JP5469944B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は撮像装置に関し、特に、コンパクトサイズの撮像装置であって、撮影光学系に工夫を施したものに関する。
近年、コンパクトサイズのデジタルカメラが普及するにつれて、ユーザーからカメラの多機能化と高性能化が求められている。これにより、手ぶれ補正機能や顔検出機能、1000万画素を超える撮像素子を搭載したコンパクトデジタルカメラが登場している。また、カメラ本体の光軸方向の厚みを抑えるために、搭載される撮影光学系をカメラ本体で屈曲させたデジタルカメラも多く存在する。
屈曲式光学系を有するデジタルカメラでは、光学系を屈曲させる光学素子の周辺において各種部材を配置するスペースが確保しにくいという問題があった。この問題を解決するために、カメラ本体内に占める光学系の省スペース化を目的として、例えば、特許文献1には、光学系を構成する一部のレンズ形状を楕円形形状や矩形形状のような円形形状以外にすることで、カメラ本体の光軸方向の厚みをさらに小さくすることが開示されている。
一方、コンパクトサイズのデジタルカメラに搭載される撮像素子は、1/1.7型や1/2.3型のCCD又はCMOSが多く普及している。このような撮像素子は、いわゆるAPS−Cサイズの撮像素子と比べて小さいので、撮影光学系に求められるイメージサークルも小さくすることができる。これにより、スケーリングと同様の原理によって撮影光学系の焦点距離を短くすることで、撮影光学系自体の全長も小さくすることが可能となるので、その結果、デジタルカメラ全体のコンパクト化を図る手法として用いられていた。
例えば、特許文献2では、設計の像高をh=4.5mm程度の高さに抑えることにより、約3倍の変倍比を確保すると共に、コンパクト化を達成している。また、特許文献3では、ワイド端の焦点距離が1で正規化されているが、10倍もの変倍比を確保している。これらは、小さい撮像素子を使用することで、テレセントリック性を確保し、光学系全体を小型化している。
特開2007−86141号公報
特開2004−333767号広報
特開2002−365550号広報
しかしながら、上記の従来技術では以下のような問題点があった。
特許文献1に開示されているような屈曲式光学系は、デジタルカメラのコンパクト化に寄与するものの、カメラ内部の構造が非常に複雑になってしまう。さらに、入射光を屈曲させるための反射部材の設置角度が適切でないと、デジタルカメラの光学性能に著しい影響を与えることになる。また、反射素子の製造過程においては反射素子の反射面角度に製造誤差が生じる可能性がある。このように光学系の構造が複雑化すると、設計過程での収差補正や公差設定等が難化し、製造過程では組立性が悪くなる。
特許文献2及び特許文献3に開示の発明では、光学系が小さな撮像素子に適合するように設計されている。このような小さな撮像素子では、大きな撮像素子を使用した場合と比較して、画素数が少なかったり、1画素当たりの面積が小さくなったりする。その結果、取り込まれた画像データのSN比が悪くなってしまい、大きな撮像素子を使用した場合と比較して、生成される画像の画質が低下してしまう。
一方、大きな撮像素子(例えばイメージサークルがh=10.0を超えるようなもの)を使用する場合、それにつれて撮影光学系も大きくする必要がある上に、撮像素子に入射する被写体光束のテレセントリック性も悪化してしまう。また、撮影光学系が大きくなると、合焦させる際に光軸方向に移動させるフォーカスレンズも大型化する必要が生じるため、重くなってしまう。さらに、レンズを大型化するとフォーカスレンズのパワーが弱くなる傾向があるため、合焦によるフォーカスレンズの光軸方向への移動距離が長くなってしまう。フォーカスレンズが重くなることで、レンズを移動させるために使用するモータも大型にする必要が生じ、また、フォーカスレンズの移動距離が長くなることで、合焦速度も遅くなってしまい、メカニカルパーツも大型化してしまう。
また、コンパクトサイズのデジタルカメラでは、フォーカスレンズを撮像素子の直前に配置することが多いが、この構成としたときに、小さな撮像素子であった場合には、このフォーカスレンズも径が小さなものを使用することができていた。小径のレンズを採用することによって、鏡枠に占めるフォーカスレンズの割合を小さくできるので、鏡枠上にリードスクリュー等の部材を配設することが可能であった。しかし、大きな撮像素子を使用するとフォーカスレンズも大きくなるので、フォーカスレンズの鏡枠に、リードスクリュー等の部材を配設するスペースが小さくなってしまう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、屈曲式光学系のような複雑な構造を用いずにカメラのコンパクト化を達成し、さらに、撮像素子を大型化させた場合でも、フォーカスレンズの重量増加を抑え、駆動用モータを大型化させずに合焦速度の低下を避けることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明を実施の撮像装置は、複数のレンズ群よりなる撮影光学系と、撮影光学系により結像される被写体像を光電変換する撮像素子と、撮影光学系において最も撮像素子寄りに位置し、合焦動作に応じて光軸方向に移動されるフォーカスレンズ群と、フォーカスレンズ群を保持するレンズ鏡枠と、を有し、撮影光学系はフォーカスレンズ群より物体側に、内部に開口絞りを備えてフォーカシング時に光軸方向に位置が固定された第1レンズ群を有し、第1レンズ群は開口絞りより物体側の前群と、開口絞りより像側の後群とで構成され、前群は全体として正の屈折力を持ち、前群は物体側より順に2枚の負レンズと2枚の正レンズとから構成され、フォーカスレンズ群を、光軸に略垂直な平面上の外形形状が、少なくとも撮像素子の有効画素範囲を含む領域に被写体像を結像可能な非円形形状とし、さらに以下の条件式を満たす構成とする。
d>2.0mm ・・・ (1)
|Φ/R|<0.25 ・・・ (2)
ここで、
d:フォーカスレンズ群の無限遠から近距離までの移動量
R:フォーカスレンズ群の最大曲率半径
Φ:フォーカスレンズ群の最も長い直径
さらに本発明を実施の撮像装置は、上記発明において、フォーカスレンズ群を樹脂製の単レンズとし、また、レンズ鏡枠において、フォーカスレンズ群を非円形形状としたことにより生じる領域に、所定の部材、例えば合焦動作においてフォーカスレンズ群を光軸方向に駆動する駆動手段、又は、合焦動作においてフォーカスレンズ群を光軸方向にガイドするガイド手段の少なくともいずれか一方を配設した構成とする。
さらに本発明を実施の撮像装置は、上記発明において、フォーカスレンズ群の非円形形状を、光軸方向から見て略小判形状、略馬蹄形状、又は、略矩形形状とした構成とする。
本発明を実施の撮像装置によれば、最も撮像素子寄りに位置するレンズにおいて、光軸に略垂直な平面上の外形形状を、少なくとも撮像素子の有効画素範囲を含む領域に被写体像を結像可能な非円形形状とすることにより、レンズを保持する鏡枠に占めるレンズのスペースを小さくすることが可能となる。これにより、レンズ鏡枠に部材が配設可能なスペースを生じさせることができ、レンズ鏡筒のコンパクト化が可能となる。
また、最も撮像素子寄りに配設させたレンズをこのような形状とすることにより、レンズ鏡枠が無駄な被写体光を遮光することができるので、レンズ鏡筒内の内面反射によって発生するフレアやゴーストを低減させることも可能となる。さらに、非円形形状としたレンズを光軸方向に駆動させて合焦動作をさせる構成としたことにより、撮像素子を大型化させた場合のフォーカスレンズの重量増加を抑え、駆動用モータを大型化させずに合焦速度の低下を避けることが可能となる。
本発明の第1の実施例に係る撮像装置の外観斜視図である。 図1に示した撮像装置の電源オン時の外観斜視図である。 図1に示した撮像装置の電源オン時の後方外観斜視図である フォーカスユニットを撮像素子側から見たときの正面図である。 図4に示したフォーカスユニットの斜視図である。 フォーカスユニットの横断面図であり、フォーカスレンズを保持した第1の鏡枠が無限遠位置にある状態を示している。 フォーカスユニットの横断面図であり、フォーカスレンズを保持した第1の鏡枠が最至近位置にある状態を示している。 本発明の第1の実施例に係る撮像装置の撮影光学系のレンズ構成図である。 本発明の第2の実施例に係る撮像装置の撮影光学系のレンズ構成図である。 本発明の第3の実施例に係る撮像装置の撮影光学系のレンズ構成図である。 本発明の第4の実施例に係る撮像装置の撮影光学系のレンズ構成図である。 従来の円形形状のフォーカスレンズを使用した撮影光学系における光線有効高を説明する図である。 本発明の第1の実施例に係る撮影光学系における光線有効高を説明する図である。 フォーカスレンズの第2の実施形態の正面図である。 フォーカスレンズの第3の実施形態の正面図である。
以下、添付の図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
まず、図面に従って部材の説明を行う。図1では、撮像装置1において、シャッターボタン1a、電源用ボタン1b、モードダイヤル1c、レンズ鏡筒1fが配設されていることが示されている。レンズ鏡筒1fは沈胴状態である。図2では、撮像装置1を使用しているときであり、レンズ鏡筒1fが撮像装置1から繰り出された状態が示されている。図3では、撮像装置1を使用しているときであり、撮像装置1後部にフォーカシング用ダイヤル1d、液晶モニター1eが配設されていることが示されている。
図4は、撮像素子5側から見たフォーカスユニット2であり、フォーカスユニット2を構成する第1の鏡枠3が示されている。第1の鏡枠3には、ナット3a、ナット保持部3b、フォーカスレンズ3c、シャフト受け部3d、遊嵌孔3eが配設されていることが示されている。
破線で示す円周は従来の円形形状レンズの外周であり、その外径は直径Φ1である。第1の鏡枠3に保持されているフォーカスレンズ3cは、最も長い直径(長直径)がΦ1、最も短い直径(短直径)がΦ2の略小判形状をしている。図4中の斜線部は、撮像装置1に備えられた撮像素子5の有効画素範囲を示しており、その形状は、従来からある一般的な撮像素子と同様に矩形形状である。
図5では、フォーカスユニット2が第1の鏡枠3と第2の鏡枠4の二つの鏡枠から構成されていることが示されている。第2の鏡枠4にはモータ4aが固定されており、リードスクリュー4bが配設されている。モータ4aに配設されたリードスクリュー4bは、第1の鏡枠3の遊嵌孔(不図示)を遊嵌して第1の鏡枠3の撮像素子5側に突出している。このリードスクリュー4bにナット3aが撮像素子5側から螺合し、第1の鏡枠3に螺着している。
第1のガイドシャフト4cは第2の鏡枠4に固設されており、第1の鏡枠に配設されたシャフト受け部3dに緩挿されている。また、第2のガイドシャフト4dは第2の鏡枠4に固設されており、第1の鏡枠に配設された遊嵌孔3eに遊嵌している。これらの第1のガイドシャフト4c、第2のガイドシャフト4d、及びリードスクリュー4bは光軸Lに略平行に配設してある。また、第1の鏡枠3と第2の鏡枠4との間には、第1のガイドシャフト4cを軸とするようにバネ4eが配設されている。
図6及び図7ではフォーカスユニット2と撮像素子5の断面図が示されている。撮像素子5側から被写体側に向けて、第1の鏡枠3、第2の鏡枠4が配設されている。第1の鏡枠3にはフォーカスレンズ3cが保持されており、また、第2の鏡枠4には2枚のレンズから構成されるレンズ群が保持されていることが示されている。
次に、図面に従って機能の説明を行う。図1において、撮像装置1上面部に配設してある電源用ボタン1bを押圧することにより電源をONにする。これにより撮像装置1が通電状態になり、レンズ鏡筒1fが光軸Lに略平行に被写体側に向かって繰り出され、図2及び図3で示されている状態になる。撮像装置1を被写体に向けると、被写体の像が撮像装置1の後部に配設されている液晶モニター1eに映し出される。
合焦操作において、マニュアルフォーカス操作時は液晶モニター1eに映し出された被写体の像を基にして焦点調節を行う。撮像装置1上面部付近に配設されているフォーカシング用ダイヤル1dを回動操作することにより、焦点を調節することが可能となる。オートフォーカス操作時は、シャッターボタン1aを半押しすると撮像装置1内にあるCPU(不図示)において合焦点が決定され、焦点調節を行う。
図4において、第1の鏡枠3に配設してあるフォーカスレンズ3cは、上述したように長直径Φ1、短直径Φ2の略小判形状としている。一般にデジタルカメラに搭載される撮像素子は矩形形状をしており、その有効画素範囲も同様に矩形形状となる。従って、撮影光学系のレンズの外径形状を有効画素範囲の形状に最適化し、矩形形状に類する非円形形状に作成しても撮影上問題となることは少ない。特に、最も撮像素子寄りのレンズの形状を有効画素範囲に最適化したとしても、撮影上の問題は生じない。また、フォーカスレンズ3cを矩形形状に類する非円形形状とすることによって、合焦動作において駆動する部材の重量を軽くすることが可能となる。
ここで、レンズを有効画素範囲に最適化するということは、レンズの光軸に垂直な平面上での形状を、少なくとも撮像素子の有効画素範囲を含む領域に被写体像を結像可能な非円形形状とすることを意味しており、以降も同様とする。
従来の円形形状レンズを、有効画素範囲に最適化した略小判形状にすることにより、第1の鏡枠3に占めるフォーカスレンズ3cのスペースが小さくなる。これにより、鏡枠上に部材を配設可能なスペースが生じるため、シャフト受け部3d及び遊嵌孔3eを第1の鏡枠3上に配設可能となり、それらに第1のガイドシャフト4c及び第2のガイドシャフト4dを挿嵌することが可能となる。
図5では、第1のガイドシャフト4cにバネ4eが装入されており、バネ4eは撮像素子5側方向と被写体側方向とへ付勢するため、第1の鏡枠3が装着されると、第1の鏡枠3はナット3aへバネ4eにより圧接される。また、バネ4eの撮像素子5側、被写体側の両方向への付勢力により第2の鏡枠4は被写体側方向へ、第1の鏡枠3は撮像素子5側方向へ付勢されるため、両鏡枠のガタつきが防止されている。第2の鏡枠4に固定されている2本のガイドシャフトは第1の鏡枠3に摺動可能に挿嵌しており、モータ4aの回転によりリードスクリュー4bは回転しナット保持部3b内に保持されているナット3aに螺合する。これによりモータ4aの回転方向で第1の鏡枠3は撮像素子5側方向と被写体側方向へと移動が可能になる。
図6は、合焦操作においてフォーカスユニット2の第1の鏡枠3が無限遠位置にある状態である。モータ4aの回転によりリードスクリュー4bが回転し、第1の鏡枠3がリードスクリュー4bの回転に従って、第1のガイドシャフト4cと第2のガイドシャフト4dに摺動しながら撮像素子5側に移動する。これにより、第1の鏡枠3が無限遠位置へ移動する。このとき、第1の鏡枠3は撮像素子5に最も近づく。
図7は、合焦操作においてフォーカスユニット2の第1の鏡枠3が最至近位置にある状態である。モータ4aの回転によりリードスクリュー4bが回転し、第1の鏡枠3がリードスクリュー4bの回転に従って、第1のガイドシャフト4cと第2のガイドシャフト4dに摺動しながら被写体側に移動する。これにより、第1の鏡枠3が最至近位置へ移動する。このとき、第1の鏡枠3は撮像素子5から最も離れる。
以降では、本実施形態の撮像装置1に備えられる撮影光学系について説明する。図8は、撮像装置1が有する撮影光学系の一例を示したレンズ構成図である。この撮影光学系は、物体側から順に、開口絞りSを備えた正の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2とから構成され、第2レンズ群G2を光軸方向に移動させて焦点調節を行う。さらに第1レンズ群G1は、開口絞りSよりも被写体側の正の屈折力の前群G1aと、開口絞りSよりも撮像素子5の像面I側の正の屈折力の後群G1bとからなる。この前群G1aは2枚の負レンズと枚の正レンズを備えた構成としている。この第2レンズ群G2は、図4〜7ですでに説明してきたフォーカスレンズ3cに対応しており、略小判形状を有している。
このような構成の撮影光学系において条件式(1)を満たすことで、フォーカスレンズ3cのパワー(焦点距離の逆数)を小さくすることになり、フォーカスレンズ3cで発生する収差(収差係数)を比較的小さくすることが可能になる。フォーカスレンズ3cで発生する収差が小さいことは、すなわち、合焦動作を行った際に、無限遠被写体にピントを合わせたときと、近距離にピントを合わせたときで、撮影光学系全体の収差変動を小さくすることを可能にし、合焦領域全域で、より高性能な撮影光学系を得ることが可能になる。
逆に、このフォーカスレンズ3cの焦点距離が短いと、無限遠合焦時と近距離合焦時での収差変動が大きくなり、多くの場合、近距離撮影時に比較的大きな残存収差を発生させ、撮影像を悪化させる。また、フォーカスレンズ3cのパワーが強いと、フォーカスレンズ3cでの入射角/射出角の変動が大きくなり、その前後の群の大きさと比較して、フォーカスレンズ3cのみ大きくなる傾向が生じ(フォーカスレンズ3cが凸の場合)撮像装置1全体の大型化に繋がる。
条件式(2)はフォーカスレンズ3cのパワーを規定する式であり、フォーカスレンズ3cにおける最も長い半径Φ、すなわち長直径Φ1と、最も大きい曲率半径Rの比を取ったものである。この式により、曲率半径Rが小さくなることを防止している。当該レンズで合焦動作を行うため、フォーカスレンズ3cにおける収差量(収差係数)は小さい方が望ましい。曲率半径Rが小さくなることは、当該フォーカスレンズ3c内で発生する球面収差量が大きくなることになり、無限遠合焦時と近距離合焦時での結像性能のバランスを取ることが難しくなる。

条件式(1)を満たすようにフォーカスレンズ3cの移動量dを大きくすると、撮像装置1の大型化の方向に向かうことになる。大きな移動量を達成するために、移動動力源のモータ4aを出力が強く大きな物に変更する必要が生じる。また、撮影光学系のフォーカスレンズ3cは色消しをするために、通常は2枚以上使用することが望ましく、これによりフォーカスレンズ3cの重量が増加すると、さらに大きなモータが必要になってしまう。そこで、小さなモータで合焦動作を行うためには、フォーカスレンズ3cの重量をより軽くすることが不可欠となる。フォーカスレンズ3cを軽量化するためには、ダブレットなどの2枚以上のレンズではなく、単レンズを使用することが考えられるが、単レンズでは、発生する収差量を良好に抑えることが原理的に不可欠である。そこで、発生する収差をより小さくするために、この単レンズの少なくとも1面を非球面にすることが望ましい。
フォーカスレンズ3cの材料としては樹脂を用いている。例えば、吸水性の少ないシクロオレフィンポリマーやポリエステル樹脂、高屈折率が期待できるポリカーボネート樹脂が考えられる。フォーカスレンズ3cは、これらのプラスチック樹脂を射出成型することにより作成されるが、射出成型に使用する金型は球面であっても非球面であっても加工、管理等に殆ど違いがない。このため、ガラスレンズとは異なり、非球面レンズを使用することで加工コストが上昇することはない。これは、射出成型の代わりにコンプレッション成型を行う場合にも言えることである。
フォーカスレンズ3cが凸レンズの場合、レンズの曲率半径Rが小さくなると、中心の肉厚と周辺の肉厚の差が大きくなる(所謂サグ量が大きくなる)ため、樹脂成型を行う際に圧力が均一に掛からず、凸レンズの面精度を良好に出すことが難しくなる。射出成型で高精度にレンズを成型するには出来るだけ偏肉がないレンズが望ましく、そのためにも曲率半径Rがある条件式(2)を満たす程度に大きいものが望ましい。同様に、フォーカスレンズ3cを略小判形状に成型する場合でも、レンズを非球面に加工する場合と同じく、円形形状から非円形形状に変更することで加工コストが上昇することはない。
フォーカスレンズ3cの材料となる樹脂の密度(比重)は0.9〜1.2程度であり、典型的な光学ガラスの密度(比重)2.0〜6.0と比較して著しく軽い。そのため、Φ15を超えるような大きなレンズをフォーカスレンズとして使用し、d>2.0mmのような大きなフォーカス移動量を実現するために、比重の小さい樹脂を材料として使用することで、駆動モータの大型化を避け、より早いレスポンスを持った合焦動作を行うことが可能になる。
以下、本発明の撮影光学系に係る図8〜図11に示す実施形態1〜4に各々対応する数値実施例1〜4を示す。各数値実施例においてiは物体側からの光学面の順序を示し、riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、diは第i面と第i+1面との間の間隔、niとνiはそれぞれd線に対する第i番目の光学部材の材質の屈折率、アッベ数を表す。Φは各レンズにおける直径であり、Φ1は略小判形状であるフォーカスレンズ3cの最も長い直径(長直径)、Φ2はフォーカスレンズ3cの最も短い直径(短直径)である。また、Fは焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角である。
非球面は光軸に垂直な高さをHとし、高さHにおける光軸方向の変異量(サグ量)をXとし、基準面の曲率半径をR、非球面係数(Conic Constant)をk、n次の非球面係数をAnとしたとき以下の数式で表される。
Figure 0005469944
(数値実施例1)
Figure 0005469944
(数値実施例2)
Figure 0005469944
(数値実施例3)
Figure 0005469944
Figure 0005469944
図12及び図13は、最も撮像素子5寄りに配設されたフォーカスレンズが従来型の円形形状である場合と、本実施例に示されるところの略小判形状である場合に、それぞれの撮影光学系を被写体光束が透過する様子を示したものである。図12では、被写体側から入射した光が従来の円形レンズ6を透過し、撮像素子5上に結像していることがわかる。ここで、すでに説明したように、一般的な撮像素子は矩形形状をしており、その有効画素範囲も矩形形状をしているため、円形レンズ6の周辺部を透過した光は有効画素範囲外の撮像素子5上に結像してしまっている。一方、図13に示すとおり、撮像素子5の有効画素範囲に最適化するように外形の上下を切り欠いたフォーカスレンズ3cを用いた場合には、このレンズを透過した光が有効画素範囲から外れることなく、撮像素子5上に結像させることが可能となる。
このように、最も撮像素子5寄りに配設させたフォーカスレンズ3cを撮像素子5の有効画素範囲に最適化させた略小判形状とすることにより、第1の鏡枠3が無駄な被写体光を遮光することができるので、レンズ鏡筒内の内面反射によって発生するフレアやゴーストを低減させることも可能となる。
なお、本発明に係る撮像装置に実施のフォーカスレンズの形状は、上述してきた略小判形状に限定されるものではない。すなわち、リードスクリュー等の部材を配設可能なスペースが確保できる形状で、なおかつ撮像素子5の有効画素範囲の形状に最適化された非円形形状であればよい。
上述した非円形形状のその他の具体例として、フォーカスレンズの形状の第2及び第3の実施例を図14及び図15に示す。図14では、第1の鏡枠3に保持されているフォーカスレンズ7cが、シャフト受け部3d側のみ撮像素子5の有効画素範囲に切り欠いた略馬蹄形状であり、シャフト受け部3dが配設可能となっている。また、図15では、第1の鏡枠3に保持されているフォーカスレンズ8cにおいて、有効画素範囲から外れているレンズの部分を全て切り欠いたものである。レンズの形状は略矩形形状であるが、4箇所の角部はr=Φ1/2の円弧となっている。これにより、第1のガイドシャフト4c、第2のガイドシャフト4d、シャフト受け部3dと遊嵌孔3eとが配設可能となっている。
さらに、撮像素子の有効画素範囲の形状に最適化された非円形形状であるとしたフォーカスレンズの形状を、以下のようにより詳細に限定することもできる。すなわち、非円形形状のフォーカスレンズの長直径Φ1と短直径Φ2の比による限定である。
例えば、数値実施例1においては、フォーカスレンズ3cの長直径と短直径はそれぞれ18.52と15.0であるから、Φ1/Φ2=18.52/15.0=1.23となっている。同様に、数値実施例2ではΦ1/Φ2=17.6/14.4=1.22、数値実施例3ではΦ1/Φ2=17.9/14.3=1.25、数値実施例4ではΦ1/Φ2=17.8/14.5=1.23となっている。また、一般的な撮像素子のアスペクト比は多くが4:3又は3:2となっているから、それぞれの長直径と短直径の比はΦ1/Φ2=1.67、Φ1/Φ2=1.80となる。
Φ1とΦ2の差が大きすぎると、被写体をケラレなく結像するためにΦ2を大きくする必要が生じ、コンパクト化・軽量化に反することは明らかである。従って、長直径と短直径の比の取り得る範囲としては1<Φ1/Φ2≦1.8が望ましいと言える。なお、上述した各実施形態で示したようなフォーカスレンズの形状において、長直径Φ1と短直径Φ2は図4、図14、及び図15に記入されたように定義することができる。
1 撮像装置
2 フォーカスユニット
3 第1の鏡枠
3c フォーカスレンズ
3d シャフト受け部
3e 遊嵌孔
4 第2の鏡枠
4a モータ
4b リードスクリュー
4c 第1のガイドシャフト
4d 第2のガイドシャフト
5 撮像素子
L 光軸

Claims (5)

  1. 複数のレンズ群よりなる撮影光学系と、
    前記撮影光学系により結像される被写体像を光電変換する撮像素子と、
    前記撮影光学系において最も前記撮像素子寄りに位置し、合焦動作に応じて光軸方向に移動されるフォーカスレンズ群と、
    前記フォーカスレンズ群を保持するレンズ鏡枠と、
    を有する撮像装置において、
    前記撮影光学系は前記フォーカスレンズ群より物体側に、内部に開口絞りを備えてフォーカシング時に光軸方向に位置が固定された第1レンズ群を有し、
    前記第1レンズ群は開口絞りより物体側の前群と、開口絞りより像側の後群とで構成され、
    前記前群は全体として正の屈折力を持ち、
    前記前群は物体側より順に2枚の負レンズと2枚の正レンズとから構成され、
    前記フォーカスレンズ群は、光軸に略垂直な平面上の外形形状が、少なくとも前記撮像素子の有効画素範囲を含む領域に前記被写体像を結像可能な非円形形状を有しており、
    さらに以下の条件式を満たすことを特徴とする撮像装置。
    d>2.0mm ・・・ (1)
    |Φ/R|<0.25 ・・・ (2)
    ここで、
    d:フォーカスレンズ群の無限遠から近距離までの移動量
    R:フォーカスレンズ群の最大曲率半径
    Φ:フォーカスレンズ群の最も長い直径
  2. 前記フォーカスレンズ群は、樹脂製単レンズであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記レンズ鏡枠において、前記フォーカスレンズ群を前記非円形形状としたことにより生じる領域に、所定の部材を配設したことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記所定の部材は、前記合焦動作において前記フォーカスレンズ群を前記光軸方向に駆動する駆動手段、又は、前記合焦動作において前記フォーカスレンズ群を前記光軸方向にガイドするガイド手段の少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記フォーカスレンズ群の前記非円形形状とは、前記光軸方向から見て略小判形状、略馬蹄形状、又は、略矩形形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像装置。
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