3と、その後にグリップ部48を加熱する第二加熱工程S4とを備えている。
まず、算出工程S1を実行する。算出工程S1は、上述の第一実施形態の場合と同様に実行され、温度浸透深さを算出する工程である。
次に、位置決め工程S2を実行する。位置決め工程S2は、上述の第一実施形態の場合と同様に実行され、ディスク本体47の背面47b側の位置を求める工程であるが、グリップ部48におけるグリップ面48aの軸線P方向他方側の端部を起点52として、算出工程S1において算出した温度浸透深さとなるディスク本体47の背面47b側の位置は、図6の矢印に示す経路Bによって規定される。
即ち、ディスク本体47の背面47b側の位置は、起点52となるグリップ面48aの軸線P方向の他方側の端部から、ディスク本体47の内部を通じて最短距離で結んだディスク本体47の背面側の点51との間の距離が温度浸透深さとなるような、この点51の位置である。
そしてより具体的には、この経路Bは、ディスク本体47の前面47aに接触するまでは直線で結ばれ、この接触箇所から先は前面47aに沿うように進み、その後、直線でディスク本体47の背面47b側の点51と結ばれる。
また、図6の矢印に示す経路Cのように、グリップ部48におけるグリップ面48aの軸線P方向の他方側の端部と温度浸透深さとなるディスク本体47の背面47b側の点61までが、ディスク本体47の内部を直線で結ぶことが可能な場合には、このような直線の経路Cによってディスク本体47の背面側の位置が規定される。このような場合とは、具体的に、点51と起点52とを結んだ線分がちょうど前面47aの接線に一致する場合や、この線分が前面47aの接線よりも径方向内側を通過する場合である。
次に、第一加熱工程S3を実行し、その後に第二加熱工程S4を実行する。第一加熱工程S3及び第二加熱工程S4は、上述の第一実施形態の場合と同様に実行される。
このようなインペラ1Bの取り外し方法においては、温度浸透深さを考慮してディスク本体47の加熱を行なっており、温度がグリップ部48まで浸透しないようにしながら、かつ、加熱量をディスク本体47が局所的に加熱されて変質が発生することを防止しながら、ディスク本体47全体の温度を、焼嵌めを解除可能となる温度まで上昇させることができる。
そして、この状態で、第二加熱工程S4を実行することで、第二加熱工程S4におけるグリップ部48の加熱時間を短縮しながら、インペラ1Bを回転軸10から取り外すことができ、即ち、インペラ1Bの焼外しの作業を効率的に行なうことができる。
本実施形態のインペラ1Bの取り外し方法によると、温度浸透深さに基づいて第一加熱工程S3を実行してディスク本体47の温度を、焼嵌めの解除可能な温度まで上昇させた後に、第二加熱工程S4でグリップ部48の加熱を行なうことで、インペラ1Bの焼外しの容易化が可能となる。
なお、本実施形態のインペラ1Bは前方グリップであるため、ブレード42及びカバー43によるディスク本体47の熱膨張に対する拘束力が大きくなる。このため、第一加熱工程S3でディスク本体47の加熱を行なう前に、これらブレード42及びカバー43を加熱する補助加熱工程をさらに備えていてもよい。そして、このような補助加熱工程によってディスク本体47の熱膨張に対する拘束力を緩和した状態でディスク本体47を加熱できるため、焼外しのさらなる容易化を図ることができる。
そして、この補助加熱工程を第一実施形態のインペラ1Aに適用してもよい。
また、本実施形態において第二実施形態の治具設置工程S10を第一加熱工程S3の前に実行してもよく、この場合、焼外しのさらなる効率化を図ることができ、インペラ1Bの焼外しをより容易化できる。
1A…インペラ、5…加熱手段、10…回転軸、11…ディスク、12…ブレード、13…カバー、17…ディスク本体、17a…前面、17b…背面、18…グリップ部、18a…グリップ面、18b…外周面、19…貫通孔、19a…内周面、20…凹部、20a…底面、20b…内側内壁面、21…点、22…起点、23…凸部、23a…表面、S1…算出工程、S2…位置決め工程、S3…第一加熱工程、S4…第二加熱工程、P…軸線、S10…治具設置工程、31…治具、31a…内周面、1B…インペラ、41…ディスク、42…ブレード、43…カバー、47…ディスク本体、47a…前面、47b…背面、48…グリップ部、48a…グリップ面、49…貫通孔、49a…内周面、51…点、52…起点、61…点、100…遠心圧縮機、102…ケーシング、103…ジャーナル軸受、104…スラスト軸受、105a、105b…流路、105c…吸込口、105d…排出口、F…流体

Claims (4)

  1. 円盤状で回転軸が貫通するディスク本体と、前記ディスク本体から前記回転軸の軸方向いずれか一方側に突出して設けられ、前記回転軸の外周面に焼嵌めにより嵌合されたグリップ面を有するグリップ部と、前記ディスク本体の表面に周方向に複数設けられたブレードとを備えたインペラを回転軸から取り外すインペラの取り外し方法であって、
    前記ディスク本体を焼嵌めを解除可能な温度まで加熱するための単位時間当たりの加熱量及び加熱時間と、前記ディスク本体を形成する材質とに基づいて、規定される温度浸透深さを求める算出工程と、
    前記グリップ面の軸方向他方側の端部を起点として、前記算出工程で求めた温度浸透深さとなる前記ディスク本体の背面側の位置を求める位置決め工程と、
    前記位置決め工程で求めた前記背面側の位置よりも外周側を加熱中心として上記加熱時間で加熱する第一加熱工程と、
    前記第一加熱工程の後に、前記グリップ部を加熱する第二加熱工程とを備えることを特徴とするインペラの取り外し方法。
  2. 前記グリップ部に接し、前記回転軸を外周側から覆う部材を設ける治具設置工程を、前記第一加熱工程の前に備えることを特徴とする請求項1に記載のインペラの取り外し方法。
  3. 前記第一加熱工程は、前記位置決め工程で求めた前記ディスク本体の背面側の位置よりも加熱範囲全体が外周側であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインペラの取り外し方法。
  4. 前記第一加熱工程の前に、前記ブレードを加熱する補助加熱工程をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のインペラの取り外し方法。
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