JP5473665B2 - 工作機械における工作物測定装置およびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械の加工領域内で工作物に対して相対的に移動する移動体に取付けられた有線式の測定ヘッドにより工作物を測定する、工作機械における工作物測定装置およびその方法に関する。
マシニングセンタなど工作機械では、加工後の工作物を工作機械から取り外さずに工作機械に設置したまま、工作物の表面の形状を測定する技術は、すでに提案されている。たとえば、特許文献1(特表2007−518579号公報)には、工作機械用被加工物検査システムが記載されている。
この検査システムでは、工作機械の主軸にプローブ(本発明の測定ヘッドに相当)が装着される。このプローブの針を被加工物(工作物)に接触したときの測定データを出力し、NC装置もプローブの位置のデータを取得する。そして、測定データと位置データとを組み合わせて、被加工物を検査する。
特表2007−518579号公報
特許文献1に記載の検査システムでは、NC装置に対して、新たな機能を付加するなどの改造や変更をする必要があった。また、NC装置で取得される位置データの数と比べて、プローブからは膨大な数の測定データが出力される。そして、この膨大な数の測定データから、必要な数の測定データを選別している。その結果、位置データと測定データとの間で時間的なずれが生じることにより、高精度な結果を得るのが困難であった。
また、測定データが膨大な数なので、データ量が全体的に多くなってしまう。その結果、送信のためのインターフェースや演算処理するCPUが、大きな処理能力を持つ必要があった。膨大な数の測定データを格納するためのメモリの容量を大きくする必要もあった。
このシステムは、プローブの針が被加工物に接触して測定する方法である。したがって、プローブを高速で安全に且つ振動なし(または、低振動)で走査するのが困難であった。また、被加工物を短時間で広い範囲を測定するのが難しかった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、NC装置に対して新たな機能を付加するなどの改造や変更をすることなく、工作物上の被測定点に対する測定ヘッドの少なくとも2軸方向の位置のデータの取得の動作と、その時点における測定ヘッドによる工作物の測定の動作とを、常に同一のタイミングで一定の時間間隔毎に繰り返して行なって、必要最小限の測定データを処理することにより、工作物を高精度に2次元測定または3次元測定することができ、また、測定ヘッドが、高速で走査して短時間で工作物を高精度に測定して、工作機械は、測定後の加工動作に速やかに移行することができる、工作機械における工作物測定装置およびその方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明にかかる工作機械における工作物測定装置は、工作機械を制御するNC装置と、前記工作機械の加工領域内で工作物に対して相対的に移動する移動体に取付けられて前記工作物を測定する有線式の測定ヘッドと、工作物測定装置を制御する制御装置と、前記工作物上の被測定点に対する前記測定ヘッドの、第1の軸方向とこの測定ヘッドが走査する第2の軸方向とを含む少なくとも2軸方向の位置のデータを、前記NC装置から一定の時間間隔毎に取得するプログラマブルコントローラと、前記一定の時間間隔に対応するパルス間隔を有するタイミングパルスを、前記測定ヘッドに出力するパルス出力部と、このパルス出力部と前記測定ヘッドとを電気的に接続する配線の途中に接続されるか、または前記測定ヘッドもしくは前記プログラマブルコントローラに設けられた予測システムとを備え、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得し、この取得動作のタイミングで、前記パルス出力部が前記タイミングパルスを前記予測システムに出力し、前記予測システムで予め設定された時間差だけ、前記一定の時間間隔のタイミングより積極的に早めて出力され且つ前記タイミングパルスのタイミングに合わせた測定指令により、前記測定ヘッドが前記工作物を測定し、その結果、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得する第1の時間と、前記測定ヘッドが前記測定指令により前記工作物を測定する第2の時間と、を一致させている。
また、他の本発明にかかる工作機械における工作物測定装置は、工作機械を制御するNC装置と、前記工作機械の加工領域内で工作物に対して相対的に移動する移動体に取付けられて前記工作物を測定する有線式の測定ヘッドと、工作物測定装置を制御する制御装置と、前記工作物上の被測定点に対する前記測定ヘッドの、第1の軸方向とこの測定ヘッドが走査する第2の軸方向とを含む少なくとも2軸方向の位置のデータを、前記NC装置から一定の時間間隔毎に取得するプログラマブルコントローラと、前記一定の時間間隔に対応するパルス間隔を有するタイミングパルスを、前記測定ヘッドに出力するパルス出力部と、このパルス出力部と前記測定ヘッドとを電気的に接続する配線の途中に接続されるか、または前記測定ヘッドもしくは前記プログラマブルコントローラに設けられた予測システムとを備え、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得し、この取得動作のタイミングで、前記パルス出力部が前記タイミングパルスを前記予測システムに出力し、前記予測システムで予め設定された時間差だけ、前記一定の時間間隔のタイミングより積極的に早めて出力され且つ前記タイミングパルスのタイミングに合わせた測定指令により、前記測定ヘッドが前記工作物を測定し、その結果、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得する第1の時間と、前記測定ヘッドが前記測定指令により前記工作物を測定する第2の時間と、を一致させて、前記プログラマブルコントローラによる前記位置データの取得の動作と、その時点における前記測定ヘッドによる前記工作物の測定の動作とを、常に同一のタイミングで前記一定の時間間隔毎に繰り返して行ない、前記プログラマブルコントローラにより取得された前記測定ヘッドの前記位置データを、前記制御装置に出力し、前記予測システムから出力される前記測定指令により前記測定ヘッドで測定された前記工作物の測定データを、前記制御装置に出力し、この制御装置は、前記位置データと前記測定データとに基づいて演算を行うことにより、前記工作物の2次元形状データまたは3次元形状データを得るようにしている。
前記制御装置は、前記測定データを格納する測定データ記憶部と、前記プログラマブルコントローラで取得された前記位置データを、この制御装置に設けられている開始番地メモリの指令と前記プログラマブルコントローラに設けられているカウンタの指令とに従って、順次読み出すとともにこうして読み出された前記位置データを格納する位置データ記憶部と、前記測定データおよび前記位置データに基づいて演算を行う演算処理部とを有するのが好ましい。
前記測定ヘッドは、前記測定指令を受けると、この測定ヘッドから前記工作物までの距離を測定することにより、この工作物を非接触で測定するのが好ましい。
前記測定ヘッドは、前記移動体の主軸に装着されている工具の近傍に配置されているのが好ましい。
一実施態様にかかる前記工作機械は、前記測定ヘッドと前記工作物とを相対的に直交3軸方向に直線移動させる3軸制御と、前記測定ヘッドと前記工作物とを相対的に旋回させて割り出す少なくとも1軸制御と、を行う加工機である。
前記測定ヘッドが、その基準軸線に対して相対的に傾斜した前記工作物を測定できるようにするのが好ましい。
また、好ましくは、前記主軸に装着された工具で前記工作物を加工する工程の前に,加工工程の途中にまたは加工工程後に、前記測定ヘッドで前記工作物を測定する工程を設けて、加工動作と測定動作とが順番にまたはこれとは逆の順に連続するようにしている。
本発明にかかる工作機械における工作物測定方法において、この方法に使用される工作物測定装置は、工作機械を制御するNC装置と、前記工作機械の加工領域内で工作物に対して相対的に移動する移動体に取付けられて前記工作物を測定する有線式の測定ヘッドと、前記工作物測定装置を制御する制御装置と、前記工作物上の被測定点に対する前記測定ヘッドの、第1の軸方向とこの測定ヘッドが走査する第2の軸方向とを含む少なくとも2軸方向の位置のデータを、前記NC装置から一定の時間間隔毎に取得するプログラマブルコントローラと、前記一定の時間間隔に対応するパルス間隔を有するタイミングパルスを、前記測定ヘッドに出力するパルス出力部と、このパルス出力部と前記測定ヘッドとを電気的に接続する配線の途中に接続されるか、または前記測定ヘッドもしくは前記プログラマブルコントローラに設けられた予測システムとを備え、前記工作物測定装置による前記工作物測定方法は、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得し、この取得動作のタイミングで、前記パルス出力部が前記タイミングパルスを前記予測システムに出力し、前記予測システムで予め設定された時間差だけ、前記一定の時間間隔のタイミングより積極的に早めて出力され且つ前記タイミングパルスのタイミングに合わせた測定指令により、前記測定ヘッドが前記工作物を測定し、その結果、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得する第1の時間と、前記測定ヘッドが前記測定指令により前記工作物を測定する第2の時間と、を一致させている。
他の本発明にかかる工作機械における工作物測定方法において、この方法に使用される前記工作物測定装置は、工作機械を制御するNC装置と、前記工作機械の加工領域内で工作物に対して相対的に移動する移動体に取付けられて前記工作物を測定する有線式の測定ヘッドと、前記工作物測定装置を制御する制御装置と、前記工作物上の被測定点に対する前記測定ヘッドの、第1の軸方向とこの測定ヘッドが走査する第2の軸方向とを含む少なくとも2軸方向の位置のデータを、前記NC装置から一定の時間間隔毎に取得するプログラマブルコントローラと、前記一定の時間間隔に対応するパルス間隔を有するタイミングパルスを、前記測定ヘッドに出力するパルス出力部と、このパルス出力部と前記測定ヘッドとを電気的に接続する配線の途中に接続されるか、または前記測定ヘッドもしくは前記プログラマブルコントローラに設けられた予測システムとを備え、前記工作物測定装置による前記工作物測定方法は、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得し、この取得動作のタイミングで、前記パルス出力部が前記タイミングパルスを前記予測システムに出力し、前記予測システムで予め設定された時間差だけ、前記一定の時間間隔のタイミングより積極的に早めて出力され且つ前記タイミングパルスのタイミングに合わせた測定指令により、前記測定ヘッドが前記工作物を測定し、その結果、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得する第1の時間と、前記測定ヘッドが前記測定指令により前記工作物を測定する第2の時間とを一致させて、前記プログラマブルコントローラによる前記位置データの取得の動作と、その時点における前記測定ヘッドによる前記工作物の測定の動作とを、常に同一のタイミングで前記一定の時間間隔毎に繰り返して行ない、前記プログラマブルコントローラにより取得された前記測定ヘッドの前記位置データを、前記制御装置に出力し、前記予測システムから出力される前記測定指令により前記測定ヘッドで測定された前記工作物の測定データを、前記制御装置に出力し、この制御装置は、前記位置データと前記測定データとに基づいて演算を行うことにより、前記工作物の2次元形状データまたは3次元形状データを得るようにしている。
本発明にかかる工作機械における工作物測定装置およびその方法は、上述のように構成したので、NC装置に対して、新たな機能を付加するなどの改造や変更をすることなく、工作物上の被測定点に対する測定ヘッドの少なくとも2軸方向の位置のデータの取得の動作と、その時点における測定ヘッドによる工作物の測定の動作とを、常に同一のタイミングで一定の時間間隔毎に繰り返して行なっている。その結果、必要最小限の測定データを処理することにより、工作物を高精度に2次元測定または3次元測定することができる。
また、本発明は、プログラマブルコントローラによる測定ヘッドの位置データの取得の動作と、その時点における測定ヘッドによる工作物の測定の動作とを、常に同一のタイミングで一定の時間間隔毎に繰り返して行なっている。その結果、測定ヘッドは高速で走査できることになり、工作物が短時間で高精度に測定されて、工作機械は、測定後の加工動作に速やかに移行することができる。
図1ないし図6は本発明の一実施例を説明するための図で、図1は、本発明の工作物測定装置が設けられた工作機械の斜視図である。 工作物測定装置の概略構成図である。 本発明を説明するための波形図である。 本実施例の工作物測定装置の波形図である。 工作物の測定状態を示す説明図である 制御装置に入力したデータと算出結果とを示す表である。 図7ないし図8Fは本実施例の変形例を説明するための図で、図7は、本発明の工作物測定装置が設けられた他の工作機械の斜視図である。 工作物測定状態を示す説明図である。 工作物測定状態を示す説明図である。 工作物測定状態を示す説明図である。 工作物測定状態を示す説明図である。 工作物測定状態を示す説明図である。 工作物測定状態を示す説明図である。
本発明にかかる工作物測定装置において、プログラマブルコントローラが測定ヘッドの位置データを取得する。この取得動作のタイミングで、パルス出力部がタイミングパルスを出力する。予測システムで予め設定された時間差だけ、一定の時間間隔のタイミングより積極的に早めて出力され且つタイミングパルスのタイミングに合わせた測定指令により、測定ヘッドが工作物を測定する。
こうすることにより、プログラマブルコントローラが測定ヘッドの位置データを取得する第1の時間と、測定ヘッドが測定指令により工作物を測定する第2の時間と、を一致させている。
プログラマブルコントローラは、工作物上の被測定点に対する測定ヘッドの少なくとも2軸方向の位置データの取得の動作を行う。他方、測定ヘッドは、その時点における工作物の測定の動作を行う。そして、これら取得の動作と測定の動作とを、常に同一のタイミングで一定の時間間隔毎に繰り返して行なう。
その結果、NC装置に対して、新たな機能を付加するなどの改造や変更をすることなく、必要最小限の測定データを処理することにより、工作物を高精度に2次元測定または3次元測定し、且つ、測定ヘッドは、高速で走査して短時間で工作物を高精度に測定して、工作機械は、測定後の加工動作に速やかに移行するという目的が実現される。
下記の実施例および変形例では、工作機械が立形マシニングセンタと5軸加工機の場合を示している。なお、工作機械は、横形マシニングセンタ,旋盤,旋削盤,研削盤や、揺動可能な工具用主軸を有する複合加工機であってもよい。
以下、本発明の一実施例およびその変形例を、図1ないし図8Fを参照して説明する。
図1ないし図6は本発明の一実施例を説明するための図で、図1は、本発明の工作物測定装置が設けられた工作機械の斜視図である。図2は工作物測定装置の概略構成図、図3は、本発明の原理を説明するための波形図である。
図4は、本実施例の工作物測定装置の波形図、図5は、本発明における工作物測定状態を示す説明図、図6は、制御装置に入力したデータと算出結果とを示す表である。
図1,図2に示すように、本実施例では、工作機械1として立形マシニングセンタを示している。工作機械1は、床面上に据え付けられたベッド2と、ベッド2上に設置されたコラム3と、主軸4を有する主軸頭5と、テーブル6を有するサドル7とを備えている。工作機械1は、NC装置(数値制御装置)13により制御されている。
主軸頭5は、コラム3の前面に支持されて、上下方向(Z軸方向)に移動可能になっている。主軸4の先端には、工具18が着脱可能に装着される。主軸4は、その中心軸線がZ軸と平行で且つ中心軸線まわりに回転可能に、主軸頭5に支持されている。
サドル7は、ベッド2上に配置されて前後の水平方向(Y軸方向)に移動可能である。サドル7上にはテーブル6が配置されている。テーブル6は、左右の水平方向(X軸方向)に移動可能である。テーブル6上には工作物9が載置されている。互いに直交するX軸,Y軸およびZ軸により直交3軸が構成されている。
コラム3に支持されている主軸頭5は、Z軸送り機構10に駆動されてZ軸方向に移動する。ベッド2上に配置されているサドル7は、Y軸送り機構11に駆動されてY軸方向に移動する。サドル7上に載置されて工作物9を支持するテーブル6は、X軸送り機構12に駆動されてX軸方向に移動する。
NC装置13は、Z軸送り機構10,Y軸送り機構11およびX軸送り機構12をそれぞれ制御する。また、NC装置13は、主軸4に対して工具18を自動的に交換するATC(自動工具交換装置)14を制御する。
したがって、工作機械1は、主軸4と工作物9を、相対的にX軸,Y軸,Z軸の直交3軸方向に直線移動させる3軸制御を行うマシニングセンタである。なお、主軸頭5と工作物9を、相対的にX軸,Y軸方向にそれぞれ移動させる場合であってもよい。
工作物測定装置20は、工作機械1を制御するNC装置13と、有線式の測定ヘッド8とを有している。測定ヘッド8は、工作機械1の加工領域内で工作物9に対して相対的に移動する移動体(ここでは、主軸頭5)に取付けられて、工作物9を測定する。
工作物測定装置20およびこれを使用した工作物測定方法は、主軸頭5に取付けられた測定ヘッド8により、工作物9を非接触で(または、接触して)測定可能である。
主軸頭5の前面5aには、測定ヘッド8を収納するための筐体19が取付けられている。筐体19は測定ヘッド8を出退可能に支持している。測定ヘッド8は、その使用時には筐体19から下方に突出し、非使用時には筐体19の内部に収納される。測定ヘッド8は、筐体19から下方に露出した状態で工作物9を測定する。なお、測定ヘッド8を支持する筐体19を、主軸頭5の側面や下面に設けてもよい。
工作物測定装置20は、工作物測定装置20を制御する制御装置(たとえば、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ)23と、工作機械1を制御するプログラマブルコントローラ25(以下、コントローラ25と記載)と、パルス出力部24と、予測システム29とを、さらに備えている。
コントローラ25は、たとえば、PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)やPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)などである。コントローラ25は、NC装置13に含まれているが、コントローラ25の構成自体は、NC装置13とは分離した構成である。なお、コントローラ25は、NC装置13の外部に別途独立して設けられた場合であってもよい。
コントローラ25は、工作物9上の被測定点Sに対する測定ヘッド8の位置のデータを、NC装置13から一定の時間間隔ΔT毎に読み取って取得する。測定ヘッド8のこの位置データは、第1の軸方向(Z軸方向)と、測定ヘッド8が走査する第2の軸方向(X軸方向)とを含む、少なくとも2軸方向(Z軸方向、X軸方向)の位置のデータである。この「2軸方向の位置」は、互いに直交するZ軸方向とX軸方向の位置の場合が多いが、2軸が直交していない場合でもよい。
コントローラ25はクロック17を有している。クロック17は、規則的な信号を一定の時間間隔ΔT毎に出力する。コントローラ25は、クロック17のこの信号に従って、測定ヘッド8の位置のデータをNC装置13から読み取って取得する。
パルス出力部24は、コントローラ25に設けられ、予測システム29にタイミングパルスPを出力する。パルス出力部24のタイミングパルスは、入出力装置(たとえば、I/Oリンクシステム,I/Oリンクユニット)39を介して、予測システム29に出力される。入出力装置39は、コントローラ25(または、NC装置13)に設けられている。予測システム29は、遅れ補正回路としての機能を有している。
図1ないし図5に示すように、パルス出力部24は、クロック17の一定の時間間隔ΔTに対応するパルス間隔(一つのパルスから、次のパルスまでの時間間隔)ΔT1を有するタイミングパルスPを、配線60を通って予測システム29を介して測定ヘッド8に出力する。タイミングパルスPは、「タイミングをとるためのパルス」であり、本実施例では、予測システム29でタイミングを合わせるのに使用される。
本実施例では、クロック17から出力される信号の一定の時間間隔ΔTは、16[msec(ミリ秒)]である。タイミングパルスPのパルス間隔ΔT1も、基本的には16[msec]であるのが好ましく、パルス間隔ΔT1と前記一定の時間間隔ΔTとが、同じである場合を示している。
予測システム29は、パルス出力部24と測定ヘッド8とを電気的に接続する配線60の途中に接続されている。なお、予測システム29は、コントローラ25,NC装置13または測定ヘッド8に設けられていてもよい。
予測システム29から出力される測定指令fを含む信号Fは、配線60を介して、主軸頭5に取付けられた測定ヘッド8に送られる。測定ヘッド8で測定された測定データB1は、配線61を介して制御装置23に送られる。
工作物測定装置20で工作物9を測定する場合、コントローラ25が、NC装置13から測定ヘッド8の位置データC1を読み取って取得する。本実施例のコントローラ25は、工作物9上の被測定点Sに対する測定ヘッド8の直交3軸方向(X軸方向,Y軸方向,Z軸方向)の位置のデータC1を取得する。
「測定ヘッド8の位置」は、測定ヘッド8においてあらかじめ決められた基準位置S1のことであり、たとえば、レーザ発振器におけるレーザ光Lの出口部の位置である。
そして、コントローラ25の取得動作のタイミングと同じタイミングで、パルス出力部24が、タイミングパルスPを配線60を介して予測システム29に出力する。
予測システム29は、測定指令fを含む信号Fを、測定ヘッド8に配線60を介して出力する。この場合、予測システム29は、パルス出力部24からタイミングパルスPが入力すると、測定指令fの信号Fを測定ヘッド8に出力する。そして、測定ヘッド8が、この測定指令fに従って工作物9を測定する。
この測定指令fは、予測システム29で予め設定された時間差nだけ、一定の時間間隔ΔTのタイミングより積極的に早めて出力される指令である。また、測定指令fは、タイミングパルスPのタイミングに合わせた指令である。
なお、予測システム29が測定ヘッド8に設けられている場合には、パルス出力部24が測定ヘッド8内の予測システム29にタイミングパルスPを信号Fで出力する。すると、予測システム29が、タイミングパルスPに基づいて測定指令fを生成し、測定指令fの信号Fが測定ヘッド8に出力される。そして、測定ヘッド8が、この測定指令fに従って工作物9を測定する。
こうして測定ヘッド8は、測定ヘッド8から工作物9までの距離Dを測定する。測定されたデータB1は、測定ヘッド8から配線61で制御装置23に出力される。
その結果、コントローラ25が測定ヘッド8の位置データC1を読み取って取得する第1の時間T1と、測定ヘッド8が測定指令fにより工作物9を測定する第2の時間T2と、を一致させている(図4中の符号H参照)。
第1の時間T1は、コントローラ25が、工作物9上の被測定点Sに対する測定ヘッド8の少なくとも2軸方向の位置データを、NC装置13から一定の時間間隔ΔT毎に取得する時間である。この第1の時間T1は、一つのみではなく、一定の時間間隔ΔT毎に存在している。
第2の時間T2は、測定指令fにより測定ヘッド8が、測定ヘッド8から工作物9までの距離Dを、一定の時間間隔ΔT毎に測定する時間である。なお、第2の時間T2も、一つのみではなく、一定の時間間隔ΔT毎に存在している。
これにより、コントローラ25による位置データC1の取得の動作と、その時点における測定ヘッド8による工作物9の測定の動作とを、常に同一のタイミングで(すなわち、同時に)、一定の時間間隔ΔT毎に繰り返して行なっている。
すなわち、コントローラ25は、工作物9上の被測定点Sに対する測定ヘッド8の少なくとも2軸方向(Z軸方向、X軸方向)の位置データC1を、NC装置13から読み取って取得する。
このコントローラ25の動作と同時に、且つ一定の時間間隔ΔT毎に、測定ヘッド8は、その時点における測定ヘッド8から工作物9までの距離Dを測定する。
コントローラ25により取得された測定ヘッド8の位置データC1は、制御装置23に出力される。予測システム29から出力される測定指令fにより測定ヘッド8で測定された工作物9の測定データB1は、配線61を介して制御装置23に出力される。
制御装置23は、位置データC1と測定データB1とに基づいて演算を行うことにより、工作物9の2次元形状データまたは3次元形状データを得る。
上述の構成の工作物測定装置20およびこの装置20による工作物測定方法によれば、NC装置13に対して新たな機能を付加するなどの改造や変更をする必要がない。また、工作物9上の被測定点Sに対する測定ヘッド8の少なくとも2軸方向(Z軸方向、X軸方向)の位置データC1の取得の動作と、その時点における測定ヘッド8による工作物9の測定の動作とを、常に同一のタイミングで一定の時間間隔ΔT毎に繰り返して行なっている。
その結果、必要最小限の測定データB1を処理することにより、工作物9を高精度に2次元測定または3次元測定することができる。また、測定ヘッド8は高速で走査できるので、工作物9が短時間で高精度に測定されて、工作機械1は、測定後の加工動作に速やかに移行することができる。
本実施例のコントローラ25には、バッファメモリ16が設けられている。バッファメモリ16は、NC装置13から読み取った測定ヘッド8の位置データC1を一時的に記憶する。
コントローラ25は、測定ヘッド8の位置データC1を取得すると、この位置データC1を、バッファメモリ16に一旦記憶させた後、バッファメモリ16から制御装置23に出力する。
制御装置23は、測定データB1を格納する測定データ記憶部21と、位置データ記憶部26と、演算処理部27とを有している。
位置データ記憶部26は、コントローラ25で取得されバッファメモリ16に一旦記憶されている少なくとも2軸方向の位置データC1を格納する。位置データ記憶部26は、制御装置23に設けられている開始番地メモリ(カウンタ)37から出力される指令と、コントローラ25に設けられている最新番地カウンタ38の指令とに従って、位置データC1を順次読み出すとともにこうして読み出された位置データC1を格納する。なお、2つの記憶部21,26を、制御装置23とは分離して別途設けてもよい。
演算処理部27は、測定ヘッド8で測定された距離Dのデータ(すなわち、測定データB1)と、コントローラ25で取得された少なくとも2軸方向(Z軸方向,X軸方向)の位置のデータ(測定ヘッド8の位置を示すデータC1)とに基づいて、演算を行う。
コントローラ25は、クロック17から一定の時間間隔ΔT毎に出力される信号に従って、NC装置13から測定ヘッド8の位置データC1を取得する。その後、コントローラ25は、この位置データC1を制御装置23に出力する。
コントローラ25は、クロック17から一定の時間間隔ΔT毎に出力される信号のタイミングで、測定ヘッド8の位置データC1をNC装置13から取得したのち、バッファメモリ16に一旦記憶させる。その後、位置データC1は、制御装置23の位置データ記憶部26に送られて格納される。
バッファメモリ16はリング状のメモリである。バッファメモリ16は、コントローラ25に設けられている最新番地カウンタ38の指令により、測定ヘッド8の位置[直交3軸方向(X軸方向,Y軸方向,Z軸方向)の位置データC1]を一時的に記憶する。
そのために、X軸送り機構12のサーボモータの動作によるX軸方向の現在位置情報(座標)53と、Y軸送り機構11のサーボモータの動作によるY軸方向の現在位置情報(座標)54と、Z軸送り機構10のサーボモータの動作によるZ軸方向の現在位置情報(座標)55は、それぞれ駆動部56に入力する。これら位置データC1は、バッファメモリ16に出力されてここで一旦記憶される。
たとえば、工作物9上の1番目の被測定点Sを測定したときの測定ヘッド8のX軸方向,Y軸方向,Z軸方向のそれぞれの現在位置情報53,54,55を、コントローラ25がNC装置13から読み取る。すると、バッファメモリ16の番地「1」に、座標値「X1,Y1,Z1」が書き込まれる。
次いで、工作物9上の2番目の被測定点Sを測定したときの測定ヘッド8のX軸方向,Y軸方向,Z軸方向のそれぞれの現在位置情報53,54,55を、コントローラ25がNC装置13から読み取る。すると、バッファメモリ16の番地「2」に、次の座標値「X2,Y2,Z2」が書き込まれる。
以下同様にして、工作物9上のN番目の被測定点Sを測定したときの測定ヘッド8のX軸方向,Y軸方向,Z軸方向のそれぞれの現在位置情報53,54,55を、コントローラ25がNC装置13から読み取る。すると、バッファメモリ16の番地「N」に、座標値「Xn,Yn,Zn」が書き込まれる。
このようにすれば、測定ヘッド8の1番目からN番目までのN個の位置データC1が、バッファメモリ16に順番に一時的に記憶さる。その後、N個または所定の個数の位置データC1は、制御装置23の位置データ記憶部26に同時に格納される。
なお、バッファメモリ16を、コントローラ25以外のところ、たとえばNC装置13に設けてもよい。また、バッファメモリ16は、リング状でなくてもよく、たとえば、NC装置13またはコントローラ25の各内部に設けられているメモリを流用することもできる。
制御装置23は、測定ヘッド8から送られてきた測定データB1を、測定データ記憶部21に順次格納する。また、バッファメモリ16に記憶されている位置データC1は、制御装置23の開始番地メモリ37から出力される指令と、コントローラ25の最新番地カウンタ38から出力される指令とに従って、順次読み出されるとともに位置データ記憶部26に格納される。
演算処理部27は、位置データ記憶部26に格納されている位置データC1と、測定データ記憶部21に格納されている測定データB1とに基づいて演算を行う。これにより、工作物9の2次元形状データまたは3次元形状データが得られる。
本実施例の予測システム29において、測定ヘッド8に対する測定指令fを、予測システム29で予め設定された時間差nだけ積極的に早めて、測定ヘッド8に出力している。
こうして、コントローラ25による位置データC1の取得の動作と、その時点における測定ヘッド8による工作物9の測定の動作とを、常に同一のタイミングで(すなわち、同時に)、一定の時間間隔ΔT毎に繰り返して行なっている。
工具18は工具マガジンに収納可能である。NC装置13で制御されるATC14により、工具18は、主軸4に対して自動的に交換されるとともに着脱可能である。したがって、主軸4に装着された工具18で工作物9を加工する工程の前に(または、加工工程の途中に、もしくは加工工程後に)、測定ヘッド8で工作物9を測定する工程を設ければ、加工動作と測定動作とが順番にまたはこれとは逆の順に連続する。すなわち、加工動作と測定動作とを、任意の組合せで実行することが可能である。
このようにすれば、測定のために工作物9をテーブル6から取り外さなくても、工作物9を加工したのちテーブル6に取付けたままで直ちに、工作物9を2次元測定または3次元測定することができる。また、工作物9を測定した動作の後に、再び工作物9を加工する動作に移行することもできる。
本発明の関連技術として、測定ヘッド8を主軸4に着脱可能に装着する場合がある。ところが、主軸4に対して測定ヘッド8を着脱すると、着脱の前後で測定ヘッド8での測定に誤差が生じる恐れがある。また、主軸4に対して工具18を着脱すると、着脱の前後で工具18での加工に誤差が生じる恐れがある。
これに対して本実施例では、測定ヘッド8は、主軸頭5に取付けられており、主軸4には装着されないようになっている。したがって、工具18を取外すことなく主軸4に装着したままで、測定ヘッド8で工作物9を高精度に測定できる。また、工具18で工作物9を高精度に加工することができる。
測定ヘッド8は、移動体(ここでは、主軸頭5)の主軸4に装着されている工具18の近傍に配置されている。これにより、測定ヘッド8は、工作物9を工具18に近い位置で高精度に測定できる。
なお、測定ヘッド8が取付けられる工作機械の移動体は、マシニングセンタの主軸頭5のほかに、テーブル6、サドル7、旋盤の刃物台やタレット、複合加工機における揺動可能な工具用主軸であってもよい。
測定ヘッド8は、工作物9の表面に照射するためのレーザ光Lを発生させるレーザ発振器を内蔵している。レーザ発振器で発生したレーザ光Lは、工作物9の表面の被測定点Sに照射される。測定ヘッド8は、工作物9の表面で反射したレーザ光Lを受光することにより、測定ヘッド8から工作物9までの距離Dを算出する。
この距離Dは、測定ヘッド8の基準位置S1と工作物9上の被測定点Sとの間の、基準軸線CL(たとえば、測定ヘッド8から射出されるレーザ光Lの中心軸線CL)の方向(すなわち、Z軸方向)における距離である。
本実施例では、測定指令fの信号Fが、パルス出力部24から予測システム29を介して測定ヘッド8に有線で送られる。測定ヘッド8は、予測システム29から出力された測定指令fの信号Fを受けると、レーザ発振器によりレーザ光Lを発生し、このレーザ光Lを工作物9に照射する。
工作物9上の被測定点Sでレーザ光Lが反射するので、この反射したレーザ光Lに基づいて、測定ヘッド8から工作物9までの距離Dが算出される。算出された距離Dなどを含む測定データB1は、配線61で制御装置23に出力される。
このように、測定ヘッド8は、測定指令fを受けると、測定ヘッド8から工作物9までの距離Dを測定することにより、この工作物9を非接触で測定する。測定動作の際に、測定ヘッド8は工作物9に接触しないので、測定ヘッド8を高速で安全に且つ振動なし(または、低振動)で走査して、工作物9を短時間で広い範囲を測定することができる。
パルス出力部24を有するコントローラ25と、制御装置23は、NC装置13とは分離した構成である。
工作物測定装置20では、コントローラ25と制御装置23をNC装置13とは分離している。したがって、NC装置13の設計基準や構成などに拘束されることなく、工作物測定装置20の設計やその変更を、独自に且つ自在に行うことができる。
次に、本発明の原理を説明する。
図1,図2,図3において、本発明の前提は、予測システム29が設けられていなくて、且つ、下記の条件1および条件2の場合である。なお、図3に示す波形図の横軸は時間tである。
(条件1):コントローラ25のクロック17は、NC装置13から位置データを取得する旨の信号Paを、一定の時間間隔ΔT毎に出力したと仮定する。そして、クロック17の信号Paに従って、コントローラ25は、時間t1のときに、測定ヘッド8の位置データをNC装置13から読み取って取得したと仮定する。
(条件2):コントローラ25の取得動作のタイミングと同じタイミングで、パルス出力部24が、信号Paの時間間隔ΔTと同じパルス間隔を有するタイミングパルスPbを、測定ヘッド8に出力したと仮定する。
パルス出力部24から時間t1に出力されたタイミングパルスPbは、入出力装置39と配線60を流れて測定ヘッド8に届く。
こうしてタイミングパルスPbが測定ヘッド8に届いた直後の時間t2に、測定ヘッド8が、タイミングパルスPbに基づいて工作物9までの距離Dを測定する。
タイミングパルスPbが測定ヘッド8まで流れる経路には、入出力装置39の回路と、配線60とがある。その結果、パルス出力部24によるタイミングパルスPbの出力時から、測定ヘッド8による距離Dの測定時までに、比較的長い「遅れ時間」がかかってしまう。
時間t1に、タイミングパルスPbが、パルス出力部24から出力されたのち測定ヘッド8に届いて、時間t2に、測定ヘッド8で距離Dが測定されるまでの、遅れ時間Δnは、下記の式により算出される。

Δn=t2 −t1 ……(1)
他方、コントローラ25は、クロック17の信号Paに従って、時間t1に、測定ヘッド8の位置データをNC装置13から読み取って取得している。
すなわち、コントローラ25は、時間t1における、工作物9上の被測定点Sに対する測定ヘッド8の少なくとも2軸方向の位置のデータを取得する。本実施例では、直交3軸方向の位置データX,Y,Zが取得される。
クロック17は、NC装置13内のコントローラ25に内蔵されているので、遅れ時間はほぼゼロになる。したがって、コントローラ25は、時間t1における信号Paに従って、すぐに測定ヘッド8の位置データをNC装置13から取得する。
測定ヘッド8が工作物9までの距離Dを測定するときの遅れ時間Δnと、コントローラ25が測定ヘッド8の直交3軸方向の位置データを取得する時の遅れ時間(この場合はゼロ)との差を、所定のパラメータである時間差nとして、下記の式で算出することができる。

n=Δn −0 ……(2)
こうして、時間差nは、図3および前記式(2)などに基づいて算出される。この時間差nは、工作機械1の主軸頭5に測定ヘッド8を取付けたシステムにおける固有の値である。したがって、工作機械1や測定ヘッド8を部分的に改造したり交換しない限り、システム固有の時間差nは、理論的には一定値である。
そのため、工作機械1を設置し、使用する測定ヘッド8を特定した後に、1回のテスト作業で時間差nを設定する。なお、工作機械1のユーザーによっては、工作物9に対する加工条件が変わったり、工作物9の種類が変わったりするたびに、時間差nの確認,変更を、1回または複数回行なう場合もある。こうすれば、より正確な時間差nが設定される。
本発明では、図1,図2,図4に示すように、一定の時間間隔ΔTのタイミングより上述の時間差nだけ、積極的に早めて出力した測定指令fにより、測定ヘッド8が工作物9を測定している。なお、図4に示す波形図の横軸は時間tである。
この時間差nは、配線60の途中に接続された予測システム29で予め設定され、且つ予測システム29に記憶されている。
他方、クロック17から出力される信号Paは、一定の時間間隔ΔTのタイミングになっている。
その結果、測定ヘッド8の位置データをコントローラ25が取得する第1の時間T1と、測定ヘッド8が工作物9を測定する第2の時間T2と、を一致させている(図4中の符号H参照)。
次に、工作物測定装置20で工作物9を測定する手順について説明する。
まず最初に、測定用プログラムで測定ヘッド8を呼び出す。そして、主軸頭5を移動させて、主軸頭5に取付けられている測定ヘッド8を、測定(スキャン)の開始点に位置決めする。
次いで、測定用プログラム中のMコード指令により、NC装置13,コントローラ25,制御装置23,予測システム29などを、測定準備状態にする。測定用プログラムの移動指令により、測定ヘッド8が工作物9の上方で移動を開始する。
コントローラ25が、クロック17の信号Paに従って、一定の時間間隔ΔT(16[msec])毎に、NC装置13から測定ヘッド8の各軸(X、Y、Z軸)の現在位置情報53,54,55(位置データC1)を読み取る。そして、この位置データを、第1の時間T1に、バッファメモリ16に順次記憶させる。
コントローラ25がこの読み取り動作(取得動作)を行うと同時に、パルス出力部24は、予測システム29にタイミングパルスPを出力する。このタイミングパルスPは、入出力装置39と配線60を流れるので、少し遅れて予測システム29に入力する。
予測システム29に最初のパルス信号Poが入力すると、この最初のパルス信号Poが測定開始指令になって測定ヘッド8に出力され、測定ヘッド8が測定動作を開始する。これ以後は、測定ヘッド8に測定指令fが送信される。
測定指令fは、予測システム29で予め設定された時間差nだけ、一定の時間間隔ΔTのタイミングより積極的に早めて出力される。このとき、タイミングパルスPは、「時間的なずれ」が発生しないように、測定指令fのタイミングを合わせるのに使用される。すなわち、長い時間が経過するとタイミングが次第にずれてくるが、タイミングパルスPは、この時間的なずれの発生を防止している。
測定ヘッド8は、予測システム29から測定指令fを受信すると、測定ヘッド8から工作物9までの距離Dを測定し、その測定結果(測定データB1)を配線61を介して制御装置23に送信する。このとき、予測システム29から出力された測定指令fの信号Fは、配線60を介して測定ヘッド8に送信されるとともに、測定ヘッド8内で処理される。
これら入出力装置39内の処理や、配線60や、測定ヘッド8内の処理に必要な時間Δn1が経過した後に、測定ヘッド8は、測定指令fに従って第2の時間T2に距離Dを測定する。
この場合、測定ヘッド8が距離Dを測定するタイミングと、コントローラ25が測定ヘッド8の位置データC1を読み取るタイミングとが一致するように(図4の符号H)、上述の時間差nが予め設定されている。
その結果、第1の時間T1と第2の時間T2とが同じ時間になる。測定ヘッド8による測定の動作と、コントローラ25による位置データの読み取り動作とが、常に同じタイミングで行われる。
測定ヘッド8から出力される測定データB1は、制御装置23に送信されて測定データ記憶部21に順次格納される。
コントローラ25が、NC装置13から測定ヘッド8の位置データを読み取ってバッファメモリ16に一つ追加記憶させる毎に、コントローラ25の最新番地カウンタ38の数値を一つ加算する。最後に書き込んだ番地を、バッファメモリ16に保持する。
制御装置23は、バッファメモリ16内に記憶された一連の位置データC1を順次読み取って、位置データ記憶部26に順次保管する。このとき、バッファメモリ16内で読み取るべき一連の位置データの先頭番地を、制御装置23の開始番地メモリ37で保持しておき、位置データを読み取る毎に、開始番地メモリ37の値を更新しておく。
また、読み取るべき一連の位置データの最終番地は、コントローラ25の最新番地カウンタ38により示されている。
プログラム中のMコードの指令が出力されると、制御装置23は、コントローラ25に測定終了の指令を出力する。すると、工作物測定装置20による測定が終了し、パルス出力部24は、タイミングパルスPのパルス信号の出力を終了する。この出力の終了時に、予測システム29が、時間ΔT(16[msec])後にパルス信号を受け取らなければ、測定終了と判断される。
そして、制御装置23内で位置データ記憶部26に保管された一連の位置データC1のうち1個目の位置データ(X0,Y0,Z0)を削除する。これは、測定開始時に、最初の位置データに相当する測定データは存在しないからである。
また、測定データB1のうち最後の1個の測定データを削除する。これは、最後の測定データに相当する位置データは存在しないからである。
次いで、演算処理部27は、それぞれの時点における位置データ[(X1,Y1,Z1),(X2,Y2,Z2),(X3,Y3,Z3),……,(Xn,Yn,Zn)]と測定データ(D1,D2,D3,……,Dn)とを合わせて、工作物9の2次元形状データまたは3次元形状データを算出する。
本発明では、制御装置23は必要最小限の測定データB1を処理すればよい。したがって、データ処理の負荷は小さくなり、測定データ記憶部21と位置データ記憶部26の各メモリ容量も小さくて済む。
NC装置13にバッファメモリ16を設けたので、測定ヘッド8の直交3軸方向(X軸方向,Y軸方向,Z軸方向)の位置データC1を、バッファメモリ16に一旦記憶することができる。
その後、制御装置23の開始番地メモリ37から出力される指令と、コントローラ25の最新番地カウンタ38の指令とに従って、位置データC1を複数個まとめて位置データ記憶部26に順次格納することができる。したがって、コントローラ25,バッファメモリ16および制御装置23が位置データC1を処理するための負担は小さくてすむ。
演算処理部27は、測定データ記憶部21に格納されている必要最小限の測定データB1と、位置データ記憶部26に格納されている測定ヘッド8の直交3軸方向の位置データC1とに基づいて演算を行う。これにより、工作物9の2次元形状データまたは3次元形状データが得られる。
こうして、工作物9上の多数の被測定点Sの各座標のデータ(2次元形状データまたは3次元形状データ)が算出される。この多数の被測定点Sの各座標のデータは、制御装置23とは別に設けられた演算装置(たとえば、パーソナルコンピュータ)28に出力される。演算装置28は、多数の被測定点Sの座標を集合させる演算を行うことにより、工作物9の立体図すなわち3次元形状E(図5)が得られる。
図6は、測定ヘッド8から制御装置23に入力した測定距離DのデータB1と、直交3軸方向の位置データC1と、これら測定距離DのデータB1および位置データC1に基づいて算出された結果とを示している。この算出結果は、3次元形状データ(すなわち、工作物9上の被測定点Sの座標)である。
上述のように、本発明の工作物測定装置20は、予測システム29で予め設定された時間差nだけ、一定の時間間隔ΔTのタイミングより積極的に早めて出力された測定指令fにより、測定ヘッド8が工作物9を測定している。
その結果、コントローラ25が測定ヘッド8の位置データを取得する第1の時間T1と、測定ヘッド8が測定指令fにより工作物9を測定する第2の時間T2とが、同期することになる。
これにより、制御装置23が、測定ヘッド8の直交3軸方向の位置データC1と、必要最小限の測定データB1とに基づいて演算処理する。したがって、工作物9の2次元形状データまたは3次元形状データを得ることができる。その結果、工作物9の高精度な2次元形状または3次元形状が得られる。
測定ヘッド8は工作物9を非接触で測定する。したがって、測定ヘッド8を高速で安全に且つ振動なし(または、低振動)で走査して、工作物9を短時間で広い範囲を測定することができる。
上述の説明では、パルス出力部24が、タイミングパルスPを16[msec]のパルス間隔で出力する場合を示している。このタイミングパルスPは、データ取得のタイミングを確認するために使用されるので、パルス間隔および測定の間隔は、制限はなく任意の値でよい。
工作物測定装置20による測定の終了について、予め設定されているパルス間隔(16[msec])で、予測システム29にタイミングパルスPのパルス信号が入力しなければ、予測システム29は測定終了と判断する。
ところで、この判定方法の場合、パルス間隔が長い値(たとえば160[msec])であると仮定する。この場合、コントローラ25が、制御装置23から測定終了の指令を受信しても、測定ヘッド8が、160[msec]の長い時間後にタイミングパルスPが来ないことを認識するまで、測定ヘッド8は、工作物9を測定し、測定データB1を制御装置23に出力し続ける。その結果、測定終了直前に、制御装置23でせっかく取得した測定データB1が、無駄になってしまう。
そこで、制御装置23は、測定終了の指令を、コントローラ25に送信するだけでなく予測システム29にも送信し、この予測システム29が前記指令を受信すると測定ヘッド8は測定を終了する構成にするのが好ましい。このようにすれば、測定終了直前に制御装置23が不要なデータを取得して無駄が発生するといった不具合がなくなる。
次に、本実施例の変形例を説明する。
図7ないし図8Fは、本実施例の変形例を説明するための図である。図7は、工作物測定装置20が設けられた他の工作機械101の斜視図、図8Aないし図8Fは、それぞれ工作物測定状態を示す説明図である。
工作機械101は5軸制御の加工機であり、5軸制御の立形マシニングセンタを基本とし、工作物9,9xを少なくとも旋削加工可能な複合加工機である。
5軸制御の工作機械101は、工具18および測定ヘッド8と、工作物9,9xとを相対的にX軸,Y軸,Z軸の直交3軸方向に直線移動させる3軸制御と、工具18および測定ヘッド8と、工作物9,9xとを相対的に旋回させて割り出す少なくとも1軸制御(この例では、B軸制御とC軸制御からなる2軸制御)と、を行なっている。
この工作機械101に工作物測定装置20を設ければ、測定ヘッド8と工作物を相対的に旋回させることができる。したがって、工作物の上面,側面および傾斜面などを、測定ヘッド8で自在に測定して、広い範囲で工作物を2次元測定または3次元測定することができる。
工作機械101は、基体102と、基体102上に設置されたコラム103と、コラム103上に設置されたクロスレール107と、クロスレール107に取付けられ、主軸104を有する主軸頭105とを備えている。工作機械101は、NC装置13(図2)により制御されている。
コラム103は、基体102上に配置されて前後の水平方向(Y軸方向)に移動可能である。クロスレール107は、コラム103上に配置されて左右の水平方向(X軸方向)に移動可能である。主軸頭105は、クロスレール107に支持されて、上下方向(Z軸方向)に移動可能になっている。互いに直交するX軸,Y軸およびZ軸により直交3軸が構成されている。
主軸104の先端には、工具18が着脱可能に装着される。主軸104は、その中心軸線がZ軸と平行で且つ中心軸線まわりに回転可能に、主軸頭105に支持されている。
基体102上に配置されているコラム103は、Y軸送り機構に駆動されてY軸方向に移動する。コラム103上に配置されているクロスレール107は、X軸送り機構に駆動されてX軸方向に移動する。クロスレール107に支持されている主軸頭105は、Z軸送り機構に駆動されてZ軸方向に移動する。
工作機械101は、B軸制御により旋回可能で且つC軸制御により回転可能なテーブル106を有している。テーブル106は、測定ヘッド8に対して工作物9,9xを、B軸制御,C軸制御により相対的に旋回させて割り出すことができるようになっている。B軸はY軸方向と平行であり、C軸はテーブル106の回転中心である。
なお、テーブルに対して、主軸頭がB軸制御,C軸制御により旋回する場合であってもよい。
基体102には、矢印Kに示すように、B軸制御により旋回する旋回板109が設けられている。旋回板109には、この旋回板109から前方に突出してテーブル106を支持するテーブル支持台110が固定されている。
テーブル用駆動装置は、テーブル106をB軸制御により旋回させるためのB軸用駆動装置111と、テーブル106をC軸制御により回転させるためのC軸用駆動装置112とを有している。
B軸用駆動装置111を駆動することにより、旋回板109,テーブル支持台110,テーブル106および工作物9,9xなどが、B軸制御により旋回するとともに所定の位置に割出される。
C軸用駆動装置112を駆動することにより、工作物9,9xが取付けられたテーブル106が、C軸制御により所望の角度回転して割出され、また、連続的に回転することもできる。
旋削加工時には、C軸用駆動装置112を駆動すると、テーブル106と工作物9,9xがC軸制御により回転する。こうして、テーブル106に工作物9,9xが載置されている状態で、工作物9,9xをC軸制御により所定の回転速度で回転させる。こうすれば、この工作物9,9xは、主軸104に装着された旋削工具により旋削加工される。
一方、主軸104に回転工具を装着してこの回転工具で切削加工を行うときには、C軸用駆動装置112を制御する。このC軸用駆動装置112でテーブル106上の工作物9,9xをC軸制御により所定位置に割出す。この状態で、テーブル106に載置された工作物9,9xは、主軸104の回転工具で切削加工される。
工作機械101に設けられた工作物測定装置20は、工作機械1に設けられた工作物測定装置20と同じ構成を有している。
測定ヘッド8は、工作物9,9xを測定するための有線式の測定ヘッドである。測定ヘッド8は、工作機械101の加工領域内で工作物9,9xに対して相対的に移動する移動体としての主軸頭105に取付けられている。したがって、測定ヘッド8は、工作物9,9xに対して相対的にX軸,Y軸,Z軸の直交3軸方向に直線移動する。
測定ヘッド8は、主軸頭105の前方の面に取付けられているが、主軸頭105の他の部位、または、主軸頭105以外の他の移動体に取付けられていてもよい。
工作機械101における工作物測定装置20およびこれを使用した工作物測定方法は、主軸頭105に取付けられた測定ヘッド8により、工作物9,9xを非接触で(または、接触して)測定可能である。
たとえば、工作物9が矩形の場合、図8Aに示すように、B軸用駆動装置111とC軸用駆動装置112とを制御して、テーブル106を水平に位置決めする。このように、工作物9が旋回していない状態のとき、測定ヘッド8で、テーブル106上の工作物9の上面9aを測定することができる。
次いで、B軸用駆動装置111を駆動して、旋回板109,テーブル支持台110,テーブル106および工作物9を、図8Aに示す状態から、図8Bに示すように、B軸制御により+90度旋回させて割り出す。すると、測定ヘッド8で、テーブル106上の工作物9の第1の側面9bを測定することができる。
また、B軸用駆動装置111を駆動して、旋回板109,テーブル支持台110,テーブル106および工作物9を、図8Aに示す状態から、図8Cに示すように、B軸制御により+270度旋回させて割り出す。すると、測定ヘッド8で、テーブル106上の工作物9の第2の側面9c(第1の側面9bとは反対側の側面)を測定することができる。
図8Bまたは図8Cに示す状態のままで、C軸用駆動装置112を駆動して、旋回板109,テーブル支持台110,テーブル106および工作物9を、図8Dに示すように、C軸制御により90度旋回させて割り出す。すると、測定ヘッド8で、テーブル106上の工作物9の第3の側面9d(第1の側面9b,第2の側面9cに対して直角な側面)を測定することができる。
工作機械101は、工作物を旋回させて割り出すB軸制御を行なっている。その結果、図8E,図8Fに示すように、工作物9xが傾斜面9eを有している場合でも、測定ヘッド8は、その基準軸線CLに対して相対的に傾斜した工作物9xを測定することができる。
たとえば、図8Eに示す工作物測定状態では、テーブル106をB軸制御により旋回させずに水平に位置決めする。矢印Mに示すように、測定ヘッド8を工作物9xの傾斜面9eに沿って移動させる。こうして、測定ヘッド8は、レーザ光Lを傾斜面9eに対して相対的に斜めに照射しながら測定する。
次に、図8Fに示す工作物測定状態では、B軸制御によりB軸用駆動装置111でテーブル106を旋回させて、傾斜面9eが水平になるように工作物9x全体を斜めに向ける。そして、測定ヘッド8は、レーザ光Lを傾斜面9eに直角に照射しながら測定する。
このように、5軸制御の工作機械101に工作物測定装置20を設けている。こうすれば、工作物9,9xの上面9aの他に側面9b,9c,9dや傾斜面9eなどを、測定ヘッド8で自在に測定して、さらに広い範囲で工作物9,9xを2次元測定または3次元測定することができる。
工作機械101に設けられた工作物測定装置20も、工作機械1に設けられた工作物測定装置20と同じ作用効果を奏する。
さらに別の変形例として、有線式の測定ヘッド8を、工作機械1の主軸4や工作機械101の主軸104に、着脱可能に装着する場合がある。この場合には、工作物を測定する際には、ATCで主軸から工具を取外した後、オペレータが、手動で測定ヘッド8を主軸に対して装着したり取外したりすることになる。
その結果、既設の工作機械についてコントローラ25の改造を行えば、この既設の工作機械であっても、本発明の工作物測定装置20を適用することができる。
以上、本発明の実施例(変形例を含む。以下同じ)を説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
本発明にかかる工作機械における工作物測定装置およびその方法は、マシニングセンタと複合加工機の他に、旋盤,旋削盤,研削盤などの工作機械に適用でき、非接触で(または、接触して)工作物を測定可能である。
1 工作機械(立形マシニングセンタ)
4,104 主軸
5,105 主軸頭(移動体)
8 測定ヘッド
9,9x 工作物
13 NC装置
18 工具
20 工作物測定装置
21 測定データ記憶部
23 制御装置
24 パルス出力部
25 プログラマブルコントローラ
26 位置データ記憶部
27 演算処理部
29 予測システム
37 開始番地メモリ
38 最新番地カウンタ
60 配線
101 工作機械(5軸加工機)
B1 測定データ
C1 位置データ
f 測定指令
n 時間差
P タイミングパルス
S 被測定点
T1 第1の時間
T2 第2の時間
X軸方向 第2の軸方向
Z軸方向 第1の軸方向
ΔT 一定の時間間隔

Claims (7)

  1. 工作機械を制御するNC装置と、
    前記工作機械の加工領域内で工作物に対して相対的に移動する移動体に取付けられて前記工作物を測定する有線式の測定ヘッドと、
    工作物測定装置を制御する制御装置と、
    予め定められたパルス間隔を有するタイミングパルスを、前記測定ヘッドに出力するパルス出力部と、
    前記工作物上の被測定点に対する前記測定ヘッドの、第1の軸方向とこの測定ヘッドが走査する第2の軸方向とを含む少なくとも2軸方向の位置のデータを、前記タイミングパルスの出力が開始された後に、前記NC装置から前記パルス間隔に対応する一定の時間間隔毎に取得するプログラマブルコントローラと、
    前記パルス出力部と前記測定ヘッドとを電気的に接続する配線の途中に接続されるか、または前記測定ヘッドもしくは前記プログラマブルコントローラに設けられた予測システムとを備え、
    前記パルス出力部が前記タイミングパルスを前記予測システムにさらに出力し、
    前記予測システムで予め設定された時間差だけ、前記一定の時間間隔のタイミングより積極的に早めて出力され且つ前記タイミングパルスのタイミングに合わせた測定指令であって、前記タイミングパルスの出力が開始された後に前記予測システムから出力される測定指令により、前記測定ヘッドが前記工作物を測定し、
    その結果、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得する第1の時間と、前記測定ヘッドが前記測定指令により前記工作物を測定する第2の時間と、を一致させたことを特徴とする工作機械における工作物測定装置。
  2. 工作機械を制御するNC装置と、
    前記工作機械の加工領域内で工作物に対して相対的に移動する移動体に取付けられて前記工作物を測定する有線式の測定ヘッドと、
    工作物測定装置を制御する制御装置と、
    予め定められたパルス間隔を有するタイミングパルスを、前記測定ヘッドに出力するパルス出力部と、
    前記工作物上の被測定点に対する前記測定ヘッドの、第1の軸方向とこの測定ヘッドが走査する第2の軸方向とを含む少なくとも2軸方向の位置のデータを、前記タイミングパルスの出力が開始された後に、前記NC装置から前記パルス間隔に対応する一定の時間間隔毎に取得するプログラマブルコントローラと、
    前記パルス出力部と前記測定ヘッドとを電気的に接続する配線の途中に接続されるか、または前記測定ヘッドもしくは前記プログラマブルコントローラに設けられた予測システムとを備え、
    前記パルス出力部が前記タイミングパルスを前記予測システムにさらに出力し、
    前記予測システムで予め設定された時間差だけ、前記一定の時間間隔のタイミングより積極的に早めて出力され且つ前記タイミングパルスのタイミングに合わせた測定指令であって、前記タイミングパルスの出力が開始された後に前記予測システムから出力される測定指令により、前記測定ヘッドが前記工作物を測定し、
    その結果、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得する第1の時間と、前記測定ヘッドが前記測定指令により前記工作物を測定する第2の時間と、を一致させて、前記プログラマブルコントローラによる前記位置データの取得の動作と、その時点における前記測定ヘッドによる前記工作物の測定の動作とを、常に同一のタイミングで前記一定の時間間隔毎に繰り返して行ない、
    前記プログラマブルコントローラにより取得された前記測定ヘッドの前記位置データを、前記制御装置に出力し、
    前記予測システムから出力される前記測定指令により前記測定ヘッドで測定された前記工作物の測定データを、前記制御装置に出力し、
    この制御装置は、前記位置データと前記測定データとに基づいて演算を行うことにより、前記工作物の2次元形状データまたは3次元形状データを得るようにしたことを特徴とする工作機械における工作物測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の工作機械における工作物測定装置であって、
    前記制御装置は、
    前記予測システムから出力される前記測定指令により前記測定ヘッドで測定された前記工作物の測定データを格納する測定データ記憶部と、
    前記プログラマブルコントローラで取得された前記位置データを、この制御装置に設けられている開始番地メモリの指令と前記プログラマブルコントローラに設けられている最新番地カウンタの指令とに従って、順次読み出すとともにこうして読み出された前記位置データを格納する位置データ記憶部と、
    前記測定データおよび前記位置データに基づいて演算を行う演算処理部とを有することを特徴とする工作機械における工作物測定装置。
  4. 請求項1,2または3に記載の工作機械における工作物測定装置であって、前記測定ヘッドは、前記移動体の主軸に装着されている工具の近傍に配置されていることを特徴とする工作機械における工作物測定装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかの項に記載の工作機械における工作物測定装置であって、
    前記主軸に装着された工具で前記工作物を加工する工程の前に,加工工程の途中にまたは加工工程後に、前記測定ヘッドで前記工作物を測定する工程を設けて、
    加工動作と測定動作とが順番にまたはこれとは逆の順に連続することを特徴とする工作機械における工作物測定装置。
  6. 工作物測定装置により工作物を測定する方法であって、
    この方法に使用される工作物測定装置は、
    工作機械を制御するNC装置と、
    前記工作機械の加工領域内で工作物に対して相対的に移動する移動体に取付けられて前記工作物を測定する有線式の測定ヘッドと、
    前記工作物測定装置を制御する制御装置と、
    予め定められたパルス間隔を有するタイミングパルスを、前記測定ヘッドに出力するパルス出力部と、
    前記工作物上の被測定点に対する前記測定ヘッドの、第1の軸方向とこの測定ヘッドが走査する第2の軸方向とを含む少なくとも2軸方向の位置のデータを、前記タイミングパルスの出力が開始された後に、前記NC装置から前記パルス間隔に対応する一定の時間間隔毎に取得するプログラマブルコントローラと、
    前記パルス出力部と前記測定ヘッドとを電気的に接続する配線の途中に接続されるか、または前記測定ヘッドもしくは前記プログラマブルコントローラに設けられた予測システムとを備え、
    前記工作物測定装置による前記工作物測定方法は、
    前記パルス出力部が前記タイミングパルスを前記予測システムにさらに出力し、
    前記予測システムで予め設定された時間差だけ、前記一定の時間間隔のタイミングより積極的に早めて出力され且つ前記タイミングパルスのタイミングに合わせた測定指令であって、前記タイミングパルスの出力が開始された後に前記予測システムから出力される測定指令により、前記測定ヘッドが前記工作物を測定し、
    その結果、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得する第1の時間と、前記測定ヘッドが前記測定指令により前記工作物を測定する第2の時間と、を一致させたことを特徴とする工作機械における工作物測定方法。
  7. 工作物測定装置により工作物を測定する方法であって、
    この方法に使用される前記工作物測定装置は、
    工作機械を制御するNC装置と、
    前記工作機械の加工領域内で工作物に対して相対的に移動する移動体に取付けられて前記工作物を測定する有線式の測定ヘッドと、
    前記工作物測定装置を制御する制御装置と、
    予め定められたパルス間隔を有するタイミングパルスを、前記測定ヘッドに出力するパルス出力部と、
    前記工作物上の被測定点に対する前記測定ヘッドの、第1の軸方向とこの測定ヘッドが走査する第2の軸方向とを含む少なくとも2軸方向の位置のデータを、前記タイミングパルスの出力が開始された後に、前記NC装置から前記パルス間隔に対応する一定の時間間隔毎に取得するプログラマブルコントローラと、
    前記パルス出力部と前記測定ヘッドとを電気的に接続する配線の途中に接続されるか、または前記測定ヘッドもしくは前記プログラマブルコントローラに設けられた予測システムとを備え、
    前記工作物測定装置による前記工作物測定方法は、
    前記パルス出力部が前記タイミングパルスを前記予測システムにさらに出力し、
    前記予測システムで予め設定された時間差だけ、前記一定の時間間隔のタイミングより積極的に早めて出力され且つ前記タイミングパルスのタイミングに合わせた測定指令であって、前記タイミングパルスの出力が開始された後に前記予測システムから出力される測定指令により、前記測定ヘッドが前記工作物を測定し、
    その結果、前記プログラマブルコントローラが前記測定ヘッドの前記位置データを取得する第1の時間と、前記測定ヘッドが前記測定指令により前記工作物を測定する第2の時間とを一致させて、前記プログラマブルコントローラによる前記位置データの取得の動作と、その時点における前記測定ヘッドによる前記工作物の測定の動作とを、常に同一のタイミングで前記一定の時間間隔毎に繰り返して行ない、
    前記プログラマブルコントローラにより取得された前記測定ヘッドの前記位置データを、前記制御装置に出力し、
    前記予測システムから出力される前記測定指令により前記測定ヘッドで測定された前記工作物の測定データを、前記制御装置に出力し、
    この制御装置は、前記位置データと前記測定データとに基づいて演算を行うことにより、前記工作物の2次元形状データまたは3次元形状データを得ることを特徴とする工作機械における工作物測定方法。
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