以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のマゼンタトナーは、少なくとも結着樹脂、および着色剤を含有するトナー中にローダミン系染料と、ナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物とを反応してなる造塩化合物を着色剤として添加することにより以下の点において優れた効果が得られることが確認された。
また本発明の、主としてマゼンタトナーに用いる着色剤は、ローダミン系染料と、ナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物とで造塩化することによって得られるものである。
ローダミン系染料と、ナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物とで造塩化することにより、ローダミン系染料中のアミノ基(−NHC2H5等)等の部分と、ナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物中のスルホン酸基(−SO3H)の部分とが反応、結合し、ローダミン由来の正帯電性が打ち消され、正帯電極性の減衰の効果が得られる。その結果、本発明のマゼンタトナー用着色剤は、トナーの極性に関係なく使用することが可能となる。スルホン酸基は強い負帯電性を持っているため、負帯電極性を有するマゼンタ着色剤も得ることができ、特に負帯電性マゼンタトナーとして好適である。
本発明において好ましく用いられるローダミン系染料は、具体的には、ローダミンB、ローダミン3G、ローダミン6G、ローダミン6GCPなどのローダミン系塩基性染料、ローダミンBベースなどのローダミン系油溶性染料である。安定な造塩化合物を得る場合には塩基性染料を用いることが好ましい。
ローダミン系染料としては、中でも発色性が好ましい点において、ローダミン6G(C.I.Basic Red 1)、C.I.Basic Red 1:1、ローダミンB(C.I.Basic Violet 10)、ローダミンBベース(C.I.Solvent Red 49)の染料が好ましいものである。
特に好ましくは、染料成分として、C.I.Basic Red 1とC.I.Basic Violet 10とを併用することが好ましい。これらのローダミンのレッドとバイオレットとを併用することで高演色のマゼンタ色を得ることができる。
C.I.Basic Red 1(ローダミン6G)とC.I.Basic Violet 10(ローダミンB)とを併用する場合は、前記6G:Bの重量比の関係が、80:20〜99.5:0.5の範囲であることが好ましい。ローダミンBが0.5よりも小さいと、紫色の色再現が悪くなってしまう場合があり、ローダミンBが20よりも大きいと紫色が強くなってしまい、赤色の再現が悪くなってしまう傾向がある。より好ましくは85:15〜98:2の範囲である。
ナフタレン類のスルホン化物はナフタレンの炭素原子にスルホン酸基が結合した化合物の総称であり、ナフトール類のスルホン化物はナフトールの炭素原子にスルホン酸基が結合した化合物の総称である。
ナフタレン類のスルホン化物にはスルホン酸基が1個結合したナフタレンモノスルホン酸、2個結合したナフタレンジスルホン酸、3個結合したナフタレントリスルホン酸がある。具体的には、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,3−ナフタレンジスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフタレンジスルホン酸、1,7−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、1,3,5−ナフタレントリスルホン酸、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、1,3,7−ナフタレントリスルホン酸などである。
また、本発明のナフタレン類のスルホン化物は、前記述べたナフタレンスルホン酸に加え、ナフチルアミンスルホン酸も含む。そして、スルホン酸基が1個結合したナフチルアミンモノスルホン酸、2個結合したナフチルアミンジスルホン酸、3個結合したナフチルアミントリスルホン酸がある。
具体的には、1,4−ナフチルアミンスルホン酸(ナフチオン酸)、1,5−ナフチルアミンスルホン酸(ローレンツ酸)、1,6−ナフチルアミンスルホン酸(6−クレーブ酸)、1,7−ナフチルアミンスルホン酸(7−クレーブ酸)、1,8−ナフチルアミンスルホン酸(ペリ酸)、2,1−ナフチルアミンスルホン酸(トビアス酸)、2,5−ナフチルアミンスルホン酸、2,6−ナフチルアミンスルホン酸(ブレンナー酸)、1,3,6−ナフチルアミンジスルホン酸(フロイント酸)、1,3,7−ナフチルアミンジスルホン酸、2,3,6−ナフチルアミンジスルホン酸(アミノR酸)、2,4,6−ナフチルアミンジスルホン酸(C酸)、2,5,7−ナフチルアミンジスルホン酸(アミノJ酸)、2,6,8−ナフチルアミンジスルホン酸(アミノG酸)、1,3,6,8−ナフチルアミントリスルホン酸(コッホ酸)などである。
ナフチルアミンスルホン酸を用いる場合は、スルホン酸基が2個以上結合したものを用いることが、良好な帯電性を得ることができ好ましい。アミノ基の存在は正帯電を呈することから、帯電レベルをコントロールする上で使いこなせばよい。
ナフトール類のスルホン化物にもスルホン酸基が1個結合したナフトールモノスルホン酸、2個結合したナフトールジスルホン酸、3個結合したナフトールトリスルホン酸がある。具体的には、1−ナフトール−2−スルホン酸、1−ナフトール−4−スルホン酸(NW酸)、1−ナフトール−5−スルホン酸(L酸)、1−ナフトール−8−スルホン酸、2−ナフトール−1−スルホン酸、2−ナフトール−6−スルホン酸(シェーファー酸)、2−ナフトール−8−スルホン酸(クロセイン酸)、1−ナフトール−2,4−ジスルホン酸、1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、1−ナフトール−3,8−ジスルホン酸(ε酸)、2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(R酸)、2−ナフトール−3,8−ジスルホン酸、2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸(G酸)、1−ナフトール−2,4,7−トリスルホン酸、1−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸(オキシコッホ酸)、2−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸などである。
結合したスルホン酸基の個数が多くなるほど負帯電性が強くなり、ローダミン由来の正帯電性が打ち消されやすくなるが、逆に水分の影響を受けやすくなる。負帯電性及び環境安定性の両方を考慮すると、スルホン酸基が2個結合したナフタレンジスルホン酸及びナフトールジスルホン酸が好ましい。中でも1,5−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、2−ナフトール−3,8−ジスルホン酸が好ましい。
ナフタレン類のジスルホン化物、ナフトール類のジスルホン化物をローダミン系染料と反応せしめ、本発明の着色剤とする場合、ローダミン系染料2モルに対し、1モルのジスルホン化物が反応し造塩する。これは電荷を中和し、かつ色素成分がカウンタイオン成分のモル比で2倍の量を有していることで、着色剤として染料の発色を損なわないものとなり好ましいものである。
一方、ナフタレン類、ナフトール類のモノスルホン化物を用いる場合は、ローダミン染料1モルに対し、1モルのモノスルホン化物が反応し造塩する。これにより電荷の中和はなされるが、負帯電レベルは弱く、負帯電性トナーに用いる場合は後述する樹脂中の酸成分をさらに添加して安定させることが好ましい。また造塩化合物中の色素成分(発色する成分)もモル比で考えると半分の割合である。
本発明のマゼンタ着色剤は、さらにロジン変性マレイン酸樹脂を用いることで、結着樹脂中への相溶性、分散性、配合性(着色剤の均一なトナー粒子中への配合)が大幅に改善される。その結果マゼンタトナーとして、発色性、帯電安定性、画像安定性がさらに優れたものとなる。またトナー中の着色剤成分の配合が均一になり、分級品(トナー母粒子)と分級微粉における着色剤成分の含有量が均一になり、結果として分級工程において生じる分級微粉を再度原料としてリサイクル使用することが可能となる。さらに、着色剤成分が結着樹脂中に均一に分散、配合されることで、トナー中に従来よりも多くのマゼンタ着色剤を添加することができるようになる。
このロジン変性マレイン酸樹脂の添加により着色剤の結着樹脂中への分散性、配合性が大幅に改善される理由については、完全に理由は解明されていないが、ロジン変性マレイン酸樹脂の構造にあると考えられる。ロジン変性マレイン酸樹脂は、酸を有する極性基の部分と無極性のロジン骨格の部分とを有する。この酸を有する極性基の部分が、未反応のアビエチン酸由来のカルボキシル基及びマレイン酸のカルボキシル基の部分であり、結着樹脂の極性基の部分と反応、相溶する。また、無極性のロジン骨格の部分が、結着樹脂の非極性部、離型剤と相溶する。
またロジン変性マレイン酸樹脂の酸成分とローダミン系染料のアミノ基の部分との反応も起こることの効果も大きいものである。即ち、ロジン変性マレイン酸樹脂の添加は、正帯電を打ち消す着色剤の帯電コントロールの役割を担っている。
特にローダミン系染料とナフタレン類、ナフトール類のモノスルホン化物とで得られた造塩化合物の場合は、これだけでは帯電レベルが弱い正帯電性を呈しており、負帯電性トナーに用いることが困難であるが、ロジン変性マレイン酸樹脂を添加した組成物とすることで、負帯電を呈するようになり好ましいものとなる。
本願発明のマゼンタトナー用着色剤にロジン変性マレイン酸樹脂を用いる場合、ローダミン系染料とナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物との造塩化合物とロジン変性マレイン酸樹脂を混合することにより得ることができる。
これらを混合する方法としては、(1)ロジン変性マレイン酸樹脂に可溶な溶媒中に溶解させた上でローダミン系染料とナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物との造塩化合物を添加して溶液中で混合する方法、(2)混練機等を用いてロジン変性マレイン酸樹脂を溶融させた状態でローダミン系染料とナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物との造塩化合物を添加して混合する方法等があげられるが、従来公知のいずれの方法で合成してもかまわない。
それらの中の一例であるが、具体的には以下のようになる。
(1−1)ローダミン系染料を水に溶解した後、ナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物を添加、攪拌しながら造塩化処理を行なう。ここでローダミン系染料中のアミノ基(−NHC2H5)の部分とナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物のスルホン酸基(−SO3H)の部分が結合した造塩化合物が得られる。
ここでナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物は造塩処理を行う前に、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液に溶解させ、スルホン酸ナトリウムの形態(−SO3Na)として用いることもできる。また本発明においては、スルホン酸基(−SO3H)とスルホン酸ナトリウムである官能基(−SO3Na)も同義である。
(1−2)
次いで、ロジン変性マレイン酸樹脂を添加する工程であるが、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を添加して中性に調整した後、アルカリ水溶液に溶解させたロジン変性マレイン酸樹脂を添加、攪拌しながら混合を行う。次いで、塩酸、硫酸等の鉱酸を添加して酸性に調製することでロジン変性マレイン酸樹脂を不溶化させ、濾過、洗浄、乾燥を行い組成物を得る。また必要ならば粉砕工程を経て所望の粒度にして組成物をマゼンタ着色剤とすればよい。
(2)ローダミン系染料とナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物との造塩化合物とロジン変性マレイン酸樹脂を加熱ニーダー、バンバリーミキサー、3本ロールミル、2本ロールミル、振動ミル、ボールミル、アトライター、押出機等の混練機に投入して十分に混合し、ロジン変性マレイン酸樹脂の軟化点以上の温度で溶融混練を行う。これによりロジン変性マレイン酸樹脂中に造塩化合物が分散する。ここで得られる組成物はローダミン系染料とナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物との造塩化合物にロジン変性マレイン酸樹脂が被覆されている状態である。さらにこの組成物を粗砕、粉砕して所望の粒度に調整することにより組成物をマゼンタ着色剤として用いればよい。
ローダミン系染料とナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物との造塩化合物とロジン変性マレイン酸樹脂の重量混合比率(ローダミン系染料とナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物との造塩化合物:ロジン変性マレイン酸樹脂)は、70:30〜95:5の範囲であれば良好なマゼンタ着色剤を得ることができる。ロジン変性マレイン酸樹脂の比率が30%よりも大きくなってしまうと発色性の低下、即ちロジン変性マレイン酸樹脂由来の色の障害が生じ、着色剤としての機能がはたらきにくくなり、またロジン変性マレイン酸樹脂の比率が5%よりも小さくなってしまうと結着樹脂中へのローダミン色材の分散性、配合性が悪くなっていく。
より好ましくは、ローダミン系染料とナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物との造塩化合物とロジン変性マレイン酸樹脂の重量混合比率(造塩化合物:ロジン変性マレイン酸樹脂)は、75:25〜90:10の範囲である。
本発明のマゼンタトナーにおけるマゼンタ着色剤の使用量は、使用する結着樹脂の種類により異なるが、通常、トナー母粒子(分級)100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部、より好ましくは3〜12重量部である。
本発明のマゼンタトナーで使用することのできるロジン変性マレイン酸樹脂は、マレイン化ロジンの多価アルコールエステルであり、エステル化していないマレイン化ロジンが含まれてもよい。ロジン変性マレイン酸樹脂は、色材に光沢性を持たせる効果があり、マゼンタトナーとして光沢のあるマゼンタ色を発色できる点で好ましいものである。
ロジンの主成分であるアビエチン酸を加熱することで、レボピマル酸を得て、ディールスアルダー反応により無水マレイン酸、フマル酸を付加することでマレオピマル酸が得られる。マレイン化ロジンには主成分としてマレオピマル酸の骨格が含まれている。
ロジン変性マレイン酸樹脂はロジンに対するマレイン酸、フマル酸の量、多価アルコールの種類、量および反応の終末点を変えることにより、酸価、軟化点を調整することができる。軟化点はロジンに対するマレイン酸、フマル酸の量によって制御されるものである。
本発明で定義するロジン変性マレイン酸樹脂とは、ロジン変性フマル酸樹脂も同義として含むものである。マレイン酸は、無水マレイン酸、フマル酸も同様に用いることができるものである。また多価アルコールとは、2価以上のアルコールを表すものである。
ロジン変性マレイン酸樹脂のロジン成分としては、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマル酸、イソピマル酸を主成分とするトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンが挙げられる。
ロジンとマレイン酸の付加物に対し反応させる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
中でもアルコール成分としては、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、グリセリンが好ましいものである。
ロジン変性マレイン酸樹脂の組成から見ると、ロジン/マレイン酸樹脂の部分エステルで、アルコール成分がペンタエリスリトールであるものが結着樹脂への相溶性が好ましい点において、特に好ましいものである。
ロジン変性マレイン酸樹脂の製造方法には次の三つの方法が用いられる。
A)ロジンを無水マレイン酸、フマル酸と反応させ、生じた生成物を多価アルコールでエステル化する方法。
B)無水マレイン酸、フマル酸を多価アルコールと反応させ、得られたポリエステルをロジンと反応させる方法。
C)ロジン、無水マレイン酸またはフマル酸、多価アルコールを同時に反応させる方法。
本発明で好ましく使用することのできるロジン変性マレイン酸樹脂の酸価は20〜320(mgKOH/g)であることが好ましく、より好ましくは20〜200(mgKOH/g)である。酸価が20(mgKOH/g)よりも小さいと、マゼンタ着色剤との相溶性が悪くなってしまう場合がある。また酸価が320(mgKOH/g)よりも大きいと、−COOH基が過剰に存在するため、水分の影響を受けやすくなり、環境安定性が低下してしまい、高温高湿下での帯電量の低下による機内飛散、かぶりの増加、低温低湿下での過度の帯電量上昇等の問題が生じてしまう場合がある。
特に造塩化合物中のスルホン化物がモノスルホン酸である場合は、ロジン変性マレイン酸樹脂の酸価をこの好ましい範囲で用いて、極性のコントロールを行うことが必要である。
本発明のマゼンタ着色剤、マゼンタトナーにおいて好ましく用いられるロジン変性マレイン酸樹脂は、環球法による軟化点が80〜170℃の範囲であることが好ましい。これは結着樹脂との相溶性、配合性に関係し、この範囲の軟化点のロジン変性マレイン酸樹脂を用いることで結着樹脂中に均一に着色剤を分散、配合させることができるものである。ここで軟化点が80℃よりも低くなってしまうと、造塩化合物である着色剤の結着樹脂中への分散性、配合性が悪くなってしまう場合がある。理由は定かではないが、80℃よりも低い軟化点では混練時にロジン変性マレイン酸樹脂が急速に溶融してしまい造塩化合物、結着樹脂と相溶しなくなってしまうものと推量される。また80℃よりも低いとトナーとしてホットオフセットが発生しやすく、満足な定着性能を得ることができなくなる場合がある。
また170℃を超えてしまうと、混練時に溶融しづらくなり、結着樹脂中への分散、配合が悪くなってしまう。また定着性能(剥がれやすくなる)も悪化してしまう可能性がある。より好ましい軟化点の範囲は120〜160℃の範囲であり、特に好ましいのは130〜150℃の範囲である。
環球法による軟化点の測定は、規格試験法において広く採用されている方法であり、JIS K 2046があげられる。具体的には試料を充てんした黄銅製環を水浴中に水平に保持し、試料の中心に一定重量の鋼球をのせ、一定速度で浴温を上昇させ、試料が次第に軟化し、鋼球が下降し、ついに厚さ25mmの位置の底板に達したときの温度計の示度をもって軟化点とするものである。
具体的に使用のできるロジン変性マレイン酸樹脂としては荒川化学工業社製マルキードNo.1、2、5、6、8、31、32、33、34、3002等、ハリマ化成社製ハリマックR−80、T−80、R−100、M−453、M−130A、135GN、145P、R−120AH等のロジン変性マレイン酸樹脂があげられる。
本発明において用いられるロジン変性マレイン酸樹脂の真密度は1.08〜1.25(g/cc)の範囲であることが好ましい。この数値は結着樹脂であるポリエステル樹脂の真密度が1.20〜1.35(g/cc)程度であることからも、近似する数値であり相溶化、好分散、配合を果たす上で有効な数値範囲である。
またローダミン系染料とナフタレン類のスルホン化物及び/またはナフトール類のスルホン化物との造塩化合物の真密度は1.25〜1.35(g/cc)の範囲であり、ポリエステル樹脂の真密度と近似することからも、ロジン変性マレイン酸樹脂のはたらきにより、本発明のマゼンタ着色剤がポリエステル樹脂中へ均一に分散するのに有効である。
なお、本発明において、ロジンの酸価の測定は、JIS K−0070の方法に準じて行うことができる。酸価はロジン1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数で表す。
本発明のマゼンタトナーの構成成分としては、上記本発明の着色剤以外に、トナーを構成する公知の材料である、結着樹脂が用いられる。本発明のマゼンタトナーには、更に必要に応じ離型剤、荷電制御剤が用いられ、また外添剤として、滑剤、流動性改良剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等が用いられる。
本発明のマゼンタトナーに用いられる結着樹脂としては、各色の顔料の色相を阻害しないために無色、透明あるいは白色、淡色を呈するものが好ましい。
使用することのできる結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体また架橋されたスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などがあげられる。中でもポリエステル樹脂、スチレン系共重合体が好ましく用いられる。
本発明のマゼンタトナーにおいては、ポリエステル樹脂が最も好ましい結着樹脂である。ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、下記一般式(1)で示されるビスフェノール誘導体等のジオール類、グリセロール、ジグリセロール、ソルビット、ソルビタン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、等の多価アルコール類が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上の組み合わせで使用される。
(式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x、yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
酸成分としては、二価のカルボン酸として、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類またはその無水物;またさらに炭素数16〜18のアルキル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物;シクロヘキサンジカルボン酸;ナフタレンジカルボン酸;ジフェノキシエタン−2,6−ジカルボン酸等が挙げられ、架橋成分としてはたらく三価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、オクタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上の組み合わせで使用される。
好ましいアルコール成分は、前記一般式1で表されるビスフェノール誘導体であり、好ましい酸成分はフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸またはその無水物、コハク酸、n−ドデセニルコハク酸またはその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のジカルボン酸類、トリメリット酸またはその無水物等のトリカルボン酸類である。
なお、本発明において、結着樹脂の酸価の測定はJIS K−0070の方法に準じて行うことができる。酸価はトナー1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数で表す。
またスチレン系重合体に包含されるスチレン系共重合体において、スチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどの二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸メチル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチルなどの二重結合を有するジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;等のビニル単量体があげられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
架橋されたスチレン系共重合体を製造する際に用いられる架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどの二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が単独でもしくは混合物として用いられる。スチレン系重合体としては、GPCにより測定される分子量分布で3×103 〜5×104 の領域に少なくともひとつのピークを有し、105 以上の領域に少なくとも他の一つのピークあるいはショルダーを有するスチレン系共重合体が定着性の点から好ましい。
なお、ビニル重合体の製造に当たっては重合開始剤が用いられる。重合開始剤としては、従来公知のものの何れをも用いることができる。重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエ−ト、ジターシャリーブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、アゾイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどが従来好ましく用いられている。重合開始剤のビニルモノマーに対する使用割合は、0.2〜5質量%が一般的である。重合温度は、使用するモノマーおよび開始剤の種類に応じ適宜選定される。
また、本発明においては、ビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体のようなビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合されたハイブリッド樹脂も用いることができる。ビニル系樹脂としては、カルボキシル基あるいは水酸基を有するモノマーが重合単位として含まれることが好ましい。他の重合単位としては、上記ビニル系重合体において例示されたモノマーが適宜用いられる。さらにポリエステルユニットを形成する単量体成分としては、ポリエステル樹脂を製造するために用いられる上記アルコール成分、酸成分などが用いられる。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は50〜70℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)は、本発明においては示差走査熱量計(島津製作所社製 DSC−60)を用いて、昇温速度10℃/minで測定した時のTg以下のベースラインの延長線と、Tg近傍の吸熱カーブの接線との交点の値を求め測定した。
本発明のマゼンタトナーにおいては、結着樹脂は、酸価が5〜40mgKOH/gの範囲であることが好ましい。結着樹脂の酸価が5mgKOH/gより小さい場合には、ロジン変性マレイン酸樹脂との相溶性が低下し、結果として着色剤の分散が悪くなってしまう場合がある。また結着樹脂の酸価が40mgKOH/gを超える場合には、得られたトナーの高温・高湿時の保存性および画像特性が悪くなるという問題が発生する場合がある。
本発明のマゼンタトナーの結着樹脂がポリエステル樹脂である場合は、ホモポリエステル或いはコポリエステルの単独でも、或いはこれらの2種以上からなるブレンド物であってもよい。またポリエステル樹脂は、耐オフセット性および低温定着性の点から、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量において、重量平均分子量(Mw)が5,000以上のものが好ましく、10,000〜1,000,000のものがより好ましい。ポリエステル樹脂の重量平均分子量が小さくなると、トナーの耐オフセット性が低下する傾向にあり、また、重量平均分子量が大きくなると定着性が低下する傾向を示す。また、用いられるポリエステル樹脂は、特定の低分子量の縮重合体成分と特定の高分子量の縮重合体成分とからなる2山の分子量分布曲線を有するタイプ、或いは1山の単分子量分布曲線を有するタイプのいずれのものであってもよい。
また、結着樹脂としてスチレン系樹脂を用いる場合は、GPCにより測定される分子量分布で3×103〜5×104の領域に少なくともひとつのピークを有し、105以上の領域に少なくとも一つのピークあるいはショルダーを有するものが定着性の点から好ましい。
このような分子量分布を有する結着樹脂は、平均分子量が異なる二種以上の樹脂を混合することによって製造することができるし、架橋剤を用いて架橋樹脂とすることにより製造することもできる。
なお、上記GPCによる分子量分布は、例えば次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、THFに溶解した試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。なお、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良い。例えば、昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguardcolumnの組み合わせをあげることができる。
また測定用サンプルは以下のようにして作成する。すなわち、試料をTHF中に入れ、数時間放置した後、充分に振とうし、試料の合一体がなくなるまでTHFと良く混合し、さらに12時間以上静置する。この時、THF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製等が利用できる)を通過させたものをGPC測定用サンプルとする。また、サンプル濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
本発明のマゼンタトナーに用いる結着樹脂は、フローテスターによる軟化温度Tsが60〜90℃であることが好ましい。これは着色剤との相溶性を高めるために有効な数値である。軟化温度Tsが60℃よりも低いと混練時に結着樹脂が軟化し過ぎてしまい、着色剤の分散が悪くなってしまう。一方で、軟化温度Tsが90℃よりも高いと混練時に結着樹脂が十分に溶融せず、着色剤の分散が困難になってしまう。
本発明においては、軟化温度Tsの測定は、島津製作所製フローテスターCFT−500Dを用いて、開始温度40℃、昇温速度6.0℃/min.、試験荷重20kg、予熱時間300秒、ダイ穴径0.5mm、ダイ長さ1.0mmの条件にて行った。
また本発明のマゼンタトナーには、実質的な悪影響を与えない限りにおいて、従来トナーを製造する際に用いられている離型剤などの添加剤を加えることができる。離型剤としては、例えば熱ロール定着時の離型性(オフセット防止性)を向上させる、脂肪族炭化水素、脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックスが挙げられる。これらの中では、重量平均分子量Mwが500〜8000程度のエチレンホモポリマー、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワックス類が好ましい。これらはトナー母粒子100重量部に対して通常0.5〜10重量%程度の割合で添加される。
本発明の着色剤を構成するロジンマレイン酸変性樹脂の存在は離型剤の結着樹脂中への分散、相溶化に有効な材料でもある。特に離型剤として、重量平均分子量Mwが500〜8000、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜5.0、融点が100〜145℃程度のエチレンホモポリマー、低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレンを用いる場合が離型剤の結着樹脂中への分散、相溶化に有効である。中でも分子量分布(Mw/Mn)は1.5〜4.0であることが好ましい。また離型剤の融点はDSCによって測定される吸熱ピークの値の温度を算出した。
本発明のマゼンタトナーには、必要に応じて色相に支障を来たさない範囲で無色あるいは淡色の荷電制御剤が含有されてもよい。荷電制御剤は、現像されるべき静電潜像担持体上の静電荷像の極性に応じて、正荷電制御剤または負荷電制御剤が用いられる。
正荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩化合物(例えば、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルベンジルアンモニウムテトラフルオロボレート)、4級アンモニウム塩有機錫オキサイド(例えば、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド)、ジオルガノスズボレート(ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート)、アミノ基を有するポリマー等の電子供与性物質等を単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
一方、負荷電制御剤としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸の亜鉛塩、カルシウム塩、クロム塩等、サリチル酸あるいはサリチル酸誘導体などのアリールオキシカルボン酸の二価または三価の金属塩や金属キレート(錯体)、脂肪酸石鹸、ナフテン酸金属塩等が挙げられる。これらの荷電制御剤は、通常結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜8質量部の割合で使用される。
本発明のマゼンタトナーに用いられる外添剤としては流動化剤、研磨剤、導電性付与剤、滑剤などのものを、使用することができる。本発明において使用される流動化剤の基材としては、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、非晶質珪素−アルミニウム共酸化物、非晶質珪素−チタニウム共酸化物などの微粉末を用いることができる。また外添剤としての流動化剤はトナーに流動性を付与する目的のみならず、トナーの帯電性付与及び制御の役割をも担っている。つまり外添剤はトナーの最表部に付着することによって、トナーの帯電性に大きな影響を及ぼす。
流動化剤に用いられる粒子については、表面処理を行わずそのまま用いることも可能ではあるが、吸湿性により環境安定性が損なわれてしまうことと、流動化剤が感光体ドラム表面に付着して、フィルミングを起こしてしまい画像欠陥を引き起こしてしまう問題が生じる場合がある。吸湿性による環境安定性が損なわれる問題については、高湿環境下では流動化剤が水分の影響を受けてしまい、トナーの帯電減衰を引き起こし、画像上のカブリの発生、トナーの機内飛散の原因となってしまう。そこで流動化剤に用いる粒子の表面処理を行い、疎水性持たせることが好ましい。またこの表面処理に用いる処理剤の選択により、正極性及び負極性の所望の極性を持たせトナーの帯電性を調整、制御し安定させることができる。使用する表面処理剤の選択を行う必要がある。
本発明のマゼンタトナーにおいて用いられる流動化剤の表面処理剤としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のオルガノアルコキシシラン類、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン等のオルガノクロロシラン類、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン等のオルガノアミノシラン類及びシリコーンオイル系の化合物を使用することができる。
シリコーンオイル系の化合物としてはジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル、または変性シリコーンオイルが使用できる。変性シリコーンオイルに用いられる変性基としては、メチルスチレン基、長鎖アルキル基、ポリエーテル基、カルビノール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、高級脂肪酸基、メルカプト基、メタクリル基等があげられる。シリコーンオイルは優れた離型性、滑り性を持っていることにより、トナー成分の感光体ドラム表面への付着、フィルミングを防ぐ効果を有している。
本発明のマゼンタトナーに使用される流動化剤以外の外添剤は滑剤、研磨剤、導電性付与剤等について以下の公知のものを使用することができる。滑剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛などが、研磨剤としては例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化ケイ素などの微粉体が挙げられる。これらの研磨剤は感光体ドラム表面へのトナー成分の付着物、フィルミング物を研磨し削ることにより、除去する効果があり、前記のシリコーンオイルで表面処理を行った流動化剤と併せて用いることにより大きな効果を見出すことができる。導電性付与剤としては酸化スズの如き金属酸化物等を加えることもできる。しかし、これらの例は単なる例示に過ぎないものであり、本発明のマゼンタトナーに添加混合されるものが上記具体的に例示されたものに限定されるものではない。
本発明のマゼンタトナーにおいては、本発明の前記マゼンタ着色剤に加えて、補色に用いる目的で、従来トナーの製造において用いられることが知られた着色剤が使用可能である。これら着色剤の例としては、ナフトール系、キナクリドン系、キサンテン系、モノアゾ系、アゾ系などの染顔料があげられる。これらは単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のマゼンタトナーは二成分系現像剤としてキャリアとともに用いることもできる。キャリアとしては、従来二成分系乾式現像剤において用いられるキャリアのいずれもが使用できる。このようなキャリアとしては、例えば鉄粉等の強磁性金属あるいは強磁性金属の合金粉、酸化鉄などの金属酸化物、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、バリウム等の元素から構成されるフェライト粉、マグネタイト粉などの磁性粉からなる磁性粉キャリア、これら磁性粉を樹脂で被覆した磁性粉樹脂コートキャリア、磁性粉とバインダー樹脂からなるバインダーキャリヤ、樹脂被覆されたあるいは樹脂被覆されていないガラスビーズなどが挙げられる。これらのキャリアは、通常15〜100μm、好ましくは20〜80μm程度の粒径のものが用いられる。
なお、磁性粉樹脂コートキャリアの被覆樹脂としては、例えば、ポリエチレン、シリコーン樹脂などのシリコン含有樹脂、フッ素含有樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、セルロース誘導体、マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ臭化ビニル、ポリ臭化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、フマル酸エステル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、クロロプレンゴム、アセタール樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂などが使用できる。これらのなかでは、スペントトナーの形成が少ないためフッ素含有樹脂、シリコン含有樹脂が特に好ましい。この磁性粉樹脂コートキャリアには、導電性微粒子(カーボンブラック、導電性金属酸化物、金属粉体)、無機充填材(シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、炭化ホウ素、酸化チタン、クレイ、タルク、ガラス繊維)、前記例示の荷電制御剤などを、必要に応じ含有させてもよい。キャリア芯材に対する樹脂被覆膜厚は、0.1〜5μm程度が好ましい。
またキャリアの被覆状態としては、キャリアの粒子を樹脂とともに包含し研磨等の処理を経た後に得られた断面を観察した際に、被覆樹脂の膜厚が均一であることが好ましい。これは所謂「金太郎飴」(金太郎飴社登録商標)の如き状態であり、トナーに対する電荷付与を行う上で好ましい被覆状態である。小粒径キャリアで均一な被覆状態が得られること(所謂、「小粒径金太郎」とも称される状態)は特に好ましい。
またキャリアはトナー容器中にトナーとともに充填しておき、トナーの供給と同時に新しいキャリアを現像器へ供給するトリクル現像方式として用いることも可能である。これにより現像機内の現像剤(トナーとキャリア)の一部を回収することで、現像剤の劣化が起こらず現像剤の交換を不要とすることができる。このトリクル現像剤の歴史は古く昭和59年頃には使用されていたものである。
本発明に係るマゼンタトナーは、従来から公知のトナーの製造方法を用いて製造することができる。トナーの製造方法は、混練、粉砕工程を経て得られる粉砕法、ケミカル的に重合して得られる重合法の2種類に大別される。粉砕法の場合、例えば上述したようなトナー構成材料を、ボールミル、ヘンシェルミキサーなどの混合機により充分混合したのち、熱ロールニーダー、一軸あるいは二軸のエクストルーダーなどの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化後、ハンマーミルなどの粉砕機を用いて機械的に粗粉砕し、次いでジェットミル、機械式粉砕機などにより微粉砕した後、分級する方法により製造する方法が挙げられる。
また着色剤成分を結着樹脂中に均一に分散、配合する目的で、あらかじめ着色剤と結着樹脂とを混合し、着色剤成分が結着樹脂中に分散した着色剤分散体(コンク)を製造し、その後残りのトナーを構成する材料を添加し溶融、混練工程を経ることが好ましい。着色剤分散体(コンク)は少なくとも本発明のマゼンタ着色剤と結着樹脂とからなるものである。着色剤分散体(コンク)中の着色剤は重量の割合で10〜70%含まれていることが好ましい。
一方、重合法の場合、結着樹脂溶液中に他のトナー構成材料を分散した後、噴霧乾燥する、所謂マイクロカプセル法によりトナーを製造する方法、結着樹脂を形成する単量体に所定材料を混合し、乳化あるいは懸濁重合を行いトナーを得る方法などが挙げられる。乳化重合法では、サブミクロンの粒径の樹脂微粒子を凝集工程であらかじめ水中で乳化させた顔料成分、ワックス等の内添剤とともに会合させ、所望のトナーサイズの粒径を得るものである。また懸濁重合法は、重合開始剤、顔料成分、ワックス、荷電制御剤等の必要な材料をモノマー中に分散、加熱させ重合を行うものである。
このように得られたマゼンタトナー母粒子に外添剤をヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分に混合して用いることが好ましい。
本発明で用いられるマゼンタトナーとしては、重量平均粒径が3〜15μmであることが好ましく、5〜12μmが更に好ましい。また5μm以下の粒径を有するトナー粒子が12〜60個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を有するトナー粒子が1〜33個数%含有され、16μm以上の粒径を有するトナー粒子が2.0重量%以下含有され、トナーの重量平均粒径が4〜12μmであるものが、現像特性の上からはより好ましい。トナーの粒度分布測定は、例えばコールターカウンター(マルチサイザー3)を用いて測定することができる。
また液体トナーとして用いる場合は、上記得られたトナー粒子をさらに湿式粉砕を経て、微細化することで得られ、好ましい粒径は0.5〜4μm程度である。湿式粉砕を行なう粉砕機としては、例えばシンマルエンタープライゼス社製ダイノーミル等のメディアを用いる粉砕機を用いることができる。またこの液体トナーは、イソパラフィン系溶媒、シリコーンオイル、植物油、高級脂肪酸等の溶媒をキャリアとして、その中に分散して存在している。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の態様はこれらの実施例に限定されるものではない。
[マゼンタ着色剤の製造例1]
水4000g中にローダミン系染料(C.I.ベーシックレッド1 ローダミン6G 1064gとC.I.ベーシックバイオレット10 ローダミンB 56g)1120g添加して十分に混合、溶解した。これに2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸500g加えた後、常温で1時間攪拌、混合を行なった。さらに25%の水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを中性にした。このときのpHは7.31であった。更に水で洗浄を行い、乾燥した後に、ハンマーミルで粉砕を行い1500gの組成物を得た。これをマゼンタ着色剤1とする。
[マゼンタ着色剤の製造例2]
水4000g中にローダミン系染料(C.I.ベーシックレッド1 ローダミン6G 992gとC.I.ベーシックバイオレット10 ローダミンB 148g)1140g添加して十分に混合、溶解した。これに2,7−ナフタレンジスルホン酸500g加えた後、常温で1時間攪拌、混合を行なった。さらに25%の水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを中性にした。このときのpHは7.86であった。更に水で洗浄を行い、乾燥した後に、ハンマーミルで粉砕を行い1520gの組成物を得た。これをマゼンタ着色剤2とする。
[マゼンタ着色剤の製造例3]
水4000g中にローダミン系染料(C.I.ベーシックレッド1 ローダミン6G 1064gとC.I.ベーシックバイオレット10 ローダミンB 56g)1120g添加して十分に混合、溶解した。これに1-ナフトール-4-スルホン酸750g加えた後、常温で1時間攪拌、混合を行なった。さらに25%の水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを中性にした。このときのpHは7.24であった。次に、水酸化ナトリウム水溶液にロジン変性マレイン酸樹脂(軟化点135℃、酸価130、ロジン・無水マレイン酸樹脂のペンタエリスリトールによる部分エステル)を10重量%溶解させたものを2000g添加した後に、常温で1時間攪拌、混合を行なった。さらに35%の塩酸を添加し、pHを酸性にした。このときのpHは2.20であった。更に水で洗浄を行い、乾燥した後に、ハンマーミルで粉砕を行い1900gの組成物を得た。これをマゼンタ着色剤3とする。
[マゼンタ着色剤の製造例4]
水4000g中にローダミン系染料(C.I.ベーシックレッド1 ローダミン6G 1064gとC.I.ベーシックバイオレット10 ローダミンB 56g)1120g添加して十分に混合、溶解した。これに2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸500g加えた後、常温で1時間攪拌、混合を行なった。さらに25%の水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを中性にした。このときのpHは7.50であった。次に、水酸化ナトリウム水溶液にロジン変性マレイン酸樹脂(軟化点135℃、酸価130、ロジン・無水マレイン酸樹脂のペンタエリスリトールによる部分エステル)を10重量%溶解させたものを2000g添加した後に、常温で1時間攪拌、混合を行なった。さらに35%の塩酸を添加し、pHを酸性にした。このときのpHは2.27であった。更に水で洗浄を行い、乾燥した後に、ハンマーミルで粉砕を行い1650gの組成物を得た。これをマゼンタ着色剤4とする。
[マゼンタ着色剤の製造例5]
マゼンタ着色剤2(製造例2のマゼンタ着色剤)1500g、ロジン変性マレイン酸樹脂(軟化点135℃、酸価130、ロジン・無水マレイン酸樹脂のペンタエリスリトールによる部分エステル)500g、加圧ニーダーを用いて140℃にて45分間混合、混練を行なった。取り出し、冷却した後にハンマーミル及びジェットミルにて粉砕を行い1950gの組成物を得た。(体積平均粒径4μm)これをマゼンタ着色剤5とする。
[マゼンタ着色剤の製造例6]
マゼンタ着色剤1(製造例1のマゼンタ着色剤)1400g、ロジン変性マレイン酸樹脂(軟化点145℃、酸価180、ロジン・フマル酸樹脂のエチレングリコールによる部分エステル)350g、加圧ニーダーを用いて140℃にて45分間混合、混練を行なった。取り出し、冷却した後にハンマーミル及びジェットミルにて粉砕を行い1700gの組成物を得た。(体積平均粒径4μm)これをマゼンタ着色剤6とする。
[マゼンタ着色剤の製造例7]
マゼンタ着色剤1(製造例1のマゼンタ着色剤)1400g、ロジン変性マレイン酸樹脂(軟化点135℃、酸価30、ロジン・無水マレイン酸樹脂のグリセリンによる部分エステル)350g、加圧ニーダーを用いて140℃にて45分間混合、混練を行なった。取り出し、冷却した後にハンマーミル及びジェットミルにて粉砕を行い1710gの組成物を得た。(体積平均粒径4μm)これをマゼンタ着色剤7とする。
[マゼンタ着色剤の製造例8]
水4000g中にローダミン系染料(C.I.ベーシックレッド1 ローダミン6G 1064gとC.I.ベーシックバイオレット10 ローダミンB 56g)1120g添加して十分に混合、溶解した。これに2-ナフトール-3,6,8-トリスルホン酸420g加えた後、常温で1時間攪拌、混合を行なった。さらに25%の水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを中性にした。このときのpHは7.04であった。次に、水酸化ナトリウム水溶液にロジン変性マレイン酸樹脂(軟化点135℃、酸価130、ロジン・無水マレイン酸樹脂のペンタエリスリトールによる部分エステル)を10重量%溶解させたものを3000g添加した後に、常温で1時間攪拌、混合を行なった。さらに35%の塩酸を添加し、pHを酸性にした。このときのpHは2.57であった。更に水で洗浄を行い、乾燥した後に、ハンマーミルで粉砕を行い1740gの組成物を得た。これをマゼンタ着色剤8とする。
以下表1にマゼンタ着色剤1〜8の組成、物性一覧を示す。
以下実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの例に限定されるものではない。なお以下については、部数は全て重量部を表す。また下記の実施例、比較例の詳細な条件、結果を以下の表2、表3および表4に示す。またトナー中の造塩化合物の含有量は、トナー分級品全体中の5%程度になるように調整した。
また、以下の実施例および比較例中で用いられる結着樹脂は次のものである。
(結着樹脂)
熱可塑性ポリエステル樹脂1
テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA、エチレングリコールから構成されるポリエステル樹脂。
酸価:10mgKOH/g OH価:43mgKOH/g Tg 58℃ 軟化温度Ts 65℃ 真密度1.32g/cc 分子量 Mw:28200 Mn:2500
熱可塑性ポリエステル樹脂2
テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA、エチレングリコールから構成されるポリエステル樹脂。
酸価:18mgKOH/g OH価:36mgKOH/g Tg 59℃ 軟化温度Ts 66℃ 真密度1.32g/cc 分子量 Mw:32000 Mn:2600
[実施例1]
熱可塑性ポリエステル樹脂1 60.0重量部
マゼンタ着色剤1(造塩化合物含有量100.0%) 40.0重量部
上記材料(合計3kg)を加圧ニーダー中で設定温度150℃、10分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、マゼンタ着色剤分散体であるマゼンタコンク1を得た。
さらに、
熱可塑性ポリエステル樹脂1 84.5重量部
マゼンタコンク1 12.5重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物)1.0重量部
離型剤(低分子量ポリプロピレン 重量平均分子量(Mw)7000,Mw/Mn 2.5, 融点128℃)
2.0重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度145℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(マゼンタトナー母粒子1)を得た。
次いで、上記で得られた分級品100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製NY−50)1.0重量部および疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−974)0.5重量部を10Lのヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)、篩工程(150メッシュ)を経た後マゼンタトナー1を得た。
実写試験は、市販のカラープリンタ(カシオ計算機社製N6100)を用い、23℃/50%RHの環境条件下で行った。このとき画像作製条件はマゼンタ単色で出力を行なった。初期および3,000枚複写時の画像濃度は各々1.33および1.32であった。また、初期および3,000枚複写時のカブリは各々0.8および0.7であった。さらに、3,000枚複写後におけるトナー粒子の機内飛散はなく、得られた画像の汚れもなかった。分級品およびトナーの帯電量は各々−38.5μC/gおよび−45.7μC/gであった。
なお、画像濃度はマクベス光度計を用いて行い、1.3以上の濃度であればよい。またカブリはフォトボルトにて、反射率を測定することにより行った。1.0%以下が良好な値である。トナーの機内飛散は、現像器および感光体ドラム周りに飛散トナーが存在するか否かを確認することにより行った。トナー飛散がみられる場合、これに伴う画像汚れが発生する。
分級品およびトナーの帯電量は次のように測定を行った。パウダーテック社製鉄粉キャリア(商品名MF−70)を19.0g、乾燥後の分級品あるいはトナー1.0gを50ccポリ瓶に秤量し、5回振った後、ボールミル(新栄工機産業社製 PLASTIC PLANT SKS型)にて、回転数を実測値で230回転(ポリ瓶本体は120回転)の条件で30分間混合を行った。混合後の得られた試料を東芝ケミカル社製ブローオフ帯電量測定装置により帯電量測定を行った。この時ブロー圧は1kgf/cm2、測定時間20秒で最大の数値を読み取り、メッシュは400メッシュを用いて行った。また測定環境は23℃/50%RHの条件で行った。
[実施例2]
熱可塑性ポリエステル樹脂1 60.0重量部
マゼンタ着色剤2(造塩化合物含有量100.0%) 40.0重量部
上記材料(合計3kg)を加圧ニーダー中で設定温度150℃、10分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、マゼンタ着色剤分散体であるマゼンタコンク2を得た。
さらに、
熱可塑性ポリエステル樹脂1 84.5重量部
マゼンタコンク2 12.5重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物)1.0重量部
離型剤(低分子量ポリプロピレン 重量平均分子量(Mw)7000,Mw/Mn 2.5, 融点128℃)
2.0重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度145℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(マゼンタトナー母粒子2)を得た。
次いで、上記で得られた分級品100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製NY−50)1.0重量部および疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−974)0.5重量部を10Lのヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)、篩工程(150メッシュ)を経た後マゼンタトナー2を得た。
このトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った結果、初期および3,000枚複写時の画像濃度は各々1.32および1.32であった。また、初期および3,000枚複写時のカブリは各々0.6および0.7であった。さらに、3,000枚複写後におけるトナー粒子の機内飛散はなく、得られた画像の汚れもなかった。分級品およびトナーの帯電量は各々−38.7μC/gおよび−46.3μC/gであった。
[実施例3]
熱可塑性ポリエステル樹脂1 60.0重量部
マゼンタ着色剤3(造塩化合物含有量100.0%) 40.0重量部
上記材料(合計3kg)を加圧ニーダー中で設定温度150℃、10分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、マゼンタ着色剤分散体であるマゼンタコンク3を得た。
さらに、
熱可塑性ポリエステル樹脂1 83.0重量部
マゼンタコンク3 14.0重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物)1.0重量部
離型剤(低分子量ポリプロピレン 重量平均分子量(Mw)7000,Mw/Mn 2.5, 融点128℃)
2.0重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度145℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(マゼンタトナー母粒子3)を得た。
次いで、上記で得られた分級品100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製NY−50)1.0重量部および疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−974)0.5重量部を10Lのヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)、篩工程(150メッシュ)を経た後マゼンタトナー3を得た。
このトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った結果、初期および3,000枚複写時の画像濃度は各々1.31および1.30であった。また、初期および3,000枚複写時のカブリは各々0.8および0.9であった。さらに、3,000枚複写後におけるトナー粒子の機内飛散はなく、得られた画像の汚れもなかった。分級品およびトナーの帯電量は各々−34.8μC/gおよび−42.1μC/gであった。
[実施例4]
熱可塑性ポリエステル樹脂1 60.0重量部
マゼンタ着色剤4(造塩化合物含有量90.9%) 40.0重量部
上記材料(合計3kg)を加圧ニーダー中で設定温度150℃、10分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、マゼンタ着色剤分散体であるマゼンタコンク4を得た。
さらに、
熱可塑性ポリエステル樹脂1 82.8重量部
マゼンタコンク4 14.2重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物)1.0重量部
離型剤(低分子量ポリプロピレン 重量平均分子量(Mw)7000,Mw/Mn 2.5, 融点128℃)
2.0重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度145℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(マゼンタトナー母粒子4)を得た。
次いで、上記で得られた分級品100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製NY−50)1.0重量部および疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−974)0.5重量部を10Lのヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)、篩工程(150メッシュ)を経た後マゼンタトナー4を得た。
このトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った結果、初期および3,000枚複写時の画像濃度は各々1.36および1.36であった。また、初期および3,000枚複写時のカブリは各々0.3および0.4であった。さらに、3,000枚複写後におけるトナー粒子の機内飛散はなく、得られた画像の汚れもなかった。分級品およびトナーの帯電量は各々−43.8μC/gおよび−53.0μC/gであった。
[実施例5]
熱可塑性ポリエステル樹脂2 60.0重量部
マゼンタ着色剤5(造塩化合物含有量75.0%) 40.0重量部
上記材料(合計3kg)を加圧ニーダー中で設定温度150℃、10分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、マゼンタ着色剤分散体であるマゼンタコンク5を得た。
さらに、
熱可塑性ポリエステル樹脂2 80.3重量部
マゼンタコンク5 16.7重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物)1.0重量部
離型剤(低分子量ポリプロピレン 重量平均分子量(Mw)7000,Mw/Mn 2.5, 融点128℃)
2.0重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度145℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(マゼンタトナー母粒子5)を得た。
次いで、上記で得られた分級品100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製NY−50)1.0重量部および疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−974)0.5重量部を10Lのヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)、篩工程(150メッシュ)を経た後マゼンタトナー5を得た。
このトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った結果、初期および3,000枚複写時の画像濃度は各々1.35および1.34であった。また、初期および3,000枚複写時のカブリは各々0.2および0.5であった。さらに、3,000枚複写後におけるトナー粒子の機内飛散はなく、得られた画像の汚れもなかった。分級品およびトナーの帯電量は各々−44.8μC/gおよび−54.7μC/gであった。
[実施例6]
熱可塑性ポリエステル樹脂2 60.0重量部
マゼンタ着色剤6(造塩化合物含有量80.0%) 40.0重量部
上記材料(合計3kg)を加圧ニーダー中で設定温度150℃、10分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、マゼンタ着色剤分散体であるマゼンタコンク6を得た。
さらに、
熱可塑性ポリエステル樹脂2 81.3重量部
マゼンタコンク6 15.7重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物)1.0重量部
離型剤(低分子量ポリプロピレン 重量平均分子量(Mw)7000,Mw/Mn 2.5, 融点128℃)
2.0重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度145℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(マゼンタトナー母粒子6)を得た。
次いで、上記で得られた分級品100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製NY−50)1.0重量部および疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−974)0.5重量部を10Lのヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)、篩工程(150メッシュ)を経た後マゼンタトナー6を得た。
このトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った結果、初期および3,000枚複写時の画像濃度は各々1.36および1.37であった。また、初期および3,000枚複写時のカブリは各々0.3および0.1であった。さらに、3,000枚複写後におけるトナー粒子の機内飛散はなく、得られた画像の汚れもなかった。分級品およびトナーの帯電量は各々−42.4μC/gおよび−50.4μC/gであった。
[実施例7]
熱可塑性ポリエステル樹脂2 60.0重量部
マゼンタ着色剤7(造塩化合物含有量80.0%) 40.0重量部
上記材料(合計3kg)を加圧ニーダー中で設定温度150℃、10分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、マゼンタ着色剤分散体であるマゼンタコンク7を得た。
さらに、
熱可塑性ポリエステル樹脂2 81.3重量部
マゼンタコンク7 15.7重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物)1.0重量部
離型剤(低分子量ポリプロピレン 重量平均分子量(Mw)7000,Mw/Mn 2.5, 融点128℃)
2.0重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度145℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(マゼンタトナー母粒子7)を得た。
次いで、上記で得られた分級品100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製NY−50)1.0重量部および疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−974)0.5重量部を10Lのヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)、篩工程(150メッシュ)を経た後マゼンタトナー7を得た。
このトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った結果、初期および3,000枚複写時の画像濃度は各々1.35および1.36であった。また、初期および3,000枚複写時のカブリは各々0.2および0.2であった。さらに、3,000枚複写後におけるトナー粒子の機内飛散はなく、得られた画像の汚れもなかった。分級品およびトナーの帯電量は各々−43.1μC/gおよび−51.1μC/gであった。
[実施例8]
熱可塑性ポリエステル樹脂1 60.0重量部
マゼンタ着色剤8(造塩化合物含有量88.2%) 40.0重量部
上記材料(合計3kg)を加圧ニーダー中で設定温度150℃、10分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、マゼンタ着色剤分散体であるマゼンタコンク7を得た。
さらに、
熱可塑性ポリエステル樹脂1 81.9重量部
マゼンタコンク8 15.1重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物)1.0重量部
離型剤(低分子量ポリプロピレン 重量平均分子量(Mw)7000,Mw/Mn 2.5, 融点128℃)
2.0重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度145℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(マゼンタトナー母粒子8)を得た。
次いで、上記で得られた分級品100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製NY−50)1.0重量部および疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−974)0.5重量部を10Lのヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)、篩工程(150メッシュ)を経た後マゼンタトナー8を得た。
このトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った結果、初期および3,000枚複写時の画像濃度は各々1.37および1.37であった。また、初期および3,000枚複写時のカブリは各々0.4および0.2であった。さらに、3,000枚複写後におけるトナー粒子の機内飛散はなく、得られた画像の汚れもなかった。分級品およびトナーの帯電量は各々−45.5μC/gおよび−55.2μC/gであった。
[比較例1]
熱可塑性ポリエステル樹脂1 60.0重量部
C.I.ピグメントレッド81(ローダミン系染料(C.I.ベーシックレッド1)とリンタングステンモリブデン酸のコンプレックスアシッドの造塩化合物 造塩化合物含有量100.0%)
40.0重量部
上記材料(合計3kg)を加圧ニーダー中で設定温度150℃、10分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、マゼンタ着色剤分散体であるマゼンタコンク9を得た。
さらに、
熱可塑性ポリエステル樹脂1 84.5重量部
マゼンタコンク9 12.5重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物)1.0重量部
離型剤(低分子量ポリプロピレン 重量平均分子量(Mw)7000,Mw/Mn 2.5, 融点128℃)
2.0重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度145℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(マゼンタトナー母粒子9)を得た。
次いで、上記で得られた分級品100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製NY−50)1.0重量部および疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−974)0.5重量部を10Lのヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)、篩工程(150メッシュ)を経た後マゼンタトナー9を得た。
このトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った結果、初期の画像濃度は1.22、カブリは1.6で目標値を達していなかった。1000枚複写後、画像の汚れがひどくなったため実写試験を中止した。また、トナー粒子による機内飛散が感光体ドラム周りに発生していた。分級品およびトナーの帯電量は各々−1.0μC/gおよび−33.0μC/gであった。
[比較例2]
熱可塑性ポリエステル樹脂1 60.0重量部
C.I.ピグメントレッド81:3(ローダミン系染料(C.I.ベーシックレッド1)とリンモリブデン酸のコンプレックスアシッドの造塩化合物 造塩化合物含有量100.0%)
40.0重量部
上記材料(合計3kg)を加圧ニーダー中で設定温度150℃、20分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、マゼンタ着色剤分散体であるマゼンタコンク10を得た。
さらに、
熱可塑性ポリエステル樹脂1 84.5重量部
マゼンタコンク10 12.5重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛塩化合物)1.0重量部
離型剤(低分子量ポリプロピレン 重量平均分子量(Mw)7000,Mw/Mn 2.5, 融点128℃)
2.0重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度145℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(マゼンタトナー母粒子10)を得た。
次いで、上記で得られた分級品100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製NY−50)1.0重量部および疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−974)0.5重量部を10Lのヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)、篩工程(150メッシュ)を経た後マゼンタトナー10を得た。
このトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った結果、初期の画像濃度は1.20、カブリは1.5で目標値を達していなかった。1000枚複写後、画像の汚れがひどくなったため実写試験を中止した。また、トナー粒子による機内飛散が感光体ドラム周りに発生していた。分級品およびトナーの帯電量は各々+0.9μC/gおよび−31.3μC/gであった。