JP5469570B2 - オーディオ増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、電源供給を停止したときに生じるボツ音を防止できるようにしたオーディオ増幅器に関する。
図2に従来のオーディオ増幅器の構成を示す(特許文献1の図3参照)。このオーディオ増幅器は、基準電圧Vrefを生成するバイアス回路10A、そのバイアス回路10Aから基準電圧Vrefがバイアス電圧として供給され、入力端子21から入力するオーディオ信号を増幅する初段増幅回路20A、その初段増幅回路20Aの出力信号をさらに増幅する次段増幅回路30、次段増幅回路30で増幅された信号を入力して増幅し出力端子41に出力する出力回路40A、カップリングキャパシタC2、およびスピーカSPで構成されている。
バイアス回路10Aは、分圧抵抗R1,R2と、分圧抵抗R1,R2の共通接続点のGNDに対するインピーダンスを低くするためのキャパシタC1とから構成され、分圧抵抗R1,R2の共通接続点に基準電圧Vrefが生成される。
初段増幅回路20Aは、エミッタが共通接続された差動接続のPNPトランジスタQ7,Q8と、その差動接続トランジスタQ7,Q8の能動負荷としてのカレントミラー接続のNPNトランジスタQ9,Q10と、差動接続トランジスタQ7,Q8に動作電流を与える電流源トランジスタQ11と、その電流源トランジスタQ11に電流源I2で生成した動作電流を供給するようトランジスタQ11とカレントミラー接続されたPNPトランジスタQ12と、バイアス回路10Aの抵抗R1,R2の共通接続点とトランジスタQ7のベースとの間に接続されたバイアス抵抗R3とで構成されている。そして、この初段増幅回路20AのトランジスタQ8のベースには、出力回路40Aの出力端子41から抵抗R5を介して帰還がかけられ、また、トランジスタQ7のベースには、抵抗R1,R2の共通接続点から抵抗R3を介してバイアスがかけられている。さらに、抵抗R1,R2の共通接続点とトランジスタQ8のベースとの間には抵抗R4が接続されている。これらにより、この初段増幅回路20Aでは、抵抗R4,R5の比で定まる増幅率で、入力端子21に入力するオーディオ信号の振幅が増幅される。
次段増幅回路30は、初段増幅回路20で増幅されたオーディオ信号を入力してハイサイド駆動信号を出力端子31から出力し、ローサイド駆動信号を出力端子32から出力する。
出力回路40Aは、次段増幅回路20Aの出力端子31に入力が接続されたハイサイドドライバ42と、次段増幅回路20Aの出力端子32に入力が接続されたローサイドドライバ43と、ハイサイドドライバ42で駆動されるPNPの出力トランジスタQ13と、ローサイドドライバ43で駆動されるNPNの出力トランジスタQ14とで構成され、トランジスタQ13,Q14のコレクタ共通接続点が出力端子41に接続されている。
ところで、初段増幅回路20Aは、差動増幅回路の構成であるため、入力端子21に入力するオーディオ入力信号について同相入力電圧範囲+Vicmを考慮する必要がある。すなわち、この初段増幅回路20Aは、図4の二点鎖線で示されるような同相入力電圧範囲+Vicmを有しており、トランジスタQ7,Q8への入力信号電圧がこの範囲+Vicmを越えると、初段増幅回路20AにおけるトランジスタQ11のソース・ドレイン電圧が正常動作電圧下限値を下回り、入力オフセット電圧が大きくなるため、トランジスタQ7,Q8への入力信号の電圧レベルは、この同相入力電圧範囲+Vicmを越えてはならない。
しかし、電源電圧Vccの供給が断たれると、入力信号の電圧レベルが同相入力電圧範囲+Vicmを越えることとなり、以下に示すような不都合を招く。
すなわち、初段増幅回路20Aの同相入力電圧範囲+Vicmは、トランジスタQ7,Q8に正常電流を流す必要があるところから、トランジスタQ7,Q8のベース・エミッタ間電圧をVbeとし、トランジスタQ11のエミッタ・コレクタ間飽和電圧をVsatとすると、
+Vicm<Vcc-(Vbe+Vsat) (1)
で表される。
電源電圧Vccが正常に供給されている状態において、図4に示す時刻t1で電源電圧Vccの供給が断たれたとすると、同相入力電圧範囲+Vicmは、電源電圧Vccの低下とともに即座に低下し始める。バイアス回路10Aで生成される基準電圧Vrefも低下し始めるが、キャパシタC1の蓄積電荷の影響で、その低下の程度は同相入力電圧範囲+Vicmの低下速度に比較して非常に緩慢となる。
初段増幅回路20Aの差動増幅回路が正常に動作するには、+Vicm>Vrefである必要があるが、電源電圧Vccの低下によって同相入力電圧範囲+Vicmが低下すると、遂には、時刻t2において、+Vicm>Vrefが満足されなくなる。これにより、初段増幅回路20Aが正常に動作しなくなり、正常な帰還がかからなくなって、その出力が高レベル電圧あるいは低レベル電圧に張り付き、出力回路40Aの出力端子41の出力電圧が大きく変化し、スピーカSPからボツ音が発生する。
そこで、本出願人は、電源電圧Vccの供給が停止したとき、初段増幅回路20Aが正常に動作しなくなる以前に、出力回路40Aに対して動作停止のための遮断信号を出力し、ボツ音の発生が防止できるようにした図3に示す構成のバイアス回路10Bの提案を行った(特許文献1の図1,2参照)。このバイアス回路10Bは、エミッタが電流源I3に共通接続された差動接続のPNPトランジスタQ15,Q16と、そのトランジスタQ15,Q16の能動負荷としてカレントミラー接続されたNPNトランジスタQ17,Q18と、トランジスタQ16,Q18の共通コレクタ接続点にベースが接続された遮断信号出力用のNPNトランジスタQ19と、初段増幅回路20Aに供給する基準電圧Vrefを生成するとともにトランジスタQ15にベースバイアスを与える抵抗R1,R2、キャパシタC1、ダイオード接続のNPNトランジスタQ20からなる回路と、トランジスタQ16にベースバイアスを与えるダイオード接続の2個のNPNトランジスタQ21,Q22、電流源I4からなる回路とから構成されている。
このバイアス回路10Bでは、電源電圧Vccが供給されている正常な状態では、トランジスタQ15のベース電圧Vb15は、トランジスタQ20のベース・エミッタ間電圧をVbeとし、R1=R2とすると、
Vb15=Vref=(Vcc-Vbe)/2 (2)
となる。一方、トランジスタQ16のベース電圧Vb16は、トランジスタQ21,Q22のベース・エミッタ間電圧をVbeとすると、
Vb16=Vcc−2Vbe (3)
となる。
ここで、電源電圧Vccが正常に供給されている状態において、トランジスタQ19のコレクタから出力する遮断信号がオフ(ハイインピーダンス)となるには、トランジスタQ15をオンさせ、トランジスタQ16をオフさせればよいので、そのためには、
(Vcc-Vbe)/2<Vcc−2Vbe (4)
を満足させればよく、
Vcc>3Vbe (5)
となる。Vbe=0.7Vとすると、Vcc>2.1Vに設定しておくことにより、トランジスタQ15のベース電圧をVb15、トランジスタQ16のベース電圧をVb16とすると、
Vb15<Vb16 (6)
になる。
このようにして、電源電圧Vccが供給されている正常な状態では、トランジスタQ15がオン、トランジスタQ16がオフとなって、トランジスタQ17,Q18がオンとなり、トランジスタQ19がオフとなる。これにより、トランジスタQ19のコレクタはハイインピーダンスとなり、遮断信号は出力しない。
一方、電源電圧Vccの供給が停止されたときは、トランジスタQ15のベース電圧Vb15は、キャパシタC1の蓄積電荷によって比較的緩慢に低下してゆくが、トランジスタQ16のベース電圧Vb16は、電源電圧Vccの低下に比例して急速に低下してゆく。この結果、ある時間が経過すると、トランジスタQ16のベース電圧Vb16がトランジスタQ15のベース電圧Vb15よりも低くなる。このタイミングは、同相入力電圧範囲+Vicmが基準電圧Vrefよりも低くなるタイミング(図4の時刻t2)よりは、十分に早くなる。
このとき、トランジスタQ15がオフ、トランジスタQ16がオンとなって、トランジスタQ17,Q18がオフとなり、トランジスタQ19がオンとなって、遮断信号が生成される。この遮断信号は、出力回路40Aの動作を停止状態にし、トランジスタQ13,Q14の増幅動作が停止される。この結果、スピーカSPからのボツ音発生が抑制される。
特開2002−26663号公報
ところで、上記した図3の回路では、電源電圧Vccが十分に高い場合、すなわち、式1の「Vcc−(Vbe+Vsat)」を大きくとることができるときは、図3に示したとおり、トランジスタQ16のベースと電源電圧Vccのラインとの間にダイオードを2段積みすること等により容易に構成することができる。
しかし、電源電圧Vccが低いときは、「Vbe+Vsat」とVrefとの間に僅かな電圧差しか得ることができず、トランジスタQ16のベースと電源電圧Vccのラインとの間に、高精度な定電圧源を設ける必要があり、容易に構成することができないという問題があった。
本発明の目的は、電源供給を停止したときに生じるボツ音を防止し、しかも、電源電圧が低い場合であっても高精度な定電圧源を不要にしたオーディオ増幅器を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明のオーディオ増幅器は、基準電圧を生成するバイアス回路と、該基準電圧がバイアス電圧として印加され且つオーディオ入力信号を増幅する差動増幅回路からなる初段増幅回路を備えたオーディオ増幅器において、前記バイアス回路は、第1の電源端子の電圧を分圧して前記基準電圧を生成する分圧抵抗と、該分圧抵抗の前記基準電圧の生成点と第2の電源端子との間に接続されたキャパシタと、ソースが前記第1の電源端子に接続された第1の導電型の第3のMOSトランジスタと、該第3のMOSトランジスタとカレントミラー接続される第1の導電型の第1および第2のMOSトランジスタと、ソースが該第2のMOSトランジスタのドレインと共通接続されゲートに前記基準電圧が印加する第1の導電型の第4のMOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタに流れる電流と前記第4のMOSトランジスタに流れる電流を比較し、前記第4のMOSトランジスタの電流が前記第1のMOSトランジスタの電流より小さくなったときオーディオ増幅器自体の動作を停止させる遮断信号を出力する電流比較器とを有し、前記第1のMOSトランジスタは、前記第1の電源端子と前記第2の電源端子の間に電源電圧が正常に供給されているとき、前記第2のMOSトランジスタの電流より小さな電流が流れるように設定され、前記電源電圧の供給が停止されたとき、前記キャパシタの電荷蓄積により前記基準電圧の低下が前記電源電圧の低下より緩慢になり、前記第4のMOSトランジスタの電流が前記第1のMOSトランジスタの電流より小さくなる、ことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のオーディオ増幅器において、前記電流比較器は、ドレインが前記第1のMOSトランジスタのドレインと共通接続された第2の導電型の第5のMOSトランジスタと、ドレインおよびゲートが前記第4のMOSトランジスタのドレインおよび前記第5のMOSトランジスタのゲートと共通接続された第6のMOSトランジスタとからなり、前記第5のMOSトランジスタのドレインから前記遮断信号が出力することを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載のオーディオ増幅器において、前記初段増幅回路の前記差動増幅回路は、ソースが共通接続された第1の導電型の第7および第8のMOSトランジスタと、前記第7および第8のMOSトランジスタのソース共通接続点と前記第1の電源端子との間に接続された第1の導電型の第MOS11のトランジスタとを備え、前記第7のMOSトランジスタのゲートが前記第4のMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第7および第4のMOSトランジスタが、同一のゲート・ソース間電圧となるトランジスタサイズに設定され、且つ前記第2および第11のMOSトランジスタが、同一の飽和領域と非飽和領域の境界をもつドレイン・ソース間電圧を有するトランジスタサイズに設定され、且つ前記第1のトランジスタを流れる電流値が前記初段増幅回路が動作可能な前記第11のトランジスタを流れる電流値に設定されていることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1、2又は3に記載のオーディオ増幅器において、該オーディオ増幅器は、前記初段増幅回路の出力信号を増幅する出力回路を備え、前記遮断信号は、該出力回路の出力トランジスタあるいは該出力トランジスタを駆動するドライバの入力段の動作を停止させる信号であることを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項1、2、3又は4に記載のオーディオ増幅器において、前記第1の導電型のMOSトランジスタを第1の導電型のバイポーラトランジスタに置き換え、前記第2の導電型のMOSトランジスタを第2の導電型のバイポーラトランジスタに置き換えたことを特徴とする。
本発明によれば、電源供給が停止したとき、バイアス回路から遮断信号を出力させてボツ音を防止できることはもちろん、第1のトランジスタと第2のトランジスタの電流の差分の設定を、トランジスタサイズの設定により容易に且つ精度高く設定することができるので、電源電圧が低い場合であっても高精度な定電圧源が不要となる。
また、第7および第4のMOSトランジスタを同一のゲート・ソース間電圧となるトランジスタサイズに設定し、且つ前記第2および第11のMOSトランジスタを同一の飽和領域と非飽和領域の境界をもつドレイン・ソース間電圧を有するトランジスタサイズに設定し、且つ第1のトランジスタの電流値を初段増幅回路が動作可能な第11のトランジスタの電流値に設定することにより、電源供給を停止した際に、初段増幅回路が機能停止する以前に遮断信号を生成することができ、確実にボツ音を防止することができる。
本発明の実施例のオーディオ増幅器の回路図である。 従来のオーディオ増幅器の回路図である。 従来のボツ音発生防止回路として機能するバイアス回路の回路図である。 電源電圧供給停止と同相入力電圧範囲の関係を示す特性図である。 図1のオーディオ増幅器の動作特性図である。
図1に本発明の実施例のオーディオ増幅器の回路構成を示す。このオーディオ増幅器は、基準電圧Vrefと遮断信号を生成するバイアス回路10、そのバイアス回路10から基準電圧Vrefがバイアス電圧として供給され、入力端子21から入力するオーディオ信号を増幅する初段増幅回路20、その初段増幅回路20の出力信号をさらに増幅する次段増幅回路30、次段増幅回路30で増幅された信号を入力して増幅し出力端子41に出力する出力回路40、カップリングキャパシタC2、およびスピーカSPで構成されている。
バイアス回路10は、分圧抵抗R1,R2と、分圧抵抗R1,R2の共通接続点のGNDに対するインピーダンスを低くするためのキャパシタC1と、カレントミラー接続されたPMOSトランジスタM1,M2,M3と、電流源I1と、トランジスタM2とドレインが共通接続されたPMOSトランジスタM4と、ドレインがトランジスタM1,M4のドレインに接続され1:1の比率でカレントミラー接続されたNMOSトランジスタM5,M6とを備える。このトランジスタM5,M6は、トランジスタM1,M2(M4)に流れるドレイン電流を比較する電流比較器11を構成する。抵抗R1,R2の共通接続点に基準電圧Vrefが生成され、トランジスタM1,M5の共通ドレイン接続点から遮断信号が出力する。
初段増幅回路20は、ソースが共通接続された差動接続のPMOSトランジスタM7,M8と、その差動接続トランジスタM7,M8の能動負荷としてのカレントミラー接続のNMOSトランジスタM9,M10と、差動接続トランジスタM7,M8に動作電流を与えるPMOSの電流源トランジスタM11と、その電流源トランジスタM11に電流源I2で生成した動作電流を供給するようトランジスタM11とカレントミラー接続されたPMOSトランジスタM12と、バイアス回路10の抵抗R1,R2の共通接続点とトランジスタM7のゲートとの間に接続されたバイアス抵抗R3とで構成されている。そして、この初段増幅回路20のトランジスタM8のゲートには、出力回路40の出力端子41から抵抗R5を介して帰還がかけられ、また、トランジスタM7のベースには、抵抗R1,R2の共通接続点から抵抗R3を介してバイアスがかけられている。さらに、抵抗R1,R2の共通接続点とトランジスタM8のベースとの間には抵抗R4が接続されている。これらにより、この初段増幅回路20では、抵抗R4,R5の比で定まる増幅率で、入力端子21に入力するオーディオ信号の振幅が増幅される。
次段増幅回路30は、初段増幅回路20で増幅されたオーディオ信号を入力してハイサイド駆動信号を出力端子31から出力し、ローサイド駆動信号を出力端子32から出力する。
出力回路40は、次段増幅回路20の出力端子31に入力が接続されたハイサイドドライバ42と、次段増幅回路20の出力端子32に入力が接続されたローサイドドライバ43と、ハイサイドドライバ42で駆動されるPMOSの出力トランジスタM13と、ローサイドドライバ43で駆動されるNMOSの出力トランジスタM14とで構成され、トランジスタM13,M14のドレイン共通接続点が出力端子41に接続されている。そして、この出力回路40には、前記したバイアス回路10で生成された遮断信号が動作停止信号として入力している。
さて、トランジスタM1のドレイン電流IM1は、トランジスタM2のドレイン電流IM2より小さい値(IM1<IM2)となるように設定されている。また、トランジスタM11のドレイン電流IM11は、トランジスタM2のドレイン電流IM2と同じ値(IM11=IM2)になるように設定されている。さらに、トランジスタM4は、トランジスタM7と同じゲート・ソース間電圧Vgsを発生するように設定されている。これらの設定は、関連するトランジスタサイズ比(W/L)を適宜設定することにより行われる。
次に、本実施例のオーディオ増幅器の動作について説明をする。電源電圧Vddが正常に供給されている場合、トランジスタM2のドレイン電流IM2は、トランジスタM4,M6へと流れる。トランジスタM6はトランジスタM5と1:1の比率のカレントミラーを構成しており、トランジスタM5はトランジスタM6のドレイン電流IM6(=IM2=M2)と同じドレイン電流IM5を流そうとする。しかし、先に述べたように、トランジスタM1のドレイン電流IM1はトランジスタM2のドレイン電流IM2に対して、IM1<IM2に設定されているので、トランジスタM5はトランジスタM6と同じドレイン電流を流すことができず、トランジスタM5のドレイン電圧は低レベルとなる。つまり、遮断信号はオフとなる。このように遮断信号がオフの状態のときは、出力回路40は通常動作を行い、入力端子21に入力されるオーディオ信号が正常に増幅されてスピーカSPで再生される。
一方、時刻t1にて電源電圧Vddの供給が停止された場合、図5に示すように、電源電圧Vddが低下していくが、トランジスタM4のゲート電圧Vrefは、キャパシタC1の蓄積電荷のために、比較的緩慢に低下していく。このため、トランジスタM2のドレイン・ソース間電圧Vds2は、電源電圧Vddが低下すると、その低下の影響を直接受けて次第に小さくなる。このトランジスタM2は、時刻t2に至るまでは飽和領域で動作するため、そのドレイン電流IM2はドレイン・ソース間電圧Vds2による影響をほとんど受けないが、ドレイン・ソース間電圧Vds2がさらに小さくなって、時刻t2を過ぎると動作点が非飽和領域に移り、ドレイン電流IM2が設定した電流値より次第に小さくなる。それに伴いトランジスタM4のドレイン電流IM4も同様に小さくなっていく。このとき、トランジスタM1とともに電源電圧Vddと接地GND間に接続されるトランジスタはトランジスタM5のみであるので、そのトランジスタM1のドレイン・ソース間電圧はほとんど減少せず、ドレイン電流IM1はほとんど変化しない。そして時刻t3にいたると、ついには、ドレイン電流IM4(=IM2)<IM1となり、トランジスタM5のドレイン電圧は低レベルから高レベルに変化する。
ここで、トランジスタM2は、初段増幅回路20の動作電流を供給するトランジスタM11と同じドレイン電流値に設定され、トランジスタM4は初段増幅回路20のトランジスタM7と同じゲート・ソース間電圧を発生するように設定されているため、トランジスタM4のドレイン電流IM4がトランジスタM1のドレイン電流IM1より小さくなった(IM4<IM1)ときは、同じく、トランジスタM7のドレイン電流IM7がトランジスタM1のドレイン電流よりも小さくなったときとみなすことができ、このとき、トランジスタM5のドレイン電圧は、低レベルから高レベルに変化することが分かる。
トランジスタM7,M8で構成される初段増幅回路20の差動増幅器は、設計上の動作電流値がトランジスタM11により供給される。このトランジスタM11は、通常、飽和領域の範囲で動作するように設計されており、電源電圧Vddの低下に伴い、トランジスタM2と同様に、ドレイン・ソース間電圧が低下して非飽和領域に動作点が移ると、電流値は設計の値より小さくなるが、極端に小さくならなければ、初段増幅回路20の差動増幅器としてのファンクションは維持される。なお、極端に小さくなると、初段増幅回路20の差動増幅器がファンクション動作しなくなり、トランジスタのミスマッチ、出力抵抗などにより帰還がかからなくなり、その出力が高電圧レベルあるいは低電圧レベルに張り付き、出力端子41が異常動作となり、スピーカSPからボツ音が発生する。
本実施例では、トランジスタM1のドレイン電流IM1の値を、差動増幅器のトランジスタM11のドレイン電流IM11の値より小さくするものの、その差動増幅器が正常に帰還がかかりファンクション動作を行い得る電流値に設定する。つまり、トランジスタM11のドレイン電流IM11の値がトランジスタM1のドレイン電流IM1の値と同一にまで低下しても、初段増幅回路20の差動増幅回路が動作するような電流値に、ドレイン電流値IM1を設定する。これにより、トランジスタM4とトランジスタM1のドレイン電流IM1,IM4を比較し、初段増幅回路20の差動増幅器がそのファンクションを維持できる間に、つまり、出力端子41が異常動作するより早いタイミングで、IM4<IM1を実現し、遮断信号を高レベルに変化させて、出力回路40の動作を停止するものである。この遮断信号は、出力回路40の動作を実質的に停止できるような箇所(例えば、トランジスタM13,M14のゲート、その前段のドライバ42、42の入力段等)に供給することで、電源供給Vddの停止時に出力回路40の動作を停止して、ボツ音の発生を防止する。
以上のように、本実施例は、トランジスタM2のドレイン電流IM2に対するトランジスタM1のドレイン電流IM1の設定を、IM1<IM2に設定し、且つそのドレイン電流IM1の値を、初段増幅回路20のトランジスタM11のドレイン電流IM11がその初段増幅回路20の帰還動作を維持できる最低値と等しい値になるように設定することで、初段増幅回路20が帰還動作を実現できなくなるタイミングよりも早いタイミングで、遮断信号を生成するものである。このため、ドレイン電流IM1の値は、電源電圧Vddが低い場合であっても、関連トランジスタのサイズ比によって極めて正確に設定することができ、従来例にように、高精度な定電圧源が必要になることはない。
なお、本実施例では、正常動作時のトランジスタM2のドレイン電流値IM2を初段増幅回路20のトランジスタM11のドレイン電流IM11と同じに設定しているが、必ずしも同じ電流でなくとも良く、トランジスタM2,M11が同じ飽和領域/非飽和領域の境界を有し、トランジスタM4,M7が同じドレイン・ソース間電圧を有すれば、同様に機能してボツ音発生を防止することができる。
飽和領域、非飽和領域のドレイン・ソース間電圧Vdsは次式7、8で表され、飽和領域のドレイン電流Idは次式9で表される。
飽和領域:Vds>Vgs-Vth (7)
非飽和領域:Vds≦Vds-Vth (8)
ドレイン電流:Id=(1/2)×(W/L)×(μ・Cox)×(Vgs−Vth) (9)
ここで、μはキャリア移動度、CoxはMOSトランジスタの単位面積あたりのゲート容量、Vthはトランジスタの閾値電圧を表す。
例えば、式9より、ドレイン電流Idを半分にした場合には、W/L値を半分にすることで、「Vgs−Vth」は同じ値をとることができる。このとき、飽和領域/非飽和領域の関係は、ドレイン電流とW/L値を半分にする前と同じにすることができる。また、式9を変換するとゲート・ソース間電圧Vgsは
Vgs=√[2Id/{(W/L)×(μ・Cox)}]+Vth (10)
で表されることから、トランジスタM4も、トランジスタM2と同様に、ドレイン電流を半分とすれば、W/L値を半分にすることにより同じゲート・ソース間電圧Vgsを発生させることができ、本発明が同様に機能することがわかる。
また、上記の式10からゲート・ソース間電圧Vgsは閾値電圧Vthに依存するが、この閾値電圧Vthは量産ばらつきや温度特性もあるものの、同一種類のトランジスタを使うため、同じばらつきとなり、影響は受けない。
なお、以上の実施例はMOSトランジスタを使用した例で説明したが、図2で説明したようなバイポーラトランジスタを使用しても同様に構成することができる。例えば、PMOSトランジスタはPNPトランジスタに、NMOSトランジスタはNPNトランジスタに置き換えることができる。
10,10A,10B:バイアス回路、11:電流比較器 20,20A:初段増幅回路、21:入力端子 30:次段増幅回路、31,32:出力端子 40,40A:出力回路、41:出力端子、42,43:ドライバ

Claims (5)

  1. 基準電圧を生成するバイアス回路と、該基準電圧がバイアス電圧として印加され且つオーディオ入力信号を増幅する差動増幅回路からなる初段増幅回路を備えたオーディオ増幅器において、
    前記バイアス回路は、第1の電源端子の電圧を分圧して前記基準電圧を生成する分圧抵抗と、該分圧抵抗の前記基準電圧の生成点と第2の電源端子との間に接続されたキャパシタと、ソースが前記第1の電源端子に接続された第1の導電型の第3のMOSトランジスタと、該第3のMOSトランジスタとカレントミラー接続される第1の導電型の第1および第2のMOSトランジスタと、ソースが該第2のMOSトランジスタのドレインと共通接続されゲートに前記基準電圧が印加する第1の導電型の第4のMOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタに流れる電流と前記第4のMOSトランジスタに流れる電流を比較し、前記第4のMOSトランジスタの電流が前記第1のMOSトランジスタの電流より小さくなったときオーディオ増幅器自体の動作を停止させる遮断信号を出力する電流比較器とを有し、
    前記第1のMOSトランジスタは、前記第1の電源端子と前記第2の電源端子の間に電源電圧が正常に供給されているとき、前記第2のMOSトランジスタの電流より小さな電流が流れるように設定され、前記電源電圧の供給が停止されたとき、前記キャパシタの電荷蓄積により前記基準電圧の低下が前記電源電圧の低下より緩慢になり、前記第4のMOSトランジスタの電流が前記第1のMOSトランジスタの電流より小さくなる、ことを特徴とするオーディオ増幅器。
  2. 請求項1に記載のオーディオ増幅器において、
    前記電流比較器は、ドレインが前記第1のMOSトランジスタのドレインと共通接続された第2の導電型の第5のMOSトランジスタと、ドレインおよびゲートが前記第4のMOSトランジスタのドレインおよび前記第5のMOSトランジスタのゲートと共通接続された第6のMOSトランジスタとからなり、前記第5のMOSトランジスタのドレインから前記遮断信号が出力することを特徴とするオーディオ増幅器。
  3. 請求項1又は2に記載のオーディオ増幅器において、
    前記初段増幅回路の前記差動増幅回路は、ソースが共通接続された第1の導電型の第7および第8のMOSトランジスタと、前記第7および第8のMOSトランジスタのソース共通接続点と前記第1の電源端子との間に接続された第1の導電型の第MOS11のトランジスタとを備え、
    前記第7のMOSトランジスタのゲートが前記第4のMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第7および第4のMOSトランジスタが、同一のゲート・ソース間電圧となるトランジスタサイズに設定され、且つ前記第2および第11のMOSトランジスタが、同一の飽和領域と非飽和領域の境界をもつドレイン・ソース間電圧を有するトランジスタサイズに設定され、且つ前記第1のトランジスタを流れる電流値が前記初段増幅回路が動作可能な前記第11のトランジスタを流れる電流値に設定されていることを特徴とするオーディオ増幅器。
  4. 請求項1、2又は3に記載のオーディオ増幅器において、
    該オーディオ増幅器は、前記初段増幅回路の出力信号を増幅する出力回路を備え、前記遮断信号は、該出力回路の出力トランジスタあるいは該出力トランジスタを駆動するドライバの入力段の動作を停止させる信号であることを特徴とするオーディオ増幅器。
  5. 請求項1、2、3又は4に記載のオーディオ増幅器において、
    前記第1の導電型のMOSトランジスタを第1の導電型のバイポーラトランジスタに置き換え、前記第2の導電型のMOSトランジスタを第2の導電型のバイポーラトランジスタに置き換えたことを特徴とするオーディオ増幅器。
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