JP5472752B2 - 殺菌用水溶液の製造方法、アルコール殺菌液及びその製造方法 - Google Patents

殺菌用水溶液の製造方法、アルコール殺菌液及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は殺菌用水溶液及びアルコール殺菌液に係り、特に、ノロウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルスの不活化、及びこのウイルス等を含む微生物の殺菌制御に効果のある殺菌用水溶液及びアルコール殺菌液、並びにそれらの製造方法に関する。
ノロウイルスは、非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種である。カキなどの貝類による食中毒の原因になるほか、感染したヒトの糞便や嘔吐物、或いはそれらが乾燥したものから出る塵埃を介して経口感染する。現在、ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、ノロウイルスによる集団感染は世界各地の学校や養護施設などで散発的に発生している。このため、安価で有効なノロウイルスの殺菌用水溶液が待望されている。
ヘルペスウイルスのほとんどは、人体(宿主)に初感染の後、潜伏感染し、やがて、潜伏感染したヘルペスウイルスは、宿主が免疫不全に陥ることで、再び目覚め(再活性化)病的状態を来し、回帰発症する。初感染はウイルスを持っている宿主・環境からの外因性感染(水平感染・垂直感染)であるが、回帰発症は自分自身の中からの内因性感染である。回帰発症により皮膚や粘膜に生じる病変部に存在するウイルスは宿主の免疫反応により排除されるが、神経節に潜むウイルスゲノムは排除されず、免疫反応がはたらかないので、安価で有効なノロウイルスの殺菌用水溶液が待望されている。
一方、ミネラルは生体組織の構成や、生理機能の維持・調節に必要な微量栄養素であり、生物の体内ではつくることができないため、食物などから摂取する必要があり、摂取する時に、それぞれのミネラルの種類におけるミネラルバランスが大切であり、多すぎても少なすぎても、生命の活性化に好ましくないと言われている。ミネラルは、生物体内に含まれているが、人間の場合、必要なミネラルは約50種類と言われている。その中でも、体内に存在し、健康維持のために、栄養素として欠かせないことが確定しているものが「必須ミネラル」と言われ、現在、カルシウム(Ca)、リン(P)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)、塩素(Cl)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、ヨウ素(I)、セレン(Se)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、コバルト(Co)の16種類が知られている。
人間の場合、必須ミネラル類を食物などから摂取するにあたり、例えば農作物の場合には、現在は農法の変化により、農作物に含まれるミネラル分が激減しており、昔の数分の一、十数分の一以下となっていると言われている。必須ミネラルの内、日本の厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2010年版:使用期間2010年4月〜2014年3月まで)」では、硫黄(S)、塩素(Cl)、コバルト(Co)を除く、13種類のミネラルについて、日本人に必要な基準摂取量が定められている。硫黄(S)は、含硫アミノ酸から摂取可能なので通常の食生活を送っていれば問題ない。塩素(Cl)は、食塩の取りすぎが問題になっており、むしろ取りすぎている傾向がある。コバルト(Co)は、ビタミンB12の構成成分であり、通常の食生活から得られることが、硫黄(S)、塩素(Cl)、コバルト(Co)の3種を、日本人の食事摂取基準から除外した理由のようである。
冒頭で述べた通り、ノロウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルスの不活化・微生物制御に、或いは排水処理に、ガン細胞数の減少に、放射線の減少などに貢献可能で、多方面、多分野に幅広く有効利用できる殺菌用水溶液が待望されている事情があるが、特に、ミネラル成分を含有し、多方面、多分野に幅広く有効利用できる殺菌用水溶液は知られていない。特に、生物の生体内ミネラル成分含有率、いわゆるミネラルバランスが調整されて生命活動を行っている生物のミネラル含有比率に従ったミネラル成分含有溶液を含む殺菌用水溶液であって、無機物と無機物塩類を用いて、生体の生命活性化に、各種栽培分野に、或いは、ノロウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルスの不活化・微生物制御に、或いは排水処理に、ガン細胞数の減少に、放射線の減少などに貢献可能で、且つ、多方面、多分野に幅広く有効利用できる殺菌用水溶液が見受けられなかった。
上記事情を鑑み、本発明は、ノロウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルスに対する不活化効果やウイルス以外の細菌性食中毒の原因ともなる微生物の殺菌にも効果があり、使用濃度によっては、有害な微生物を減少或いは殺菌しながら、同時並行で特定の有効な微生物の増殖に貢献するイオン化必須ミネラル成分含有する殺菌用水溶液、アルコール殺菌液及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、(a)溶液としての水と、(b)白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理した電気分解処理硫酸液と、(c)必須ミネラル16種類の内、少なくとも一種の元素を含む無機物ミネラルがイオン化したミネラル溶解物とを含む殺菌用水溶液であることを要旨とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、希硫酸は濃硫酸のように脱水作用、酸化作用、不揮発性、吸湿性といった性質は乏しいが、代わりに電離したが水素イオンが多い電離度の高い強酸として振る舞うことを確認した。つまり酸化力自体は濃硫酸が強いが、酸としては希硫酸の方が強いと理解されている。特に希硫酸溶液を電気分解して得られた電気分解処理硫酸水溶液には、生理学的、薬理学的に有効性があることが見受けられたので、必須ミネラル成分をこの電気分解処理硫酸水溶液で加熱攪拌溶解して、必須ミネラル成分をイオン化し、溶解含有させたもので、希硫酸の溶解性、特に硫酸基の特性を用いて精製された製造方法でつくられたものを本発明の第1の態様に係る殺菌用水溶液とし、この第1の態様に係る殺菌用水溶液を使用目的に応じた濃度や混合比の調整を行い、或いはPHを調整し、超純水や飲料酒類等を混合して得た溶液を、殺菌や殺菌を含む種々の目的に用いることが可能である。
第1の態様に係る殺菌用水溶液は、生物の生命活性化に貢献できる16種類の必須ミネラル類を、生物の生体内ミネラル成分含有率、即ちミネラルバランスに従った各ミネラルの量を、生物に吸収効率よく摂取吸収させるため、それらの各ミネラル素材を一括混合させたものに、或いはそれぞれ単独素材毎に、この電気分解処理硫酸水溶液を加えて、常圧での加熱攪拌溶解処理後、濾過処理工程を経て残渣を除去されたイオン化した必須ミネラル成分を含有した酸性の水溶液である。
希硫酸は強酸性だが酸化力や脱水作用はないと言われている強力な二価の酸で、ほぼすべての硫酸分子が硫酸水素イオン(HSO4 )と水素イオン(H)に電離しており、更に一部の硫酸水素イオンは、硫酸イオン(SO4 2−)と水素イオンに電離しており、フリーラジカルが、硫酸の水素イオンから連続的に物理的に無数に発生していると言われている。希硫酸は濃硫酸のように脱水作用、酸化作用、不揮発性、吸湿性といった性質は乏しいが、代わりに電離した水素イオンが多い電離度の高い強酸として、つまり酸化力自体は濃硫酸が強いが、酸としては希硫酸の方が強いと言われている。硫酸水素イオンは、硫酸の一段階目の電離により生成する1価の陰イオンであり、希硫酸中には硫酸イオンはむしろ低濃度でしか存在せず、陰イオンの多くは硫酸水素イオンとして存在している酸性物質である。硫酸イオンは、2価の陰イオンで大気中、火山地区の土壌、及び海水や地下水などの水中にも多く含まれており、又、硫酸イオンは、最も毒性の低い陰イオンの一つで、現在では水質基準に設定されていない。温泉水に含まれる硫酸イオンは、血管を拡張し血流をよく、高血圧症や動脈硬化によいとされており、体内に酸素を取り込む作用、血液に多くの酸素を送り込む作用、脳波のアルファ波を引き出す作用、神経痛、胆道疾患や便秘に効果があり、糖尿病、痛風の改善にも、身も心もリフレッシュする効果があると言われている半面、濃度が高いと下痢、脱水症状更には胃腸の炎症を起こすことが確認されているが、健康の観点からのガイドライン値は現在提示されていない。しかし高濃度の硫酸イオンを含む水を飲むと胃腸に障害が出ることから、衛生当局は水道水源の硫酸イオンは500mg/dm3を超えないように勧告しており、一方、飲料水中に硫酸イオンが含まれると明らかに味が異なり、その味の悪化は塩をつくる相手の陽イオンによって異なると認知されている。味覚に刺激を感じない闘値(いきち)(限界値)は硫酸ナトリウムで250mg/dm3、硫酸カルシウムで1,000mg/dm3となっている。
カルシウムイオンは、骨や歯の形成 ・酵素の触媒、血液の凝固を促す・神経細胞を守ることに貢献しており、カルシウムイオンの摂取吸収にはマグネシウムも同時に摂取しなければ意味がないと言われている。カルシウムイオンは細胞内にはほとんど存在せず、細胞外からのカルシウムイオンの流入や、細胞内の小胞体に蓄えられたカルシウムイオンの放出が、様々なシグナルとしての生理的機能に関与している。十分なカルシウムを摂取することは加齢による骨の減少を遅くする効果があり、大腸腺腫性ポリープをある程度抑制し得るかもしれないことが発見されたり、カルシウムイオンとビタミンDが、塊状の癌の相対的リスクを低下させることが発見されたり、高容量のカルシウムとビタミンDの摂取は更年期前の乳癌の発生リスクを低めていることが発見されている。第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられるリン酸二水素カルシウムは、食品添加物として醸造用発酵助成剤・医薬カルシウム強化剤として利用されている。
リンは、ATP(アデノシン)リン分解酵素、エネルギー代謝・酸アルカリのバランス調整に貢献しており、飲用されているコーラ等に添加されている細胞の不可欠な構成要素である。土壌中や水中に存在する量が限られており、溶存するリン酸塩として生物に利用し易い形態で存在する量は更に限られている。海洋生態系において、海面は豊かな太陽エネルギーを受けているが、表層の海水は通常リン酸塩に乏しく生物生産性に乏しいことが多い。海水中からバイオマスに取り込まれたリンは生物の死とともに海底に沈むので、海水中のリンは海底に偏在する。炭酸同化の行われる表層(有光層)へリンが供給される道筋は、陸上からの流入と、海底からの湧昇など少数に限られ、こうした供給場所で顕著な生物生産がみられる。土壌中ではリン酸の存在量はそれほど多くないのに加えて、その多くが不溶性の化合物となっていることが多い。植物は土壌中のリン酸化合物をめぐる競争で微生物に対して劣勢であるのに加え、不溶性のリン酸化合物を吸収する能力もそれほど高くない。植物の根はしばしば菌と共生し、複合体である菌根を形成してリン酸塩の獲得を有利にしている。リン酸塩などの栄養塩類の獲得が極端に困難な環境に適応した植物として、生きた昆虫などから獲得するような進化を遂げた食虫植物が知られている。生態系は多くの場合、限られたリン酸供給によって成立しているため、自然界にみられないような量のリン酸が供給されると、しばしば生態系の崩壊につながる。例えば水界生態系に多量のリン酸が供給されると、特定の植物プランクトンが大量増殖し、赤潮やアオコの発生をみる。このとき大量増殖した藻類が水中の有機物を増加させて有機物汚濁の原因となったり、毒性のある藻類が増えることで、他の生物に悪影響を与えることとなる。リン酸塩を体内で過剰に摂取するとカルシウムの吸収が阻害され骨粗しょう症にもなりかねない事例がある。農業において、リン酸塩は植物の主要栄養素であるため、肥料の成分の一つとして重要である。リン酸は動植物の必須元素で体内で蛋白質合成、遺伝情報の伝達に重要な働きをする核酸の構成成分であり、エネルギー代謝にかかわる重要な物質でもある。第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられるリン酸水素二カリウムは、食品添加物として細菌培養・飼料添加物・醸造用発酵助成剤として利用されている。
ナトリウムは、代謝促進・神経のコントロール・生理機能の正常化に貢献しており、生体にとっては重要な電解質の一つで、ヒトではその大部分が細胞外液に分布している。神経細胞や心筋細胞などの電気的興奮性細胞の興奮には、細胞内外のナトリウムイオン濃度差が不可欠である。ナトリウムは細胞外液の主要な陽イオンで、体液の浸透圧維持に不可欠な必須ミネラルである。ナトリウムイオンとして、生体内では神経伝達や筋収縮などに関与している。ナトリウムの調節機構は複雑で、巧みに制御されているため、腎機能が正常な限り欠乏症を起こすことはないが、極度の多汗や嘔吐、下痢により不足することがある。ヒトでの有効性については、信頼できるデータが見当たらない。第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられる塩化ナトリウムは、食品添加物として食塩、醤油、味噌といった調味料として利用されている。
カリウムは、代謝促進・生理機能の正常化、神経刺激の伝達・酸アルカリのバランス調整に貢献しており、肥料としても使用されている。第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられる亜硫酸カリウムは、食品添加物として、干瓢の漂白、ワインの酸化防止剤などとして用いられており分解してSOを発生する。
マグネシウムは、ビタミンA、B、C、D、Eの保持と活性化・酵素の触媒・精神、安定・骨肝臓筋肉に必要な栄要素・コレステロールの沈着・糖尿病の予防・酸アルカリのバランス調整・腎不全の予防に貢献しており、第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられる硫酸マグネシウムは、医薬品として便秘、低マグネシウム血症、子癇、子宮運動抑制薬として使用される。農業の分野でも、溶解度の高さのために硫酸マグネシウムが肥料として、じゃがいも、トマト、バラ等の作物に使用されている。温泉の一形態である硫酸塩泉では硫酸ナトリウムとともに含有されている。市販されている多くの入浴剤の有効成分は硫酸マグネシウムと炭酸水素ナトリウムであり、硫酸マグネシウムには体を温める温浴効果がある。豆腐の凝固剤として使われている、にがりにも少量含まれている。天日干しで製造される塩にも含まれており、精製塩にはない独特の風味を醸す一要素となっている。
硫黄は、骨や腱の成分にも含まれビタミンB1やパントテン酸と結合して、糖質や脂質の代謝に関与し、体内の有害なミネラルを排除する解毒効果に貢献しており、 第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられる亜硫酸ナトリウムは、食添品としてドライフルーツの退色を防止、肉類を保存する際の防腐剤として用いられている。
鉄は、酸素の運搬と酸化作用・赤血球・血液中の酵素の運搬、貧血予防に貢献しており、第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられる硫酸第一鉄は、ヘム酵素に関与し、食添品として漬物、加工豆類(黒豆)、果物や野菜に使用されており、人体への影響は、鉄分を補給する栄養強化剤として、広く使用されている。
亜鉛は、ホルモン・酵素の構成成分・動脈硬化の防止酵素の構成物質・ホルモンの構成要素・蛋白質の合成・コレステロールの調整・動脈硬化の予防・傷の治療・インシュリンの成分として貢献しており、第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられる亜鉛末は、種々の酵素のコファクター、乳酸脱水素酵素、アルカリホスファターゼ、炭酸脱水素酵素に関与し、細胞分裂時の酵素に必要で、不足すると味覚異常が現れる。
銅は、活性酵素の成分・心臓病・糖尿病予防・ホルモン・酵素の構酵素の構成物質・鉄と組んで赤血球をつくる心臓病・糖尿病の予防として貢献しており、第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられる硫酸銅は、粉ミルク亜鉛とともに添加されている。
マンガンは、ビタミン・酵素のはたらきを助ける・炭水化物・蛋白質の合成・脂肪の吸収・血液の生成・酵素の抗生物質・ビタミンの働きを助けるとして貢献しており、第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられる硫酸マンガンは、加水分解酵素、脱炭酸酵素、炭水化物・脂質を分解する酵素活性に、尿酸の代謝に、脳下垂体の向上に、各種ホルモン分泌活性に関与し、骨の成長に欠かせない。
ヨウ素は、代謝、甲状腺ホルモン産正、甲状腺機能維持に貢献しており、第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられるヨウ素は、甲状腺ホルモンの成分となり、飼料添加剤として用いられている。
セレンは、老化防止・過酸化脂質分解,抗癌作用に貢献しており、第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられるセレンは、動物の必須栄養剤・飼料添加物に用いられており、グルタチオンペルオキシダーゼ、過酸化脂質分解酵素の活性化に関与する。
モリブデンは、尿酸値を正常に保つ・酵素に不可欠な物質・成長促進、尿酸の生成・癌の予防に貢献しており、第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられるモリブデン酸ソーダは、動植物の必須微量成分として飼料添加物として用いられ、酸化酵素、炭水化物、脂質、尿酸の代謝に、鉄の造血作用に、窒素代謝に、硫黄代謝に関与する。
クロムは、糖質とエネルギー代謝・コレステロール正常化・糖尿病・高血糖症・動脈硬化症、成長の遅れ・角膜障害に貢献しており、第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられる硫酸クロムは、インシュリンの分泌を助け、糖質代謝、炭水化物、脂質の代謝に関与する。
コバルトは、ビタミンB12 構成物質・貧血防止に貢献しており、第1の態様に係る殺菌用水溶液に用いられる硫酸コバルトは、ビタミンB12をつくる。
本発明の第2の態様は、(a)溶液としてのエチルアルコールと、(b)このエチルアルコールに溶解した水と、(c)白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理した電気分解処理硫酸液と、(d)必須ミネラル16種類の内、少なくとも一種の元素を含む無機物ミネラルがイオン化したミネラル溶解物とを含むアルコール殺菌液であることを要旨とする。
本発明の第2の態様に係るアルコール殺菌液は、特にノロウイルス、ヘルペスウイルスの不活化などの、ウイルス類の不活化溶液として好適である。特に、第1の態様に係る殺菌用水溶液1%とエチルアルコール59%と乳酸ナトリウムを、0.9%と超純水39.1%にしたものが、ウイルス類の不活化溶液として好適である。第2の態様に係るアルコール殺菌液は、上記のような、抗ウイルス不活化剤及び殺菌作用に加え、食品の鮮度保持に、伝染性疾病伝染病の発生の予防及びまん延の防止に、飲用水・生物の生命活性化・農作物の栽培・水耕栽培・養豚・養鶏・養牛の飲用水に用いることが可能である。更に、第2の態様に係るアルコール殺菌液は、飲用アルコール類に用いてもよく、海産魚養殖疾病の防止と海産魚養殖魚に対する栄養補助的ミネラル供給に、水質改良剤・排水・汚水の処理剤に、脱臭・消臭品にも採用可能である。
本発明の第3の態様は、(a)白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理した電気分解処理硫酸水溶液を用意する工程と、(b)必須ミネラル16種類の内、少なくとも一種の元素を含む無機物ミネラルを含むミネラル混和液を調製する工程と、(c)電気分解処理硫酸水溶液にミネラル混和液を加え、常圧にて加熱攪拌処理を繰り返す工程と、(d)加熱攪拌処理をした溶液を、濾過処理して濾液を生成する工程と、(e)濾液を超純水で希釈して、少なくとも一種の元素を含む無機物ミネラルがイオン化した水溶液を調製する工程とを含む殺菌用水溶液の製造方法であることを要旨とする。
本発明の第3の態様に係る殺菌用水溶液の製造方法においては、電解槽をポリ容器とし、電解槽に5%濃度の希硫酸を5リットル(dm3)入れ電解液とし、電極の正極及び負極に接続する電極の材質は白金を用いて、1.0アンペアの電流を100分間流して電気分解を行った後、その電気分解後の電気分解した希硫酸溶液を超純水にて5dm3になるように精秤し、電気分解処理硫酸水溶液とする。必須ミネラル16種類の内、少なくとも一種を、単独に、即ち、リン酸二水素カルシウムを94g、リン酸水素二カリウムを6g、塩化ナトリウムを63g、亜硫酸カリウムを31g、硫酸マグネシウムを22g、亜硫酸ナトリウムを0.41g、亜塩素酸ナトリウムを0.54g、硫酸第一鉄を20g、亜鉛末を81g、硫酸銅を6g、硫酸マンガンを11g、ヨウ素を0.35g、セレンを8g、モリブデン酸ソーダを0.08g、硫酸クロムを2g、硫酸コバルトを8gのそれぞれを単独に含む無機物ミネラルを含むミネラル混和液をそれぞれ調製し、それぞれ単独に、電気分解処理硫酸水溶液5dm3に加え入れて、高温浴槽の溶解抽出処理と濾過処理を経たものを、超純水にて5dm3になるように精秤する。それぞれのミネラル成分を含む化合物毎に得られた5dm3の溶液は、硫酸、硫酸イオン、亜硫酸イオン、硫酸水素イオン、硫化物或いは硫酸塩等を含む希硫酸溶液とイオン化したミネラル溶解物であり、使用目的に応じて調合混和されたものが、第3の態様に係る殺菌用水溶液の製造方法である。
第3の態様に係る殺菌用水溶液の製造方法によれば、それぞれ単独に製造した各溶液の混合の割合で随意にミネラルの含有比率に従った比率量の調整が可能である。比率量の調整をした上、更に、第3の態様に係る殺菌用水溶液を使用目的に応じたPHになるように随意に調整が可能である。第3の態様に係る殺菌用水溶液のPH調整に用いられるアルカリ剤は、制限はないが、好ましくは水酸化ナトリウム(NaOH)でPH調整を行うことが可能である。
本発明の第4の態様は、(a)白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理した電気分解処理硫酸水溶液を用意する工程と、(b)必須ミネラル16種類を含む無機物ミネラルを、生物の生体内に含有されているミネラルの含有比率に従った比率量に混和してミネラル混和液を調製する工程と、(c)電気分解処理硫酸水溶液にミネラル混和液を加え、常圧にて加熱攪拌処理を繰り返す工程と、(d)加熱攪拌処理をした溶液を、濾過処理して濾液を生成する工程と、(e)濾液を超純水で希釈して、必須ミネラル16種類のすべての無機物ミネラルが、比率量で混和し、イオン化して含まれる水溶液を調製する工程とを含む殺菌用水溶液の製造方法であることを要旨とする。
本発明の第4の態様に係る殺菌用水溶液の製造方法は、第3の態様に係る殺菌用水溶液の製造方法と同様に、電解槽をポリ容器とし、電解槽に5%濃度の希硫酸を5リットル(dm3)入れ電解液とし、電極の正極及び負極に接続する電極の材質は白金を用いて、1.0アンペアの電流を100分間流して電気分解を行った後、その電気分解後の電気分解した希硫酸溶液を超純水にて5dm3になるように精秤し、電気分解処理硫酸水溶液とする。リン酸二水素カルシウムを94g、リン酸水素二カリウムを6g、塩化ナトリウムを63g、亜硫酸カリウムを31g、硫酸マグネシウムを22g、亜硫酸ナトリウムを0.41g、亜塩素酸ナトリウムを0.54g、硫酸第一鉄を20g、亜鉛末を81g、硫酸銅を6g、硫酸マンガンを11g、ヨウ素を0.35g、セレンを8g、モリブデン酸ソーダを0.08g、硫酸クロムを2g、硫酸コバルトを8gを一括に混合させる。電気分解処理硫酸水溶液5dm3をポリ容器に入れておいたものに、一括に混合させた素材を、注意深く混合させ、攪拌する。その後湯浴させながら加熱、攪拌を繰り返した後、吸引濾過により、得られた濾液は、希硫酸の溶解性の働きにより、無機物ミネラル素材からのミネラルがイオン化した状態に溶出しており、硫酸、硫酸イオン、亜硫酸イオン、硫酸水素イオン、硫化物或いは硫酸塩等を含む希硫酸溶液とイオン化し、ミネラル溶解物の16種類のすべてが、生物の生体内に含有されているミネラルの含有比率に従った比率量に混和して殺菌用水溶液となる。
本発明の第4の態様に係る殺菌用水溶液の製造方法においては、超純水による希釈の割合で、ミネラルの含有比率を維持しながら、随意に調整が可能である。又、単独製造溶液の場合は、各溶液の混合の割合で随意に調整が可能である。更に、第4の態様に係る殺菌用水溶液を使用目的に応じたPHになるように随意に調整が可能である。PH調整に用いられるアルカリ剤は、第3の態様に係る殺菌用水溶液の製造方法と同様に、特に制限はないが、好ましくは水酸化ナトリウム(NaOH)でPH調整を行うことが可能である。
本発明の第5の態様は、(a)白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理した電気分解処理硫酸水溶液を用意する工程と、(b)必須ミネラル16種類の内、少なくとも一種の元素を含む無機物ミネラルを含むミネラル混和液を、各無機物ミネラル毎に独立に調製する工程と、(c)電気分解処理硫酸水溶液にミネラル混和液を加え、常圧にて加熱攪拌処理を繰り返す工程と、(d)加熱攪拌処理をした溶液を、濾過処理して濾液を生成する工程と、(e)濾液を超純水で希釈して、少なくとも一種の元素を含む無機物ミネラルがイオン化した殺菌用水溶液を調製する工程と、(f)殺菌用水溶液をエチルアルコールで希釈する工程とを含むアルコール殺菌液の製造方法であることを要旨とする。
本発明の第5の態様に係るアルコール殺菌液の製造方法によれば、特にノロウイルス、ヘルペスウイルスの不活化などの、ウイルス類の不活化溶液として好適なアルコール殺菌液が簡単に製造可能である。特に、第1の態様に係る殺菌用水溶液1%とエチルアルコール59%と乳酸ナトリウムを、0.9%と超純水39.1%にしたものが、ウイルス類の不活化溶液として好適なアルコール殺菌液が簡単に製造可能である。
本発明の第6の態様は、(a)白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理した電気分解処理硫酸水溶液を用意する工程と、(b)必須ミネラル16種類を含む無機物ミネラルを、生物の生体内に含有されているミネラルの含有比率に従った比率量に混和してミネラル混和液を調製する工程と、(c)電気分解処理硫酸水溶液にミネラル混和液を加え、常圧にて加熱攪拌処理を繰り返す工程と、(d)加熱攪拌処理をした溶液を、濾過処理して濾液を生成する工程と、(e)濾液を超純水で希釈して、必須ミネラル16種類のすべての無機物ミネラルが、比率量で混和し、イオン化して含まれる殺菌用水溶液を調製する工程と、(f)殺菌用水溶液をエチルアルコールで希釈する工程とを含むアルコール殺菌液の製造方法であることを要旨とする。
本発明の第5の態様に係るアルコール殺菌液の製造方法によれば、特にノロウイルス、ヘルペスウイルスの不活化などの、ウイルス類の不活化溶液として好適なアルコール殺菌液が簡単に製造可能である。特に、第1の態様に係る殺菌用水溶液1%とエチルアルコール59%と乳酸ナトリウムを、0.9%と超純水39.1%にしたものが、ウイルス類の不活化溶液として好適なアルコール殺菌液が簡単に製造可能である。
本発明によれば、ノロウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルスに対する不活化効果やウイルス以外の細菌性食中毒の原因ともなる微生物の殺菌にも効果があり、使用濃度によっては、有害な微生物を減少或いは殺菌しながら、同時並行で特定の有効な微生物の増殖に貢献するイオン化必須ミネラル成分含有する殺菌用水溶液、アルコール殺菌液及びそれらの製造方法を提供することができる。
検体ウイルスを猫カリシウイルスとして、図1(a)は、本発明の実施の形態に係る殺菌用水溶液の濃度を変化させた場合のウイルスの不活化によるウイルス力化価の変化を、対照検体と比較して示す図で、図1(b)は、本発明の実施の形態に係るアルコール殺菌液の濃度を変化させた場合のウイルスの不活化によるウイルス力化価の変化を、対照検体と比較して示す図である。 検体ウイルスを猫ヘルペスウイルスとして、図2(a)は、本発明の実施の形態に係る殺菌用水溶液の濃度を変化させた場合のウイルスの不活化によるウイルス力化価の変化を、対照検体と比較して示す図で、図2(b)は、本発明の実施の形態に係るアルコール殺菌液の濃度を変化させた場合のウイルスの不活化によるウイルス力化価の変化を、対照検体と比較して示す図である。 実施の形態に係る殺菌用水溶液のウイルス不活化効果と反応時間の関係について対照検体と比較して示す図であり、図3(a)は0分後、図3(b)は1分後、図3(c)は3分後の反応を示す。 実施の形態に係るアルコール殺菌液のウイルス不活化効果と反応時間の関係について対照検体と比較して示す図であり、図4(a)は0分後、図4(b)は1分後、図4(c)は3分後の反応を示す。 実施の形態に係るアルコール殺菌液のPHの違いによる、猫カリシウイルスの不活化への影響を、対照検体と比較して説明する図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下に示す本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための殺菌用水溶液、アルコール殺菌液及びそれらの製造方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明の実施の形態に係る殺菌用水溶液及びこれを用いたアルコール殺菌液で使用される硫酸は、市販されているものをそのまま使用できる。使用する硫酸の濃度に制限はなく、濃硫酸、希硫酸のいずれも使用できるが、作業時の安全性の面から硫酸濃度が90重量%未満であれば制限はないが、希硫酸を使用するのが好ましい。更によりよくは5%が好ましい。
実施の形態に係る殺菌用水溶液及びこれを用いたアルコール殺菌液の中間生成物となる電気分解処理硫酸水溶液の生成の手順は、電解槽をポリ容器とし、電極材質は白金を用いたものであり、電解槽に5%濃度の希硫酸を5リットル(dm3)入れ電解液とする。電気分解の電極棒の正極及び負極に接続する電極の材質は白金(Pt)を用いる。そして、1.0アンペアの電流を100分間流して稀硫酸の電気分解を行った後、室温にまで冷却する。この電気分解処理後の希硫酸溶液を、超純水にて5dm3になるように精秤し、電気分解処理硫酸水溶液とする。
本発明の中間生成物となる電気分解処理硫酸水溶液からは、フリーラジカルが、硫酸の水素イオンから連続的に物理的に無数に発生していることから、電気分解処理硫酸水溶液は組織浸透性があり、確実にウイルスの不活性効果或いは殺菌作用効果がある。一方イオン化していないものは吸収されることが非常に少ないと考えられる。電気分解処理硫酸水溶液によってイオン化して溶解していることが重要で、生物の体内浸透性、或いは細胞膜、原形質膜等の浸透性、或いは経皮的、経口的吸収性を有利にし、生体利用効率を飛躍的に高める。カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、マンガンイオンのこれらのイオンは種々の酵素活性発現に必要であり、コバルトにおいてはビタミンB12に関与していることからも、生物活性が活性化される。もしこれらのイオンがない、或いは酵素がないと何も起こらないと同じと言われ、その他のミネラルに関しても重要である可能性があり、酵素の3分の1はミネラル類をその分子に含んでいると言われており、ミネラルがイオン化していることが、吸収され易く、作用箇所に運ばれた時に、速やかに酵素活性に寄与することが推測される。
実施の形態に係る殺菌用水溶液及びアルコール殺菌液のミネラル成分としての溶質は、リン酸二水素カルシウムCa(HPO)2・HO、リン酸水素二カリウムKHPO、塩化ナトリウムNaCl、亜硫酸カリウムKSO、硫酸マグネシウムMgSO・7HO、亜硫酸ナトリウムNaSO・7HO、亜塩素酸ナトリウムNaClO2、硫酸第一鉄FeSO・7HO、亜鉛末Zn、硫酸銅CuSO・5HO、硫酸マンガンMnSO・7HO、ヨウ素I2、セレンSe、モリブデン酸ソーダNaMoO・2HO、硫酸クロムCr2(SO)3、硫酸コバルトCoSO・7HOである。
(一括製造方法)
本発明の第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液の製造方法を説明する。なお、以下に述べる殺菌用水溶液の製造方法は、一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲内であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である。
(a)先ず、上述したように、白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理する。この電気分解処理をした電気分解処理硫酸水溶液5dm3を、20dm3容量の蓋のない上部が解放されているポリ容器に入れておく;
(b)次に、リン酸二水素カルシウムを94g、リン酸水素二カリウムを6g、塩化ナトリウムを63g、亜硫酸カリウムを31g、硫酸マグネシウムを22g、亜硫酸ナトリウムを0.41g、亜塩素酸ナトリウムを0.54g、硫酸第一鉄を20g、亜鉛末を81g、硫酸銅を6g、硫酸マンガンを11g、ヨウ素を0.35g、セレンを8g、モリブデン酸ソーダを0.08g、硫酸クロムを2g、硫酸コバルトを8g精秤し、それらの素材を一括に混合させる;
(c)そして、ポリ容器に収納された電気分解処理硫酸水溶液に、この一括に混合させた素材を、注意深く混合させ、攪拌する;
(d)その後20dm3容量のポリ容器を90℃〜沸騰浴槽に入れ、湯浴させながら、攪拌を持続させ、容器内の液温が80℃に到達してから5時間加熱する。加熱後高温浴槽から取りだし、液温が約20℃〜室温になるまで攪拌を続ける;
(e)室温になったら、二度目の湯浴を液温80℃で、5時間続け、その後、液温20℃になるまで攪拌を続ける;
(f)液温が約20℃〜室温になったら、吸引濾過法を用い、濾液と濾過残渣に分離する;
(g)そして、濾過残渣と分離した濾液が室温になったら、濾液を超純水にて5dm3になるように精秤すれば、第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液が完成する。
第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液では、希硫酸の溶解性の働きにより、必須ミネラル16種類のすべての無機物ミネラル素材からのミネラルがイオン化した状態に溶出している。即ち、第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液においては、硫酸、硫酸イオン、亜硫酸イオン、硫酸水素イオン、硫化物或いは硫酸塩等を含む希硫酸溶液に、イオン化した必須ミネラル16種類のすべての無機物ミネラルのミネラル溶解物が溶解している。
本発明の第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液の製造方法に用いるミネラル素材は、必須ミネラル16種類に対応するミネラル素材類であれば制限はないが、食品添加物類に属する素材であることが好ましい。又、上述した第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液の素材類の使用量は一例にすぎず、相対的な使用量として、必須ミネラル16種類の生物の生体内に含有されているミネラルの含有比率に従った比率量を維持していれば、絶対的な使用量には制限がない。例えば、上記の方法で調製した第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液の成分分析結果は表1の通りであり、必須ミネラル16種類のすべての無機物ミネラルが、所定の比率量で混和していることが分かる。
例えば人間は、特定のミネラル(約30種類)が欠乏すると機能異常や代謝異常が惹起されることや、過剰摂取による障害が危惧されることもある。第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液の製造方法によれば、人間にとっての必要量を所定の含量になるように、即ち、必須ミネラル16種類の生物の生体内に含有されているミネラルの含有比率となるように相対的な含有量の関係を維持しながら、超純水による希釈の割合で随意に絶対的な含有量を調整することが可能である。更に、第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液を使用目的に応じたPHになるように随意に調整が可能である。PH調整に用いられるアルカリ剤は、制限はないが、好ましくは水酸化ナトリウム(NaOH)でPH調整を行えばよい。
(単独製造方法)
本発明の第2の実施の形態に係る殺菌用水溶液の製造方法を説明する。なお、以下に述べる殺菌用水溶液の製造方法は、一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲内であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である。
(a)先ず、第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液の製造方法と同様に、白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理する。この電気分解処理をした電気分解処理硫酸水溶液5dm3を、20dm3容量の蓋のない上部が解放されているポリ容器に入れておく;
(b)次に、リン酸二水素カルシウムを94g、リン酸水素二カリウムを6g、塩化ナトリウムを63g、亜硫酸カリウムを31g、硫酸マグネシウムを22g、亜硫酸ナトリウムを0.41g、亜塩素酸ナトリウムを0.54g、硫酸第一鉄を20g、亜鉛末を81g、硫酸銅を6g、硫酸マンガンを11g、ヨウ素を0.35g、セレンを8g、モリブデン酸ソーダを0.08g、硫酸クロムを2g、硫酸コバルトを8gの内、少なくとも一種の化合物を精秤する。
(c)そして、必須ミネラル16種類の内、少なくとも一種の元素を含む化合物を、独立して、ポリ容器に収納された電気分解処理硫酸水溶液に、5dm3となるよう混合させ、攪拌する。必須ミネラル16種類の内、2種の元素に対応した化合物がある場合は、各化合物毎にそれぞれ独立して、ポリ容器に収納された電気分解処理硫酸水溶液に、それぞれ5dm3となるように混合させ、攪拌する。必須ミネラル16種類のすべての元素に対応した化合物を、各化合物毎にそれぞれ独立して、ポリ容器に収納された電気分解処理硫酸水溶液に、それぞれ5dm3となるように混合させ、攪拌してもよい;
(d)その後20dm3容量のポリ容器を90℃〜沸騰浴槽に入れ、湯浴させながら、攪拌を持続させ、容器内の液温が80℃に到達してから5時間加熱する。加熱後高温浴槽から取りだし、液温が約20℃〜室温になるまで攪拌を続ける;
(e)室温になったら、二度目の湯浴を液温80℃で、5時間続け、その後、液温20℃になるまで攪拌を続ける;
(f)液温が約20℃〜室温になったら、吸引濾過法を用い、濾液と濾過残渣に分離する;
(g)そして、濾過残渣と分離した濾液が室温になったら、濾液を超純水にて5dm3になるように精秤すれば、第2の実施の形態に係る殺菌用水溶液が完成する。
第2の実施の形態に係る殺菌用水溶液の製造方法で、それぞれのミネラル成分を含む化合物毎に得られた5dm3の溶液は、それぞれ、硫酸、硫酸イオン、亜硫酸イオン、硫酸水素イオン、硫化物或いは硫酸塩等を含む希硫酸溶液と、特定のミネラル成分がイオン化したミネラル溶解物である。よって、第2の実施の形態に係る殺菌用水溶液の製造方法
によれば、使用目的に応じて、必須ミネラル16種類のミネラルの含有比率を調合して混和することができる。ミネラル素材としての化合物は、ミネラル成分を含む化合物であれば制限はないが、食品添加物類に属する化合物であることが好ましい。又、本発明の第2の実施の形態に係る殺菌用水溶液の素材類の使用量は一例にすぎず、使用量には制限がない。この単独製造方法の各素材毎の成分分析結果は表2の通りである。表2に一例を示した通り、本発明の第2の実施の形態に係る殺菌用水溶液の製造方法によれば、表2に示した各元素を、ミネラル成分を含む化合物毎の溶液を使用目的に応じて調製し、混合することが可能である。
第2の実施の形態に係る殺菌用水溶液の製造方法によれば、殺菌用水溶液の組成を使用目的に応じて調製用いられる。例えば、独立に調製した各化合物を含む水溶液の混合の割合で随意に調整が可能である。更に、これらを使用目的に応じたPHになるように随意に必須ミネラル16種類間でのミネラルの含有比率の調整が可能である。PH調整に用いられるアルカリ剤は、制限はないが、好ましくは水酸化ナトリウム(NaOH)でPH調整をすればよい。
第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液1%とエチルアルコール59%と乳酸ナトリウムを0.9%と超純水39.1%を混合させてアルコール殺菌液を生成し、ノロウイルス、ヘルペスウイルスの不活化などのウイルス類の不活化溶液として用いることも、第2の実施の形態に係る殺菌用水溶液1%とエチルアルコール59%と乳酸ナトリウムを0.9%と超純水39.1%を混合させてアルコール殺菌液を生成して、ウイルス類の不活化溶液として用いることも可能である。
(細菌の殺菌効果試験)
表3に、第1の実施の形態に係る殺菌用水溶液を用いたアルコール殺菌液に対し、大腸菌、緑膿菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌の4種の試験菌株を用いて殺菌効果試験を行った結果を示す。
菌数測定用培地及び培養条件細菌はSCDLP培地(日本製薬株式会社)、35℃、2日間培養。試験操作は検体10ml(cm3)に試験菌液を0.1cm3接種し、試験液した。室温で保存し、15及び30秒後に試験液をSCDLP培地で直ちに10倍に希釈し、試験液中の生菌数を菌数測定用培地を用いて測定した。なお、対照検体として精製水(黄色ブドウ球菌は生理食塩水)を用いて同様に試験し、開始時及び30秒後に生菌数を測定した。表3の試験結果によれば、食中毒や院内感染などで問題となる細菌に対しても殺菌効果がみられることから、本発明の実施の形態に係るアルコール殺菌液は、食品の鮮度保持にも用いることが可能であることが分かる。又、本発明の実施の形態に係るアルコール殺菌液は、更に、食品類及び食品製造設備,食器類等の各種食品機材用の殺菌処理剤として使用することも可能であることが分かる。
(ウイルスの不活化効果試験)
本発明の実施の形態に係る殺菌用水溶液及びアルコール殺菌液の効果を確かめるべくウイルスの不活化効果試験を行った結果を図1〜図5に示す。ウイルスの不活化効果試験内容は、検体ウイルスは猫カリシウイルス(エンベローブを持たないRNAウイルス)、猫ヘルペスウイルス(エンベローブを持つDNAウイルス)である。細胞は猫腎株化細胞(CRFK細胞)である。
(a)殺菌用水溶液によるウイルスの不活化効果試験の場合は、本発明の実施の形態に係る殺菌用水溶液を蒸留水(DDW)で最終濃度が10%、5%、3%、1%、0.4%になるように希釈した。
(b)アルコール殺菌液によるウイルスの不活化効果試験の場合は、アルコール濃度59%と乳酸ナトリウム濃度0.9%を維持し、本発明の実施の形態に係る殺菌用水溶液の最終濃度が10%、5%、3%、1%、0.4%になるように蒸留水(DDW)で希釈した。
猫カリシウイルス(約107.6TCID50/0.1cm3)及び猫ヘルペスウイルス(約107.6TCID50/0.1cm3)をそれぞれ混合した。室温で10分間静置後、混合液を直ちに10倍階段希釈し、2日間培養した猫腎株化細胞に接種した。37℃で4日間培養後、CPEの有無を観察した。図1(a)に示す試験結果によれば、猫カリシウイルスに対する不活化効果は、本発明の実施の形態に係る殺菌用水溶液を蒸留水で希釈した場合、最終濃度が10%、5%、3%では猫カリシウイルスを完全に不活化した(約100.5TCID50/0.1cm3)。1%濃度では、本発明の実施の形態に係る殺菌用水溶液を加えていない対照検体のウイルス力価に比べて約1/10,000)量のウイルス力価となった。しかし、0.4%濃度では、猫カリシウイルスを不活化しなかったことが分かる。同様に、図2(a)の試験結果によれば、猫ヘルペスウイルスに対する不活化効果は、本発明の実施の形態に係る殺菌用水溶液を蒸留水で希釈した場合、最終濃度が10%、5%、3%では猫ヘルペスウイルスを完全に不活化した(約100.5TCID50/0.1cm3)。1%濃度でも、実施の形態に係る殺菌用水溶液を加えていない対照検体のウイルス力価に比べて約1/100,000量のウイルス量に低下し、ほぼ完全に近く、不活化したが、0.4%濃度では、猫ヘルペスウイルスを不活化しなかったことが分かる。
一方、図1(b)に示す通り、本発明の実施の形態に係るアルコール殺菌液の場合、猫カリシウイルスについては、実施の形態に係る殺菌用水溶液の最終濃度が10%、5%、3%、1%では猫カリシウイルスを完全に不活化したことが分かる(約100.5TCID50/0.1cm3)。しかし、0.4%濃度では、猫カリシウイルスを不活化しなかったことが分かる。猫ヘルペスウイルスに対する不活化効果は、図2(b)に示す通り、最終濃度が10%、5%、3%、1%では猫ヘルペスウイルスを完全に不活化した(約100.5TCID50/0.1cm3)が、0.4%濃度では、猫ヘルペスウイルスを不活化しなかったことが分かる。
図3は、実施の形態に係る殺菌用水溶液のウイルス不活化効果と反応時間の関係について、図4は、実施の形態に係るアルコール殺菌液のウイルス不活化効果と反応時間の関係について、それぞれ猫カリシウイルスについての試験を行った結果を示す。図3及び図4に示す試験に用いた細胞は猫腎株化細胞(CRFK細胞)である。図3に示す実施の形態に係る殺菌用水溶液の場合は、実施の形態に係る殺菌用水溶液を蒸留水で最終濃度が3%或いは1%になるように希釈し、図4に示す実施の形態に係るアルコール殺菌液の場合は、アルコール濃度59%と乳酸ナトリウム濃度0.9%を維持し、実施の形態に係る殺菌用水溶液の最終濃度が3%或いは1%になるよう希釈し、猫カリシウイルス(約107.6TCID50/0.1cm3)をそれぞれ混合した。混合後、図3(a)に示す0分後、図3(b)に示す1分後、及び図3(c)に示す3分後、に直ちに10倍階段希釈し、2日間培養した猫腎株化細胞に接種した。37℃で4日間培養後、CPEの有無を観察した。実施の形態に係る殺菌用水溶液を蒸留水で希釈した場合,図3(a)及び(b)に示すように、最終濃度が3%の場合では、直ちに猫カリシウイルスを不活化した(約100.5TCID50/0.1cm3)が、1%濃度では完全に猫カリシウイルスを不活化しなかったことが分かる。しかし、図3(c)に示すように、3分後では対照検体のウイルス力価に比べて約1/100,000量のウイルス量に不活化したことが分かる。図3(b)に示すように、1分後では約1/10,000量のウイルス量に、図3(a)に示すように、0分後では約1/100量のウイルス量に低下していることが分かる。
一方、図4(a),(b)及び(c)に示すように、実施の形態に係るアルコール殺菌液の場合、最終濃度が3%及び1%のいずれでも、ウイルス液と混合後、直ちに(0分後)猫カリシウイルスを不活化したことが分かる(約100.5TCID50/0.1cm3)。
実施の形態に係る殺菌用水溶液のCrFK細胞に対する細胞毒性の有無の試験結果は、表4に示すようであった。
更に、実施の形態に係るアルコール殺菌液のPHの違いによる猫カリシウイルスの不活化への影響は図5に示すようであった。実施の形態に係る殺菌用水溶液に含まれる陽イオンは、バクテリア性、カビ性、又はウイルス性の細胞のような全体として陰性の電荷を持つ病原性細胞に引き付けられ、それによってその病原性細胞を損傷又は破壊していると推定できる。
生物の生命活性化に使用される方法としては、ヒトを例にとれば人間の体液の構造は、海水にきわめて近い性質をしており、その海水に似た体液は、個々の細胞が住みやすいように、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、塩素といった成分を常に一定のバランスに保つように、微妙な調整を行っており、この調整機能をホメオスターシス(恒常性維持機能)と言われ、体重の60%を占める水の内45%までが、細胞内に封じ込められた水で、残り15%が、血液、リンパ液など、細胞の外にある水であると言われている。この細胞内液、細胞外液をあわせたものを体液と呼び、この体液が生命の維持、活動に重要な役割を果たしており、成人での血液の総量は5dm3、血液以外の体液の総量は1〜2dm3である。体液には電解質と非電解質があり、電解質はナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの陽イオンと塩素、亜硫酸のような陰イオンの成分があり、非電解質はリン脂質、コレステロール、中性脂肪、ブドウ糖、尿素、乳酸などの成分である。電解質は体液の化学的な骨組となるものであり、非電解質の方は、運搬や排泄に利用される物質だと言る。こうした体液の物質の濃度の違いにより、ホメオスターシス(恒常性維持機能)が働いて、必要な成分を吸収し、不要なものを排泄して生命活動を営んでいる。つまり生物の生命活性化によいものとは、古代の海水又は母親の胎内の羊水と同じミネラル成分を含んだものとされている。
実施の形態に係る殺菌用水溶液においては、必須ミネラル成分を16種類すべて含有して、イオン化した構成とすることにより、生命の活性化に貢献することができる。更に、イオン化したミネラルが細胞に吸収されて利用できるという意味の生物学的利用可能性はたやすいことではないことが認められているが、これらのイオンの生物学的利用可能性を高めるために、硫酸、硫酸イオン、亜硫酸イオン、硫酸水素イオン、硫化物或いは硫酸塩等を含む希硫酸溶液に、イオン化したミネラル溶解物が溶解する構成とすることにより、カチオン性の特徴により細胞に効率よく吸収され、生体において貢献することができる。植物栽培試験・水耕栽培試験など、植物根毛の先端においては、鉱酸が関与しミネラルを含む岩石を溶解し、効率よく、生命維持活動に貢献していることが理解されているので、実施の形態に係る殺菌用水溶液は、飲用水・生物の生命活性化・農作物の栽培・水耕栽培・養豚・養鶏・養牛の飲用水に好適である。更に、実施の形態に係る殺菌用水溶液を用いたアルコール殺菌液は、ミネラル補給サプリメント効果のある飲用アルコール類として飲用されることができる。
サプリメントで使われているミネラルの多くが「金属性ミネラル」と呼ばれ、その被吸収率は消化器官の状態にもよるが、せいぜい3%〜12%にすぎなく、ミネラルをより効率的に摂取するには、キレート化した状態で摂るとよいとされている。キレート化により、金属性のミネラルは、アミノ酸などの体に吸収され易い物質と結合する。ミネラルを効率的に摂取するには、実施の形態に係る殺菌用水溶液のように、イオン化してマイナスの電荷を与えることが重要で、イオン化したミネラルは水溶性で、被吸収率は最大98%にもなる。
例えば、海水中には典型的な魚の体内の10倍以上の硫酸イオンが含まれており、河川や湖の水にはほとんど存在しない。このため海水魚の体内は硫酸イオンが余剰になり易く,逆に淡水魚では不足することが予想されている。しかし魚類がどのように体内の硫酸イオン濃度を調節しているかは全く分かっていない。哺乳類の場合,体内の硫酸イオン濃度は腎臓で尿がつくられる際に調節されている。生体内ではメチオニンやシステインと呼ばれる硫黄原子を含むアミノ酸が分解される時に,代謝産物として硫酸イオンが生成する。硫酸イオンは体を構成する分子の材料や,有毒物質の毒性を減らす反応など,様々な用途に使われるので,非常に重要なイオンである。故に硫酸イオン、亜硫酸イオン、硫酸水素イオン、硫化物或いは硫酸塩を含む実施の形態に係る殺菌用水溶液或いは実施の形態に係るアルコール殺菌液は、養豚・養鶏・養牛等の家畜の伝染性疾病伝染病の発生の予防及びまん延の防止に、海産魚養殖疾病の防止と海産魚養殖魚に対する栄養補助的ミネラル供給に好適である。
水質改良剤・排水・汚水の処理剤として硫酸アルミニウムが用いられているが、アルミニウムがアルツハイマー症に関係するのではないかと疑念をもたれたことから、凝集剤をアルミニウム塩から鉄塩に切り替えた浄水場も外国にはある。実施の形態に係る殺菌用水溶液に含有されている硫酸第一鉄は六価クロムの除去に使われることがあり、これは硫酸イオンが関与している。よって、硫酸イオン、亜硫酸イオン、硫酸水素イオン、硫化物或いは硫酸塩等を含む希硫酸溶液とイオン化したミネラル溶解物を含む実施の形態に係る殺菌用水溶液は、水質改良剤・排水・汚水の処理剤に好適である。
陽イオン、陰イオンが脱臭・消臭に関与していることに加え、瞬時殺菌、瞬時ウイルス不活化の作用を具備しているので、実施の形態に係る殺菌用水溶液は、無害な脱臭・消臭品に好適である。
ミネラルで癌を消滅させたりできるわけがないし、ミネラルには癌を直接殺す作用はない。体の免疫力や抗酸化力や再生能力などは、必須ミネラルが不足していると満足に行なうことができない。免疫力を高めるためにβ−グルカンのような免疫増強剤を使用しても、栄養が不足していては、免疫細胞を増やすことはできない。特にミネラルは細胞の分裂や酵素反応に必須であるため、ミネラルが不足すると体の治癒力が低下することになる。体の自然治癒力と関連する必須ミネラルについては、以下のように評価されている。
つまり免疫監視機構(=免疫力)=病原体やガン細胞など体にとって害となるものを攻撃して排除するもので、銅、亜鉛、鉄、セレンが関与している。抗酸化システム(=抗酸化力)=癌や老化の原因となる活性酸素やフリーラジカルの害を防ぐもので、亜鉛、銅、マンガン、鉄、セレンが関与している。修復・再生力=創傷治癒、DNA変異の修復、細胞・組織の再生によって体の構成成分を維持するもので、銅、マンガン、亜鉛、マグネシウムが関与している。恒常性維持機能=神経やホルモンの作用によって、生体機能を正常に維持するもので、鉄、マンガン、亜鉛、銅、マグネシウムが関与している。ミネラルは体に備わった抗酸化酵素の働きを高めるために重要な働きをしている。スーパーオキシドを過酸化水素に変えるスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)の活性にはマンガン、銅、亜鉛が必要となり、過酸化水素を水と酸素に分解するカタラーゼには鉄が、グルタチオン・ペルオキシダーゼにはセレンが必要である。セレンの不足は癌の発生と密接に関連している。セレンに富んだ食事は、大腸、直腸、肝臓、乳房、卵巣、前立腺、膀胱、肺、皮膚の癌や白血病のリスクを減少させることが分かっている。土壌中のセレン濃度が高い地域ほど、癌発生率が少ないという結果が報告されており、それはセレン濃度が高い地域に育つ農作物はセレンの含量が多く、それを食べる住民の血中セレン濃度も高くなって体の抗酸化力が増すことが癌予防につながると予想されているのである。
生体の抗酸化システムで重要な役割を果たすグルタチオン・ペルオキシダーゼは、その酵素活性部位にセレンをセレノメチオニンの形で含むため、セレンが欠乏するとグルタチオン・ペルオキシダーゼの活性が減少して体の抗酸化力が低下することになる。以上のことを鑑みれば、実施の形態に係る殺菌用水溶液は、不足しがちな必須ミネラル16種を、すべて含有した構成とすることで、サプリメントとして体内に補充することにより、体の治癒力や抵抗力を高めることが期待できる。よって、実施の形態に係る殺菌用水溶液は、癌の休眠療法を行う時にも、体の抗癌力をよい状態に保つためにも好適であると期待できる。
広島・長崎の原爆やチェルノブイリ原発事故被害者の中に、アルコール飲料で放射線障害が低減されたという話がある。アルコール類に放射線防護効果があることが以前から知られていることや、飲酒により放射線障害が軽減されたなどの体験談から、各種の考察がなされている。チェルノブイリ事故時のスウェーデンでは、放射性物質が植物から人体に入る経路は様々で、葉っぱに付着したのは、洗えばある程度は除去できるが、土壌から根を通して植物に入り込むようになると、たいへんなことになることから、土壌に、カリウムを1ヘクタール当たり年間100〜200kg散布して、農作物のセシウム含量を50〜70%減少させた報告がある。実施の形態に係る殺菌用水溶液はカリウム含有したものであるので、放射線の影響の低減に貢献でき、又、放射線の影響を低減させるために必要量の供給が可能である。
(その他の実施の形態)
上記のように、実施の形態に係る殺菌用水溶液、実施の形態に係るアルコール殺菌液及びそれらの製造方法は、上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、上記の実施の形態に係る殺菌用水溶液、実施の形態に係るアルコール殺菌液及びそれらの製造方法を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、上記の実施の形態に係る殺菌用水溶液、実施の形態に係るアルコール殺菌液及びそれらの製造方法はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論であり、実施の形態に係る殺菌用水溶液、実施の形態に係るアルコール殺菌液及びそれらの製造方法の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
上記の実施の形態に係る殺菌用水溶液及びアルコール殺菌液は、ノロウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルスに対する不活化効果、及び微生物の殺菌効果を持つので、抗ウイルス不活化剤及び殺菌作用を必要とする産業分野、食品の鮮度保持を必要とする産業分野、伝染性疾病伝染病の発生の予防及びまん延の防止を必要とする産業分野に利用可能である。特に、飲用水・生物の生命活性化を必要とする産業分野、農作物の栽培・水耕栽培・養豚・養鶏・養牛の飲用水等の農業分野、飲用アルコール類等の食品分野、海産魚養殖疾病の防止と海産魚養殖魚に対する栄養補助的ミネラル供給等の漁業分野、水質改良剤・排水・汚水の処理剤等の上下水道の分野、脱臭・消臭品等の生活用品の分野、ガン細胞数の減少や放射線の影響の低減化等に医療分野に利用可能である。

Claims (11)

  1. 溶液としてのエチルアルコールと、
    該エチルアルコールに溶解した水と、
    白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理した電気分解処理硫酸液と、
    必須ミネラル16種類の内、少なくとも一種の元素を含む無機物ミネラルがイオン化したミネラル溶解物
    とを含むことを特徴とするアルコール殺菌液。
  2. 乳酸ナトリウムを更に含むことを特徴とする請求項に記載のアルコール殺菌液。
  3. 前記必須ミネラル16種類のすべての無機物ミネラルが、生物の生体内に含有されているミネラルの含有比率に従った比率量で混和し、イオン化して含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルコール殺菌液。
  4. 無機物ミネラルのそれぞれが、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素二カリウム、塩化ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、亜塩素酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、亜鉛末、硫酸銅、硫酸マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン酸ソーダ、硫酸クロム、硫酸コバルトであることを特徴とする請求項に記載のアルコール殺菌液。
  5. 白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理した電気分解処理硫酸水溶液を用意する工程と、
    必須ミネラル16種類の内、少なくとも一種の元素を含む無機物ミネラルを含むミネラル混和液を調製する工程と、
    前記電気分解処理硫酸水溶液に前記ミネラル混和液を加え、常圧にて加熱攪拌処理を繰り返す工程と、
    前記加熱攪拌処理をした溶液を、濾過処理して濾液を生成する工程と、
    前記濾液を超純水で希釈して、前記少なくとも一種の元素を含む無機物ミネラルがイオン化した水溶液を調製する工程
    とを含むことを特徴とする殺菌用水溶液の製造方法。
  6. 白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理した電気分解処理硫酸水溶液を用意する工程と、
    必須ミネラル16種類を含む無機物ミネラルを、生物の生体内に含有されているミネラルの含有比率に従った比率量に混和してミネラル混和液を調製する工程と、
    前記電気分解処理硫酸水溶液に前記ミネラル混和液を加え、常圧にて加熱攪拌処理を繰り返す工程と、
    前記加熱攪拌処理をした溶液を、濾過処理して濾液を生成する工程と、
    前記濾液を超純水で希釈して、前記必須ミネラル16種類のすべての無機物ミネラルが、前記比率量で混和し、イオン化して含まれる水溶液を調製する工程
    とを含むことを特徴とする殺菌用水溶液の製造方法。
  7. 無機物ミネラルのそれぞれが、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素二カリウム、塩化ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、亜塩素酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、亜鉛末、硫酸銅、硫酸マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン酸ソーダ、硫酸クロム、硫酸コバルトであることを特徴とする請求項に記載の殺菌用水溶液の製造方法。
  8. 白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理した電気分解処理硫酸水溶液を用意する工程と、
    必須ミネラル16種類の内、少なくとも一種の元素を含む無機物ミネラルを含むミネラル混和液を、各無機物ミネラル毎に独立に調製する工程と、
    前記電気分解処理硫酸水溶液に前記ミネラル混和液を加え、常圧にて加熱攪拌処理を繰り返す工程と、
    前記加熱攪拌処理をした溶液を、濾過処理して濾液を生成する工程と、
    前記濾液を超純水で希釈して、前記少なくとも一種の元素を含む無機物ミネラルがイオン化した殺菌用水溶液を調製する工程と、
    前記殺菌用水溶液をエチルアルコールで希釈する工程
    とを含むことを特徴とするアルコール殺菌液の製造方法。
  9. 白金を陰極及び陽極として、硫酸を電気分解処理した電気分解処理硫酸水溶液を用意する工程と、
    必須ミネラル16種類を含む無機物ミネラルを、生物の生体内に含有されているミネラルの含有比率に従った比率量に混和してミネラル混和液を調製する工程と、
    前記電気分解処理硫酸水溶液に前記ミネラル混和液を加え、常圧にて加熱攪拌処理を繰り返す工程と、
    前記加熱攪拌処理をした溶液を、濾過処理して濾液を生成する工程と、
    前記濾液を超純水で希釈して、前記必須ミネラル16種類のすべての無機物ミネラルが、前記比率量で混和し、イオン化して含まれる殺菌用水溶液を調製する工程と、
    前記殺菌用水溶液をエチルアルコールで希釈する工程
    とを含むことを特徴とするアルコール殺菌液の製造方法。
  10. 無機物ミネラルのそれぞれが、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素二カリウム、塩化ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、亜塩素酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、亜鉛末、硫酸銅、硫酸マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン酸ソーダ、硫酸クロム、硫酸コバルトであることを特徴とする請求項に記載のアルコール殺菌液の製造方法。
  11. 前記殺菌用水溶液に乳酸ナトリウムを混和させる工程を更に含むことを特徴とする請求
    8〜10のいずれか1項に記載のアルコール殺菌液の製造方法。
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