JP5471750B2 - 歯車潤滑装置 - Google Patents

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Description

本発明は、歯車潤滑装置に関する。
回転自在に支持されると共に歯部が互いに噛み合うように嵌合する一対の歯車において、この一対の歯車の噛み合い部に対して、潤滑油を供給する必要がある。この一対の歯車がケースなどにより覆われている場合、上部に供給された潤滑油がシャフトなどを伝って歯車の噛み合い部に供給される。
また、歯車の噛み合い部に対して潤滑油を直接噴射するものとしては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された歯車の強制潤滑装置は、一対の歯車組に対して潤滑液を直接噴射する潤滑液供給管を設け、この潤滑液供給管の噴射部を、小径歯車の回転中心線に指向する第1線分と大径歯車の歯先円の接線に指向する第2線分とがなす角度の間を指向するように構成している。
特開2000−193071号公報
ところが、上述した従来のように、上部に供給された潤滑油がシャフトなどを伝って歯車の噛み合い部に供給される潤滑方法では、シャフトから歯車のボス部に至った潤滑油が径方向における外側に移動するとき、歯車の遠心力により飛散して噛み合い部に到達しにくい。特に、ボス部や歯部に対して、その間のフランジ部の厚さが薄い歯車では、潤滑油がこのフランジ部で飛散して歯部に到達しにくく、また、歯部に到達した潤滑油が歯元まで供給されずに飛散してしまう。また、上述した特許文献1のように、歯車組に対して潤滑液を直接噴射する潤滑液供給管を設ける場合、潤滑油を供給する配管を設けるだけでなく、別途ポンプなどが必要となり、装置が大型化するだけでなく、製品コストが増加してしまうという問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、装置の大型化や製品コストの増加を抑制しながら歯車への十分な潤滑を可能とする歯車潤滑装置を提供することを目的とする。
本発明の歯車潤滑装置は、回転自在に支持される第1回転軸と、該第1回転軸に固定される第1歯車と、前記第1回転軸と平行をなす回転軸心をもって回転自在に支持される第2回転軸と、該第2回転軸に固定されて前記第1歯車と噛み合うと共に歯幅がその噛み合い幅より長い第2歯車と、前記第2歯車における前記第1歯車と噛み合わない歯部の径方向に対向して設けられて前記第1回転軸または前記第1歯車から潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部と、を備えることを特徴とする。
そして、前記潤滑油離脱部は、前記第1回転軸または前記第1歯車から回転軸心方向及び径方向に突出する凸部を有することを特徴とする
上記歯車潤滑装置は、前記凸部は、前記第1回転軸の外周面から径方向に延出する潤滑油供給端面と、前記第1歯車から回転軸心方向に延出する潤滑油離脱外周面と、前記潤滑油供給端面と前記潤滑油離脱外周面が接続するリング形状をなす角部とを有することが好ましい。
上記歯車潤滑装置は、前記潤滑油供給端面は、前記第1歯車における径方向への潤滑油の流れを促進する第1潤滑油流動促進部を有することが好ましい。
上記歯車潤滑装置は、前記第1回転軸は、外周面に前記第1回転軸における軸心方向への潤滑油の流れを促進する第2潤滑油流動促進部を有することが好ましい。
上記歯車潤滑装置は、前記第2潤滑油流動促進部は、前記第1回転軸の外周面と前記潤滑油供給端面との隅部から所定距離離れた位置まで設けられることが好ましい。
本発明に係る歯車潤滑装置は、第2歯車における第1歯車と噛み合わない歯部の径方向に対向して、第1回転軸または第1歯車から潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部を設けるので、装置の大型化や製品コストの増加を抑制しながら、歯車への十分な潤滑を可能とすることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態1に係る歯車潤滑装置が適用されたハイブリッド車両の概略構成図である。 図2は、実施形態1の歯車潤滑装置を表す要部断面図である。 図3は、本発明の実施形態2に係る歯車潤滑装置を表す要部断面図である。 図4は、本発明の実施形態3に係る歯車潤滑装置を表す要部断面図である。 図5は、本発明の実施形態4に係る歯車潤滑装置を表す要部断面図である。
以下に、本発明に係る歯車潤滑装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施形態1に係る歯車潤滑装置が適用されたハイブリッド車両の概略構成図、図2は、実施形態1の歯車潤滑装置を表す要部断面図である。
実施形態1において、図1に示すように、歯車潤滑装置が適用されたハイブリッド車両10において、11はエンジン(内燃機関)、12はトランスアクスル、13は駆動輪である。従って、このエンジン11の出力軸であるクランクシャフト11aを回転駆動すると、その駆動力がトランスアクスル12を介して各駆動輪13に伝達され、各駆動輪13が回転することでハイブリッド車両10が前進または後退することができる。実施形態1では、トランスアクスル12が本発明の歯車潤滑装置として機能する。
トランスアクスル12は、ダンパ14と、主に発電機として機能する第1モータジェネレータ(MG1)15と、主に電動機として機能する第2モータジェネレータ(MG2)16と、動力分配機構17と、デファレンシャル(差動装置)18とから構成されている。
第1モータジェネレータ15は、インプットシャフト21と同軸上に位置するロータシャフト15aに外装固定されるロータ15bと、トランスアクスル12のケースにロータ15bに対して非接触で対向する状態で固定配置されるステータ15cとにより構成されている。第2モータジェネレータ16は、インプットシャフト21と平行をなして配置されるロータシャフト16aに外装固定されるロータ16bと、トランスアクスル12のケースにロータ16bに対して非接触で対向する状態で固定配置されるステータ16cとにより構成されている。
動力分配機構17は、シングルピニオンタイプの遊星歯車機構を有する構成であり、外歯歯車のサンギア17aと、内歯歯車のリングギア17bと、複数のピニオンギア17cと、キャリア17dとを有し、エンジン11から出力される駆動力を第1モータジェネレータ15またはデファレンシャル19側に伝達する。また、この動力分配機構17は、エンジン11の動力を分配する機能とは別に変速機構として機能し、エンジン11の駆動力を所定の速度比とトルクになるように制御する。
この動力分配機構17は、エンジン11から出力される駆動力を、ダンパ14からインプットシャフト21、キャリア17d、ピニオンギア17c、サンギア17aを介して第1モータジェネレータ15に伝達可能である。また、動力分配機構17は、エンジン11から出力される駆動力を、ダンパ14からインプットシャフト21、キャリア17d、ピニオンギア17c、リングギア17b、カウンタドライブギア22、カウンタドリブンギア23、ドライブピニオンシャフト24を介してファイナルギア25に伝達し、更にデファレンシャル19に伝達可能である。デファレンシャル18は、ツーピニオンタイプであり、ファイナルギア25から入力される動力を必要に応じ、ドライブシャフト26を介して左右の駆動輪13に分配して伝達する。
このように構成されたハイブリッド車両10にて、実施形態1の歯車潤滑装置は、ドライブピニオンシャフト24からカウンタドリブンギア23とカウンタドライブギア27との噛み合い部に潤滑油供給するものとして適用されている。
即ち、図1及び図2に示すように、ドライブピニオンシャフト24に適用される第1回転軸101は、水平方向に沿う回転軸心をもって回転自在に支持されている。そして、カウンタドリブンギア23に適用される第1歯車102は、この第1回転軸101の外周部に一体に固定されるように設けられている。
また、第2モータジェネレータ16のロータシャフト16aに適用される第2回転軸201は、第1回転軸101の鉛直方向における下方に配置されており、この第1回転軸101と同様に、水平方向に沿う回転軸心をもって回転自在に支持されている。そして、カウンタドライブギア27に適用される第2歯車202は、第2回転軸201の外周部に一体に固定されるように設けられている。
第1回転軸101は、外周部に径方向における外側に突出するリング形状をなすボス部103が形成され、このボス部103は、外周部にボス部103より厚さの薄い円盤形状をなすフランジ部104が形成され、このフランジ部104は、外周部にリング形状をなす歯部本体105が形成されている。この歯部本体105は、外周部に複数の歯を有する歯部106が形成されており、その歯幅W1に設定されている。
一方、第2回転軸201は、外周部に径方向における外側に突出するリング形状をなす歯部本体205が形成されており、この歯部本体205は、外周部に複数の歯を有する歯部206が形成されており、その歯幅W2に設定されている。
第1歯車102は、歯部106が、第2歯車202における歯部206と噛み合って、互いに回転可能となっている。この場合、第1歯車102における歯部106の歯幅W1に対して、第2歯車202における歯部206の歯幅W2が長く形成されている。即ち、第2歯車202における歯部206の歯幅W2が、第1歯車102の歯部106と第2歯車202の歯部206との噛み合い幅(第1歯車102の歯部106の歯幅W1)より長く形成されている。そのため、第2歯車202における歯部206は、第1歯車102の歯部106と噛み合っていない否噛み合い領域Aが設けられる。
実施形態1の歯車潤滑装置では、上方から供給された潤滑油が、第1回転軸101に伝わり、第1歯車102から第2歯車202との噛み合い部に供給されるようになっている。そのため、本実施形態では、第2歯車202の歯部206における第1歯車102の歯部106と噛み合わない歯部、つまり、否噛み合い領域Aの鉛直方向の上方に対向して、第1回転軸101または第1歯車102から潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部が設けられている。この場合、第1回転軸101に供給される潤滑油は、周辺に配置される軸、歯車、軸受などから伝わるもの、または、飛散されたものなどである。
即ち、第1回転軸101の外周部から径方向に突出すると共に、第1歯車102の軸心部から回転軸心方向に突出する凸部として、前述したボス部103が形成されている。このボス部(凸部)103は、第1回転軸101の外周面から径方向に延出する潤滑油供給端面111と、第1歯車102のフランジ部104から回転軸心方向に延出する潤滑油離脱外周面112と、潤滑油供給端面111と潤滑油離脱外周面112が接続するリング形状をなす角部113とを有している。
ここで、本発明の潤滑油離脱部は、潤滑油供給端面111と潤滑油離脱外周面112と角部113からなるボス部103、特に、角部113により構成される。
この場合、潤滑油供給端面111は、第1回転軸101の軸心方向に対して直角をなすと共に、第1歯車102の径方向に対して平行をなすように形成されている。潤滑油離脱外周面112は、第1回転軸101の軸心方向に対して平行をなすと共に、第1歯車102の径方向に対して直角をなすように形成されている。角部113は、第1回転軸101及び第1歯車102を径方向に沿って切断した断面にて直角(90度)をなして形成されている。しかし、潤滑油供給端面111と潤滑油離脱外周面112と角部113のなす角度は、この角度に限定されるものではなく、第2歯車202の歯部206における否噛み合い領域Aの位置に応じて適宜設定すればよい。例えば、第1回転軸101の外周面と潤滑油供給端面111とのなす角度を鈍角としたり、第1歯車102のフランジ部104と潤滑油離脱外周面112のなす角度を鋭角としたりしてもよい。また、角部113を単独で鋭角としてもよく、角部113を鋭角とすることで、潤滑油の離脱が容易となる。
また、第1歯車102の歯部106は、第2歯車202の歯部206における幅方向の中央部に噛み合うことから、第2歯車202の歯部206における幅方向の両側に否噛み合い領域Aが設けられる。そのため、上述した潤滑油供給端面111、潤滑油離脱外周面112、角部113は、第1歯車102における幅方向の両側に、各否噛み合い領域Aの上方に対向して設けられることとなる。しかし、第1歯車102の歯部106が、第2歯車202の歯部206における幅方向の端部に噛み合うときは、第2歯車202の歯部206における幅方向の一側に否噛み合い領域Aが設けられる。そのため、潤滑油供給端面111、潤滑油離脱外周面112、角部113は、第1歯車102における幅方向の一側に、否噛み合い領域Aの上方に対向して設けられる。
従って、第1回転軸101が回転すると、この第1回転軸101と一体の第1歯車102が回転し、歯部106,206を介して噛み合う第2歯車202が回転し、この第2歯車202と一体の第2回転軸201が回転する。
このとき、第1回転軸101の外周面に供給された潤滑油は、この外周面からボス部103に至り、第1回転軸101及び第1歯車102の遠心力により潤滑油供給端面111を径方向における外側に流れる。そして、潤滑油供給端面111を流れる潤滑油は、角部113から径方向における外側に離脱するように飛散し、下方に対向する第2歯車202における歯部206の否噛み合い領域Aに供給される。第2歯車202における歯部206の否噛み合い領域Aに供給された潤滑油は、歯部206における歯元まで流れると共に、この歯部206と噛み合う第1歯車102の歯部106との噛み合い領域まで流れる。そのため、第1歯車102と第2歯車202は、その噛み合い部が十分に潤滑されることとなる。
このように実施形態1の歯車潤滑装置にあっては、水平方向に沿う回転軸心をもつ第1回転軸101に第1歯車102を固定し、この第1回転軸101の鉛直方向における下方にて、水平方向に沿う回転軸心をもつ第2回転軸201に第2歯車202を固定し、第1歯車102と第2歯車202を噛み合い可能とすると共に、第2歯車202の歯幅を第1歯車102との噛み合い幅より長く設定し、第2歯車202における第1歯車102と噛み合わない歯部206の鉛直方向の上方に対向して潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部としてのボス部(凸部)103を設けている。
従って、第1回転軸101に供給された潤滑油は、この外周面からボス部103に至り、第1回転軸101及び第1歯車102の遠心力により角部113から径方向における外側に離脱し、下方に対向する第2歯車202における歯部206の否噛み合い領域Aに供給され、第1歯車102との噛み合い部を潤滑することとなり、装置の大型化や製品コストの増加を抑制しながら、各歯車102,202の噛み合い部へ十分な潤滑を可能とすることができる。この場合、第1歯車102や第2歯車202が高速で回転していても、角部113から飛散する潤滑油を第2歯車202における否噛み合い領域Aに確実に供給することができる。
また、実施形態1の歯車潤滑装置では、潤滑油離脱部として、第1回転軸101または第1歯車102から回転軸心方向及び径方向に突出するボス部(凸部)103を設けている。従って、第1回転軸101または第1歯車102にボス部103を形成するという簡単な形状変更により、各歯車102,202の噛み合い部へ潤滑油を適正に供給することができ、構造の簡素化に寄与することができる。
また、実施形態1の歯車潤滑装置では、ボス部(凸部)103を、第1回転軸101の外周面から径方向に延出する潤滑油供給端面111と、第1歯車102から回転軸心方向に延出する潤滑油離脱外周面112と、潤滑油供給端面111と潤滑油離脱外周面112が接続するリング形状をなす角部113により構成している。従って、潤滑油供給端面111により潤滑油の供給経路を適正に形成することができると共に、潤滑油離脱外周面112により潤滑油の離脱部となる角部113を適正に形成することができる。
〔実施形態2〕
図3は、本発明の実施形態2に係る歯車潤滑装置を表す要部断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施形態2の歯車潤滑装置において、図3に示すように、第1回転軸101は、外周部に第1歯車102が固定されており、第1回転軸101と第1歯車102との間にボス部103が形成されている。第2回転軸201は、外周部に第2歯車202が固定されている。そして、第1歯車102は、歯部106が第2歯車202の歯部206に噛み合っており、第2歯車202における歯部206は、第1歯車102の歯部106と噛み合っていない否噛み合い領域Aが設けられる。
実施形態2の歯車潤滑装置では、上方から供給された潤滑油が、第1回転軸101に伝わり、第1歯車102から第2歯車202との噛み合い部に供給されるようになっている。そのため、第2歯車202の歯部206における第1歯車102の歯部106と噛み合わない歯部、つまり、否噛み合い領域Aの鉛直方向の上方に対向して、潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部として、ボス部(凸部)103が設けられている。
そして、このボス部103は、第1回転軸101の外周面から径方向に延出する潤滑油供給端面111と、第1歯車102のフランジ部104から回転軸心方向に延出する潤滑油離脱外周面112と、潤滑油供給端面111と潤滑油離脱外周面112が接続するリング形状をなす角部113とを有している。また、本実施形態では、潤滑油供給端面111は、第1歯車102における径方向への潤滑油の流れを促進する第1潤滑油流動促進部として、径方向溝121が形成されている。
即ち、この径方向溝121は、ボス部103における潤滑油供給端面111に、径方向に延出するように形成されており、周方向に均等間隔で複数形成されている。この複数の径方向溝121は、潤滑油供給端面111にて、第1回転軸101側から角部113側への潤滑油の流動を促進し、潤滑油の流動速度を低下させることなく、多くの潤滑油が第1歯車102と第2歯車202の噛み合い部に供給されるようにしている。
なお、第1潤滑油流動促進部としては、この複数の径方向溝121に限定されるものではない。例えば、潤滑油供給端面111に異方向性摩擦抵抗剤を塗布することで、潤滑油が潤滑油供給端面111の周方向には流れにくく、径方向、特に径方向の外側に流れやすいように構成してもよい。この場合、潤滑油供給端面111に異方向性摩擦抵抗剤を塗布せずに、潤滑油の径方向の流動に対する摩擦抵抗が軽減されるような処理を施してもよい。
従って、各回転軸101,201、各歯車102,202が回転するとき、第1回転軸101の外周面に供給された潤滑油は、この外周面からボス部103に至り、第1回転軸101及び第1歯車102の遠心力により潤滑油供給端面111を径方向における外側に流れる。そして、潤滑油供給端面111を流れる潤滑油は、角部113から径方向における外側に離脱するように飛散し、下方に対向する第2歯車202における歯部206の否噛み合い領域Aに供給される。このとき、潤滑油供給端面111に複数の径方向溝121が形成されていることから、潤滑油供給端面111の潤滑油は、複数の径方向溝121により角部113までスムーズに流れ、この角部113から効率的に第2歯車202に供給される。その後、第2歯車202における否噛み合い領域Aに供給された潤滑油は、第1歯車102の歯部106との噛み合い領域まで流れる。
このように実施形態2の歯車潤滑装置にあっては、第2歯車202における第1歯車102と噛み合わない歯部206の鉛直方向の上方に対向して潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部としてのボス部(凸部)103を設け、このボス部103を構成する潤滑油供給端面111に第1潤滑油流動促進部としての複数の径方向溝121を形成している。
従って、第1回転軸101に供給された潤滑油は、この外周面からボス部103に至り、第1回転軸101及び第1歯車102の遠心力により径方向溝121に案内されて角部113に至り、この角部113から径方向における外側に離脱し、下方に対向する第2歯車202における歯部206の否噛み合い領域Aに供給されることとなり、第1歯車102と第2歯車202の噛み合い部を十分に潤滑することができる。
〔実施形態3〕
図4は、本発明の実施形態3に係る歯車潤滑装置を表す要部断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施形態3の歯車潤滑装置において、図4に示すように、第1回転軸101は、外周部に第1歯車102が固定されており、第1回転軸101と第1歯車102との間にボス部103が形成されている。第2回転軸201は、外周部に第2歯車202が固定されている。そして、第1歯車102は、歯部106が第2歯車202の歯部206に噛み合っており、第2歯車202における歯部206は、第1歯車102の歯部106と噛み合っていない否噛み合い領域Aが設けられる。
実施形態3の歯車潤滑装置では、上方から供給された潤滑油が、第1回転軸101に伝わり、第1歯車102から第2歯車202との噛み合い部に供給されるようになっている。そのため、第2歯車202の歯部206における第1歯車102の歯部106と噛み合わない歯部、つまり、否噛み合い領域Aの鉛直方向の上方に対向して、潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部として、ボス部(凸部)103が設けられている。
そして、このボス部103は、第1回転軸101の外周面から径方向に延出する潤滑油供給端面111と、第1歯車102のフランジ部104から回転軸心方向に延出する潤滑油離脱外周面112と、潤滑油供給端面111と潤滑油離脱外周面112が接続するリング形状をなす角部113とを有している。また、本実施形態では、第1回転軸101は、外周面131にこの第1回転軸101における軸心方向への潤滑油の流れを促進する第2潤滑油流動促進部として、軸方向溝132が形成されている。
即ち、この軸方向溝132は、第1回転軸101における外周面131に、軸方向に延出するように形成されており、周方向に均等間隔で複数形成されている。この複数の軸方向溝132は、第1回転軸101の外周面131にて、軸方向の潤滑油の流動、特に、ボス部103側への潤滑油の流動を促進し、軸方向に流動する潤滑油が径方向に飛散しにくくし、多くの潤滑油が第1歯車102と第2歯車202の噛み合い部に供給されるようにしている。
なお、第2潤滑油流動促進部としては、この複数の軸方向溝132に限定されるものではない。例えば、第1回転軸101の外周面131に異方向性摩擦抵抗剤を塗布することで、潤滑油が第1回転軸101の外周面131を周方向には流れにくく、軸方向、特にボス部103側に流れやすいように構成してもよい。この場合、第1回転軸101の外周面131に異方向性摩擦抵抗剤を塗布せずに、潤滑油の軸方向の流動に対する摩擦抵抗が軽減されるような処理を施してもよい。
従って、各回転軸101,201、各歯車102,202が回転するとき、第1回転軸101の外周面に供給された潤滑油は、この外周面131からボス部103に至り、第1回転軸101及び第1歯車102の遠心力により潤滑油供給端面111を径方向における外側に流れる。このとき、第1回転軸101の外周面131に複数の軸方向溝132が形成されていることから、第1回転軸101の外周面131の潤滑油は、複数の軸方向溝132によりボス部103までスムーズに流れる。そして、潤滑油供給端面111を流れる潤滑油は、角部113から径方向における外側に離脱するように飛散し、下方に対向する第2歯車202における歯部206の否噛み合い領域Aに供給される。その後、第2歯車202における否噛み合い領域Aに供給された潤滑油は、第1歯車102の歯部106との噛み合い領域まで流れる。
このように実施形態3の歯車潤滑装置にあっては、第2歯車202における第1歯車102と噛み合わない歯部206の鉛直方向の上方に対向して潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部としてのボス部(凸部)103を設け、第1回転軸101の外周面131に第2潤滑油流動促進部としての複数の軸方向溝132を形成している。
従って、第1回転軸101に供給された潤滑油は、軸方向溝132に案内されてボス部103に至り、第1回転軸101及び第1歯車102の遠心力により角部113に至り、この角部113から径方向における外側に離脱し、下方に対向する第2歯車202における歯部206の否噛み合い領域Aに供給されることとなり、第1歯車102と第2歯車202の噛み合い部を十分に潤滑することができる。
〔実施形態4〕
図5は、本発明の実施形態4に係る歯車潤滑装置を表す要部断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施形態4の歯車潤滑装置では、図5に示すように、上方から供給された潤滑油が、第1回転軸101に伝わり、第1歯車102から第2歯車202との噛み合い部に供給されるようになっている。そのため、第2歯車202の歯部206における第1歯車102の歯部106と噛み合わない歯部、つまり、否噛み合い領域Aの鉛直方向の上方に対向して、潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部として、ボス部(凸部)103が設けられている。
そして、このボス部103は、第1回転軸101の外周面131から径方向に延出する潤滑油供給端面111と、第1歯車102のフランジ部104から回転軸心方向に延出する潤滑油離脱外周面112と、潤滑油供給端面111と潤滑油離脱外周面112が接続するリング形状をなす角部113とを有している。また、本実施形態では、第1回転軸101は、外周面131にこの第1回転軸101における軸心方向への潤滑油の流れを促進する第2潤滑油流動促進部として、軸方向溝132が形成されている。更に、この軸方向溝132は、第1回転軸101の外周面131と潤滑油供給端面111との隅部から所定距離離れた位置まで設けられている。
即ち、この軸方向溝132は、第1回転軸101における外周面131に、軸方向に延出するように形成されており、周方向に均等間隔で複数形成されている。そして、第1回転軸101の外周面131と潤滑油供給端面111との隅部には、軸方向、周方向、径方向のそれぞれに対して潤滑油の流動に対する摩擦抵抗がほぼ均一な平滑部133が形成されており、軸方向溝132は、この平滑部133の手前で途切れている。この複数の軸方向溝132は、第1回転軸101の外周面131にて、軸方向の潤滑油の流動、特に、ボス部103側への潤滑油の流動を促進し、平滑部133にて、潤滑油の流動速度を低下させることなく、多くの潤滑油が潤滑油供給端面111に流れるようにしている。
従って、各回転軸101,201、各歯車102,202が回転するとき、第1回転軸101の外周面に供給された潤滑油は、この外周面131からボス部103に至り、第1回転軸101及び第1歯車102の遠心力により潤滑油供給端面111を径方向における外側に流れる。このとき、第1回転軸101の外周面131に複数の軸方向溝132が平滑部133まで形成されていることから、第1回転軸101の外周面131の潤滑油は、複数の軸方向溝132により平滑部133を介して潤滑油供給端面111までスムーズに流れる。そして、潤滑油供給端面111を流れる潤滑油は、角部113から径方向における外側に離脱するように飛散し、下方に対向する第2歯車202における歯部206の否噛み合い領域Aに供給される。その後、第2歯車202における否噛み合い領域Aに供給された潤滑油は、第1歯車102の歯部106との噛み合い領域まで流れる。
このように実施形態4の歯車潤滑装置にあっては、第2歯車202における第1歯車102と噛み合わない歯部206の鉛直方向の上方に対向して潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部としてのボス部(凸部)103を設け、第1回転軸101の外周面131に第2潤滑油流動促進部としての複数の軸方向溝132を形成し、この軸方向溝132を第1回転軸101の外周面131と潤滑油供給端面111との隅部の手前まで設けている。
従って、第1回転軸101に供給された潤滑油は、軸方向溝132に案内されて潤滑油供給端面111にスムーズに流れ、第1回転軸101及び第1歯車102の遠心力により角部113に至り、この角部113から径方向における外側に離脱し、下方に対向する第2歯車202における歯部206の否噛み合い領域Aに供給されることとなり、第1歯車102と第2歯車202の噛み合い部を十分に潤滑することができる。
なお、上述した各実施形態では、第1回転軸101及び第1歯車102の下方に第2回転軸201及び第2歯車202を配置し、第2歯車202における否噛み合い領域Aの鉛直方向の上方に対向して潤滑油離脱部としてのボス部(凸部)103を設けたが、この配置関係に限定されるものではない。即ち、本発明の歯車潤滑装置は、第2歯車202における第1歯車102と噛み合わない歯部の径方向に対向して潤滑油離脱部を設ければ、第1回転軸101及び第1歯車102が回転することで発生する遠心力により、潤滑油離脱部の潤滑油を第2歯車202の歯部206に供給することができる。
そのため、第1回転軸101と第2回転軸201とが水平な回転軸心を有している必要はなく、両者が平行であれば、鉛直方向や傾斜方向であってもよい。また、第1回転軸101の下方に第2回転軸201が配置される必要はなく、上下の配置が逆であっても、水平方向に対向して配置されていてもよい。
また、上述した各実施形態では、本発明の歯車潤滑装置をハイブリッド車両の動力伝達部に適用したが、ここに限定されるものではなく、歯車が上下に配置されている歯車機構であれば、どのような装置にも適用することができる。
以上のように、本発明に係る歯車潤滑装置は、第2歯車における第1歯車と噛み合わない歯部の鉛直方向の上方に対向して第1回転軸または第1歯車から潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部を設けることで、装置の大型化や製品コストの増加を抑制しながら歯車への十分な潤滑を可能とするものであり、いずれの歯車機構に用いても有用である。
10 ハイブリッド車両
11 エンジン(内燃機関)
12 トランスアクスル
13 駆動輪
15 第1モータジェネレータ
16 第2モータジェネレータ
17 動力分配機構
18 デファレンシャル(差動装置)
21 インプットシャフト
22,27 カウンタドライブギア
23 カウンタドリブンギア
24 ドライブピニオンシャフト
25 ファイナルギア
26 ドライブシャフト
101 第1回転軸
102 第1歯車
103 ボス部(潤滑油離脱部、凸部)
106 歯部
201 第2回転軸
202 第2歯車
206 歯部
111 潤滑油供給端面
112 潤滑油離脱外周面
113 角部
121 径方向溝(第1潤滑油流動促進部)
132 軸方向溝(第2潤滑油流動促進部)
133 平滑部
A 否噛み合い領域

Claims (5)

  1. 回転自在に支持される第1回転軸と、
    該第1回転軸に固定される第1歯車と、
    前記第1回転軸と平行をなす回転軸心をもって回転自在に支持される第2回転軸と、
    該第2回転軸に固定されて前記第1歯車と噛み合うと共に歯幅がその噛み合い幅より長い第2歯車と、
    前記第2歯車における前記第1歯車と噛み合わない歯部の径方向に対向して設けられて前記第1回転軸または前記第1歯車から潤滑油を離脱させる潤滑油離脱部と、
    を備え
    前記潤滑油離脱部は、前記第1回転軸または前記第1歯車から回転軸心方向及び径方向に突出する凸部を有することを特徴とする歯車潤滑装置。
  2. 前記凸部は、前記第1回転軸の外周面から径方向に延出する潤滑油供給端面と、前記第1歯車から回転軸心方向に延出する潤滑油離脱外周面と、前記潤滑油供給端面と前記潤滑油離脱外周面が接続するリング形状をなす角部とを有することを特徴とする請求項1に記載の歯車潤滑装置。
  3. 前記潤滑油供給端面は、前記第1歯車における径方向への潤滑油の流れを促進する第1潤滑油流動促進部を有することを特徴とする請求項2に記載の歯車潤滑装置。
  4. 前記第1回転軸は、外周面に前記第1回転軸における軸心方向への潤滑油の流れを促進する第2潤滑油流動促進部を有することを特徴とする請求項2または3に記載の歯車潤滑装置。
  5. 前記第2潤滑油流動促進部は、前記第1回転軸の外周面と前記潤滑油供給端面との隅部から所定距離離れた位置まで設けられることを特徴とする請求項4に記載の歯車潤滑装置。
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