JP5472273B2 - マグネシウム複合材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
<マトリックス金属の作製>
マグネシウム、アルミニウム、および亜鉛の各インゴットを用意し、これらを表1に示したような化学成分となるように、700℃の溶解炉(50L)で溶融し、そこへ、アルミニウム箔で包んだカルシウム粉末を添加し、溶融および攪拌した後、冷却した。その結果、マグネシウム複合材に含まれるマトリックス金属としてのマグネシウム合金が作製された。その組成は、マグネシウム92wt%、アルミニウム6wt%、亜鉛1wt%、カルシウム1wt%であった。
上述のようにして得られたマグネシウム合金を、真空溶解炉(1L)に入れ、当該真空溶解炉を5×10-5torrの真空状態とした。その後、真空状態の炉空間部にアルゴンガスを入れ、大気圧と同等の不活性ガス雰囲気下とした。次いで、真空溶解炉の炉内温度を700℃まで上昇させ、マグネシウム合金を完全溶融状態とした。次いで、炉内温度を590℃付近まで冷却し、マグネシウム合金が固液共存状態となってその粘性が上昇したところへ、平均粒径75μmのシリカバルーンを添加し、攪拌した。当該シリカバルーンは中空構造を有し、その比重は0.6〜0.9である。その結果、平均粒径75μmの断熱性中空粒子を15vol%の濃度で含むマグネシウム複合材が作製された。マグネシウム複合材の組成は表1に掲げる。
上述のようにして得られたマグネシウム複合材の流動長を、図1に示すスパイラルフロー金型(フローパスの全長:1500mm、フローパスの幅:10mm、フローパスの厚さ:1.0mm)を用いて測定した。本測定におて、溶湯は、当該スパイラルフロー金型の中心に設けられた注入口2から金型出口3に向けて射出される。溶湯温度は、マトリックス金属である上述のマグネシウム合金の液相線温度より10〜30℃高温の650℃とし、金型温度は250℃、射出速度は2.0mm/secとした。その結果、本実施例のマグネシウム複合材の流動長は、438mmであった。この結果は表1に掲げる。
溶湯として上述のようにして得られたマグネシウム複合材を用い、金型として300×280×0.7mmの薄板の取れるものを用い、150トンのホットチャンバー型ダイカストマシンによってダイカスト成形を行った。このときの溶湯温度は、マトリックス金属である上述のマグネシウム合金の液相線温度の10〜30℃高温、即ち600〜650℃の範囲とし、金型温度は250℃、射出速度は2.0mm/secとした。その結果、良好な薄肉板を作成することができた。
シリカバルーン濃度15vol%を、10vol%(実施例2)または20vol%(実施例3)に変えた以外は、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材を作製した。そして、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材の流動長を測定した。マグネシウム複合材の組成および流動長測定の結果を表1に掲げる。
シリカバルーンの平均粒径75μmを、20μm(実施例4)または200μm(実施例5)に変えた以外は、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材を作製した。そして、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材の流動長を測定した。マグネシウム複合材の組成および流動長測定の結果を表1に掲げる。
シリカバルーン濃度15vol%を40vol%(実施例6,7,8)に変え、シリカバルーンの平均粒径75μmを、20μm(実施例6)、100μm(実施例7)、または200μm(実施例8)に変えた以外は、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材を作製した。そして、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材の流動長を測定した。マグネシウム複合材の組成および流動長測定の結果を表1に掲げる。
マグネシウム合金の作製においてCaを添加せず、シリカバルーンの平均粒径75μmを20μmに変えた以外は、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材を作製した。そして、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材の流動長を測定した。マグネシウム複合材の組成および流動長測定の結果を表1に掲げる。
マグネシウム合金の作製において最終濃度が3wt%となるようにCaを添加し、シリカバルーンの平均粒径75μmを20μmに変えた以外は、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材を作製した。そして、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材の流動長を測定した。マグネシウム複合材の組成および流動長測定の結果を表1に掲げる。
マグネシウム合金の作製において最終濃度が3wt%となるようにCaを添加した以外は、実施例7と同様の方法により、マグネシウム複合材を作製した。そして、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材の流動長を測定した。マグネシウム複合材の組成および流動長測定の結果を表1に掲げる。
マグネシウム合金の作製において最終濃度が9wt%となるようにAlを添加し、シリカバルーン濃度15vol%を20vol%に変え、シリカバルーンの平均粒径75μmを100μmに変えた以外は、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材を作製した。そして、実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材の流動長を測定した。マグネシウム複合材の組成および流動長測定の結果を表1に掲げる。
Caを添加しない以外は実施例1と同様にしてマグネシウム合金を作製し、当該マグネシウム合金について、シリカバルーンを添加しない状態で、実施例1と同様の方法により流動長を測定した。合金の組成および流動長測定の結果を表1に掲げる。
当該マトリックス金属中に含まれる断熱性粒子と、を備えることを特徴とする、マグネシウム複合材。
(付記2) 前記断熱性粒子は中空構造を有する、付記1に記載のマグネシウム複合材。
(付記3) 前記断熱性粒子は、ガラスまたはセラミック材料からなる、付記1または2に記載のマグネシウム複合材。
(付記4) 前記断熱性粒子は、5〜20vol%の濃度範囲で含まれている、付記1から3のいずれか1つに記載のマグネシウム複合材。
(付記5) 前記断熱性粒子は球形である、付記1から4のいずれか1つに記載のマグネシウム複合材。
(付記6) 前記断熱性粒子は、10〜100μmの平均粒径を有する、付記1から5のいずれか1つに記載のマグネシウム複合材。
(付記7) 前記マグネシウム合金は、アルミニウムを4〜8wt%、亜鉛を1〜6wt%、カルシウムを1〜2wt%の濃度範囲で含む、付記1から6のいずれか1つに記載のマグネシウム複合材。
(付記8) 付記1から7のいずれか1つに記載のマグネシウム複合材を用いて成形したことを特徴とする、電子機器筐体。
(付記9) マグネシウムまたはマグネシウム合金よりなるマトリックス金属を溶融する工程と、
真空中または不活性ガス中において、前記溶融されたマトリックス金属に対して断熱性粒子を添加する工程と、
前記断熱性粒子を前記マトリックス金属中に分散させる工程と、を含むことを特徴とする、マグネシウム複合材の製造方法。
(付記10) 前記断熱性粒子を前記マトリックス金属中に分散させる工程は、前記マトリックス金属の固液共存温度領域において攪拌により行う、付記9に記載のマグネシウム複合材の製造方法。
2 注入口
3 金型出口
Claims (4)
- マグネシウム合金よりなるマトリックス金属と、
当該マトリックス金属中に含まれるシリカバルーンと、を備えるマグネシウム複合材であって、
前記シリカバルーンは、75〜100μmの平均粒径を有するとともに、10〜40vol%の濃度範囲で含まれており、
前記マグネシウム合金は、アルミニウムを6wt%、亜鉛を1wt%、カルシウムを1〜3wt%の濃度で含むことを特徴とする、マグネシウム複合材。 - 請求項1に記載のマグネシウム複合材を用いて成形したことを特徴とする、電子機器筐体。
- アルミニウムを6wt%、亜鉛を1wt%、カルシウムを1〜3wt%の濃度で含むマグネシウム合金よりなるマトリックス金属を溶融する工程と、
真空中または不活性ガス中において、前記溶融されたマトリックス金属に対して75〜100μmの平均粒径を有するシリカバルーンを10〜40vol%の濃度範囲で添加する添加工程と、
前記マトリックス金属の固液共存温度領域において、攪拌により、前記シリカバルーンを前記マトリックス金属中に分散させる分散工程と、を含むことを特徴とする、マグネシウム複合材の製造方法。 - 前記マトリックス金属をいったん液相線温度を越える温度で完全溶融した後、前記固液共存温度領域として前記分散工程を行う、請求項3に記載のマグネシウム複合材の製造方法。
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