JP5471523B2 - 靱性に優れた高強度極厚h形鋼およびその製造方法 - Google Patents
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(1) 質量%で、C:0.005〜0.05%、Si:0.01〜0.50%、Mn:1.70〜2.2%、Ni:0.05〜0.4%、Cu:0.05〜0.4%、Nb:0.005〜0.025%、Al:0.005〜0.1%、Ti:0.007〜0.025%、N:0.001〜0.005%、B:0.0003〜0.0025%を含有し、
P:0.02%以下、S:0.01%以下、O:0.01%以下に制限し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、CとMnの含有量の比(C/Mn)が0.003〜0.017であり、NbとNの含有量の積(Nb×N)が1×10−4以下であり、下記(式1)によって求められる予測残留オーステナイト体積率γr[%]が2.5%以下であり、光学顕微鏡によって観察される、フランジ部の金属組織のベイナイト面積率が30%以上であり、残部がフェライトであり、フランジの厚みが80mm以上であることを特徴とする靭性に優れた極厚高強度H形鋼。
ここで、C、Si、Ni、Cu、Mo、Bは各元素の含有量[質量%]である。
(2) 更に、質量%で、Mo:0.2%以下、V:0.1%以下の一方または両方を含有することを特徴とする上記(1)に記載の靱性に優れた極厚高強度H形鋼。
(3) 更に、質量%で、Ca:0.004%以下、Mg:0.004%以下の一方または両方を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の靱性に優れた極厚高強度H形鋼。
(4) フランジ部の引張強度が550MPa以上であり、かつ、0℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギーが27J以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の靱性に優れた極厚高強度H形鋼。
(5) 上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の極厚高強度H形鋼の製造方法であって、上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の成分を含有する鋼片を再加熱し、圧延開始温度を1200℃以上、圧延仕上温度を950℃以上として、フランジ部の板厚が80mm以上になるように熱間圧延を行うことを特徴とする靱性に優れた極厚高強度H形鋼の製造方法。
(x)CとMnの含有量の比(C/Mn)
まず、CとMnの含有量の比(C/Mn)について説明する。CおよびMnは、鋼材の焼入れ性に及ぼす影響が大きく、本発明では最も重要な元素である。Cは僅かな添加量でも著しく鋼材の焼入れ性を高める元素であり、C量が比較的多く、かつMn量が比較的少ない場合は、Cが鋼材の焼入れ性を決定することがある。
(y)NbとNの含有量の積(Nb×N)
次に、NbとNの含有量の積(Nb×N)について説明する。Nbは、Cを固定して炭化物を形成する元素であり、本発明では、Bが炭化物として析出しないようにNbの添加量を制御する。すなわち、Nbは、Bによる焼入れ効果を確保して、強度を向上させる重要な元素である。また、微細なNbCの析出は、熱間圧延中の結晶粒の粗大化を抑制し、組織の細粒化を促すため、靱性の向上に寄与する。
(z)予測残留オーステナイト体積率γr
本発明の鋼は、冷却速度が遅くなる厚み方向の中央部における強度低下を抑制するため炭素を低減し、焼入れ性を確保するため、MnとBを積極的に活用している。さらに、焼入れ性を高めるためにNi、Cuを添加し、Cを固定するためにNbを添加し、Nを固定するためにTiを添加する。また、必要に応じて、焼入れ性を高めるMoや、Cと結合して析出強化により強度の向上に寄与するVを添加する。
ここで、C、Si、Ni、Cu、Mo、Bは、各元素の含有量[質量%]である。
2 フランジの厚み
3 フランジの厚み方向の中心部
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.005〜0.05%、
Si:0.01〜0.50%、
Mn:1.70〜2.2%、
Ni:0.05〜0.4%、
Cu:0.05〜0.4%、
Nb:0.005〜0.025%、
Al:0.005〜0.1%、
Ti:0.007〜0.025%、
N:0.001〜0.005%、
B:0.0003〜0.0025%
を含有し、
P:0.02%以下、
S:0.01%以下、
O:0.01%以下
に制限し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、CとMnの含有量の比(C/Mn)が0.003〜0.017であり、NbとNの含有量の積(Nb×N)が1×10−4以下であり、下記(式1)によって求められる予測残留オーステナイト体積率γr[%]が2.5%以下であり、光学顕微鏡によって観察される、フランジ部の金属組織のベイナイト面積率が30%以上であり、残部がフェライトであり、フランジの厚みが80mm以上であることを特徴とする靭性に優れた極厚高強度H形鋼。
γr=C+2Si+3(Ni+Cu)+Mo+100B ・・・ (式1)
ここで、C、Si、Ni、Cu、Mo、Bは各元素の含有量[質量%]である。 - 更に、質量%で、
Mo:0.2%以下、
V:0.1%以下
の一方または両方を含有することを特徴とする請求項1に記載の靱性に優れた極厚高強度H形鋼。 - 更に、質量%で、
Ca:0.004%以下、
Mg:0.004%以下
の一方または両方を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の靱性に優れた極厚高強度H形鋼。 - フランジ部の引張強度が550MPa以上であり、かつ、0℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギーが27J以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の靱性に優れた極厚高強度H形鋼。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の極厚高強度H形鋼の製造方法であって、請求項1〜3の何れか1項に記載の成分を含有する鋼片を再加熱し、圧延開始温度を1200℃以上、圧延仕上温度を950℃以上として、フランジ部の板厚が80mm以上になるように熱間圧延を行うことを特徴とする靱性に優れた極厚高強度H形鋼の製造方法。
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