JP5469334B2 - 植物病害防除剤 - Google Patents

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本発明は、微生物を有効成分として含む植物病害防除剤、特にピシウム オリガンドラム(Pythium oligandrum)を有効成分として含む植物病害防除剤およびこれを用いた植物病害防除方法に関する。
現在、農作物の病害防除は化学農薬を中心に行われており、我が国では、年間約82,000トンもの化学農薬が施用されている。しかしながら、化学農薬は防除効果は高い反面、残留農薬の問題や生態系への悪影響など種々の問題を有しており、自然環境と調和した持続的な農業システム構築の観点から、環境負荷の低い減化学農薬防除技術の開発が強く求められている。また、作物病害のうち、特に土壌伝染性病害は、化学農薬では防除が困難なものが多い。例えば、トマト青枯病に対しては、現在のところ有効な防除薬がなく、土壌消毒を行うか、原因菌が繁殖する夏場を避けて栽培するなどの方策で対処するしかない。しかしながら、土壌消毒には多額の費用を要し、また、消費需要の旺盛な夏場に生産ができないことによる機会利益の喪失は大きい。したがって、こうした病害に対する有効な防除技術への要請も強い。
かかる状況の下、最近では、微生物などの生物の能力を利用した防除技術の開発が試みられており、例えば、フザリウム属菌、バチルス属菌、シュードモナス属菌、トリコデルマ属菌、エルビニア属菌、エンテロバクター属菌などの微生物を用いた病害防除技術が開発されている。
こうした微生物のうち、ピシウム属のピシウム オリガンドラムは、アルテルナリア属菌、アスコキタ属菌、ボトリチス属菌、フザリウム属菌、オフィオストマ属菌、フォーマ属菌、フィトフトラ属菌、プラスモパラ属菌、シュードセルコスポレラ属菌、パクシニア属菌、ピシウム属菌、リゾクトニア属菌、リゾプス属菌、スクレロチニア属菌、スクレロチウム属菌、トリコデルマ属菌、Unicula属菌、バーティシリウム属菌などを含む多くの土壌伝染性病害の病原菌に寄生して、これらの増殖を抑えるとともに、植物の対病害性を高めることができるため、病害防除微生物として注目されており、これを用いた微生物農薬も開発されている(例えば、特許文献1および2)。しかしながら、従来のピシウム オリガンドラム製剤は、菌糸や卵胞子をそのまま、または水で懸濁して施用するものであったため、満足できる防除効果は得られず、しかも、施用が極めて困難であり、保存性も悪かった。したがって、さらなる製剤的改善が求められていた。
米国特許第4,259,317号 米国特許第5,961,971号
本発明は、防除効果の高いピシウム オリガンドラムを用いた植物病害防除剤の提供を目的とする。
本発明者らは、上記目的のために鋭意研究を行ったところ、ピシウム オリガンドラムの卵胞子にカルシウム塩を加えることにより、植物病害防除効果が高まることを見出した。そして、さらなる研究により、水和剤および顆粒水和剤に適する界面活性剤を見出すとともに、製剤の保存性を高める物質を同定し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1)ピシウム オリガンドラムの卵胞子と、防除効果増強物質としてのカルシウム塩とを含む植物病害防除剤。
(2)カルシウム塩が、炭酸カルシウム、塩化カルシウムおよび硝酸カルシウムからなる群から選択される、上記(1)の植物病害防除剤。
(3)液剤、粉剤、種子粉衣剤、粒剤、水和剤または顆粒水和剤の形態を有する、上記(1)または(2)の植物病害防除剤。
(4)水和剤の形態を有し、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ベタイン型界面活性剤、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルアミノジプロピオン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル・サルフェート・アンモニウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、シリコン系界面活性剤からなる群から選択される界面活性剤をさらに含む、上記(1)〜(3)の植物病害防除剤。
(5)顆粒水和剤の形態を有し、リグニンスルホン酸金属塩およびナフタレンスルホン酸重縮合物金属塩からなる群から選択される界面活性剤をさらに含む、上記(1)〜(3)の植物病害防除剤。
(6)植物病害が、ラルストニア属菌、シュードモナス属菌、エルビニア属菌、キサントモナス属菌、アルテルナリア属菌、アスコキタ属菌、ボトリチス属菌、フザリウム属菌、オフィオストマ属菌、フォーマ属菌、フィトフトラ属菌、プラスモパラ属菌、シュードセルコスポレラ属菌、パクシニア属菌、ピシウム属菌、リゾクトニア属菌、リゾプス属菌、スクレロチニア属菌、スクレロチウム属菌、トリコデルマ属菌、Unicula属菌、バーティシリウム属菌からなる群から選択される病原菌に起因する土壌伝染性病害である、上記(1)〜(5)の植物病害防除剤。
(7)植物病害が、イネばか苗病、イネいもち病、イネごま葉枯病、イネ立枯病、イネ苗立枯細菌病、イネもみ枯細菌病、イネ褐条病、カブ苗立枯病、ジャガイモ黒あざ病、トマト青枯病、ナス青枯病、ジャガイモ青枯病、ダイコン青枯病および豆類ピシウム苗立枯病からなる群から選択される、上記(1)〜(5)の植物病害防除剤。
(8)上記(1)〜(7)の植物病害防除剤を植物体またはその栽培土壌に施用することを含む、植物病害防除方法。
(9)ピシウム オリガンドラムの卵胞子と、カルシウム塩とを混合する工程を含む、植物病害防除剤の製造方法。
(10)上記(1)〜(7)の植物病害防除剤と、脱酸素剤とを含む包装体。
(11)上記(1)〜(7)の植物病害防除剤と、脱酸素剤とを共存させる工程を含む、植物病害防除剤の保存方法。
本発明により、従来より防除効果の高いピシウム オリガンドラム製剤が得られるため、植物病害の防除がより広範で確実なものとなり、環境保全型農業の発展に寄与することができる。特に、従来の農薬では防除が困難であったトマト青枯病などの病害に対して有効であるため、本発明により、こうした難防除性病害の防除コストの低減や、感受性作物の収穫量の増大が可能となる。
さらに、本発明により、施用の容易な水和剤および顆粒水和剤が利用可能となるため、施用効率が高まるとともに、施用者の労力を大幅に軽減できる。また、本発明により、ピシウム オリガンドラム製剤の長期保存が可能となるため、使用者の利便性が高まる。
本発明は、ピシウム オリガンドラムの卵胞子と、防除効果増強物質としてのカルシウム塩とを含む植物病害防除剤に関する。
本発明におけるピシウム オリガンドラムは、Martin and Hancock, Phytopathology, Vol. 76, No. 11, 1986, 1221-1231に記載の手法で土壌から分離することができる。すなわち、土壌2gと10mlの蒸留水とをVortexで15秒間混合し、10分間静置した後さらに60秒間混合し、この0.2mlを、水1l中に、コーンミール寒天17g、Tween 20 0.1%、ペニシリンG 100μg/ml、塩酸バンコマイシン200μg/ml、ローズベンガル50μg/ml、ピマリシン20μg/mlおよびベノミル20μg/mlを含む分離培地に塗布して、30℃で48〜72時間培養する。ピシウム オリガンドラムのコロニーは、中心から放射状に伸びる規則的に分枝した菌糸を有し、コロニーの中心には、周囲を濃縮されたローズベンガルの赤色の領域で囲まれた、色素のない領域が認められる。
本発明において好ましいピシウム オリガンドラムの菌株は、上記の手法で分離した菌株や、すでに分離保存されている菌株の中から、所望の病害に対する防除効果の高いものをスクリーニングすることにより得ることができる。本発明において好ましい菌株としては、限定されずに、例えば、北海道農業研究センターが保有しているMMR2(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(NPMD)(郵便番号292-0818日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に受託番号NITE P-619として2008年7月30日付で寄託)、MMR3、MMR7、MMR8、MMR10、MMR13、MMR14、MMR17、MMR19、MMR20等が挙げられる。これらのうち、MMR2、MMR3、MMR10およびMMR13が特に好ましい。
本発明に用いるピシウム オリガンドラムの卵胞子は、例えば、以下のようにして得ることができる。
まず、分離されたピシウム オリガンドラム菌株を培養し、卵胞子を形成させる。培養には、糸状菌の培養に適した方法であれば特に限定されないが、例えば、固形培地での培養、液体培地での静置培養、振盪培養、通気攪拌培養などの培養法を用いることができる。培養に用いる培地も、糸状菌の生育および卵胞子の形成に適したものであれば特に限定されないが、例えば、コーンミール寒天培地、ポテトデキストロース寒天培地、野菜ジュースをベースにした培地(例えば、実施例1に記載のV8液体培地)などを利用することができる。培養期間は、培養方法にもよるが、液体静置培養では2週間以上とするのが、卵胞子の有効な発芽のために好ましい。培養温度は、典型的には20〜40℃、特に25〜30℃とすることができる。
卵胞子は、菌の培養後に培養物から遠心分離、濾過などにより培地を除いて卵胞子を含む菌体(湿菌体)を採取し、これに好ましくは水を加え、粉砕機にかけて菌糸を破砕することにより得ることができる(卵胞子懸濁液)。なお、粉砕機は卵胞子を破壊しないものであれば、特に限定されない。
得られた卵胞子懸濁液は、そのまま製剤の製造に用いてもよいが、製造に混合粉砕工程を含み得る剤形、例えば、水和剤、粉剤、種子粉衣剤などの製造においては、乾燥させてから製剤の使用に用いることができる。乾燥は、例えば、濾過後に20〜30℃、好ましくは20〜25℃で風乾することにより行うことができる。短時間、例えば、1〜2時間程度の乾燥時間であれば、30℃前後の温度で乾燥することも好ましい。乾燥は、卵胞子懸濁液のみで行ってもよいが、これに助剤、例えば、カオリン、珪藻土、ホワイトカーボン、炭酸カルシウムなどを加えてから行い、卵胞子プレミックスとしてもよい。
本発明の製剤における卵胞子の濃度は特に限定されないが、例えば、1×10〜1×10個/gとすることができる。本発明の製剤は、施用時に希釈して用いることができるため、保管、輸送などの観点からは、卵胞子濃度はなるべく高くすることが有利であり、例えば、1×10〜1×10個/g、好ましくは1×10〜1×10個/gとすることができる。
本発明の製剤は、ピシウム オリガンドラム卵胞子のほかに、防除効果増強物質としてのカルシウム塩を含む。カルシウム塩は、ピシウム オリガンドラムによる防除効果を増強し得るものであれば特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等を含む。防除効果の増強は、調査対象のカルシウム塩を含まないがピシウム オリガンドラム卵胞子を含む製剤(対照製剤)と、調査対象のカルシウム塩およびピシウム オリガンドラム卵胞子の両方を含む製剤(被験製剤)とを、植物病害評価系に適用し、両者の結果を比較することで評価することができる。評価系は、植物病害を確実に発症させ得るものであれば特に限定されないが、例えば、イネ苗立枯細菌病を用いた評価系などを含む。カルシウム塩のうち、増強の程度が高いものが好ましい。増強の程度は、例えば、評価系によって得られた対照製剤の防除価に対する被験製剤の防除価の増加率で表すことができる。本発明において最も好ましいカルシウム塩は、炭酸カルシウムである。
本発明の製剤におけるカルシウム塩の濃度は、防除効果を増強し得るものであれば特に限定されないが、例えば、ピシウム オリガンドラム卵胞子1×10個あたり0.1〜100mg、好ましくは0.5〜50mg、より好ましくは1.0〜40mg、特に好ましくは1.45〜33.5mgとすることができる。また、施用時のカルシウム塩の濃度は、製剤全体の0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、より好ましくは0.1〜0.4重量%、特に好ましくは0.145〜0.335重量%とすることができる。カルシウム塩は、施用時に製剤に添加してもよいし、施用前に製剤に添加しておいてもよい。
製剤に含まれるカルシウム塩は、単離されたものであっても、他の物質との混合物であってもよい。例えば、本発明の製剤は、炭酸カルシウムの供給源として、同カルシウム塩を主成分とする天然成分のドロマイトを含んでもよい。
本発明の製剤は、使用に適した種々の形態、例えば、液剤、粉剤、種子粉衣剤、粒剤、水和剤または顆粒水和剤などの形態に調製することができる。
液剤は、例えば、水などの媒体で希釈した、または、希釈しない上記の卵胞子懸濁液にカルシウム塩を添加することで得ることができる。液剤は、既知の液剤用助剤、例えば、pH調整剤、消泡剤、比重調整剤、懸濁化剤、界面活性剤、増粘剤、展着剤、着色剤、溶解共力剤、安定化剤(防腐剤、乾燥剤、凍結防止剤、固結防止剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤)などをさらに含んでいてもよい。
粉剤は、例えば、卵胞子懸濁液を乾燥して得た乾燥卵胞子に、カルシウム塩、および任意にクレー類、タルク類、珪藻土類、ゼオライト、ベントナイト、ホワイトカーボン、アタパルジャイト、酸性白土、珪石クレーなどの鉱物性粉末、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、デンプン、グルコースなどの糖粉末、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムなどの有機または無機酸塩、クエン酸、コハク酸などの有機酸類、硫黄粉末、尿素粉末、酸化チタンなどの増量剤を添加して得ることができる。必要に応じて、流動助剤、固結防止剤、凝集剤、帯電防止剤、安定化剤(防腐剤、乾燥剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤)を使用することもできる。上記乾燥卵胞子の代わりに、卵胞子懸濁液に珪藻土などの増量剤を添加して卵胞子と増量剤との混合物を得、これを乾燥、粉砕して得た卵胞子プレミックスを用いてもよい。
種子粉衣剤は、例えば、卵胞子懸濁液を乾燥して得た乾燥卵胞子に、カルシウム塩、任意にクレー類、タルク類、珪藻土類、ゼオライト、ベントナイト、ホワイトカーボン、アタパルジャイト、酸性白土、珪石クレーなどの鉱物性粉末、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、デンプン、グルコースなどの糖粉末、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムなどの有機または無機酸塩、クエン酸、コハク酸などの有機酸類、硫黄粉末、尿素粉末、酸化チタンなどの増量剤を添加して得ることができる。必要に応じて、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、デキストリン、アルギン酸ナトリウムなどの糖質系結合剤、ゼラチン、カゼインなどのタンパク質系の結合剤、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどの合成物質系の結合剤、流動パラフィン、アルキルリン酸誘導体などの凝集剤、界面活性剤、帯電防止剤、固結防止剤、着色剤、安定化剤(防腐剤、乾燥剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤)を使用することもできる。また種子粉衣できるものであれば、水和剤、粉剤を種子粉衣剤として用いることもできる。上記乾燥卵胞子の代わりに、卵胞子懸濁液に珪藻土などの増量剤を添加して卵胞子と増量剤との混合物を得、これを乾燥、粉砕して得た卵胞子プレミックスを用いてもよい。
粒剤は、例えば、卵胞子懸濁液を乾燥して得た乾燥卵胞子に、カルシウム塩、および、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、デキストリン、アルギン酸ナトリウムなどの糖質系結合剤、ゼラチン、カゼインなどのタンパク質系の結合剤、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどの合成物質系の結合剤、カルボキシメチルセルロースのカリウム塩や、硫酸アンモニウム、塩化カリウムなどの有機または無機塩、界面活性剤などの崩壊剤、クレー類、タルク類、珪藻土類、ゼオライト、ベントナイト、ホワイトカーボン、アタパルジャイト、酸性白土、珪石クレーなどの鉱物性粉末、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、デンプン、グルコースなどの糖粉末、クエン酸、コハク酸などの有機酸類、硫黄粉末、尿素粉末、酸化チタンなどの増量剤、リグニンスルホン酸塩などの分散剤、安定化剤(防腐剤、乾燥剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤)などを添加し、これを既知の造粒法で造粒して得ることができる。上記乾燥卵胞子の代わりに、卵胞子懸濁液に珪藻土などの増量剤を添加して卵胞子と増量剤との混合物を得、これを乾燥、粉砕して得た卵胞子プレミックスを用いてもよい。
水和剤は、例えば、卵胞子懸濁液を乾燥して得た乾燥卵胞子に、カルシウム塩、および所定の界面活性剤を添加して得ることができる。界面活性剤としては、ピシウム オリガンドラムの菌糸成長を過度に阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、非イオン性界面活性剤であるショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、両性界面活性剤であるベタイン型界面活性剤、アニオン性界面活性剤であるラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルアミノジプロピオン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル・サルフェート・アンモニウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、シリコン系界面活性剤などが挙げられる。
菌糸成長の阻害の程度は、例えば、界面活性剤を添加したポテトデキストロース寒天培地の菌糸直径を、対照である界面活性剤未添加の培地上におけるピシウム オリガンドラムの菌糸直径で割った数値の百分率で表すことができる。「過度に阻害しない」とは、100ppmの濃度の界面活性剤を添加した場合に、この数値が好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、より一層好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上であることをいう。これらのうち、製剤に良好な水和性を付与するもの、例えば、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ラウリルアミノジプロピオン酸塩などが特に好ましい。製剤の水和性は、例えば、200mlの水に水和剤5gを入れた時、水が水和剤に浸透する時間を指標とすることができ、この時間を3分以内、特に2分以内とするものが好ましい。
水和剤は、上記のほか、クレー類、タルク類、珪藻土類、ゼオライト、ベントナイト、ホワイトカーボン、アタパルジャイト、酸性白土、珪石クレーなどの鉱物性粉末、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、デンプン、グルコースなどの糖粉末、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムなどの有機または無機酸塩、クエン酸、コハク酸などの有機酸類、硫黄粉末、尿素粉末などの増量剤、酸化チタンなどの懸濁分散助剤、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、デキストリン、アルギン酸ナトリウムなどの糖質系結合剤、ゼラチン、カゼインなどのタンパク質系の結合剤、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどの合成物質系の結合剤、安定化剤(防腐剤、乾燥剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤)などの助剤をさらに含んでもよい。また、上記乾燥卵胞子の代わりに、卵胞子懸濁液に珪藻土、ホワイトカーボンなどの増量剤を添加して卵胞子と増量剤との混合物を得、これを乾燥、粉砕して得た卵胞子プレミックスを用いてもよい。
顆粒水和剤は、例えば、卵胞子懸濁液に、カルシウム塩、所定の界面活性剤、およびその他の顆粒水和剤用の助剤を添加して得ることができる。界面活性剤としては、ピシウム オリガンドラムの菌糸成長を過度に阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、リグニンスルホン酸金属塩、ナフタレンスルホン酸重縮合物金属塩などが挙げられる。菌糸成長の阻害の程度は、上記水和剤と同様にして評価することができる。
顆粒水和剤は、上記のほか、クレー類、タルク類、珪藻土類、ゼオライト、ベントナイト、ホワイトカーボン、アタパルジャイト、酸性白土、珪石クレーなどの鉱物性粉末、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、デンプン、グルコースなどの糖粉末、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムなどの有機または無機酸塩、クエン酸、コハク酸などの有機酸類、硫黄粉末、尿素粉末などの増量剤、酸化チタンなどの懸濁分散助剤、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、デキストリン、アルギン酸ナトリウムなどの糖質系結合剤、ゼラチン、カゼインなどのタンパク質系の結合剤、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどの合成物質系の結合剤、安定化剤(防腐剤、乾燥剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤)をさらに含んでもよい。
本発明の顆粒水和剤は、任意の顆粒製造方法で製造することができるが、例えば、限定されずに、卵胞子懸濁液に珪藻土を入れて脱水し、これに製剤となる成分を添加して混合、成型および乾燥することにより得ることができる。
本発明における植物病害は、ピシウム オリガンドラムが有効である任意のものを含み、限定されずに、例えば、ラルストニア属菌、シュードモナス属菌、エルビニア属菌、キサントモナス属菌、アルテルナリア属菌、アスコキタ属菌、ボトリチス属菌(例えば、Botrytis cinerea)、フザリウム属菌、オフィオストマ属菌、フォーマ属菌、フィトフトラ属菌(例えば、Phytophthora infestans)、プラスモパラ属菌(例えば、Plasmopara viticola)、シュードセルコスポレラ属菌、パクシニア属菌、ピシウム属菌、リゾクトニア属菌(例えば、Rhizoctonia solani)、リゾプス属菌、スクレロチニア属菌(例えば、Sclerotinia sclerotiorum)、スクレロチウム属菌、トリコデルマ属菌、Unicula属菌(例えば、Unicula necator)およびバーティシリウム属菌からなる群から選択される病原菌に起因する土壌伝染性病害、その中でも、Ralstonia solanacearumに起因するトマト青枯病、ナス青枯病、ジャガイモ青枯病、ダイコン青枯病など、およびRhizoctonia solaniに起因するカブ苗立枯病、ジャガイモ黒あざ病、豆類ピシウム苗立枯病があげられる。またイネ病害としては、イネばか苗病、イネいもち病、イネごま葉枯病、イネ立枯病、イネ苗立枯細菌病、イネもみ枯細菌病、イネ褐条病、などが挙げられる。
本発明はまた、上記の植物病害防除剤を植物体またはその栽培土壌に施用することを含む、植物病害防除方法に関する。植物体への施用は、例えば、植物の種子、種いも、根部などを上記防除剤の液に浸漬すること、または、植物体の株元に上記防除剤の液を潅注すること、さらに、粉剤、水和剤、顆粒水和剤といった粉状または顆粒状の形態のものを、土壌に混和、さらには植物の種子、種いも、根部などに付着させることで行うことができる。浸漬や潅注による施用において、卵胞子の濃度は、例えば、1×10〜1×10個/ml、好ましくは1×10〜5×10個/mlとすることができる。また、栽培土壌への施用は、例えば、上記防除剤を、1植物体あたりの卵胞子濃度が、例えば、1×10〜1×10個/株、好ましくは5×10〜5×10個/株となるように、公知の任意の手法により行うことができる。また粉剤、水和剤、顆粒水和剤や種子粉衣剤における卵胞子の濃度は、例えば、1×10〜1×10個/g、好ましくは5×10〜5×10個/gとすることができる。
本発明はまた、ピシウム オリガンドラムの卵胞子と、カルシウム塩とを混合する工程を含む、植物病害防除剤の製造方法に関する。本発明の製造方法は、典型的には、ピシウム オリガンドラムの卵胞子を得る工程と、ピシウム オリガンドラムの卵胞子と、カルシウム塩とを混合する工程とを含む。ピシウム オリガンドラムの卵胞子は、上記のとおり、ピシウム オリガンドラムを培養して卵胞子を形成させ、培養後に培養物から遠心分離、濾過などにより培地を除いて卵胞子を含む菌体を採取し、これに好ましくは水を加え、粉砕機にかけて菌糸を破砕することにより卵胞子懸濁液として得ることができる。粉砕機は卵胞子を破壊しないものであれば、特に限定されない。得られた卵胞子懸濁液は、そのまま、または、製造に混合粉砕工程を含み得る剤形、例えば、水和剤、粉剤、種子粉衣剤などの製造においては、乾燥・破砕してから製剤の製造に用いることができる。カルシウム塩は、卵胞子懸濁液に添加してもよいし、乾燥・破砕後の卵胞子破砕物に添加してもよい。カルシウム塩の添加量は、上記のとおりである。
より具体的には、水和剤、粉剤、種子粉衣剤の場合は、流動状態の卵胞子懸濁液に珪藻土やクレーを混合、脱水し、これを乾燥させて卵胞子プレミックスを作製後、その他の成分を混合粉砕する。また、顆粒水和剤の場合は、流動状態の卵胞子懸濁液にクレーを混合して脱水し、湿潤状態の混合物にその他の成分を混合し、押出成型などにより成型後、乾燥機などで乾燥する。乾燥は、例えば、20〜30℃、好ましくは20〜25℃で風乾することにより行うことができる。短時間、例えば、1〜2時間程度の乾燥時間であれば、30℃前後の温度で乾燥することも好ましい。
本発明はまた、上記植物病害防除剤と、脱酸素剤とを、容器中に含む包装体に関する。
本包装体における植物病害防除剤の剤形は特に限定されず、液剤、粉剤、種子粉衣剤、粒剤、水和剤、顆粒水和剤などの種々のものを含み得る。好ましい剤形としては、限定されずに、固形、半固形剤形などの非液状剤形、特に、粉剤、種子粉衣剤、粒剤、水和剤、顆粒水和剤などの固形剤形が挙げられる。
本発明において、脱酸素剤(酸素吸収剤)としては、酸素吸収能を有する任意の物質を用いることができ、限定することなく、例えば、鉄粉(酸化第一鉄、酸化第二鉄、水酸化鉄などを含む)および銅粉などの金属粉、亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウムなど)、亜硫酸水素塩(亜硫酸水素ナトリウムなど)、亜二チオン酸塩(亜二チオン酸ナトリウムなど)、第一鉄塩(硫酸第一鉄など)、ヒドロキノン(アントラヒドロキノンなど)、カテコール(ピロカテキンなど)、レダクトン(アスコルビン酸、アスコルビン酸塩(アスコルビン酸ナトリウムなど)、イソアスコルビン酸、イソアスコルビン酸塩(イソアスコルビン酸ナトリウムなど)、没食子酸など)、MXD6ナイロン、エチレン性不飽和炭化水素もしくはシクロヘキセン基含有ポリマーと遷移金属触媒との混合物などが挙げられる。
脱酸素剤の形態は、植物病害防除剤と容易に分離できるものであれば特に限定されず、例えば、酸素透過性の小袋に充填されていても、プラスチックなどの担体に担持されていても、また、容器自体に組み込まれていてもよい。本発明においては、市販の脱酸素剤、例えば、エージレス(登録商標)(三菱ガス化学(株)製)、キーピット(ドレンシー(株)製)、タモツ(登録商標)(大江化学工業(株)製)、セキュール(登録商標)(ニッソー樹脂(株)製)、サンソレス(登録商標)((株)博洋製)、サンソカット(登録商標)(アイリス・ファインプロダクツ(株)製)、バイタロン((株)常盤産業製)、ウェルパック((株)タイセイ製)、エバーフレッシュ((株)鳥繁産業製)などを用いることもできる。
容器は、植物病害防除剤を内部に保持できるものであれば特に限定されず、PET、PP、PEなどのプラスチック容器、金属容器、ガラス容器など種々の材質のものが利用できる。しかしながら、脱酸素剤の有効性が損なわれないよう、酸素遮断性を有する材質、例えば、限定されずに、PVDC塗布OPP(KOP)、PVDC塗布ONY(KON)、PVDC塗布PET(KOP)、SiOxPET、ナイロンMXD6などによるものが好ましい。また、容器自体に脱酸素剤が組み込まれていてもよい。脱酸素剤が組み込まれた市販の容器としては、限定されずに、例えば、エージレス(登録商標)(三菱ガス化学(株)製)、オキシガード(東洋製罐(株)製)、Amosorb 2000、Amosorb 3000(BP Amoco社製)、Shelfplus(Ciba社製)、OXBAR(CMB社製)、X-312(CPT社製)、Bind-Ox(Schmalbach-Lubeca社製)、DarEval(Darex社製)、OS 1000(Sealed Air社製)、OSP(Chevron社製)などが挙げられる。脱酸素剤が組み込まれた容器は、植物病害防除剤が液状である場合に特に好適である。本発明における容器は気密的に閉鎖可能なものが好ましい。密封方法は、酸素の侵入が抑制できるものであれば特に限定されず、例えば、ヒートシールなどが挙げられる。
本発明においては、脱酸素剤の成分が、植物病害防除剤に移行しないことが好ましい。
本発明はまた、上記植物病害防除剤と、脱酸素剤とを、容器中で共存させる工程を含む、植物病害防除剤の保存方法ならびに上記包装体の製造方法に関する。本方法における植物病害防除剤の剤形、脱酸素剤および容器については上述のとおりである。本発明において、「共存させる」とは、植物病害防除剤と、脱酸素剤とを、脱酸素剤が植物病害防除剤周囲の酸素を低減できるような状態に置くことを意味し、少なくとも流体連通させること、さらには、両者を物理的に直接接触させることも含む。本発明においては、脱酸素剤の成分が、植物病害防除剤に移行しないことが好ましい。
本方法は、上記共存させる工程と同時またはその後に、容器を閉鎖する工程をさらに有してもよい。この工程において、閉鎖は好ましくは気密的に行われる。
本発明の包装体または保存方法により、上記植物病害防除剤を−30℃以上、好ましくは−10℃以上、より好ましくは0℃以上、さらに好ましくは4℃以上、より一層好ましくは15℃以上、特に好ましくは25℃以上で、1ヶ月以上、より好ましくは2ヶ月以上、さらに好ましくは3ヶ月以上、より一層好ましくは4ヶ月以上、特に好ましくは5ヶ月以上、最も好ましくは6ヶ月以上、発芽できる状態で保存することが可能となる。
本発明を、以下の実施例に基づいてより具体的に解説するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1 ピシウム オリガンドラム菌の植物病原菌防除効果の野菜ジュース添加による効果増強
直径15cmのポリ鉢に300gの野菜用培土を詰め、この上に病土200gをさらに詰めた。病土は、カブ苗立枯病菌(Rizoctonia solani 菌糸融合第4群、培養型IIIA)を25℃にて7日間、ポテトシュクロース寒天培地で培養した菌叢を適当量芝用目土に混合して作製した。
ピシウム オリガンドラム(Pythium oligandrum、以下POとする)MMR2株の卵胞子液は、V8液体培地で25℃にて3週間静置培養した菌叢を、ワーリングブレンダー(WARING社製)で菌糸を破砕して得た。このPO卵胞子液を、混和土壌中の卵胞子濃度が10個/gになるよう、蒸留水5mlまたはV8液体培地5mlで希釈し、上述の200gの病土に混和接種して、病土とPO卵胞子の混和土壌を作製した。
なお、V8液体培地は、野菜ジュース(商品名「キャンベルV8 100% 野菜ジュース」、サントリーフーズ(株)製)に、160gあたり炭酸カルシウムを2.46g添加し30分攪拌後、遠心分離した上清を10倍希釈した後、121℃で20分間蒸気滅菌して調製した。
上述の病土とPO卵胞子の混和土壌に、カブ(品種:京小町)を約20粒播種し、パイプハウス内で栽培した。出芽後定期的に立ち枯れ苗数を21日間調査した。立ち枯れ苗はその都度抜き取った。21日後には生存苗を抜き取り、胚軸の発病を調査した。区制は3反復で行った。
胚軸の発病度は発病指数を以下のように定め、次式に従って計算した。
発病度=Σ(発病程度別苗数×発病指数)/(調査苗数×5)×100
発病指数 5:枯死
3:病斑が胚軸全周の2分の1以上のもの
1:病斑が胚軸全周の2分の1未満のもの
0:健全
防除価=(1−(処理区の発病度/無処理区の発病度))×100
Figure 0005469334
表1に示したように、POを施用することでカブ苗立枯病の発病を抑制することができ、また野菜ジュースを併用することでさらに効果が上がった。
実施例2 湿潤菌体、卵胞子および卵胞子懸濁液の製造
V8液体培地に寒天を1.8%入れ121℃で20分間蒸気滅菌した。この寒天培地(以下V8寒天培地とする)を直径9cmのプラスチックシャーレに分注し、これにPO(MMR2株)を植菌し30℃で2日間前培養を行った。このPOが生育したプレート5枚から寒天ごと菌体を無菌的に回収し、滅菌水200mlを加えホモジナイザー((株)日本精機製作所製)で破砕し静置培養の種菌とした。121℃で20分間蒸気滅菌して調製した、3%人参濃縮ジュース(ふらの農業共同組合製)培地に種菌を培地あたり3%量接種した。静置培養は30℃で4週間行った。培養後の菌体はざるで漉しとり、圧力をかけながら脱水し、湿潤菌体および卵胞子を回収した。回収した湿潤菌体および卵胞子は湿菌体重量10gあたり50〜250mlの水を加え、ホモジナイザーで粉砕するか、PUCコロイドミルType-60/O(日本ボールバルブ株式会社製)で粉砕して卵胞子懸濁液を得た。以下の説明においてはこれを卵胞子懸濁液とする。
実施例3 水和剤用界面活性剤の選抜
本発明に係る水和剤に適した界面活性剤を選抜するため、各種界面活性剤のPOの菌糸伸長に対する影響を調査した。調査方法は次の通り。PO(MMR2株)をコーンミール寒天培地(DIFCO社製)で2日間前培養し、その菌糸先端部を直径6mmのコルクボーラでくり抜き、界面活性剤を所定量入れたポテトデキストロース寒天培地(DIFCO社製)上に置床し、25℃で2日間培養後の菌糸直径を計測し、界面活性剤未添加培地の菌糸直径との比較を行った。界面活性剤の検定濃度は水和剤100gに必要とされる量がそれぞれの界面活性剤で異なるため、それを考慮して決定した。供試した界面活性剤の一覧を表2に示す。
Figure 0005469334
また、一部の界面活性剤については水和剤を試作し(以下、試製水和剤という)、200mlの水に試製水和剤5gを入れ、水が試製水和剤に浸透する時間を計測した。
試製水和剤は次のように作製した。湿潤菌体に、湿菌重量10gあたり50mlの水を加え、ホモジナイザーで粉砕して得た卵胞子懸濁液500gに、珪藻土3.8g、ホワイトカーボン1.2gを加えよく攪拌後、吸引ろ過して卵胞子・珪藻土・ホワイトカーボンの混合物を得た。これを23℃で送風乾燥し、卓上粉砕機で粉砕し卵胞子プレミックスを得た。また界面活性剤3gにホワイトカーボン2gを混合し、卓上粉砕機で粉砕して界面活性剤プレミックスを得た。卵胞子プレミックス85%、界面活性剤プレミックス5%、クレー10%を均一に混合粉砕して試製水和剤とした。以上の説明において「%」は重量%を示す。
Figure 0005469334
表中の「無処理対比(%)」は、界面活性剤を添加したポテトデキストロース寒天培地の菌糸直径を、対照である界面活性剤無添加の培地上におけるPOの菌糸直径で割った数値を百分率で表示したものであり、「検定濃度(ppm)」は、ポテトデキストロース寒天培地に含まれる各界面活性剤の濃度を示したものである。なお、培養は25℃で行い、1〜2日後に菌糸直径を計測した。
この結果、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ベタイン型活性剤、ラウリルアミノジプロピオン酸ソーダおよび高純度高分子量リグニンスルホン酸塩(Na)に関して、検定濃度100ppmにおいて無処理比80%以上の特に良好な菌糸成長が認められた。さらにこれら界面活性剤を用いて試製水和剤を作製し、水和性を検討したところ、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートおよびラウリルアミノジプロピオン酸ソーダが特に優れた水和性を示すことが判明した。以下の試験では、このうち、最も水和性に優れたポリオキシエチレンソルビタンモノオレートを用いた。
実施例4 顆粒水和剤用界面活性剤の選抜
同じく、本発明に係る顆粒水和剤に適した界面活性剤を選抜するため、水和剤用界面活性剤の選抜と同様の方法でPOの菌糸伸長に対する影響を調査した。
使用した界面活性剤の詳細および結果を表4に示した。
Figure 0005469334
表中の「無処理対比(%)」は、界面活性剤を添加したポテトデキストロース寒天培地のPOの菌糸直径を、対照である界面活性剤未添加の培地上におけるPOの菌糸直径で割った数値を百分率で表示したものであり、「検定濃度(ppm)」は、ポテトデキストロース培地に含まれる各界面活性剤の濃度を示したものである。界面活性剤を1000ppm添加しても、ナフタレンスルホン酸重縮物金属塩およびリグニンスルホン酸金属塩で菌糸成長することが認められた。以上の結果から1000ppmでも菌糸伸長にほとんど悪影響を及ぼさなかったリグニンスルホン酸金属塩を以下の試験で用いる顆粒水和剤用の界面活性剤として選抜した。
次に本発明に係る植物病害防除剤の代表的な製剤例をあげて製剤方法を具体的に説明する。以下の説明において「%」は重量%を示す。
実施例5 製剤例1:水和剤
湿潤菌体に、湿菌体重量10gあたり50mlの水を加え、ホモジナイザーで粉砕するか、PUCコロイドミルType-60/O(日本ボールバルブ(株)製)で粉砕して卵胞子懸濁液を得た。この卵胞子懸濁液500gに珪藻土3g、炭酸カルシウム3gを加えよく攪拌後、吸引ろ過して卵胞子・珪藻土・炭酸カルシウムの混合物を得た。これを23℃で送風乾燥し、ハンマーミル粉砕機(不二パウダル(株)製)で粉砕し水和剤用卵胞子プレミックスを得た。この水和剤用卵胞子プレミックス83%、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート3%、ポリビニルアルコール0.3%、クレー13.7%を均一に混合粉砕して水和剤とした。なお、水和剤中の卵胞子数は、1.0×10個/g〜5.0×10個/gであった。
実施例6 水和剤の効果確認試験1:イネばか苗病に対する防除効果試験
水和剤(製剤例1:PO卵胞子濃度8.3×10個/g)を20〜200倍に希釈し、乾籾の2倍容量の水和剤希釈液に長野県産イネばか苗病菌(Gibberella fujikuroi)自然感染籾(品種:コシヒカリ)と富山県産健全籾(品種:コシヒカリ)を1:3で混合した種籾を15℃で2日間浸漬後、水を交換し15℃で7日間さらに浸漬した。その後に水を切り、30℃で2日間催芽してから播種した。催芽籾6gを250gの水稲育苗用培土が入った90×140×40mmの容器に播種し、播種後にウニコナゾールP1%液を散布、ポリフィルムで覆ってパイプハウス内に2日間静置した後に、パイプハウス内で育苗管理した。区制は5反復で、播種12日後に発病苗数を調査した。防除価は次式に従って計算した。
防除価=1−(処理区の発病苗率/無処理区の発病苗率))×100
Figure 0005469334
表5に示すとおり、PO水和剤は無処理に比べて有意に発病苗率が低くイネばか苗病に対し防除効果を示した。
実施例7 水和剤の効果確認試験2:イネいもち病に対する防除効果試験
水和剤(製剤例1:PO卵胞子濃度8.3×10個/g)を20〜200倍に希釈し、乾籾の2倍容量の水和剤希釈液に富山県産の種籾(品種:コシヒカリ)を15℃で2日間浸漬後、水を交換し15℃で7日間さらに浸漬した。その後に水を切り、30℃で2日間催芽してから播種した。催芽籾6gを250gの水稲育苗用培土が入った90×140×40mmの容器に播種し、ポリフィルムで覆ってパイプハウス内に2日間静置した後に、パイプハウス内で育苗管理した。イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)は、葉いもちが発生した苗を近くに置き自然感染させた。区制は5反復で、播種16日後に発病苗数を調査した。防除価の算出は実施例6に従って計算した。
Figure 0005469334
表6に示すとおり、水和剤は無処理に比べて有意に発病苗率が低くイネいもち病に対し防除効果を示した。
実施例8 水和剤の効果確認試験3:イネごま葉枯病に対する防除効果試験
水和剤(製剤例1:PO卵胞子濃度8.3×10個/g)を200倍に希釈し、乾籾の2倍容量の水和剤希釈液に福島県産ごま葉枯病菌(Cochliobolus miyabeanus)自然感染種籾(品種:コシヒカリ)を15℃で2日間浸漬後、水を交換し15℃で7日間さらに浸漬した。その後に水を切り、30℃で2日間催芽してから播種した。催芽籾6gを250gの水稲育苗用培土が入った90×140×40mmの容器に播種し、ポリフィルムで覆ってパイプハウス内に1〜2日間静置した後に、パイプハウス内で育苗管理した。区制は5反復で、播種16日後に葉鞘が褐変した苗を発病苗とし発病苗数を調査した。防除価は実施例6に従って計算した。
Figure 0005469334
表7に示すとおり、水和剤は、イネごま葉枯病に対し対照薬剤のテクリードCフロアブルと同等の高い防除効果を示した。
実施例9 水和剤の効果確認試験4:イネ苗立枯細菌病に対する防除効果試験
水和剤(製剤例1:PO卵胞子濃度8.3×10個/g)を200倍に希釈し、乾籾の2倍容量の水和剤希釈液にイネ苗立枯細菌病菌(Burkholderia plantarii)を減圧接種した福島県産の種籾(品種:コシヒカリ)を15℃で2日間浸漬後、水を交換し15℃で7日間さらに浸漬した。その後に水を切り、30℃で2日間催芽してから播種した。催芽籾6gを250gの水稲育苗用培土が入った90×140×40mmの容器に播種し、ポリフィルムで覆ってパイプハウス内に2日間静置した後に、パイプハウス内で育苗管理した。区制は5反復で、播種12日後に、白化、生育不良、および枯死した苗を発病苗とし苗数を調査した。防除価は実施例6に従って計算した。
Figure 0005469334
表8に示すとおり、水和剤は、イネ苗立枯細菌病に対し対照薬剤のテクリードCフロアブルと同等の高い防除効果を示した。
実施例10 水和剤の効果確認試験5:イネもみ枯細菌病に対する防除効果試験
水和剤(製剤例1:PO卵胞子濃度8.3×10個/g)を200倍に希釈し、乾籾の2倍容量の水和剤希釈液にイネもみ枯細菌病菌(Pseudomonas glumae)を減圧接種した富山県産の種籾(品種:コシヒカリ)を15℃で2日間浸漬後、水を交換し15℃で7日間さらに浸漬した。その後に水を切り、30℃で2日間催芽してから播種した。催芽籾6gを250gの水稲育苗用培土が入った90×140×40mmの容器に播種し、ポリフィルムで覆ってパイプハウス内に2日間静置した後に、パイプハウス内で育苗管理した。区制は6反復で、播種10日後に発病苗数を調査した。防除価は実施例6に従って計算した。
Figure 0005469334
表9に示すとおり、水和剤は、イネもみ枯細菌病に対し対照薬剤のエコホープドライと同等の高い防除効果を示した。
実施例11 水和剤の効果確認試験6:イネ褐条病に対する防除効果試験
水和剤(製剤例1:PO卵胞子濃度6.4×10個/g)を200倍に希釈し、乾籾の2倍容量の水和剤希釈液に富山県産コシヒカリにイネ褐条病菌(Pseudomonas avenae)を減圧接種した種籾を15℃で2日間浸漬後、水を交換し15℃で7日間さらに浸漬した。その後に水を切り、30℃で2日間催芽してから播種した。催芽籾6gを250gの水稲育苗用培土が入った90×140×40mmの容器に播種し、ポリフィルムで覆ってパイプハウス内に2日間静置した後に、パイプハウス内で育苗管理した。区制は6反復で、播種10日後に発病状況を調査した。
発病度は発病指数を以下のように定め、次式に従って計算した。
発病度=Σ(発病程度別苗数×指数)/(調査苗数×4)×100
発病指数 4:枯死
3:第3葉以下に病徴
2:第2葉以下に病徴
1:第1葉以下に病徴
0:健全
防除価=(1−(処理区の発病度/無処理区の発病度))×100
Figure 0005469334
表10に示すとおり、水和剤は、イネ褐条病に対し防除効果示した。一方微生物農薬であるエコホープドライには効果が認められず、PO水和剤のイネ褐条病に対する防除効果は、エコホープドライよりも優位であった。
実施例12 製剤例2:顆粒水和剤
以下の説明において「%」は重量%を示す。
最終産物量に対して5%の卵胞子懸濁液(卵胞子濃度1.0×10個/g)に、最終産物の40%のクレーを加えホモジナイザーで粉砕したのち、吸引ろ過して卵胞子およびクレーの混合物を得た。この混合物をさらに圧搾して水分を除き、さらに最終産物量の26%のクレーと、最終産物量に対して10%のリグニンスルホン酸重縮合物金属塩、2%のナフタレンスルホン酸重縮合物金属塩、14%の炭酸カルシウムおよび3%のデキストリンをニーダー(佐竹化学機械工業(株)製)で約30分混合後、押し出し造粒機(不二パウダル(株)製)で、スクリーン0.5〜0.8mm、回転数30rpmにて成型し、流動層乾燥機(不二パウダル(株)製)にて乾燥時間1時間、制御温度30℃、排気温度30℃で乾燥し顆粒水和剤(卵胞子濃度5.0×10個/g)とした。
実施例13 顆粒水和剤の効果確認試験1:トマト青枯病防除効果試験
トマト青枯病菌(Ralstonia solanacearum)を接種し多発するように調整した温室圃場にて、顆粒水和剤(製剤例2:PO卵胞子濃度5.0×10個/g)の防除効果を検定した。供試品種として穂木に「桃太郎ファイト」を、台木に「影武者」を用い、2008年5月28日に育苗土に播種し、6月10日に接ぎ木して6月18日に鉢上げし、7月14日に本圃に定植した。顆粒水和剤は鉢上げ時+定植7日前+定植14日後の3回施用した。いずれの処理も植物体あたり卵胞子数で5×10個になるように顆粒水和剤を処理した。具体的には鉢上げ時に顆粒水和剤をそのまま1株あたり1g施用し、定植7日前は、顆粒水和剤10倍希釈液を10ml株元に潅注し、定植14日後は顆粒水和剤100倍希釈液を100ml株元に潅注した。1区(1m×3m)16株、4連制で試験区を設定した。定植後2週間目から7日おきにしおれを程度別に調査し、発病度および防除価を算出した。防除価は次式により算出した。
発病度は発病指数を以下のように定め、次式に従って計算した。
発病度=Σ(発病程度別株数×発病指数)/(調査株数×4)×100
発病指数 4:枯死
3:株全体が青枯れ状になる
2:葉にしおれが観察される
1:茎頂のしおれが観察される
0:健全
防除価=(1−(処理区の発病度/無処理区の発病度))×100
Figure 0005469334
表11に示すとおり、人為的にトマト青枯病が激発する条件で試験を行ったにもかかわらず、顆粒水和剤を処理した区では病勢進展が緩慢であり、栽培初期には防除価は66と高かった。また定植後56日を経過しても防除価は31と高く、実圃場での実用性があるものと判断された。
実施例14 顆粒水和剤の効果確認試験2:ジャガイモ黒あざ病の種いも伝染に対する防除効果試験
ジャガイモ黒あざ病菌(Rizoctonia solani)の菌核の付着面積率が2〜3%である種いも(品種:男爵薯)を用いた。顆粒水和剤(製剤例2)は卵胞子濃度10個/mlに希釈調整し、これに種いもを瞬間浸漬し、2〜3週間風乾・浴光催芽を行った。対照薬剤フルトラニル40%水和剤は100倍液に種いもを瞬間浸漬し、同様に2〜3週間風乾・浴光催芽を行った。種いもは5月中旬に植えつけた。1区10.13m(2.25m×4.5m、3畦×15株)として3反復した。施肥、培土等の栽培管理は慣行処理とし、6月中旬よりマンゼブ剤を用いて適宜疫病防除を行った。6月上旬に萌芽の調査を行った。土壌からわずかでも茎葉が出ているものを「萌芽」と判断した。また6月下旬までに萌芽せず枯死した株を「欠株」とした。6月中旬に幼茎の発病度を、7月末にいもを掘り出し、ストロンの発病度を調査した。
幼茎の発病度、およびストロンの発病度は発病指数を以下のように定め、次式に従って計算した。後述のジャガイモ黒あざ病の調査はすべて以下に従った。
また、収量調査においては、20g以上のいもを「上いも」、20g未満のいもを「くずいも」とし、個数、重量を計測した。
発病度=Σ(発病程度別株数×発病指数)/(調査株数×4)×100
幼茎の発病指数 4:全ての再萌芽した芽が完全に黒変枯死している。
3:盛んに再萌芽をしており、地上部に萌芽が認められない。
2:萌芽しているが病斑が茎部を取り巻き、株の生育は劣っている。再萌芽が認められる。
1:萌芽しているが茎部にわずかに病斑が認められる。
0:健全
ストロンの発病指数 4 :発病のため全ストロンが消失、ストロンを認めない。
3:ほとんどのストロンに病斑が認められる。
2:約半数のストロンに病斑が認められる。
1:ストロンにわずかに病斑が認められる。
0:健全
Figure 0005469334
表12に示すとおり、ジャガイモ黒あざ病の種いも伝染に対する防除試験では、PO顆粒水和剤は対照薬剤であるフルトラニルと同等の防除効果を示した。また、PO顆粒水和剤による処理が種いもの萌芽やその後の生育に悪影響を及ぼすことはなかった。また収量においても無処理よりくずいも数が少なく、単位面積あたりの上いも重も多かった。なお、有意差の検定にはt検定を用いた。
実施例15 顆粒水和剤の効果確認試験3:ジャガイモ黒あざ病の土壌種伝染に対する防除効果試験
種いも(品種:男爵薯)は全て健全ないもを用いた。顆粒水和剤(製剤例2)は卵胞子濃度10個/mlに希釈調整し、これに種いもを瞬間浸漬し、2〜3週間風乾・浴光催芽を行った。対照薬剤フルトラニル40%水和剤は100倍液に種いもを瞬間浸漬し、同様に2〜3週間風乾・浴光催芽を行った。種いもは5月中旬に植えつけ、ジャガイモ黒あざ病菌(Rizoctonia solani)の含菌えん麦粉砕物を種いも1個あたりに0.6g置き、覆土した。1区10.13m(2.25m×4.5m、3畦×15株)として3反復した。施肥、培土等の栽培管理は慣行処理とし、6月中旬よりマンゼブ剤を用いて適宜疫病防除を行った。調査は実施例14に従った。
Figure 0005469334
表13に示すとおりジャガイモ黒あざ病の土壌伝染に対する防除試験では、PO顆粒水和剤はストロン発病に対し、対照薬剤であるフルトラニル以上の防除効果を示した。またPO顆粒水和剤による処理が種いもの萌芽やその後の生育に悪影響を及ぼすことはなかった。なお、有意差の検定にはt検定を用いた。
実施例16 顆粒水和剤の効果確認試験4:トマト根腐病に対する防除効果試験
5号ポリ鉢に野菜用培土を550g詰め、トマト種子(品種:ファーストパワー)を20粒ずつ播種した。病土は、トマト根腐病菌(Pythium aphanidermatum)を、200ml容三角フラスコにベントグラス種子5g、水25mlを入れ滅菌して作製したベントグラス種子培地で、25℃にて7〜10日間培養した培養物のフラスコ1本分をミキサーで破砕し、芝用目土50gに混合して作製した。病土は一鉢あたり20gずつ表層土に混合した。播種後、顆粒水和剤(製剤例2)を40倍希釈し、3l/m潅注した。また、10倍希釈液に1時間浸漬した種子を播種した区も設けた。区制は3反復とし、調査は播種後1ヵ月後に植物体を抜き取り、水洗し、胚軸と種子根の結合部位の発病を調査した。
胚軸と種子根の結合部位の発病度は、発病指数を以下のように定め、次式に従って計算した。
発病度=Σ(発病程度別株数×発病指数)/(調査株数×4)×100
発病指数 4:枯死または出芽前立枯れ株
3:病斑が全周を取り巻き、生育不良株、または胚軸は健全でも種子根が発病し腐敗、切断され、生育不良な株
2:黒褐変が数mmと小さいか、または胚軸の半分以下の小さい株
1:僅かに黄褐変している株
0:健全
防除価=(1−(処理区の発病度/無処理区の発病度))×100
Figure 0005469334
表14に示すとおり、顆粒水和剤を潅注処理した場合も、種子浸漬した場合もトマト根腐病に対する防除効果が認められた。
実施例17 製剤例3:粉剤
以下の説明において「%」は重量%を示す。
湿潤菌体に、湿菌体重量10gあたり50mlの水を加え、ホモジナイザーで粉砕して得た卵胞子懸濁液400gに、珪藻土400g、水1.5lを加えよく攪拌後、吸引ろ過して卵胞子および珪藻土の混合物を得た。これを23℃で送風乾燥し、ハンマーミル粉砕機で粉砕して粉剤用卵胞子プレミックスを得た。この粉剤用卵胞子プレミックス2.3%と、珪藻土97.3%および炭酸カルシウム0.4%とを均一に混合粉砕して粉剤とした。
なお、得られた粉剤における卵胞子濃度は、1.0×10個/g〜9.9×10個/gであった。
実施例18 粉剤の効果確認試験1:トマト青枯病防除効果試験
トマト青枯病(原因菌:Ralstonia solanacearum)が例年多発する新潟県新潟市のトマトハウス圃場にて、粉剤(製剤例3:PO卵胞子濃度1×10個/g)の防除効果を検定した。供試品種として穂木に「桃太郎ファイト」を、台木に「ビーバリア」を用い、2007年5月25日に育苗土に播種し、6月14日に鉢上げし、6月23日に接ぎ木して、7月13日に本圃に定植した。粉剤は鉢上げ時に、植物体あたり卵胞子数で2×10個(粉剤20g/株)施用した。1区16株、11連制で試験区を設定した。9月14日と10月2日に青枯病の発病度および発病株率を調査した。発病度および防除価は実施例13に従った。
Figure 0005469334
表15に示すとおり、PO粉剤を施用することにより、発病が抑えられ、発病株数も無処理より減少した。さらにその効果は10月まで持続した。
実施例19 製剤例4:種子粉衣剤
以下の説明において「%」は重量%を示す。
湿潤菌体に、湿菌体重量10gあたり50mlの水を加え、ホモジナイザーで粉砕した卵胞子懸濁液500gに、珪藻土3g、炭酸カルシウム3gを加えよく攪拌後、吸引ろ過して卵胞子および珪藻土の混合物を得た。これを23℃で送風乾燥し、小型粉砕機で粉砕して種子粉衣用卵胞子プレミックスを得た。この種子粉衣剤用卵胞子プレミックス60%、ポリビニルアルコール2%、炭酸カルシウム32%、酸化チタン5%、流動パラフィン1%を均一に混合粉砕して種子粉衣剤とした。
なお、得られた種子粉衣剤における卵胞子濃度は、1.0×10個/g〜9.9×10個/gであった。
実施例20 種子粉衣剤の効果確認試験1:豆類ピシウム苗立枯病に対する防除効果試験
33×24×6cmの容器に70℃で3日間殺菌した園芸用培土を深さ4cmになるように詰め、種子粉衣剤(製剤例4:PO卵胞子濃度2.6×10個/g)を種子粉衣したアズキ(品種:きたほたる)を50粒ずつ播種した。ピシウム苗立枯病菌(Pythium spinosum)をポテトデキストロース平板培地で20℃にて1週間培養後、この平板2枚を粉砕し、園芸用培土5lに混和して汚染土壌とし、これを覆土に用いた。覆土は深さ2cmとなるように詰め、鎮圧して適宜灌水し、20℃で10日間栽培して発病個体率を調査した。区制は3反復とした。
Figure 0005469334
表16に示すとおり、種子粉衣剤で処理した処理区の発病個体率は無処理に比べて低かった。
実施例21 種子粉衣剤の効果確認試験2:インゲンマメ苗立枯病に対する防除効果試験
種子粉衣剤(製剤例4:PO卵胞子濃度2.6×10個/g)をインゲン(品種:サリーナ)種子に付着させた。1粒あたり約3.2mg付着した。また対照として水和剤(製剤例1:PO卵胞子濃度4.2×10個/g)も種子に付着させた。1粒あたり約1.6mg付着した。育苗用培土200gを直径9cmポリ容器に詰め、これに1粒ずつ播種した。病土はインゲンマメ苗立枯病菌(Pythium myriotylum)を、200ml容三角フラスコにベントグラス種子5g、水25mlを入れ滅菌して作製したベントグラス種子培地で、25℃にて12日間培養した培養物のフラスコ9本分、およびV8寒天培地で25℃にて12日間培養した菌叢のシャーレ20枚分をミキサーで破砕し、芝用目土1.8kgに混合し作製した。
胚軸の発病度は発病指数を以下のように定め、次式に従って計算した。
発病度=Σ(発病程度別苗数×発病指数)/(調査苗数×5)×100
発病指数 5:枯死
4:評価なし
3:病斑の幅が胚軸の円周の3分の2以上のもの
2:病斑の幅が胚軸の円周の3分の1以上〜3分の2未満のもの
1:病斑の幅が胚軸の円周の3分の1以下のもの
0:健全
防除価=(1−(処理区の発病度/無処理区の発病度))×100
根部の発病度は種子根を調査対象とし、種子根の長さに対する発病の割合を10段階で目測し、その平均値を発病度とした。また、支根の防除価は発病株率から算出した。
Figure 0005469334
表17に示すとおり、種子粉衣剤、水和剤ともインゲンマメ苗立枯病に対する防除効果が認められた。また胚軸、種子根、支根のいずれにおいても種子粉衣用として開発した剤の方が水和剤より効果が優れていた。
実施例22 PO製剤の防除効果を増強するカルシウム塩等の効果確認試験
次に、本発明の植物病害防除剤の効力を増強するカルシウム塩、ないしカルシウム含有物質の効果確認試験の試験例をあげて具体的に説明する。
イネ苗立枯細菌病菌(Burkholderia plantarii)を減圧接種した水稲種籾(北海道産「ほしのゆめ」)を10%健全籾に混和して罹病籾を作製しこれを試験に使用した。PO水和剤(炭酸カルシウムを加えない以外は製剤例1のとおりに調製したもの:PO卵胞子濃度4.2×10個/g)100倍希釈液30mlに、罹病籾10gを23℃で3日間浸漬処理し、次に30℃で1日間催芽処理後、市販の水稲育苗用人工培土を詰めた6cm角のポリポットに3等分して播種し、市販の水稲育苗用人工培土で被覆し30℃にて3日間発芽器内で出芽させた。その後温室内で栽培した。カルシウム塩やマグネシウム塩はPO水和剤希釈液に添加した。試験は3反復で行った。
調査は発病程度に応じた発病指数で行ない、効果は発病度および防除価を次式に従って計算して評価した。結果を表18に示す。
発病指数 5:枯死
4:黄白化萎凋苗で萎凋程度が80%以上
3:黄白化萎凋苗で萎凋程度が健全苗の50%〜80%未満
2:黄白化萎凋苗で萎凋程度が健全苗の50%未満
1:黄白化苗
0:健全
発病度=Σ(発病程度別苗数×指数)/(調査苗数×5)×100
防除価=(1−(処理区の発病度/無処理区の発病度))×100
Figure 0005469334
表中のPO水和剤単剤使用(試験区1)の防除価70.0に対し、0.145%カルシウム塩類併用区のうち炭酸カルシウム併用区(試験区2)、塩化カルシウム併用区(試験区3)および硝酸カルシウム併用区(試験区5)において、それぞれ防除価86.9、79.5、86.2と防除価が向上することが判明した。最も防除価が向上した炭酸カルシウムについては、さらに添加濃度を増やして検討したところ、0.237%添加(試験区6)で防除価86.0、0.335%添加(試験区7)で防除価89.6と高い防除効果を確認することができた。
また、マグネシウム塩類併用区は単剤より防除価が劣った。
さらに炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの混合物である天然石ドロマイト併用においても、0.0725%添加区において防除価74.1、0.145%添加区で防除価75.1と、水和剤単剤使用よりも高い防除価が認められた。
一方、カルシウム塩単剤処理区では、マグネシウム塩、ドロマイトのそれぞれ単剤供試区では、防除価は低くイネ苗立枯細菌病防除には適さないと判断された。
以上より、カルシウム塩類を併用すると防除価が向上し、特に炭酸カルシウムにおいてその効果が顕著であった。以上より、カルシウム塩の併用がPO製剤の効果増強に働くことが確認された。
実施例23 カルシウム塩類のピシウム オリガンドラム菌糸伸長促進効果確認試験
カルシウム塩類の共力効果が有効成分本体であるPOの生育促進であることを確認するため以下の試験をおこなった。
V8寒天培地100mlに対してカルシウム塩類を140mg添加した培地中央に、あらかじめ30℃で前培養したPOの菌糸先端部を直径7mmのコルクボーラーでくり貫き、置床した。30℃で約18時間培養し、菌糸直径を計測した。試験は3反復で行った。供試したカルシウム塩類とその結果を表19に示した。
Figure 0005469334
表19の結果から各種カルシウム塩にはPOの菌糸伸長を促進する効果が認められた。このことからカルシウム塩類の添加によるピシウムオリガンドラム製剤の効果増強は、ピシウムオリガンドラム菌がカルシウム塩類によって生育が増強されることによって生じていることが考えられた。
実施例24 製剤の保存性試験
水和剤(製剤例1:PO卵胞子濃度1.51×10個/g)または顆粒水和剤(製剤例2:PO卵胞子濃度7.23×10個/g)を気密性の高いビニール袋(旭化成ポリフレックス(株)製、飛龍)に、単独で、または脱酸素剤もしくは乾燥剤と共に入れ、ヒートシール機で封をし、25℃で最長6ヶ月間保存した。脱酸素剤はエージレスZ-PK(三菱ガス化学(株)製)を、乾燥剤はトヨタシリカゲルMP5G(豊田化工(株)製)を使用した。製剤は、保存開始から1ヶ月おきに−30℃に移し、菌糸伸長を測定する日まで保存した。
製剤中の菌の生死は以下の手順で評価した。まず、水和剤および顆粒水和剤20mgを滅菌済み100ml容三角フラスコに計り取り、これに実施例1に記載のV8液体培地にペニシリンGカリウム(和光純薬(株)製)100ppmおよびピマリシン(シグマアルドリッチジャパン(株)製)20ppmを添加した培地2mlを無菌的に加えた。30℃にて24時間培養後、製剤から伸長してきた菌糸中のATP(アデノシン3リン酸)を培養液ごと抽出し、ATP量を測定した。ATPは生存細胞のみに含まれるため、ATP量が多いことは菌が生存しており、菌糸伸長が盛んであることを示している。
ATP量の測定には、ATP量・微生物測定システム ルシフェール250プラス(キッコーマン(株)製)を用いた。具体的には、まず上記培養物に滅菌水を1.8ml、ATP消去剤を0.2ml加え15分間放置した。次に滅菌水で調整した5%トリクロル酢酸(純正化学(株)製)36mlを入れよく攪拌しATPを抽出した。抽出液100μlを専用のルミチューブに計り入れ、滅菌水で調整したトリス酢酸バッファー(4mmol/l EDTA pH7)900μlで中和した。中和した液100μlにATP抽出試薬100μlを加え20秒後に発色試薬100μlを入れ、直ちにルミテスタC−100(キッコーマン(株)製)で発光量を測定した。使用するチップ類はすべて滅菌し、操作には手袋を着用した。ATP量は培養液1lあたりの濃度で示した。
Figure 0005469334
表20および図1に示したように、製剤をそのまま25℃で保存した場合は徐々に製剤からの菌糸伸長が悪くなるが、脱酸素剤を入れると菌糸伸長が製造直後と同等に維持されることが判明した。また乾燥剤は菌糸伸長維持に効果はなかった。したがって、脱酸素剤を使用することにより、製剤の保存期間が延長できる上に、常温での保存が可能になった。
25℃で保存した製剤を培養した際の培養液のATP量を示したグラフである。図中、WPは水和剤、WGは顆粒水和剤をそれぞれ示す。

Claims (11)

  1. ピシウム オリガンドラムの卵胞子と、卵胞子1×10個あたり0.1〜100mgの、防除効果増強物質としてのカルシウム塩とを含む植物病害防除剤であって、前記カルシウム塩が、ピシウム オリガンドラムの培養物から培地を除いて採取した後の卵胞子に添加される、前記植物病害防除剤
  2. カルシウム塩が、炭酸カルシウム、塩化カルシウムおよび硝酸カルシウムからなる群から選択される、請求項1に記載の植物病害防除剤。
  3. 液剤、粉剤、種子粉衣剤、粒剤、水和剤または顆粒水和剤の形態を有する、請求項1または2に記載の植物病害防除剤。
  4. 水和剤の形態を有し、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ベタイン型界面活性剤、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルアミノジプロピオン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル・サルフェート・アンモニウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、シリコン系界面活性剤からなる群から選択される界面活性剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の植物病害防除剤。
  5. 顆粒水和剤の形態を有し、リグニンスルホン酸金属塩およびナフタレンスルホン酸重縮合物金属塩からなる群から選択される界面活性剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の植物病害防除剤。
  6. 植物病害が、ラルストニア属菌、シュードモナス属菌、エルビニア属菌、キサントモナス属菌、アルテルナリア属菌、アスコキタ属菌、ボトリチス属菌、フザリウム属菌、オフィオストマ属菌、フォーマ属菌、フィトフトラ属菌、プラスモパラ属菌、シュードセルコスポレラ属菌、パクシニア属菌、ピシウム属菌、リゾクトニア属菌、リゾプス属菌、スクレロチニア属菌、スクレロチウム属菌、トリコデルマ属菌、Unicula属菌、バーティシリウム属菌からなる群から選択される病原菌に起因する土壌伝染性病害である、請求項1〜5のいずれかに記載の植物病害防除剤。
  7. 植物病害が、イネばか苗病、イネいもち病、イネごま葉枯病、イネ立枯病、イネ苗立枯細菌病、イネもみ枯細菌病、イネ褐条病、カブ苗立枯病、ジャガイモ黒あざ病、トマト青枯病、ナス青枯病、ジャガイモ青枯病、ダイコン青枯病および豆類ピシウム苗立枯病からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の植物病害防除剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の植物病害防除剤を植物体またはその栽培土壌に施用することを含む、植物病害防除方法。
  9. ピシウム オリガンドラムの卵胞子と、カルシウム塩とを混合する工程を含み、卵胞子が、ピシウム オリガンドラムの培養物から培地を除いて採取した後の卵胞子である、請求項1〜7のいずれかに記載の植物病害防除剤の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の植物病害防除剤と、脱酸素剤とを含む包装体。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の植物病害防除剤と、脱酸素剤とを共存させる工程を含む、植物病害防除剤の保存方法。
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