JP2003013155A - マグネシウム複合材およびその製造方法 - Google Patents

マグネシウム複合材およびその製造方法

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JP2003013155A
JP2003013155A JP2001194045A JP2001194045A JP2003013155A JP 2003013155 A JP2003013155 A JP 2003013155A JP 2001194045 A JP2001194045 A JP 2001194045A JP 2001194045 A JP2001194045 A JP 2001194045A JP 2003013155 A JP2003013155 A JP 2003013155A
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Noriyasu Aso
徳康 安曽
Kota Nishii
耕太 西井
Koichi Kimura
浩一 木村
Masanobu Ishizuka
賢伸 石塚
Takayuki Fujiwara
隆之 藤原
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた湯回り性を有して電子機器筐体などの
薄肉成形に適したマグネシウム複合材、およびその製造
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 マグネシウム複合材において、マグネシ
ウムまたはマグネシウム合金よりなるマトリックス金属
と、当該マトリックス金属中に含まれる断熱性粒子とを
備えることとした。好ましくは、断熱性粒子は中空構造
を有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウムまた
はマグネシウム合金をマトリックス金属として構成され
たマグネシウム複合材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノートパソコン等のモバイル電子機器の
筐体に対しては、高強度であること、CPU等から発生
する熱を効率良く発散すること、リサイクル性が良いこ
となどが要求される。そして、これらの要求に対処すべ
く、ノートパソコン等のモバイル電子機器には、従来の
樹脂筐体から、金属筐体が採用されるようになってき
た。電子機器用金属筐体は、ダイカスト法や半溶融射出
成形法などにより成形される。
【0003】一方、ノートパソコン等のモバイル電子機
器においては、小型化および軽量化が進んでいるとこ
ろ、電子機器の小型化および軽量化を達成するために
は、要素部品の小型化および軽量化が必要である。特
に、総重量の30%以上もの重量を有する場合のある金
属筐体の軽量化は重要である。
【0004】電子機器用金属筐体を構成する材料として
は、近年、マグネシウムを主成分とする合金が注目を集
めている。マグネシウムは、構造材として実用され得る
金属のうち最も比強度が大きいうえに、その放熱性がア
ルミニウムに匹敵する程に高いためである。
【0005】しかしながら、現在広く使用されているマ
グネシウム合金(例えば、AZ91D;アルミニウム:
9wt%、亜鉛:1重量%、残部:マグネシウム)は、
本来、大型かつ厚肉の自動車部品用途に開発されたもの
であり、その溶湯の流動性は一般的に低い傾向にある。
具体的には、従来のマグネシウム合金は、熱伝導率に優
れており、金型内へ射出されると急速に冷却され、その
結果、固相の成長などにより溶湯の粘性が上がり、成形
途中で溶湯が固化する場合が生じ得る。そして、薄肉で
成形を行うと、更にその凝固時間が短くなる。そのた
め、マグネシウム合金を溶湯に用いた例えばダイカスト
成形によって、小型で薄肉の電子機器筐体を成形する際
には、マグネシウム溶湯の低流動性に起因して、成形途
中での凝固、金型未充填、および鋳造割れなどの不良が
発生し、充分な成形性を得ることができない場合があ
る。
【0006】例えば特開平9―272945号公報に
は、従来のマグネシウム合金のこのような不具合を解消
することによって、マグネシウム合金の成形性を向上さ
せることを目的とする技術が開示されている。具体的に
は、アルミニウム合金の組成を、アルミニウム2〜6w
t%、カルシウム0.5〜4wt%、Ca/Al比0.
8以上とし、当該マグネシウム合金を用いて半溶融射出
成形すると、マグネシウム合金であっても、その成形性
が向上するとされている。ここで、半溶融射出成形と
は、固相と液相が混在した状態の金属材料を用いて射出
成形を行う技術をいう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法によっても、ノートパソコン筐体などに要求さ
れる1mm以下の肉厚を有する製品を成形する場合に
は、マグネシウム合金の流動性は依然として充分なもの
でなく、金型未充填、鋳造割れ、および金型への貼り付
き等の問題が発生し得る。
【0008】一方、金型温度を上げることや成形温度を
上げることなどにより、マグネシウム合金の見かけの流
動性を向上することも考え得るが、これらの方法は、成
形装置への負担が大きく、好ましくない。例えば特開平
11―77240号公報に開示されているように、金型
表面材料に低熱伝導率の部位を設けることによって、溶
湯の冷却速度遅らせる手段も、理論上採用し得るが、金
型構造が複雑となり、コストアップを招来するという問
題がある。
【0009】また、一般のマグネシウム合金の組成で大
きな割合を占めるアルミニウムおよび亜鉛の組成比を増
加させて、当該合金の液相線温度と固相線温度とを共に
低下させることによって、マグネシウム合金の流動性を
向上させることも考え得る。しかしながら、このような
構成によると、材料自体は脆化することが確認されてお
り、タッピングなどの後加工や組み立て工程の際に、成
形品が破損してしまうおそれが増大し、好ましくない。
【0010】本発明は、このような事情のもとで考え出
されたものであって、以上に述べた問題点を解消ないし
軽減することを課題とし、充分な湯回り性を有して電子
機器筐体などの薄肉成形に適したマグネシウム複合材、
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面によ
ると、マグネシウム複合材が提供される。このマグネシ
ウム複合材は、マグネシウムまたはマグネシウム合金よ
りなるマトリックス金属と、当該マトリックス金属中に
含まれる断熱性粒子と、を備えることを特徴とする。
【0012】このような構成によると、優れた湯回り性
を有して、電子機器筐体などの薄肉成形に適したマグネ
シウム複合材となる。具体的には、断熱性粒子が、マト
リックス金属としてのマグネシウムまたはマグネシウム
合金の中に含まれることにより、ダイカスト成形やその
他の鋳造技術において、溶湯として用いられる本発明に
係るマグネシウム複合材の蓄熱性が向上する。その結
果、当該複合材の、金型内における湯回り性ないし流動
長が向上する。したがって、本発明のマグネシウム複合
材を用いると、マグネシウム製またはマグネシウム合金
製の電子機器筐体などにおいて、良好な薄肉化を達成す
ることが可能となるのである。
【0013】本発明では、マトリックス金属として、マ
グネシウムまたはマグネシウム合金を用いるところ、マ
グネシウム合金としては、例えば、Mg−Al合金、M
g−Al−Zn合金、Mg−Al−Mn合金、Mg−Z
n−Zr合金、Mg−希土類元素合金、Mg−Zn−希
土類元素合金を用いることができる。より具体的には、
AZ91D合金、AZ31合金、ZK61合金、AE4
2合金、ZE41合金などを用いることができる。マグ
ネシウム合金を用いる場合、好ましい実施の形態では、
当該合金は、アルミニウムを4〜9wt%、亜鉛を1〜
6wt%、カルシウムを1〜2wt%の濃度範囲で含
む。より好ましくは、マグネシウム合金は、マンガン
を、耐腐食性の観点より0.17wt%以上の濃度で含
み、銅を0.025wt%以下、鉄を0.004wt%
以下、Niを0.001wt%以下の濃度に抑えられて
いる。
【0014】本発明で用いる断熱性粒子としては、例え
ば、ガラスまたはセラミック材料などの非金属無機物質
からなる粒子を用いることができる。より具体的には、
シリカ、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素などを用い
ることができる。好ましくは、断熱性粒子は、上述のよ
うな非金属無機物質製であって、熱伝導率が0.1kc
al/mh℃以下のものを用いる。断熱性粒子は、球形
であり、マグネシウム複合材中に5〜20vol%の濃
度範囲で含まれているのが好ましい。そして、断熱性粒
子の平均粒径は、10〜100μmの範囲が好ましい。
【0015】好ましい実施の形態では、断熱性粒子は中
空構造を有する。ここで中空構造とは、各粒子の内部に
独立気泡が形成されている構造をいうものとする。断熱
性粒子として中空構造を有するものを用いると、当該中
空構造に基づく断熱機能によって、当該断熱性粒子の断
熱性が担保される。これに加えて、成形品の軽量化を図
ることができるという利益も得られる。成形品の軽量化
は、電子機器筐体などにおいて、好適である。
【0016】本発明の第2の側面によると、マグネシウ
ム複合材の製造方法が提供される。この方法は、マグネ
シウムまたはマグネシウム合金よりなるマトリックス金
属を溶融する工程と、真空中または不活性ガス中におい
て、溶融されたマトリックス金属に対して断熱性粒子を
添加する工程と、断熱性粒子をマトリックス金属中に分
散させる工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】このような構成によると、本発明の第1の
側面に係るマグネシウム複合材を製造することができる
か、或いは、ダイカスト成形などによりマグネシウム複
合材製の電子機器筐体などを作製することができる。し
たがって、本発明の第2の側面によっても、第1の側面
に関して上述したのと同様の効果が奏される。
【0018】好ましい実施の形態では、断熱性粒子を添
加および分散させる工程は、マトリックス金属の固液共
存温度領域、即ち、マトリックス金属の温度を低下させ
ることによりマトリックス金属に粘性を付与した状態
で、マトリックス金属を攪拌することによって行われ
る。このような構成によると、粘性を付与されたマトリ
ックス金属が、マトリックス金属中における断熱性粒子
の自発的な沈降または浮上を抑制することができ、断熱
性粒子のマトリックス金属中での分散を担保することが
可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態について具体的に説明する。
【0020】マグネシウム複合材に含まれるマトリック
ス金属の作製に際しては、マグネシウム合金の各成分毎
にインゴットを用意し、目的とする組成比となるよう
に、これらを溶解炉ないし坩堝に入れて、加熱し、当該
合金を完全溶融する。その後、これを冷却し、所望組成
のマトリックス金属であるマグネシウム合金が作製され
る。
【0021】合金の組成は、最終的に肉厚1mm以下の
筐体を作製する場合における溶湯の流動性の向上を図る
上では、例えばAZ91Dを基準とすると、アルミニウ
ム比率を増大させるのがよい。一方、成形品に施すゲー
トカットやタッピングなどの後加工の際に、割れなどの
不良発生頻度を低減するという観点からは、アルミニウ
ム濃度は4〜9wt%の範囲であることが望ましい。ま
た、マグネシウム合金に亜鉛を含有させる場合には、亜
鉛濃度は、耐食性および成形品強度を確保する観点から
は、1〜6wt%の範囲が望ましい。
【0022】次いで、このようにして得られたマトリッ
クス金属を、溶解炉ないし坩堝内で、真空中、または、
アルゴンなどの不活性ガス下での非酸化条件下におい
て、その液相線温度を越える高温にて、完全溶融する。
このような非酸化条件下でマトリックス金属を溶融する
ことにより、溶融マトリックス金属表面に酸化膜が形成
されるのを抑制することができる。また、マトリックス
金属に含まれるマグネシウムが燃焼してしまうのを回避
することもできる。
【0023】次いで、溶解炉温度を、マトリックス金属
の液相線温度以下であって固相線温度以上とすることに
よって、マトリックス金属に対して粘性を付与する。こ
の状態で、断熱性中空粒子を、溶融マトリックス金属に
添加する。添加後、マトリックス金属であるマグネシウ
ム合金中において断熱性粒子が均一に分散するのを担保
するため、攪拌する。これら一連の工程も、引き続き、
非酸化条件下で行う。断熱性中空粒子を添加する前にマ
トリックス金属に粘性を付与しておくことにより、断熱
性中空粒子の比重が小さい場合には当該粒子の過剰な浮
上を抑制することができる。
【0024】断熱性中空粒子は、鋳造時のマグネシウム
合金の溶湯温度である例えば600℃以上で溶けないこ
と、及び、マグネシウムやアルミニウムなどの軽金属の
比重より小さい比重を有することの観点からは、シリカ
バルーンなどが好ましいと考えられる。シリカバルーン
は、これらの特性を満たしつつ、マグネシウムやアルミ
ニウムと比較して熱伝導率が小さく、中空構造をとり得
るからである。
【0025】また、断熱性中空粒子の形状は、溶湯の内
部流動抵抗の低減および応力集中の緩和の観点より、球
状であることが好ましい。また、マトリックス金属にカ
ルシウムを添加することにより、マトリックス金属の主
成分であるマグネシウムと断熱性中空粒子との濡れ性が
向上し、その結果、最終的に得られるマグネシウム複合
材において、著しい強度の低下を回避することができ
る。良好な濡れ性向上を達成しつつ、金型と成形品の貼
り付きを抑制するという観点からは、カルシウム添加量
は、0.5〜2.0wt%の範囲であることが望まし
い。また、添加されるカルシウムは、複合材に含まれる
マグネシウムが燃焼するのを抑制するという効果も有す
る。
【0026】断熱性中空粒子のサイズは、肉厚1ミリ以
下の筐体を成形する場合には、より小さい方が好まし
い。この事実とともに、断熱性中空粒子のマトリックス
金属における良好な分散性を考慮すると、断熱性中空粒
子の平均粒径は、例えば10〜100μmの範囲である
ことが好ましい。また、その添加量については、成形品
の軽量化を達成しつつ過剰な強度低下を回避したい場合
には、5〜20wt%の濃度範囲で添加するのが好まし
い。
【0027】次いで、このようにして得られたマグネシ
ウム複合材を溶湯に用いて、電子機器筐体などの成形品
を鋳造する。鋳造方法としては、一般的な金属の鋳造方
法である重力鋳造およびダイカスト法、または、半溶融
射出成形法などを用いることができる。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例について比較例ととも
に説明する。
【0029】
【実施例1】<マトリックス金属の作製>マグネシウ
ム、アルミニウム、および亜鉛の各インゴットを用意
し、これらを表1に示したような化学成分となるよう
に、700℃の溶解炉(50L)で溶融し、そこへ、ア
ルミニウム箔で包んだカルシウム粉末を添加し、溶融お
よび攪拌した後、冷却した。その結果、マグネシウム複
合材に含まれるマトリックス金属としてのマグネシウム
合金が作製された。その組成は、マグネシウム92wt
%、アルミニウム6wt%、亜鉛1wt%、カルシウム
1wt%であった。
【0030】<マグネシウム複合材の作製>上述のよう
にして得られたマグネシウム合金を、真空溶解炉(1
L)に入れ、当該真空溶解炉を5×10-5torrの真
空状態とした。その後、真空状態の炉空間部にアルゴン
ガスを入れ、大気圧と同等の不活性ガス雰囲気下とし
た。次いで、真空溶解炉の炉内温度を700℃まで上昇
させ、マグネシウム合金を完全溶融状態とした。次い
で、炉内温度を590℃付近まで冷却し、マグネシウム
合金が固液共存状態となってその粘性が上昇したところ
へ、平均粒径75μmのシリカバルーンを添加し、攪拌
した。当該シリカバルーンは中空構造を有し、その比重
は0.6〜0.9である。その結果、平均粒径75μm
の断熱性中空粒子を15vol%の濃度で含むマグネシ
ウム複合材が作製された。マグネシウム複合材の組成は
表1に掲げる。
【0031】<流動長測定>上述のようにして得られた
マグネシウム複合材の流動長を、図1に示すスパイラル
フロー金型(フローパスの全長:1500mm、フロー
パスの幅:10mm、フローパスの厚さ:1.0mm)
を用いて測定した。本測定におて、溶湯は、当該スパイ
ラルフロー金型の中心に設けられた注入口2から金型出
口3に向けて射出される。溶湯温度は、マトリックス金
属である上述のマグネシウム合金の液相線温度より10
〜30℃高温の650℃とし、金型温度は250℃、射
出速度は2.0mm/secとした。その結果、本実施
例のマグネシウム複合材の流動長は、438mmであっ
た。この結果は表1に掲げる。
【0032】<ダイカスト成形>溶湯として上述のよう
にして得られたマグネシウム複合材を用い、金型として
300×280×0.7mmの薄板の取れるものを用
い、150トンのホットチャンバー型ダイカストマシン
によってダイカスト成形を行った。このときの溶湯温度
は、マトリックス金属である上述のマグネシウム合金の
液相線温度の10〜30℃高温、即ち600〜650℃
の範囲とし、金型温度は250℃、射出速度は2.0m
m/secとした。その結果、良好な薄肉板を作成する
ことができた。
【0033】
【実施例2、実施例3】シリカバルーン濃度15vol
%を、10vol%(実施例2)または20vol%
(実施例3)に変えた以外は、実施例1と同様の方法に
より、マグネシウム複合材を作製した。そして、実施例
1と同様の方法により、マグネシウム複合材の流動長を
測定した。マグネシウム複合材の組成および流動長測定
の結果を表1に掲げる。
【0034】
【実施例4、実施例5】シリカバルーンの平均粒径75
μmを、20μm(実施例4)または200μm(実施
例5)に変えた以外は、実施例1と同様の方法により、
マグネシウム複合材を作製した。そして、実施例1と同
様の方法により、マグネシウム複合材の流動長を測定し
た。マグネシウム複合材の組成および流動長測定の結果
を表1に掲げる。
【0035】
【実施例6、実施例7、実施例8】シリカバルーン濃度
15vol%を40vol%(実施例6,7,8)に変
え、シリカバルーンの平均粒径75μmを、20μm
(実施例6)、100μm(実施例7)、または200
μm(実施例8)に変えた以外は、実施例1と同様の方
法により、マグネシウム複合材を作製した。そして、実
施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材の流動
長を測定した。マグネシウム複合材の組成および流動長
測定の結果を表1に掲げる。
【0036】
【実施例9】マグネシウム合金の作製においてCaを添
加せず、シリカバルーンの平均粒径75μmを20μm
に変えた以外は、実施例1と同様の方法により、マグネ
シウム複合材を作製した。そして、実施例1と同様の方
法により、マグネシウム複合材の流動長を測定した。マ
グネシウム複合材の組成および流動長測定の結果を表1
に掲げる。
【0037】
【実施例10】マグネシウム合金の作製において最終濃
度が3wt%となるようにCaを添加し、シリカバルー
ンの平均粒径75μmを20μmに変えた以外は、実施
例1と同様の方法により、マグネシウム複合材を作製し
た。そして、実施例1と同様の方法により、マグネシウ
ム複合材の流動長を測定した。マグネシウム複合材の組
成および流動長測定の結果を表1に掲げる。
【0038】
【実施例11】マグネシウム合金の作製において最終濃
度が3wt%となるようにCaを添加した以外は、実施
例7と同様の方法により、マグネシウム複合材を作製し
た。そして、実施例1と同様の方法により、マグネシウ
ム複合材の流動長を測定した。マグネシウム複合材の組
成および流動長測定の結果を表1に掲げる。
【0039】
【実施例12】マグネシウム合金の作製において最終濃
度が9wt%となるようにAlを添加し、シリカバルー
ン濃度15vol%を20vol%に変え、シリカバル
ーンの平均粒径75μmを100μmに変えた以外は、
実施例1と同様の方法により、マグネシウム複合材を作
製した。そして、実施例1と同様の方法により、マグネ
シウム複合材の流動長を測定した。マグネシウム複合材
の組成および流動長測定の結果を表1に掲げる。
【0040】
【比較例1】Caを添加しない以外は実施例1と同様に
してマグネシウム合金を作製し、当該マグネシウム合金
について、シリカバルーンを添加しない状態で、実施例
1と同様の方法により流動長を測定した。合金の組成お
よび流動長測定の結果を表1に掲げる。
【0041】
【表1】
【0042】以下、本発明の構成をそのバリエーション
とともに付記として記載する。
【0043】(付記1) マグネシウムまたはマグネシ
ウム合金よりなるマトリックス金属と、当該マトリック
ス金属中に含まれる断熱性粒子と、を備えることを特徴
とする、マグネシウム複合材。 (付記2) 前記断熱性粒子は中空構造を有する、付記
1に記載のマグネシウム複合材。 (付記3) 前記断熱性粒子は、ガラスまたはセラミッ
ク材料からなる、付記1または2に記載のマグネシウム
複合材。 (付記4) 前記断熱性粒子は、5〜20vol%の濃
度範囲で含まれている、付記1から3のいずれか1つに
記載のマグネシウム複合材。 (付記5) 前記断熱性粒子は球形である、付記1から
4のいずれか1つに記載のマグネシウム複合材。 (付記6) 前記断熱性粒子は、10〜100μmの平
均粒径を有する、付記1から5のいずれか1つに記載の
マグネシウム複合材。 (付記7) 前記マグネシウム合金は、アルミニウムを
4〜8wt%、亜鉛を1〜6wt%、カルシウムを1〜
2wt%の濃度範囲で含む、付記1から6のいずれか1
つに記載のマグネシウム複合材。 (付記8) 付記1から7のいずれか1つに記載のマグ
ネシウム複合材を用いて成形したことを特徴とする、電
子機器筐体。 (付記9) マグネシウムまたはマグネシウム合金より
なるマトリックス金属を溶融する工程と、真空中または
不活性ガス中において、前記溶融されたマトリックス金
属に対して断熱性粒子を添加する工程と、前記断熱性粒
子を前記マトリックス金属中に分散させる工程と、を含
むことを特徴とする、マグネシウム複合材の製造方法。 (付記10) 前記断熱性粒子を前記マトリックス金属
中に分散させる工程は、前記マトリックス金属の固液共
存温度領域において攪拌により行う、付記9に記載のマ
グネシウム複合材の製造方法。
【0044】
【発明の効果】本発明によると、マグネシウムまたはマ
グネシウム合金よりなるマトリックス金属に対して断熱
性粒子を添加することにより、その流動性が向上する。
その結果、当該複合材を用いて良好な薄肉電子機器筐体
などを成形することが可能となる。また、断熱性粒子と
して中空構造を有するものを使用する場合には、成形体
の軽量化にも資することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】流動長測定に用いたスパイラルフロー金型の模
式図である。
【符号の説明】
1 スパイラルフロー金型 2 注入口 3 金型出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 浩一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 石塚 賢伸 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 藤原 隆之 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 4K020 AA25 AC02 BB22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウムまたはマグネシウム合金よ
    りなるマトリックス金属と、 当該マトリックス金属中に含まれる断熱性粒子と、を備
    えることを特徴とする、マグネシウム複合材。
  2. 【請求項2】 前記断熱性粒子は中空構造を有する、請
    求項1に記載のマグネシウム複合材。
  3. 【請求項3】 前記断熱性粒子は、ガラスまたはセラミ
    ック材料からなる、請求項1または2に記載のマグネシ
    ウム複合材。
  4. 【請求項4】 マグネシウムまたはマグネシウム合金よ
    りなるマトリックス金属を溶融する工程と、 真空中または不活性ガス中において、前記溶融されたマ
    トリックス金属に対して断熱性粒子を添加する工程と、 前記断熱性粒子を前記マトリックス金属中に分散させる
    工程と、を含むことを特徴とする、マグネシウム複合材
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記断熱性粒子を前記マトリックス金属
    中に分散させる工程は、前記マトリックス金属の固液共
    存温度領域において攪拌により行う、請求項4に記載の
    マグネシウム複合材の製造方法。
JP2001194045A 2001-06-27 2001-06-27 マグネシウム複合材およびその製造方法 Pending JP2003013155A (ja)

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