JP7464246B2 - 植物の土壌伝染病防除用組成物及び土壌伝染病防除方法 - Google Patents

植物の土壌伝染病防除用組成物及び土壌伝染病防除方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルカリ性成分を含む複数の無機物を組合せて施用することにより、それらの相乗的な作用によって植物の土壌伝染病を防除するようにした、植物の土壌伝染病防除用組成物及び土壌伝染病防除方法に関する。
植物の病気の大部分は微生物が主因となる伝染病である。土壌中に生息する病原菌によって引き起こされる病気(土壌伝染病)は、化学薬剤の茎葉散布によって防除することが難しい。そのため、気化性の殺菌剤によって土壌中の病原菌を殺菌する方法(土壌燻蒸)が実施されている。
しかし、土壌燻蒸は、土壌の表面をビニールで被覆しなければならないため、機械の購入や労力を要する。更に、病原菌以外の生物にも作用することから、作業者や周辺環境中の生物への影響も懸念されている。
また、有機物施用と灌水によって人工的な還元状態を作り殺菌する方法(土壌還元消毒)も考案されているものの、その効果は不安定である。
更に、これらの方法においては、土壌消毒の実施中は作付できないことも経営上のデメリットとなっている。
一方、病害抵抗性品種は病害を回避する効果は安定しているが、抵抗性を打破する新しい病原性系統が出現すればその効果は低下・消滅する。更に、病害抵抗性品種を台木として利用する場合には時間と手間、あるいは、外注経費が余分に掛かる。
ところで、多くの農作物の生育には土壌pHが6~6.5程度が適切とされている。しかし、我が国のように降水量が多い地域では、作土からの塩基の溶脱が促されるため、pHは6以下に低下してしまうことが多い。また、土壌の酸性化が進むと、土壌伝染病が発生しやすくなる。したがって、土壌pH矯正を取り入れることで、防除の安定化を図ることが知られている。
土壌pHの矯正は、生石灰、消石灰、苦土石灰、転炉スラグ等の石灰質肥料を混和することが一般的である(非特許文献1参照)。生石灰、消石灰、苦土石灰の混和は、土壌pHが6~6.5になるように、作付けごとに実施されている。もし、これらの施用が多すぎて土壌pHがこの範囲よりも高まると、植物の微量要素の吸収が阻害されて生育障害が生じる傾向がある。
一方、肥料用の転炉スラグは、上述の石灰質肥料と比べて粒径が大きく、成分が時間をかけて溶出すること、また、作土から溶脱されにくいことから、一度施用すると複数年間に渡ってpH矯正効果が持続される。また、微量要素が豊富に含まれていることから、pHを7.5程度まで高めても生育に悪影響がない。このような特徴を活用し、土壌pHが7.5程度となるように多量に施用すると、土壌伝染病の被害を複数年間に渡って軽減できることが報告されている(非特許文献2,3,4参照)。
また、下記特許文献1には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウムから選ばれる炭酸塩の1種または2種以上をイネ籾に浸漬、粉衣または育苗培土混和処理することを特徴とするイネ籾枯細菌病菌に起因するイネ苗腐敗症防除法が開示されている。
特開平6-24924号公報
「(3) 土壌改良資材量のもとめ方」、農林水産省HP > 生産局 > 環境保全型農業関連情報 > 都道府県施肥基準等 > 健康な土づくり技術マニュアル > [2]土壌診断の方法と活用、http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/tuti13.pdf 「転炉スラグを用いた土壌pH 改良と抵抗性台木を用いたキュウリホモプシス根腐病の被害軽減」、岩舘康哉、植物防疫第68巻第9号(2014)、p.523-530 「転炉スラグによる土壌pH矯正が野菜の細菌性病害に与える影響」、門田育生・今▲崎▼伊織、植物防疫第70巻第4号 (2016)、P.215-219 「転炉スラグによるブロッコリー根こぶ病の防除対策」、村上圭一・篠田英史・丸田里江・後藤逸男、 日本土壌肥料学雑誌75巻1号、P.53-58、2004年2月
転炉スラグを用いて土壌pHを7.5程度まで矯正するには、10アール当たり数トン~10トン程度を施用しなければならない。また、一度施用すると元のpHに戻すことが難しい。例えば、ジャガイモそうか病のように、土壌pHが高まると発生が助長されるような土壌伝染病も知られており、このような病気に罹病する農作物の栽培には不適当な土壌となってしまう。
また、特許文献1には、種子伝染病のイネ籾枯細菌病に対して、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウムから選ばれる炭酸塩の1種または2種以上をイネ籾に浸漬、粉衣または育苗培土混和処理するようにしているが、土壌伝染病に対する効果は不明であった。
したがって、本発明の目的は、アルカリ性成分を含む複数の無機物を組合せて施用することにより、植物の土壌伝染病を効果的に防除できるようにした、植物の土壌伝染病防除用組成物及び土壌伝染病防除方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の植物の土壌伝染病防除用組成物は、(1)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びケイ酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種、(2)微量要素、(3)二酸化ケイ素及び酸化鉄から選ばれた少なくとも1種のうち、(1)と(2)の組み合わせ、(1)と(3)の組み合わせ、(1)と(2)と(3)の組み合わせ、又は(4)を含有することを特徴とする。
本発明の植物の土壌伝染病防除用組成物は、前記(1)と(2)と(3)の組み合わせを含有することが好ましい。
本発明の植物の土壌伝染病防除用組成物は、更に界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明の植物の土壌伝染病防除用組成物において、前記微量要素は、マンガン、ホウ素を含有することが好ましい。
本発明の植物の土壌伝染病防除用組成物は、特に変形菌性又は細菌性又は真菌性の土壌伝染病に対して好ましく用いられる。
本発明の植物の土壌伝染病防除方法は、上記土壌伝染病防除用組成物を、植物の播種から育苗期の間に、育苗培土又は植物自体に付与することを特徴とする。
本発明の植物の土壌伝染病防除方法においては、前記炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種を、前記育苗培土に対して10 mM~1,000 mMとなるように付与することが好ましい。
本発明の植物の土壌伝染病防除方法においては、前記土壌伝染病防除用組成物を、界面活性剤を含有する水溶液又は水懸濁液として付与することが好ましい。
本発明によれば、(1)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びケイ酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種、(2)微量要素、(3)二酸化ケイ素及び酸化鉄から選ばれた少なくとも1種のうち、(1)と(2)の組み合わせ、(1)と(3)の組み合わせ、(1)と(2)と(3)の組み合わせを含有する土壌伝染病防除用組成物を、植物の播種から育苗期の間に、育苗培土又は植物自体に付与することにより、これらの成分が相乗的に作用して、植物の土壌伝染病を効果的に防除できる。また、植物の播種から育苗期の間に、育苗培土又は植物自体に付与するだけで、定植される汚染圃場に土壌伝染病防除剤を付与しなくても、植物の土壌伝染病を効果的に防除できる。
本発明の対象となる植物としては、特に限定されないが、例えば、メロン、カボチャ、キュウリ、スイカ、ツルレイシ、トウガン、ユウガオ、トウガラシ、ピーマン、トマト、ナス、カリフラワー、キャベツ、コマツナ、チンゲンサイ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ワサビ、ウド、シュンギク、レタス、セルリー、パセリー、イチゴ、アスパラガス、タマネギ、ニラ、ネギ、サツマイモ、ショウガ、ニンジン、イネ、ソラマメ、ダイズ、オクラ、ホウレンソウ、キク、ペチュニア、カーネーション、チューリップ、シンビジウム、トルコギキョウ、リンドウ、カキ、グミ、イチジク、アンズ、ウメ、オウトウ、スモモ、セイヨウナシ、ナシ、ビワ、モモ、リンゴ、ブドウ、クリ、キウイフルーツ、カンキツなどが挙げられる。
本発明が適用される土壌伝染病としては、特に制限はなく、例えば、メロンつる割病、メロンえそ斑点病、メロンモザイク病、メロン褐斑細病、メロンがんしゅ病、メロン軟腐病、メロン斑点細病、メロン毛根病、メロン疫病、メロン核病、メロン紅色根腐病、メロン黒点根腐病、メロン白絹病、メロン立枯病、メロンつる枯病、メロン苗立枯病、メロン根腐病、メロン根腐萎凋病、メロン半身萎凋病、カボチャ青枯病、カボチャ褐斑細病、カボチャ斑点細病、カボチャ疫病、カボチャ白絹病、カボチャ立枯病、カボチャつる枯病、キュウリ緑斑モザイク病、キュウリ青枯病、キュウリ褐斑細病、キュウリ軟腐病、キュウリ斑点細病、キュウリ疫病、キュウリ褐斑病、キュウリ核病、キュウリ白絹病、キュウリつる枯病、キュウリつる割病、キュウリ苗立枯病、キュウリ根腐病、キュウリ灰色疫病、キュウリ半身萎凋病、キュウリホモプシス根腐病、キュウリ紫紋羽病、スイカ緑斑モザイク病、スイカ萎凋細病、スイカ褐斑細病、スイカ疫病、スイカ核病、スイカ黒点根腐病、スイカ白絹病、スイカ立枯病、スイカつる枯病、スイカつる割病、スイカ半身萎凋病、スイカフザリウム立枯病、ツルレイシ斑点細病、トウガン立枯病、トウガンつる枯病、トウガンつる割病、ユウガオ褐斑細病、ユウガオ斑点細病、ユウガオ黒点根腐病、ユウガオ白絹病、ユウガオつる枯病、ユウガオつる割病、ユウガオ苗立枯病、ユウガオ灰色疫病、トウガラシ・ピーマン青枯病、トウガラシ・ピーマンかいよう病、トウガラシ・ピーマン軟腐病、トウガラシ・ピーマン斑点細病、トウガラシ・ピーマン萎凋病、トウガラシ・ピーマン疫病、トウガラシ・ピーマン核病、トウガラシ・ピーマン黒点根腐病、トウガラシ・ピーマン白絹病、トウガラシ・ピーマン立枯病、トウガラシ・ピーマン苗立枯病、トウガラシ・ピーマン半身萎凋病、トマト条斑病、トマトモザイク病、トマト青枯病、トマトかいよう病、トマト茎えそ細病、トマト黒斑細病、トマト軟腐病、トマト斑点細病、トマト斑葉細病、トマト腐敗病、トマトアルターナリア茎枯病、トマト萎凋病、トマト疫病、トマト褐色根腐病、トマト褐色腐敗病、トマト核病、トマト紅色根腐病、トマト黒点根腐病、トマト小粒核病、トマト白絹病、トマト苗立枯病、トマト根腐病、トマト根腐萎凋病、トマト根腐疫病、トマト灰色疫病、トマト半身萎凋病、ナスモザイク病、ナス青枯病、ナス褐斑細病、ナス茎えそ細病、ナス茎腐細病、ナス軟腐病、ナス斑点細病、ナス疫病、ナス褐色腐敗病、ナス核病、ナス黒点根腐病、ナス白絹病、ナス苗立枯病、ナス根腐疫病、ナス半枯病、ナス半身萎凋病、カリフラワー黒腐病、カリフラワー黒斑細病、カリフラワー軟腐病、カリフラワー萎黄病、カリフラワー根こぶ病、キャベツ黒腐病、キャベツ黒斑細病、キャベツ軟腐病、キャベツ萎黄病、キャベツ株腐病、キャベツ核病、キャベツ根朽病、キャベツ根こぶ病、キャベツバーティシリウム萎凋病、キャベツ苗立枯病、コマツナ萎黄病、チンゲンサイ斑点細病、チンゲンサイ萎黄病、ハクサイ黒腐病、ハクサイ黒斑細病、ハクサイ軟腐病、ハクサイ腐敗病、ハクサイ黄化病、ハクサイ核病、ハクサイしり腐病、ハクサイ根くびれ病、ハクサイ根こぶ病、ハクサイピシウム腐敗病、ブロッコリーピシウム腐敗病、カブ青枯病、カブ黒腐病、カブ黒斑細病、カブ軟腐病、カブ萎黄病、カブ核病、カブ根腐病、カブ根腐疫病、カブ根くびれ病、カブ根こぶ病、カブバーティシリウム黒点病、ダイコン青枯病、ダイコン黒腐病、ダイコン黒点輪腐病、ダイコン黒斑細病、ダイコンそうか病、ダイコン軟腐病、ダイコン萎黄病、ダイコン円形褐斑病、ダイコン核病、ダイコン黒しみ病、ダイコン根腐病、ダイコン根こぶ病、ダイコン葉腐病、ダイコンバーティシリウム黒点病、ダイコン腐敗病、ダイコン立枯病、ワサビ核病、ワサビ茎腐病、ワサビ墨入病、ワサビ根こぶ病、ウド萎黄病、ウド萎凋病、ウド疫病、ウド核病、ウド白絹病、ウドそうか病、シュンギク青枯病、シュンギク黒腐病、シュンギク腐敗病、シュンギク萎凋病、シュンギク核病、レタス軟腐病、レタス斑点細病、レタス腐敗病、レタス核病、レタス小粒核病、レタスすそ枯病、レタス根腐病、セルリー軟腐病、セルリー斑点細病、セルリー葉枯細病、セルリー腐敗病、セルリー萎黄病、セルリー核病、パセリー軟腐病、パセリー萎凋病、パセリー疫病、パセリー立枯病、パセリー苗立枯病、パセリー根腐病、パセリー根くびれ病、イチゴ角斑細病、イチゴ萎黄病、イチゴ萎凋病、イチゴ疫病、イチゴ果実腐敗病、イチゴ核病、イチゴ黒色根腐病、イチゴ白絹病、イチゴ軟腐病、イチゴ根腐病、イチゴ芽枯病、アスパラガス褐色核根腐病、アスパラガス株腐病、アスパラガス白紋羽病、アスパラガス立枯病、アスパラガス苗立枯病、アスパラガス紫紋羽病、タマネギかいよう病、タマネギ軟腐病、タマネギ斑点細病、タマネギ腐敗病、タマネギ片腐敗病、タマネギ疫病、タマネギ乾腐病、タマネギ核病、タマネギ黒かび病、タマネギ黒腐核病、タマネギ黒穂病、タマネギ紅色根腐病、タマネギ小核病、タマネギ白絹病、タマネギ白色疫病、タマネギ苗立枯病、ニラ株腐細病、ニラ軟腐病、ニラ乾腐病、ニラ黒腐核病、ニラ紅色根腐病、ニラ白絹病、ニラ白色疫病、ニラ葉腐病、ネギ斑紋病、ネギ軟腐病、ネギ斑点細病、ネギ腐敗病、ネギ萎凋病、ネギ疫病、ネギ黒腐核病、ネギ黒穂病、ネギ紅色根腐病、ネギ小核病、ネギ白絹病、ネギ白色疫病、ネギ苗立枯病、サツマイモ立枯病、サツマイモ青かび病、サツマイモかいよう病、サツマイモ褐色乾腐病、サツマイモ核病、サツマイモ黒あざ病、サツマイモ黒斑病、サツマイモ小粒核病、サツマイモ白絹病、サツマイモ白腐病、サツマイモ白紋羽病、サツマイモ炭腐病、サツマイモつる割病、サツマイモ軟腐病、サツマイモ根腐病、サツマイモ灰色かび病、サツマイモ紫紋羽病、ショウガ腐敗病、ショウガ根茎腐敗病、ショウガ立枯病、ショウガ紋枯病、ニンジンこぶ病、ニンジン根頭がんしゅ病、ニンジンストレプトミセスそうか病、ニンジン軟腐病、ニンジン斑点細病、ニンジン萎黄病、ニンジン褐色根腐病、ニンジン乾腐病、ニンジン核病、ニンジン黒すす病、ニンジン黒色根腐病、ニンジンしみ腐病、ニンジン白絹病、ニンジンそうか病、ニンジン根腐病、ニンジン紫紋羽病、イネ稲こうじ病、イネ疫病、イネ株腐病、イネ白葉枯病、イネ苗立枯細病、イネもみ枯細病、イネ疫病、イネ褐色核病、イネ褐色小核病、イネ褐色紋枯病、イネ球状核病、イネ黒粒核病、イネ小黒核病、イネ小球核病、イネ白絹病、イネ赤色核病、イネ立枯病、イネ苗腐病、イネ苗立枯病、イネ灰色核病、イネばか苗病、イネ葉鞘網斑病、イネ紋枯病、イネ綿疫病、ソラマメ青枯病、ソラマメ疫病、ソラマメ核病、ソラマメ茎腐病、ソラマメ黒根病、ソラマメ白絹病、ソラマメ白紋羽病、ソラマメ立枯病、ソラマメ根腐病、ダイズ退緑斑紋ウイルス病、ダイズ斑紋病、ダイズ葉焼病、ダイズ斑点細病、ダイズ萎凋病、ダイズ株枯病、ダイズ核病、ダイズ茎疫病、ダイズ黒根病、ダイズ黒根腐病、ダイズ白絹病、ダイズ立枯病、ダイズリゾクトニア根腐病、オクラ疫病、オクラ立枯病、オクラ半身萎凋病、ホウレンソウモザイク病、ホウレンソウ萎凋病、ホウレンソウ疫病、ホウレンソウ株腐病、ホウレンソウこうがいかび病、ホウレンソウ立枯病、ホウレンソウバーティシリウム萎凋病、ホウレンソウ根腐病、キク青枯病、キク根頭がんしゅ病、キク軟腐病、キク萎凋病、キク疫病、キク菌核病、キク白絹病、キク立枯病、キク半身萎凋病、キク茎枯病、キク白紋羽病、ペチュニア菌核病、ペチュニア白かび病、カーネーション萎凋細菌病、カーネーション立枯細菌病、カーネーション斑点細菌病、カーネーション萎凋病、カーネーション疫病、カーネーション菌核病、カーネーション茎腐病、カーネーション首腐病、カーネーション白絹病、カーネーション立枯病、カーネーション根腐病、チューリップ黒腐病、チューリップ軟腐病、チューリップ青かび病、チューリップ疫病、チューリップ球茎腐敗病、チューリップ球根腐敗病、チューリップ菌核病、チューリップ茎枯病、チューリップ白絹病、チューリップ白色疫病、チューリップ灰色腐敗病、チューリップ根腐病、チューリップ腐敗病、シンビジウム褐色腐敗病、シンビジウム軟腐病、シンビジウム疫病、シンビジウム褐色葉枯病、シンビジウム白絹病、シンビジウム苗黒腐病、シンビジウム腐敗病、トルコギキョウ青枯病、トルコギキョウ株腐病、トルコギキョウ菌核病、トルコギキョウ茎腐病、トルコギキョウ立枯病、トルコギキョウ根腐病、リンドウ斑紋病、リンドウ褐色根腐病、リンドウ白絹病、リンドウ葉腐病、リンドウ花腐菌核病、リンドウこぶ症、カキ根頭がんしゅ病、カキ白紋羽病、カキ紫紋羽病、カキホモプシス立枯病、グミ白紋羽病、グミ微粒菌核病、イチジク根頭がんしゅ病、イチジク疫病、イチジク菌核病、イチジク白絹病、イチジク白紋羽病、イチジク軟腐病、イチジク紫紋羽病、アンズ根頭がんしゅ病、アンズ白紋羽病、アンズ紫紋羽病、ウメ根頭がんしゅ病、ウメ疫病、ウメ菌核病、ウメ白紋羽病、ウメ紫紋羽病、オウトウ根頭がんしゅ病、オウトウ菌核病、オウトウ白紋羽病、オウトウ紫紋羽病、スモモ根頭がんしゅ病、スモモ白紋羽病、スモモ紫紋羽病、セイヨウナシ疫病、セイヨウナシ白紋羽病、ナシ根頭がんしゅ病、ナシ疫病、ナシ菌核病、ナシ白紋羽病、ナシ紫紋羽病、ビワ根頭がんしゅ病、ビワ疫病、ビワ白紋羽病、ビワ紫紋羽病、モモ根頭がんしゅ病、モモ菌核病、モモ白紋羽病、モモ紫紋羽病、リンゴ根頭がんしゅ病、リンゴ疫病、リンゴ白絹病、リンゴ白紋羽病、リンゴ紫紋羽病、ブドウ根頭がんしゅ病、ブドウ白紋羽病、ブドウ半身萎凋病、ブドウ紫紋羽病、クリ根頭がんしゅ病、クリ疫病、クリ白紋羽病、クリ紫紋羽病、キウイフルーツ白紋羽病、カンキツ根頭がんしゅ病、カンキツ菌核病、カンキツ白紋羽病、カンキツ紫紋羽病、カンキツフザリウム立枯病などが挙げられる。この中でも、青枯病に代表される細菌性の土壌伝染病、根こぶ病に代表される変形菌性の土壌伝染病、つる割病に代表される糸状菌性の土壌伝染病に特に有効である。
ここで、青枯病(あおがれびょう、Bacterial wilt disease)とは、ナス科植物をはじめ、200種以上の植物に感染、枯死させる農業上深刻な被害をもたらす病害であり、病原体である細菌・青枯病菌(Ralstonia solanacearum、旧学名Pseudomonas solanacearum)によって引き起こされ、植物が急速にしおれて青々としている状態で枯死するという症状となる。いったん青枯病が発生した土地では、根絶することが難しく、青枯病菌は地中深くに何年も生残し、適当な宿主植物が植えられると再び発生する傾向がある。
また、根こぶ病(ねこぶびょう、Club root disease)とは、ハクサイなどのアブラナ科野菜の根が、変形菌類に属する原始的な菌であるプラスモディオフォラ・ブラシケー(Plasmodiophora brassicae)の寄生を受け、こぶ状に著しく肥大する病気である。この病気にかかると、地上部の生育は悪くなり、葉は初期には日中萎凋(いちょう)する程度であるが、病勢が進むと黄変し落葉する。根こぶ病菌は、休眠胞子の状態で長期間生存するといわれており、感染した根はこぶを作り、膨大な数の休眠胞子が作られる。このこぶが腐敗すると、休眠胞子が土壌中に分散し、感染を繰り返す。
さらに、つる割病(つるわれびょう、Fusarium wilt disease)とは、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)という糸状菌によって引き起こされる。本菌は、120種以上の植物に感染し、萎凋や枯死させるなど、農業上深刻な被害をもたらす。病原体である糸状菌は、メロンつる割病菌、ホウレンソウ萎凋病菌、キャベツ萎黄病菌、レタス根腐病菌、トマト根腐萎凋病菌、タマネギ乾腐病菌、ダイズ立枯病菌というように、罹病させる植物種によって異なった名称で呼ばれる。前述の青枯病と同様に、根絶することが難しく、適当な宿主植物が植えられると再び発生する。
このように、土壌伝染病は、その原因微生物の根絶が難しく、土壌が土壌伝染病菌に感染すると、長期間に亘って植物の生育を阻害する傾向がある。本発明は、このような土壌伝染病に侵された圃場において、植物の発病度を低減させる土壌伝染病防除用組成物及び土壌伝染病防除方法を提供するものである。
本発明の植物の土壌伝染病防除用組成物は、(1)炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)及びケイ酸マグネシウム(Mg2Si3O8・5H2O)から選ばれた少なくとも1種、(2)微量要素、(3)二酸化ケイ素(SiO2)及び酸化鉄(Fe2O3)から選ばれた少なくとも1種のうち、(1)と(2)の組み合わせ、(1)と(3)の組み合わせ、(1)と(2)と(3)の組み合わせを含有する。
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムは、土壌のpHを上昇させるためのアルカリ性無機物として作用するものである。アルカリ性無機物としては、各種のものが知られているが、本発明者らは、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びケイ酸マグネシウムが、土壌伝染病に対する効果が高いことを見いだした。炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びケイ酸マグネシウムは、それぞれ単独で使用してもよいが、併用してもよい。
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びケイ酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の育苗培土に対する付与量は、付与後の育苗培土中における濃度が10~1,000 mMとなるようにすることが好ましく、20~1,000 mMとなるようにすることがより好ましい。上記付与量が10 mM未満では、土壌pHの上昇効果が乏しくなり、土壌伝染病防除効果が弱められる傾向がある。ここで、育苗培土中における濃度mMは、育苗培土1 L中に含まれる当該化合物の分子数に基づいた量(mol)を表し、mM = mmol / Lの意味である。
二酸化ケイ素は、植物の必須要素ではないものの、転炉スラグに豊富に含まれており、植物によっては生長促進効果や発病軽減効果を付与する効果がある。
二酸化ケイ素の育苗培土に対する付与量は、付与後の育苗培土中における濃度が120~3,000 mMとなるようにすることが好ましい。
酸化鉄としては、酸化第二鉄(Fe2O3)が好ましく用いられる。鉄は、転炉スラグに豊富に含まれており、転炉スラグの実績から、土壌伝染病防除効果を高める作用を有していると考えられる。
酸化鉄の育苗培土に対する付与量は、施用後の育苗培土中における濃度が2~50 mMとなるようにすることが好ましい。
微量要素は、土壌pH矯正に伴って欠乏しやすくなるため、微量要素欠乏症を回避するために添加される。微量要素としては、マンガンとホウ素が特に必要である。
マンガンの育苗培土に対する付与量は、施用後の育苗培土中における濃度が0.08~20 mMとなるようにすることが好ましい。ホウ素の育苗培土に対する付与量は、施用後の育苗培土中における濃度が0.04~10 mMとなるようにすることが好ましい。
本発明の植物の土壌伝染病防除用組成物は、(1)炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)及びケイ酸マグネシウム(Mg2Si3O8・5H2O)から選ばれた少なくとも1種と、(2)微量要素と、(3)二酸化ケイ素(SiO2)及び酸化鉄(Fe2O3)から選ばれた少なくとも1種を含有することがより好ましい。
また、本発明の植物の土壌伝染病防除用組成物は、上記成分の他に、更に界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を添加することにより、土壌伝染病防除効果を更に高めることができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤の付与量は、特に限定されないが、土壌伝染病防除用組成物を液体にして施用する場合には、液体中の界面活性剤の濃度が0.025~0.5%(質量 / 体積)となるようにすることが好ましい。
本発明の植物の土壌伝染病防除剤は、粉体混合物としてそのまま、育苗培土や植物自体に付与することもできるが、適当量の水に溶解分散させて溶液又は懸濁液として付与することもできる。この場合、本発明の土壌伝染病防除用組成物を水に溶解分散させた溶液又は懸濁液(以下単に「溶液」とする)中のそれぞれの成分の濃度は、下記のような濃度とすることが好ましい。
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びケイ酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の上記溶液中の濃度は、20~5,000 mMが好ましい。
二酸化ケイ素の上記溶液中の濃度は、120~15,000 mMが好ましい。
酸化鉄の上記溶液中の濃度は、2~250 mMが好ましい。
微量要素のうち、マンガンの上記溶液中の濃度は、0.08~100 mMが好ましい。ホウ素の上記溶液中の濃度は、0.04~50 mMが好ましい。
界面活性剤の上記溶液中の濃度は、0.025~0.5%(質量 / 体積)が好ましい。
本発明の植物の土壌伝染病防除用組成物は、植物の播種から育苗期の間に、育苗培土又は植物自体に付与することが好ましい。本発明の植物の土壌伝染病防除用組成物を、植物の播種から育苗期の間に、育苗培土又は植物自体に付与することにより、その後に土壌伝染病に汚染された圃場に定植しても、土壌伝染病の発病度を低減することができる。このため、圃場全体に土壌伝染病防除用組成物を施用しなくても、土壌伝染病防除効果が期待できる。勿論、本発明の植物の土壌伝染病防除用組成物は、定植する圃場にも付与することができ、それによって、土壌伝染病防除効果をより高めることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の詳細を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実験例1>
アルカリ性成分を含む複数の無機物の組み合わせ処理が土壌伝染病の発生程度に与える影響を評価するため、アルカリ性無機物として5種類の物質、すなわち、CaCO3、ケイ酸カルシウム(以下、CaSiO3と記す)、水酸化マグネシウム(以下、Mg(OH)2と記す)又は酸化マグネシウム(以下、MgOと記す)、微量要素(商品名「FTE1号」、東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製)、Fe2O3を組合せた混合物を表1に示すように調製し、これらを供試して、トマト栽培の圃場実験を行なった。
平成30年4月17日に、育苗培土(商品名「JAニッピ園芸培土1号」、日本肥糧株式会社製)を詰めた128穴セルトレーに、栽培植物としてトマト(品種「桃太郎」)を播種した。なお、転炉スラグ処理区では、育苗培土に転炉スラグ(商品名「粉状てんろ石灰」、ミネックス株式会社製)を目標pH7.5となるように20 g/L混和した後、セルトレーに詰めた。
播種20日後(同年5月7日)、無機物混合物を処理する試験群には、表1に示す育苗培土中の濃度になるように、アルカリ性無機物と微量要素とFe2O3の混合液をセルトレーの各セル中の育苗培土に5 mL灌注した。そして、播種29日後(同年5月16日)、土壌病原菌であるトマト青枯病菌の汚染圃場に定植した。
定植62及び68日後、トマト青枯病の発生程度に与える影響を評価する指標として、トマト青枯病の外部病徴の程度を示す発病指数を下記の評価基準で設け、各トマト株を発病程度に応じて区分した。区分後、発病度を下記式1に基づいて算出し、更に発病度から下記式2に基づいて防除価を算出した。
(発病指数の評価基準)
0:無病徴、1:一部の葉の萎凋、2:全部の葉の萎凋、3:枯死
発病度=(Σ(発病指数別株数×発病指数)/全株数)×100 ・・・(式1)
上記において、発病指数別株数とは、それぞれの発病指数を示した株数を意味する。また、式1において、Σ(発病指数別株数×発病指数)は、次のようにして計算した値を意味する。すなわち、発病指数「0(無病徴)」を示すトマト株数に発病指数「0」を掛算する。次に、発病指数「1(一部の葉の萎凋)」を示すトマト株に発病指数「1」を掛算する。他の発病指数でも同様に掛算し、それぞれで得られた数値を合算した値となる。
防除価=100-(処理区の発病度/無処理の発病度)×100 ・・・(式2)
(防除価が負の値となる場合には、0とした)
こうして求められた発病度と防除価を表1に示す。
定植62日後、「CaCO3 (500 mM) + 微量要素 + Fe2O3」と「MgO (500 mM) + 微量要素 + Fe2O3」の2つの処理区で73以上の高い防除価が得られた。しかし、評価最終日とした定植68日後には、「CaCO3 (500 mM) + 微量要素 + Fe2O3」で最も高い防除価が得られたことから、供試した5種類のアルカリ性無機物の中でCaCO3が最も有効であった。一方、転炉スラグ処理区では防除価が0を示し、本実験のような少量の処理では防除効果を示さなかった。
<実験例2>
アルカリ性成分を含む複数の無機物の組み合わせ処理が土壌伝染病の発生程度に与える影響を評価するため、アルカリ性無機物として塩基性MgCO3(重質)と、微量要素(商品名「FTE1号」、東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製)と、Fe2O3と、SiO2とを下記表2に示す処方で調製したものを供試して、トマト栽培の圃場実験を行なった。
平成30年7月20日に、育苗培土(商品名「JAニッピ園芸培土1号」、日本肥糧株式会社製)を詰めた128穴セルトレーに、栽培植物としてトマト(品種「桃太郎」)を播種した。なお、SiO2処理区では、育苗培土にSiO2資材(商品名「スーパーイネルギー」、片倉コープアグリ株式会社販売、富士シリシア化学株式会社製)を40 g/L混和した後、セルトレーに詰めた。
播種11日後(同年7月31日)、無機物混合物を処理する試験群には、表2に示す育苗培土中の濃度になるように、混合物の懸濁液をセルトレーの各セル中の育苗培土に5 ml灌注した。そして、播種14日後(同年8月3日)、土壌病原菌であるトマト青枯病菌の汚染圃場に定植した。
定植32、39、46日後、トマト青枯病の発生程度に与える影響を評価するため、発病度と防除価を前記式1,2に基づいてそれぞれ算出した。
また、無機物の組み合わせ処理の予測防除価(EV)をColbyの理論(Colby, R. S. 1967 Weeds 15:20‐22)に基づいた以下の式を用いて算出し、これと実測される防除価(OV)と比べた。OVがEVより大きい場合には相乗作用があると判定した。
(2種類の組み合わせ処理の場合の予測防除価)
EV=X+Y-XY/100 ・・・(式3)
(上記式において、EVはAとBの2種類の成分を組合せて処理した際の予測防除価を示し、XはAを単独で施した際に実測される防除価を示し、YはBを単独で施した際に実測される防除価を示す)。
表2に発病度と防除価、表3に相乗効果の有無の判定結果をそれぞれ示す。定植32、39、46日後、「MgCO3 + 微量要素 + SiO2」、「MgCO3 + 微量要素 + Fe2O3」の順に高い防除価を示した(表2)。また、「MgCO3 + 微量要素」と「Fe2O3」の間、「MgCO3 + 微量要素」と「SiO2」の間にそれぞれ相乗効果が検出された(表3)。
<実験例3>
アルカリ性成分を含む複数の無機物の組み合わせ処理が土壌伝染病の発生程度に与える影響を評価するため、アルカリ性無機物としてCaCO3と、塩基性MgCO3(重質)と、微量要素(商品名「FTE1号」、東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製)と、Fe2O3と、SiO2とを下記表4に示す処方で調製したものを供試して、トマト栽培の圃場実験を行なった。
平成30年7月25日に、育苗培土(商品名「JAニッピ園芸培土1号」、日本肥糧株式会社製)を詰めた128穴セルトレーに、栽培植物としてトマト(品種「桃太郎」)を播種した。なお、SiO2処理区では、育苗培土にSiO2資材(商品名「スーパーイネルギー」、片倉コープアグリ株式会社販売、富士シリシア化学株式会社製)を40 g/L混和した後、セルトレーに詰めた。
播種15日後(同年8月9日)、無機物混合物を処理する試験群には、表4に示す育苗培土中の濃度になるように、混合物の懸濁液をセルトレーの各セル中の育苗培土に5 ml灌注した。そして、播種19日後(同年8月13日)、土壌病原菌としてトマト青枯病菌の汚染圃場に定植した。
定植15、22、29、36日後、トマト青枯病の発生程度に与える影響を評価するため、発病度と防除価を前記式1、2に基づいてそれぞれ算出し、また、前記式3に基づいて相乗効果の有無を判定した。更に、4種類の組み合わせ処理の場合の予測防除価を以下の式を用いて算出し、これと実測される防除価(OV)と比べた。OVがEVより大きい場合には相乗作用があると判定した。
(4種類の組み合わせ処理の場合の予測防除価)
EV=W+X+Y+Z-(WX+WY+WZ+XY+XZ+YZ)/100
+(WXY+WXZ+WYZ+XYZ)/10,000-WXYZ/1000,000 ・・・(式4)
(上記式において、EVはA,B,C,Dの4種類の成分を組合せて処理した際の予測防除価を示し、XはAを単独で施した際に実測される防除価を示し、YはBを単独で施した際に実測される防除価を示し、ZはCを単独で施した際に実測される防除価を示し、WはDを単独で施した際に実測される防除価を示す)。
表4に発病度と防除価、表5に相乗効果の有無の判定結果をそれぞれ示す。評価期間を通じて、「CaCO3 + 微量要素 + Fe2O3(10 mM) + SiO2」処理区で防除価が最大となった(表4)。また、「CaCO3 」と「微量要素」と「Fe2O3 (10 mM)」と「SiO2」の間に相乗効果が検出された(表5)。


<実験例4>
アルカリ性成分を含む複数の無機物の組み合わせ処理が土壌伝染病の発生程度に与える影響を評価するため、アルカリ性無機物として塩基性MgCO3(重質)と、微量要素(商品名「FTE1号」、東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製)と、Fe2O3と、SiO2とを下記表6に示す処方で調製したものを供試して、キャベツ栽培の圃場実験を行なった。
平成30年7月20日に、育苗培土(商品名「JAニッピ園芸培土1号」、日本肥糧株式会社製)を詰めた128穴セルトレーに、栽培植物としてキャベツ(品種「四季穫」)を播種した。転炉スラグ処理区では、育苗培土に転炉スラグ(商品名「粉状てんろ石灰」、ミネックス株式会社製)を目標pH7.5となるように20 g/L混和した後、セルトレーに詰めた。SiO2処理区では、育苗培土にSiO2資材(商品名「スーパーイネルギー」、片倉コープアグリ株式会社販売、富士シリシア化学株式会社製)を40 g/L混和した後、セルトレーに詰めた。
播種20日後(同年8月9日)、無機物混合物を処理する試験群には、表6に示す育苗培土中の濃度になるように、混合物の懸濁液をセルトレーの各セル中の育苗培土に5 ml灌注した。播種25日後(同年8月14日)、土壌病原菌であるアブラナ科野菜根こぶ病菌の汚染圃場に定植した。
定植35日後、根こぶ病の発生程度に与える影響を評価する指標として、本病の外部病徴の程度を示す発病指数を評価基準(0: 無病徴; 1: 黄化/生育阻害/一部の葉の萎凋; 2: 全部の葉の萎凋; 3: 枯死)で設け、各キャベツ株を発病程度に応じて区分した。区分後、発病度と防除価を前記式1、2に基づいてそれぞれ算出し、更に3種類の組み合わせ処理の場合の予測防除価を下記式5に基づいて算出し、これと実測される防除価(OV)と比べた。OVがEVより大きい場合には相乗作用があると判定した。
(3種類の組み合わせ処理の場合の予測防除価)
EV=X+Y+Z-(XY+XZ+YZ)/100+XYZ/10,000 ・・・(式5)
(上記式において、EVはA,B,Cの3種類の成分を組合せて処理した際の予測防除価を示し、XはAを単独で施した際に実測される防除価を示し、YはBを単独で施した際に実測される防除価を示し、ZはCを単独で施した際に実測される防除価を示す)。
表6に発病度と防除価、表7に相乗効果の有無の判定結果をそれぞれ示す。定植35日後、「MgCO3 + 微量要素 + Fe2O3」と「MgCO3 + 微量要素 + SiO2」の2つの処理区で防除価が最大となった(表6)。また、「MgCO3 + 微量要素」と「Fe2O3」の間、「MgCO3 + 微量要素」と「SiO2」の間にそれぞれ相乗効果が検出された(表7)。
<実験例5>
アルカリ性成分を含む複数の無機物の組み合わせ処理が土壌伝染病の発生程度に与える影響を評価するため、アルカリ性無機物として塩基性MgCO3(重質)と、微量要素(商品名「FTE1号」、東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製)と、SiO2とを下記表8に示す処方で調製したものを供試して、トマト栽培実験を行なった。
平成30年10月3日に、育苗培土(商品名「JAニッピ園芸培土1号」、日本肥糧株式会社製)を詰めた288穴セルトレーに、栽培植物としてトマト(品種「桃太郎」)を播種した。なお、SiO2を処理する試験群には、育苗培土にSiO2資材(商品名「スーパーイネルギー」、片倉コープアグリ株式会社販売、富士シリシア化学株式会社製)が40 g/Lとなるようにあらかじめ混和した後、セルトレーに詰めた。
播種23日後(同年10月29日)、MgCO3を処理する試験群には、MgCO3の育苗培土中における濃度が250 mMとなるように、0.1 g/mL MgCO3懸濁液を各セル中の育苗培土に1.8 mL灌注した。微量要素を処理する試験群には、微量要素(FTE1号)の育苗培土中における濃度が1.5 g/Lとなるように、7.1 mg/mL FTE1号懸濁液を各セル中の育苗培土に1.8 mL灌注した。MgCO3と微量要素を組み合わせて処理する試験群では、MgCO3の育苗培土中における濃度が250 mMとなるように、また、微量要素(FTE1号)の育苗培土中の濃度が1.5 g/Lとなるように、MgCO3と微量要素(FTE1号)をそれぞれ0.1 g/mL及び7.1 mg/mL含む懸濁液を各セル中の育苗培土に1.8 mL灌注した。
播種26日後(同年10月29日)、育苗培土(JAニッピ園芸培土1号)にトマト青枯病菌をあらかじめ混合して接種した後(2×108 cfu/mL)、この育苗培土を用いてポット(商品名「TOポリポット」、株式会社東海化成製、サイズ12 cm、容量約760 mL)に移植した。移植日に、季節変化に伴う気温の影響を少なくするために、人工気象器(商品名:Cultivation Chamber CL-301、株式会社トミー精工製)内の中段と下段へ植物を移動し、各植物が受ける光量や温度が平均化するように、1日に1度、中段と下段の中で各ポットの栽培位置をかえながら栽培した。移植後、トマト青枯病の発生程度に与える影響を評価するため、発病度と防除価を前記式1、2に基づいてそれぞれ算出し、更に、3種類の組み合わせ処理の場合の予測防除価を、前記式5を用いて算出し、相乗効果の有無を判定した。
表8に発病度と防除価、表9に相乗効果の有無の判定結果をそれぞれ示す。移植14日後、「MgCO3 + 微量要素 + SiO2」、「MgCO3 + SiO2」、「MgCO3 + 微量要素」の順に高い防除価を示した(表8)。また、「MgCO3」と「微量要素」と「SiO2」の間、「MgCO3」 と「微量要素」の間、「MgCO3」と「SiO2」の間にそれぞれ相乗効果が検出されたが(表9)、防除価の大きさから、MgCO3、微量要素、SiO2を組み合わせた際に表れた相乗効果が最も有効に作用したことが明らかとなった。
<実験例6>
塩基性MgCO3(重質)と、微量要素と、SiO2の無機物の組み合わせと、界面活性物質の併用処理が、土壌伝染病の発生程度に与える影響を評価するため、トマト栽培実験を行なった。
平成30年10月3日に、育苗培土(商品名「JAニッピ園芸培土1号」、日本肥糧株式会社製)を詰めた288穴セルトレーに、栽培植物としてトマト(品種「桃太郎」)を播種した。なお、「MgCO3 + 微量要素+ SiO2」を処理する試験群には、SiO2資材(商品名「スーパーイネルギー」、片倉コープアグリ株式会社販売、富士シリシア化学株式会社製)が40 g/Lとなるように育苗培土にあらかじめ混和した後、セルトレーに詰めた。
播種9日後(同年10月12日)、「MgCO3 + 微量要素+ SiO2」を処理する試験群では、MgCO3の培土中における濃度が250 mMとなるように、また、微量要素(FTE1号)の育苗培土中の濃度が1.5 g/Lとなるように、MgCO3とFTE1号をそれぞれ0.1 g/mL及び7.1 mg/mL含む懸濁液を各セルに1.8 mL灌注した。更に、界面活性物質としてポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル(商品名「アプローチBI」、丸和バイオケミカル株式会社製)を0.33%含む水溶液を、各トマト株の株元に5 mL灌注した。
播種26日後(同年10月29日)、育苗培土(JAニッピ園芸培土1号)にトマト青枯病菌をあらかじめ混合して接種した後(2×108 cfu/mL)、この育苗培土を用いてポット(商品名「TOポリポット」、株式会社東海化成製、サイズ12 cm、容量約760 mL)に移植した。移植日に、季節変化に伴う気温の影響を少なくするために人工気象器(商品名:Cultivation Chamber CL-301、株式会社トミー精工製)内の上段へ植物を移動し、各植物が受ける光量や温度が平均化するように、1日に1度、上段の中で各ポットの栽培位置をかえながら栽培した。移植後、トマト青枯病の発生程度に与える影響を評価するため、発病度と防除価を前記式1,2に基づいてそれぞれ算出し、更に、前記式3,5に基づいて予測防除価を算出して、相乗効果の有無を判定した。
表10に発病度、防除価、相乗効果の有無の判定結果を示す。移植14日後、「MgCO3 + 微量要素 + SiO2 + 界面活性物質」処理区で防除価が最大となり、「MgCO3 + 微量要素 + SiO2」と「界面活性物質」の間に相乗効果が検出された(表10)。
<実験例7>
アルカリ性無機物にFe2O3を添加した処理が、土壌伝染病の発生程度に与える影響を評価するため、トマト栽培実験を行なった。
育苗培土を50穴セルトレーに詰めた後、トマト(品種「桃太郎」)を1セル当たり4粒播種した。なお、各実験区当たり8セル分を使用した。播種7日後、各セル当たりトマト苗2株に間引きした後、CaCO3とMg2Si3O8・5H2Oを育苗培土中の濃度が100 mMと32.5 mMとなるように各々0.75 gと0.855 gを添加した懸濁液を各セル中の育苗培土に8 mL灌注した。また、Fe2O3を処理する試験群には、育苗培土中における濃度が0.3、3、10、30、60 mMとなるように、上記のCaCO3とMg2Si3O8・5H2Oの混合液にFe2O3を0.003593、0.0375、0.12、0.36、0.72 g添加した後に灌注した。
播種14日後、土壌病原菌としてトマト青枯病菌の懸濁液(約3×109 cfu/ml)を各トマト植物付近の育苗培土に灌注接種した(3 ml/植物)。接種後、トマト青枯病の未発病株数をモニタリングした。また、播種21日後、トマト青枯病の発生程度に与える影響を評価する指標として、子葉節より上部の植物体(子葉を含む)の生重量を測定した。本栽培は人工気象器(商品名:Cultivation Chamber CL-301、株式会社トミー精工製)内の上段を用いて行った。なお、各植物が受ける光量や温度が平均化するように、1日に1度、上段の中で各ポットの栽培位置をかえながら栽培した。
表11に未発病株数と生重量を示す。病原菌接種4日後以降、Fe2O3を10 mM処理した区において未発病株数が最大となった(表14)。また、Fe2O3無処理ではすべての株が発病したが、Fe2O3をいずれの濃度で処理してもすべての株が発病することはなかった(表14)。接種7日後の生重量においても、Fe2O3を10 mM処理した区で最大となり、Fe2O3を処理したすべての区において無処理区よりも値が大きくなった(表11)。本結果から、アルカリ性無機物にFe2O3を添加することで発病程度が低下することが明らかとなった。
<実験例8>
MgCO3と、微量要素と、SiO2の無機物の組み合わせ処理が、土壌伝染病の発生程度に与える影響を評価するため、トマト栽培実験を行なった。
令和元年5月22日に、育苗培土(商品名「JAニッピ園芸培土1号」、日本肥糧株式会社製)を詰めた128穴セルトレーに、栽培植物としてトマト(品種「桃太郎」)を播種した。
播種22日後(同年6月13日)、育苗培土(商品名「果菜子床専用培土」、三研ソイル株式会社製)を用いて、ポリポット(TOポリポット、株式会社東海化成製、サイズ10.5 cm、容量約530 mL)に移植(鉢上げ)した。なお、「MgCO3 + 微量要素 + SiO2」を処理する試験群には、育苗培土中における濃度が、MgCO3は80 mMとなるように、SiO2資材(商品名「スーパーイネルギー」、片倉コープアグリ株式会社販売、富士シリシア化学株式会社製)は40 g/Lとなるように、微量要素(FTE1号)は1.5 g/Lとなるように、あらかじめ混和した。鉢上げ19日後(同年7月2日)、土壌病原菌としてトマト青枯病菌を予め接種した圃場に定植した。定植30及び38日後、トマト青枯病の発生程度に与える影響を評価するため、発病度と防除価を前記式1,2に基づいてそれぞれ算出した。
表12に発病度と防除価を示す。定植30日後、「MgCO3 + 微量要素 + SiO2」は、50を超える防除価を示した(表12)。また、定植38日後は、防除価は25を示した(表12)。したがって、持続期間は限られるものの、MgCO3 の育苗培土中の濃度を80 mMと低めてもトマト青枯病に対する防除効果があることが明らかとなった。
<実験例9>
CaCO3と、微量要素と、Fe2O3と、SiO2の無機物の組み合わせ処理が、土壌伝染病の発生程度に与える影響を評価するため、メロン栽培実験を行なった。
令和元年5月23日に、育苗培土(商品名「JAニッピ園芸培土1号」、日本肥糧株式会社製)を詰めた128穴セルトレーに、栽培植物としてメロン(品種「アムス」)を播種した。
播種11日後(同年6月3日)、育苗培土(商品名「ソイルフレンド」、三研ソイル株式会社製)を用いて、ポリポット(TOポリポット、株式会社東海化成製、サイズ10.5 cm、容量約530 mL)に移植(鉢上げ)した。なお、「CaCO3 + 微量要素+ Fe2O3 + SiO2」を処理する試験群には、育苗培土中における濃度が、CaCO3は200 mMとなるように、Fe2O3は10 mMとなるように、SiO2資材(商品名「スーパーイネルギー」、片倉コープアグリ株式会社販売、富士シリシア化学株式会社製)は40 g/Lとなるように、微量要素(FTE1号)は1.5 g/Lとなるように、あらかじめ混和した。鉢上げ23日後(同年6月26日)、土壌病原菌としてメロンつる割病菌(Fusarium oxysporum f. sp. melonis)を予め接種した圃場に定植した。定植12及び22日後、メロンつる割病の発生程度に与える影響を評価する指標として、メロンつる割病の外部病徴の程度を示す発病指数を評価基準(0: 無病徴; 1: 一部葉の黄化/硬化; 2: 全身的な黄化/硬化; 3: 枯死)で設け、各メロン株を発病程度に応じて区分した。区分後、発病度と防除価を前記式1、2に基づいてそれぞれ算出した。
表13に発病度と防除価を示す。定植12日後、「CaCO3 + 微量要素 + Fe2O3 + SiO2」は、高い防除価を示した(表13)。また、定植22日後は、防除価は41を示した(表13)。したがって、高い防除効果の持続期間は限られるものの、「CaCO3 + 微量要素 + Fe2O3 + SiO2」は、メロンつる割病に対する防除効果があることが明らかとなった。
以上の実験例1~9の実験結果から、6種類の組み合わせ(「CaCO3 + 微量要素 + Fe2O3」、「CaCO3 + 微量要素 + Fe2O3 + SiO2」、「MgCO3 + 微量要素 + Fe2O3」、「MgCO3 + 微量要素 + SiO2」、「MgCO3 + 微量要素」、「MgCO3 + SiO2」、「CaCO3 + Mg2Si3O8・5H2O + Fe2O3」)において、相乗効果が表れて防除効果が高まった。したがって、土壌に、(1)「CaCO3 又はMgCO3又はMg2Si3O8・5H2O、あるいは、CaCO3 とMgCO3の両方、あるいはCaCO3とMg2Si3O8・5H2Oの両方」、(2)「微量要素」、(3)「Fe2O3又はSiO2、あるいは、Fe2O3とSiO2の両方」の中、(1)と(2)の組み合わせ、又は(1)と(3)の組み合わせ、又は(1)と(2)と(3)の組み合わせを施せば、病害防除の作用効果が相乗的に得られることが明らかとなった。また、これらの組み合わせを界面活性物質と併用して施せば、界面活性物質との相乗効果も得られることが明らかとなった。

Claims (6)

  1. (1)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びケイ酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種と、(2)マンガン及びホウ素と、(3)二酸化ケイ素及び酸化鉄から選ばれた少なくとも1種とを含有し、青枯病、根こぶ病、つる割病から選ばれた1種の植物の土壌伝染病に適用されるものであることを特徴とする、植物の土壌伝染病防除用組成物。
  2. 更に界面活性剤を含有する、請求項1記載の植物の土壌伝染病防除用組成物。
  3. ラルストニア・ソラナシアラム(Ralstonia solanacearum)、プラスモディオフォラ・ブラシケー(Plasmodiophora brassicae)、又はフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)による土壌伝染病に対する防除用組成物である、請求項1又は2に記載の植物の土壌伝染病防除用組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載された土壌伝染病防除用組成物を、植物の播種から育苗期の間に、育苗培土又は植物自体に付与することを特徴とする植物の土壌伝染病防除方法。
  5. 前記炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びケイ酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種を、前記育苗培土に対して10mM~1,000mMになるように付与する、請求項4記載の植物の土壌伝染病防除方法。
  6. 前記土壌伝染病防除用組成物を、界面活性剤を含有する水溶液又は水懸濁液として付与する、請求項4又は5記載の植物の土壌伝染病防除方法。
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