実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による撮像装置を示すブロック構成図である。以下、NTSC方式テレビジョンに対応した撮像装置を例に説明する。図1において、レンズ1は、被写体像を固体撮像素子2の撮像面上に合焦させる。固体撮像素子2で光電変換され転送出力された撮像信号は、相関二重サンプリング処理回路3でノイズ等が除去される。プログラマブル利得増幅回路4は、相関二重サンプリング処理回路3の出力信号を制御回路13から出力された制御信号によって制御された利得で増幅して出力する。A/D変換回路5は、プログラマブル利得増幅回路4の出力信号を、デジタル信号に変換する。
デジタル信号処理回路6は、A/D変換回路5の出力信号に、欠陥画素補正処理や、色補間処理、階調補正処理、ノイズ低減処理、輪郭補正処理、白バランス調整処理、信号振幅調整処理、色補正処理などを加え、飛び越し走査方式の映像信号を出力する。
撮像素子2からの読出しが全画素読出しで行なわれる場合には、読み出した撮像信号に対して走査線変換を行うことで飛び越し走査方式の映像信号が生成される。撮像素子2からの読出しが二行混合読出しで行なわれる場合には、上記の走査線変換を行うことなく、飛び越し走査方式の映像信号が得られる。
デジタル信号処理回路6はまた、信号振幅の平均レベルおよびノイズレベルを制御回路13へ供給する。
画素加算回路7は、デジタル信号処理回路6から出力される輝度信号、R−Y色差信号、B−Y色差信号の各々について所定の周辺画素を加算する。
複合映像信号生成回路8は、画素加算回路7から出力されるR−Y色差信号Cr、B−Y色差信号Cbに基づいて色副搬送波変調色信号を生成し、画素加算回路7から出力される輝度信号Yに同期信号生成回路12から出力された複合同期信号および上記色副搬送波変調色信号を重畳して複合映像信号を生成する。
D/A変換回路9は、複合映像信号生成回路8の出力信号を、アナログ信号に変換する。このアナログ信号は、NTSCテレビジョン信号であり、出力端子14を介して出力される。
デジタル信号処理回路6はさらに、垂直走査周期毎に信号振幅の平均レベルおよびノイズレベルを算出し、制御回路13へ供給する。
信号振幅の平均レベルの算出値ASAは、全有効画素の画素値の総和を全有効画素数で除算して求まる。このような平均レベルの算出は例えば積分処理と割算処理とにより実行される。上記のようにして求められる信号振幅の平均レベルの「算出値」を、信号振幅の平均レベルの「検出値」と言うことがある。
ノイズレベルの算出値ANLは、ノイズ低減処理によりノイズ成分を抽出し、全有効画素範囲のノイズ成分の絶対値を総和し全有効画素数で除算することで求まる。ノイズ低減処理は、入力信号のノイズを低減したノイズ低減信号NRSを出力する。上記入力信号から上記ノイズ低減信号NRSを減算することでノイズ成分を抽出できる。上記のようにして求められるノイズレベルの「算出値」を、「検出値」と言うことがある。
なお、上記の信号振幅の平均レベル算出およびノイズレベル算出における全有効画素数での除算は、画素数が2のn乗(nは整数)で与えられるときは、デジタル値のビットシフト処理で実現しても良い。また全有効画素数は、同じシステムでは定数なので全有効画素数の除算を省略しても良い。
上記の例では、上記の信号振幅の平均レベルの算出およびノイズレベルの算出を、垂直走査周期毎に行なうものとして説明したが、デジタル信号処理回路6内部の信号処理時間やデジタル信号処理回路6から制御回路13への伝送時間を考慮して、数回の垂直走査に1回だけ行なうようにしても良い。
同期信号発生回路12は、垂直同期信号及び水平同期信号を生成してデジタル信号処理回路6及びタイミング発生回路11に供給する。また上記垂直同期信号及び上記水平同期信号から所定時間遅延したタイミングの垂直同期信号(遅延垂直同期信号)及び水平同期信号(遅延水平同期信号)を生成して複合映像信号生成回路8に供給する。
タイミング発生回路11は固体撮像素子2の駆動タイミング信号DRTを発生して駆動回路10に供給する。駆動回路10は、タイミング発生回路11から出力された駆動タイミング信号DRTに基づいて固体撮像素子2の駆動信号DRSを生成する。固体撮像素子2は、駆動回路10から出力された駆動信号DRSに基づいて、光電変換及び電荷転送を行う。
制御回路13は、撮像信号の大きさに基づいて、例えばデジタル信号処理回路6から供給された信号振幅の平均レベルの検出値ASAに基づいて、レンズ1の絞りの制御、タイミング発生回路11が発生する固体撮像素子2の光電変換素子からの電荷読出しタイミング及び電荷強制排出タイミングの制御(従って、露光時間の制御)、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得の制御、並びに画素加算回路7の画素加算処理の制御を行なう。
次に、図2を参照して、画素加算回路7の詳細な動作を説明する。デジタル信号処理回路6からは輝度信号Y、R−Y色差信号Cr、B−Y色差信号Cbが出力される。
画素加算回路7は輝度信号Y、R−Y色差信号Cr、B−Y色差信号Cbの各々に対して処理を行うが、同じ処理であるため輝度信号Yを代表として説明し、R−Y色差信号Cr、B−Y色差信号Cbに対する処理の説明は省略する。実際には、輝度信号Y、R−Y色差信号Cr、B−Y色差信号Cbの画素点順次のシリアル信号として処理する構成もあるし、輝度信号Y、R−Y色差信号Cr、B−Y色差信号Cb各々に専用の画素加算回路を設けるパラレル構成もある。どちらの構成でも同じ効果が得られる。
デジタル信号処理回路6から出力された輝度信号Yは、入力端子701に印加され、画素抽出回路71に供給される。この画素抽出回路71は、後に図3及び図4を参照して詳しく説明するように、処理対象画素乃至注目画素P22の信号と、上記注目画素P22の1フィールド前の画面真上方向に位置する参照画素P11の信号と、上記注目画素P22の1フィールド前の画面真下方向に位置する参照画素P13の信号と、上記注目画素P22の1フィールド後の画面真上方向に位置する参照画素P31の信号と、上記注目画素P22の1フィールド後の画面真下方向に位置する参照画素P33の信号とを抽出するものであり、263ライン遅延回路702と、1ライン遅延回路703と、525ライン遅延回路704と、526ライン遅延回路705とを備える。なお、以下では、各画素を表す符号(「P22」、「P33」など)を、当該画素の信号を表すのにも用いる。
入力端子701に印加された輝度信号Yは、そのまま1フィールド後の画面真下方向に位置する参照画素P33の信号として、画素抽出回路71から出力される。入力端子701に印加された輝度信号Yは「現信号」と呼ばれることもあり、また「現在の画素の信号」と呼ばれることもある。263ライン遅延回路702は、上記輝度信号Y(現在の画素P33の信号)を263ライン(1フィールド)遅延させた263ライン遅延信号を、上記注目画素P22の信号として出力する。1ライン遅延回路703は、上記現在の画素P33の信号(現信号)を1ライン遅延させた1ライン遅延信号を、上記注目画素P22の1フィールド後の画面真上方向に位置する参照画素P31の信号として出力する。525ライン遅延回路704は、上記現在の画素P33の信号を525ライン遅延(2フィールド)させた525ライン遅延信号を、上記注目画素P22の1フィールド前の画面真下方向に位置する参照画素P13の信号として出力する。526ライン遅延回路705は、上記現在の画素P33の信号を526ライン(2フィールドと1ライン)遅延させた526ライン遅延信号を、上記注目画素P22の1フィールド前の画面真上方向に位置する参照画素P11の信号として出力する。
第1の加算回路706は、画素抽出回路71から出力される現在の画素P33の信号と、注目画素P22の1フィールド後の画面真上方向に位置する参照画素P31の信号と、注目画素P22の1フィールド前の画面真下方向に位置する参照画素P13の信号と、注目画素P22の1フィールド前の画面真上方向に位置する参照画素P11の信号とを加算して4画素加算信号Psumを出力する。
切換回路707は、第1の加算回路706から出力された上記4画素加算信号Psumの後段への接続、すなわち4画素加算信号Psumを第2の加算回路708に供給するか否かを、制御端子710に印加される制御回路13からの加算制御信号CSWに基づいて切換える。加算制御信号CSWが無意(第1の値、例えば「0」)のときは、「0」を表す信号が切換回路707の出力信号Pswとなる。加算制御信号CSWが有意(第2の値、例えば「1」)のときは、切換回路707からは4画素加算信号Psumが出力される。
第2の加算回路708は、画素抽出回路71から注目画素P22の信号と、切換回路707の出力信号Pswを加算する。出力端子709は第2の加算回路708の出力信号POを出力する。加算制御信号CSWが無意のときは、注目画素P22の信号がそのまま出力信号POとして出力される。加算制御信号CSWが有意のときは注目画素P22の信号と上記4画素加算信号Psumを加算した5画素加算信号が出力信号POとして出力される。
図3を参照して画素抽出回路71から出力される信号の時間的空間的位置関係を説明する。図3は、縦に垂直軸V、横に時間軸Tをとった飛び越し走査方式の映像信号の画素配置図である。1フレーム目のAフィールド(例えば、奇数フィールド)を1A、1フレーム目のBフィールド(例えば、偶数フィールド)を1B、2フレーム目のAフィールドを2A、2フレーム目のBフィールドを2B、3フレーム目のAフィールドを3Aと表記している。また実線でAフィールドの画面を、破線でBフィールドの画面を表記している。図において、フィールド周期は1/60秒、フレーム周期は1/30秒である。
入力端子701に印加された現信号の画素を符号P33で示す位置としたとき(画素位置を画素と同じ符号で表すこととする)、1ライン遅延回路703から出力された上記1ライン遅延信号の画素は符号P31で示す位置に、263ライン遅延回路702から出力された上記263ライン遅延信号の画素は符号P22で示す位置に、525ライン遅延回路704から出力された上記525ライン遅延信号の画素は符号P13で示す位置に、526ライン遅延回路705から出力された上記526ライン遅延信号の画素は符号P11で示す位置にある。
画素位置P22に位置する上記263ライン遅延信号を注目画素として、その最も近傍に位置する周辺画素P11、P13、P31、P33を注目画素に加算する参照画素としている。参照画素P11は、注目画素P22の1フィールド前の画面真上方向に位置し、参照画素P13は、注目画素P22の1フィールド前の画面真下方向に位置し、参照画素31は、注目画素P22の1フィールド後の画面真上方向に位置し、参照画素P33は、注目画素P22の1フィールド後の画面真下方向に位置する。
図4を参照して、画素加算回路7で加算される信号の空間的位置関係をさらに説明する。図4は、縦に垂直軸V、横に水平軸Hをとった飛び越し走査方式の映像信号の画素配置図である。ライン1からライン263の真ん中までがAフィールド(奇数フィールド)の走査線、ライン263の真ん中からライン525までがBフィールド(偶数フィールド)の走査線に対応する。また実線でAフィールドの走査線を、破線でBフィールドの走査線を表記している。入力端子701に印加された現信号の画素を符号P33で示す位置としたとき、1ライン遅延回路703から出力された上記1ライン遅延信号の画素は符号P31で示す位置に、263ライン遅延回路702から出力された上記263ライン遅延信号の画素は符号P22で示す位置に、525ライン遅延回路704から出力された上記525ライン遅延信号の画素は符号P13で示す位置に、526ライン遅延回路705から出力された上記526ライン遅延信号の画素は符号P11で示す位置にある。
画素加算回路7の出力信号POは、上記加算制御信号CSWが無意の時、
PO=P22
であり、上記加算制御信号CSWが有意の時、
PO=P11+P13+P22+P31+P33
である。(ここで、P11、P13、P22、P31、P33は、それぞれ画素P11、P13、P22、P31、P33の画素値を表す。)
画素加算回路7の上記の動作は、画素値P11、P13、P22、P31、P33を加算比0:0:1:0:0で加算した第1の加算結果と、画素値P11、P13、P22、P31、P33を加算比1:1:1:1:1で加算した第2の加算結果とを切替出力するものであるということもできる。このような切替を行なうことにより、以下で詳しく述べるように、画素加算回路による感度制御も露光制御の一環として制御できるので照度環境が変化しても、常に最適な条件で被写体を視認できる効果がある。また、画素加算回路7は、加算する画素の数を変えることで、信号振幅を調整する手段を構成しているとも言える。
図3および図4の空間画素配置のとおり、注目画素P22に最も近い周辺画素(P11、P13、P31、P33)を使っており5倍の感度向上を実現している。例えば2画素加算すると信号成分は2倍になり、ノイズ成分は二乗根倍になり、相対的に純粋の信号成分が大きくなる。また、画像の性質として近傍に位置する画素同士は相関が高いことから、注目画素に最も近い位置の5画素を加算することで実効性の高い感度向上を実現している。
本発明の効果を同じフィールド内の画素を使った画素加算と比較して説明する。本発明は、同じフィールド内の水平方向に隣接した画素は加算しておらず水平解像度の劣化は生じない。空間的にも水平方向に隣接した画素は加算しておらず水平解像度の劣化は生じない。本発明は、同じフィールド内の垂直方向に隣接した画素は加算していないが、空間的には垂直方向にずれた位置の画素を加算している。空間的には垂直方向にずれた位置の画素を加算しているが、同じフィールド内の画素では隣接走査線間で2画素しか加算できないに対して、同じフレーム内では同じ画素間距離で3画素加算できる。加算演算に使う画素間距離が同じであれば解像度の低下も同じである。同じフィールド内の垂直方向隣接走査線の2画素加算では、垂直解像度が1/2に劣化するが感度が2倍にしか向上しなかった。ところが本発明は、同じフレーム内(2フィールド)では、垂直解像度が1/2に劣化するが感度を3倍に向上できる。さらに注目画素の反対側のフィールドまで加算演算の対象を広げることで感度を5倍に向上できる。
また、同じフィールド内の画素加算で5倍の感度向上をはかるには、注目画素を中心に垂直方向の上下に位置する画素と水平方向の左右に位置する画素を加算する必要がある。即ち、図4において、画素P22の信号に、それぞれ符号T22、L22、R22、B22で示す画素の信号を加算する必要がある。このように、同じフィールド内の画素加算で感度を5倍に向上すると、垂直解像度が1/4に劣化し、さらに水平解像度も1/2に劣化する。これに対して、本発明では、垂直解像度が1/2に劣化するが水平解像度は劣化せずに感度を5倍に向上できる。
本発明の効果を長時間露光と比較して説明する。長時間露光で5倍の感度向上をはかると、1/60秒の動解像度が5/60秒の動解像度に劣化し、これとともに、フィールド画像となるため垂直解像度が1/2に劣化する。本発明では、感度を5倍にしたとき、1/60秒の動解像度が3/60秒の動解像度に劣化し、垂直解像度が1/2に劣化するに留まる。
飛び越し走査に対応した撮像素子を使って長時間露光による感度向上を行う場合、フィールド画像の垂直方向画素数に対応した転送段数しか垂直転送路を備えていないため垂直解像度は必ず1/2に劣化していた。
低照度時の感度向上モードにおける垂直解像度の1/2劣化が共通とすると、5倍の感度向上させるとき、長時間露光は、1/60秒の動解像度が5/60秒の動解像度に劣化するが、本発明は、1/60秒の動解像度が3/60秒の動解像度の劣化に留まる。
本発明は図3、図4の加算演算に使う画素の空間配置に基づき注目画素に最も近い相関の高い画素を使って画素加算を行うので画像解像度の劣化を最小限に抑えつつ感度向上を実現することができる。
制御回路13は、デジタル信号処理回路6から得られる信号振幅の平均レベルの検出値ASAが一定となるように自動露光制御を行う。明るい環境での撮像で上記信号振幅が大きい時、制御回路13は、レンズ1の開口を絞るように制御して固体撮像素子2への入射光量を減らしたり、固体撮像素子2の光電変換素子に蓄積される電荷を強制排出するように制御して露光時間を減らしたりする。
暗い環境での撮像で上記信号振幅が小さくなってきた時、制御回路13は、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を増やすように制御して撮像信号を増幅する。しかしながら、上記増幅利得が大き過ぎるとノイズが目立つようになり視認性の悪い画像となる。他の方法として、制御回路13は、固体撮像素子2の光電変換素子からの電荷読出しを垂直走査周期単位で間引くように制御することにより露光時間を延ばすこともできる。しかしながら、露光時間が長すぎると動く被写体が残像となり視認性の悪い画像となる。さらに垂直走査周期単位で欠落する画像の補間回路が必要になる。
本実施の形態の制御回路13は、画素加算回路7への上記加算制御信号CSWを有意に設定して、5画素を加算した信号を出力するように制御する。
図3のとおり注目画素の最も近傍に位置する5画素を加算することにより、5倍の感度向上を実現でき、極めて暗い環境での撮像でも大幅に視認性を改善することができる。また、水平解像度の劣化はなく、垂直解像度および動解像度の劣化も最小に抑えることができる。
制御回路13は、上記加算制御信号CSWを無意から有意へ切換え画素加算回路7が5画素加算するように制御した時、出力端子14から出力される出力信号の明るさが急変して、画面を見ている人が違和感を受けたり、見づらくなったりしないように他の信号振幅調整手段を使って総合的感度が大幅に変化しないように制御する。
以下、周辺照度が変化したときの感度調整のための手順の一例を説明する。
周辺照度が徐々に暗くなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが下がってくると、レンズ1の絞りを開放方向に制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。ここで、「信号振幅の平均レベルを維持する」とは、デジタル信号処理回路6の出力の信号振幅の平均レベル、又は画素加算回路7の出力の信号振幅の平均レベルを維持することを意味する。画素加算回路7において加算される画素の数が変わらない限り、デジタル信号処理回路6の出力の信号振幅の平均レベルを一定値に維持すれば、画素加算回路7の出力の信号振幅の平均レベルも一定値に維持される。
レンズ1の絞りが開放(全開)になった後は、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を増やすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が5倍よりも大きくなり、増幅利得の所定の上限値UGLよりも大きくなった後は、画素加算回路7が5画素加算するように制御し、同時にプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を直前の設定利得の1/5に減らすよう制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。さらに周辺照度が暗くなると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を増やすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。
周辺照度が徐々に明るくなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが上がってくると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を減らすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が減少し、所定の下限値LGLよりも小さくなった後は、画素加算回路7が5画素加算を行なわないように制御し、同時にプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を直前の設定利得の5倍に増やすよう制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。周辺照度がさらに明るくなると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を減らすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。周辺照度がさらに明るくなると、レンズ1の絞りを遮光方向に制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。
上記増幅利得の所定の上限値UGLは、デジタル信号処理回路6から制御回路13へ供給されるノイズレベルの検出値ANLに基づいて決まる。(周辺照度の低下し、それに伴い撮像素子2の出力のS/Nが低下した場合に増幅利得を増加させる必要があることを考慮し、)ノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して所定のノイズ割合(第1の所定のノイズ割合)NPR1を超えたときのプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を上記所定の上限値UGLとする。上記第1の所定のノイズ割合NPR1は例えば1/50と定められる。
用途によって被写体の視認にあたり許容できるノイズレベルは異なるため、上記第1の所定のノイズ割合NPR1は、S/Nを重視するか、画像解像度を重視するか等、撮像装置の用途によって変わる。制御回路13は、プログラマブル利得増幅回路4に設定している利得、およびデジタル信号処理回路6から制御回路13へ供給されるノイズレベルの検出値ANLを観測しながらダイナミックに上記増幅利得の所定の上限値UGLを決めてプログラマブル利得増幅回路4および画素加算回路7を制御する。あるいは、撮像装置を工場から出荷する前にノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して第1の所定のノイズ割合を超える増幅利得を測定し、上記増幅利得の所定の上限値UGLとして撮像装置の電源を切っても記憶内容を保持できる記憶素子16(不揮発性のメモリ、電池でバックアップされた揮発性のメモリなど)に書込み、制御回路13は上記増幅利得の所定の上限値UGLを参照してプログラマブル利得増幅回路4および画素加算回路7を制御するようにしても良い。
上記増幅利得の所定の下限値LGLは、デジタル信号処理回路6から制御回路13へ供給されるノイズレベルの検出値ANLに基づいて決まる。ノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して所定のノイズ割合(第2の所定のノイズ割合)NPR2を下回ったときのプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を上記所定の下限値LGLとする。上記第2の所定のノイズ割合は、上記第1の所定のノイズ割合NPR1と画素加算回路7における加算画素数に基づいて決める。例えば、上記第2の所定のノイズ割合NPR2は、1/250(={(1/50)×(1/5)})と定められる。
用途によって被写体の視認にあたり許容できるノイズレベルは異なるため、上記第2の所定のノイズ割合NPR2は、S/Nを重視するか、画像解像度を重視するか等、撮像装置の用途によって変わる。制御回路13は、プログラマブル利得増幅回路4に設定している利得、およびデジタル信号処理回路6から制御回路13へ供給されるノイズレベルの検出値ANLを観測しながらダイナミックに上記増幅利得の所定の下限値LGLを決めてプログラマブル利得増幅回路4および画素加算回路7を制御する。あるいは、撮像装置を工場から出荷する前にノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して第2の所定のノイズ割合NPR2を超える増幅利得を測定し、上記所定の下限値LGLとして撮像装置の電源を切っても記憶内容を保持できる記憶素子16に書込み、制御回路13は上記増幅利得の所定の下限値LGLを参照してプログラマブル利得増幅回路4および画素加算回路7を制御するようにしても良い。
制御回路13は、レンズ1の絞り、固体撮像素子2の露光時間、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得、画素加算回路7における画素加算の各々の信号振幅調整機能を制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。画素加算回路7における画素加算のように信号振幅の変化が大きい信号振幅調整機能を適用する場合は、適用の前後で振幅が急変しないように他の信号振幅調整手段を相殺するように設定する。適用の前後で全ての信号振幅調整手段による総合利得が同じになるよう設定することで出力信号の明るさが急変することがなくなり、画面を見ている人が違和感を受けたり、見づらいと感じたりすることがなくなる。
図5を参照して、各信号の位相関係を説明する。同期信号生成回路12は、内部生成した水平同期信号HD、垂直同期信号VDをタイミング発生回路11及びデジタル信号処理回路6へ供給する。図5では水平同期信号HD及び垂直同期信号VDをまとめて同期信号VDHDと表記している。
タイミング発生回路11は、水平同期信号HD及び垂直同期信号VDに基づいて固体撮像素子2を駆動する。固体撮像素子2から出力された撮像信号は水平同期信号HD、垂直同期信号VDに同期しており、デジタル信号処理回路6から出力される輝度信号Y、R−Y色差信号Cr、B−Y色差信号Cbも水平同期信号HD及び垂直同期信号VDに同期している。
画素加算回路7の入力輝度信号Yとしては、入力同期信号VDHDが1フレーム目のAフィールド1Aのタイミングで、Y1フィールドの画像情報が重畳され、1フレーム目のBフィールド1Bのタイミングで、Y2フィールドの画像情報が重畳され、2フレーム目のAフィールド2Aのタイミングで、Y3フィールドの画像情報が重畳され、2フレーム目のBフィールド2Bのタイミングで、Y4フィールドの画像情報が重畳され、3フレーム目のAフィールド3Aのタイミングで、Y5フィールドの画像情報が重畳され、3フレーム目のBフィールド3Bのタイミングで、Y6フィールドの画像情報が重畳されている。なお、ここで言う「1フレーム目」、「2フレーム目」などは、説明の便宜のため、相対的なフレーム関係を表すものである。Aフィールドでは垂直同期信号VDに対する水平同期信号HDの位相が揃っているが、Bフィールドでは垂直同期信号VDに対する水平同期信号HDの位相が1/2水平走査周期ずれている。このことからAフィールドとBフィールドが区別される。
画素加算回路7では、現フィールドの入力輝度信号Y(図2のP33、P31)と、1フィールド前の輝度信号、即ち1フィールド遅延輝度信号Y1DL(図2のP22)と、2フィールド前の輝度信号、即ち2フィールド遅延輝度信号Y2DL(図2のP13、P11)とを加算して、加算輝度信号YADD(図2のPO)を出力する。加算輝度信号YADDは、加算画素の中心に位置する注目画素P22と位相が同期している必要がある。このため同期信号生成回路12は、入力同期信号VDHDを263ライン遅延させた1フィールド遅延同期信号VDHD1DLを生成して複合映像信号生成回路8へ供給する。
同期信号生成回路12は、撮像動作の基準となる水平同期タイミング、垂直同期タイミングから263ライン遅延した同期信号VDHD1DLを複合映像信号生成回路8へ供給することにより、画素加算する各画素の中心に位置する注目画素の位相にあった信号の出力が可能となるとともに、制御回路13による、画素加算回路7への上記加算制御信号CSWの無意から有意への切換、有意から無意への切換にあたって、画角が変動することを防ぐことができ、被写体の構図が同じまま感度を5倍大きくなるように制御できる。
なお、ここで言う「画角の変動」は、Aフィールドの画像がBフィールドの走査線位置に表示されることによる、水平走査線間隔の1/2のずれを意味する。図5において、加算輝度信号YADDは、YとY1DLとY2DLを加算して作られるので、中心フィールドのY1DLが位置するフィールド信号として表示されなければならない。加算輝度信号YADDに対応する同期信号として、入力同期信号VDHDではなく1フィールド遅延同期信号VDH1DLを生成することで、水平走査線間隔の1/2のずれた表示となることを防ぐことができる。
上記の例では、4つの参照画素の信号の和を加算するかしないかを選択することとしているが、4つの参照画素の信号の和に対して重みをつけることにより、所定の割合で加算することとしても良い。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2による撮像装置を示すブロック構成は、実施の形態1と同様図1で示される。画素加算回路7及び制御回路13を除く各回路の動作は上記実施の形態1の説明と同様であり、同様な効果を奏するので説明を省略する。
画素加算回路7としては、図2に示されるものの代わりに、図6に示されるものが用いられる。図6に示される画素加算回路7は、概して図2に示される画素加算回路と同じであるが、以下の点で異なる。即ち、図2の加算回路706及び切換回路707の代わりに、選択加算回路712及び順位決定回路711が設けられている。
デジタル信号処理回路6から画素加算回路7の入力端子701に印加された輝度信号Yは、画素抽出回路71の263ライン遅延回路702、1ライン遅延回路703、525ライン遅延回路704、及び526ライン遅延回路705に各々入力される。遅延回路702、703、704、705は図2について説明したのと同様に動作する。
順位決定回路711は、入力端子701に印加された上記輝度信号P33と、1ライン遅延回路703から出力された上記1ライン遅延信号P31と、525ライン遅延回路704から出力された上記525ライン遅延信号P13と、526ライン遅延回路705から出力された上記526ライン遅延信号P11と、263ライン遅延回路702から出力された上記263ライン遅延信号P22を受け、4つの画素P33、P31、P13、P11の画素値各々を画素P22の画素値と比較して大きさが近い順番に順位をつけ順位を示す情報を選択加算回路712に供給する。
順位決定回路711による順位決定の一例を説明する。まず画素P22の画素値に対する他の画素の各々の画素値の差分値の絶対値を求める。該絶対値は下記の式で表される。
dP33=|P22−P33|
dP31=|P22−P31|
dP13=|P22−P13|
dP11=|P22−P11|
次に、各画素と画素P22との差分値の大きさを相互に比較して差分値の小さな順番に並べる。順位決定回路711は、画素P33、P31、P13、P11に対し、求まった差分値が小さい順に順番を付け、該順番(優先順位)を選択加算回路712に通知する。
選択加算回路712は、入力端子701に印加された上記輝度信号P33と、1ライン遅延回路703から出力された上記1ライン遅延信号P31と、525ライン遅延回路704から出力された上記525ライン遅延信号P13と、526ライン遅延回路705から出力された上記526ライン遅延信号P11を、順位決定回路711から通知される優先順位を示す情報と、制御端子710に印加される加算画素数を指定する加算制御信号CSWに基づいて画素値を選択しながら加算して加算回路708へ供給する。
制御回路13は、デジタル信号処理回路6から供給された信号振幅の平均レベルの検出値ASAに基づいて、後述のように増幅回路4の増幅利得の制御、レンズ1の絞りの制御と合わせて、加算画素数を決定し、加算画素数を指定する加算制御信号CSWを発生する。
制御端子710に印加される制御回路13からの加算制御信号CSWが1画素加算を指示している場合は、選択加算回路712は、「0」を出力する。
上記加算制御信号CSWが2画素加算を指示している場合は、選択加算回路712は、順位決定回路711で決定した優先順位1番の画素の画素値を出力する。
上記加算制御信号CSWが3画素加算を指示している場合は、選択加算回路712は、順位決定回路711で決定した優先順位1番の画素の画素値と優先順位2番の画素の画素値とを加算した2画素加算値を出力する。
上記加算制御信号CSWが4画素加算を指示している場合は、選択加算回路712は、順位決定回路711で決定した優先順位1番の画素の画素値と優先順位2番の画素の画素値と優先順位3番の画素の画素値とを加算した3画素加算値を出力する。
上記加算制御信号CSWが5画素加算を指示している場合は、選択加算回路712は、順位決定回路711で決定した優先順位1番の画素の画素値と優先順位2番の画素の画素値と優先順位3番の画素の画素値と優先順位4番の画素の画素値とを加算して、即ち4つの入力画素値のすべてを加算して4画素加算値を出力する。
以上のように、選択加算回路712は、優先順位に従って、加算制御信号CSWが示す加算すべき画素の数(n)から1を引いた数(n−1)の画素の画素値を加算する。どの画素を加算に用いるかは、優先順位に従う。即ち、優先順位が1から優先順位が(n−1)までの画素を加算に用いる。
263ライン遅延回路702は、上記輝度信号P33を263ライン遅延させた263ライン遅延信号P22を出力する。加算回路708は、263ライン遅延回路702から出力された上記263ライン遅延信号P22と、選択加算回路712の出力信号を加算する。出力端子709は加算回路708の出力信号POを出力する。
以上の処理を行う結果、上記加算制御信号CSWが「1画素加算」を指示している場合は、上記263ライン遅延信号P22がそのまま出力される。上記加算制御信号CSWが「2画素加算」を指示している場合は、注目画素P22を含む2画素加算信号が出力される。上記加算制御信号CSWが「3画素加算」を指示している場合は、注目画素P22を含む3画素加算信号が出力される。上記加算制御信号CSWが「4画素加算」を指示している場合は、注目画素P22を含む4画素加算信号が出力される。上記加算制御信号CSWが「5画素加算」を指示している場合は、注目画素P22を含む5画素加算信号が出力される。
図6における第2の加算回路708と、順位決定回路711と選択加算回路712の動作を別の構成(一体的に構成された回路)で実現しても良い。この場合、上記順位決定回路711に関して説明したのと同様の処理により求めた注目画素P22の画素値に対する各画素値の差分値dP33、dP31、dP13、dP11の中で一番小さい差分値の画素値をPN1とし、二番目に小さい差分値の画素値をPN2とし、三番目に小さい差分値の画素値をPN3とし、四番目に小さい差分値の画素値をPN4とする。
画素加算回路7の出力信号POは、上記加算制御信号CSWが「1画素加算」を指示している時、
PO=P22
であり、上記加算制御信号CSWが「2画素加算」を指示している時、
PO=P22+PN1
であり、上記加算制御信号CSWが「3画素加算」を指示している時、
PO=P22+PN1+PN2
であり、上記加算制御信号CSWが「4画素加算」を指示している時、
PO=P22+PN1+PN2+PN3
であり、上記加算制御信号CSWが「5画素加算」を指示している時、
PO=P22+PN1+PN2+PN3+PN4
である。
被写体の垂直方向の変化量や、変化位置、被写体の時間方向の変化量や、変化タイミングによって、注目画素P22に対する周辺4画素の相関性の高さは変化する。信号成分に対する雑音成分の割合が小さい画像の場合は、注目画素P22と画素値が近い画素は相関の高い画素と判断できる。本実施の形態では、この特徴を活用して、注目画素との相関のより高い周辺画素を選択して加算することとしており、これにより、解像度低下の少ない感度向上を実現することができる。
動き検出や水平、垂直の相関判定を行って相関のより高い周辺画素を抽出する場合は、ノイズによる誤検出が生じて画像に違和感が生じる危険性がある。画像に違和感が生じない精度の高い相関判定を行うと回路規模が大きくなり製品価格が高くなったり、消費電力が高くなったりする問題がある。本実施の形態では、前後のフィールドの、注目画素に対して上下に位置する4画素のうち差分の小さいものを優先的に加算することとしているので、このような問題をも解決することができる。
制御回路13は、デジタル信号処理回路6から得られる信号振幅の平均レベルASAが一定となるように自動露光制御を行う。明るい環境での撮像で上記信号振幅が大きい時、制御回路13は、レンズ1の開口を絞るように制御して固体撮像素子2への入射光量を減らしたり、固体撮像素子2の光電変換素子に蓄積される電荷を強制排出するように制御して露光時間を減らしたりする。
暗い環境での撮像で上記信号振幅が小さくなってきた時、制御回路13は、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を増やすように制御して撮像信号を増幅する。しかしながら、上記増幅利得が大き過ぎるとノイズが目立つようになり視認性の悪い画像となる。他の方法として、制御回路13は、固体撮像素子2の光電変換素子からの電荷読出しを垂直走査周期単位で間引くように制御することにより露光時間を延ばす。しかしながら、上記露光時間が長すぎると動く被写体が残像となり視認性の悪い画像となる。さらに垂直走査周期単位で欠落する画像の補間回路が必要になると言う問題がある。
本実施の形態の制御回路13は、画素加算回路7への上記加算制御信号CSWが表す加算画素数を指定して、指定した数の画素を加算した信号を出力するように制御する。
図3のとおり注目画素の最も近傍に位置する5画素を選択加算することにより、最大5倍の感度向上を実現でき、極めて暗い環境での撮像でも大幅に視認性を改善することができる。また、水平解像度の劣化はなく、垂直解像度および動解像度の劣化も最小に抑えることができる。
制御回路13は、上記加算制御信号CSWで指定する加算画素数を1から5までの範囲で切換え、画素加算回路7による加算画素数を変更するように制御した時、出力端子14から出力される出力信号の明るさが急変して、画面を見ている人が違和感を受けたり、見づらくなったりしないように他の信号振幅調整手段を使って総合的感度が大幅に変化しないように制御する。
以下、周辺照度が変化したときの感度調整のための手順の一例を説明する。
周辺照度が徐々に暗くなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが下がってくると、レンズ1の絞りを開放方向に制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。
レンズ1の絞りが開放(全開)になった後は、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を増やすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が、所定の上限値UGLとなった後は、画素加算回路7の加算画素数を1画素から2画素へ増やすように制御し、同時にプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を直前の設定利得の1/2に減らすよう制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。
さらに周辺照度が徐々に暗くなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが下がってくると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を増やすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が、所定の上限値UGLとなった後は、画素加算回路7の加算画素数を2画素から3画素へ増やすように制御し、同時にプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を直前の設定利得の2/3に減らすよう制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。
さらに周辺照度が徐々に暗くなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが下がってくると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を増やすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が、所定の上限値UGLとなった後は、画素加算回路7の加算画素数を3画素から4画素へ増やすように制御し、同時にプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を直前の設定利得の3/4に減らすよう制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。
さらに周辺照度が徐々に暗くなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが下がってくると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を増やすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が、所定の上限値UGLとなった後は、画素加算回路7の加算画素数を4画素から5画素へ増やすように制御し、同時にプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を直前の設定利得の4/5に減らすよう制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。
さらに周辺照度が徐々に暗くなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが下がってくると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を増やすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。
制御回路13が、画素加算回路7における加算画素数を段階的に切換えることにより、出力端子14から出力される出力信号の垂直解像度および動解像度が急変することがなくなり、画面を見ている人が違和感を受けたり、見づらいと感じたりすることがなくなる。
制御回路13が、画素加算回路7における加算画素数を段階的に切換えることにより、プログラマブル利得増幅回路4の制御における増幅利得の変化量を小さくすることができ、出力端子14から出力される出力信号のS/Nが急変することがなくなり、画面を見ている人が違和感を受けたり、見づらいと感じたりすることがなくなる。
上記増幅利得の所定の上限値UGLは、デジタル信号処理回路6から制御回路13へ供給されるノイズレベルの検出値ANLに基づいて決まる。
ノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して所定のノイズ割合(第1の所定ノイズ割合)NPR1を超えたときのプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を上記所定の上限値UGLとする。上記第1の所定のノイズ割合NPR1は例えば1/50と定められる。
用途によって被写体の視認にあたり許容できるノイズレベルは異なるため、上記第1の所定のノイズ割合NPR1は、S/Nを重視するか、画像解像度を重視するか等、撮像装置の用途によって変わる。制御回路13は、プログラマブル利得増幅回路4に設定している利得、およびデジタル信号処理回路6から制御回路13へ供給されるノイズレベルの検出値ANLを観測しながらダイナミックに上記増幅利得の所定の上限値UGLを決めてプログラマブル利得増幅回路4および画素加算回路7を制御する。あるいは、撮像装置を工場から出荷する前にノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して第1の所定のノイズ割合NPR1を超える増幅利得を測定し、上記増幅利得の所定の上限値UGLとして撮像装置の電源を切っても記憶内容を保持できる記憶素子16に書込み、制御回路13は上記増幅利得の所定の上限値UGLを参照してプログラマブル利得増幅回路4および画素加算回路7を制御するようにしても良い。
周辺照度が徐々に明るくなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが上がってくると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を減らすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が減少し、所定の下限値LGLよりも小さくなった後は、画素加算回路7の加算画素数を5画素から4画素へ減らすように制御し、同時にプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を直前の設定利得の5/4倍に増やすよう制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。
さらに周辺照度が徐々に明るくなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが上がってくると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を減らすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が減少し、所定の下限値LGLよりも小さくなった後は、画素加算回路7の加算画素数を4画素から3画素へ減らすように制御し、同時にプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を直前の設定利得の4/3倍に増やすよう制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。
さらに周辺照度が徐々に明るくなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが上がってくると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を減らすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が減少し、所定の下限値LGLよりも小さくなった後は、画素加算回路7の加算画素数を3画素から2画素へ減らすように制御し、同時にプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を直前の設定利得の3/2倍に増やすよう制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。
さらに周辺照度が徐々に明るくなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが上がってくると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を減らすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が減少し、所定の下限値LGLよりも小さくなった後は、画素加算回路7の加算画素数を2画素から1画素へ減らすように制御し、同時にプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を直前の設定利得の2倍に増やすよう制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。
さらに周辺照度が明るくなると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を減らすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。さらに周辺照度が明るくなると、レンズの絞りを遮光方向に制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。
以上のように、制御回路13は、加算画素数をM(Mは正の整数)からN(Nは正の整数)に変化するときは、増幅回路の増幅利得を同時にM/N倍に切り替えるよう制御を行っており、これにより、信号振幅が急に変わるのを防いでいる。
上記増幅利得の所定の下限値LGLは、デジタル信号処理回路6から制御回路13へ供給されるノイズレベルの検出値ANLに基づいて決まる。
ノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して所定のノイズ割合(第2の所定のノイズ割合)NPR2を下回ったときのプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を上記所定の下限値LGLとする。上記第2の所定のノイズ割合NPR2は、上記第1の所定のノイズ割合NPR1と画素加算回路7における加算画素数の変化に基づいて決める。例えば画素加算回路7の加算画素数が5画素の時は、上記の第2の所定のノイズ割合NPR2を4/250(={(1/50)×(4/5)})とし、ノイズレベルが信号振幅の平均レベルの4/250(={(1/50)×(4/5)}の割合を下回ったときのプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を上記所定の下限値LGLとする。例えば画素加算回路7の加算画素数が4画素の時は、上記の第2の所定のノイズ割合NPR2を3/200(={(1/50)×(3/4)})とし、ノイズレベルが信号振幅の平均レベルの3/200(={(1/50)×(3/4)})の割合を下回ったときのプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を上記所定の下限値LGLとする。例えば画素加算回路7の加算画素数が3画素の時は、上記の第2の所定のノイズ割合NPR2を2/150(={(1/50)×(2/3)})とし、ノイズレベルが信号振幅の平均レベルの2/150(={(1/50)×(2/3)})の割合を下回ったときのプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を上記所定の下限値LGLとする。例えば画素加算回路7の加算画素数が2画素の時は、上記の第2の所定のノイズ割合NPR2を1/100(={(1/50)×(1/2)})とし、ノイズレベルが信号振幅の平均レベルの1/100(={(1/50)×(1/2)})の割合を下回ったときのプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を上記所定の下限値LGLとする。
用途によって被写体の視認にあたり許容できるノイズレベルは異なるため、上記第2の所定のノイズ割合NPR2は、S/Nを重視するか、画像解像度を重視するか等、撮像装置の用途によって変わる。制御回路13は、プログラマブル利得増幅回路4に設定している利得、およびデジタル信号処理回路6から制御回路13へ供給されるノイズレベルの検出値ANLを観測しながらダイナミックに上記増幅利得の所定の下限値LGLを決めてプログラマブル利得増幅回路4および画素加算回路7を制御する。あるいは、撮像装置を工場から出荷する前にノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して第2の所定のノイズ割合NPR2を超える増幅利得を測定し、上記増幅利得の所定の下限値LGLとして撮像装置の電源を切っても記憶内容を保持できる記憶素子16に書込み、制御回路13は上記増幅利得の所定の下限値LGLを参照してプログラマブル利得増幅回路4および画素加算回路7を制御するようにしても良い。
制御回路13は、レンズ1の絞り、固体撮像素子2の露光時間、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得、画素加算回路7における画素加算の各々の信号振幅調整機能を制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路7の出力POの信号振幅の平均レベル)を維持する。
画素加算回路7における画素加算のように信号振幅の変化が大きい信号振幅調整機能を適用する場合は、適用の前後で振幅が急変しないように他の信号振幅調整手段を相殺するように設定する。適用の前後で全ての信号振幅調整手段による総合利得が同じになるよう設定することで出力信号の明るさが急変することがなくなり、画面を見ている人が違和感を受けたり、見づらくなったりしなくなる。
上記の例では、4つの参照画素を優先順位を付けて、優先順位の高いもののみを選択して加算することとしているが、選択した参照画素の信号のそれぞれに対して重みをつけることにより、所定の割合で加算することとしても良い。
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3による撮像装置を示すブロック構成図である。同期信号発生回路17を除く各回路の構成及び動作は上記実施の形態1あるいは上記実施の形態2で説明したのと同様であり、これらによる効果も同様であるので説明を省略する。
外部同期信号入力端子15には、外部から水平同期信号および垂直同期信号からなる外部同期信号が印加され同期信号発生回路17に供給される。同期信号発生回路17は、外部同期信号入力端子15に印加される外部垂直同期信号及び外部水平同期信号に同期した内部垂直同期信号及び内部水平同期信号及びクロック信号を生成して複合映像信号生成回路8に供給する。また上記外部垂直同期信号及び上記外部水平同期信号から1フィールド進んだタイミングの垂直同期信号及び水平同期信号を生成してデジタル信号処理回路6及びタイミング発生回路11に供給する。
図8を参照して、各信号の位相関係を説明する。外部同期信号入力端子15に印加された外部入力同期信号VDHDEXは、同期信号生成回路17で、上記外部入力同期信号VDHDEXから1フィールド進んだタイミングの同期信号VDHD0を生成してタイミング発生回路11及びデジタル信号処理回路6へ供給する。
先にも述べたように、フィールド毎にAフィールドとBフィールドの同期信号が交互に配置され、Aフィールドでは、垂直同期信号に対する水平同期信号の位相が揃っているが、Bフィールドでは、垂直同期信号に対する水平同期信号の位相が1/2水平走査周期ずれており、1フィールド進んだ同期信号は、現フィールドの同期信号から生成される。例えば、垂直同期信号、水平同期信号を生成するための垂直カウンタ、水平カウンタの初期値(初期位相)を変更することにより、位相が揃った垂直同期信号及び水平同期信号も、位相が1/2水平走査周期ずれた垂直同期信号及び水平同期信号も生成可能である。
タイミング発生回路11は、1フィールド進んだタイミングの1フィールド先行同期信号VDHD0に基づいて固体撮像素子2を駆動する。固体撮像素子2から出力された撮像信号は1フィールド先行同期信号VDHD0に同期しており、デジタル信号処理回路6から出力される輝度信号Y、R−Y色差信号Cr、B−Y色差信号も1フィールド先行同期信号VDHD0に同期している。
画素加算回路7の入力輝度信号Yとしては、1フィールド先行同期信号VDHD0が1フレーム目のBフィールド1Bのタイミングで、Y2フィールドの画像情報が重畳され、2フレーム目のAフィールド2Aのタイミングで、Y3フィールドの画像情報が重畳され、2フレーム目のBフィールド2Bのタイミングで、Y4フィールドの画像情報が重畳され、3フレーム目のAフィールド3Aのタイミングで、Y5フィールドの画像情報が重畳され、3フレーム目のBフィールド3Bのタイミングで、Y6フィールドの画像情報が重畳され、4フレーム目のAフィールド4Aのタイミングで、Y7フィールドの画像情報が重畳されている。
画素加算回路7では、現フィールドの入力輝度信号Y(図2のP33、P31)と、1フィールド前の輝度信号、即ち1フィールド遅延輝度信号Y1DL(図2のP22)と、2フィールド前の輝度信号、即ち2フィールド遅延輝度信号Y2DL(図2のP13、P11)とを加算して、加算輝度信号YADD(図2のPO)を出力する。
加算輝度信号YADDは、加算画素の中心に位置する注目画素P22と位相が同期している必要がある。また、加算輝度信号YADDは外部から入力された同期信号に同期して出力する必要がある。外部入力同期信号VDHDEXと1フィールド遅延輝度信号Y1DLの同期信号位相が一致するように同期信号生成回路17で、外部入力同期信号VDHDEXを263ライン先行させた1フィールド先行同期信号VDHD0を生成してタイミング発生回路11及びデジタル信号処理回路6へ供給する。
同期信号生成回路17は、撮像動作の基準となる水平同期タイミング、垂直同期タイミングを出力信号の基準となる外部入力同期信号VDHDEXから263ライン先行した同期信号をタイミング発生回路11及びデジタル信号処理回路6へ供給することにより、画素加算する各画素の中心に位置する注目画素の位相にあった信号を外部入力同期信号VDHDEXに同期した出力が可能となる。制御回路13による、画素加算回路7への上記加算制御信号CSWの加算画素数の切換にあたって、画角が変動することを防ぐことができる。被写体が同じ構図のまま感度を1倍から5倍まで制御できる。
上記各実施の形態において、空間画素配置から原理的に生じる演算対象画素間の位相を合わせるための遅延回路だけを明示して説明した。実際には各回路の処理遅延も考慮する必要があるが遅延量は実装手段に依存するため構成図には明示していない。
上記各実施の形態において、固体撮像素子の一構成例に基づいて説明を行ったが、動画撮像可能な2次元イメージセンサであれば実際にはCCDでもCMOSイメージセンサでも、どのようなものでも良い。またインターライントランスファーCCDに限らず、フレームトランスファーCCDでもフレームインターライントランスファーCCDであっても良い。
上記各実施の形態において、説明の便宜上、画素加算回路7の入力信号が輝度信号Y、R−Y色差信号Cr、B−Y色差信号Cbのカラー信号であるシステムを例に説明したが、画素加算回路7の入力信号は輝度信号だけのモノクロ信号であっても良く、カラー信号の場合と同様に動作し同等な効果が得られる。
上記各実施の形態において、説明の便宜上、画素加算回路7の入力信号が輝度信号、R−Y色差信号、B−Y色差信号であるシステムを例に説明したが、画素加算回路7の入力信号はR信号、G信号、B信号でもよく、輝度信号、R−Y色差信号、B−Y色差信号の場合と同様に動作し同等な効果が得られる。
上記各実施の形態において、説明の便宜上、撮像装置の出力が複合映像信号であるシステムを例に説明したが、輝度信号、R−Y色差信号、B−Y色差信号、水平同期信号、垂直同期信号をパラレルに出力する構成であっても、輝度信号、R−Y色差信号、B−Y色差信号、複合同期信号をパラレルに出力する構成であっても、また、R信号、G信号、B信号、水平同期信号、垂直同期信号をパラレルに出力する構成であっても、R信号、G信号、B信号、複合同期信号をパラレルに出力する構成であってもよく、複合映像信号の場合と同様に動作し同等な効果が得られる。
上記各実施の形態において、説明の便宜上、NTSC方式テレビジョンに対応した撮像装置を例に説明したが、PAL方式テレビジョンに対応した撮像装置であっても良く、1:2飛び越し走査方式に対応していれば良く、NTSC方式テレビジョン対応の場合と同様に動作し同等な効果が得られる。なお、PAL方式の場合には、1フィールド遅延は313ライン遅延とし、2フィールド遅延を625ライン遅延とする。このように構成することで、PAL方式テレビジョンに対応した撮像装置で注目画素の周辺画素を使った画素加算により感度を向上でき、極めて暗い低照度環境において被写体を視認できる効果がある。
上記各実施の形態において、説明の便宜上Aフィールド、Bフィールドの表現を行っているが、実際には固体撮像素子の構成や、同期信号、駆動パターン、テレビジョン信号フォーマット等で決まる飛び越し走査のフィールド定義に従うものである。
上記各実施の形態において、説明の便宜上、アナログ信号出力の撮像装置を例に説明したが、画素加算回路の後段にデジタルインタフェース回路を配置してデジタル信号を出力しても良く、アナログ信号出力の場合と同様に動作し同等な効果が得られる。