JP5471102B2 - エレベータ群管理シミュレーションシステム - Google Patents

エレベータ群管理シミュレーションシステム Download PDF

Info

Publication number
JP5471102B2
JP5471102B2 JP2009166379A JP2009166379A JP5471102B2 JP 5471102 B2 JP5471102 B2 JP 5471102B2 JP 2009166379 A JP2009166379 A JP 2009166379A JP 2009166379 A JP2009166379 A JP 2009166379A JP 5471102 B2 JP5471102 B2 JP 5471102B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
car
passenger
floor
call
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009166379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011020784A (ja
Inventor
真実 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitec Co Ltd
Original Assignee
Fujitec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitec Co Ltd filed Critical Fujitec Co Ltd
Priority to JP2009166379A priority Critical patent/JP5471102B2/ja
Publication of JP2011020784A publication Critical patent/JP2011020784A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5471102B2 publication Critical patent/JP5471102B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、複数のかごを具えたエレベータシステムの運転をシミュレートするエレベータ群管理シミュレーションシステムに関するものである。
従来、複数のかごの中から乗り場へ移動させるべき1つのかごを選択する群管理制御プログラムの性能評価は、シミュレーション装置を用いてエレベータシステムの運転をシミュレートすることにより行なわれており、種々のシミュレーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図20は、従来のシミュレーション装置(4)の構成を表わしており、該シミュレーション装置(4)においては、データ格納装置(7)から階床間の乗客遷移比率を表わすOD分布データ、単位時間当たりの乗客到着率を表わす乗客到着率データ、及びこれらのデータを時間帯毎に変化させるための時間帯設定データからなる交通流設定データが乗客発生時刻決定部(41)に入力される。乗客発生時刻決定部(41)は、入力された交通流設定データに基づいて乗客発生時刻を決定し、その結果得られた乗客発生時刻データを乗客発生部(42)に供給する。乗客発生部(42)は、入力された乗客発生時刻データに基づいて乗客を発生させ、各乗客についての乗客情報を乗り場呼び登録部(43)及び乗客管理部(44)に供給する。乗り場呼び登録部(43)は、供給された乗客情報に基づいて乗り場にてかごを呼ぶための乗り場呼びの登録情報を群管理制御部(45)に供給する。
一方、乗客管理部(44)は、上述の如く乗客発生部(42)から供給された乗客情報を、対応する乗り場呼びの待ち行列リストに追加する処理、かごの応答時に乗り場呼びの待ち行列リストからかご乗客リストに移動させる処理、及び乗客の行先階到着時にかご乗客リストから削除する処理を順次行なう。又、乗客管理部(44)は、各処理を行なうタイミングで、かご内にて行先階を登録するかご呼び等のイベントをかご呼び登録部(46)及びエレベータ制御部(47)に通知すると共に、乗客の待ち時間データや乗車時間データを蓄積して統計解析部(48)に供給する。
前記かご呼び登録部(46)は、乗客管理部(44)からかご呼びイベントの通知を受けて、かご呼び登録情報をエレベータ制御部(47)に供給する。
又、エレベータ制御部(47)には、データ格納装置(70)からかごの定格速度、加速度、加速度変化率、定員数、かごドアの開閉時間などを表わすエレベータ仕様データ、及びかご数、サービス階、階床間距離などを表わすビル仕様データからなる仕様データが入力される。
エレベータ制御部(47)は、乗客管理部(44)からイベントの通知を受けて、データ格納装置(70)から入力された仕様データ、群管理制御部(45)から供給された乗り場呼び割当て情報、及び上述の如くかご呼び登録部(46)から供給されたかご呼び登録情報に基づき、エレベータ群を構成する複数のかごを動作させる。又、エレベータ制御部(47)は、エレベータ群の各種状態(例えば、かご位置、走行方向、走行状態、かごドア動作状態、荷重など)が変化したとき、その状態情報を群管理制御部(45)に供給する。
群管理制御部(45)は、乗り場呼び登録部(43)から乗り場呼び登録情報が供給されたときに、エレベータ制御部(47)から供給される状態情報に基づいて前記複数のかごの中から最適なかごを割り当て、乗り場呼び割当て情報をエレベータ制御部(47)に供給する。又、群管理制御部(45)は、乗り場呼びの登録/解除情報など、統計解析処理に必要な情報を統計解析部(48)に供給する。
統計解析部(48)は、乗客が発生したとき、乗客が乗降したとき、乗り場呼びが登録或いは解除されたときに、乗客の待ち時間データや乗車時間データなどの評価データを蓄積し、シミュレーションの終了時にそれらの評価データから乗客の平均待ち時間、最大待ち時間、平均サービス完了時間、乗り場呼びの平均継続時間などを算出して、それらの算出結果をデータ格納装置(60)に出力する。
特許第3714343号明細書
ところで、あるビルのエレベータシステムに搭載されている群管理制御プログラムを改良した場合には、そのビルにおける乗客の発生状況下で改良後の群管理制御プログラムが発揮し得る性能を評価することが必要である。
しかしながら、従来のシミュレーション装置を用いてあるビルにおける乗客の発生状況下で群管理制御プログラムが発揮し得る性能を評価する際には、そのビルでのモニタ調査や群管理制御装置から得られた実際の運転状況を表わす現場交通データの解析を行なった後、それらの結果からそのビルにおける乗客の発生状況を推定して上記交通流設定データを作成しなければならず、群管理制御プログラムの性能評価に多大な労力がかかる問題があった。
又、従来のシミュレーション装置においては、時間帯設定データに基づいてOD分布データ及び乗客到着率データを時間帯毎に変化させているものの、OD分布データ及び乗客到着率データに基づき乗客がポアソン到着すると仮定してランダムに乗客を発生させていたので、乗客の発生状況がそのビルでの実際の発生状況と大きく異なっていた。例えばオフィスビルにおいては正午頃に多数の階床で1階まで降りる多数の乗客が発生するが、この様な状況を再現することが出来なかった。このため、シミュレーション結果についての信頼性が低い問題があった。
そこで本発明の目的は、群管理制御プログラムの性能評価を容易に行なうことが出来、然も、従来よりも信頼性の高いシミュレーション結果が得られるエレベータ群管理シミュレーションシステムを提供することである。
本発明に係るエレベータ群管理シミュレーションシステムは、複数のかごを具えたエレベータシステムから得られた実際の運転状況を表わす交通データから乗客の発生状況を表わす乗客発生データを作成する交通データ処理装置と、交通データ処理装置によって作成された乗客発生データを入力データとして前記エレベータシステムの運転をシミュレートするシミュレーション装置とを具えている。
本発明に係るエレベータ群管理シミュレーションシステムにおいては、交通データ処理装置によってシミュレーション装置の入力データとなる乗客発生データが作成されるので、従来の交通流設定データを作成する作業を行なうことなく容易に群管理制御プログラムの性能評価を行なうことが出来る。
又、シミュレーション装置において、エレベータシステムの実際の運転状況を表わす交通データから作成された乗客発生データを入力データとして実際の乗客発生状況と近い状況で乗客を発生させることが出来るので、交通流設定データに基づいて乗客がポアソン到着すると仮定してランダムに乗客を発生させていた上記従来のシミュレーション装置に比べて信頼性の高いシミュレーション結果を得ることが出来る。
具体的構成において、交通データには、かご内にて行先階を登録するかご呼び操作に関するかご呼びデータが含まれており、前記交通データ処理装置は、乗車かご識別データと乗客発生階データと乗客行先階データと乗客発生時刻データとを含む乗客データを乗客毎に作成し、作成した乗客データから乗客発生データを作成するものであって、
交通データに含まれるかご呼びデータに基づいて、前記複数のかごの何れかのかご内にてかご呼び操作によって行先階が登録されたか否かを判断する行先階登録有無判断手段と、
前記行先階登録有無判断手段によって前記複数のかごの何れかのかご内にてかご呼び操作によって行先階が登録されたと判断されたときに、該かご呼び操作が行なわれたかごを表わす乗車かご識別データを含む乗客データを作成する第1乗客データ作成手段と、
前記第1乗客データ作成手段によって作成された乗客データから乗客発生データを作成する乗客発生データ作成手段
とを具えている。
上記具体的構成においては、かご呼び操作によって行先階を登録した乗客についての乗客データが作成されることになる。
又、具体的構成において、交通データには、更に、かごの走行状態に関するかご走行状態データと、乗り場にてかごを呼ぶための乗り場呼びを登録する乗り場呼び操作に関する乗り場呼び登録データと、かごの位置を表わすかご位置データと、かごの運転方向を表わすかご運転方向データとが含まれており、前記第1乗客データ作成手段は、
前記行先階登録有無判断手段によって前記複数のかごの何れかのかご内にてかご呼び操作によって行先階が登録されたと判断されたときに、交通データに含まれるかご呼びデータとかご走行状態データとに基づいて、該かご呼び操作がかごの停止後に該かご内にて初めて行なわれたかご呼び操作であるか否かを判断する手段と、
前記かご呼び操作がかごの停止後に該かご内にて初めて行なわれたかご呼び操作であると判断されたときに、交通データに含まれる少なくともかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、該かごの停止階にて乗り場呼び操作によって乗り場呼びが登録された時刻を表わす時刻データを乗客発生時刻データとして設定する手段
とを具えている。
かごがある階床に停止した後に該かご内にて最初にかご呼び操作によって行先階を登録した人物は、乗り場に最初に到着して乗り場呼び操作を行なったものと推定される。
そこで、上記具体的構成においては、かご呼び操作がかごがある階床に停止した後に該かご内にて初めて行なわれたかご呼び操作である場合には、その停止階にて乗り場呼び操作が行なわれた時刻を表わす時刻データが乗客発生時刻データとして設定される。
尚、かご走行状態データ、かご位置データ、かご運転方向データ及び乗り場呼び登録データの4種類のデータに加え、かごドアの動作状態を表わすかごドア動作状態データとかごドアの位置を表わすかごドア状態データとを用いて乗客発生時刻データを設定することも可能であり、かかる構成によれば、4種類のデータに基づいて乗客発生時刻データを設定する構成に比べてより正確に乗客発生時刻データを設定することが出来る。又、上記4種類のデータに加え、乗り場呼び割当ての有無を表わす乗り場呼び割当てデータや乗り場呼びを解除するための乗り場呼びリセット信号データを用いて乗客発生時刻データを設定することや、かごドア動作状態データ及びかごドア状態データに代えて乗り場呼びリセット信号データを用いて乗客発生時刻データを設定することも可能である。更に、乗り場呼び登録データに代えて乗り場呼び割当てデータを用いて乗客発生時刻データを設定することも可能である。
又、具体的構成において、前記第1乗客データ作成手段は、更に、前記かご呼び操作がかごの停止後に該かご内にて初めて行なわれたかご呼び操作でないと判断されたときに、交通データに含まれる少なくともかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとかご呼びデータとに基づいて、該かごの停止階にて乗り場呼び操作によって乗り場呼びが登録された時刻から前記かご呼び操作が行なわれた時刻までの間の任意の時刻を表わす時刻データを乗客発生時刻データとして設定する手段を具えている。
かごがある階床に停止した後に該かご内にて第2番目以降にかご呼び操作によって行先階を登録した人物は、該かごの停止階にて乗り場呼び操作を行なった時刻から該かご呼び操作を行なった時刻までに乗り場に到着したものと推定される。
そこで、上記具体的構成においては、前記かご呼び操作がかごがある階床に停止した後に該かご内にて初めて行なわれたかご呼び操作でない場合には、その停止階にて乗り場呼び操作が行なわれた時刻から前記かご呼び操作が行なわれた時刻までの間の任意の時刻を表わす時刻データが乗客発生時刻データとして設定される。
尚、乗客発生時刻データの設定には、前記かご呼び操作がかごの停止後に該かご内にて初めて行なわれたかご呼び操作であると判断されたときと同様に、ドア動作状態データやドア状態データ等の他のデータを用いることが可能である。
又、具体的構成において、前記第1乗客データ作成手段は、交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、前記停止階を表わす階床データを乗客発生階データとして設定すると共に、交通データに含まれるかご呼びデータに基づいて、前記かご呼び操作によって登録された行先階を表わす階床データを乗客行先階データとして設定する手段を具えている。
又、具体的構成において、前記交通データ処理装置は、更に、
交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、かごが停止時に乗り場呼びに応答したか否かを判断する乗り場呼び応答有無判断手段と、
交通データに含まれるかご呼びデータに基づいて、前記かご内で前記停止時から該かごがその後に減速を開始し或いは停止するまでの間にかご呼び操作によって行先階が登録されたか否かを判断する第2行先階登録有無判断手段と、
前記乗り場呼び応答有無判断手段によってかごが停止時に乗り場呼びに応答したと判断され、且つ、前記第2行先階登録有無判断手段によって前記かご内にてかご呼び操作によって行先階が登録されなかったと判断されたときに、該かごを表わす乗車かご識別データを含む乗客データを作成する第2乗客データ作成手段
とを具えている。そして、前記乗客発生データ作成手段は、前記第1乗客データ作成手段によって作成された乗客データと前記第2乗客データ作成手段によって作成された乗客データとから乗客発生データを作成する。
上記具体的構成においては、かご内に乗り込んだ時点で自己の行先階が既に登録されているためにかご呼び操作を行なわなかった乗客についての乗客データが作成されることになる。
又、具体的構成において、前記第2乗客データ作成手段は、交通データに含まれる少なくともかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、乗り場呼び操作によって前記乗り場呼びが登録された時刻を表わす時刻データを乗客発生時刻データとして設定する手段を具えている。
尚、乗客発生時刻データの設定には、上記第1乗客データ作成手段による乗客発生時刻データの設定と同様に、ドア動作状態データやドア状態データ等の他のデータを用いることが可能である。
又、具体的構成において、前記第2乗客データ作成手段は、交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、前記停止時の停止階を表わす階床データを乗客発生階データとして設定すると共に、交通データに含まれるかご呼びデータに基づいて、前記停止時に既に登録されている1或いは複数の行先階の内の何れかの行先階を表わす階床データを乗客行先階データとして設定する手段を具えている。
又、具体的構成において、交通データには、更に、かごの荷重を表わすかご荷重データが含まれており、前記交通データ処理装置は、更に、
乗客データを作成する第3乗客データ作成手段と、
かご荷重データの値と乗客数との関係が格納されている関係格納手段と、
かごが一方向の移動を開始した階床から該一方向の移動を停止した階床までの複数階の内、該かごが停止した1或いは複数の階床について順次、前記関係格納手段に格納されている関係に従って、交通データに含まれるかご荷重データから該かごの乗客数を導出する第1乗客数導出手段と、
前記第1乗客データ作成手段によって作成された乗客データと前記第2乗客データ作成手段によって作成された乗客データと前記第3乗客データ作成手段によって作成された乗客データとから、かごが前記一方向の移動を開始した階床から前記1或いは複数の階床の各階床まで移動したときの各階床での該かごの乗客数を順次導出する第2乗客数導出手段と、
前記第1乗客数導出手段及び前記第2乗客数導出手段によって1つの階床での乗客数が導出される度に、両乗客数導出手段によって導出された両乗客数を比較する乗客数比較手段
とを具えている。前記第3乗客データ作成手段は、前記第1乗客数導出手段によって導出された乗客数が前記第2乗客数導出手段によって導出された乗客数よりも多いと判断されたときに、前記かごを表わす乗車かご識別データを含む乗客データを両乗客数の差と同じ人数分だけ作成し、前記乗客発生データ作成手段は、前記第1乗客データ作成手段によって作成された乗客データと前記第2乗客データ作成手段によって作成された乗客データと前記第3乗客データ作成手段によって作成された乗客データとから乗客発生データを作成する。
かご荷重データから導出された乗客数が乗客データから導出された乗客数よりも多い場合には、乗客データから導出された乗客数が実際の乗客数を下回っていると推定される。
そこで、上記具体的構成においては、かごが一方向に移動を開始した階床から該一方向の移動を停止した階床までの複数階の内、該かごが停止した1或いは複数の階について順次、かご荷重データから導出された乗客数と乗客データから導出された乗客数の差と同じ人数分だけ乗客データが作成される。
又、具体的構成において、前記第3乗客データ作成手段は、かごが一方向の移動を開始した階床から前記第1乗客数導出手段及び前記第2乗客数導出手段によって乗客数が導出された階床までの内、乗り場呼びに応答して前記かごが停止した何れかの階床を表わす階床データを乗客発生階データとして設定すると共に、前記第1乗客数導出手段及び前記第2乗客数導出手段によって乗客数が導出された階床よりも1つ先の階床から前記かごが前記一方向の移動を停止した階床までの内、前記かごから降りた乗客が存在する何れかの階床を表わす階床データを乗客行先階データとして設定する。
更に具体的構成において、交通データには、更に、かごドアの動作状態に関するかごドア動作状態データが含まれており、前記第3乗客データ作成手段は、交通データに含まれる少なくともかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとかごドア動作状態データとに基づいて、乗り場呼びに応答して前記かごが停止した前記何れかの階床で乗り場呼び操作によって乗り場呼びが登録された時刻からかごドアの閉じ動作が開始された時刻までの間の任意の時刻を表わす時刻データを乗客発生時刻データとして設定する。
尚、乗客発生時刻データの設定には、上記第1乗客データ作成手段による乗客発生時刻データの設定と同様に、ドア動作状態データやドア状態データ等の他のデータを用いることが可能である。
更に又、具体的構成において、前記かご荷重データは複数の値の内の何れかの値をとるものであって、前記交通データ処理装置は、
交通データに含まれるかご荷重データが各値以下の値をとる累積頻度をかご毎に算出する累積頻度算出手段と、
かご毎に、前記累積頻度算出手段によって算出された各累積頻度の、かご荷重データが各値をとる頻度の総和に対する比率を表わす累積比率を算出する累積比率算出手段と、
かご荷重データの各値について、エレベータシステムを構成する前記複数のかごの間で基準とする基準累積比率を設定する基準累積比率設定手段と、
かご荷重データの値と前記基準累積比率設定手段によって設定された基準累積比率の関係と、前記累積比率算出手段によって算出された累積比率と、かご荷重データの1単位当たりの乗客数とに基づいて、かご荷重データの値と乗客数との関係をかご毎に導出して前記関係格納手段に格納する関係導出手段
とを具えている。そして、前記第1乗客数導出手段は、乗客数を導出するかごについてのかご荷重データの値と乗客数との関係に従って、かご荷重データの値から該かごの乗客数を導出する。
あるエレベータシステムを構成する複数のかごの間では、かご荷重データが各値以下の値をとる累積頻度の総頻度(かご荷重データが各値をとる頻度の総和)に対する比率は略等しくなると考えられるが、実際には、ばらつきが生じることになる。このばらつきは荷重センサの検出誤差などにより生じるものであるので、かご荷重データの値と乗客数との関係はかご毎に異なると考えられる。
そこで上記具体的構成においては、かご荷重データの各値について複数のかご間で基準となる基準累積比率が設定され、かご毎に、かご荷重データの値と基準累積比率の関係と、かご荷重データが各値以下の値をとる累積比率と、かご荷重データの1単位当たりの乗客数とに基づいて、かご荷重データの値と乗客数との関係が導出される。
本発明に係るエレベータ群管理シミュレーションシステムによれば、群管理制御プログラムの性能評価を容易に行なうことが出来、然も、従来よりも信頼性の高いシミュレーション結果を得ることが出来る。
図1は本発明に係るエレベータ群管理シミュレーションシステムの全体構成を表わすブロック図である。 図2はかご荷重データ−乗客数変換テーブル作成手続きを表わすフローチャートである。 図3は交通データ処理の具体的手続きを表わすフローチャートである。 図4は変換テーブル作成処理の具体的手続きの第1部を表わすフローチャートである。 図5は上記手続きの第2部を表わすフローチャートである。 図6は上記手続きの第3部を表わすフローチャートである。 図7はかご荷重データが各値以下の値をとる累積比率を表わすグラフである。 図8はかご荷重データと基準累積比率の関係を表わすグラフである。 図9は乗客発生リストデータ作成手続きを表わすフローチャートである。 図10はかご呼びデータ処理の具体的手続きを表わすフローチャートである。 図11はかご走行状態データ処理の具体的手続きを表わすフローチャートである。 図12はかご運転方向データ処理の具体的手続きを表わすフローチャートである。 図13は乗客データ作成処理の具体的手続きの第1部を表わすフローチャートである。 図14は上記手続きの第2部を表わすフローチャートである。 図15は上記手続きの第3部を表わすフローチャートである。 図16は上記手続きの第4部を表わすフローチャートである。 図17は乗客発生リストデータへの追加処理の具体的手続きを表わすフローチャートである。 図18は従来のシミュレーション装置によるシミュレーション結果を表わすグラフである。 図19は本発明に係るエレベータ群管理シミュレーションシステムによるシミュレーション結果を表わすグラフである。 図20は従来のシミュレーション装置の構成を表わすブロック図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るエレベータ群管理シミュレーションシステムは、図1に示す如く、あるエレベータシステムから得られた実際の運転状況を表わす現場交通データから乗客の発生状況を表わす乗客発生リストデータを作成する交通データ処理装置(1)と、該交通データ処理装置(1)によって作成された乗客発生リストデータが格納される第1データ格納装置(2)と、ユーザによって予め作成された従来と同様のエレベータ仕様データ及びビル仕様データからなる仕様データが格納されている第2データ格納装置(20)と、第1データ格納装置(2)に格納されている乗客発生リストデータと第2データ格納装置(20)に格納されているエレベータ仕様データ及びビル仕様データとを入力データとして前記エレベータシステムの運転をシミュレートするシミュレーション装置(3)とを具えている。
前記乗客発生リストデータは階床毎に作成され、各乗客発生リストデータは、発生階及び行先階が同じ乗客についての乗客発生時刻データを配列して構成されている。
前記交通データ処理装置(1)においては、データ格納装置(5)から、例えば1日分の現場交通データが交通データ入力部(11)に入力されて所定のフォーマットに従って変換され、変換後の現場交通データがかご荷重データ−乗客数変換テーブル作成部(12)及び乗客発生リストデータ作成部(13)に供給される。
かご荷重データ−乗客数変換テーブル作成部(12)は、供給された現場交通データからかご荷重データ−乗客数変換テーブルを作成し、作成したかご荷重データ−乗客数変換テーブルをテーブル格納部(14)に格納する。尚、かご荷重データ−乗客数変換テーブル作成処理については後述する。
一方、乗客発生リストデータ作成部(13)は、供給された現場交通データから乗客発生リストデータを作成し、作成した乗客発生リストデータを交通データ処理結果出力部(15)に供給する。前記テーブル格納部(14)に格納されているかご荷重データ−乗客数変換テーブルは、この乗客発生リストデータの作成時に用いられる。尚、乗客発生リストデータの作成処理については後述する。
交通データ処理結果出力部(15)は、供給された乗客発生リストデータを所定のフォーマットに従って変換し、変換後の乗客発生リストデータを第1データ格納装置(2)に出力する。尚、第1データ格納装置(2)を省略して、交通データ処理装置(1)の内蔵メモリに乗客発生リストデータを格納し、シミュレーション装置(3)からのファンクションコールの戻り値として該乗客発生リストデータを該シミュレーション装置(3)に供給する構成を採用することも可能である。
前記シミュレーション装置(3)においては、乗客発生部(31)は、第1データ格納装置(2)から乗客発生リストデータを読み出した後、読み出した乗客発生リストデータに基づいて乗客を発生させ、各乗客についての乗客情報を乗り場呼び登録部(32)及び乗客管理部(33)に供給する。乗り場呼び登録部(32)は、供給された乗客情報に基づいて乗り場呼びの登録情報を群管理制御部(34)に供給する。
一方、乗客管理部(33)は、上述の如く乗客発生部(31)から供給された乗客情報を、対応する乗り場呼びの待ち行列リストに追加する処理、かごの応答時に乗り場呼びの待ち行列リストからかご乗客リストに移動させる処理、及び乗客の行先階到着時にかご乗客リストから削除する処理を順次行なう。又、乗客管理部(33)は、各処理を行なうタイミングで、かご内にて行先階を登録するかご呼び等のイベントをかご呼び登録部(35)及びエレベータ制御部(36)に通知すると共に、乗客の待ち時間データや乗車時間データを蓄積して統計解析部(37)に供給する。
前記かご呼び登録部(35)は、乗客管理部(33)からかご呼びイベントの通知を受けて、かご呼びの登録情報をエレベータ制御部(36)に供給する。
又、エレベータ制御部(36)には、第2データ格納装置(20)から仕様データが入力される。
エレベータ制御部(36)は、乗客管理部(33)からイベントの通知を受けて、第2データ格納装置(20)から入力された仕様データ、群管理制御部(34)から供給された乗り場呼び割当て情報、及び上述の如くかご呼び登録部(35)から供給されたかご呼び登録情報に基づき、エレベータ群を構成する複数のかごを動作させる。又、エレベータ制御部(36)は、エレベータ群の各種状態(例えば、かご位置、走行方向、走行状態、かごドア状態、荷重など)が変化したとき、その状態情報を群管理制御部(34)に供給する。
群管理制御部(34)は、乗り場呼び登録部(32)から乗り場呼び登録情報が供給されたときに、エレベータ制御部(36)から供給される状態情報に基づいて前記複数のかごの中から最適なかごを割り当て、乗り場呼び割当て情報をエレベータ制御部(36)に供給する。又、乗り場呼びの登録/解除情報など、統計解析処理に必要な情報を統計解析部(37)に供給する。
統計解析部(37)は、乗客が発生したとき、乗客が乗降したとき、乗り場呼びが登録或いは解除されたときに、乗客の待ち時間データや乗車時間データなどの評価データを蓄積し、それらの評価データから乗客の平均待ち時間、最大待ち時間、平均サービス完了時間、乗り場呼びの平均継続時間などを算出して、それらの算出結果をデータ格納装置(6)に出力する。
現場交通データは、エレベータシステムを構成する群管理制御装置から得られるものであって、エレベータシステムの運転中に該システムの動作に変化があったときに作成される、その動作を表わす動作データから構成される。
動作データには、かご内にて行先階を登録するかご呼びが登録/解除されたときに作成されるかご呼び登録の有無を表わすかご呼びデータ、かごの走行状態が変化したときに作成されるかごの走行状態を表わすかご走行状態データ、乗り場にてかごを呼ぶための乗り場呼びが登録/解除されたときに作成される乗り場呼び登録の有無を表わす乗り場呼び登録データ、かごに対して乗り場呼びが割り当てられたときに作成される乗り場呼び割当ての有無を表わす乗り場呼び割当てデータ、かごの運転方向が変化したときに作成されるかごの運転方向を表わすかご運転方向データ、かごの荷重が変化したときに作成されるかごの荷重を表わすかご荷重データ、かごドアの動作状態が変化したときに作成されるかごドアの動作状態を表わすかごドア動作状態データ、かごドアが所定の位置まで移動したときに作成されるかごドア状態データ、かごの位置が変化したときに作成されるかごの位置を表わすかご位置データ、サービスが可能な階床が変化したときに作成されるサービス可能な階床であるか否かを表わすサービス階データ、乗り場呼びに応じてかごが停止するときに作成される乗り場呼びを解除するための乗り場呼びリセット信号データ、及びかごの群管理状態が変化したときに作成されるかごが群管理状態にあるか否かを表わす群管理状態データが含まれている。
各動作データは、動作が変化したときの時刻を表わす時刻データと、データの種類を表わす種類判別データと、エレベータシステムを構成する複数のかごの内、何れのかごであるかを表わすかご番号データと、動作の内容を表わす内容データとから構成されており、各動作データの内容データは、後述の値を有している。
かご呼びデータは、建物の全ての階床についてそれぞれ登録の有無を表わす値を有している。かご走行状態データは、加速・等速状態、減速状態及び停止状態の何れかの状態を表わす値を有している。乗り場呼び登録データは、全ての階床についてそれぞれ方向毎に登録の有無を表わす値を有している。乗り場呼び割当てデータは、全ての階床についてそれぞれ方向毎に割当ての有無を表わす値を有している。かご運転方向データは、上方向、下方向及び方向なしの何れかの方向を表わす値を有している。かご荷重データは、かごの荷重が定格荷重の25%未満である場合に“0”の値、25%以上50%未満である場合に“1”の値、50%以上75%未満である場合に“2”の値、及び75%以上である場合に“3”の値を有している。かごドア動作状態データは、開き動作状態、閉じ動作状態及び停止状態の何れかの状態を表わす値を有している。かごドア状態データは、戸開位置、中間位置、戸閉位置及び戸閉完了位置の何れかの位置を表わす値を有している。かご位置データは、停止可能な階床の内、最も近い階床を表わす値を有しており、かご停止時には停止階を表わす値をとっている。サービス階データは、全ての階床についてそれぞれ方向毎にサービス可能であるか否かを表わす値を有している。乗り場呼びリセット信号データは、乗り場呼びをリセットするか否かを表わす値を有している。群管理状態データは、群管理状態であるか否かを表わす値を有している。
上記交通データ処理装置(1)においては、先ず、入力された現場交通データからかご毎にかご荷重データの値を乗客数に変換するかご荷重データ−乗客数変換テーブルが作成される。その後、入力された現場交通データから乗車かご識別データと乗客発生階データと乗客行先階データと乗客発生時刻データとからなる乗客データが乗客毎に作成され、作成された乗客データから乗客発生リストデータが作成される。
図7は、エレベータシステムが3つのかごを具えている場合に、各かごについてのかご荷重データが“0”(1未満)、“1”(2未満)、“2”(3未満)及び“3”(4未満)の各値以下の値をとる累積比率を表わしている。ここで、かご荷重データが“0”以下の値をとる累積比率は、かご荷重データが“0”の値をとる頻度の総頻度(かご荷重データが“0”、“1”、“2”及び“3”の何れかの値をとる頻度の総和)に対する比率を表わしており、かご荷重データが“1”以下の値をとる累積比率は、かご荷重データが“0”或いは“1”の値をとる累積頻度の前記総頻度に対する比率を表わしている。かご荷重データが“2”以下の値をとる累積比率は、かご荷重データが“0”、“1”及び“2”の何れかの値をとる累積頻度の前記総頻度に対する比率を表わしており、かご荷重データが“3”の値をとる累積比率は、かご荷重データが“0”、“1”、“2”及び“3”の何れかの値をとる累積頻度の前記総頻度に対する比率を表わしている。
エレベータシステムを構成する複数のかごの間では、かご荷重データが“0”から“3”の各値以下の値をとる累積比率は略等しくなると考えられるが、実際には、図示の如く累積比率にばらつきが生じることになる。このばらつきは複数のかごにそれぞれ配備された荷重センサの検出誤差などにより生じるものであるので、かご毎にかご荷重データと乗客数との関係は異なると考えられる。
そこで、後述の如く、かご毎にかご荷重データ−乗客数変換テーブルが作成される。
図2乃至図6は、上記かご荷重データ−乗客数変換テーブル作成手続きを表わしており、先ずステップS1にて、現場交通データからなるファイルを開き、ステップS2では、前記現場交通データを構成する複数レコードの動作データの内、1レコードの動作データを読み出す。続いてステップS3では、読み出した動作データに含まれる種類判別データ、かご番号データ及び内容データを、データの種類を表わす変数code、エレベータシステムを構成する複数のかごの内、何れのかごであるかを表わす変数car、及びデータの内容を表わす変数dataにそれぞれ設定した後、ステップS4では、後述の交通データ処理を実行する。次にステップS5では、上記ステップS2にて読み出した動作データが前記現場交通データを構成する最後のレコードであるか否かを判断し、ノーと判断された場合にはステップS2に戻って、動作データの読出しを繰り返す。その後、ステップS5にてイエスと判断されたときにステップS6に移行して、前記交通データ処理の結果に基づき後述の変換テーブル作成処理を実行して、上記手続きを終了する。
図3は、上記ステップS4の交通データ処理の具体的手続きを表わしている。交通データ処理においては、先ずステップS11にて、データの種類を表わす前記変数codeがかご走行状態データを表わす値であるか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS16に移行する。
一方、前記変数codeがかご走行状態データを表わす値であってステップS11にてイエスと判断された場合には、ステップS12に移行して、データの内容を表わす前記変数dataをかごcarの走行状態を表わす変数cstate[car]に設定した後、ステップS13では、該変数cstate[car]が加速状態を表わす値であるか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS16に移行する。
前記変数cstate[car]が加速状態を表わす値であってステップS13にてイエスと判断された場合には、ステップS14に移行して、かごcarについてのかご荷重データの値を表わす変数load[car]の値を、かご荷重データの値を表わす変数wcに設定する。尚、かごcarについてのかご荷重データの値を表わす変数load[car]には、後述の値が設定される。続いてステップS15では、かごcarについてのかご荷重データの値が前記変数wcの値となった回数を表わす変数loadCnt[car][wc]を1だけインクリメントした後、ステップS16に移行する。
ステップS16では、データの種類を表わす前記変数codeがかご荷重データを表わす値であるか否かを判断し、ノーと判断された場合には、図2のステップS5に戻る。
一方、前記変数codeがかご荷重データを表わす値であって、図3のステップS16にてイエスと判断された場合には、ステップS17にて、データの内容を表わす前記変数dataをかごcarについてのかご荷重データの値を表わす前記変数load[car]に設定した後、図2のステップS5に戻る。
上記手続きによれば、かご毎に、かごが停止階から加速を開始したときにかご荷重データの値が“0”、“1”、“2”及び“3”の各値となった回数がカウントされることになる。
図4乃至図6は、図2のステップS6の変換テーブル作成処理を表わしており、該変換テーブル作成処理においては、先ず、エレベータシステムを構成する全てのかごについて後述のステップS21乃至ステップS23の処理を実行する。
ステップS21では、かご荷重データの値“0”、“1”、“2”及び“3”の各値を変数k、かごiについてのかご荷重データの値が各値となった回数を変数loadCnt[i][k]として、かごiについてのかご荷重データの平均値を算出し、その結果をかご荷重データの平均値を表わす変数loadAvr[i]に設定する。ここで、変数loadCnt[i][k]の値は、上記交通データ処理によって設定されている。
次にステップS22では、かご荷重データの値が“0”となった回数を表わす変数loadCnt[i][0]の値をかご荷重データの値が“1”未満であった累積頻度を表わす変数accum[i][1]に設定する。かご荷重データの値が“1”となった回数を表わす変数loadCnt[i][1]の値と前記変数accum[i][1]の値とを加算した値を、かご荷重データの値が“2”未満であった累積頻度を表わす変数accum[i][2]に設定する。かご荷重データの値が“2”となった回数を表わす変数loadCnt[i][2]の値と前記変数accum[i][2]の値とを加算した値を、かご荷重データの値が“3”未満であった累積頻度を表わす変数accum[i][3]に設定する。かご荷重データの値が“3”となった回数を表わす変数loadCnt[i][3]の値と前記変数accum[i][3]の値とを加算した値を、かご荷重データの値が“4”未満であった累積頻度を表わす変数accum[i][4]に設定する。そして、“0”の値を変数accum[i][0]に設定する。
続いて、変数j=0、1、2、3、4についてステップS23の処理を実行する。即ち、前記変数accum[i][j]の値をかご荷重データが“0”、“1”、“2”及び“3”の各値であった回数の総和で除算し、その結果に“100”の値を乗算した値を、かご荷重データの値が“j”未満であった累積比率を表わす変数ratio[i][j]に設定する。これによって、変数ratio[i][0]、ratio[i][1]、ratio[i][2]、ratio[i][3]、ratio[i][4]に値が設定されることになる。
エレベータシステムを構成する全てのかごについてステップS21乃至ステップS23の処理を実行した後、図5のステップS24に移行して、エレベータシステムを構成するかごの数が奇数であるか否かを判断し、イエスと判断された場合には、ステップS25にて、エレベータシステムを構成する複数のかごの内、かご荷重データの平均値を表わす前記変数loadAvrが中央値であるかごの番号を、基準かごを表わす変数mcarに設定する。次に、変数j=0、1、2、3、4についてステップS26の処理を実行する。即ち、基準かごmcarの累積比率を表わす前記変数ratio[mcar][j]を、基準累積比率を表わす変数mratio[j]に設定する。これによって、変数mratio[0]、mratio[1]、mratio[2]、mratio[3]、mratio[4]に値が設定されることになる。
一方、エレベータシステムを構成するかごの数が偶数であって上記ステップS24にてノーと判断された場合には、ステップS27にて、前記複数のかごの内、かご荷重データの平均値を表わす前記変数loadAvrが中央値である2つのかごの番号を、基準かごを表わす2つの変数mcar1、mcar2に設定する。次に、変数j=0、1、2、3、4についてステップS28の処理を実行する。即ち、2つの基準かごmcar1、mcar2の累積比率を表わす前記変数ratio[mcar1][j]及び前記変数ratio[mcar2][j]の平均値を、基準累積比率を表わす変数mratio[j]に設定する。これによって、変数mratio[0]、mratio[1]、mratio[2]、mratio[3]、mratio[4]に値が設定されることになる。
続いて、エレベータシステムを構成する全てのかごについて、図6のステップS29乃至ステップS39の処理を実行する。
先ずステップS29では、かごiについてのかご荷重データの値が“0”のときの最少乗客数を表わす変数wc2pass[i][0]に“0”の値を設定し、次に、変数wc=1、2、3についてステップS30乃至ステップS39の処理を実行する。ステップS30では、累積比率を表わす前記変数ratio[i][wc]が100以上であって、且つ、基準累積比率を表わす前記変数mratio[wc]が100以上であるか否かを判断し、イエスと判断された場合には、ステップS31にて、かご荷重データの値の1単位当たりの乗客数はかごの定員を“4”の値で除算した値であるので、該値にかご荷重データの値を表わす前記変数wcの値を乗算した値を、かごiについてのかご荷重データの値が変数wcの値であるときの最少乗客数を表わす変数wc2pass[i][wc]に設定する。
上記ステップS30にてノーと判断された場合には、ステップS32に移行して、累積比率を表わす前記変数ratio[i][wc]が基準累積比率を表わす前記変数mratio[1]以下であるか否かを判断し、イエスと判断された場合にはステップS33に移行して、乗客数の導出に用いられる変数nに“1”の値を設定した後、ステップS39に移行する。
上記ステップS32にてノーと判断された場合には、ステップS34に移行して、累積比率を表わす前記変数ratio[i][wc]が基準累積比率を表わす前記変数mratio[2]以下であるか否かを判断し、イエスと判断された場合にはステップS35に移行して、前記変数nに“2”の値を設定した後、ステップS39に移行する。
上記ステップS34にてノーと判断された場合には、ステップS36に移行して、累積比率を表わす前記変数ratio[i][wc]が基準累積比率を表わす前記変数mratio[3]以下であるか否かを判断し、イエスと判断された場合には、前記変数nに“3”の値を設定した後、ステップS39に移行する。
上記ステップS36にてノーと判断された場合には、ステップS38に移行して、前記変数nに“4”の値を設定した後、ステップS39に移行する。
ステップS39では、下記数1によって表わされる値Yを、かごiについてのかご荷重データの値が変数wcの値であるときの最少乗客数を表わす変数wc2pass[i][wc]に設定する。
Figure 0005471102
尚、下記数1は、次の様にして導出される。
図8は、かご荷重データの値と累積比率との関係が線形関係であると仮定して、かご荷重データの値と上記基準累積比率との関係を表わしたものである。かごiについてのかご荷重データの値wcの累積比率ratio[i][wc]がかご荷重データの値が上記変数nの値であるときの基準累積比率mratio[n]以下である場合、かご荷重データの値と基準累積比率との関係において累積比率ratio[i][wc]に対応するかご荷重データの値Xは、下記数2によって表わされる。
Figure 0005471102
従って、かごiについてのかご荷重データの値wcに対応する最少乗客数は、上記数1によって表わされる。
変数wc=1、2、3について図6のステップS30乃至ステップS39の処理を実行することによって、変数wc2pass[i][1]、wc2pass[i][2]、wc2pass[i][3]に値が設定されることになる。
その後、エレベータシステムを構成する全てのかごについてステップS29乃至ステップS39の処理を実行したときに、上記のかご荷重データ−乗客数変換テーブル作成手続きを終了する。該手続きによって、かご荷重データ−乗客数変換テーブルが作成されてテーブル格納部に格納されることになる。
図9は、乗客発生リストデータ作成手続きを表わしている。先ずステップS41にて、現場交通データからなるファイルを開き、ステップS42では、前記現場交通データを構成する複数レコードの動作データの内、1レコードの動作データを読み出す。続いてステップS43では、読み出した動作データに含まれる種類判別データ、かご番号データ及び内容データをそれぞれ、データの種類を表わす変数code、エレベータシステムを構成する複数のかごの内、何れのかごであるかを表わす変数car、及びデータの内容を表わす変数dataに設定する。次にステップS44では、データの種類を表わす前記変数codeの値がかご呼びデータを表わす値であるか否かを判断し、イエスと判断された場合にはステップS45に移行して、後述のかご呼びデータ処理を実行した後、ステップS50に移行する。
上記ステップS44にてノーと判断された場合には、ステップS46に移行して、データの種類を表わす前記変数codeの値がかご走行状態データを表わす値であるか否かを判断し、イエスと判断された場合にはステップS47に移行して、後述のかご走行状態データ処理を実行した後、ステップS50に移行する。
上記ステップS46にてノーと判断された場合には、ステップS48に移行して、データの種類を表わす前記変数codeの値がかご運転方向データを表わす値であるか否かを判断し、イエスと判断された場合にはステップS49に移行して、後述のかご運転方向データ処理を実行した後、ステップS50に移行する。一方、ステップS48にてノーと判断された場合には、ステップS49を迂回してステップS50に移行する。
ステップS50では、上記ステップS42にて読み出した動作データが前記現場交通データを構成する最後のレコードであるか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS42に戻って、動作データの読出しを繰り返す。その後、ステップS50にてイエスと判断されたときに上記手続きを終了する。
図10は、上記ステップS45のかご呼びデータ処理の具体的手続きを表わしている。かご呼びデータ処理においては、先ずステップS51にて、上記ステップS42にて読み出されたかご呼びデータと1つ前のかご呼びデータとを比較して、かご呼び操作によってかご呼び(行先階)が登録されたか否かを判断する。ここで、かご呼び操作によってかご呼びの登録が解除された場合には、ノーと判断されて、図9のステップS50に戻る。
一方、かご呼び操作によってかご呼びの登録が行なわれた場合には、図10のステップS51にてイエスと判断されてステップS52に移行し、前記現場交通データに含まれるかご呼びデータ及びかご走行状態データに基づいて、前記かご呼びがかごがある階床に停止した後に該かご内にて初めて登録されたかご呼びであるか否かを判断する。
かごがある階床に停止した後に該かご内にて最初にかご呼びを登録した人物は、乗り場に最初に到着して乗り場呼び操作を行なったものと推定される。
そこで、前記かご呼びがかごがある階床に停止した後に該かご内にて初めて登録されたかご呼びである場合には、ステップS53にて、現場交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、その停止階にて乗り場呼び操作によって前記かごが応答した乗り場呼びが登録された時刻を表わす時刻データを乗客発生時刻を表わす変数tに設定した後、ステップS55に移行する。
これに対し、かごがある階床に停止した後に該かご内にて第2番目以降にかご呼びを登録した人物は、その停止階にて乗り場呼び操作によって乗り場呼びが登録された時刻から該かご呼びが登録された時刻までに乗り場に到着したものと推定される。
そこで、前記かご呼びがかごがある階床に停止した後に該かご内にて初めて行なわれたかご呼びでない場合には、ステップS54にて、現場交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとかご呼びデータとに基づいて、その停止階にて乗り場呼び操作によって前記かごが応答した乗り場呼びが登録された時刻から前記かご呼びが登録された時刻までの任意の時刻を表わす時刻データを乗客発生時刻を表わす前記変数tに設定した後、ステップS55に移行する。
ステップS55では、前記かご呼びデータに含まれるかご番号データcarを乗車かご識別データ、前記停止階を表わす階床データを乗客発生階データ、前記かご呼び操作によって登録された行先階を表わす階床データを乗客行先階データ、前記変数tの値を乗客発生時刻データとして設定して乗客データを作成し、作成した乗客データに基づいて、乗客発生データを対応する乗客発生リストデータに追加する後述の処理を実行した後、図9のステップS50に戻る。ここで、前記停止階は、かご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとから認識することが出来、前記かご呼び操作によって登録された行先階は、前記かご呼びデータから認識することが出来る。
上記手続きによって、かご呼び操作によってかご呼びを登録した乗客についての乗客発生時刻データが乗客発生リストデータに追加されることになる。
乗客発生リストデータへの追加処理においては、先ず図17のステップS121にて、上述の如く作成された乗客データを構成する乗車かご識別データ、乗客発生階データ、乗客行先階データ及び乗客発生時刻データをそれぞれ、乗車かごを表わす変数car、乗客発生階を表わす変数sfl、乗客行先階を表わす変数dfl、及び乗客発生時刻を表わす変数timeに設定した後、ステップS122では、前記変数carの値、前記変数sflの値及び前記変数dflの値に基づいて、乗車人数を表わす変数boardPass[car][sfl]を1だけインクリメントすると共に、降車人数を表わす変数leavePass[car][dfl]を1だけインクリメントする。尚、これらの変数boardPass[car][sfl]、leavePass[car][dfl]は、後述の運転方向データ処理に利用される。
最後にステップS123では、発生階を前記変数sflの値、行先階を前記変数dflの値とする乗客発生リストデータpassList[sfl][dfl]に乗客発生時刻データtimeを追加して、上記手続きを終了する。
図11は、図9の上記ステップS47のかご走行状態データ処理の具体的手続きを表わしている。かご走行状態データ処理においては、先ずステップS61にて、図9のステップS42にて読み出されたかご走行状態データが減速状態を表わしているか否かを判断し、ノーと判断された場合にはステップS50に戻る。
一方、前記かご走行状態データが減速状態を表わしている場合には、図11のステップS62に移行して、前記現場交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、減速を開始したかごが前回の停止時に乗り場呼びに応答したか否かを判断する。
かごが乗り場呼びに応答したのではない場合には、停止した階床から該かご内に乗り込んだ乗客は存在しないと考えて、乗客データを作成することなく図9のステップS50に戻る。
一方、図11のステップS62にてイエスと判断された場合には、ステップS63に移行して、現場交通データに含まれるかご呼びデータに基づいて、減速を開始した前記かご内で前回の停止時から該かごが減速を開始するまでの間にかご呼び操作によってかご呼びが登録されたか否かを判断する。尚、上記ステップS61にてかご走行状態データが停止状態を表わしているか否かを判断し、ステップS63では、停止したかご内で前回の停止時からその停止時までの間にかご呼びが登録されたか否かを判断することも可能である。
上記ステップS63にてイエスと判断された場合には、上記かご呼びデータ処理においてかご呼びを登録した乗客についての乗客データが作成されるので、乗客データを作成することなく図9のステップS50に戻る。
一方、図11のステップS63にてノーと判断された場合には、現場交通データに含まれるかご呼びデータに基づいて、前記乗り場呼びに応答して前記かごが停止した時点で既に登録されている複数の行先階の内、その停止階から最遠の行先階を表わす階床データを乗客行先階を表わす変数dflに設定する。尚、最遠の行先階に限らず、何れの行先階を表わす階床データを前記変数dflに設定してもよい。
次にステップS65では、現場交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、前記停止階にて前記乗り場呼びが登録された時刻を乗客発生時刻を表わす変数tに設定した後、ステップS66では、前記かご走行状態データに含まれるかご番号データcarを乗車かご識別データ、前記停止階を表わす階床データを乗客発生階データ、乗客行先階を表わす前記変数dflの値を乗客行先階データ、乗客発生時刻を表わす前記変数tの値を乗客発生時刻データとして設定して乗客データを作成し、作成した乗客データに基づいて、乗客発生時刻データを対応する乗客発生リストデータに追加する上記の乗客発生リストデータへの追加処理を実行した後、図9のステップS50に戻る。ここで、前記停止階は、かご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとから認識することが出来る。
上記手続きによって、かご内に乗り込んだ時点で自己の行先階が既に登録されているためにかご呼び操作を行なわなかった乗客についての乗客データが乗客発生リストデータに追加されることになる。
図12は、図9のステップS49のかご運転方向データ処理の具体的手続きを表わしている。かご運転方向データ処理においては、先ずステップS71にて、図9のステップS42にて読み出されたかご運転方向データと、該かご運転方向データに含まれるかご番号データと同じかご番号データを含む1つ前のかご運行データとを比較して、かごの運転方向が反転したか否かを判断し、イエスと判断された場合は、ステップS73に移行して、後述の乗客データ作成処理を実行した後、図9のステップS50に戻る。
一方、図12のステップS71にてノーと判断された場合には、ステップS72に移行して、上記ステップS42にて読み出されたかご運転方向データに基づいてかごの運転方向がなくなったか否かを判断し、イエスと判断された場合には、ステップS73にて乗客データ作成処理を実行した後、図9のステップS50に戻る。ステップS72にてノーと判断された場合には、乗客データ作成処理を実行することなく図9のステップS50に戻る。
図13乃至図16は、乗客データ作成処理の具体的手続きを表わしている。乗客データ作成処理においては、かごが一方向の移動を開始してから該移動を停止するまでに乗り場呼びに応答した全ての階床について、図13のステップS81乃至図16のステップS114の処理を実行する。尚、乗り場呼びに応答した階床は、現場交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとから認識することが出来る。
先ずステップS81にて、かごが乗り場呼びに応答した階床iを出発した時点でのかご荷重データの値を、かご荷重データの値を表わす変数wcに設定した後、ステップS82では、前記変数wcの値が“0”を上回るか否かを判断する。ここで、前記変数wcの値が“0”である場合には、ステップS81に戻って、次の階床についてステップS81以降の処理を実行する。
一方、前記変数wcの値が“1”、“2”及び“3”の何れかの値であって上記ステップS82にてイエスと判断された場合には、ステップS83に移行して、現場交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、前記かごが前記階床iを出発した直後に該階床iにて乗り場呼び操作によって同じ方向の乗り場呼びが再び登録されたか否かを判断する。
前記かごが前記階床iを出発した直後に該階床iにて乗り場呼び操作によって同じ方向の乗り場呼びが再び登録された場合には、該階床iから該かご内に乗り込めなかった乗客が存在すると推定される。
そこで、ステップS83にてイエスと判断された場合には、ステップS84に移行して、前記変数wcの値が“3”以上であるか否かを判断し、該値が“3”であってイエスと判断された場合には、ステップS85にて、所定の最大乗車人数(例えば、かごの定員の8割)を、かご荷重データから導出された乗客数を表わす変数loadPassに設定した後、ステップS89に移行する。又、上記ステップS84にてノーと判断された場合には、ステップS86に移行して、前記変数wcの値が“2”以上であるか否かを判断し、該値が“2”であってイエスと判断された場合には、ステップS87にて、テーブル格納部に格納されているかご荷重データ−乗客数変換テーブルに従って前記変数wcの値よりも1だけ大きい値“3”を乗客数に変換し、その乗客数から“1”を減算した値を前記変数loadPassに設定した後、ステップS89に移行する。
上述の如く、かごが階床iを出発した直後に該階床iにて同じ方向の乗り場呼びが登録され、且つかご荷重データの値が“3”の場合に乗客数を前記所定の最大乗車人数に設定し、かご荷重データの値が“2”の場合に乗客数をかご荷重データが“2”の値をとる最大乗車人数に設定することによって、かご内に乗り込めなかった乗客の存在に基づく満員に近い乗客数の発生を後段のシミュレーションにおいて再現することが出来る。
これに対し、前記かごが前記階床iを出発した直後に該階床iにて乗り場呼びが登録されず、上記ステップS83にてノーと判断された場合には、階床iからかご内に乗り込めなかった乗客は存在しなかったと推定されるので、ステップS88に移行して、テーブル格納部に格納されているかご荷重データ−乗客数変換テーブルに従って前記変数wcの値を乗客数に変換し、その乗客数を前記変数loadPassに設定した後、ステップS89に移行する。又、前記変数wcの値が“1”以下であって上記ステップS86にてノーと判断された場合には、階床iでかごが満員であると判断して該かご内に乗り込まなかった乗客は存在しなかったと推定されるので、ステップS88に移行して、テーブル格納部に格納されているかご荷重データ−乗客数変換テーブルに従って前記変数wcの値を乗客数に変換し、その乗客数を前記変数loadPassに設定した後、ステップS89に移行する。
ステップS89では、図9のステップS42にて読み出されたかご運転方向データが変化する前に上方向を表わしていたか否かを判断し、イエスと判断された場合には、ステップS90にて、前記一方向の移動を開始した最下階を表わす階床データを始端の階床を表わす変数sfl、前記一方向の移動を停止した最上階を表わす階床データを終端の階床を表わす変数eflに設定する一方、ステップS89にてノーと判断された場合には、ステップS91にて、前記一方向の移動を開始した最上階を表わす階床データを始端の階床を表わす前記変数sfl、前記一方向の移動を停止した最下階を表わす階床データを終端の階床を表わす前記変数eflに設定する。
続いて図14のステップS92では、乗客データから導出された乗客数を表わす変数minPassに“0”の値を設定した後、前記変数sflの値が表わす始端階床から前記階床iまでの全ての階床について後述のステップS93乃至ステップS96の処理を実行する。
先ずステップS93にて、図17に示す乗客発生リストデータへの追加処理においてインクリメントされる、階床jからの乗車人数を表わす上記変数boardPass[car][j]の値が“0”を上回っているか否かを判断し、イエスと判断された場合には、ステップS94にて、乗客数を表わす前記変数minPassの値に前記変数boardPass[car][j]の値を加算した後、ステップS95に移行する。一方、前記変数boardPass[car][j]の値が“0”であってステップS93にてノーと判断された場合は、ステップS94を迂回してステップS95に移行する。
ステップS95では、上記の乗客発生リストデータへの追加処理においてインクリメントされる、階床jでの降車人数を表わす上記変数leavePass[car][j]の値が“0”の値を上回っているか否かを判断し、イエスと判断された場合には、ステップS96にて、乗客数を表わす前記変数minPassの値から前記変数leavePass[car][j]の値を減算する。一方、前記変数leavePass[car][j]の値が“0”であってステップS95にてノーと判断された場合は、ステップS96を迂回する。
前記変数sflの値が表わす始端階床から前記階床iまでの全ての階床について上記ステップS93乃至ステップS96の処理を実行することによって、既に作成されている乗客データから、かごが前記一方向の移動を開始してから前記階床iまで移動したときの該階床iでの最終的な乗客数が導出されることになる。
その後、図15のステップS97にて、かご荷重データの値から導出された乗客数を表わす上記変数loadPassが乗客データから導出された乗客数を表わす上記変数minPassを上回っているか否かを判断し、ノーと判断された場合には、図13のステップS81に戻って、次の階床についてステップS81以降の処理を実行する。
これに対し、かご荷重データの値から導出された乗客数を表わす上記変数loadPassが乗客データから導出された乗客数を表わす上記変数minPassを上回っており、図15のステップS97にてイエスと判断された場合には、ステップS98にて、乗り場呼びが登録されてからかごドアの閉じ動作が開始されるまでの時間の総和を表わす変数sumtに“0”の値を設定した後、かごが一方向の移動を開始してから階床iへ移動するまでに乗り場呼びに応答して停止した全ての階床について、後述のステップS99及びステップS100の処理を実行する。
ステップS99では、現場交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとかごドア動作状態データとに基づいて、前記変数sumtに、乗り場呼びに応答して停止した階床kにて乗り場呼びが登録されてから該階床kにてかごドアの閉じ動作が開始されるまでの時間を加算する。次にステップS100では、前記時間が加算された階床kと階床iが等しいか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS99に戻って前記時間の加算を繰り返す。その後、前記時間が加算された階床kと階床iが等しくなったときに、ステップS100にてイエスと判断されてステップS101に移行する。これによって、前記変数sumtに、かごが一方向の移動を開始してから階床iへ移動するまでに乗り場呼びに応答して停止した全ての階床についての前記時間の総和が設定されることになる。例えば、かごが1階から5階(i=5)へ移動するまでに乗り場呼びに応答して停止した階床が1階と3階と5階であって、1階での前記時間が30秒、3階での前記時間が20秒、5階での前記時間が10秒である場合には、前記変数sumtに60秒が設定されることになる。
ステップS101では、前記変数sumtの値が“0”の値を上回っているか否かを判断し、前記変数sumtの値が“0”であってノーと判断された場合には、図13のステップS81に戻って、次の階床についてステップS81以降の処理を実行する。
これに対し、前記変数sumtの値が“0”の値を上回っており、図15のステップS101にてイエスと判断された場合には、ステップS102にて、かごから降りた乗客が存在する階床数を表わす変数sumccに“0”の値を設定した後、階床iの1つ先の階床からかごが上記変数eflの値が表わす終端階床までの全ての階床について、後述のステップS103及びステップS104の処理を実行する。
ステップS103では、乗客データから導出された階床kでの降車人数を表わす上記変数leavePass[car][k]の値が“0”の値を上回っているか否かを判断し、イエスと判断された場合には、乗客行先階の候補階床を表わす変数ccfl[sumcc]に階床を表わす値kを設定すると共に、かごから降りた乗客が存在する階床数を表わす前記変数sumccを1だけインクリメントする。一方、前記変数leavePass[car][k]の値が“0”であって上記ステップS103にてノーと判断された場合には、上記ステップS104を迂回する。階床iの1つ先の階床から終端階床までの全ての階床について、ステップS103及びステップS104の処理を実行することによって、階床iの1つ先の階床からかごが前記一方向の移動を停止した階床までの階床の内、かごから降りた乗客が存在する1或いは複数の階床を表わす値がそれぞれ、変数ccfl[sumcc]に設定されることになる。かごが1階から5階(i=5)へ移動するまでに乗り場呼びに応答して停止した階床が1階と3階と5階である上記例において、8階と10階にかごから降りた乗客が存在する場合には、変数ccfl[0]に“8”の値、変数ccfl[1]に“10”の値が設定されることになる。
その後、図16のステップS105では、かごから降りた乗客が存在する階床数を表わす前記変数sumccの値が“0”の値を上回っているか否かを判断し、前記変数sumccの値が“0”であってノーと判断された場合には、図13のステップS81に戻って、次の階床についてステップS81以降の処理を実行する。
一方、前記変数sumccの値が“0”の値を上回っており、図16のステップS105にてイエスと判断された場合には、ステップS106に移行して、かご荷重データから導出された乗客数を表わす上記変数loadPassの値が乗客データから導出された乗客数を表わす上記変数minPassの値を上回っているか否かを判断する。
かご荷重データから導出された乗客数を表わす上記変数loadPassの値が乗客データから導出された乗客数を表わす上記変数minPassの値を上回っている場合には、乗客データから導出された乗客数が実際の乗客数を下回っていると推定される。そこでステップS106にてイエスと判断された場合には、後述の処理を実行して乗客データを作成する。
ステップS107では、“0”の値から乗り場呼びが登録されてからかごドアの閉じ動作が開始されるまでの時間の総和を表わす上記変数sumtの値までの範囲内の任意の値を乗客発生時刻の算出に用いる変数tに設定した後、かごが一方向の移動を開始してから階床iへ移動するまでに乗り場呼びに応答して停止した全ての階床について、後述のステップS108乃至ステップS114の処理を実行する。
ステップS108では、現場交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとかごドア動作状態データとに基づいて、階床jにて乗り場呼びが登録されてから該階床jにてかごドアの閉じ動作が開始されるまでの時間を乗客発生階の決定に用いる変数hcToDcに設定した後、乗客発生時刻の算出に用いる前記変数tの値が該変数hcToDcの値を下回っているか否かを判断し、イエスと判断された場合にはステップS110に移行して、“0”の値以上であって、且つ前記変数sumccの値未満の任意の値を、乗客行先階データを指す変数nに設定した後、現場交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、階床jにて乗り場呼びが登録された時刻に前記変数tの値を加算した値を乗客発生時刻を表わす変数ptに設定する。続いてステップS112では、前記乗り場呼び登録データに含まれるかご番号データcarを乗車かご識別データ、階床jを表わす階床データを乗客発生階データ、前記変数ccfl[n]の値を乗客行先階データ、前記変数ptの値を乗客発生時刻データとして設定して乗客データを作成し、作成した乗客データに基づいて、乗客発生時刻データを対応する乗客発生リストデータに追加する上記処理を実行し、次にステップS113では、かご荷重データから導出された乗客数を表わす上記変数loadPassの値を1だけデクリメントした後、ステップS106に戻る。かごが1階から5階(i=5)へ移動するまでに乗り場呼びに応答して停止した階床が1階と3階と5階である上記例において、上記ステップS107にて上記変数tに20秒が設定された場合には、該変数tの値は1階にて乗り場呼びが登録されてからかごドアの閉じ動作が開始されるまでの時間(変数hcToDc=30秒)を下回ることとなるので上記ステップS109にてイエスと判断され、その後、上記ステップS110では上記変数nに“0”及び“1”の何れかの値が設定される。上記ステップS110にて上記変数nに“0”の値が設定された場合には、乗客発生階を1階、乗客行先階を8階、乗客発生時刻を1階での乗り場呼び登録時刻に20秒を加算した時刻とする乗客データが作成されることになる。
これに対し、乗客発生時刻の算出に用いる前記変数tの値が乗客発生階の決定に用いる前記変数hcToDcの値を上回っており、上記ステップS109にてノーと判断された場合には、ステップS114にて、前記変数tの値から前記変数hcToDcの値を減算した後、ステップS108に戻る。かごが1階から5階へ移動するまでに乗り場呼びに応答して停止した階床が1階と3階と5階である上記例において、上記ステップS107にて上記変数tに40秒が設定された場合には、該変数tの値は1階にて乗り場呼びが登録されてからかごドアの閉じ動作が開始されるまでの時間(変数hcToDc=30秒)を上回ることとなるので上記ステップS109にてノーと判断されて、ステップS114にて前記変数tに10秒が設定される。その後、ステップS108では、該変数tの値は3階にて乗り場呼びが登録されてからかごドアの閉じ動作が開始されるまでの時間(変数hcToDc=20秒)を下回ることとなるので上記ステップS109にてイエスと判断され、その後、上記ステップS110では上記変数nに“0”及び“1”の何れかの値が設定される。上記ステップS110にて上記変数nに“1”の値が設定された場合には、乗客発生階を3階、乗客行先階を10階、乗客発生時刻を3階での乗り場呼び登録時刻に10秒を加算した時刻とする乗客データが作成されることになる。
かご荷重データから導出された乗客数を表わす前記変数loadPassの値が乗客データから導出された乗客数を表わす前記変数minPassの値と等しくなって、ステップS106にてノーと判断された場合には、図13のステップS81に戻って、次の階床についてステップS81以降の処理を実行する。
その後、かごが一方向の移動を開始してから該移動を停止するまでに乗り場呼びに応答してかごが停止した全ての階床について、図13のステップS81乃至図16のステップS114の処理を実行したときに、ステップS115に移行して、乗車人数を表わす前記変数boardPass及び降車人数を表わす前記変数leavePassを“0”に初期化して、図9のステップS50に戻る。
上記手続きによって、かごが一方向に移動を開始した階床から該一方向の移動を停止した階床までの複数階の内、乗り場呼びに応答して該かごが停止した全ての階床について順次、かご荷重データから導出された乗客数と乗客データから導出された乗客数の差と同じ人数分だけ乗客データが作成されることになる。
本発明に係るエレベータシミュレーションシステムにおいては、図9乃至図17に示す手続きによって現場交通データから乗客発生リストデータが自動的に作成されるので、従来の交通流設定データを作成する作業を行なうことなく容易に群管理制御プログラムの性能評価を行なうことが出来る。
又、シミュレーション装置(3)において、エレベータシステムの実際の運転状況を表わす現場交通データから作成された乗客発生リストデータを入力データとして実際の乗客発生状況と近い状況で乗客を発生させることが出来るので、交通流設定データに基づいて乗客がポアソン到着すると仮定してランダムに乗客を発生させていた従来のシミュレーション装置に比べて信頼性の高いシミュレーション結果を得ることが出来る。
図18は、従来のシミュレーション装置によってあるオフィスビルにおけるエレベータシステムの運転をシミュレートした結果を表わしており、図19は、本発明に係るエレベータシミュレーションシステムによって同じオフィスビルにおけるエレベータシステムの運転をシミュレートした結果を表わしている。図18に示す如く、従来のシミュレーション装置によって得られた平均乗り場呼び継続時間及び60秒以上の乗り場呼び長待ち率の何れの評価値も、現場の交通解析により得られた値から大きくずれている。これに対し、本発明に係るエレベータシミュレーションシステムによれば、図19に示す如く、現場の交通解析により得られた値に近い平均乗り場呼び継続時間及び乗り場呼び長待ち率が得られている。
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば上記実施の形態においては、ユーザによって作成されたエレベータ仕様データ及びビル仕様データをシミュレーション装置(3)に入力してエレベータシステムの制御動作を再現しているが、交通データ処理装置(1)によって現場交通データからエレベータの制御動作を構成する要素時間データを作成してシミュレーション装置(3)に入力することも可能である。
(1) 交通データ処理装置
(11) 交通データ入力部
(12) かご荷重データ−乗客数変換テーブル作成部
(13) 乗客発生リストデータ作成部
(14) テーブル格納部
(15) 交通データ処理結果出力部
(3) シミュレーション装置
(31) 乗客発生部
(32) 乗り場呼び登録部
(33) 乗客管理部
(34) 群管理制御部
(35) かご呼び登録部
(36) エレベータ制御部
(37) 統計解析部

Claims (11)

  1. 複数のかごを具えたエレベータシステムから得られた実際の運転状況を表わす交通データから乗客の発生状況を表わす乗客発生データを作成する交通データ処理装置と、交通データ処理装置によって作成された乗客発生データを入力データとして前記エレベータシステムの運転をシミュレートするシミュレーション装置と、
    交通データには、かご内にて行先階を登録するかご呼び操作に関するかご呼びデータが含まれており、前記交通データ処理装置は、乗車かご識別データと乗客発生階データと乗客行先階データと乗客発生時刻データとを含む乗客データを乗客毎に作成し、作成した乗客データから乗客発生データを作成するものであって、
    交通データに含まれるかご呼びデータに基づいて、前記複数のかごの何れかのかご内にてかご呼び操作によって行先階が登録されたか否かを判断する行先階登録有無判断手段と、
    前記行先階登録有無判断手段によって前記複数のかごの何れかのかご内にてかご呼び操作によって行先階が登録されたと判断されたときに、該かご呼び操作が行なわれたかごを表わす乗車かご識別データを含む乗客データを作成する第1乗客データ作成手段と、
    前記第1乗客データ作成手段によって作成された乗客データから乗客発生データを作成する乗客発生データ作成手段
    とを具えているエレベータ群管理シミュレーションシステム。
  2. 交通データには、更に、かごの走行状態に関するかご走行状態データと、乗り場にてかごを呼ぶための乗り場呼びを登録する乗り場呼び操作に関する乗り場呼び登録データと、かごの位置を表わすかご位置データと、かごの運転方向を表わすかご運転方向データとが含まれており、前記第1乗客データ作成手段は、
    前記行先階登録有無判断手段によって前記複数のかごの何れかのかご内にてかご呼び操作によって行先階が登録されたと判断されたときに、交通データに含まれるかご呼びデータとかご走行状態データとに基づいて、該かご呼び操作がかごの停止後に該かご内にて初めて行なわれたかご呼び操作であるか否かを判断する手段と、
    前記かご呼び操作がかごの停止後に該かご内にて初めて行なわれたかご呼び操作であると判断されたときに、交通データに含まれる少なくともかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、該かごの停止階にて乗り場呼び操作によって乗り場呼びが登録された時刻を表わす時刻データを乗客発生時刻データとして設定する手段
    とを具えている請求項に記載のエレベータ群管理シミュレーションシステム。
  3. 前記第1乗客データ作成手段は、更に、前記かご呼び操作がかごの停止後に該かご内にて初めて行なわれたかご呼び操作でないと判断されたときに、交通データに含まれる少なくともかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとかご呼びデータとに基づいて、該かごの停止階にて乗り場呼び操作によって乗り場呼びが登録された時刻から前記かご呼び操作が行なわれた時刻までの間の任意の時刻を表わす時刻データを乗客発生時刻データとして設定する手段を具えている請求項に記載のエレベータ群管理シミュレーションシステム。
  4. 前記第1乗客データ作成手段は、交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、前記停止階を表わす階床データを乗客発生階データとして設定すると共に、交通データに含まれるかご呼びデータに基づいて、前記かご呼び操作によって登録された行先階を表わす階床データを乗客行先階データとして設定する手段を具えている請求項又は請求項に記載のエレベータ群管理シミュレーションシステム。
  5. 前記交通データ処理装置は、更に、
    交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、かごが停止時に乗り場呼びに応答したか否かを判断する乗り場呼び応答有無判断手段と、
    交通データに含まれるかご呼びデータに基づいて、前記かご内で前記停止時から該かごがその後に減速を開始し或いは停止するまでの間にかご呼び操作によって行先階が登録されたか否かを判断する第2行先階登録有無判断手段と、
    前記乗り場呼び応答有無判断手段によってかごが停止時に乗り場呼びに応答したと判断され、且つ、前記第2行先階登録有無判断手段によって前記かご内にてかご呼び操作によって行先階が登録されなかったと判断されたときに、該かごを表わす乗車かご識別データを含む乗客データを作成する第2乗客データ作成手段
    とを具えており、前記乗客発生データ作成手段は、前記第1乗客データ作成手段によって作成された乗客データと前記第2乗客データ作成手段によって作成された乗客データとから乗客発生データを作成する請求項乃至請求項の何れかに記載のエレベータ群管理シミュレーションシステム。
  6. 前記第2乗客データ作成手段は、交通データに含まれる少なくともかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、乗り場呼び操作によって前記乗り場呼びが登録された時刻を表わす時刻データを乗客発生時刻データとして設定する手段を具えている請求項に記載のエレベータ群管理シミュレーションシステム。
  7. 前記第2乗客データ作成手段は、交通データに含まれるかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとに基づいて、前記停止時の停止階を表わす階床データを乗客発生階データとして設定すると共に、交通データに含まれるかご呼びデータに基づいて、前記停止時に既に登録されている1或いは複数の行先階の内の何れかの行先階を表わす階床データを乗客行先階データとして設定する手段を具えている請求項又は請求項に記載のエレベータ群管理シミュレーションシステム。
  8. 交通データには、更に、かごの荷重を表わすかご荷重データが含まれており、前記交通データ処理装置は、更に、
    乗客データを作成する第3乗客データ作成手段と、
    かご荷重データの値と乗客数との関係が格納されている関係格納手段と、
    かごが一方向の移動を開始した階床から該一方向の移動を停止した階床までの複数階の内、該かごが停止した1或いは複数の階床について順次、前記関係格納手段に格納されている関係に従って、交通データに含まれるかご荷重データから該かごの乗客数を導出する第1乗客数導出手段と、
    前記第1乗客データ作成手段によって作成された乗客データと前記第2乗客データ作成手段によって作成された乗客データと前記第3乗客データ作成手段によって作成された乗客データとから、かごが前記一方向の移動を開始した階床から前記1或いは複数の階床の各階床まで移動したときの各階床での該かごの乗客数を順次導出する第2乗客数導出手段と、
    前記第1乗客数導出手段及び前記第2乗客数導出手段によって1つの階床での乗客数が導出される度に、両乗客数導出手段によって導出された両乗客数を比較する乗客数比較手段
    とを具えており、前記第3乗客データ作成手段は、前記第1乗客数導出手段によって導出された乗客数が前記第2乗客数導出手段によって導出された乗客数よりも多いと判断されたときに、前記かごを表わす乗車かご識別データを含む乗客データを両乗客数の差と同じ人数分だけ作成し、前記乗客発生データ作成手段は、前記第1乗客データ作成手段によって作成された乗客データと前記第2乗客データ作成手段によって作成された乗客データと前記第3乗客データ作成手段によって作成された乗客データとから乗客発生データを作成する請求項乃至請求項の何れかに記載のエレベータ群管理シミュレーションシステム。
  9. 前記第3乗客データ作成手段は、かごが一方向の移動を開始した階床から前記第1乗客数導出手段及び前記第2乗客数導出手段によって乗客数が導出された階床までの内、乗り場呼びに応答して前記かごが停止した何れかの階床を表わす階床データを乗客発生階データとして設定すると共に、前記第1乗客数導出手段及び前記第2乗客数導出手段によって乗客数が導出された階床よりも1つ先の階床から前記かごが前記一方向の移動を停止した階床までの内、前記かごから降りた乗客が存在する何れかの階床を表わす階床データを乗客行先階データとして設定する請求項に記載のエレベータ群管理シミュレーションシステム。
  10. 交通データには、更に、かごドアの動作状態に関するかごドア動作状態データが含まれており、前記第3乗客データ作成手段は、交通データに含まれる少なくともかご走行状態データとかご位置データとかご運転方向データと乗り場呼び登録データとかごドア動作状態データとに基づいて、乗り場呼びに応答して前記かごが停止した前記何れかの階床で乗り場呼び操作によって乗り場呼びが登録された時刻からかごドアの閉じ動作が開始された時刻までの間の任意の時刻を表わす時刻データを乗客発生時刻データとして設定する請求項に記載のエレベータ群管理シミュレーションシステム。
  11. 前記かご荷重データは複数の値の内の何れかの値をとるものであって、前記交通データ処理装置は、更に、
    交通データに含まれるかご荷重データが各値以下の値をとる累積頻度をかご毎に算出する累積頻度算出手段と、
    かご毎に、前記累積頻度算出手段によって算出された各累積頻度の、かご荷重データが各値をとる頻度の総和に対する比率を表わす累積比率を算出する累積比率算出手段と、
    かご荷重データの各値について、エレベータシステムを構成する前記複数のかごの間で基準とする基準累積比率を設定する基準累積比率設定手段と、
    かご荷重データの値と前記基準累積比率設定手段によって設定された基準累積比率の関係と、前記累積比率算出手段によって算出された累積比率と、かご荷重データの1単位当たりの乗客数とに基づいて、かご荷重データの値と乗客数との関係をかご毎に導出して前記関係格納手段に格納する関係導出手段
    とを具えており、前記第1乗客数導出手段は、乗客数を導出するかごについてのかご荷重データの値と乗客数との関係に従って、かご荷重データの値から該かごの乗客数を導出する請求項乃至請求項10の何れかに記載のエレベータ群管理シミュレーションシステム。
JP2009166379A 2009-07-15 2009-07-15 エレベータ群管理シミュレーションシステム Active JP5471102B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009166379A JP5471102B2 (ja) 2009-07-15 2009-07-15 エレベータ群管理シミュレーションシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009166379A JP5471102B2 (ja) 2009-07-15 2009-07-15 エレベータ群管理シミュレーションシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011020784A JP2011020784A (ja) 2011-02-03
JP5471102B2 true JP5471102B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=43631202

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009166379A Active JP5471102B2 (ja) 2009-07-15 2009-07-15 エレベータ群管理シミュレーションシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5471102B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5713717B2 (ja) * 2011-02-16 2015-05-07 三菱電機株式会社 エレベーター交通流検出装置
CN106061878B (zh) * 2014-01-09 2018-03-09 三菱电机株式会社 控制参数检测方法及装置、电梯组群管理仿真方法及装置
JP6203332B1 (ja) * 2016-05-30 2017-09-27 東芝エレベータ株式会社 Bimシステム、方法、及びプログラム
CN113860104B (zh) * 2021-09-18 2023-02-03 永大电梯设备(中国)有限公司 一种基于计算机视觉的电梯群控性能指标计算系统和方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3714343B2 (ja) * 2003-10-09 2005-11-09 三菱電機株式会社 エレベータ群管理簡易シミュレータならびにエレベータ群管理装置
JP2009155042A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Toshiba Elevator Co Ltd 群管理エレベータ性能評価装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011020784A (ja) 2011-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6742962B2 (ja) エレベーターシステム、画像認識方法及び運行制御方法
JP6866275B2 (ja) 外部システム連携配車システム及び方法
CN109693980B (zh) 电梯调度方法、装置及系统
US20110155515A1 (en) Elevator group management system
JP6335364B1 (ja) エレベータ制御装置、エレベータ群管理制御装置、エレベータシステム、およびエレベータ制御方法
JP5882090B2 (ja) エレベータの群管理制御システム
JP2010222074A (ja) エレベータ群管理システムおよびその方法
JP5471102B2 (ja) エレベータ群管理シミュレーションシステム
CN111225866B (zh) 自动呼叫登记系统以及自动呼叫登记方法
JP4621620B2 (ja) エレベータ群管理システム、方法およびプログラム
JP2013241230A (ja) エレベータの群管理制御装置および群管理制御方法
WO2020003761A1 (ja) 人流予測方法及び人流予測システム
JP2012126504A (ja) エレベータ群管理装置
CN111344244B (zh) 组管理控制装置及组管理控制方法
CN111847152B (zh) 一种机器人乘梯确定方法、装置、电子设备和介质
US20150090535A1 (en) Elevator group management system
JPWO2019087250A1 (ja) 渋滞回避運転システム及び方法
JP2009155042A (ja) 群管理エレベータ性能評価装置
JPWO2015105074A1 (ja) 制御パラメータ検出方法、エレベーター群管理シミュレーション方法、制御パラメータ検出装置及びエレベーター群管理シミュレーション装置
CN109789985B (zh) 乘客移动状况输出装置以及方法
JPH06329352A (ja) エレベータの運行需要予測装置
WO2018193819A1 (ja) エレベーター利用者移動予測方法およびエレベーター利用者移動予測装置
JP4358650B2 (ja) エレベーターの群管理制御装置
JP2728396B2 (ja) エレベーター制御装置
JP6402074B2 (ja) 群管理エレベータ装置及び群管理による乗車号機の割り当て方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5471102

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250