JP5470624B2 - タンク底板検査装置 - Google Patents

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本発明は、筒状の側板とこの側板より側方外側に張り出した張出部を有する底板とを備えた縦置き型のタンクを検査対象とし、ガイド波を利用してタンクの底板を検査するタンク底板検査装置に関する。
縦置き型のタンクの一つとして、円筒状の側板と、この側板より側方外側に張り出した張出部を有する円形状の底板とを備え、その底板が床上等に直接載置されたものがある。タンクは、使用環境の影響を受けて時間の経過とともに腐食が進行し、ついには破断に至って内容物が漏洩する可能性がある。そのため、このような事故を未然に防止するため、定期的に検査を実施する必要がある。
従来、タンクの側板を広範囲に一括検査する検査方法として、ガイド波(言い換えれば、境界面を有する物体中を伝播する板波)を利用した検査方法が提唱されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の検査装置は、タンクの側板の外周側に周方向の一部に沿って配列された第1列及び第2列の超音波探触子群を備えており、第1列の超音波探触子群に対して第2列の超音波探触子群をタンクの軸方向(上方向)に離間して配置している。そして、各列の超音波探触子群における複数の探触子の送信信号印加時間(パルス印加時間)をずらすことにより、超音波探触子群から送信されてタンクの側板中を伝播するガイド波の進行角度(伝播方向角)を任意に設定可能としている。
また、第2列の超音波探触子群からガイド波が送信される時刻は、第1列の超音波探触子群からガイド波が送信される時刻に対し、例えば第1列の超音波探触子群から上方向に進行するガイド波が第2列の超音波探触子群に到達するまでの時間だけ遅延させている。これにより、第1列の超音波探触子群から上方向に進行するガイド波と第2列の超音波探触子群から上方向に進行するガイド波とを同位相とし、それらが干渉してタンクの側板中を上方向に進行するガイド波の振幅を増大させるようになっている。
そして、タンクの側板中を上方向に進行したガイド波は、その進行先に欠陥(詳細には、減肉、亀裂、又は剥離等、音響インピーダンスが変化する部位)が存在する場合に反射し、その反射波が下方向に進行する。そして、この反射波が第1列及び第2列の超音波探触子群で受信されて、欠陥が検出される。したがって、ガイド波を長距離伝播させて、タンクの側板の長距離区間を一括して検査することが可能となっている。
特開2009−109390号公報(図18等参照)
上記特許文献1に記載の従来技術では、タンクの側板の外周側に第1列及び第2列の超音波探触子群を配置し、それら超音波探触子群から送信されたガイド波によりタンクの側板を広範囲に一括検査するようになっている。そこで、タンクの底板も広範囲に一括検査するため、ガイド波を利用した検査方法を採用することが考えられる。この場合、タンクの底板が床上等に直接載置されていることから、超音波探触子群を底板の下面側に配置できず、底板の上面側に配置するとしても、底板の中央部には内容物が存在するから、底板の張出部に配置することになる。そして、底板の張出部が狭い場合、超音波探触子群を一列だけ配置することになる。このように配置・構成された超音波探触子群を用いてタンクの底板の中央部を検査する場合を想定すると、次のような課題が生じる。
超音波探触子から底板にガイド波を送信したとき、超音波探触子から底板の中央部側に進行するガイド波(以降、正波と称す)と、超音波探触子から底板の端面側に進行するガイド波(以降、副波と称す)が生じる。この副波は底板の端面で反射し、その反射波が底板の中央部側に進行して、正波と干渉する。そのため、場合によっては、底板の中央部側に進行するガイド波の振幅を低減させ、検査性能が低下する。
本発明の目的は、ガイド波の送信周波数の設定に対応して検査性能を向上することができるタンク底板検査装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、筒状の側板と前記測板より側方外側に張出した張出部を有する底板とを備えた縦置き型のタンクを検査対象とし、ガイド波を利用して前記タンクの底板を検査するタンク底板検査装置であって、前記底板の張出部上に前記側板の周方向の一部に沿って1列で配置され、それぞれ、前記底板にガイド波を送信するとともに前記底板中を伝播したガイド波を受信する複数の超音波探触子と、ガイド波の送信周波数fを設定する周波数設定手段と、前記底板の張出部上における前記複数の超音波探触子のそれぞれのガイド波送信位置と前記底板の端面位置との距離Daを検出する検出手段と、前記底板の径方向に伝播するガイド波の速度をVaとし、整数をnとしたとき、前記検出手段で検出した前記距離Daが(Va/f)×n/2となるように、前記複数の超音波探触子のそれぞれの位置を制御する位置制御手段とを備える。
このような本発明においては、まず、例えばタンクの底板の検査範囲等を考慮して、ガイド波の送信周波数fを周波数設定手段で設定する。すなわち、例えば超音波探触子から比較的遠い範囲を検査範囲とする場合は、送信周波数fを比較的低くなるように設定し、一方、例えば超音波探触子から比較的近い範囲を検査範囲とする場合は、送信周波数fを比較的高くなるように設定する。そして、検出手段は、底板の張出部上における各超音波探触子のガイド波送信位置と底板の端面位置との距離Daを検出し、位置制御手段は、検出距離Daが(Va/f)×n/2=λa×n/2(但し、λaは底板の径方向に伝播するガイド波の波長)となるように各超音波探触子の位置を制御する。ここで、比較例として、Da=λa×(2n+1)/4となるように各超音波探触子の位置を制御した場合を想定する。この場合は、超音波探触子から送信されて底板の端面側に進行し底板の端面で反射して底板の中央部側に進行する副波は、超音波探触子から底板の中央部側に進行する正波に対して逆位相となり、それらが干渉して底板の中央部側に進行するガイド波の振幅を低減させる。これに対し、本発明のようにDa=λa×n/2となるように各超音波探触子の位置を制御する場合は、超音波探触子から送信されて底板の端面側に進行し底板の端面で反射して底板の中央部側に進行する副波は、超音波探触子から底板の中央部側に進行する正波に対して同位相となり、それらが干渉して底板の中央部側に進行するガイド波の振幅を増大させる。したがって、本発明においては、ガイド波の送信周波数fの設定に対応して検査性能を向上することができる。
(2)上記目的を達成するために、本発明は、筒状の側板と前記測板より側方外側に張出した張出部を有する底板とを備えた縦置き型のタンクを検査対象とし、ガイド波を利用して前記タンクの底板を検査するタンク底板検査装置であって、前記底板の張出部上に前記側板の周方向の一部に沿って1列で配置され、それぞれ、前記底板にガイド波を送信するとともに前記底板中を伝播したガイド波を受信する複数の超音波探触子と、ガイド波の送信周波数fを設定する周波数設定手段と、前記底板の張出部上における前記複数の超音波探触子のそれぞれのガイド波送信位置と前記底板の端面位置との距離Daを検出する検出手段と、前記底板の径方向に伝播するガイド波の速度をVaとし、整数をnとしたとき、前記検出手段で検出した前記距離Daが(Va/f)×(4×n)/8〜(Va/f)×(4×n±1)/8の範囲内で設定された所定値となるように前記複数の超音波探触子のそれぞれの位置を制御する位置制御手段とを備える。
本発明においては、例えばDa=(Va/f)×n/2=λa×n/2となるように各超音波探触子の位置を制御する場合は、上記(1)と同様である。また、例えばDa=(Va/f)×(4×n+1)/8=λa×(4×n+1)/8またはDa=(Va/f)×(4×n−1)/8=λa×(4×n−1)/8となるように各超音波探触子の位置を制御する場合は、超音波探触子から送信されて底板の端面側に進行し底板の端面で反射して底板の中央部側に進行する副波は、超音波探触子から送信されて底板の中央部側に進行する正波に対して位相がλa/4程度しかずれない。これにより、効果が小さくなるものの、底板の中央部側に進行するガイド波の振幅を増大させる。したがって、本発明においても、ガイド波の送信周波数fの設定に対応して検査性能を向上することができる。
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記底板の周方向に伝播するガイド波の位相速度をVbとし、隣接する前記超音波探触子のガイド波送信位置の間隔をDbとしたとき、前記間隔Dbが(Vb/f)/2以下となるように前記複数の超音波探触子を配置する。
すなわち、間隔Dbが(Vb/f)/2=λb/2(但し、λbは底板の周方向に伝播するガイド波の波長)以下となるように複数の超音波探触子を配置することにより、底板の周方向に伝播するガイド波を要因としたノイズを低減することができる。
本発明によれば、ガイド波の送信周波数の設定に対応して検査性能を向上することができる。
本発明の一実施形態におけるタンク底板検査装置の構成を、検査対象である縦置き型のタンクとともに表す概略図である。 本発明の一実施形態における探傷制御器の遅延時間制御部の機能を説明するための図である。 本発明の一実施形態における位置調整機構の構造をタンクとともに表す概略図である。 本発明の一実施形態における作用効果を説明するためのガイド波の波形図である。 本発明の一変家例における作用効果を説明するためのガイド波の波形図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態におけるタンク底板検査装置の構成を、検査対象である縦置き型のタンクとともに表す概略図であり、タンクの構造を斜視図で示している。
縦置き型のタンク1は、円筒状の側板2と、この側板2の下端側(図1中下側)に全周溶接等で接合された円盤状の底板3とを備え、その底板3が床上等に直接載置されている。底板3は、側板2の内周側に位置する中央部3aと、側板2の外周側に位置する(言い換えれば、側板2より側方外側に張出した)張出部3bとを有している。そして、側板2と底板3の中央部3aとで区画された空間に内容物が溜められている。
本実施形態のタンク底板検査装置は、ガイド波を利用してタンク1の底板3を広範囲に一括検査するものであり、ガイド波センサ4と、位置調整機構5(後述の図3参照)と、探傷制御器6と、キーボード等の入力器7と、表示器8(モニタ)とを備えている。
ガイド波センサ4は、例えば、ガイド波の送受信機能を有する超音波探触子(振動子)9を2個で1組として並列接続し、8組の超音波探触子9a〜9h(言い換えれば、合計16個の超音波探触子9)を備えている。超音波探触子9は、位置調整機構5に取り付けられて、タンク1の底板3の張出部3b上に側板2の周方向の一部に沿って等間隔に1列で配置されている。そして、超音波探触子9は、タンク1の底板3にガイド波を送信するとともに、底板3中を伝播したガイド波(詳細には、例えば底板3の中央部3aに存在する欠陥で反射したガイド波)を受信するようになっている。
ガイド波は、一般にLモード(ラム波対称モード)、Fモード(ラム波非対称モード)、及びTモード(SH波)に分類することができ、本実施形態ではTモード(詳細には、非分散性の0次モードのSH波)を採用している。すなわち、1次モードのSH波が誘起されないためのカットオフ周波数fc(MHz)は、底板3の厚みD(mm)と0次モードのSH波の音速U(km/s)を用いてF=U/(2×D)で表されるので、このカットオフ周波数fcを上限としてガイド波の送信周波数fを設定している。
また、超音波探触子9は、底板3の周方向に伝播するガイド波の位相速度をVbとし、隣接する超音波探触子9の間隔(詳細には、ガイド波送信位置の間隔)をDbとしたときに、間隔Dbが(Vb/fc)/2以下となるように配置されている。
探傷制御器6は、機能的構成として、中央制御部10、記憶部11、信号発生部12、遅延時間制御部13、送受信部14、A/D変換部15、信号処理・解析部16、及び位置制御部17を有している。中央制御部10は、入力器7から入力された測定条件(詳細には、例えば送信波形、送信周波数f、伝播方向角、受信増幅率、及びセンサ位置等)を記憶部11に設定記憶するようになっている。また、中央制御部10は、入力器7から入力された検査準備又は検査開始等の指示に応じて、信号発生部12、遅延時間制御部13、送受信部14、A/D変換部15、信号処理・解析部16、及び位置制御部17を連携して制御するようになっている。
信号発生部12は、中央制御部10からの指令に応じて、記憶部11に設定記憶された送信波形(詳細には、例えば振幅変調バースト波又は連続波等の設定)や送信周波数fに基づき波形信号(送信信号)を生成し、遅延時間制御部13を介し送受信部14に出力する。送受信部14は、中央制御部10からの指令に応じて、送信信号を増幅して超音波探触子9a〜9hにそれぞれ印加し、これによって超音波探触子9a〜9hから底板3にガイド波を送信させるようになっている。
遅延時間制御部13は、中央制御部10からの指令に応じて、記憶部11に設定記憶された伝播方向角(及びその伝播方向角を得るために予め作成された遅延時間制御パターン)に基づき、送受信部14を介し超音波探触子9a〜9hにそれぞれ出力する送信信号の遅延時間(言い換えれば、パルス印加時間)を制御する。これにより、超音波探触子9a〜9hから底板3に送信するガイド波の位相の重ね合わせ位置を制御し、合成されるガイド波の伝播方向角を制御するようになっている。具体的な一例としては図2(a)で示すように、ガイド波センサ4の中心から底板3の中心へ向かう方向(図中右方向)と同じになるように伝播方向角を制御したり、他の例としては図2(b)で示すように、ガイド波センサ4の中心から底板3の中心へ向かう方向に対して傾くように伝播方向角を制御したりする。
超音波探触子9a〜9hは、例えば底板3の中央部3aに存在する欠陥(詳細には、減肉、亀裂、又は剥離等、音響インピーダンスが変化する部位)で反射したガイド波を受信すると、その波形信号(受信信号)を送受信部14に出力する。送受信部14は、中央制御部10からの指令に応じて、記憶部11に設定記憶された受信増幅率に基づき超音波探触子9a〜9hからの受信信号を増幅し、この受信信号をA/D変換部15に出力する。A/D変換部15は、中央制御部10からの指令に応じて、受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、信号処理・解析部16に出力する。
信号処理・解析部16は、中央制御部10からの指令に応じて、超音波探触子9a〜9hの受信信号を処理して受信波形画像を生成し、そのデータを記憶部11に格納する。また、中央制御部10からの指令に応じて、受信波形画像を解析して欠陥を検知するとともに、底板3における欠陥の位置を示す欠陥画像を生成し、そのデータを記憶部11に格納する。そして、中央制御部10は、入力器7から入力された画像表示の指示に応じて、記憶部11に格納された画像データを表示器8に出力して表示させるようになっている。
表示器8は、例えば受信波形画像を表示する場合、横軸にガイド波センサ4の位置(若しくは底板3の端面位置)を基準にとって底板3における径方向位置(詳細には、受信時間を換算したもの)を表し、縦軸に受信波形の振幅を表すようになっている(Aスコープ表示)。また、例えば欠陥画像を表示する場合、底板の平面図上で欠陥を輝度や色度で示すようになっている(Bスコープ表示)。
図3は、位置調整機構5の構造をタンク1とともに表す概略図であり、タンク1の構造を部分拡大縦断面図で示している。
この図3において、位置調整機構5は、ガイド波センサ4を構成する16個の超音波探触子9のそれぞれの位置を調整可能としている。この位置調整機構5は、タンク1の側板2の外周側に取付けられ、タンク周方向に延在する円環状の案内レール18と、この案内レール18に沿って移動可能に設けられたスライダ19と、このスライダ19をタンク周方向に移動させる第1電動機構(図示せず)と、スライダ19に対してタンク径方向(図3中左右方向)に移動可能に設けられた16個のアーム20と、これらアーム20をタンク径方向にそれぞれ移動させる第2電動機構(図示せず)と、各アーム20に設けられ各超音波探触子9を保持するとともに底板3の張出部3bに押付けるエアシリンダ(図示せず)とを備えている。各アーム20には位置センサ21が設けられており、この位置センサ21は、各アーム20(言い換えれば、各超音波探触子9)を基準とした底板3の端面の相対位置を検出し、その検出値を探傷制御部6の位置制御部17に出力するようになっている。
前述の図1に戻り、探傷制御部6の位置制御部17は、中央制御部10からの指令に応じて、記憶部10に設定記憶されたセンサ位置に基づき第1電動機構を制御して、スライダ19のタンク周方向位置ひいてはガイド波センサ4のタンク周方向位置を制御するようになっている。
また、本実施形態の大きな特徴として、探傷制御器6の位置制御部17は、中央制御部10からの指令に応じて、対応する位置センサ21の検出値に基づき、底板3の張出部3b上における各超音波探触子9のガイド波送信位置Oと底板3の端面位置との距離Daを演算する。そして、記憶部11に設定記憶された送信周波数f等を読み込んで下記の式(1)の右辺を演算し、距離Daが下記の式(1)の関係を満たすように、第2電動機構を制御して各アーム20のタンク径方向位置ひいては各超音波探触子9の径方向位置を制御するようになっている。なお、Vaは底板3の径方向に伝播するガイド波の速度であり、λaは底板3の径方向に伝播するガイド波の波長であり、nは整数であり、速度Va及び整数nは記憶部11に予め設定記憶されている。
Da=(Va/f)×n/2=λa×n/2・・・(1)
次に、本実施形態の動作を説明する。
まず、検査者は位置調整機構5及びガイド波センサ4をタンク1の検査箇所に取り付け、測定条件を入力器7で入力して設定する。すなわち、例えばガイド波センサ4から比較的遠い範囲を検査範囲とする場合は、送信周波数fを比較的低くなるように設定し、一方、例えばガイド波センサ4から比較的近い範囲を検査範囲とする場合は、送信周波数fを比較的高くなるように設定する。そして、検査者が入力器7で検査準備の指示を入力すると、探傷制御器6は、各位置センサ21の検出値に基づき、底板3の張出部3b上における各超音波探触子9のガイド波送信位置と底板3の端面位置との距離Daを演算し、上記の式(1)の関係を満たすように、位置調整機構5を制御して各超音波探触子9の径方向位置を制御する。その後、位置調整機構5を制御して各超音波探触子9を底板3の張出部3bに押し付けさせる。
その後、検査者が入力器7で検査開始の指示を入力すると、探傷制御器6は、超音波探触子9a〜9hから底板3にガイド波を送信させる。そして、例えば底板3の中央部3aに欠陥が存在する場合は、この欠陥で反射したガイド波を超音波探触子9a〜9hで受信する。探傷制御器6は、超音波探触子9a〜9hで受信した受信信号を処理・解析し、その結果を表示器8に表示させる。この表示器8に表示された検査結果により、検査者はタンク1の底板3に欠陥が生じていないかどうかを確認することができる。
次に、本実施形態の作用効果を、図4及び前述の図3を用いて説明する。
前述の図3で示すように、超音波探触子9からタンク1の底板3にガイド波を送信したとき、超音波探触子9から底板3の中心側(図3中右側)に進行するガイド波A(以降、正波Aと称す)と、超音波探触子9から底板3の端面側(図3中左側)に進行するガイド波B(以降、副波Bと称す)が生じる。これら正波A及び副波Bの波形を図4(a)で示す。この図4(a)において、横軸は、底板3の張出部3b上における超音波探触子9のガイド波送信位置Oを原点にとってタンク径方向位置を表し、縦軸は、波形の振幅を表している。
ここで、比較例として、例えばDa=λa/4又は3λa/4(言い換えれば、Da=λa×(2n+1)/4)となるように各超音波探触子9の位置を制御した場合を想定する。このような場合は、図4(b)又は図4(d)で示すように、底板3の端面で反射して底板3の中心側に進行する副波Bは、超音波探触子9から底板3の中心側に進行する正波A(図4(a)参照)に対して逆位相となり、それらが干渉して底板3の中心側に進行するガイド波の振幅を低減させる。
一方、本実施形態においては、例えばDa=λa/2又はλa(言い換えれば、Da=λa×n/2)となるように各超音波探触子9の位置を制御している。これにより、図4(c)又は図4(d)で示すように、底板3の端面で反射して底板3の中心側に進行する副波Bは、超音波探触子9から底板3の中心側に進行する正波A(図4(a)参照)に対して同位相となり、それらが干渉して底板3の中心側に進行するガイド波の振幅を増大させる。したがって、本実施形態においては、ガイド波の送信周波数fの設定に対応して検査性能を向上することができる。
また、本実施形態においては、隣接する超音波探触子9の間隔Dbが(Vb/fc)/2以下、言い換えれば(Vb/f)=λb/2(但し、λbは底板3の周方向に伝播するガイド波の波長)以下となるように配置することにより、底板3の周方向に伝播するガイド波を要因としたノイズを低減することができる。
なお、上記一実施形態においては、距離Da=(Va/f)×n/2=λa×n/2となるように各超音波探触子9の位置を制御する場合を例にとって説明したが、距離Daが(Va/f)×(4×n)/8〜(Va/f)×(4×n±1)/8の範囲内で設定された所定値となるように各超音波探触子9の位置を制御してもよい。言い換えれば、距離Daがλa×(4×n)/8〜λa×(4×n±1)/8の範囲内(具体例としては、距離Daが0〜λa/8、3λ/8〜5λ/8、7λ/8〜9λ/8、…の範囲内)で設定された所定値となるように、各超音波探触子9の位置を制御してもよい。そして、例えばDa=λa/8、3λ/8、5λ/8、又は7λ/8となるように各超音波探触子9の位置を制御する場合は、図5(b)、図5(c)、図5(d)、又は図5(e)で示すように、底板3の端面で反射して底板3の中心側に進行する副波Bは、超音波探触子9から底板3の中心側に進行する正波A(図5(a)参照)に対して位相がλa/4程度しかずれない。これにより、効果が小さくなるものの、底板3の中心側に進行するガイド波の振幅を増大させる。したがって、このような変形例においても、ガイド波の送信周波数fの設定に対応して検査性能を向上することができる。
また、上記一実施形態においては、ガイド波センサ4は、8組の超音波探触子9a〜9h(合計16個の超音波探触子9)を備えた場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、超音波探触子9の個数は、16個に限られず、タンク1の寸法や検査領域によって選定すればよい。
また、検査対象である縦置き型のタンク1は、円筒状の側板2と円形状の底板3とを備えた場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば、多角筒状の側板を備えてもよいし、多角形状の底板を備えてもよく、このような縦置き型のタンク1を検査対象として本発明を適用してもよいことは言うまでもない。
1 縦置き型のタンク
2 側板
3 底板
3a 中央部
3b 張出部
5 位置調整機構(位置制御手段)
6 探傷制御器(周波数設定手段、位置制御手段、検出手段)
7 入力器(周波数設定手段)
9 超音波探触子
21 位置センサ(検出手段)

Claims (3)

  1. 筒状の側板と前記測板より側方外側に張出した張出部を有する底板とを備えた縦置き型のタンクを検査対象とし、ガイド波を利用して前記タンクの底板を検査するタンク底板検査装置であって、
    前記底板の張出部上に前記側板の周方向の一部に沿って1列で配置され、それぞれ、前記底板にガイド波を送信するとともに前記底板中を伝播したガイド波を受信する複数の超音波探触子と、
    ガイド波の送信周波数fを設定する周波数設定手段と、
    前記底板の張出部上における前記複数の超音波探触子のそれぞれのガイド波送信位置と前記底板の端面位置との距離Daを検出する検出手段と、
    前記底板の径方向に伝播するガイド波の速度をVaとし、整数をnとしたとき、前記検出手段で検出した前記距離Daが(Va/f)×n/2となるように、前記複数の超音波探触子のそれぞれの位置を制御する位置制御手段とを備えたことを特徴とするタンク底板検査装置。
  2. 筒状の側板と前記測板より側方外側に張出した張出部を有する底板とを備えた縦置き型のタンクを検査対象とし、ガイド波を利用して前記タンクの底板を検査するタンク底板検査装置であって、
    前記底板の張出部上に前記側板の周方向の一部に沿って1列で配置され、それぞれ、前記底板にガイド波を送信するとともに前記底板中を伝播したガイド波を受信する複数の超音波探触子と、
    ガイド波の送信周波数fを設定する周波数設定手段と、
    前記底板の張出部上における前記複数の超音波探触子のそれぞれのガイド波送信位置と前記底板の端面位置との距離Daを検出する検出手段と、
    前記底板の径方向に伝播するガイド波の速度をVaとし、整数をnとしたとき、前記検出手段で検出した前記距離Daが(Va/f)×(4×n)/8〜(Va/f)×(4×n±1)/8の範囲内で設定された所定値となるように前記複数の超音波探触子のそれぞれの位置を制御する位置制御手段とを備えたことを特徴とするタンク底板検査装置。
  3. 請求項1又は2記載のタンク底板検査装置において、前記底板の周方向に伝播するガイド波の位相速度をVbとし、隣接する前記超音波探触子のガイド波送信位置の間隔をDbとしたとき、前記間隔Dbが(Vb/f)/2以下となるように前記複数の超音波探触子を配置したことを特徴とするタンク底板検査装置
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