JP5471839B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、主として変圧器や発電器の鉄心等に用いられる低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法に関し、具体的には、移行型のプラズマアークを用いて磁区細分化処理を施す低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
Siを含有し、かつ二次再結晶して結晶方位が(110)[001]方位(Goss方位)に高度に配向した方向性電磁鋼板は、優れた軟磁気特性を有することから、商用周波数帯域で使用される各種鉄芯材料として広く用いられている。斯かる用途に用いられる方向性電磁鋼板に要求される磁気特性としては、鉄損が低いこと、具体的には50Hzの周波数で1.7Tに磁化したときの鉄損W17/50(W/kg)が低いことが挙げられる。
また、変圧器の励磁電流を低減する観点からは、結晶方位の優劣を表す磁束密度が高いことも求められており、具体的には、800A/mで磁化したときの磁束密度B(T)が高いことが挙げられる。一般に、鉄損はヒステリシス損と渦電流損の和として表されるが、磁束密度の高い方向性電磁鋼板は、ヒステリシス損が小さく、鉄損特性にも優れていることが多い。
ところで、方向性電磁鋼板のヒステリシス損は、二次再結晶粒の結晶方位が(110)[001]に高度に配向するほど小さくなるが、それに伴って、二次再結晶粒径も粗大化するため、磁区幅が大きくなり、鉄損のもう一つの主因である渦電流損が増大するようになる。そのため、(110)[001]への配向度を極限まで高めたとしても、鉄損はそれほど改善されないという問題があった。
そこで、この問題を打破する技術として、高度に配向した方向性電磁鋼板の磁区を細分化して、鉄損を向上させる各種の技術が開発され、提案されている。例えば、特許文献1には、仕上焼鈍した二次再結晶後の鋼板表面に冷間圧延方向と直角方向に押圧することによって線状の微小歪を導入し磁区細分化する方法が、また、特許文献2には、同鋼板表面上にレーザービーム(光)を照射して線状の微小歪を導入し磁区細分化する方法が、また、特許文献3には、プラズマ炎(プラズマジェット)を放射して磁区細分化する方法等が開示されている。
特公昭58−005968号公報 特公昭57−002252号公報 特公平07−072300号公報
しかしながら、押圧により微小歪を導入する特許文献1の方法は、押圧によって鋼板の裏面に凸部が生じるため、占積率が低下するという問題がある。また、レーザー光を照射する特許文献2の方法は、レーザー光処理装置が高価で、励起用ランプの寿命が短く、また、エネルギー効率という観点からは変換効率が悪いという欠点があり、基本的には高コストな方法である。
また、プラズマ炎を放射する特許文献3の方法は、「非移行型」のプラズマジェットを用いる方法であり、具体的には、プラズマトーチ内のタングステンなどからなる電極を陰極とし、トーチ自体を陽極として両電極間にアーク放電を起こさせ、トーチ内部でArガス等の作動ガスをプラズマ化し、このプラズマ化したガスをジェット状にして鋼板に噴射させることで、プラズマ炎が放射された部分を磁気的に硬質化して磁区細分化する技術である。しかし、この方法は、プラズマジェットの放射距離が高々0.5mm程度でしかなく、照射幅の制御も難しいという欠点がある。しかも、この方法は、プラズマトーチ自体が陽極となるため、プラズマ放電による熱損傷が大きく、トーチの交換を頻繁に行わなければならないという問題点を抱えている。
ところで、プラズマには、アークの発生位置の違いから、前述したような「非移行型」と、プラズマトーチ内部のタングステンなどからなる電極を陰極とし、加工対象である鋼板を陽極とし、その間でアーク放電を起こし、そこに作動ガスを噴出することでプラズマアークを形成する「移行型」とがある。移行型は、加工対象が金属に限られるが、非移行型に比べて伝達熱量が大きいため、切断や溶接に広く用いられている。
なお、特許文献3には、磁区細分化に用いるプラズマ炎の放射は、移行型でも非移行型でもよいことが記載されているが、従来の移行型のプラズマアークを、そのまま電磁鋼板の磁区細分化処理に適用した場合には、絶縁被膜の破壊を伴うため、飛び飛びで不連続・不均一な放電痕しか得られず、十分な磁区細分化効果を得ることは難しい。
しかし、特許文献3で用いている非移行型のプラズジェットは、伝達熱量が小さいだけでなく、ジェットガスでプラズマ炎を引き出しているだけであるため、エネルギー効率も非常に低いという欠点を有している。これに対して、移行型のプラズマアークは、直接、アーク電流が鋼板に流れるため、エネルギー効率が高く、磁区細分化効果にも優れているので、磁区細分化には、移行型のプラズマアークを用いるのが好ましい。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、放電痕の制御性を大幅に向上させた移行型のプラズマアークを用いて磁区細分化処理することにより、鉄損低減効果を大幅に向上させた低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法を提案することにある。
発明者らは、移行型プラズマアークにおける上述した問題点を解決するべく、鋭意検討を重ねた。その結果、移行型プラズマアークの問題点は、プラズマ化したガス(プラズマガス)が安定であると、絶縁被膜の破壊には有利であるが、一度アーク電流が流れ始めると、放電が安定であるが故に次の位置での放電に移行し難くなるため、飛び飛びで不均一な放電を起こすようになり、生ずる放電痕も飛び飛びで不均一となってしまうことが明らかとなった。そして、これを防止するには、トーチ先端から噴出するプラズマガスに対して、その周囲を取り囲むようにプラズマ化していないガス(希釈ガス)を適正量噴出し、拡がりを持つプラズマガスの周辺部を希釈し、中心部分のみでアーク放電を生じさせるようにしてやることが有効であること、そして、上記希釈条件を適正化することで、絶縁コーティングを有する鋼板に対しても、磁区細分化効果を発現できる程度に放電痕を小さくし、かつ連続とみなせる程度に放電間隔を制御することができることを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、Siを1.5〜7.0mass%含有する二次再結晶焼鈍後の鋼板表面に絶縁被膜を被成した後、移行型プラズマアークを用いて磁区細分化処理を施す方向性電磁鋼板の製造方法において、上記磁区細分化処理を、プラズマトーチ先端から噴出するプラズマガスの周囲を包囲するよう希釈ガスを噴出させるとともに、プラズマガスの流量Gpに対する希釈ガスの流量Gsの比Gs/Gpを0.15〜12の範囲に制御して行うことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法である。
本発明によれば、高配向方向性電磁鋼板の磁区細分化処理に、移行型のプラズマアークを用いることにより、磁束密度の低下を招くことなく鉄損の低減を図ることができる。したがって、本発明により得られた方向性電磁鋼板をトランスの鉄心等に用いた場合には、設計磁束密度を下げて大型化することなく、エネルギー損失の低減を達成することが可能となるので、その工業的意義は極めて大きい。
プラズマガスの流量Gpに対する希釈ガスの流量Gsの比Gs/Gpが鉄損改善に及ぼす効果を示すグラフである。
本発明は、常法の精錬プロセスで溶製したSiを1.5〜7.0mass%を含有する鋼を連続鋳造等でスラブとし、このスラブを加熱後、熱間圧延して熱延板とし、必要に応じて熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚の冷延板とし、次いで、湿水素雰囲気中で脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍後、焼鈍分離剤を塗布し、コイル状で二次再結晶させる仕上焼鈍を施した後、鋼板表面に絶縁被膜を被成する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、上記絶縁被膜形成後に、移行型のプラズマアークを用いて磁区細分化処理することで、低鉄損の方向性電磁鋼板を得る製造技術に関するものである。
先ず、本発明を開発する基礎となった実験について説明する。
C:0.07mass%、Si:3.3mass%、Mn:0.07mass%、S:0.025mass%、Al:0.026mass%、N:0.008mass%、Sn:0.1mass%を含有する板厚が2.0mmの熱延板に、1120℃×2分の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延して最終板厚が0.23mmの冷延板とし、次いで、この冷延板に、露点が50℃の窒素と水素の混合ガス雰囲気中で850℃×90秒の脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した後、MgOを主成分とするスラリー(焼鈍分離剤)を塗布・乾燥した後、水素75vol%+窒素25vol%の雰囲気中で、1180℃まで25℃/hrで昇温した後、1180℃×20hrの仕上焼鈍を施し、その後、リン酸マグネシウムとシリカを主とする絶縁被膜を鋼板両面に被成し、鋼板表面にフォルステライト層と絶縁被膜を有する方向性電磁鋼板とした。この鋼板からエプスタイン試験片を採取し、圧延方向の鉄損W17/50を測定した。
その後、上記方向性電磁鋼板の片側表面に、ノズル径1mmφのプラズマガス噴出口と、そのプラズマガスの周囲に希釈ガスを噴出できるリング状スリットを有するプラズマトーチを用いて、トーチ内のタングステン電極を陰極とし、鋼板を陽極として、両極間にアーク放電させる移行型プラズマアークを用いて磁区細分化処理を施した。この際、プラズマガスと希釈ガスのいずれにも純Arガスを使用し、プラズマガスの流量を0.4〜20L/min、希釈ガスの流量を0.5〜10L/minの範囲でそれぞれ変えて、プラズマガスの流量Gpに対する希釈ガスの流量Gsの比Gs/Gpを広範囲に変化させた。なお、磁区細分化を行う際の放電電流、プラズマトーチと鋼板との相対速度および極間距離は、放電電流を0.5〜20A、相対速度を10〜2000mm/秒、極間距離を0.5〜3.5mmの範囲で変化させた予備実験の結果から、絶縁被膜上に形成されるプラズマ放電痕が目視観察で連続と見なせる程度となる条件に設定した。なお、磁区細分化前の磁区幅は1〜2mm程度であるため、放電痕の点列の間隔がそれ以上では、磁区細分化の効果が得られない。したがって、およそ1mm以内の間隔となっている場合に放電痕が連続と見なせるものとした。
次いで、上記プラズマアークで磁区細分化処理した鋼板から試験片を採取し、磁性コロイドを用いて鋼板の磁区パターンを観察することにより、鋼板表面に生じた放電痕の間隔を詳細に調査するとともに、再度、鉄損W17/50を測定した。なお、上記放電痕は、連続的な直線ではなく、微小な点列であった。これは、鋼板表面に形成された絶縁被膜やフォルステライト被膜を破壊するためのアーク放電が、断続的に発生したためと考えられる。また、上記放電痕の点列の間隔は、プラズマガスの流量Gpに対する希釈ガスの流量Gsの比Gs/Gpによって大きく影響され、放電電流等その他の条件による影響は小さかった。
図1に、磁区細分化処理前後の鉄損の差ΔW17/50と、プラズマガスの流量Gpに対する希釈ガスの流量Gsの比Gs/Gpとの関係を示した。この図から、流量比が0.15〜12の範囲で鉄損低減効果が得られることがわかる。これは、流量比Gs/Gpが0.15より小さい場合には、希釈ガスによってプラズマ放電を絞って不連続な放電を抑止する効果が弱くなるため、放電痕の間隔が磁区幅よりも大きくなって磁区細分化効果が得られなくなるためと推定される。一方、流量比Gs/Gpが12より大きい、すなわち希釈ガスが多すぎる場合には、プラズマガスの噴射が希釈ガスによって乱され、放電痕の点列がトーチの走査線上から外れたり、アーク放電が安定して起こらなくなったりするため、磁区細分化効果が得られなくなるものと考えられる。
上記実験の結果から、移行型プラズマアークを用いて磁区細分化処理する場合には、プラズマガスの流量Gpに対する希釈ガスの流量Gsの比Gs/Gpを適正範囲に保つ必要があることがわかる。
なお、移行型プラズマアークを用いて磁区細分化処理する際の放電電圧は、プラズマトーチと鋼板との極間距離に依存するため特定できない。また、プラズマトーチと鋼板との距離は、鋼板の表面状態などにも依存するが、アーク放電を安定的に持続させるためには、極間距離は0.1〜4.5mmの範囲に設定するのが望ましい。
また、放電痕の大きさは、絶縁被膜やフォルステライト被膜の絶縁性によって変化し、例えば、上記絶縁被膜等がない鋼板では、放電痕は大きくかつ連続的となるが、このような放電痕では、鉄損低減効果は小さい。すなわち、直接放電した部分では、磁区構造が乱されてしまうので、磁区細分化の効果が相殺されてしまう。一方、本発明の方向性電磁鋼板のように絶縁被膜が形成された鋼板では、放電痕は小さくかつ断続的となる。その結果、放電痕により磁区構造が乱される領域が小さくなり、効果的に鉄損値を低減できる。
なお、放電痕に及ぼす放電電流の影響はあまり明確ではない。また、鉄損特性を劣化させる要因となる放電痕の大きさに及ぼすプラズマトーチのノズル径の影響はほとんどないが、アーク放電を安定的に持続させるためには、ノズル径は3mmφ以下であることが好ましい。
また、プラズマアークを鋼板表面に放射する方向は、圧延方向と直角な方向が最も鉄損低減効果が大きいが、圧延方向と直角な方向に対して±45°の範囲内であれば、十分な鉄損低減効果が得られる。また、プラズマアークを放射する鋼板圧延方向の間隔は、1〜20mmの範囲とするのが好ましい。
次に、本発明の方向性電磁鋼板(製品板)の成分組成について説明する。
Si:1.5〜7.0mass%
Siは、鋼の固有抵抗を高めて鉄損を低減するために添加する必須元素であり、斯かる効果を得るためには、1.5mass%以上の添加が必要である。一方、Siの含有量が7.0mass%を超えると、鋼が硬質化し、圧延することが難しくなる。よって、Siは、1.5〜7.0mass%の範囲とする。好ましくは、2.0〜4.5mass%の範囲である。
本発明の方向性電磁鋼板は、二次再結晶焼鈍後、絶縁被膜を被成した方向性電磁鋼板であればよく、上記Si以外の他の成分については特に制限はないが、以下の成分組成を有するものであることが好ましい。
C:0.003mass%
Cは、磁気特性に有害な作用があり、特に磁気時効を起こして鉄損特性を劣化させるので、0.003mass%以下とすることが好ましい。
Mn:0.03〜2.5mass%
Mnは、鋼の固有抵抗を高めて鉄損を低減したり、Sによる熱間脆性を防止したりするのに有効な元素である。斯かる効果を発現させるためには、0.03mass%以上添加するのが好ましい。一方、2.5mass%を超えると、熱処理時にγ変態を起して磁気特性を低下させるおそれがある。よって、Mnは、0.03〜2.5mass%の範囲とする。
N:0.002mass%以下
Nは、磁気特性に有害な作用があり、特に鉄損を劣化させるので、0.002mass%以下とすることが好ましい。
S:0.002mass%以下
Sは、磁気特性に有害な作用があり、特に鉄損を劣化させるので、0.002mass%以下とすることが好ましい。
なお、本発明の方向性電磁鋼板は、上記成分以外に、方向性電磁鋼板の製造において適宜添加され、二次再結晶焼鈍後にも鋼板中に残量するインヒビター成分として、Sb:0.005〜1.5mass%、Mo:0.005〜1.5mass%、Sn:0.005〜1.5mass%,P:0.005〜1.5mass%、Cr:0.005〜1.5mass%、Cu:0.005〜1.5mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有していてもよい。
次に、仕上焼鈍後の鋼板表面に形成する絶縁被膜は、張力付与型の絶縁被膜であることが好ましく、例えば、従来からフォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板に用いられているリン酸塩−コロイダルシリカ−クロム酸系の絶縁被膜は、奏する効果や処理コスト、製造性などの点から好ましいが、特開平6−65754号公報や特開平6−65755号公報、特開平6−299366号公報などで提案されているホウ酸−アルミナ等の酸化物系被膜を適用してもよい。なお、被膜の厚みは、張力付与効果や占積率、被膜密着性等の観点から0.3〜10μmの範囲とするのが好ましい。
C:0.006mass%、Si:3.0mass%、Mn:0.07mass%、Al:0.025mass%、N:0.0080mass%、S:0.001mass%、Se:0.03mass%を含有する最終板厚0.20mmに圧延された冷延板に、脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した後、2分割し、それぞれの冷延板を用いて以下のA,Bの2法で方向性電磁鋼板を製造した。
A)一次再結晶焼鈍後の鋼板に、MgOを主成分とした焼鈍分離剤を塗布乾燥した後、二次再結晶焼鈍と純化焼鈍を含む仕上焼鈍を施してフォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板とした。
B)一次再結晶焼鈍後の鋼板に、主成分がMgOで、塩化鉛を添加した焼鈍分離剤を塗布乾燥した後、二次再結晶焼鈍と純化焼鈍を含む仕上焼鈍を施して、フォルステライト被膜のない平滑な表面を有する方向性電磁鋼板とした後、NaCl水溶液中で電解して平滑化処理し、さらに、CVD法で片面当たり1μmのTiN膜を被成した。
次いで、上記A,B2種の方向性電磁鋼板の表面に、リン酸マグネシウム、コロイダルシリカおよびクロム酸マグネシウムを主成分とする水性処理液を塗布し、800℃で焼き付けて、目付量が約8.0g/mの絶縁被膜を被成した。
次いで、上記のようにして得られた2種の方向性電磁鋼板から、エプスタイン試験片を採取し、圧延方向の磁束密度Bおよび鉄損W17/50を測定した後、0.5mmφのノズル径を有するプラズマトーチを用いて、タングステン電極を陰極とし、絶縁被膜を被成した鋼板を陽極として移行型プラズマアークを発生させ、鋼板の片表面に圧延方向に対し直角方向に1.5m/secの速度で走査し、磁区細分化処理を施した。なお、この際、プラズマガスおよび希釈ガスのいずれにも純Arガスを使用し、それぞれの流量を、プラズマガスは1〜10L/min、希釈ガスは1〜15L/minの範囲で変えてプラズマガスの流量Gpに対する希釈ガスの流量Gsの比Gs/Gpを変化させた。なお、プラズマトーチを走査する圧延方向の間隔は15mm、トーチと鋼板との距離は2mmとした。
上記磁区細分化処理後の鋼板からエプスタイン試験片を採取し、圧延方向の磁束密度Bおよび鉄損W17/50を測定し、磁区細分化処理前の値と共に表1に示した。なお、表1には、磁区細分化処理前の値をベース(参考例)とした処理前後の差も併記した。この結果から、流量比Gs/Gpが0.15より小さいか12より大きな条件で磁区細分化処理したNo.1−1,1−5,2−1および2−4の鋼板では、鉄損の低減が得られないか、逆に劣化していた。これに対して、本発明に適合する条件で磁区細分化処理したNo.1−2〜1−4およびNo.2−2,2−3の鋼板は、いずれも磁区細分化により大幅な鉄損低減がなされていることがわかる。また、本発明に適合する条件で磁区細分化処理した鋼板では、エッチング等で溝形成するような耐熱型の磁区細分化に見られる磁束密度Bの低下も認められない。
Figure 0005471839

Claims (1)

  1. Siを1.5〜7.0mass%含有する二次再結晶焼鈍後の鋼板表面に絶縁被膜を被成した後、移行型プラズマアークを用いて磁区細分化処理を施す方向性電磁鋼板の製造方法において、上記磁区細分化処理を、プラズマトーチ先端から噴出するプラズマガスの周囲を包囲するよう希釈ガスを噴出させるとともに、プラズマガスの流量Gpに対する希釈ガスの流量Gsの比Gs/Gpを0.15〜12の範囲に制御して行うことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
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