JP2002317236A - マグネシウム合金成形材料、その製法および成型品の製造方法 - Google Patents

マグネシウム合金成形材料、その製法および成型品の製造方法

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JP2002317236A JP2001154644A JP2001154644A JP2002317236A JP 2002317236 A JP2002317236 A JP 2002317236A JP 2001154644 A JP2001154644 A JP 2001154644A JP 2001154644 A JP2001154644 A JP 2001154644A JP 2002317236 A JP2002317236 A JP 2002317236A
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Taku Kono
卓 河野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マグネシウム合金の半溶融成形に適した成形材
料を提供する。 【解決手段】マグネシウム合金のインゴットもしくは板
を、またはこれをチッピングして得た微細粒径の成形材
料を400〜530℃の温度で10時間以上加熱処理
し、引き続いて200℃内外の温度で時効硬化処理を
し、材料中のα相結晶粒径を10ミクロン内外に小さく
した半溶融射出成形材料およびその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマグネシウム合金の半溶
融成形に用いる成形材料とその製法、およびそれを用い
た成型品の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウムは実用金属中で最も軽く、
古くから鋳造、ダイキャストなどの方法で製造利用され
ていたが錆びる、燃えるなどの欠点のため大きな使用量
には発展しなかった。しかし近年は軽量材料としての他
に比強度、振動吸収性、放熱性、寸法安定性、電磁遮蔽
性などの優れた性能が見直され、更には公害につながら
ない、省エネに結びつく、など地球環境の面からも特に
注目されている軽量材料である。一方で成形方法におい
ても進歩があり、従来品よりも薄い膜厚製品が製造可能
なチクソ法とも呼称される半溶融射出成形法が各所で採
用される様になってきた。
【0003】半溶融成形法は固体状態の材料が5〜40
%残っている固液混合状態で、強力な攪拌せん断力を与
えて流動性を高め射出成形する方法で、ダイキャスト法
などに比べて低温で成形でき、かつポロシティが少な
く、延性に富み、高い剛性と強度を持つ成型品が得られ
るとされている成形法である。しかし実際に半溶融成形
法で成型した場合、期待された剛性や強度が発現しない
場合がしばしば生じる。
【0004】マグネシウム合金を半溶融成形法で成形す
る場合には通常、同合金のインゴットもしくは円盤状に
加工された合金板からチッピングと呼ばれる方法などで
約1〜10mm程度の微粒子に加工した材料が用いられ
るが、この時最初に使用される原料合金は溶融状態の合
金を型(砂型など)に注入した後、自然に冷却するのを
待って取り出すため冷却時間がまちまちで、かつ多くの
場合は徐冷の形となるため同合金中のマグネシウム初晶
(α相)は100ミクロン以上の大きなものとなってお
り、且つ不揃いである。これは特別の処理を施さない限
り成形材料に加工した後もこの大きさで残っているのが
普通である。半溶融射出成形においてはこれが最終成型
品中の結晶粒子が大きかったり不揃いだったりする原因
となり期待する性能の発現が出来ないでいる。一方、成
型品中の結晶粒径が小さいと引っ張り強度、伸び率、耐
力などが向上することは知られており、鋳型成形する場
合に800℃以上に処理する過熱処理を施したり、型に
注入後の冷却速度を早くするなどの処理によって結晶粒
子が50ミクロン程度まで小さくなることが知られてい
る。また、半溶融成形においては成形材料を固液共存状
態で激しく攪拌し、デンドライドと呼ばれる樹枝状の結
晶を極力少なくする工夫や、射出成形機への投入前に合
金を一旦完全溶融し、これを若干降温させながら半溶融
状態として成形機に導入し所期の特性を発現させる工夫
などがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】半溶融成形法において
は成形材料として使用するマグネシウム合金の結晶構造
の変動が成型品の性能に大きく影響することを突き止
め、所定の性能が再現性良く高度に発現するための手段
を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はアルミニウム、
亜鉛、ジルコニウム、もしくは銀などを含有するマグネ
シウム合金からなり、大きさが1〜10mmの範囲にあ
る半溶融射出成形用の材料であって、該材料中のα相結
晶粒子の大部分が5〜20ミクロンの範囲にある事を特
徴としている。また本発明は同上合金のインゴットまた
はチッピング用に加工された円盤を400〜530℃で
3時間以上溶体化処理し、好ましくは溶体化処理の後に
150〜250℃で時効硬化処理を施し、これをチッピ
ング等によって半溶融成形用の成形材料とする製法であ
り、更にはこれを用いて半溶融状態で射出成形加工し、
マグネシウム合金成型品を得る方法である。或いは同合
金のインゴットまたは円盤状板をチッピング加工して1
〜10mm程度に微細化し、これを400〜530℃で
溶体化処理し、好ましくはこれを前記の温度で時効硬化
処理をする成形材料の製法とこれを用いた半溶融射出成
形法である。
【0007】以下に本発明の技術内容について詳しく説
明する。本発明で使用されるマグネシウム合金はAZ6
3、AZ91、AZ92,AM50、AM60、ZK5
1,ZK61,EZ33、QE22,ZE41などの様
にアルミニウム、亜鉛、ジルコニウムまたは銀などが少
し入ったものが用いられる。これらのマグネシウム合金
は通常インゴット化または円盤状に加工されており、そ
の中の結晶粒径(α相=マグネシウムの初晶)は通常1
00ミクロン以上となっている。これを400〜530
℃で3時間以上、好ましくは10〜30時間溶体化処理
を施すとβ相と呼ばれるマグネシウムと他の金属との化
合物がα相中に分散する。適切な溶体化の温度は合金中
に含まれる金属の種類と量によって変化する。アルミニ
ウム含有合金の場合は400〜430℃が適当で、マグ
ネシウムとアルミニウムとの金属間化合物がα相中に分
散し固溶体化が行われる。アルミニウムを含有しないそ
の他の合金の場合は470〜530℃が適当である。こ
の処理の後に徐冷するか150〜250℃で数時間放置
するとβ相がα相から析出してくる。この操作によって
最初100ミクロン以上もあったα相結晶の大きさは5
〜20ミクロン程度に小さくなる。先に述べた過熱処理
や、徐冷の方法による微結晶化処理ではこの様に小さく
することが出来ない。
【0008】このような微小結晶を持つ成形材料を用い
た半溶融成形においては成型品中にそのまま微小結晶が
残存するので大変有利である。微小化されたα相結晶を
含む成形材料を半溶融状態として成形する場合、溶融し
てない固体比率(固相率)は10〜50%程度が適当で
ある。固相率は成形できる流動性さえ保てるなら高けれ
ば高いほど好ましい。これは固体比率が多いほど収縮率
が小さいので金型設計は容易になるし、製品の寸法安定
性も向上する為である。しかし、この流動性は固相率に
大きく左右され、或る段階から急速に粘性が高くなる傾
向を持つ。さらにこの流動性はα相結晶粒径の大小にも
影響を受け、それが小さいほど固相率を高くできる。半
溶融成形において固体状態として存在する結晶はすべて
α相であり、β相は溶融状態になっている。このため成
形材料中のα相結晶粒径が大きいと半溶融状態であって
もその結晶粒径は大きく、流動性が悪い。結果的に高温
成形が必要になり固相率も小さくならざるを得ない。一
方成形材料中のα相結晶粒径が小さいと固相率が高くて
もスムーズに流動性を確保できるのでより低温での成形
が可能となり、得られた成形品の寸法安定性が高く、引
っ張り強度、伸び率なども向上する。
【0009】以下に実施例で本発明を具体的に説明す
る。
【実施例】市販のAZ91Dと呼ばれるマグネシウム合
金を410℃で16時間加熱処理し、その後215℃で
4時間時効硬化処理したものをチッピングによって平均
3mmの微粒径状にした。このものの光学顕微鏡写真に
よる結晶構造の測定で殆どが約5〜10ミクロンの極め
て微細なα相結晶粒径を持っていることが観察された。
なお、本発明の処理前のマグネシウム合金の結晶構造は
100〜200ミクロンであり、本発明の溶体化処理に
より結晶粒径が著しく小さくなっていることが判る。こ
の材料を用いて日本製鋼所製射出成形機を用いて580
〜595℃で半溶融成形法で成型品を製造した。この時
の金型内へ射出する際の固相率はおよそ20%で比較的
高かったが、完全液相と余り変わらない流動性が得られ
た。本発明の加熱処理をしない材料を使った場合は固相
率を7%程度にしないと同様の流動性が得られなかっ
た。
【0010】別の実施態様として、実施例1と同じAZ
91Dをまずチッピングで約3mm程度の微細粒子とし
た後、410℃で16時間、引き続き215℃で4時間
熱処理し、同様にして結晶粒径を観察したところ、上記
と同じ殆どが5〜10ミクロンの範囲にある結晶粒子が
観察された。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、マグネシウム合金の半
溶融成形が低温でかつ固相率を高くした状態で可能とな
り、その結果、寸法安定性の良い、強度および伸び率の
向上した成型品を得ることが出来る効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 611 C22F 1/00 611 681 681 682 682 691 691B 691C 694 694B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネシウム合金からなり、α相結晶粒子
    の大きさが5〜20ミクロンで、長さおよび径が1〜1
    0mmの範囲にある半溶融射出成形用の成形材料
  2. 【請求項2】アルミニウム、亜鉛、ジルコニウムもしく
    は銀などを含有するマグネシウム合金のインゴットもし
    くは合金板を400〜530℃で溶体化処理し、これを
    1〜10mmの成形材料に加工することを特徴とする半
    溶融射出成形用マグネシウム合金成形材料の製法
  3. 【請求項3】アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、もし
    くは銀などを含有するマグネシウム合金のインゴットも
    しくは合金板を1〜10mmに加工した成形材料を40
    0〜530℃で溶体化処理することを特徴とする半溶融
    射出成形用マグネシウム合金成形材料の製法。
  4. 【請求項4】溶体化処理の時間が3〜30時間であるこ
    とを特徴とする請求項2または3の製法
  5. 【請求項5】アルミニウムの含有量が5〜12%である
    マグネシウム合金を用いて溶体化処理の温度を400〜
    430℃とすることを特徴とする請求項2または3の製
    造方法
  6. 【請求項6】400〜530℃での溶体化処理の後、1
    50〜250℃で時効硬化処理を施す事を特徴とする請
    求項2,3,4,または5の製法
  7. 【請求項7】アルミニウム、亜鉛、ジルコニウムもしく
    は銀などを含有するマグネシウム合金のインゴットもし
    くは合金板を400〜530℃で溶体化処理し、これを
    1〜10mmの成形材料に加工し、これを用いて半溶融
    状態で射出成形することを特徴とするマグネシウム合金
    成型品の製造方法
  8. 【請求項8】アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、もし
    くは銀などを含有するマグネシウム合金のインゴットも
    しくは合金板を1〜10mmの大きさに加工した成形材
    料を400〜530℃で溶体化処理し、半溶融状態で射
    出成形することを特徴とするマグネシウム合金成型品の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100424216C (zh) * 2006-10-14 2008-10-08 重庆工学院 一种用于Mg-Al系铸造镁合金热处理强化的固溶处理方法
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